JP4526580B2 - ピエゾアクチュエータ駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ピエゾアクチュエータを駆動する装置に関する。
従来より、充電により伸長し放電により縮小してピストン等を直線動するピエゾアクチュエータが知られており、例えば内燃機関の燃料噴射装置として、燃料噴射用インジェクタの開閉弁の切り替えを、そのようなピエゾアクチュエータにより行うものが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
また、ピエゾアクチュエータを充放電させて伸縮させる駆動装置としては、インダクタとピエゾアクチュエータとの直列回路に対して、MOSFETからなる充電スイッチを介して直流電源から電源供給を行うための充電経路と、上記直列回路に並列に接続され、MOSFETからなる放電スイッチを介してピエゾアクチュエータの充電電荷を放電させるための放電経路と、充電スイッチに対してカソードが直流電源の正極側となるよう並列に接続された第1ダイオードと、放電スイッチに対してアノードが直流電源の負極側となるよう並列に接続された第2ダイオードとを備えたものが知られている。
そして、この種の駆動装置では、外部から駆動信号が入力されると、放電スイッチをオフした状態で充電スイッチのオン/オフを繰り返すことにより、ピエゾアクチュエータを充電させて伸長させ、その後、駆動信号が入力されなくなると、充電スイッチをオフした状態で放電スイッチのオン/オフを繰り返すことにより、ピエゾアクチュエータを放電させて収縮させる。
つまり、充電期間においては、充電スイッチをオンすることで直流電源から充電経路を介してピエゾアクチュエータに充電電流を流し、その後、充電スイッチをオフすることで、インダクタに蓄積されたエネルギーによって流れる充電電流(即ち、フライホイール電流)を、放電スイッチと並列な第2ダイオードを介してピエゾアクチュエータに流す、といった手順を繰り返すことにより、段階的にピエゾアクチュエータを充電させる。
また、放電期間においては、放電スイッチをオンすることで、ピエゾアクチュエータの正極側からインダクタを介して放電経路に放電電流を流し、その後、放電スイッチをオフすることで、ピエゾアクチュエータの正極側からインダクタ及び充電スイッチと並列な第1ダイオードを介して直流電源へと放電電流を流し、その放電電流によりピエゾアクチュエータの電荷を直流電源に回収する、といった手順を繰り返すことにより、段階的にピエゾアクチュエータを放電させる。
そして、ピエゾアクチュエータを放電させる放電制御としては、まず放電スイッチをオンし、その後、ピエゾアクチュエータの放電電流の検出値がピーク側閾値まで増加したと判定すると放電スイッチをオンからオフに切り替え、放電電流の検出値がボトム側閾値まで減少したと判定すると放電スイッチをオフからオンに切り替える、という動作を繰り返す制御が知られている。
更に、特許文献1には、上記ピーク側閾値(遮断電流)を時間とともに上昇させることで、放電エネルギを一定に保つことが記載されている。ピエゾアクチュエータの電圧は放電が進むにつれて下降するため、電流を上昇させることで、その時間積であるエネルギが一定に保たれるようにし、それにより放電時間(放電に要する時間)が変動しないようにしている。
尚、特許文献2には、ピエゾ素子の充電電荷量に応じて放電制御のピーク側閾値を変えることにより、充電電荷量を所望の放電時間で放電させることができるようにすることが記載されている。一方、特許文献3には、ピエゾアクチュエータに目標のエネルギを充電する技術が記載されている。
特開2003−92438号公報 特開2007−205173号公報 特開2008−5649号公報
特許文献1に開示の技術は、放電制御のピーク側閾値を常に一定の傾きで上昇させるだけであり、ピエゾアクチュエータの放電エネルギ変化率(放電の際のエネルギ変化率)を任意の一定値に制御したくても、それができない。また、ピエゾアクチュエータの静電容量が温度により変化するなどして、ピエゾアクチュエータを充電した際の充電電荷量が変わると、放電エネルギ変化率が変わって、放電に要する時間が変化してしまう。
一方、特許文献2に開示の技術は、時間に対して一定のピーク側閾値をピエゾ素子の充電電荷量に応じて変えるものであり、放電時のエネルギは二次関数的に減少するため、放電エネルギ変化率を一定にすることはできない。
こうした背景から、本発明は、ピエゾアクチュエータの放電エネルギ変化率を任意の一定値に制御できるようにすることを目的としている。
請求項1のピエゾアクチュエータ駆動装置は、ピエゾアクチュエータに直列に接続されるインダクタと、そのインダクタとピエゾアクチュエータとの直列回路に対して、直流電源から充電スイッチを介して電源供給を行うための充電経路と、前記直列回路に並列に接続され、放電スイッチを介してピエゾアクチュエータの充電電荷を放電させるための放電経路と、充電スイッチに対して、カソードが直流電源の正極側となるよう並列に接続された第1ダイオードと、放電スイッチに対して、アノードが直流電源の負極側となるよう並列に接続された第2ダイオードと、充電制御手段及び放電制御手段と、閾値設定手段とを備える。
そして、充電制御手段は、外部から駆動指令が入力されると、充電スイッチのオン/オフを繰り返すことにより、ピエゾアクチュエータを充電させて伸長させる。
また、放電制御手段は、ピエゾアクチュエータの放電電流を検出する放電電流検出手段を有しており、外部から駆動停止指令が入力されると、放電スイッチをオンし、その後、放電電流検出手段で検出される放電電流がピーク側閾値まで増加したと判定すると放電スイッチをオンからオフに切り替え、前記放電電流がボトム側閾値まで減少したと判定すると放電スイッチをオフからオンに切り替える、という動作を繰り返すことにより、ピエゾアクチュエータを放電させて収縮させる。更に、閾値設定手段は、前記ピーク側閾値を時間に比例して上昇するように設定する。
ここで特に、請求項1のピエゾアクチュエータ駆動装置において、閾値設定手段は、充電制御手段によりピエゾアクチュエータに充電された充電電荷量を検出する充電電荷検出手段を有している。そして更に、閾値設定手段は、充電制御手段によりピエゾアクチュエータに充電された充電エネルギE0と、放電制御手段がピエゾアクチュエータから放電させるべき放電エネルギΔE及び放電時間Tと、前記ボトム側閾値との各値が与えられ、その各値と充電電荷検出手段で検出した充電電荷量Q0とから、ピエゾアクチュエータの放電エネルギ変化率を「ΔE/T」にするためのピーク側閾値の時間に対する傾きと切片を決定すると共に、その傾き及び切片とピエゾアクチュエータの放電開始時からの経過時間tとから、ピーク側閾値を設定する。
このような請求項1のピエゾアクチュエータ駆動装置によれば、下記の効果が得られる。
(1)閾値設定手段に与える放電エネルギΔEと放電時間Tの値を変えれば、ピーク側閾値の時間に対する傾きと切片が変わり、その与えたΔEとTの比である放電エネルギ変化率(=ΔE/T)を実現することができる。よって、放電エネルギ変化率を任意の一定値に制御できる。
(2)充電電荷量Q0の検出値に応じてピーク側閾値の傾きと切片が設定されるため、ピエゾアクチュエータの容量が温度によって変動しても、放電エネルギ変化率を一定値(=ΔE/T)に制御することができる。
つまり、充電エネルギE0が同じでも、温度によって容量が変動すると、充電電荷量Q0が変わるが、実際の充電電荷量Q0を検出し、その検出値を用いてピーク側閾値の傾きと切片を設定するため、温度ばらつきによる影響を抑えることができる。
(3)放電エネルギ変化率を一定値に制御でき、その値(=ΔE/T)が分かっているため、放電の経過時間tから、放電したエネルギ量(=t×ΔE/T)を把握することができる。そして、放電したエネルギ量が分かれば、充電エネルギE0は既知であるため、ピエゾアクチュエータに残っているエネルギ量が分かり、その残存エネルギ量の値をピエゾアクチュエータの制御に利用することができるようになる。
ところで、閾値設定手段は、請求項2に記載のように、充電電荷検出手段で検出した充電電荷量Q0が大きいほど、ピーク側閾値の傾きと切片を大きい値に決定するように構成することができる。つまり、ピーク側閾値の傾きと切片を大きい値にするほど、単位時間当たりの放電電荷量が大きくなるためである。
更に具体的には、閾値設定手段は、請求項3に記載の式1によりピーク側閾値を設定するように構成することができる。また、閾値設定手段は、請求項4に記載の式2によりピーク側閾値を設定するように構成することもできる。
尚、式1と式2の各右辺においては、「t」が乗ぜられる部分が、ピーク側閾値Ip(t)の傾きに該当し、「t」が乗ぜられない部分が、ピーク側閾値Ip(t)の切片に該当している。また、式1、式2がどのように導出されたかについては、「発明を実施するための最良の形態」の欄で詳細に説明する。
一方、充電電荷検出手段は、請求項5に記載のように、充電制御手段がピエゾアクチュエータを充電する際に、ピエゾアクチュエータに供給される充電電流を検出すると共に、その充電電流を積分することにより、充電電荷量Q0を検出するように構成することができる。そして、この構成によれば、充電電荷量Q0を簡単に検出できる。
以下に、本発明が適用された実施形態のピエゾアクチュエータ駆動装置について説明する。
図1は、実施形態の駆動装置30の構成を表す構成図である。尚、本実施形態の駆動装置30は、車両に搭載されたディーゼルエンジンの燃料噴射装置を構成するものであり、ディーゼルエンジンの各気筒へコモンレールからの高圧燃料を噴射する各インジェクタに設けられたピエゾアクチュエータ1を充放電させて伸縮させることにより、その各気筒毎のインジェクタに燃料噴射の開始/停止をさせるものである。但し、図1では、複数のピエゾアクチュエータ1のうちの1つのみを示しており、以下では、その1つのピエゾアクチュエータ1の駆動を例に挙げて説明する。
図1に示すように、本実施形態の駆動装置30は、ピエゾアクチュエータ1を充電するための電気エネルギが蓄えられる直流電源としてのコンデンサ2と、車載バッテリ3の電圧(バッテリ電圧)を昇圧して、コンデンサ2を、それの充電電圧がバッテリ電圧よりも高い所定の電圧となるように充電する昇圧回路4とを備えている。
更に、駆動装置30は、ピエゾアクチュエータ1に対して直列に接続されるインダクタ5と、そのインダクタ5とピエゾアクチュエータ1との直列回路6に対して、コンデンサ2の正極側端子から充電スイッチ7を介して電源供給を行うための充電経路9と、直列回路6に対して並列に接続され、放電スイッチ10を介してピエゾアクチュエータ1の充電電荷を放電させるための放電経路12とを備えている。
そして、直列回路6のピエゾアクチュエータ1側の端部(換言すれば、ピエゾアクチュエータ1のインダクタ5側とは反対側の端部)は、抵抗13を介して、コンデンサ2の負極側であるグランドラインに接続されている。尚、抵抗13は、ピエゾアクチュエータ1に流れる電流(充電電流及び放電電流)を検出するための電流検出用抵抗である。
直列回路6のインダクタ5側の端部(換言すれば、インダクタ5のピエゾアクチュエータ1側とは反対側の端部)は、充電スイッチ7を介して、コンデンサ2の正極側端子に接続されるようになっている。また、充電スイッチ7には、ダイオード(還流回路)8が、カソードをコンデンサ2の正極側端子の方にして並列に接続されている。そのダイオード8は、ピエゾアクチュエータ1を放電させる際において、放電スイッチ10がオンからオフされた時にコンデンサ2へ回生電流を流し込む役割を果たす。
尚、充電スイッチ7は、nチャネルMOSFETからなり、ドレインがコンデンサ2の正極側端子に接続され、ソースがインダクタ5の一端に接続されている。そして、そのMOSFETの寄生ダイオードを、ダイオード8として利用している。
また、放電スイッチ10は、オンすることで放電経路12を形成するが、この放電スイッチ10もnチャネルMOSFETからなる。そして、それのソースがグランドラインに接続され、ドレインが充電スイッチ7とインダクタ5との接続点に接続されている。
また、放電スイッチ10には、ダイオード(還流回路)11が、アノードをグランドラインの方にして並列に接続されている。そして、そのダイオード11は、ピエゾアクチュエータ1を充電する際において、充電スイッチ7がオンからオフされた時にインダクタ5によるフライホイール電流を流す役割を果たす。尚、このダイオード11も、放電スイッチ10を成すMOSFETの寄生ダイオードである。
更に、駆動装置30は、上記抵抗13の両端に生じる電圧を増幅して出力する電流検出回路としての増幅回路14と、その増幅回路14の出力電圧V0を積分する電荷検出回路としての積分回路15と、2つの比較器16,17と、ピエゾアクチュエータ1の充電制御を行う充電制御回路18と、ピエゾアクチュエータ1の放電制御を行う放電制御回路19と、放電制御用の閾値を設定する閾値設定回路20とを備えている。
比較器16は、放電制御回路19が放電制御を行う際に、ピエゾアクチュエータ1の放電電流のピーク側閾値Ipに相当する閾値電圧(ピーク側閾値電圧)Vpと、増幅回路14の出力電圧V0とを比較する。
また、比較器17は、放電制御回路19が放電制御を行う際に、ピエゾアクチュエータ1の放電電流のボトム側閾値Ibに相当する閾値電圧(ボトム側閾値電圧)Vbと、増幅回路14の出力電圧V0とを比較する。
ここで、本実施形態では、ピエゾアクチュエータ1及び抵抗13に流れる電流の正負極性として、ピエゾアクチュエータ1の充電方向を正(放電方向を負)としている。このため、ピエゾアクチュエータ1の放電電流は負であり、ピエゾアクチュエータ1の放電時における増幅回路14の出力電圧V0も負である。そして、放電電流のピーク側閾値Ipとボトム側閾値Ibも負であり、それらに対応するピーク側閾値電圧Vpとボトム側閾値電圧Vbも負である。更に、ピーク側閾値Ipとボトム側閾値Ibは、「Ip<Ib,|Ip|>|Ib|」の大小関係にあるため(図4参照)、ピーク側閾値電圧Vpとボトム側閾値電圧Vbも、「Vp<Vb,|Vp|>|Vb|」の大小関係にある。
そして、比較器16は、「V0≦Vp」になると、放電制御回路19への出力信号を例えばハイに変化させる。このため、ピエゾアクチュエータ1の放電電流の絶対値が増加してピーク側閾値Ipの絶対値に達すると、比較器16の出力信号がローからハイになる。
また、比較器17は、「V0≧Vb」になると、放電制御回路19への出力信号を例えばハイに変化させる。このため、ピエゾアクチュエータ1の放電電流の絶対値が減少してボトム側閾値Ibの絶対値に達すると、比較器17の出力信号がローからハイになる。
尚、以下の説明において、ピエゾアクチュエータ1の放電電流の増加、減少とは、放電電流の絶対値が増加、減少することを意味している。そして、放電電流がピーク側閾値Ipまで増加するとは、放電電流の絶対値がピーク側閾値Ipの絶対値にまで増加したということであり、放電電流がボトム側閾値Ibまで減少するとは、放電電流の絶対値がボトム側閾値Ibの絶対値にまで減少したということである。また、比較器16への閾値電圧Vpと、比較器17への閾値電圧Vbは、閾値設定回路20から出力されるが、その閾値設定回路20については後で説明する。
一方、充電制御回路18は、増幅回路14の出力電圧V0をモニタすることにより、ピエゾアクチュエータ1に流れる充電電流を検出するようになっている。更に、充電制御回路18には、車両のエンジン制御を行う電子制御ユニットのマイコン(図示省略)から、インジェクタを開弁させるための駆動信号(いわゆる噴射指令信号)が入力される。尚、その駆動信号は、ハイになっている間インジェクタを開弁させる、という意味を持っている。また、本実施形態の駆動装置30は、上記電子制御ユニットの内部と外部のどちらに設けられても良い。
そして、充電制御回路18は、上記駆動信号がハイになると、充電スイッチ7をオン/オフさせてピエゾアクチュエータ1を充電する充電制御を行う。尚、この充電制御が行われる場合、放電スイッチ10はオフのままである。
つまり、この駆動装置30において、充電スイッチ7がオンされると、コンデンサ2から充電経路9及びインダクタ5を介してピエゾアクチュエータ1に充電電流が流れ、充電スイッチ7がオンからオフされると、インダクタ5に蓄積されたエネルギによって流れる充電電流が、グランドライン側から放電スイッチ10に並列なダイオード11を介してピエゾアクチュエータ1に流れることとなる。このため、充電制御により充電スイッチ7のオン/オフが繰り返されることで、ピエゾアクチュエータ1が段階的に充電されて伸長し、インジェクタが開弁する。
この充電制御について更に具体的に説明する。
充電制御回路18は、駆動信号がハイになると、充電スイッチ7をオンし、増幅回路14の出力電圧V0に基づいて、ピエゾアクチュエータ1に流れる電流(この場合は充電電流)が所定値(例えば25A)に達したと判定したら、充電スイッチ7をオフすると共に、この1回目の充電スイッチ7のオン時間を記憶する。そして、1回目の充電スイッチ7のオフ後にピエゾアクチュエータ1の充電電流が0Aまで低下したことを検知すると、1回目で記憶したオン時間だけ充電スイッチ7をオンし、その後、充電電流が0Aに低下すると再び1回目で記憶したオン時間だけ充電スイッチ7をオンすることを所定回数繰り返す。
このような充電制御により、時間当たりの充電エネルギが一定となり、温度が変動してピエゾアクチュエータ1の容量が変化しても、そのピエゾアクチュエータ1に目標の電気エネルギ(充電エネルギ)が蓄えられる(充電される)こととなる。尚、こうした充電制御については例えば特許文献1に記載されている。
尚、充電制御回路18が行う充電制御としては、例えば特許文献3に記載されているものでも良い。つまり、この場合、充電制御回路18は、1回の充電期間においてピエゾアクチュエータ1に充電すべき充電エネルギ(即ち、目標の充電エネルギ)及びコンデンサ2の電圧に基づいて、充電スイッチ7のオン期間におけるピエゾアクチュエータ1の充電エネルギの目標値を設定する目標値設定手段と、充電スイッチ7のオン時にコンデンサ2から直列回路6に供給される充電電流を検出する電流検出手段と、その電流検出手段により検出される充電電流を積分することにより、充電スイッチ7のオン期間におけるピエゾアクチュエータ1の充電エネルギーを推定する推定手段と、上記駆動信号がハイになると、予め設定された所定の周期で充電スイッチ7をオンすると共に、前記推定手段により推定される推定値が、前記目標値設定手段により設定された目標値に到達する度に充電スイッチ7をオフする充電スイッチ駆動手段と、を備えるように構成すれば良い。
次に、放電制御回路19にも、上記駆動信号が入力される。
そして、放電制御回路19は、上記駆動信号がハイからローになると、放電スイッチ10をオン/オフさせてピエゾアクチュエータ1を放電させる放電制御を、予め設定された放電実施時間だけ行う。尚、この放電制御が行われる場合、充電スイッチ7はオフのままである。
つまり、この駆動装置30において、放電スイッチ10がオンされると、ピエゾアクチュエータ1の正極側からインダクタ5及び放電経路12を介してグランドライン側へ放電電流が流れ、放電スイッチ10がオンからオフされると、ピエゾアクチュエータ1の正極側からインダクタ5及び充電スイッチ7に並列なダイオード8を介してコンデンサ2へと放電電流が流れ、その放電電流によりピエゾアクチュエータ1の電荷がコンデンサ2に回収される。このため、放電制御により放電スイッチ10のオン/オフが繰り返されることで、ピエゾアクチュエータ1が段階的に放電されて収縮し、インジェクタが閉弁する。
この放電制御について更に具体的に説明する。
図2に示すように、放電制御回路19は、駆動信号がハイからローになって放電制御を開始すると、まず、放電スイッチ10をオンする(S110)。
そして、放電スイッチ10をオンしているときには(S120:YES)、ピエゾアクチュエータ1の放電電流が閾値設定回路20で設定されるピーク側閾値Ipにまで増加するまで待つ(S130:NO)。具体的には、比較器16の出力信号がローからハイになるまで待つ。そして、比較器16の出力信号がハイになって放電電流がピーク側閾値Ipまで増加したと判定すると(S130:YES)、放電スイッチ10をオフする(S140)。
また、放電スイッチ10をオフしているときには(S120:NO)、ピエゾアクチュエータ1の放電電流がボトム側閾値Ibにまで減少するまで待つ(S150:NO)。具体的には、比較器17の出力信号がローからハイになるまで待つ。そして、比較器17の出力信号がハイになって放電電流がボトム側閾値Ibまで減少したと判定すると(S150:YES)、放電スイッチ10をオンする(S160)。
そして、放電制御回路19は、このような放電制御を、駆動信号がローになった時点から前述の放電実施時間が経過するまで行う。尚、放電実施時間(放電制御を行う時間)は、固定値でも良いが、例えば上記電子制御ユニット内のマイコンによって指令される可変値になっていても良い。
次に、本実施形態において最も特徴的な部分である閾値設定回路20について説明する。
閾値設定回路20には、充電制御回路18の充電制御によりピエゾアクチュエータ1に充電される充電エネルギ(前述した目標の充電エネルギ)E0の値と、放電制御回路19が放電制御によってピエゾアクチュエータ1から放電させるべき放電エネルギΔEの値と、ピエゾアクチュエータ1の放電時間(前述した放電実施時間)Tの値と、ボトム側閾値Ibの値とが与えられ、それら各値(E0,ΔE,T,Ib)は、閾値設定回路20内にあるRAM又はROM等のメモリ21に記憶されている。
尚、上記各値(E0,ΔE,T,Ib)は、メモリ21に固定値として記憶されるようになっていても良いが、例えば上記電子制御ユニット内のマイコンによってメモリ21に任意の値が書き込まれる構成でも良い。特に、放電実施時間を可変にする場合、メモリ21には、放電時間Tとして、その放電実施時間と同じ値を書き込めば良く、同様に、充電制御でピエゾアクチュエータ1に充電する目標の充電エネルギを可変にする場合、メモリ21には、充電エネルギE0として、その目標の充電エネルギと同じ値を書き込めば良い。
また、閾値設定回路20は、駆動信号がハイになった時に積分回路15をリセットし、駆動信号がローになった時に積分回路15の出力値を読み取って、その出力値から、充電制御回路18の充電制御でピエゾアクチュエータ1に充電された充電電荷量Q0を検出する。つまり、積分回路15は、充電制御によってピエゾアクチュエータ1に充電された充電電流を積分することとなり、閾値設定回路20は、その積分値から充電電荷量Q0を算出する。
そして、閾値設定回路20は、メモリ21内の上記各値(E0,ΔE,T,Ib)と、上記の手順で検出した充電電荷量Q0とから、ピエゾアクチュエータ1の放電エネルギ変化率を「ΔE/T」にするためのピーク側閾値Ipの時間に対する傾きaと切片bを決定すると共に、その傾きa及び切片bと、ピエゾアクチュエータ1の放電開始時(即ち、駆動信号がローになった時点)からの経過時間tとから、下記の式3により、ピーク側閾値Ipを設定する。
尚、式3の右辺においては、「t」が乗ぜられる{}の部分が、ピーク側閾値Ipの傾きaであり、「t」が乗ぜられない{}の部分が、ピーク側閾値Ipの切片bである。また、ピーク側閾値Ipは時間tに比例した値に設定されるため、式3及び前述の図1,図2では、ピーク側閾値Ipを、時間tの関数であることを示すIp(t)と記載している。そして、以下では、Ipなど、時間とともに変化する物理値については、(t)を付すことにする。また、式3において、Ip(t)とIbは、充電方向を正としている。
そして更に、閾値設定回路20は、上記式3により設定したピーク側閾値Ip(t)に、抵抗13の抵抗値と増幅回路14の増幅率とを乗じた値の電圧を、前述の閾値電圧Vpとして比較器16に出力し、また、上記メモリ21に記憶されたボトム側閾値Ibに、抵抗13の抵抗値と増幅回路14の増幅率とを乗じた値の電圧を、前述の閾値電圧Vbとして比較器17に出力する。尚、閾値電圧Vpも時間に比例して変化することとなるため、前述の図1では、VpをVp(t)と記している。
以下に、式3がどのように導出されているかについて説明する。尚、以下の各式では、式3と同様に、ピエゾアクチュエータ1の充電方向を正(放電方向を負)としている。
まず、図3(A)に示すように、ピエゾアクチュエータ1の放電電流の積分値である放電電荷量をf(t)とすると、放電制御が行われる際のピエゾアクチュエータ1の電荷量(以下、ピエゾ電荷という)q(t)は、「q(t)=Q0+f(t)」という時間関数で表すことができる。ここでは、放電電流が負の値であり、f(t)は負方向に増加するため、ピエゾ電荷q(t)はQ0から時間とともに減少することとなる。尚、図3(A)において、Q1は、放電時間Tが経過した時のピエゾ電荷q(T)である。
また、図3(B)に示すように、ピエゾアクチュエータ1の放電エネルギ量をg(t)とすると、ピエゾアクチュエータ1に蓄積されているエネルギ(以下、ピエゾエネルギという)e(t)も、「e(t)=E0+g(t)」という時間関数で表すことができる。放電が進むにつれて放電エネルギ量g(t)が負方向に増加し、ピエゾエネルギe(t)はE0から時間とともに減少することとなる。尚、図3(B)において、E1は、放電時間Tが経過した時のピエゾエネルギe(T)である。また、放電時間T分の放電エネルギ量g(T)の絶対値が、放電エネルギΔEに該当する。
次に、ピエゾアクチュエータ1の静電容量をCとすると、ピエゾエネルギe(t)は下記の式4で表される。
そして、「C=(Q0の2乗)/(2×E0)」の関係から、式4は、下記の式5のように変形できる。
更に、式5を時間微分すると、下記の式6となる。
ピエゾアクチュエータ1の放電エネルギ変化率を一定に制御するためには、式6の値が一定となるように、q(t)を制御する必要がある。
ここで、図3(B)のようにピエゾエネルギe(t)をリニアに減少させるためには、放電エネルギ量g(t)が時間にリニアである必要があり、即ち「g(t)=α×t+β」とおくことができる。
更に、式6の左辺は、放電エネルギ変化率であり、放電させるべきエネルギΔEを放電時間Tで割ったもの、即ち「ΔE/T」に等しい。
このため、下記の式7が成立する。
よって、式6と式7から、放電エネルギ変化率を「ΔE/T」に制御するためには、下記の式8を満たすように、ピエゾ電荷q(t)を制御すれば良い。
また、放電制御回路19による放電制御において、ピーク側閾値Ip(t)を時間に比例して上昇させた場合、放電電流の波形は、図4に示すように、ピーク値(負方向のピーク値)が徐々に大きくなる波形となり、その電流波形の積分値(面積)が放電電荷量f(t)に相当する。
そして、その放電電荷量f(t)は、図4において、放電電流のピークを結んだ直線の傾き(即ち、ピーク側閾値Ip(t)の傾き)をaとし、放電電流の時間0との交点(即ち、ピーク側閾値Ip(t)の切片)をbとすると、「b−Ib」と「a×t+b−Ib」を上底及び下底とし高さをtとする台形の面積の半分と、ボトム側閾値Ibとtからなる長方形の面積との和、として近似できる。このため、下記の式9が成立する。
従って、ピエゾ電荷q(t)は、「q(t)=Q0+f(t)」の関係と式9とから、下記の式10で表すことができる。
そして、この式10が、式8を満たせば、放電エネルギ変化率を「ΔE/T」に制御することができる。
そこで、式10を時間微分すると、下記の式11となる。
そして、式10と式11を式8に代入すると、下記の式12となり、その式12を変形した式13を更に変形して、下記の式14が得られる。
一方、放電すべきエネルギΔEは、式5を用いて下記の式15で表される。
そして、式15中のf(T)を式9で表すことにより、下記の式16となり、その式16を順次変形することで、下記の式17〜19が得られる。
また、式14に式18を代入すると、下記の式20となり、その式20を順次変形することで、下記の式21,22が得られる。
そして、式22を式19に代入することで、切片bが求められる。即ち、式22を式19に代入すると、下記の式23となり、その式23を下記の式24のように変形し、更に、その式24から、切片bは下記の式25となる。
また、式24を式22に代入することで、傾きaが求められる。即ち、式24を式22に代入することで、下記の式26が得られ、その式26を下記の式27のように変形し、更に、その式27から、傾きaは下記の式28となる。
よって、「Ip(t)=a×t+b」の関係に、上記式25と式28を代入することで、式3が得られるのである。また、式3を変形すれば、下記の式29となり、その式29は、請求項3に記載の式1と同じである。
尚、本実施形態では、充電方向を正としているため、図4のように、放電電流のピーク側閾値Ip(t)の傾きaと切片bは負の値となる。そして、式28から分かるように、傾きaは、充電電荷量Q0に比例するため、その充電電荷量Q0が大きいほど、負方向であって、ピーク側閾値Ip(t)を上昇させる方向に大きい値となる。また、式25における「−Ib」は正であるため、その式25で示される切片bにおける「−Ib」以外の部分は、負であり、また充電電荷量Q0に比例する。このため、切片bも、充電電荷量Q0が大きいほど、負方向であって、ピーク側閾値Ip(t)を上昇させる方向に大きい値となる。つまり、傾きaと切片bは、E0,ΔE,T,Ibが同じであれば、Q0が大きいほど、ピーク側閾値Ip(t)を上昇させる方向に大きい値となる。
以上のような本実施形態の駆動装置30によれば、前述した(1)〜(3)の効果が得られる。
即ち、閾値設定回路20に与えるΔEとTの各値の比である放電エネルギ変化率(ΔE/T)を実現することができるので、放電エネルギ変化率を任意の一定値に制御できる。
また、Q0の検出値に応じてピーク側閾値Ip(t)の傾きaと切片bが設定されるため、温度が変化してピエゾアクチュエータ1の容量が変動しても、図5に示すように、放電エネルギ変化率を目標の一定値(この例では、ΔE/T=40mJ/80μs)に良好に制御することができる。尚、図5は、E0=60mJ、ΔE=40mJ、T=80μs、Ib=0Aと設定して、式3(式29)によりピーク側閾値Ip(t)を設定した場合の放電電流と放電エネルギをシミュレーションした結果を表すグラフである。このシミュレーションでは、ピエゾの静電容量を6μFと仮定し、E0から充電電荷量Q0を849μCとおいて、Ip(t)を設定した。また、図5及び後述する図6,図7において、一点鎖線で示しているエネルギ目標値とは、放電開始時の充電エネルギE0(=60mJ)からΔE/T(=0.5mJ/μs)の比率で減少するエネルギを示している。
更に、制御している放電エネルギ変化率(=ΔE/T)が分かっているため、放電の経過時間tから、放電したエネルギ量(=t×ΔE/T)を簡単に把握することができる。そして、放電したエネルギ量が分かれば、ピエゾアクチュエータ1に残っているエネルギ量が分かり、その残存エネルギ量の値をピエゾアクチュエータ1の制御に利用することができるようになる。
尚、本実施形態では、充電制御回路18が充電制御手段に相当している。また、抵抗13、増幅回路14、比較器16,17及び放電制御回路19が、放電制御手段に相当し、そのうち、抵抗13及び増幅回路14が、放電電流検出手段に相当している。また、抵抗13、増幅回路14、積分回路15及び閾値設定回路20が、閾値設定手段に相当し、そのうち、抵抗13、増幅回路14及び積分回路15が、充電電荷量検出手段に相当している。
一方、充電制御回路18と放電制御回路19と閾値設定回路20のそれぞれは、マイコンや専用IC等で構成することができる。また、それら回路18〜20のうちの2つ以上を1つのICに統合して構成しても良い。
また、ボトム側閾値Ibは、0でも良いが、例えば放電電流のピークとボトムとの差を小さくして振動を緩和するためにピーク側閾値Ipに近い値としたりするなど、任意に決定することができる。
以上が第1実施形態である。
ところで、第1実施形態の式3(式29)を用いた場合、図6における実線のグラフに示すように、放電エネルギΔEが充電エネルギE0に近い値をとる場合には、電荷計算の近似誤差が大きくなり、所望のエネルギ変化率(エネルギ目標値)からの誤差が大きくなる傾向がある。また、「ΔE=E0」では計算式が成り立たない。
更に、設定する放電エネルギΔEと放電時間Tの比が同じでも、ΔEが大きく且つTが短い場合(図6における細かい点線のグラフ)と、ΔEが大きく且つTが長い場合(図6における粗い点線のグラフ)とでは、所望のエネルギ変化率(エネルギ目標値)との誤差が異なる傾向がある。つまり、エネルギ変化のプロファイルが異なる。
尚、図6は、E0=60mJ、Ib=0Aとし、ΔE/T=0.5mJ/μsの条件でΔEとTを3通りに変化させて、式3(式29)によりピーク側閾値Ip(t)を設定した場合の放電電流と放電エネルギをシミュレーションした結果を表すグラフである。このシミュレーションでは、ピエゾの静電容量を6μFと仮定し、E0から充電電荷量Q0を849μCとおいて、Ip(t)を設定した。
そこで、第2実施形態として、閾値設定回路20が、下記の式30により、ピーク側閾値Ip(t)を設定するように構成すれば、ΔEとTの比が同じならば、Ip(t)は同じ値になるので、ΔEとTの組み合わせによらず同じエネルギ変化率を実現でき、また精度の向上も見込まれる。
尚、式30は、第1実施形態の式3(式29)を元にして実験を繰り返すことで求めた実験式であり、請求項4に記載の式2と同じである。また、その式30においても、Ip(t)とIbは、充電方向を正としている。そして、式30においては、「t」が乗ぜられる部分が、Ip(t)の傾きaに該当し、その傾きaは、Q0が大きいほど、負方向であって、Ip(t)を上昇させる方向に大きい値となる。また、式30においては、「t」が乗ぜられない部分が、Ip(t)の切片bに該当し、その切片bも、Q0が大きいほど、負方向であって、Ip(t)を上昇させる方向に大きい値となる。
ここで、図7は、図5と同じ条件で、第1実施形態の式3(式29)によりピーク側閾値Ip(t)を設定した場合と、第2実施形態の式30(実験式)によりピーク側閾値Ip(t)を設定した場合との、それぞれについて、放電電流と放電エネルギをシミュレーションした結果を表すグラフである。
その図7のように、第2実施形態の式30を用いれば、第1実施形態よりも、放電エネルギ変化率の誤差を小さくすることができる。
ところで、図1では図示を省略したが、上記各実施形態の駆動装置30において、実際には、インダクタ5には各気筒毎の複数のピエゾアクチュエータ1が接続され、その各ピエゾアクチュエータ1のインダクタ5側とは反対側と抵抗13との間に、MOSFET等からなるスイッチ(いわゆる気筒選択スイッチ)がそれぞれ設けられる。そして、何れかのピエゾアクチュエータ1を駆動する場合には、そのピエゾアクチュエータ1に対応する気筒選択スイッチがオンされることで、その駆動対象のピエゾアクチュエータ1と抵抗13とが接続されることとなる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
例えば、ピエゾアクチュエータは、インジェクタを開閉弁させるためのもの以外でも良い。
実施形態の駆動装置の構成を表す構成図である。 放電制御を表すフローチャートである。 放電制御が行われる際の、ピエゾアクチュエータの電荷q(t)とエネルギe(t)を表すグラフである。 ピエゾアクチュエータの放電電流波形と放電電荷量の求め方とを説明する説明図である。 シミュレーション結果を表す第1のグラフである。 シミュレーション結果を表す第2のグラフである。 シミュレーション結果を表す第3のグラフである。
符号の説明
1…ピエゾアクチュエータ、2…コンデンサ、3…車載バッテリ、4…昇圧回路、5…インダクタ、6…直列回路、7…充電スイッチ、8…ダイオード、9…充電経路、10…放電スイッチ、11…ダイオード、12…放電経路、13…抵抗、14…増幅回路、15…積分回路、16…比較器、17…比較器、18…充電制御回路、19…放電制御回路、20…閾値設定回路、21…メモリ、30…駆動装置

Claims (5)

  1. ピエゾアクチュエータに直列に接続されるインダクタと、
    該インダクタと前記ピエゾアクチュエータとの直列回路に対して、直流電源から充電スイッチを介して電源供給を行うための充電経路と、
    前記直列回路に並列に接続され、放電スイッチを介して前記ピエゾアクチュエータの充電電荷を放電させるための放電経路と、
    前記充電スイッチに対して、カソードが前記直流電源の正極側となるよう並列に接続された第1ダイオードと、
    前記放電スイッチに対して、アノードが前記直流電源の負極側となるよう並列に接続された第2ダイオードと、
    外部から駆動指令が入力されると、前記充電スイッチのオン/オフを繰り返すことにより、前記ピエゾアクチュエータを充電させて伸長させる充電制御手段と、
    前記ピエゾアクチュエータの放電電流を検出する放電電流検出手段を有すると共に、外部から駆動停止指令が入力されると、前記放電スイッチをオンし、その後、前記放電電流がピーク側閾値まで増加したと判定すると前記放電スイッチをオンからオフに切り替え、前記放電電流がボトム側閾値まで減少したと判定すると前記放電スイッチをオフからオンに切り替える、という動作を繰り返すことにより、前記ピエゾアクチュエータを放電させて収縮させる放電制御手段と、
    前記ピーク側閾値を時間に比例して上昇するように設定する閾値設定手段とを備え、
    前記閾値設定手段は、前記充電制御手段により前記ピエゾアクチュエータに充電された充電電荷量を検出する充電電荷検出手段を有すると共に、前記充電制御手段により前記ピエゾアクチュエータに充電された充電エネルギE0と、前記放電制御手段が前記ピエゾアクチュエータから放電させるべき放電エネルギΔE及び放電時間Tと、前記ボトム側閾値との各値が与えられ、その各値と前記充電電荷検出手段で検出した充電電荷量Q0とから、前記ピエゾアクチュエータの放電エネルギ変化率を「ΔE/T」にするための前記ピーク側閾値の時間に対する傾きと切片を決定すると共に、その傾き及び切片と前記ピエゾアクチュエータの放電開始時からの経過時間tとから前記ピーク側閾値を設定すること、
    を特徴とするピエゾアクチュエータ駆動装置。
  2. 請求項1に記載のピエゾアクチュエータ駆動装置において、
    前記閾値設定手段は、前記充電電荷量Q0が大きいほど、前記傾きと切片を大きい値に決定するようになっていること、
    を特徴とするピエゾアクチュエータ駆動装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のピエゾアクチュエータ駆動装置において、
    前記閾値設定手段は、下記の式1により前記ピーク側閾値を設定すること、
    を特徴とするピエゾアクチュエータ駆動装置。
    但し、式1において、Ip(t)は、充電方向を正とした場合のピーク側閾値であり、Ibは、充電方向を正とした場合のボトム側閾値である。
  4. 請求項1又は請求項2に記載のピエゾアクチュエータ駆動装置において、
    前記閾値設定手段は、下記の式2により前記ピーク側閾値を設定すること、
    を特徴とするピエゾアクチュエータ駆動装置。
    但し、式2において、Ip(t)は、充電方向を正とした場合のピーク側閾値であり、Ibは、充電方向を正とした場合のボトム側閾値である。
  5. 請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載のピエゾアクチュエータ駆動装置において、
    前記充電電荷検出手段は、前記充電制御手段が前記ピエゾアクチュエータを充電する際に、前記ピエゾアクチュエータに供給される充電電流を検出すると共に、その充電電流を積分することにより、前記充電電荷量Q0を検出すること、
    を特徴とするピエゾアクチュエータ駆動装置。
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