JP3689625B2 - 受信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、受信装置に関し、詳細には、UHF波マイクロ波及びミリ波等の電波を利用したデジタル信号及びアナログ信号を復調する受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の無線通信機における受信回路では、受信信号のダイナミックレンジを大きく設定するために高周波段に可変アッテネータ(可変減衰器)を備えた構成を採ることが多かった。また、PHS(Personal Handyphone System)の基地局などは、近年の高密度設置やユーザの増加に伴い、強い電波を受信しているが、この時の受信レベルが過大になった場合に対応できるようにするため、受信レベルのダイナミックレンジを伸長させる回路が必要になっている。
【0003】
従来、受信系におけるアッテネータ及びAGC(Automatic Gain Control)回路に代表される増幅器の利得制御は、RF信号及びRF信号をダウンコンバートした中間周波数信号(IF信号)を、主に対数アンプで構成される受信レベル指示回路(以下、RSSI回路という)によって直流信号に変換した後、更に電流電圧変換を行って出力されるRSSI出力信号(電圧信号)を読み取ることによって行われている。従来の回路ブロックの一例を図9に示す。
【0004】
図9は、従来の受信回路の高周波部の構成を示す図である。
図9において、アンテナ1から受信した高周波受信信号は、高周波帯域通過フィルタ(RFBPF)2を介して、アッテネータ3で減衰された後に高周波増幅器(LNA)4を介してミキサ5に送られ、ミキサ5で図示しないPLL(Phase Locked Loop)回路と接続されたVCO(Voltage Controlled Osilator)からの局部発信周波数信号と混合され、得られた中間周波数(IF)信号が中間周波数帯域通過フィルタ(IFBPF)6を介して中間周波数AGC増幅器7で増幅され、図示しない増幅部に出力される。また、中間周波数帯域通過フィルタ(IFBPF)6から出力された中間周波数信号は、RSSI回路8に送出され、RSSI回路8でRSSI出力信号を生成し、受信レベル制御部9に出力する。受信レベル制御部9では、RSSI出力信号を所定の閾値と比較することにより電波状態(受信レベル)を判定し、この判定結果に従ってアッテネータ制御信号及びAGC制御信号をアッテネータ3及びAGC増幅器7にそれぞれ出力し、受信レベルを制御する。
従来の受信装置において、アッテネータを制御して、入力信号レベルを調整している具体的な例としては、例えば特開平11−55138号公報、特開平10−84294号公報に記載された受信装置がある。
【0005】
特開平11−55138号公報に記載の装置は、ミキサ部の前段に回路損失部を設け、中間周波数信号から生成したRSSI信号を、2つの閾値と比較、受信レベルを判定して、損失回路部のスイッチをオンオフすることによって、ダイナミックレンジを伸長している。
また、特開平10−84294号公報に記載の装置は、2つのアッテネータをRSSI出力信号と復調した信号のエラーカウント数により制御して、受信信号レベルを適切に保つようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の受信装置にあっては、以下のような問題点があった。
例えば、高速のデジタル無線LANシステム及び無線ホームリンク等の無線ネットワークシステムにおいては、アクセスポイントとの伝送距離が数センチメートルと極端に近く、過大な信号が入力される場合や、伝送距離が数百メートルと離れており、微弱な入力信号しか入力しない場合があり、この両方を受信できる性能が要求されている。また、高速の伝送速度を実現するための、16QAMや64QAMなど多値変調方式では信号歪みのより一層の低減が必要である。さらに、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11aなどに準拠した無線規格においては、受信信号レベルを適時、正確にシステム制御部(MAC(Media Access Control)層など)に伝送する必要がある。
【0007】
従来の回路システムでは、強電界時においては、入力信号レベルが強過ぎ、RSSI回路の入力ダイナミックレンジを越えてしまう場合があり、この状態においては、出力信号が線形性を失うために、正確なRSSI信号を出力することができなかった。これに対処する方法として、従来では図9に示すようなシステムを用いて、強電界時にはあらかじめフロントエンド部にアッテネータを入れて、入力信号レベルを低下させる方法が採られてきたが、この場合は弱電界時における復調性能が犠牲になってしまい、広範囲な入力信号レベルに対処することが難しかった。
【0008】
また、上記各公報に記載の受信装置は、以下に述べるように、RSSI回路のダイナミックレンジの拡大と受信状態の正確な伝達及び、入力信号レベルを適切な大きさに調整する機能を同時に満たしていない。
特開平11−55138号公報に記載の受信装置は、損失回路部がスイッチのオンオフによる1段階のみの切替であるため、ダイナミックレンジの伸長に限度があること、また受信レベルの判定結果をRSSIのダイナミックレンジの伸長を目的としている技術であるため、損失補正などの演算機能がなく、受信信号の正確な伝達を伝えるには不向きな構成になっている。
【0009】
また、特開平10−84294号公報に記載の受信装置は、RSSI出力信号のダイナミックレンジの拡大を目的とする技術ではない。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、RSSI回路の入出力におけるダイナミックレンジを実質的に拡大し、弱電界時における復調性能を犠牲にすることなく、強電界時における、ミキサ、AGC回路その他システム個々の回路の飽和を防止し、広範囲の信号レベルが受信でき、なおかつシステム制御部に適時、正確な受信レベルを伝送できる受信装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の受信装置は、高周波受信信号を高周波増幅部で増幅し、ミキサ部で中間周波数信号に変換して復調する受信装置において、フロントエンドに設けられた第1のアッテネータと、受信信号から受信信号レベル信号を生成する受信レベル指示信号生成部と、前記受信レベル指示信号生成部の入力信号レベルを調整するための第2のアッテネータと、前記受信レベル指示信号を2つの閾値と比較し、該閾値外であれば、まず前記第2のアッテネータの減衰量を調整し、該調整後、前記第1のアッテネータの減衰量を調整する制御部とを備えることを特徴としている。
【0011】
本発明の受信装置は、高周波受信信号を高周波増幅部で増幅し、ミキサ部で中間周波数信号に変換して復調する受信装置において、前記高周波増幅部と前記ミキサ部との間に設けられた第1のアッテネータと、受信信号から受信信号レベル信号を生成する受信レベル指示信号生成部と、前記受信レベル指示信号生成部の入力信号レベルを調整するための第2のアッテネータと、前記受信レベル指示信号を2つの閾値と比較し、該閾値外であれば、まず前記第2のアッテネータの減衰量を調整し、該調整後、前記第1のアッテネータの減衰量を調整する制御部とを備えることを特徴としている。
【0012】
また、前記第2のアッテネータ、前記受信レベル指示信号生成部及び前記制御部からなる制御ブロックが、前記ミキサ部の後段に設けられたものであってもよい。
また、前記第2のアッテネータ、前記受信レベル指示信号生成部及び前記制御部からなる制御ブロックが、前記第1のアッテネータと前記高周波増幅部との間に設けられたものであってもよい。
また、前記第2のアッテネータ、前記受信レベル指示信号生成部及び前記制御部からなる制御ブロックが、前記高周波増幅部と前記第1のアッテネータとの間に設けられたものであってもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な受信装置の実施の形態について詳細に説明する。
図1乃至図4は、本発明の実施の形態の受信装置の高周波部の回路構成を示す図である。本実施の形態の説明にあたり、図9と同一構成部分には同一符号を付している。
【0014】
〔構成例1〕
図1は、本実施の形態の受信装置の第1の構成図である。
図1において、受信装置は、アンテナ1、高周波帯域通過フィルタ(RFBPF)2、第1のアッテネータ3(アッテネータ1)、高周波増幅器(LNA)4(高周波増幅部)、ミキサ5(ミキサ部)、中間周波数帯域通過フィルタ(IFBPF)6、中間周波数AGC増幅器7、中間周波数信号から受信信号レベルを検出し、対数変換してRSSI出力信号を出力するRSSI回路8(受信レベル指示信号生成部)、RSSI回路8の入力信号レベルを調整するための第2のアッテネータ10(アッテネータ2)及び、第1のアッテネータ3、第2のアッテネータ10及びAGC増幅器7を制御する受信レベル制御部9を備えて構成される。
上記第2のアッテネータ10(アッテネータ2)、RSSI回路8及び受信レベル制御部9は、全体として、受信信号制御ブロック20を構成する。
【0015】
すなわち、本受信装置は、第1のアッテネータ3が高周波帯域通過フィルタ(RFBPF)2と高周波増幅器(LNA)4の間に挿入され、第2のアッテネータ10、RSSI回路8及び受信レベル制御部9の3つのユニットから構成される受信信号制御ブロック20が、中間周波数帯域通過フィルタ(IFBPF)6と中間周波数AGC増幅器7の間から分岐されている。
受信レベル制御部9は、第1のアッテネータ3(アッテネータ1)、第2のアッテネータ10(アッテネータ2)及び中間周波数AGC増幅器7に、それぞれアッテネータ1制御信号、アッテネータ2制御信号及びAGC制御信号を出力する。
【0016】
〔構成例2〕
図2は、本実施の形態の受信装置の第2の構成図である。
図2に示す受信装置は、第1のアッテネータ3が高周波増幅器(LNA)4とミキサ5の間に挿入され、第2のアッテネータ10、RSSI回路8及び受信レベル制御部9の3つのユニットから構成される受信信号制御ブロック20が、中間周波数帯域通過フィルタ(IFBPF)6と中間周波数AGC増幅器7の間から分岐されている。
【0017】
〔構成例3〕
図3は、本実施の形態の受信装置の第3の構成図である。
図3に示す受信装置は、第1のアッテネータ3が高周波帯域通過フィルタ(RFBPF)2と高周波増幅器(LNA)4の間に挿入され、第2のアッテネータ10、RSSI回路8及び受信レベル制御部9の3つのユニットから構成される受信信号制御ブロック20が、第1のアッテネータ3と高周波増幅器(LNA)4の間から分岐されている。
【0018】
〔構成例4〕
図4は、本実施の形態の受信装置の第4の構成図である。
図4に示す受信装置は、第1のアッテネータ3が高周波増幅器(LNA)4とミキサ5の間に挿入され、第2のアッテネータ10、RSSI回路8及び受信レベル制御部9の3つのユニットから構成される受信信号制御ブロック20が、高周波増幅器(LNA)4と第1のアッテネータ3の間から分岐されている。
【0019】
上記各構成例に示したように、本実施の形態の受信装置は、フロントエンド又は高周波増幅器(LNA)4とミキサ5との間に設けられた第1のアッテネータ3を備えるとともに、RSSI回路8の前段に、RSSI回路8の入力信号レベルを調節するための第2のアッテネータ10を備え、これら第1のアッテネータ3、第2のアッテネータ10及びAGC増幅器7が、受信レベル制御部9により制御される構成となっている。
【0020】
図5は、本実施の形態の受信装置の受信信号制御ブロックの構成図であり、図1の構成例1の受信装置に適用したものである。
図5において、受信装置は、受信アンテナ1、高周波帯域通過フィルタ(RFBPF)2、第1のアッテネータ3(アッテネータ1)、高周波増幅器(LNA)4、ミキサ5、中間周波数帯域通過フィルタ(IFBPF)6、中間周波数AGC増幅器7、RSSI回路8、第2のアッテネータ10(アッテネータ2)、第1の減衰量カウンタ11、第2の減衰量カウンタ12、A/Dコンバータ13、D/Aコンバータ14、出力レベル判定器15、及び受信レベル制御部16を備えて構成される。
【0021】
第1の減衰量カウンタ11は、カウンタ1制御信号を受けて受信開始からの処理ステップをカウントし、カウンタ1出力信号を受信レベル制御部16に出力するとともに、アッテネータ1制御信号を第1のアッテネータ3に出力する。
第2の減衰量カウンタ12は、カウンタ2制御信号を受けて受信開始からの処理ステップをカウントし、カウンタ2出力信号を受信レベル制御部16に出力するとともに、アッテネータ2制御信号を第2のアッテネータ10に出力する。
【0022】
出力レベル判定器15は、RSSI出力信号レベルを、RSSI回路8の線形出力範囲に応じてあらかじめ設定された上下2つの閾値電圧と比較し、範囲内であればアナログRSSI信号を出力する。
A/Dコンバータ13は、アナログRSSI信号出力をデジタルRSSI出力信号に変換して受信レベル制御部16に出力する。
【0023】
D/Aコンバータ14は、受信レベル制御部16からのデジタルAGC制御信号をアナログAGC制御信号に変換して中間周波数AGC増幅器7に出力する。
受信レベル制御部16は、デジタルRSSI出力信号を所定の閾値と比較し、閾値外であれば、第2のアッテネータ10の減衰量を調節する制御を行うとともに、第1及び第2のアッテネータの減衰量とRSSI出力信号を演算し、フロントエンド入力信号に比例した受信レベル信号を出力する制御を行う。さらに、第1のアッテネータ3及びその他の可変減衰器と、AGC増幅器7及びその他の可変利得増幅器の制御を行う。
【0024】
以下、上述のように構成された受信装置の動作を説明する。まず、受信信号を制御する手段及び受信信号の処理方法について述べる。
基地局あるいは移動局等によって送信された信号波は、受信アンテナ1によって受信され、高周波帯域通過フィルタ(RFBPF)2により、信号帯域外の雑音及び不要波の除去が行われる。
【0025】
初期状態では、第1のアッテネータ3は、減衰量0dBにセットされているので、信号はこのまま減衰せずに通過し、高周波増幅器(LNA)4によって規定量(通常は、10dB程度)増幅され、ミキサ5によって中間周波数信号(IF信号)に変換され、中間周波数帯域通過フィルタ(IFBPF)6によってイメージ等の妨害波、不要な雑音等の除去が行われる。
中間周波数帯域通過フィルタ(IFBPF)6通過後、IF信号は2系統に分岐される。一方のIF信号は、AGC増幅器7により、復調器に適正な入力レベルまでIF信号を増幅された後、復調器によって、ベースバンド信号が復元される。
【0026】
他方のIF信号は、初期状態では減衰量0dBの第2のアッテネータ10を通過した後、RSSI回路8によって、直流信号に変換された後、内部の電流電圧変換増幅器によって、入力信号レベルに比例した直流電圧が出力される。このRSSI出力電圧は、2つの閾値をもつ出力レベル判定器15によって、2つの基準電圧(例えば、0.5Vと2.0V)と比較され、基準電圧の範囲内(例えば、1.5V)であればこのまま信号を出力し、A/Dコンバータ13によってデジタル信号に変換され、受信レベル制御部16に送られる。
受信レベル制御部16では、送られたRSSI信号により、第1のアッテネータ3、第2のアッテネータ10、及びAGC増幅器7等のゲインを制御する信号を送出し、各ブロックにおいて、適切に信号処理動作を行えるように制御する。
【0027】
図6は、RSSI出力信号の閾値設定を示す図であり、2つの閾値(Vtb,Vt1)の設定の一例を示す。この図に示すように、2つの閾値はRSSI回路の出力信号が温度特性その他のバラツキを考慮した場合においても、線形性を保持している領域の上下の限界点に設定する。この例では、低い方の閾値電圧を0.5V、高い方の閾値電圧を2.0Vとしている。
【0028】
図7は、第2のアッテネータ10減衰量と入力信号ダイナミックレンジを示す図である。ここでは、3ステップ(20dB/1ステップ)の可変範囲をもつ、第1のアッテネータ3及び第2のアッテネータ10を使用した場合におけるダイナミックレンジ拡大の一例を示す。
【0029】
図9に示したような従来の受信装置のダイナミックレンジ(中間周波数信号)は、−70〜+20dBmであるが、本実施の形態によれば、図7から分るように−70〜+50dBmに線形性(リニアリティー)が拡大する。
図8は、本実施の形態の受信装置における受信レベル信号処理の方法の一例を示すフローチャートである。図中、STはフローの処理ステップである。
【0030】
受信開始後の初期状態においては、第1のアッテネータ3のステップ数(COUNT1)及び第2のアッテネータ10のステップ数(COUNT2)は、いずれも0(すなわち、減衰量0dB)に設定されているので、受信中間周波数信号は、第1及び第2のアッテネータで減衰されずに、RSSI回路8によって、アナログRSSI電圧(Vr)を発生する。このアナログRSSI電圧をコンパレータ等で構成される出力レベル判定器15に入力し、高い方の閾値電圧(Vth)及び低い方の閾値電圧(Vt1)と比較を行う(ステップST1〜ST3)。
【0031】
VrがVth以下で、なおかつVt1以上の場合は、RSSI回路8の出力信号は線形性が十分な領域であり、この場合はRSSI信号をA/Dコンバータ13により、デジタル信号に変換して、受信レベル制御部16に信号を送出する(ステップST4)。
VrがVt1より小さい場合には、そのときのCOUNT1及びCOUNT2の状態によってフローが制御される。すなわち、COUNT1及びCOUNT2が共に0の場合には、アッテネータの減衰量が0dBであり、これ以上RSSI入力信号を大きくできないので、RSSI信号をこのままA/Dコンバータ13に送出する(ステップST6及びステップST7)。
【0032】
一方、COUNT2が0以外の場合においては、COUNT2から1を減ずることによって、減衰量を1ステップ(例えば、20dB)減ずることによって、RSSI入力信号レベルを大きくし、再度RSSI出力を生成する(ステップST8)。また、一方COUNT2が0で、COUNT1が0以外の場合においては、COUNT1から1を減ずることによって、減衰量を1ステップ(例えば、20dB)減少させ、RSSI入力信号レベルを大きくし、再度RSSI出力を生成する(ステップST9)。上記処理をVrが2つの閾値内に収束するか、又はCOUNT1及びCOUNT2が0に一致するまで繰り返す。
【0033】
VrがVthより大きい場合についても、そのときのCOUNT1及びCOUNT2の状態によってフローが制御される。すなわち、COUNT1がCOUNT1MAX(第1のアッテネータ3の最大ステップ数)と等しく、かつCOUNT2がCOUNT2MAX(第2のアッテネータ10の最大ステップ数)と等しい場合には、アッテネータの減衰量は設定できる最大値になっており、これ以上RSSI入力信号を減衰することはできないので、RSSI信号をこのままAの変換器に送出する(ステップST10及びステップST11)。
【0034】
一方、COUNT2がCOUNT2MAXより小さい場合においては、COUNT2に1を加算することによって、減衰量を1ステップ(例えば、20dB)増加させ、RSSI入力信号レベルを小さくした上で、再度RSSI出力を生成する(ステップST12)。また、一方COUNT2がCOUNT2MAXと等しく、COUNT1がCOUNT1MAXより小さい場合においては、COUNT1に1を加算することによって、減衰量を1ステップ(例えば、20dB)増加させ、RSSI入力信号レベルを小さくし、再度RSSI出力を生成する(ステップST13)。上記処理をVrが2つの閾値内に収束するか、またはCOUNT1及びCOUNT2が最大ステップ数に一致するまで繰り返す。
【0035】
ステップST4の処理によりA/Dコンバータ13から出力されたデジタルRSSI出力信号は、受信レベル制御部16に出力される。受信レベル制御部16では、COUNT1、COUNT2及びRSSI出力信号レベルより、第1及び第2のアッテネータの減衰量に関係せずに、フロントエンド入力した受信信号に比例した受信レベルP(dBm)を算出して、図示しないシステム制御部に送出する(ステップST5)。
受信レベルPは、以下の式(1)で表現できる。
【0036】
P=COUNT1×STEP1+COUNT2×STEP2+Vrssi …(1)
STEP1:第1のアッテネータにおける1ステップ当たりの減衰量
STEP2:第2のアッテネータにおける1ステップ当たりの減衰量
Vrssi:RSSI出力信号電圧に対応する信号レベル
【0037】
図8において、ステップST1の処理、すなわちVrが閾値電圧(Vtb、Vtl)内の場合は正確入力信号レベルをシステム制御部に伝達することができる。ステップST2の処理、すなわちCOUNT1とCOUNT2が共に0の場合、及びステップST3の処理、すなわちCOUNT1及びCOUNT2が最大ステップ数に一致した場合においては、RSSI出力電圧は入力信号レベルに対して線形性を保持していない領域であり、信号電圧に誤差が生じてしまうが、ソフトリミットとしての機能は十分果たすことが可能であり、RSSI信号のリニアリティーの範囲外においても、おおまかな受信レベルの状態を出力することができる。この機能は、端末間の送受信距離が変化する通信システム等においては、受信状態をシステム制御部が認識するために必要な機能である。
【0038】
また、受信レベル制御部16は、式(1)で算出される入力信号レベルによって、第1のアッテネータ3等の減衰器における減衰量、及びAGC増幅器7等の可変増幅器のゲインを再設定することによって、高周波入力信号のダイナミックレンジを拡大し、本受信装置中において、個々の回路ブロックの飴和や過小信号の入力を防止することが可能である。
【0039】
上記は、本実施の形態の受信装置を、図1の構成例1の受信装置に適用したものであるが、他の構成例2乃至4に適用してもよい。
すなわち、図2に示す構成例2に適用した受信装置では、高周波増幅器(LNA)4の後段に、第1のアッテネータ3を挿入しているので、高周波増幅器(LNA)4に対する入力信号レベルの調整ができないので、高周波増幅器(LNA)4は入力信号範囲に対して十分なダイナミックレンジをもつ必要があるが、フロントエンド部における損失が少なくなるので、システム全体の雑音指数(NF)が図1の構成例1に適用した場合より、改善できる長所を有する。
【0040】
また、図3に示す構成例3に適用した受信装置では、入力RF信号を中間周波数に変換する前に第2のアッテネータ10、RSSI回路8、受信レベル制御部9が挿入されているので、RSSI回路8の入力周波数が高周波に対応できていなければならないが、直接RF信号レベルを表示できる長所を有する。
さらに、図4に示す構成例4に適用した受信装置では、上記構成例3の特長及び構成例4の特長を兼ね備えている。
【0041】
以上説明したように、本実施の形態に係る受信装置は、フロントエンド、又は高周波増幅器(LNA)4とミキサ5との間に設けられた第1のアッテネータ3と、受信信号からRSSI出力信号を生成するRSSI回路8と、RSSI回路8の前段に設けられ、入力信号レベルを調整するための第2のアッテネータ10と、RSSI出力信号を2つの閾値と比較し、該閾値外であれば、まず第2のアッテネータ3の減衰量を調整し、該調整後、第1及び第2のアッテネータの減衰量を調整する受信レベル制御部9とを備えて構成したので、RSSI回路8の飽和を防止して、RSSI回路8における入力信号ダイナミックレンジを拡大することができる。
【0042】
すなわち、RSSI出力信号レベルを、RSSI回路8の線形出力範囲(図7参照)に応じてあらかじめ設定された上下2つの閾値電圧と比較し、閾値外であれば、第1のアッテネータ3の減衰量を調節することにより、RSSI回路8の出力電圧に関する飽和を防止して、RSSI回路8の入力ダイナミックレンジの拡大を図ることができる。また、第1及び第2のアッテネータの減衰量と、RSSI出力信号レベルを演算することによって、第1及び第2のアッテネータの減衰量に関係なく、フロントエンド入力信号に比例した受信レベル信号が出力することが可能になる。さらに、RSSI出力信号レベルを利用することによって、第1のアッテネータ3及びその他の可変減衰器と、AGC増幅器7及びその他の可変利得増幅器の制御を行い、弱電界域での復調性能を犠牲にすることなく、強電界域での信号歪みを低減することによって復調性能を向上させることが可能になる。
【0043】
なお、上記実施の形態に係る受信装置では、無線受信機の受信部に適用した例であるが、受信レベルを調整するものであればどのような装置に用いてもよく、例えば無線及び有線の送受信機、中継器、TVの映像検波回路等の各種制御装置の利得調整部等に適用できることは言うまでもない。
また、上記実施の形態では、受信装置の名称を用いているが、これは説明の便宜上であり、例えば復調回路、AGC装置等でもよく、また、通信装置等の一部に組み込まれたものであってもよい。
【0044】
また、上記実施の形態では、デジタル制御により受信レベルを調整する手段について説明したが、処理方法は各種の変形が可能である。また、アナログ制御であってもよい。
さらに、上記受信装置を構成するフィルタ、増幅器、AGC回路等の種類、数などは上述した各実施の形態に限られない。
【0045】
【発明の効果】
以上、詳述したように、本発明によれば、RSSI出力信号レベルを、RSSI回路のリニアリティーが確保できる範囲に応じて、あらかじめ設定された上下2つの閾値電圧と比較し、閾値外であれば、第1のアッテネータ、及び第2のアッテネータの減衰量を調節することにより、RSSI回路のダイナミックレンジを拡大することができる。
【0046】
また、受信装置内の各回路ブロックにおいて、算出した入力信号レベルに基づいて、第1のアッテネータ等における減衰量、及びAGC等の可変増幅器のゲインを制御することによって、高周波入力信号のダイナミックレンジを拡大することができ、各回路ブロックの飽和や過小信号の入力を防止することができる。
したがって、弱電界時における復調性能を犠牲にすることなく、強電界時における、ミキサ、AGC回路その他システム個々の回路の飽和を防止し、広範囲の入力信号レベルに対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の受信装置の第1の構成図である。
【図2】本実施の形態の受信装置の第2の構成図である。
【図3】本実施の形態の受信装置の第3の構成図である。
【図4】本実施の形態の受信装置の第4の構成図である。
【図5】本実施の形態の受信装置の受信信号制御ブロックの構成図である。
【図6】本実施の形態のRSSI出力信号の閾値設定を示す図である。
【図7】本実施の形態の受信装置の第2のアッテネータ減衰量と入力信号ダイナミックレンジを示す図である。
【図8】本実施の形態の受信装置における受信レベル信号処理の方法の一例を示すフローチャートである。
【図9】従来の受信回路の高周波部の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 受信アンテナ
2 高周波帯域通過フィルタ(RFBPF)(高周波増幅部)
3 第1のアッテネータ(アッテネータ1)
4 高周波増幅器(LNA)(高周波増幅部)
5 ミキサ(ミキサ部)
6 中間周波数帯域通過フィルタ(IFBPF)
7 中間周波数AGC増幅器
8 RSSI回路(受信レベル指示信号生成部)
9 受信レベル制御部
10 第2のアッテネータ(アッテネータ2)
11 第1の減衰量カウンタ
12 第2の減衰量カウンタ
13 A/Dコンバータ
14 D/Aコンバータ
15 出力レベル判定器
16 受信レベル制御部
20 受信信号制御ブロック
Claims (5)
- 高周波受信信号を高周波増幅部で増幅し、ミキサ部で中間周波数信号に変換して復調する受信装置において、
フロントエンドに設けられた第1のアッテネータと、
受信信号から受信信号レベル信号を生成する受信レベル指示信号生成部と、
前記受信レベル指示信号生成部の入力信号レベルを調整するための第2のアッテネータと、
前記第1のアッテネータ、又は前記第2のアッテネータの減衰量状態に応じて、前記受信レベル指示信号をその線形出力範囲に応じてあらかじめ設定された上下2つの閾値と比較し、該閾値外であれば、まず前記第2のアッテネータの減衰量を調整し、該調整後、前記第1のアッテネータの減衰量を調整する制御部と
を備えることを特徴とする受信装置。 - 高周波受信信号を高周波増幅部で増幅し、ミキサ部で中間周波数信号に変換して復調する受信装置において、
前記高周波増幅部と前記ミキサ部との間に設けられた第1のアッテネータと、
受信信号から受信信号レベル信号を生成する受信レベル指示信号生成部と、
前記受信レベル指示信号生成部の入力信号レベルを調整するための第2のアッテネータと、
前記第1のアッテネータ、又は前記第2のアッテネータの減衰量状態に応じて、前記受信レベル指示信号をその線形出力範囲に応じてあらかじめ設定された上下2つの閾値と比較し、該閾値外であれば、まず前記第2のアッテネータの減衰量を調整し、該調整後、前記第1のアッテネータの減衰量を調整する制御部と
を備えることを特徴とする受信装置。 - 前記第2のアッテネータ、前記受信レベル指示信号生成部及び前記制御部からなる制御ブロックが、前記ミキサ部の後段に設けられたことを特徴とする請求項1又は2に記載の受信装置。
- 前記第2のアッテネータ、前記受信レベル指示信号生成部及び前記制御部からなる制御ブロックが、前記第1のアッテネータと前記高周波増幅部との間に設けられたことを特徴とする請求項1記載の受信装置。
- 前記第2のアッテネータ、前記受信レベル指示信号生成部及び前記制御部からなる制御ブロックが、前記高周波増幅部と前記第1のアッテネータとの間に設けられたことを特徴とする請求項2記載の受信装置。
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