JP4540389B2 - ズームレンズおよび撮像装置 - Google Patents
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Description
カメラの奥行き方向を薄くするにあたって最大の課題となるのは、光学系、特にズームレンズ系の最も物体側の面から撮像面までの厚みである。最近では、撮影時に光学系をカメラボディ内からせり出し携帯時に光学系をカメラボディ内に収納するいわゆる沈胴式鏡筒を採用することが主流になっている。
薄型化小型化を実施するには、撮像素子を小さくすればよいが、同じ画素数とするためには画素ピッチを小さくする必要があり、感度不足を光学系でカバーしなければならない。また回折の影響もある。したがってF値の明るい光学系が必要となる。
また、奥行きの薄いカメラボディにするためには、合焦時のレンズ移動を前群繰り出し方式ではなく、いわゆるリアフォーカス方式で行なうことが駆動系のレイアウト上有効である。そのため、リアフォーカス方式を実施した時の収差変動が少ない光学系を選択する必要がある。
例えば、特許文献1、2には、F値が明るくズーム比が3倍程度と大きく画角が広い、比較的コンパクトな負先行の3群構成のズームレンズが開示されている。
また、特許文献2、3には、リアフォーカス方式に適したズームレンズが開示されている。
特許文献1、2に記載の技術では、第1レンズ群、第2レンズ群で軸外諸収差を除去しきれておらず、残存する収差を第3レンズ群に非球面量の大きなレンズを配置することで除去する構成になっている。そのため第3群を移動させたときに収差変動が大きくなってしまい、無限遠物点から近距離物点まで安定した良好な結像性能を得ることが難しいという問題がある。そのため、リアフォーカス方式には適さない。
また、特許文献2、3に記載の技術では、広角端または望遠端での最短のレンズ全長が大きく、また変倍時の第2レンズ群移動量が大きいために、第2レンズ群を駆動するカム機構を有する鏡筒部が長くなる。そのため、沈胴時においてもレンズ全長が大きくなってしまうことが考えられ、充分にコンパクトとは言えないという問題がある。
2.3<Lt/f2<3.7 ・・・(1)
−2.5<(R13+R14)/(R13−R14)<−0.4 ・・・(2)
0.65<T1/T2<1 ・・・(3)
ただし、Ltはズームレンズの望遠端での最も物体側のレンズ面から結像面までの距離、f2は、前記第2レンズ群の焦点距離、R13は第1レンズ群の正の第2レンズの物体側の面の曲率半径、R14は第1レンズ群の正の第2レンズの像側の面の曲率半径、T1は第1レンズ群の最も物体側の面から最も像側の面までの光軸上の長さ、T2は第2レンズ群の最も物体側の面から最も像側の面までの光軸上の長さである。
本発明のズームレンズは、物体側より負の屈折力を有する第1レンズ群、正の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群からなる3群構成を採用しているので、テレセントリック性が良くなり、例えばCCD等の撮像素子に効率的に光線を入射させることができる。また、バックフォーカスを長くとることができるため、光学的ローパスフィルタや赤外線カットフィルタといった部材を配置するスペースが確保できるものである。
Lt/f2が、条件式(1)の上限を超えると全長が長くなりすぎ、コンパクト化するのが難しくなる。また、Lt/f2が下限を超えて小さくなると、第2レンズ群のパワーが弱くなり、第2レンズ群の変倍作用が小さくなって変倍時の移動量が大きくなる。そのため、コンパクト化が難しくなる。
例えば、以下の条件式(1a)であれば望ましく、条件式(1b)であればより望ましい。
2.5<Lt/f2<3.5 ・・・(1a)
2.7<Lt/f2<3.3 ・・・(1b)
T1/T2が、条件式(3)の下限を超えると、第1レンズ群の全長が短くなりすぎる。そのため、第1レンズ群の負の第1レンズと正の第2レンズとの間隔が小さくなり、特に歪曲収差やコマ収差等の軸外収差の補正上好ましくない。この場合、第2レンズ群を長くしても第2レンズ群での補正が困難となる。
また、第1レンズ群の負の第1レンズに必要な負の屈折力を確保する際に、比較的径の大きい負の第1レンズの外径部の縁肉のバランスが悪くなり、第1レンズ群の正の第1レンズの外径部での干渉したり、保持が困難となったりするので、好ましくない。あるいは、第1レンズ群の負の第1レンズの物体側の面が凹面となるので、光軸上の長さは短くなるものの、外径部を含めて考えるとコンパクト化することが難しい。また、バランスとして第2レンズ群の全長が長くなりすぎて好ましくない。
また上限を超えると第2レンズ群の全長が短くなり、特に像面湾曲や非点較差の収差の補正が難しくなる。コンパクト性を確保する範囲で第1レンズ群の全長を長くしても第1レンズ群での補正は困難である。また、第1レンズの全長が必要以上に長くなりコンパクト化の上で好ましくない。また、バランスとして、第2レンズ群の各レンズがそれぞれ機能する必要スペースを確保することが難しくなる。
例えば、以下の条件式(3a)であれば望ましく、条件式(3b)であればより望ましい。
0.67<T1/T2<0.9 ・・・(3a)
0.7<T1/T2<0.85 ・・・(3b)
そのため、本発明のズームレンズでは、第2レンズ群を、物体側より順に、正の第1レンズ、正の第2レンズ、負の第3レンズ、像側に凸面を有する単レンズからなる第4レンズを備え、正の第2レンズおよび負の第3レンズが互いに接合されて、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の接合レンズをなす構成とし、接合レンズの接合面を除く少なくとも2面に非球面を有するものとしている。
このような構成によれば、第3レンズ群で発生する非点収差等を効果的に補正でき、結像性能を向上することができる。特に、少なくとも2面に非球面を設けるので、効果的に収差補正を行うことができる。
この場合、少なくとも2面の非球面は、接合レンズの接合面を除くレンズ面に設けるので、接合レンズの製作が容易となる。
また、少なくとも2面の非球面は第2レンズ群の正の第1レンズの両面に設けることが好ましい。そうすれば、球面収差補正、群内相対偏心感度の緩和、製造コストの点で大きなメリットが得られる。
この場合、接合レンズ内で収差をキャンセルするようにして、偏心感度を小さくすることが好ましい。このようにすれば、第2レンズ群の正の第1レンズとの相対偏心感度を小さくすることができる。
この第4レンズは、収差補正上はパワーレス、または負レンズとしてもよい。ただし、第4レンズを正の屈折力を有するレンズとすれば、第2レンズ群内の正パワーが分散される。そして、第2レンズ群内の相対偏心感度を下げることができる。
この場合、収差補正上有効である。特に第1レンズ群で発生する非点収差や歪曲収差を補正するには、絞りより後の主光線高が高くなる面に非球面を配置することが有効である。
しかし、第3レンズ群によるリアフォーカス方式とする場合、第3レンズ群への非球面の導入には制約がある。つまり、フォーカシング時、第3レンズ群に非球面をもつと結像性能の変動が大きくなる。そのため、第2レンズ群の最も像側の面に非球面を配置することが望ましい。
なお、第2レンズ群の第4レンズは、ガラスレンズでもプラスチックレンズでもよい。また、ガラス球面上に非球面樹脂を形成させた複合非球面レンズとしてもよい。
0.3<R23R/R22F<1.0 ・・・(7)
−0.4<f2/R23F<1.4 ・・・(8)
ただし、f2は第2レンズ群の焦点距離、R22Fは第2レンズ群の正の第2レンズの物体側の面の光軸近傍の曲率半径、R23Rは、第2レンズ群の負の第3レンズの最も像側の面の光軸近傍の曲率半径、R23Fは第2レンズ群の接合レンズの接合面の光軸近傍の曲率半径である。
R23R/R22Fが、条件式(7)の上限を超えると、群内での球面収差・コマ収差・非点収差の補正が不十分かつ接合による偏心感度の緩和の効果が少なくなる。下限を超えると、群内の球面収差・コマ収差・非点収差の補正には有利で偏心感度の緩和の効果もあるが、第2レンズ群の倍率を上げるため、小型化に支障をきたしやすい。
例えば、以下の条件式(7a)であれば望ましく、条件式(7b)であればより望ましい。
0.4<R23R/R22F<0.95 ・・・(7a)
0.45<R23R/R22F<0.9 ・・・(7b)
f2/R23Fが、条件式(8)の上限を超えると、軸上色収差、倍率色収差が補正不足になりやすい。下限を超えると、接合レンズ中の正の第2レンズの縁肉を確保するために光軸上での厚みが増大し好ましくない。
例えば、以下の条件式(8a)であれば望ましく、条件式(8b)であればより望ましい。
0.4<f2/R23F<1.2 ・・・(8a)
0.5<f2/R23F<1.0 ・・・(8b)
1.0<|f2/f23|<3.0 ・・・(9)
ただし、f2は第2レンズ群の焦点距離、f23は第2レンズ群の負の第3レンズの焦点距離である。
|f2/f23|が条件式(9)の上限を超えると、第2レンズ群の主点が物体側に寄るために全長を短くする作用があるものの、非点収差の補正が困難となる。下限を超えると、第2レンズ群の主点が像側寄りとなって第2レンズ群の倍率が高くならないため、第1レンズ群の移動量が大きくなったり大型化しやすくなってしまう。また、使用状態における第2レンズ群の後方にデッドスペースが生じやすく全長が長くなる。その結果、鏡枠の機械構造が複雑になったり巨大化したりする。あるいは沈胴時にレンズ全長を薄くできなくなる。
例えば、以下の条件式(7a)であれば望ましく、条件式(7b)であればより望ましい。
1.3<|f2/f23|<2.5 ・・・(9a)
1.6<|f2/f23|<2.0 ・・・(9b)
このように少なくとも1面の非球面を有する2枚構成とするので、色収差や各軸外収差が良好に補正可能であり、ズームレンズの薄型化に貢献することができる。
条件式(2)は、(R13+R14)/(R13−R14)の値により、第1レンズ群の正の第2レンズの好ましい形状を規定している。
(R13+R14)/(R13−R14)が、条件式(2)の上限を超えると、歪曲収差の補正が不利になりやすい。下限を超えると、非点収差の補正上不利になりやすい。また、変倍時の機械的干渉を避けるために第2レンズ群との間隔が余分に必要となるのでコンパクト化に不利である。
例えば、以下の条件式(2a)であれば望ましく、条件式(2b)であればより望ましい。
−2.4<(R13+R14)/(R13−R14)<−0.45・・・(2a)
−2.3<(R13+R14)/(R13−R14)<−0.5 ・・・(2b)
この場合、物体側の面では、レンズの外周部で正の屈折力が強くなるような非球面形状にすることがより好ましい。このようにすれば、第1レンズ群の負の第1レンズの外径を小さくすることができるとともに、広角端における歪曲収差、非点収差を効果的に補正できる。また、像側の面でも、同様の理由により、レンズの外周部で正の屈折力が強くなるような非球面形状にすることがより好ましい。
0.01<(Asp12F−Asp12R)/fW<0.05 ・・・(10)
ただし、Asp12F、Asp12Rは、それぞれ第1レンズ群内の正の第2レンズの物体側、像側の非球面が有する光軸近傍での曲率半径(近軸曲率半径)の球面に対する有効径での非球面偏奇量、fWは広角端でのズームレンズ全系の焦点距離である。
(Asp12F−Asp12R)/fWが、条件式(10)の上限を超えて非球面量が大きくなると、軸外のコマ収差の補正が困難になる。下限を超えると、負の歪曲収差の補正不足になり、また軸外の像面湾曲、非点格差が補正できない。
例えば、以下の条件式(10a)であれば望ましく、条件式(10b)であればより望ましい。
0.015<(Asp12F−Asp12R)/fW<0.04 ・・・(10a)
0.02<(Asp12F−Asp12R)/fW<0.03 ・・・(10b)
また、本発明のズームレンズでは、第1レンズ群の負の第1レンズは、物体側の面に比べより強い曲率を有する凹面を像側に備え、像側の凹面が非球面からなることが好ましい。そうすれば、特に広角端で発生する歪曲収差、像面湾曲を効果的に補正することができる。このレンズはガラス成型による非球面レンズとしてもよいし、ガラス球面上に非球面樹脂を形成させた複合非球面レンズとしてもよい。
1.15<|f1/f2|<2.0 ・・・(4)
ただし、f2は、前記第2レンズ群の焦点距離、f1は前記第1レンズ群の焦点距離である。
例えば、以下の条件式(4a)であれば望ましく、条件式(4b)であればより望ましい。
1.2<|f1/f2|<1.75 ・・・(4a)
1.25<|f1/f2|<1.5 ・・・(4b)
そこで、本発明のズームレンズでは、本発明の目的の達成、つまり沈胴収納時のレンズ部総厚を薄くしてなおかつ第3レンズ群にてフォーカスをするためには、第3レンズ群は球面系または少ない非球面量にて構成することが好ましい。
0.29<fW/f3<0.6 ・・・(6)
ただし、fWは広角端でのズームレンズ全系の焦点距離、f3は前記第3レンズ群の焦点距離である。
fW/f3が、条件式(6)の上限を超えて第3レンズ群の屈折力が強くなると、第3レンズ群で発生するコマ収差、像面湾曲が大きくなり、リアフォーカスをするのが難しくなる。下限を超えて第3レンズ群の屈折力が弱くなると、バックフォーカスが増大したり、フォーカシング時の第3レンズ群の移動量が大きくなったりするので、コンパクト化するのが難しくなる。条件式(6)は、第3レンズ群のレンズ面を球面で構成する場合に特に有用である。
例えば、以下の条件式(6a)であれば望ましく、条件式(6b)であればより望ましい。
0.3<fW/f3<0.5 ・・・(6a)
0.31<fW/f3<0.45 ・・・(6b)
この場合、特に出来栄え誤差によるピント位置のばらつきの大きな望遠端における調整余裕量の確保が容易になる。
このような構成では、実用的な収差レベルの補正が可能であり、レンズ枚数を低減して、ズームレンズの薄型化に貢献することができる。
この場合、入射瞳位置を浅くできるため前玉径が小さくでき、結果として光軸上のレンズ肉厚を薄くできるため、厚さ方向のコンパクト化に貢献することができる。
また射出瞳位置を結像位置から遠くできるので、例えばCCDなどの撮像素子に射出する光線角度を小さくでき、画面の端でのかげり(シェーディング)の発生を防ぐことができる。
また、開口絞りは、変倍時に第2レンズ群と一体して移動することが好ましい、
この場合、機構上単純であるばかりでなく、沈胴時のデッドスペースが発生しにくく、広角端と望遠端のF値の差が小さくなるという利点がある。
この発明によれば、本発明のズームレンズを用いて、被写体の像を撮像素子上に結像できるから、本発明のズームレンズと同様の作用効果を備える撮像装置となる。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係るズームレンズについて説明する。
図1(a)、(b)、(c)は、本発明の第1の実施形態に係る第1実施例のズームレンズの無限遠物点合焦時の、それぞれ広角端、中間状態、望遠端でのレンズ断面図である。この図中において、符号Iは像面を示す。なお、これらの詳細な数値実施例は実施例1として後記する。
負レンズL1は、物体側の面に比べより強い曲率を有する凹面を像側に備え、像側の凹面が非球面からなるレンズで構成される。そして、d線に対する屈折率が1.75以上の硝材からなる。
正レンズL2は、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズで構成される。
なお、以下では誤解の恐れのない限り、負レンズL1、正レンズL2などを総称するとき、正負などを省略して単にレンズL1、L2などと略称する場合がある。
正レンズL3は、両面に非球面を有する両凸レンズで構成される。
接合レンズL4は、物体側より順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズからなる正レンズL5(正の第2レンズ)、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズからなると負レンズL6(負の第3レンズ)により構成される。正レンズL5、負レンズL6は、各レンズ面が球面からなる。
正レンズL7は、像側に凸面を向けた単レンズからなり、像側の凸面に非球面を有する構成とされる。
光学的ローパスフィルタF1としては、結晶軸方向が調整された水晶板などからなる複屈折型ローパスフィルタや、回折効果を用いて光学的な遮断周波数特性を実現する位相型ローパスフィルタなどを好適に採用することができる。
また、カバーガラスGLは、CCDなどの撮像素子を配置する場合のカバーガラスである。
また、この他に、例えば平行平板に赤外光を遮断する蒸着を施した赤外光カットフィルタなどを設けてもよい。
なお、これらは場合によっては、一部または全部を割愛してもよい。
図2(a)、(b)、(c)は、本発明の第1の実施形態に係る第2実施例のズームレンズの無限遠物点合焦時の、それぞれ広角端、中間状態、望遠端でのレンズ断面図である。この図中において、符号Iは像面を示す。なお、これらの詳細な数値実施例は実施例2として後記する。
図3(a)、(b)、(c)は、本発明の第1の実施形態に係る第3実施例のズームレンズの無限遠物点合焦時の、それぞれ広角端、中間状態、望遠端でのレンズ断面図である。この図中において、符号Iは像面を示す。なお、これらの詳細な数値実施例は実施例3として後記する。
また、第1実施例の正レンズL2に代えて、正レンズL21(正の第2レンズ)を、同じく正レンズL7に代えて、正レンズ26(正の第4レンズ)を備える。
正レンズL21は、両面に非球面を有することにより正の屈折力を有する単レンズから構成される。そして、d線に対する屈折率が1.85より小さい硝材からなる。
正レンズ26は、像側に凸面を有する単レンズであり、像側の面に非球面を有する構成とされる。
なお、開口絞りS、平行平板群Fは上記第1実施例と共通である。
図4(a)、(b)、(c)は、本発明の第1の実施形態に係る第4実施例のズームレンズの無限遠物点合焦時の、それぞれ広角端、中間状態、望遠端でのレンズ断面図である。この図中において、符号Iは像面を示す。なお、これらの詳細な数値実施例は実施例4として後記する。
また、第1実施例の正レンズL7に代えて、正レンズ36(正の第4レンズ)を備える。
正レンズ36は、像側に凸面を有する単レンズであり、両面に球面を有する構成とされる。
なお、開口絞りS、平行平板群Fは上記第1実施例と共通である。
fは全系焦点距離、FNOはFナンバー、Wは広角端、Sは中間状態、Tは望遠端である。r1、r2、…は各レンズ面の曲率半径、d1、d2、…は各レンズ面間の間隔であり、図1(a)の符号とそれぞれ対応している。また、nd1、nd2、…は各レンズのd線での屈折率、νd1、νd2、…は各レンズのアッベ数である。これらの表記は以下の参照図面すべてに共通である。
なお非球面形状は、光軸方向をz、光軸に直交する方向をyにとるとき、次の式(a)で表される。
z=(y2/r)/[1+√{1−(1+K)・(y/r)2}]
+A4y4+A6y6+A8y8+A10y10 ・・・(a)
ただし、rは近軸曲率半径、Kは円錐係数、A4、A6、A8、A10は、それぞれ4次、6次、8次、10次の非球面係数である。
1 r1 = ∞ d1 = 1.50 nd1 = 1.77377 νd1 = 47.17
2 r2 = 7.265 (非球面) d2 = 2.63
3 r3 = 12.816 d3 = 2.20 nd2 = 1.80518 νd2 = 25.42
4 r4 = 39.500 d4 = (可変)
S ∞(絞り) d5 = 0.80
5 r 5 = 14.805 (非球面) d6 = 1.82 nd3 = 1.74330 νd3 = 49.33
6 r 6 = -42.582 (非球面) d7 = 0.08
7 r 7 = 5.519 d8 = 2.52 nd4 = 1.51633 νd4 = 64.14
8 r 8 = 16.682 d9 = 0.65 nd5 = 1.80518 νd5 = 25.42
9 r 9 = 4.631 d10= 1.25
10 r 10 = 1148.788 d11= 1.38 nd6 = 1.51633 νd6 = 64.14
11 r 11 = -31.519 (非球面) d12= (可変)
12 r 12 = 42.164 d13= 2.01 nd7 = 1.74400 νd7 = 44.78
13 r 13 = -33.209 d14= (可変)
14 r 14 = ∞ d15= 0.95 nd8 = 1.54771 νd8 = 62.84
15 r 15 = ∞ d16= 0.55
16 r 16 = ∞ d17= 0.50 nd9 = 1.51633 νd9 = 64.14
17 r 17 = ∞ d18= (可変)
I ∞(像面)
[非球面係数]
面番号 K A4 A6 A8 A10
2 -0.694 3.79934x10-6 3.02207x10-12 4.80234x10-12 -4.18324x10-11
5 7.272 -5.06557x10-4 -1.23961x10-5 -1.87104x10-9 -1.87517x10-8
6 -43.291 -2.56756x10-4 -4.98807x10-6 7.55902x10-8 -8.45234x10-9
11 0.000 1.68492x10-4 -2.27448x10-6 1.41768x10-6 -6.47233x10-8
[ズームデータ]
W S T
f(mm) 8.072 13.438 23.273
FNO 2.87 3.73 5.16
d4 18.51 8.96 1.99
d12 6.11 12.81 22.97
d14 4.17 3.40 3.83
d18 0.80 0.80 0.80
これらより、本実施例では、各収差が良好に補正されていることが分かる。
なお、上記の各条件式に対応する計算値はまとめて後記する。
1 r1 = ∞ d1 = 1.50 nd1 = 1.77377 νd1 = 47.18
2 r2 = 6.812 (非球面) d2 = 2.20
3 r3 = 12.179 d3 = 2.35 nd2 = 1.90367 νd2 = 31.32
4 r4 = 40.524 d4 = (可変)
S ∞ (絞り) d5 = 0.80
5 r 5 = 14.507 (非球面) d6 = 2.12 nd3 = 1.74330 νd3 = 49.33
6 r 6 = -37.838 (非球面) d7 = 0.10
7 r 7 = 5.549 d8 = 2.04 nd4 = 1.48749 νd4 = 70.23
8 r 8 = 11.872 d9 = 1.13 nd5 = 1.80518 νd5 = 25.42
9 r 9 = 4.276 d10= 1.28
10 r 10 = 98.456 d11= 1.86 nd6 = 1.51633 νd6 = 64.14
11 r 11 = -27.195 (非球面) d12= (可変)
12 r 12 = 27.602 d13= 1.97 nd7 = 1.60311 νd7 = 60.70
13 r 13 = -31.375 d14= (可変)
14 r 14 = ∞ d15= 0.95 nd8 = 1.54771 νd8 = 62.84
15 r 15 = ∞ d16= 0.55
16 r 16 = ∞ d17= 0.50 nd9 = 1.51633 νd9 = 64.14
17 r 17 = ∞ d18= (可変)
I ∞(像面)
[非球面係数]
面番号 K A4 A6 A8 A10
2 -0.661 -1.18095x10-5 -5.16857x10-7 -8.68102x10-10 -3.63804x10-11
5 7.386 -5.88389x10-4 -1.77024x10-5 2.94038x10-10 -1.44443x10-8
6 -35.173 -3.16877x10-4 -9.12370x10-6 1.33506x10-7 -2.25341x10-10
11 0.000 -1.33259x10-4 -1.89869x10-5 1.62043x10-6 -1.96646x10-7
[ズームデータ]
W S T
f(mm) 8.068 13.438 23.275
FNO 2.77 3.59 5.01
d4 18.96 8.95 2.00
d12 5.52 12.09 21.96
d14 3.79 2.77 2.00
d18 0.80 0.80 0.80
これらより、本実施例では、各収差が良好に補正されていることが分かる。
なお、上記の各条件式に対応する計算値はまとめて後記する。
1 r1 = ∞ d1 = 1.50 nd1 = 1.80610 νd1 = 40.92
2 r2 = 8.753 d2 = 2.71
3 r3 = 29.169 (非球面) d3 = 2.35 nd2 = 1.84666 νd2 = 23.78
4 r4 = -102.659 (非球面) d4 = (可変)
S ∞(絞り) d5 = 0.80
5 r 5 = 14.140 (非球面) d6 = 2.10 nd3 = 1.58313 νd3 = 59.46
6 r 6 = -24.946 (非球面) d7 = 0.10
7 r 7 = 5.904 d8 = 2.08 nd4 = 1.69100 νd4 = 54.82
8 r8 = 13.607 d9 = 1.37 nd5 = 1.80518 νd5 = 25.42
9 r 9 = 4.124 d10= 1.46
10 r 10 = -131.935 d11= 1.47 nd6 = 1.51633 νd6 = 64.14
11 r 11 = -75.520 (非球面) d12= (可変)
12 r 12 = 23.098 d13= 2.22 nd7 = 1.60311 νd7 = 60.70
13 r 13 = -22.809 d14= (可変)
14 r 14 = ∞ d15= 0.95 nd8 = 1.54771 νd8 = 62.84
15 r 15 = ∞ d16= 0.55
16 r 16 = ∞ d17= 0.50 nd9 = 1.51633 νd9 = 64.14
17 r 17 = ∞ d18= (可変)
I ∞(像面)
[非球面係数]
面番号 K A4 A6 A8 A10
3 0.000 5.74375x10-5 -8.37511x10-6 4.11074x10-7 -5.28660x10-9
4 0.000 -6.94729x10-5 -7.63117x10-6 3.77509x10-7 -5.46523x10-9
5 6.643 -6.02020x10-4 -5.51363x10-6 -7.20229x10-7 8.33261x10-9
6 -0.550 -2.31108x10-4 1.70053x10-6 -6.41632x10-7 1.97033x10-8
11 0.000 1.51066x10-4 -5.40629x10-6 4.30502x10-7 -1.15320x10-7
[ズームデータ]
W S T
f(mm) 8.068 13.438 23.275
FNO 2.86 3.83 5.29
d4 18.61 9.15 1.24
d12 4.60 11.63 20.83
d14 3.38 2.00 2.00
d18 0.90 0.90 0.90
これらより、本実施例では、各収差が良好に補正されていることが分かる。
なお、上記の各条件式に対応する計算値はまとめて後記する。
1 r1 = ∞ d1 = 1.50 nd1 = 1.77377 νd1 = 47.17
2 r2 = 7.490 (非球面) d2 = 2.72
3 r3 = 13.222 d3 = 2.11 nd2 = 1.80518 νd2 = 25.42
4 r4 = 38.308 d4= (可変)
S ∞(絞り) d5 = 0.80
5 r 5 = 16.536 (非球面) d6 = 1.77 nd3 = 1.74330 νd3 = 49.33
6 r 6 = -41.171 (非球面) d7 = 0.02
7 r 7 = 5.596 d8 = 2.48 nd4 = 1.51633 νd4 = 64.14
8 r 8 = 16.030 d9 = 1.02 nd5 = 1.80518 νd5 = 25.42
9 r 9 = 4.623 d10= 1.02
10 r 10 = 1319.760 d11= 1.43 nd6 = 1.51633 νd6 = 64.14
11 r 11 = -24.853 d12= (可変)
12 r 12 = 37.064 d13= 2.07 nd7 = 1.74400 νd7 = 44.78
13 r 13 = -36.893 d14= (可変)
14 r 14 = ∞ d15= 0.95 nd8 = 1.54771 νd8 = 62.84
15 r 15 = ∞ d16= 0.55
16 r 16 = ∞ d17= 0.50 nd9 = 1.51633 νd9 = 64.14
17 r 17 = ∞ d18= (可変)
I ∞(像面)
[非球面係数]
面番号 K A4 A6 A8 A10
2 -0.697 7.65750x10-6 -1.68254x10-12 -1.42325x10-15 -8.49690x10-12
5 9.778 -4.32998x10-4 -5.71365x10-6 -4.70780x10-8 -6.55631x10-9
6 -29.058 -1.46704x10-4 1.20833x10-6 7.61198x10-8 2.82407x10-9
[ズームデータ]
W S T
f(mm) 8.119 13.436 23.244
FNO 2.87 3.70 5.15
d4 18.31 8.63 1.99
d12 6.21 12.49 23.05
d14 4.16 3.76 3.87
d18 0.79 0.80 0.79
なお、上記の各条件式に対応する計算値はまとめて後記する。
次に、本発明の第2の実施形態に係るカメラについて説明する。
以上のような本発明の第1の実施形態に係るズームレンズは、ズームレンズで物体像を形成しその像をCCD等の電子撮像素子に受光させて撮影を行う撮影装置、とりわけデジタルカメラやビデオカメラ、情報処理装置の例であるパソコン、電話、特に持ち運びに便利な携帯電話等に用いることができる。以下にその実施形態を例示する。
図9〜11は、本発明によるズームレンズをデジタルカメラの撮影光学系41に組み込んだ構成の概念図を示す。図9はデジタルカメラ40の外観を示す前方斜視図、図10は同後方斜視図、図11はデジタルカメラ40の構成を示す断面図である。
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
S 開口絞り
F 平行平板群
F1 光学的ローパスフィルタ
I 像面
L1、L10、L20、L30 負レンズ(第1レンズ群の負の第1レンズ)
L2、L11、L21、L31 正レンズ(第1レンズ群の正の第2レンズ)
L3、L12、L22、L32 正レンズ(第2レンズ群の正の第1レンズ)
L4、L13、L23、L33 接合レンズ
L5、L14、L24、L34 正レンズ(第2レンズ群の正の第2レンズ)
L6、L15、L25、L35 負レンズ(第2レンズ群の負の第3レンズ)
L7、L16、L26、L36 正レンズ(第2レンズ群の正の第4レンズ)
L8、L17、L27、L37 正レンズ(第3レンズ群の正の単レンズ)
40 デジタルカメラ(カメラ)
41 撮像光学系(ズームレンズ)
49 CCD(撮像素子)
Claims (11)
- 物体側より順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群とからなり、
前記第1レンズ群が、物体側より順に、負の第1レンズ、正の第2レンズから構成され、少なくとも1面の非球面を有し、
前記第2レンズ群が、物体側より順に、正の第1レンズ、正の第2レンズ、負の第3レンズ、像側に凸面を有する単レンズからなる第4レンズを備え、前記正の第2レンズおよび前記負の第3レンズが互いに接合されて、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の接合レンズをなす構成とされ、該接合レンズの接合面を除く少なくとも2面に非球面を有し、
前記第3レンズ群が、正の単レンズから構成され、
無限遠物点合焦時に広角端から望遠端へ変倍する際、前記第1レンズ群が像側に凸の軌跡で移動し、前記第2レンズ群が物体側へのみ移動し、前記第3レンズ群が第2レンズ群とは異なる量で移動しかつ合焦のために可動とされ、
以下の条件式(1)、(2)、(3)、(7)、(8)’を満足することを特徴とするズームレンズ。
2.3<Lt/f2<3.7 ・・・(1)
−2.5<(R13+R14)/(R13−R14)<−0.4 ・・・(2)
0.65<T1/T2<1 ・・・(3)
0.3<R 23R /R 22F <1.0 ・・・(7)
0.9≦f 2 /R 23F <1.4 ・・・(8)’
ただし、Ltはズームレンズの望遠端での最も物体側のレンズ面から結像面までの距離、f2は、前記第2レンズ群の焦点距離、R13は前記第1レンズ群の正の第2レンズの物体側の面の曲率半径、R14は前記第1レンズ群の正の第2レンズの像側の面の曲率半径、T1は前記第1レンズ群の最も物体側の面から最も像側の面までの光軸上の長さ、T2は前記第2レンズ群の最も物体側の面から最も像側の面までの光軸上の長さ、R 22F は第2レンズ群の正の第2レンズの物体側の面の光軸近傍の曲率半径、R 23R は、第2レンズ群の負の第3レンズの最も像側の面の光軸近傍の曲率半径、R 23F は第2レンズ群の接合レンズの接合面の光軸近傍の曲率半径である。 - 前記第1レンズ群の前記負の第1レンズが、物体側の面に比べより強い曲率を有する凹面を像側に備え、該像側の凹面が非球面からなることを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
- 前記第1レンズ群の前記正の第2レンズが、両面に非球面を有することを特徴とする請求項1または2に記載のズームレンズ。
- 前記第1レンズ群の前記正の第2レンズが、d線に対する屈折率が1.85以上の硝材からなることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のズームレンズ。
- 以下の条件式(4)を満足することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のズームレンズ。
1.15<|f1/f2|<2.0 ・・・(4)
ただし、f1は前記第1レンズ群の焦点距離、f2は前記第2レンズ群の焦点距離である。 - 前記第2レンズ群の前記第4レンズが、正の屈折力を有することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
- 前記第2レンズ群の前記正の第1レンズが、両面に非球面を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のズームレンズ。
- 前記第2レンズ群の前記第4レンズの像側の面が非球面であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のズームレンズ。
- 以下の条件式(6)を満足することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のズームレンズ。
0.29<fW/f3<0.6 ・・・(6)
ただし、fWは広角端でのズームレンズ全系の焦点距離、f3は前記第3レンズ群の焦点距離である。 - 前記第3レンズ群が球面のみで構成されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のズームレンズ。
- 請求項1から10のいずれか1項に記載のズームレンズと、該ズームレンズの結像位置に撮像素子を配置したことを特徴とする撮像装置。
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