JP4532635B2 - 送信電力制御システム及び通信局 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線交信中の送信電力を制御する送信電力制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
送信局と受信局間で無線交信中に、受信局は、送信局から受け入れる受信信号の受信レベルや誤り率等の通信品質を検出し、この通信品質に基づいて無線交信の周囲環境を判断して自己の送信信号の送信電力量を制御していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで従来の技術には、次のような解決すべき課題があった。
上記送信電力制御には自己の送信電力量を正確に検出することが不可欠である。しかし、従来の送信電力制御システムでは、送信電力量を測定する検波器の検波特性は、装置間で大きなバラツキを持っていた。又周囲環境によっても検波器の出力が大きく変動していた。以上の理由によって自己の送信電力量を正確に検出することは困難であった。
一方、上記送信電力量は、受信信号の通信品質のみによって制御されていたため、時には特殊な周囲環境下で制御不能な状態になっている場合等に、無理に制御しようとしてバッテリーを空にしてしまう場合も発生した。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は以下の点を解決するため次の構造を採用する。
〈構成1〉
送信局と受信局間で無線交信を行う送信電力制御システムであって、前記送信局から受け入れる受信信号に多重されてくる第1の送信電力制御指示信号に基づいて、自己の送信信号の送信電力量の増減を制御し、前記受信信号の受信状態から前記送信局の送信電力量の適否を判定して第2の送信電力制御指示信号を生成し、前記自己の送信信号に多重して前記送信局に向けて送出する前記受信局は、前記自己の送信信号の送信電力量を増減する電力増幅部と、前記第1の送信電力制御指示信号に基づいて前記電力増幅部を制御して前記送信電力量を予め定められている上限値と下限値の間に維持する電力制御部と、前記送信電力量の前記上限値を定める上限閾値と、前記下限値を定める下限閾値と、予め装置毎及び使用環境毎に定められている補正値とを記憶する記憶部と、前記受信信号の受信状態を監視して前記送信局の送信電力量の適否を判定する判定部と、前記判定部の判定結果に基づいて前記第2の送信電力制御指示信号を生成し前記送信信号に多重して前記送信局に送出する制御/処理部とを備え、前記電力制御部は、前記自己の送信信号の一部を受け入れて検波する検波器を有し、前記検波器の出力レベルを前記記憶部に記憶されている前記補正値に基づいて補正し、該補正した出力レベルに基づいて前記電力増幅部による前記送信電力量の増幅率を増加又は減少させる比較制御手段を備え、前記比較制御手段は、前記第1の送信電力制御指示信号が送信電力量の増加を指示している場合に、前記補正された前記検波器の出力レベルと前記記憶部から読み出した前記上限閾値を比較して前記検波器の出力レベルが前記上限閾値より下回る間は前記電力増幅部の増幅率を増加させる増幅率制御信号を前記電力増幅部へ送出し、前記第1の送信電力制御指示信号が送信電力量の減少を指示している場合に、前記補正された前記検波器の出力レベルと前記記憶部から読み出した前記下限閾値を比較して前記検波器の出力レベルが前記下限閾値より上回る間は前記電力増幅部の増幅率を減少させる増幅率制御信号を前記電力増幅部へ送出することを特徴とする送信電力制御システム。
【0005】
〈構成2〉
送信局から受け入れる受信信号に多重されてくる第1の送信電力制御指示信号に基づいて、自己の送信信号の送信電力量の増減を制御し、前記受信信号の受信状態から前記送信局の送信電力量の適否を判定して第2の送信電力制御指示信号を生成し、前記自己の送信信号に多重して前記送信局に向けて送出する通信局であって、前記自己の送信信号の送信電力量を増減する電力増幅部と、前記第1の送信電力制御指示信号に基づいて前記電力増幅部を制御して、前記送信電力量を予め定められている上限値と下限値の間に維持する電力制御部と、前記送信電力量の前記上限値を定める上限閾値と、前記下限値を定める下限閾値と、予め装置毎及び使用環境毎に定められている補正値とを記憶する記憶部と、前記受信信号の受信状態を監視して前記送信局の送信電力量の適否を判定する判定部と、前記判定部の判定結果に基づいて前記第2の送信電力制御指示信号を生成し前記送信信号に多重して前記送信局に送出する制御/処理部とを備え、前記電力制御部は、前記自己の送信信号の一部を受け入れて検波する検波器を有し、前記検波器の出力レベルを前記記憶部に記憶されている前記補正値に基づいて補正し、該補正した出力レベルに基づいて前記電力増幅部による前記送信電力量の増幅率を増加又は減少させる比較制御手段を備え、前記比較制御手段は、前記第1の送信電力制御指示信号が送信電力量の増加を指示している場合に、前記補正された前記検波器の出力レベルと前記記憶部から読み出した前記上限閾値を比較して前記検波器の出力レベルが前記上限閾値より下回る間は前記電力増幅部の増幅率を増加させる増幅率制御信号を前記電力増幅部へ送出し、前記第1の送信電力制御指示信号が送信電力量の減少を指示している場合に、前記補正された前記検波器の出力レベルと前記記憶部から読み出した前記下限閾値を比較して前記検波器の出力レベルが前記下限閾値より上回る間は前記電力増幅部の増幅率を減少させる増幅率制御信号を前記電力増幅部へ送出することを特徴とする通信局。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を具体例を用いて説明する。
〈構成〉
本発明では、上記問題点を解決するために検波器の出力を予め定められている補正値によって補正する。さらに、上記送信電力量の制御に上限値と下限値を設定する。以上の機能を果たすために本発明は、以下のように構成される。
【0008】
図1は、本発明の構成のブロック図である。
図1より本発明の送信電力制御システムは(受信局)Aと(送信局)Bから構成され、その間は(電磁波)Cで結ばれている。ここで(受信局)Aと(送信局)Bは可逆的機能を有する装置なので、以下に(受信局)Aの構成のみについて説明する。
【0009】
(受信局)Aは、アンテナ1−1と、切換器2−1と、受信増幅部3−1と、受信混合部4−1と、受信中間周波増幅部5−1と、復調部6−1と、判定部7−1と、制御/処理部8−1と、制御指示信号多重部9−1と、送信中間周波増幅部10−1と、送信混合部11−1と、電力増幅部12−1と、電力制御部13−1と、局部発振器部14−1と、記憶部(ROM)15−1を備える。
【0010】
アンテナ1−1は、高周波送信信号RFt1(St1+Sd1)を電磁波に変換して放射し、電磁波を受け入れて高周波受信信号RFr1(St2+Sd2)を受け入れて電気信号に変換する部分である。
切換器2−1は、アンテナ1−1と接続し高周波送信信号RFt1(St1+Sd1)と高周波受信信号RFr1(St2+Sd2)の送受信を切り換える部分である。
受信増幅部3−1は、切換器2−1から高周波受信信号RFr1(St2+Sd2)を受け入れて高周波増幅する部分である。
【0011】
受信混合部4−1は、後に説明する局部発振器部14−1の出力を受信増幅部3−1の出力に混合する部分である。
受信中間周波増幅部5−1は、受信混合部4−1の出力を受け入れて増幅し、検波する部分である。
復調部6−1は、受信中間周波増幅部5−1の出力を復調すると共に誤り率を検出する部分である。
【0012】
判定部7−1は、受信中間周波増幅部5−1の出力の一部と、上記復調部6−1の出力の一部を受け入れて上記受信信号の受信状態を監視して上記送信局の送信電力量の適否を判定する部分である。
制御/処理部8−1は、上記判定部7−1の判定結果に基づいて上記下り送信電力制御指示信号Sd1を生成し制御指示信号多重部9−1を介して、送信データSt1に多重して上記送信局に送出する部分である。更に復調部6−1の出力に含まれている、送信局から送られてくる上り送信電力制御指示信号Sd2を受け入れて上り送信電力制御信号Sc1を生成して後に説明する電力制御部13−1へ送出する部分でもある。
【0013】
制御指示信号多重部9−1は、送信データSt1に下り送信電力制御指示信号Sd1を多重する部分である。
送信中間周波増幅部10−1は、制御指示信号多重部9−1の出力を受け入れて所定の変調方式によって変調し、更に増幅する部分である。
送信混合部11−1は、送信中間周波増幅部10−1の出力と後に説明する局部発振器部14−1の出力を混合して無線周波数帯の高周波送信信号をえる部分である。
【0014】
電力増幅部12−1は、送信混合部11−1の出力を無線周波数帯のままで増幅する部分である。即ち、高周波送信信号の送信電力量を増減する部分である。電力制御部13−1は、上記上り送信電力制御信号Sc1に基づいて上記電力増幅部12−1を制御して送信電力量を予め定められている上限値と下限値の間に維持する部分である。以下にその詳細について図を用いて説明する。
【0015】
図2は、本発明の電力制御部のブロック図である。
(a)は、電力制御部の構成を表している。(b)は、電力制御部の機能を表している。
図2(a)より、電力制御部13−1は、検波手段21−1と、A/D変換器22−1と、補正手段23−1と、比較制御手段24−1とを備える。更に、本発明を適用する装置の必要に応じて検温手段25−1を備える。
検波手段21−1は、自己の送信信号の一部を受け入れて検波して、電圧レベルに変換する部分である。
【0016】
A/D変換器22−1は、検波手段21−1の出力を受け入れてアナログ/ディジタル変換する部分である。
補正手段23−1は、A/D変換器22−1でディジタル変換された検波手段21−1の出力を受け入れて、装置毎及び周囲環境毎に、後に説明する記憶部(ROM)15−1に格納されている補正値を読み出して補正する部分である。
【0017】
比較制御手段24−1は、上り送信電力制御信号Sc1を受け入れる。上り送信電力制御信号Sc1が送信電力量の増加を指示している場合には、補正手段23−1の出力レベルと、記憶部15−1から読み出した上限閾値を比較して補正手段23−1の出力レベルが上限閾値より下回る間は電力増幅部12−1の増幅率を増加させる。上り送信電力制御信号Sc1が送信電力量の減少を指示している場合には、補正手段23−1の出力レベルと記憶部15−1から読み出した下限閾値を比較して補正手段23−1の出力レベルが下限閾値より上回る間は電力増幅部12−1の増幅率を減少させる部分である。この送信電力の増減は増幅率制御信号Saを電力増幅部12−1へ送出することによって行われる。
検温手段25−1は、装置内温度を検出する温度計である。
【0018】
再度図1に戻って送信電力制御システムの構成について説明する。
局部発振器部14−1は、高安定な局部発振信号を発振する部分である。
記憶部(ROM)15−1は、上記補正値、上限閾値、下限閾値等の各種データを格納する部分である。
【0019】
〈動作〉
図1を用いて具体例1の動作を説明する。
(送信局)Bが放射した(電磁波)Cを(受信局)Aのアンテナ1−1が受信する。
アンテナ1−1は、この(電磁波)Cを電気信号である高周波受信信号RFr1(St2+Sd2)に変換して切換器2−1へ送出する。切換器2−1は、高周波受信信号RFr1(St2+Sd2)を受信増幅部3−1へ送出する。
【0020】
受信増幅部3−1は、切換器2−1から受け入れた高周波受信信号RFr1(St2+Sd2)を高周波増幅して、その出力を受信混合部4−1に送出する。受信混合部4−1は、局部発振器部14−1の出力を受け入れて上記受信増幅部3−1の出力に混合して、その混合出力を受信中間周波増幅部5−1へ送出する。受信中間周波増幅部5−1は、受信混合部4−1の出力を受け入れて増幅し、検波して復調部6−1へ送出する。この送出される信号の一部は判定部7−1へ分岐される。
【0021】
復調部6−1は、受信中間周波増幅部5−1の出力を受け入れて所定の復調方式に従って復調する。この時受信中間周波増幅部5−1の出力を復調すると共に誤り率を検出する。この誤り率を判定部7−2へ報告する。
判定部7−1は、受信中間周波増幅部5−1から受け入れた出力信号の一部から、その信号レベルを検出し、同時に復調部6−1から受け入れた誤り率と対比して受信信号の受信状態を検出する。この受信状態から(送信局)Bの送信電力の適否を判定して制御/処理部8−1へ報告する。ここで検出される信号レベルの大小、及び誤り率は(送信局)Bの送信電力量、及び(電磁波)Cの伝搬環境に依存している。
【0022】
又、復調部6−1の出力には(送信局)Bからの送信データSt2と(送信局)Bからの上り送信電力制御指示信号Sd2が含まれている。この(送信局)Bからの送信データSt2は、(受信局)Aの受信データSr1となって図示してない他の構成部分へ送られる。上り送信電力制御指示信号Sd2は、(受信局)Aの制御にとって極めて重要な信号であるが、ここでは一旦説明を保留して、まず上記判定部7−1から制御/処理部8−1への報告についての説明を続ける。
【0023】
上記判定部7−1から報告を受け入れた制御/処理部8−1は、この報告を良好品質と過剰品質に分割する。この分割基準は、システムの種類、伝送データの種類等によって予め定めた基準を制御/処理部8−1が所持する。この基準は、制御/処理部8−1とは別にROMを備えて、その中に格納しても良いし、或いは又制御/処理部8−1内部の回路構成中に備えても良い。
【0024】
制御/処理部8−1は、上記報告を受けたとき、その報告を良好品質と過剰品質に分割する。この結果から下り送信電力制御指示信号Sd1を生成して制御指示信号多重部9−1へ送出する。この下り送信電力制御指示信号Sd1の一例について説明する。下り送信電力制御指示信号Sd1は、図示してない制御信号の2ビットを占有し、良好品質にはビット(1,0)が、過剰品質にはビット(0,1)が割り振られる。
【0025】
下り送信電力制御指示信号Sd1は、制御指示信号多重部9−1で送信データSt1に多重されて送信中間周波増幅部10−1へ送出される。尚、下り送信電力制御指示信号Sd1は、以下に説明する行程をたどって(送信局)Bに送られ、ここで(送信局)Bの下り送信電力制御信号Sc2に変換されて、(送信局)Bの送信電力量の制御に用いられる。
【0026】
送信中間周波増幅部10−1は、制御指示信号多重部9−1の出力を受け入れて所定の変調方式によって変調し、更に増幅して送信混合部11−1へ送出する。送信混合部11−1は、送信中間周波増幅部10−1の出力と後に説明する局部発振器部14−1の出力を混合して無線周波数帯に変換して電力増幅部12−1へ送出する。電力増幅部12−1は、送信混合部11−1の出力を無線周波数帯のままで増幅して切換器2−1へ送出する。同時に、その出力の一部を分岐して電力制御部13−1へ送出する。
【0027】
電力制御部13−1は、上記分岐した出力の一部と、制御/処理部8−1から上り送信電力制御信号Sc1を受け入れて、上記電力増幅部12−1を制御して送信電力量を予め定められている上限値と下限値の間に維持する。
ここで、上り送信電力制御信号Sc1の説明が必要になってきたので、上記上り復調部6−1の出力のところで説明を保留した上り送信電力制御指示信号Sd2の説明に戻る。
【0028】
復調部6−1の出力に含まれている(送信局)Bからの上り送信電力制御指示信号Sd2は制御/処理部8−1へ送られる。この上り送信電力制御指示信号Sd2には、上記(受信局)Aの下り送信電力制御指示信号Sd1と同様に、良好品質にはビット(1,0)が、過剰品質にはビット(0,1)が割り振られている。制御/処理部8−1は、良好品質ビット(1,0)を受け入れた時は、上り送信電力制御信号Sc1(1,0)を、過剰品質ビット(0,1)を受け入れた時は、上り送信電力制御信号Sc1(0,1)を、それぞれ電力制御部13−1へ送出する。
【0029】
以下に図2を用いて電力制御部13−1の動作についてその詳細を説明する。電力制御部13−1は、電力増幅部12−1から、その出力信号の一部である高周波送信信号RF1を受け入れる。検波手段21−1は、この高周波送信信号RF1を受け入れて検波して、電圧レベルに変換する。A/D変換器22−1は、検波手段21−1の出力を受け入れてアナログ/ディジタル変換する。補正手段23−1は、A/D変換器22−1でディジタル変換された検波手段21−1の出力を受け入れて、装置毎及び周囲環境毎に定められて後に説明する記憶部(ROM)15−1に格納されている補正値を読み出して補正する。
【0030】
図2の(b)において直線(C)は高周波送信信号RF1の電圧レベルと検波手段の出力レベルとの相関関係が理想的な状態を表している。ところが装置毎のバラツキ使用環境の変化等によって本来直線(C)で有るべき筈の相関関係が、直線(A)や直線(B)に変化している。この変化量を予め装置毎に、使用環境の変化毎に実測してその補正値(A)や補正値(B)を求めて記憶部15−1に格納してある。ここでは説明の都合上相関関係を直線で表しているが、現実には直線になることは少ない。しかし実測して補正値を求める以上曲線であっても何ら不都合は発生しない。
【0031】
比較制御手段24−1は、補正手段23−1から補正した検波出力を受け入れる。同時に制御/処理部8−1から上り送信電力制御信号Sc1(0,1)又は上り送信電力制御信号Sc1(1,0)を受け入れる。上り送信電力制御信号Sc1(1,0)が送られてきているときは、送信電力量の増加が指示されている。この場合は補正手段23−1の出力レベルと記憶部15−1から読み出された上限閾値を比較して補正手段23−1の出力レベルが上限閾値より下回る間は電力増幅部12−1の増幅率を増加させる。上り送信電力制御信号Sc1(0,1)が送られてきているときは、送信電力量の減少が指示されている。この場合は、補正手段23−1の出力レベルと記憶部15−1から読み出した下限閾値を比較して補正手段23−1の出力レベルが下限閾値より上回る間は電力増幅部12−1の増幅率を減少させる。この増幅率の増減は、電力制御部13−1から電力増幅部12−1へ送出される増幅率制御信号Sa1によって制御される。
【0032】
再度図1に戻る。
以上説明した増幅率制御信号Sa1によって最適な送信電力量に制御された高周波送信信号RFt1(St1+Sd1)が切換器2−1へ送出される。この高周波送信信号RFt1(St1+Sd1)はアンテナ1−1で電磁波に変換されて(送信局)Bへ送られる。
(送信局)Bは、アンテナ1−2で上記電磁波を受け入れて高周波受信信号RFr2(St1+Sd1)に変換する。
【0033】
以下上記(送信局)Bの動作と同様に、切換器2−2は、高周波受信信号RFr2(St1+Sd1)を受信増幅部3−2へ送出する。
受信増幅部3−2は、切換器2−2から高周波受信信号RFr2(St1+Sd1)を受け入れて高周波増幅して、その出力を受信混合部4−2に送出する。受信混合部4−2は、局部発振器部14−2の出力を受け入れて上記受信増幅部3−2の出力に混合して、その混合出力を受信中間周波増幅部5−2へ送出する。受信中間周波増幅部5−2は、受信混合部4−2の出力を受け入れて増幅し、検波して復調部6−2へ送出する。この送出される信号の一部は判定部7−2へ分岐される。
【0034】
復調部6−2は、受信中間周波増幅部5−2の出力を受け入れて所定の復調方式に従って復調する。この時受信中間周波増幅部5−2の出力を復調すると共に誤り率を検出する。この誤り率を判定部7−2へ報告する。
判定部7−2は、受信中間周波増幅部5−2から受け入れた出力信号の一部から、その信号レベルを検出し、同時に復調部6−2から受け入れた誤り率と対比して受信信号の受信状態を検出する。この受信状態から(受信局)Aの送信電力の適否を判定して制御/処理部8−2へ報告する。ここで検出される信号レベルの大小、及び誤り率は(受信局)Aの送信電力量、及び(電磁波)Cの伝搬環境に依存している。
【0035】
又、復調部6−2の出力には(受信局)Aからの送信データSt1と(受信局)Aからの下り送信電力制御指示信号Sd1が含まれている。この(受信局)Aからの送信データSt1は、(送信局)Bの受信データSr2となって図示してない他の構成部分へ送られる。下り送信電力制御指示信号Sd1は、制御/処理部8−2へ送られる。ここでは、下り送信電力制御指示信号Sd1の説明を一旦保留して、まず上記判定部7−2から制御/処理部8−2への報告についての説明を続ける。
【0036】
上記判定部7−2から報告を受け入れた制御/処理部8−2は、この報告を良好品質と過剰品質に分割する。この分割基準は、システムの種類、伝送データの種類等によって予め定めた基準を制御/処理部8−2が所持する。この基準は、制御/処理部8−2とは別にROMを備えて、その中に格納しても良いし、或いは又制御/処理部8−2内部の回路構成中に備えても良い。
【0037】
制御/処理部8−2は、上記報告を受けたとき、その報告を良好品質と過剰品質に分割する。この結果から上り送信電力制御指示信号Sd2を生成して制御指示信号多重部9−2へ送出する。この上り送信電力制御指示信号Sd2の一例について説明する。上り送信電力制御指示信号Sd2は、図示してない制御信号の2ビットを占有し、良好品質にはビット(1,0)が、過剰品質にはビット(0,1)が割り振られる。
【0038】
上り送信電力制御指示信号Sd2は、制御指示信号多重部9−2で送信データSt2に多重されて送信中間周波増幅部10−2へ送出される。尚、上り送信電力制御指示信号Sd2は、以下に説明する行程をたどって(受信局)Aに送られ、ここで(受信局)Aの上り送信電力制御信号Sc1に変換されて、(受信局)Aの送信電力量の制御に用いられる。
【0039】
送信中間周波増幅部10−2は、制御指示信号多重部9−2の出力を受け入れて所定の変調方式によって変調し、更に増幅して送信混合部11−2へ送出する。送信混合部11−2は、送信中間周波増幅部10−2の出力と局部発振器部14−2の出力を混合して無線周波数帯に変換して電力増幅部12−2へ送出する。電力増幅部12−2は、送信混合部11−2の出力を無線周波数帯のままで増幅して切換器2−2へ送出する。同時に、その出力の一部を分岐して電力制御部13−2へ送出する。
【0040】
電力制御部13−2は、上記分岐した出力の一部と、制御/処理部8−2から下り送信電力制御信号Sc2を受け入れて、上記電力増幅部12−2を制御して送信電力量を予め定められている上限値と下限値の間に維持する。
次に、上記復調部6−2の出力のところで説明を保留した下り送信電力制御指示信号Sd1の説明に戻る。
【0041】
復調部6−2の出力に含まれている(受信局)Aからの下り送信電力制御指示信号Sd1は制御/処理部8−2へ送られる。この下り送信電力制御指示信号Sd1には、上記(受信局)Aの下り送信電力制御指示信号Sd1と同様に、良好品質にはビット(1,0)が、過剰品質にはビット(0,1)が割り振られている。制御/処理部8−2は、良好品質ビット(1,0)を受け入れた時は、下り送信電力制御信号Sc2(1,0)を、過剰品質ビット(0,1)を受け入れた時は、下り送信電力制御信号Sc2(0,1)を、それぞれ電力制御部13−2へ送出する。
【0042】
以下、既に説明した電力制御部13−1と全く同様の動作(図2)によって、電力制御部13−2から電力増幅部12−2へ送出される増幅率制御信号Sa2によって制御される。この増幅率制御信号Sa2によって最適な送信電力量に制御された高周波送信信号RFt2(St2+Sd2)が切換器2−2へ送出される。この高周波送信信号RFt2(St2+Sd2)はアンテナ1−2で電磁波に変換されて(受信局)Aへ送られる。
以下同様の動作を繰り返しながら(受信局)Aと(送信局)Bの間で送信電力の制御が行われる。
【0043】
以上説明した動作中では、判定部の判定結果を一例として、良好レベル(1,0)と過剰レベル(0,1)の2水準に限定して説明したが、本発明は、この例に限定されるものではなく他の水準を追加することも容易である。例えば過小レベル(0,0)を追加して、(送信局)B、又は(受信局)Aは、受信状態が極めて悪い状態の場合に、この過小レベル(0,0)を送出する。この過小レベル(0,0)の送信電力制御指示信号を受け入れた(送信局)B又は(受信局)Aは、送信電力制御を一時停止して電波空間の好転を待つ、等の処理が可能になる。
尚、上記説明中で記憶部15−1には、周囲環境毎の補正値が格納される旨説明したが、その周囲環境の中に必要に応じて周囲温度も含めることができる。この場合には検温手段25−1(図2)が必要とされる。
【0044】
送信電力量を通信品質を低下させずに最低量に制御することが可能になる。また特殊な周囲環境下で制御不能な状態になっている場合等に、無理に制御しようとして電力増幅部の増幅率を上げすぎ、バッテリーを空にしてしまうことが無くなる。
【発明の効果】
本発明によれば、装置間でバラツキを持つ検波器の検波特性及び使用環境に応じた、送信電力の適正化を図ることができる。また、送信信号の一部を受け入れた検波器の出力レベルを予め装置毎及び使用環境毎に定められている補正値に基づいて補正し、この補正した出力レベルが上限閾値より下回るか、下限閾値より上回るかにより送信電力量の増幅率を増加又は減少させるので、特殊な周囲環境下で制御不能な状態になっている場合等に、無理に制御しようとして電力増幅部の増幅率を上げすぎ、バッテリーを空にしてしまうことが無くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成の構成のブロック図である。
【図2】本発明の電力制御部のブロック図である。
【符号の説明】
1−1,1−2 アンテナ
2−1,2−2 切換器
3−1,3−2 受信増幅部
4−1,4−2 受信混合部
5−1,5−2 受信中間周波増幅部
6−1,6−2 復調部
7−1,7−2 判定部
8−1,8−2 制御/処理部
9−1,9−2 制御指示信号多重部
10−1,10−2 送信中間周波増幅部
11−1,11−2 送信混合部
12−1,12−2 電力増幅部
13−1,13−2 電力制御部
14−1,14−2 局部発振器部
15−1,15−2 記憶部(ROM)
St1,St2 送信データ
Sr1,Sr2 受信データ
Sc1 上り送信電力制御信号
Sd1 下り送信電力制御指示信号
Sc2 下り送信電力制御信号
Sd2 上り送信電力制御指示信号
A 受信局
B 送信局
Claims (2)
- 送信局と受信局間で無線交信を行う送信電力制御システムであって、
前記送信局から受け入れる受信信号に多重されてくる第1の送信電力制御指示信号に基づいて、自己の送信信号の送信電力量の増減を制御し、前記受信信号の受信状態から前記送信局の送信電力量の適否を判定して第2の送信電力制御指示信号を生成し、前記自己の送信信号に多重して前記送信局に向けて送出する前記受信局は、
前記自己の送信信号の送信電力量を増減する電力増幅部と、
前記第1の送信電力制御指示信号に基づいて前記電力増幅部を制御して前記送信電力量を予め定められている上限値と下限値の間に維持する電力制御部と、
前記送信電力量の前記上限値を定める上限閾値と、前記下限値を定める下限閾値と、予め装置毎及び使用環境毎に定められている補正値とを記憶する記憶部と、
前記受信信号の受信状態を監視して前記送信局の送信電力量の適否を判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に基づいて前記第2の送信電力制御指示信号を生成し前記送信信号に多重して前記送信局に送出する制御/処理部とを備え、
前記電力制御部は、前記自己の送信信号の一部を受け入れて検波する検波器を有し、前記検波器の出力レベルを前記記憶部に記憶されている前記補正値に基づいて補正し、該補正した出力レベルに基づいて前記電力増幅部による前記送信電力量の増幅率を増加又は減少させる比較制御手段を備え、
前記比較制御手段は、
前記第1の送信電力制御指示信号が送信電力量の増加を指示している場合に、前記補正された前記検波器の出力レベルと前記記憶部から読み出した前記上限閾値を比較して前記検波器の出力レベルが前記上限閾値より下回る間は前記電力増幅部の増幅率を増加させる増幅率制御信号を前記電力増幅部へ送出し、前記第1の送信電力制御指示信号が送信電力量の減少を指示している場合に、前記補正された前記検波器の出力レベルと前記記憶部から読み出した前記下限閾値を比較して前記検波器の出力レベルが前記下限閾値より上回る間は前記電力増幅部の増幅率を減少させる増幅率制御信号を前記電力増幅部へ送出することを特徴とする送信電力制御システム。 - 送信局から受け入れる受信信号に多重されてくる第1の送信電力制御指示信号に基づいて、自己の送信信号の送信電力量の増減を制御し、前記受信信号の受信状態から前記送信局の送信電力量の適否を判定して第2の送信電力制御指示信号を生成し、前記自己の送信信号に多重して前記送信局に向けて送出する通信局であって、
前記自己の送信信号の送信電力量を増減する電力増幅部と、
前記第1の送信電力制御指示信号に基づいて前記電力増幅部を制御して、前記送信電力量を予め定められている上限値と下限値の間に維持する電力制御部と、
前記送信電力量の前記上限値を定める上限閾値と、前記下限値を定める下限閾値と、予め装置毎及び使用環境毎に定められている補正値とを記憶する記憶部と、
前記受信信号の受信状態を監視して前記送信局の送信電力量の適否を判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に基づいて前記第2の送信電力制御指示信号を生成し前記送信信号に多重して前記送信局に送出する制御/処理部とを備え、
前記電力制御部は、前記自己の送信信号の一部を受け入れて検波する検波器を有し、前記検波器の出力レベルを前記記憶部に記憶されている前記補正値に基づいて補正し、該補正した出力レベルに基づいて前記電力増幅部による前記送信電力量の増幅率を増加又は減少させる比較制御手段を備え、
前記比較制御手段は、
前記第1の送信電力制御指示信号が送信電力量の増加を指示している場合に、前記補正された前記検波器の出力レベルと前記記憶部から読み出した前記上限閾値を比較して前記検波器の出力レベルが前記上限閾値より下回る間は前記電力増幅部の増幅率を増加させる増幅率制御信号を前記電力増幅部へ送出し、前記第1の送信電力制御指示信号が送信電力量の減少を指示している場合に、前記補正された前記検波器の出力レベルと前記記憶部から読み出した前記下限閾値を比較して前記検波器の出力レベルが前記下限閾値より上回る間は前記電力増幅部の増幅率を減少させる増幅率制御信号を前記電力増幅部へ送出することを特徴とする通信局。
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JPH09312609A (ja) * | 1996-05-20 | 1997-12-02 | N T T Ido Tsushinmo Kk | Cdma移動通信システムにおける送信電力制御方法およびcdma移動通信システム |
JPH11331131A (ja) * | 1998-05-20 | 1999-11-30 | Nec Corp | 無線伝送システム及びその伝送方法並びにその制御プログラムを記録した記録媒体 |
JPH11340910A (ja) * | 1998-03-03 | 1999-12-10 | Nec Corp | セルラシステムの送信電力制御方法、基地局装置、制御局、および移動局 |
-
1999
- 1999-12-13 JP JP35261299A patent/JP4532635B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (4)
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