JP4520517B2 - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用の自動変速機の油圧制御装置に関し、特に、インギア制御時の係合制御油圧を必要に応じて補正する自動変速機の油圧制御装置に関する。
従来、インギア制御時におけるクラッチの係合制御油圧の設定は、自動変速機の油圧制御装置において作動油の油圧(ライン圧)を調圧するためのリニアソレノイドバルブの電流−油圧特性のばらつき、クラッチクリアランス(クラッチの経年劣化)、ATフルード油温等の環境の違い(変化)による油圧特性変化時のクラッチ締結ショックの発生の可能性、クラッチが締結するまでの時間などについて一定の基準を満たすように行われる。
上述のような設定条件のうち、特にリニアソレノイドバルブの個体差による電流−油圧特性のばらつきの影響を抑制するために、リニアソレノイドバルブの出力油圧の指令値に対して元油圧や油温等の出力油圧の特性値を予め実測し、その特性値を自動制御ユニット内のメモリに記憶し、メモリから特性値を読み取って油圧制御装置の調圧部を制御する方法が知られている(例えば、特許文献1など参照)。
特許文献1に開示される自動変速機の油圧制御装置では、実測した出力油圧の特性値をバーコードなどの2次元コードにコード化してトランスミッションの表面に貼付し、車両の製造工程において、この2次元コードを読み取って、特性値をメモリに記憶させている。この特性値に基づいて係合制御油圧の設定を行うことにより、リニアソレノイドバルブの個体差による電流−油圧特性のばらつきの影響を抑制することができる。
特開2006−125435号公報
しかしながら、特許文献1に開示される自動変速機の油圧制御装置では、リニアソレノイドバルブの電流−油圧特性のばらつきの影響を効果的に抑制することができるものの、自動変速機の油圧制御装置において上記特性値を予め実測し、2次元コードにコード化し、車両の製造工程でこの2次元コードを読み取って、メモリに記憶する工程を必要とする。したがって、自動変速機の油圧制御装置の調圧部に用いられるリニアソレノイドバルブに対してこのような工程を実行することは、煩雑であるとともに、車両の製造コストを増加させる要因ともなりうるという問題がある。
また、上記特性値を利用して自動変速機の油圧制御装置における調圧制御を行うことにより、元油圧や油温に対する出力油圧の設定精度を高めることができるが、クラッチディスクの摩耗による劣化状態(経年変化)などの自動変速機の状態変化に対しては耐性(タフネス)を上げることができないという問題もある。
電流−油圧特性のばらつきが大きいリニアソレノイドバルブを備えたトランスミッション(自動変速装置)をショックに対して敏感な車両(特に、エンジンの出力に対して車重の軽いセダン系の車両)に適用する場合には、温度変化や劣化状態などの状態変化を含めてクラッチのインギア制御を設定しなければならない。クラッチを締結するまでの時間が長くなり、あるいは、クラッチ締結時のショックを吸収できないような領域がある場合には、1速段と高い車速段のクラッチを併用して係合させるスコートインギア制御等を利用していた。しかしながら、スコートインギア制御では、2つのクラッチを作動させる必要があるため、電流−油圧特性のばらつきの影響を受ける可能性があるだけでなく、使用温度領域が限られるなどの問題点がある。
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、リニアソレノイドバルブの電流−油圧特性によるクラッチ締結時間のばらつきやクラッチ締結時のショックに対する耐性を向上することができ、これにより1速段の単独インギア制御を行うことができる自動変速機の油圧制御装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の自動変速機の油圧制御装置は、エンジン(1)の出力軸に連結されたトルクコンバータ(2)と、複数の動力伝達経路および複数の摩擦係合要素を有し、トルクコンバータ(2)に連結された自動変速機(3、6)とを備える車両において、該車両の走行状態に応じて複数の摩擦係合要素を選択的に係合させて、複数の動力伝達経路からいずれかの動力伝達経路を選択して複数の変速段からいずれかの変速段を設定可能な自動変速機の油圧制御装置(6、10)であって、変速指示に従って現在の変速段から行き先の変速段への変速を行わせるように、摩擦係合要素への係合制御油圧を設定し、設定された係合制御油圧の供給を制御する油圧供給制御手段(61)と、インギア制御時に油圧供給制御手段(61)により設定された係合制御油圧を全域にわたって第1の所定圧(例えば、0.2kgf/cm )だけ低減して補正するインギア油圧補正手段(102)と、トルクコンバータ(2)の入力軸の回転数(Ne)と出力軸の回転数(Ni)に基づいて、トルクコンバータ(2)のトルコンスリップ率(ETR)を演算する演算手段(103)と、演算手段(103)により演算されたトルコンスリップ率(ETR)に基づいて、行き先の変速段の摩擦係合要素が係合を開始したか否かを判断する係合判断手段(104)と、インギア制御の開始からの経過時間を計測する計時手段(101)と、計時手段(101)により第1の所定時間(T1)を計測したときに、係合判断手段(104)により摩擦係合要素(ここでは、第1速段であるLowクラッチ)の係合が開始していないと判断した場合には、インギア油圧補正手段(102)により補正された係合制御油圧を第2の所定圧(P1)だけ加算して補正するとともに、計時手段(101)により第1の所定時間(T1)よりも長い第2の所定時間(T2)を計測したときに、係合判断手段(104)により摩擦係合要素の係合が開始していないと判断した場合には、第2の所定圧(P1)だけ加算して補正された係合制御油圧を第3の所定圧(P2)だけさらに加算して補正する加算補正制御手段(105)とを備えることを特徴とする。
本発明の自動変速機の油圧制御装置によれば、インギア制御時に油圧供給制御手段により設定された係合制御油圧を全域にわたって第1の所定圧だけ低減して補正し、演算手段により演算されたトルコンスリップ率に基づいて、行き先の変速段の摩擦係合要素(本発明では、インギア制御時のLowクラッチ)が係合を開始したか否かを判断し、計時手段により第1の所定時間を計測したときに、係合判断手段によりその摩擦係合要素の係合が開始していないと判断した場合には、インギア油圧補正手段により補正された係合制御油圧を第2の所定圧だけ加算して補正するとともに、計時手段により第2の所定時間を計測したときに、係合判断手段により摩擦係合要素の係合が開始していないと判断した場合には、第2の所定圧を加算して補正された係合制御油圧を第3の所定圧だけさらに加算して補正するように構成したので、トルコンスリップ率を監視することにより電流−油圧特性のばらつき下限のリニアソレノイドバルブによる油圧遅れを早期に検知し、油圧指令値を適切に加算補正することができる。これにより、摩擦係合要素の締結遅れによるディレイ感(応答遅れを認識してしまうような)や摩擦係合要素の締結ショックを改善することができる。したがって、上述のような電流−油圧特性によるクラッチ締結時間のばらつきやクラッチ締結時のショックに対する耐性(タフネス)を向上することができ、1速段(Lowギア)の単独インギア制御を選択することができる。
本発明の自動変速機の油圧制御装置では、第1の所定圧は、油圧制御装置(6)においてライン圧を調圧するためのリニアソレノイドバルブの個体差によるばらつき供給油圧量の最大値に対応すればよい。ここで、ばらつき供給量の最大値とは、リニアソレノイドバルブの電流−油圧特性において、所定の電流値に対する油圧のばらつきのばらつき中心からばらつき上限(プラス)あるいはばらつき下限(マイナス)までの油圧の差を意味し、本発明では、その値は例えば0.2kgf/cm である。
本発明の自動変速機の油圧制御装置では、第1の所定圧は、第2の所定圧または第3の所定圧と同じかあるいは大きいのが好ましい。本発明の自動変速機の油圧制御装置においては、油圧供給制御手段により設定された係合制御油圧を第1の所定圧だけ低減して補正することによりリニアソレノイドバルブの電流−油圧特性のばらつき上限の車両(自動変速機)の商品性を確保しつつ、摩擦係合要素(クラッチ)の係合遅れが生じる場合には、第2の所定圧あるいは第3の所定圧を加算して補正することによりクラッチ締結時間のばらつきやクラッチ締結時のショックに対する耐性を向上している。
本発明の自動変速機の油圧制御装置では、加算補正制御手段(105)による第2の所定圧または第3の所定圧の加算は徐々に行われるのが好ましい。これにより、摩擦係合要素(クラッチ)の係合のタイミングにおいて、設定および補正された係合制御油圧の傾きを緩やかにすることができるので、加算補正制御手段により加算補正がなされた場合であっても摩擦係合要素(クラッチ)の締結ショックを効果的に抑制することができる。
なお、上記で括弧内に記した図面参照符号は、後述する実施形態における対応する構成要素を参考のために例示するものである。また、上記で括弧内に記した時間や油圧も後述する実施形態に対応して例示したものである。
本発明によれば、自動変速機の油圧制御装置において、リニアソレノイドバルブの電流−油圧特性によるクラッチ締結時間のばらつきやクラッチ締結時のショックに対する耐性(タフネス)を向上することができ、これにより1速段(Lowギア)の単独インギア制御を行うことができる。
以下、添付図面を参照して本発明の自動変速機の油圧制御装置の好適な実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態における自動変速機の油圧制御装置を備えた車両の動力伝達系統および制御系統を概略的に示すブロック図である。車両の動力伝達系統は、動力源であるエンジン1と、エンジン1の回転出力を変速ギア機構3に伝達するための流体継手であるトルクコンバータ2と、トルクコンバータ2の回転出力を入力して設定された速度比で変速して出力する変速ギア機構3と、変速ギア機構3の出力回転を左右の車輪(例えば後輪)5に分配するディファレンシャルギア機構4とを含む。トルクコンバータ2および変速ギア機構3に付属して油圧制御装置6が設けられており、この油圧制御装置6は、トルクコンバータ2および変速ギア機構3内に設けられている油圧制御型の複数の摩擦係合要素(クラッチなど)を所定の組み合わせで締結または解放することにより、トルクコンバータ2のロックアップや、該変速ギア機構3における入出力速度比を所要の変速段に設定することを行う。車両の自動変速機は、これらのトルクコンバータ2、変速ギア機構3、油圧制御装置6などによって構成される。
車両の動力伝達系統を制御するための制御系統は、車両の各部に設けられたセンサと、該各センサの出力が入力される電子制御ユニット(ECU)10と、該電子制御ユニット10によって制御される油圧制御装置6などで構成される。回転センサ11はトルクコンバータ2の入力軸の回転数(エンジン回転数)Neを検出し、回転センサ12は変速ギア機構3の入力軸(すなわち、トルクコンバータ2の出力軸)の回転数Niを検出し、回転センサ13は変速ギア機構3の出力軸の回転数Noを検出し、車速センサ14は車速Nvを検出する。なお、車速Nvを専用に検出する車速センサ14を設けることなく、入力軸回転数Niまたは出力軸回転数Noから車速Nvを算出するようにしてもよい。例えば、「Nv=Ni×変速レシオ×タイヤ周長」あるいは「Nv=No×タイヤ周長」のような関係式に基づいて車速Nvを検出(算出)することができる。シフトレバーポジションセンサ15は、運転者によって操作されるシフトレバーのポジションを検出する。シフトレバーのポジションには、公知のように、例えば、P(パーキング)、R(後進走行)、N(ニュートラル)、D(自動変速モードでの前進走行)などがあり、さらに、3速、2速、1速等の特定の変速段を手動で指定するためのポジションが設けられてもよい。
ブレーキセンサ16は、運転者によりブレーキペダルが所定量以上踏み込まれるとブレーキがかけられたことを検出する。スロットルセンサ17は、アクセルペダルの踏み込みに応じて開度が設定されるエンジン1のスロットルの開度を検出する。アクセルペダルセンサ22は、アクセルペダルの踏み込みに応じたアクセルペダル開度APATを検出する。ATF温度センサ18は、油圧制御装置6における作動油の温度(ATF油温)TATFを検出する。油圧センサ21は、油圧制御装置6において図示しないリニアソレノイドバルブにより調圧されたライン圧Pを検出する。冷却水温センサ19は、エンジン冷却液の温度(冷却水温)を検出する。
図1に示した車両の動力伝達系統および制御系統の具体的構成は、公知の構成を適宜採用してよい。本発明に係る自動変速機の油圧制御装置は、電子制御ユニット10および油圧制御装置6を含むものであり、該電子制御ユニット10が実現可能な種々の制御機能のうちの一つとして実施される。以下述べる実施形態においては、本発明に係る自動変速機の油圧制御装置は、電子制御ユニット10が具備するコンピュータプログラムによって実行されるものとする。しかしながら、本発明に係る自動変速機の油圧制御装置は、このようなコンピュータプログラムに限らず、専用の電子回路ハードウェアで構成することができるのは勿論である。
図2は、本発明の自動変速機の油圧制御装置において実行されるインギア制御の制御系統を示す図である。図2に示すように、電子制御ユニット10は、計時手段101と、インギア油圧補正手段102と、演算手段103と、係合判断手段104と、加算補正制御手段105とを含む。また、油圧制御装置6は油圧供給制御手段61を含む。
油圧供給制御手段61は、電子制御ユニット10からの変速指示に従って現在の変速段から行き先の変速段への変速を行わせるように、摩擦係合要素(クラッチ)への係合制御油圧を設定し、設定された係合制御油圧の供給を制御する。計時手段101は、インギア制御の開始からの経過時間を計測する。インギア油圧補正手段102は、インギア制御時に油圧供給制御手段61により設定された係合制御油圧を全域にわたって第1の所定圧だけ低減して補正する。本実施形態では、第1の所定圧は、後述するように例えば0.2kgf/cm である。演算手段103は、回転センサ11、12から得られたトルクコンバータ2の入力軸の回転数(Ne)と出力軸の回転数(Ni)とに基づいて、トルクコンバータ2のトルコンスリップ率ETR(=Ne/Ni)を演算する。係合判断手段104は、演算手段103により演算されたトルコンスリップ率ETRに基づいて、行き先の変速段の摩擦係合要素(クラッチ)が係合を開始したか否かを判断する。本実施形態では、係合判断手段104は、トルコンスリップ率ETRが所定の閾値e、例えば80%以下になれば、行き先の変速段のクラッチが係合を開始したものと判断すればよい。このようにインギア制御の進行状態を判断するために、油温やファーストアイドル等の環境変化に影響を受けないトルコンスリップ率ETRを利用するのが好ましい。本実施形態では、上述のようにトルコンスリップ率ETRが所定の閾値e以下になったことにより、インギア制御時においてLowクラッチの係合が開始したと判断することができる。加算補正制御手段105は、計時手段101により第1の所定時間T1を計測したときに、係合判断手段104により摩擦係合要素の係合が開始していないと判断した場合には、インギア油圧補正手段102により補正された係合制御油圧を第2の所定圧だけ加算して補正する。また、加算補正制御手段105は、計時手段101により第1の所定時間T1よりも長い第2の所定時間T2を計測したときに、係合判断手段104により摩擦係合要素の係合が開始していないと判断した場合には、第2の所定圧だけ加算して補正された係合制御油圧をさらに第3の所定圧だけ加算して補正する。なお、第1および第2の所定時間T1、T2は、リニアソレノイドバルブの電流−油圧特性のばらつきがばらつき下限、上限、中央であるときのインギア時間(クラッチ締結時間)を考慮して設定されればよい。例えば、第1の所定時間T1は、電流−油圧特性のばらつきがばらつき中央であるリニアソレノイドバルブを用いた場合のクラッチ締結時間と同等となるように設定されればよい。また、第2の所定時間T2は、第1の所定時間T1で油圧指令値に第2の所定圧だけ加算したにもかかわらずクラッチの係合が始まらない場合を想定して設定されるものである。なお、油圧指令値の加算が連続していると、油圧指令値の傾き(油圧/時間)が急となり、そのようなタイミングでクラッチが締結した場合にはクラッチ締結ショックが起こる可能性もある。そのため、車両の商品性を考慮して、加算補正がされた場合でも油圧指令値の傾きを緩やかにするために、第1および第2の所定時間は0.3秒程度離されていることが望ましい。
図3は、第1速段の単独インギア制御を説明するための図である。図3(a)は従来のインギア制御のベースとなる油圧指令値を示し、図3(b)は本実施形態で実行される新しいインギア制御のベースとなる油圧指令値を示す。図3(a)に示すように、従来のインギア制御では、油圧指令値として、インギア開始時にクラッチにトルク容量を持たせるための応答圧をまず出力する。この応答圧は、ATF温度センサ18により検出された作動油の温度(ATF油温)TATFと、回転センサ11により検出されたエンジン1の回転数とに基づいて決定される。次に、実油圧が指令値に追従するまで油圧指令値を上げずに待機させる待機圧を出力する。この待機圧は、車速センサ14により検出された車速と、スロットルセンサ17により検出されたエンジン1のスロットルの開度とに基づいて決定される。最後に、クラッチが締結するまで油圧を加算させる待機圧加算を出力する。この待機圧加算における加算量は、回転センサ12により検出されるメインシャフトの回転数に応じて決定される。待機圧加算は、図3(a)に示すように、リニアに増加するBASE圧と、クラッチが締結するまで段階的に加算する締結加算圧と、インギア制御の最終段階としてさらに終了圧を加算する終了加算圧とから構成される。
本実施形態では、図3(b)に示すように、上述のようにインギア制御時に油圧供給制御手段61により設定された係合制御油圧を全域にわたって第1の所定圧だけ低減するように、油圧指令値のベースはインギア油圧補正手段102によって補正される。上述の本発明の課題において示したように、油圧供給制御手段61には作動油の油圧(ライン圧)を調圧するためのリニアソレノイドバルブが設けられ、このリニアソレノイドバルブの個体差による電流−油圧特性のばらつきにより油圧指令値と実油圧にずれが生じ得る。リニアソレノイドバルブのスペックにより、所定の電流値に対する油圧のばらつき上限(プラス)とばらつき下限(マイナス)は、中心となる適正油圧に対してそれぞれ0.2kgf/cm 程度上下にずれていることが知られている。そのため、ここでは、ばらつき下限を考慮して、ベースとなる油圧指令値を全域にわたって第1の所定圧(例えば0.2kgf/cm )だけ低減するよう補正している。これにより、ばらつき上限のリニアソレノイドバルブを備える油圧制御装置6の商品性を確保した上で、このベースとなる油圧指令値がばらつき下限のリニアソレノイドバルブにのみ働くようになっている。なお、このようにばらつき上限のリニアソレノイドバルブに対応させて油圧指令値を下げたために、クラッチ油圧の遅れが生じ、クラッチ締結のタイミングが遅くなるような場合には、後述するように、適当なタイミングで油圧指令値の底上げを行うことにより、クラッチの係合(締結)遅れによるクラッチ締結ショックを改善している。
図4〜図6は、油圧指令値と加算油圧との関係を示す図である。本実施形態では、インギア制御の進行状況(クラッチ締結の進行状況)を判断するためにトルコンスリップ率ETRを用いている。そして、インギア制御の進行状況に応じて油圧指令値の底上げ制御を実行する。このように、本発明の自動変速機の油圧制御装置では、補正(油圧底上げ)制御を介入するか否かを判断するためにトルコンスリップ率ETRを用いているので、油温、エンジン回転数等の急激な環境変化時でも、またクラッチディスクの摩耗による劣化状態(経年変化)などの自動変速機の状態変化に対しても、インギア制御に対して油圧指令値を的確に補正することができる。
ここで、本実施形態では、上述のように油圧の底上げを行うタイミングは、計時手段101によりインギア制御の開始から第1の所定時間T1と第2の所定時間T2を計測したときである。この第1および第2の所定時間T1、T2におけるトルコンスリップ率ETRに基づいて、加算補正制御手段105は、油圧指令値に油圧(目標補正値)を加算するか否かを決定している。図4に示す例では、第1の所定時間T1が経過する前にトルコンスリップ率が所定の閾値e以下となっているため、加算補正制御手段105は油圧指令値への油圧の加算を行っていない。この場合には油圧の加算を行わなくても、第1速段(Low)クラッチの実油圧が十分に高まっているので、商品性に問題はない。
また、図5に示す例では、第1の所定時間T1においてトルコンスリップ率ETRが所定の閾値e以下になっていないため、加算油圧のグラフで示すように、加算補正制御手段105は、第1の所定時間T1から所定時間所定の傾きで油圧P1だけなまし加算を行う。加算油圧P1は、本実施形態では第2の所定圧に相当するが、第1の所定圧と同様に、例えば0.2kgf/cm 程度とすればよい。その後、第2の所定時間T2においてトルコンスリップ率ETRが所定の閾値e以下になっているため、係合判断手段104はLowクラッチが締結されていると判断し、さらなる油圧の加算を行っていない。また、図6に示す例では、第1の所定時間T1においてトルコンスリップ率ETRが所定の閾値e以下になっていないため、加算油圧のグラフで示すように、加算補正制御手段105は、第1の所定時間T1から所定時間所定の傾きで油圧P1だけなまし加算を行う。その後、第2の所定時間T2においてもトルコンスリップ率ETRが所定の閾値e以下になっていないため、加算油圧のグラフで示すように、加算補正制御手段105は、第2の所定時間T2から所定時間所定の傾きで油圧P2だけなまし加算をさらに行う。加算油圧P2は、本実施形態では第3の所定圧に相当するが、第1の所定圧と同様に、例えば0.2kgf/cm 程度とすればよい。なお、第1の所定圧は、第2の所定圧P1または第3の所定圧P2と同じかあるいは大きいのが好ましい。

このように、本実施形態の自動変速機の油圧制御装置では、インギア制御時に油圧供給制御手段61により設定された係合制御油圧を全域にわたって第1の所定圧だけ低減して補正した後、所定のタイミング、すなわち、インギア制御の開始からの経過時間が第1の所定時間T1、第2の所定時間T2になったときにLowクラッチの係合が完了していない場合に、油圧指令値に第1および第2の所定の加算油圧P1、P2だけ加算して補正している。これにより、リニアソレノイドバルブの電流−油圧特性によるクラッチ締結時間のばらつきやクラッチ締結時のショックに対する耐性(タフネス)を向上することができるので、Lowクラッチ単独のインギア制御を選択することができる。したがって、本実施形態の自動変速機の油圧制御装置によれば、変速ギア機構3(トランスミッション)の油圧回路(油圧制御装置6)の構成や本発明を適用する車体のショック等に対する感度によらず、あらゆるタイプの車両においてLowギアの単独インギア制御を適用することができる。
次に、本発明の自動変速機の油圧制御装置の動作をフローチャートを参照しつつ説明する。図7は、インギアリニア制御全体フローを示すフローチャートである。図8は、待機加算圧算出フローを示すフローチャートである。図9は、インギアばらつき補正圧算出フローを示すフローチャートである。
まず、電子制御ユニット10は、ステップS101において、今回のインギア制御が初回の制御であるか否かを判断し、モードをMODE=0に設定する。今回が最初のインギア制御であると判断した場合には、加算補正制御手段105はインギア補正圧(加算油圧)を0に設定し(ステップS102)、インギア油圧補正手段102はベース油圧を算出し(ステップS103)、電子制御ユニット10はモードを2に設定する(ステップS115)。そして、電子制御ユニット10は、油圧センサ21により検出された現在の実油圧がステップS103で算出された終了圧に到達したか否かを判断する(ステップS116)。実油圧が終了圧に到達したと判断した場合には、電子制御ユニット10は、このインギアリニア制御全体フローを終了し(ステップS117)、実油圧が終了圧に到達していないと判断した場合には、ステップS101からの処理を繰り返す。
一方、ステップS101において今回が最初のインギア制御ではないと判断した場合には、インギア油圧補正手段102はベース油圧を算出する(ステップS104)。そして、電子制御ユニット10は、ステップS105において、現在のモードがMODE=2であるか否かを、また、ステップS106において、現在のモードがMODE=4であるか否かを判断する。モードがMODE=2であると判断した場合には、ステップS112に移行し、計時手段101は、インギア制御の開始から所定時間Sが経過したか否かを判断する。所定時間Sが経過していないと判断した場合には、ステップS115に移行し、同様の処理を繰り返す。また、所定時間Sが経過したと判断した場合には、電子制御ユニット10は、後述する待機加算圧算出フローを実行し(ステップS113)、モードをMODE=4に設定して(ステップS114)、ステップS116以降の処理を繰り返す。ここで、所定時間Sとしては、例えば0.25秒である。
ステップS106においてモードがMODE=4であると判断した場合には、計時手段101は、インギア制御の開始から所定時間Eが経過したか否かを判断する(ステップS107)。所定時間Eが経過したと判断した場合には、係合判断手段104は、演算手段103により演算されたトルコンスリップ率ETRに基づいて、Lowクラッチが係合したか否かを判断する(ステップS108)。所定時間Eが経過していないと判断した場合、およびLowクラッチが係合したと判断した場合には、電子制御ユニット10は、モードをMODE=6に設定し(ステップS109)、後述する待機加算圧算出フローを実行し(ステップS110)、終了圧を加算して(ステップS111)、ステップS116以降の処理を繰り返す。一方、所定時間Eが経過したにもかかわらず、Lowクラッチが係合していないと判断した場合には、電子制御ユニット10は、後述する待機加算圧算出フローを実行し(ステップS113)、モードをMODE=4に設定して(ステップS114)、ステップS116以降の処理を繰り返す。ここで、所定時間Eとしては、例えば0.6秒である。
以上のように、インギアリニア制御全体フローでは、インギア制御が初めてなされるか否かでモードを切り替えて適切な処理を行い、ベース圧および待機加算圧を算出して、最終的に実油圧が終了圧に到達したときにこのインギアリニア制御全体フローを終了する。
次に、図7のインギアリニア制御全体フローのステップS110またはS113において実行される待機加算圧算出フローを説明する。この処理では、電子制御ユニット10は、まずエンジンの回転数加算圧を算出する(ステップS201)。ここでは、回転センサ11において検出されたエンジンの回転数Neが上昇した場合に、必要に応じて待機圧を加算するものである。次いで、電子制御ユニット10は、計時手段101により計時されたインギア制御開始からの経過時間と、回転センサ11、12により検出されたトルクコンバータ2の入出力軸の回転数の差とに基づいて、クラッチ差回転加算圧を算出する(ステップS202)。ここでは、電子制御ユニット10は、差回転の大小に応じて図3(a)に示したベース圧(BASE圧)の傾きを変更する。そして、電子制御ユニット10は、後述するインギアばらつき補正圧算出フローを実行して、インギアばらつき補正圧を算出する(ステップS203)。最後に、電子制御ユニット10は、インギアリニア制御全体フローのステップS103またはS104において算出されたベース圧、待機加算圧算出フローのステップS201において算出されたエンジン回転数加算圧、同ステップS202において算出されたクラッチ差回転加算圧、および同ステップS203において算出されたインギアばらつき補正圧を加算して、インギア制御リニア圧の油圧指令値を作成し(ステップS204)、この待機加算圧算出フローを終了する。作成されたインギア制御リニア圧の油圧指令値は、電子制御ユニット10から油圧制御装置6に出力され、油圧供給制御手段61は、この油圧指令値に基づいて係合制御油圧の供給を制御する。
なお、図7のフローチャートから分かるように、Lowクラッチが係合した後には、インギア制御リニア圧の油圧指令値に終了圧が加算される(ステップS111参照)。また、このように待機加算圧を算出し、油圧供給制御手段61により油圧の供給がなされても、Lowクラッチの締結時間が所定時間以上掛かる場合には、図9に示すインギアばらつき補正圧算出フローにおいて加算補正制御手段105により目標補正圧を追加・加算して、電子制御ユニット10は、新たにインギア制御リニア圧の油圧指令値を作成し(ステップS113参照)、作成された油圧指令値は、同様に油圧制御装置6に出力され、油圧供給制御手段61はこの油圧指令値に基づいて係合制御油圧の供給を制御することになる。
次に、図8の待機加算圧算出フローのステップS203において実行されるインギアばらつき補正圧算出フローを説明する。図8に示す待機加算圧算出フローにおいてステップS203に移行すると、電子制御ユニット10は、ATF温度センサ18により検出された作動油の温度(ATF油温)TATFが所定の温度範囲内であるか否かを判断する(ステップS301)。作動油の温度TATFが所定の温度範囲でないと判断すると、電子制御ユニット10は、現在設定されている補正圧を保持して(ステップS309)、インギアばらつき補正圧算出フローを終了する。なお、初めてこのインギアばらつき補正圧算出フローを実行するときには、図7のインギアリニア制御全体フローのステップS102においてインギア補正圧が0に設定されているため、この場合には補正圧が0として保持される。ここで、所定の温度範囲は、Lowギアの単独インギア制御を適切に行うことができる範囲であればよく、例えば下限なし〜110℃の範囲である。
作動油の温度TATFが所定の温度範囲内であると判断すると、電子制御ユニット10は、車速センサ14により検出された現在の車両の車速が低車速(所定の車速以下)であるか否かを判断する(ステップS302)。車速が低車速でない(すなわち、所定の車速以上の高車速である)と判断すると、電子制御ユニット10は、ステップS309において現在のインギア補正圧を保持し、インギアばらつき補正圧算出フローを終了する。一方、車速が低車速であると判断すると、係合判断手段104は、演算手段103により演算されたトルコンスリップ率ETRが所定の閾値eよりも大きいか否かを判断する(ステップS303)。トルコンスリップ率ETRが所定の閾値eよりも大きくないと判断すると、現在設定されている補正圧を保持して(ステップS309)、インギアばらつき補正圧算出フローを終了する。
ステップS303においてトルコンスリップ率ETRが所定の閾値eよりも大きいと判断すると、電子制御ユニット10は、計時手段101により計時された経過時間が図4〜図6に示す第1の所定時間T1よりも長いか否かを判断する(ステップS304)。経過時間が第1の所定時間T1よりも長くないと判断すると、電子制御ユニット10は、補正圧を0に設定して(ステップS306)、このインギアばらつき補正圧算出フローを終了する。
ステップS304において経過時間が第1の所定時間T1よりも長いと判断すると、電子制御ユニット10は、続いて、その経過時間が第2の所定時間T2(>第1の所定時間T1)よりも短いか否かを判断する(ステップS305)。経過時間が第1の所定時間T1よりも長く、第2の所定時間T2よりも短いと判断した場合には、加算補正制御手段105は、補正圧を目標補正圧1に設定し(ステップS307)、その目標補正圧1までの加算処理を実行し(ステップS310)、このインギアばらつき補正圧算出フローを終了する。ここで、目標補正圧1は、図5に示す加算油圧P1に対応する。一方、経過時間が第2の所定時間T2よりも長いと判断すると、加算補正制御手段105は、加算補正制御手段105は、補正圧を目標補正圧2に設定し(ステップS308)、その目標補正圧2までの加算処理を実行し(ステップS310)、このインギアばらつき補正圧算出フローを終了する。
以上のように、本発明の自動変速機の油圧制御装置によれば、油圧供給制御手段61は、電子制御ユニット10からの変速指示に従って現在の変速段から行き先の変速段への変速を行わせるように、クラッチへの係合制御油圧を設定し、設定された係合制御油圧の供給を制御し、インギア油圧補正手段102は、インギア制御時に油圧供給制御手段61により設定された係合制御油圧を全域にわたって第1の所定圧だけ低減して補正し、演算手段103は、トルクコンバータ2の入力軸の回転数Neと出力軸の回転数Niに基づいて、トルクコンバータ2のトルコンスリップ率ETRを演算し、係合判断手段104は、演算手段103により演算されたトルコンスリップ率ETRに基づいて、行き先の変速段のクラッチ(本実施形態では、Lowクラッチ)が係合を開始したか否かを判断し、加算補正制御手段105は、計時手段101により第1の所定時間T1を計測したときに、係合判断手段104によりLowクラッチの係合が開始していないと判断した場合には、インギア油圧補正手段102により補正された係合制御油圧を第2の所定圧(加算油圧)P1だけ加算して補正するとともに、計時手段101により第1の所定時間T1よりも長い第2の所定時間T2を計測したときに、係合判断手段104によりLowクラッチの係合が開始していないと判断した場合には、第2の所定圧(加算油圧)P1だけ加算して補正された係合制御油圧を第3の所定圧(加算油圧)P2だけさらに加算して補正するように構成したので、トルコンスリップ率ETRを監視することにより電流−油圧特性のばらつき下限のリニアソレノイドバルブによる油圧遅れを早期に検知し、油圧指令値を適切に加算補正することができる。これにより、クラッチ締結遅れによるディレイ感(応答遅れを認識してしまうような)やクラッチ締結ショックを改善することができる。したがって、上述のような電流−油圧特性によるクラッチ締結時間のばらつきやクラッチ締結時のショックに対する耐性(タフネス)を向上することができ、Lowギアの単独インギア制御を選択することができる。変速ギア機構3(トランスミッション)の油圧回路構成や本発明を適用する車体の感度によらず、あらゆるタイプの車両においてLowギア単独インギア制御を適用することができる。
以上、本発明の自動変速機の油圧制御装置の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明したが、本発明は、これらの構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲、明細書および図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお、直接明細書および図面に記載のない形状・構造・機能を有するものであっても、本発明の作用・効果を奏する以上、本発明の技術的思想の範囲内である。すなわち、自動変速機の油圧制御装置(油圧制御回路)を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
本発明の一実施形態における自動変速機の油圧制御装置を備えた車両の動力伝達系統および制御系統を概略的に示すブロック図である。 本発明の自動変速機の油圧制御装置において実行されるインギア制御の制御系統を示す図である。 第1速段の単独インギア制御を説明するための図である。 油圧指令値と加算油圧との関係を示す図である。 油圧指令値と加算油圧との関係を示す図である。 油圧指令値と加算油圧との関係を示す図である。 インギアリニア制御全体フローを示すフローチャートである。 待機加算圧算出フローを示すフローチャートである。 インギアばらつき補正圧算出フローを示すフローチャートである。
符号の説明
1 エンジン
2 トルクコンバータ
3 変速ギア機構
4 ディファレンシャルギア機構
6 油圧制御装置
10 電子制御ユニット
11〜13 回転センサ
14 車速センサ
15 シフトレバーポジションセンサ
16 ブレーキセンサ
17 スロットルセンサ
18 温度センサ
19 冷却水温センサ
21 油圧センサ
22 アクセルペダルセンサ
61 油圧供給制御手段
101 計時手段
102 インギア油圧補正手段
103 演算手段
104 係合判断手段
105 加算補正制御手段

Claims (4)

  1. エンジンの出力軸に連結されたトルクコンバータと、複数の動力伝達経路および複数の摩擦係合要素を有し、前記トルクコンバータに連結された自動変速機とを備える車両において、該車両の走行状態に応じて前記複数の摩擦係合要素を選択的に係合させて、前記複数の動力伝達経路からいずれかの動力伝達経路を選択して複数の変速段からいずれかの変速段を設定可能な自動変速機の油圧制御装置であって、
    変速指示に従って現在の変速段から行き先の変速段への変速を行わせるように、前記摩擦係合要素への係合制御油圧を設定し、設定された係合制御油圧の供給を制御する油圧供給制御手段と、
    インギア制御時に前記油圧供給制御手段により設定された係合制御油圧を全域にわたって第1の所定圧だけ低減して補正するインギア油圧補正手段と、
    前記トルクコンバータの入力軸の回転数と出力軸の回転数とに基づいて、前記トルクコンバータのトルコンスリップ率を演算する演算手段と、
    前記演算手段により演算されたトルコンスリップ率に基づいて、行き先の変速段の摩擦係合要素が係合を開始したか否かを判断する係合判断手段と、
    前記インギア制御の開始からの経過時間を計測する計時手段と、
    前記計時手段により第1の所定時間を計測したときに、前記係合判断手段により前記摩擦係合要素の係合が開始していないと判断した場合には、前記インギア油圧補正手段により補正された係合制御油圧を第2の所定圧だけ加算して補正するとともに、前記計時手段により前記第1の所定時間よりも長い第2の所定時間を計測したときに、前記係合判断手段により前記摩擦係合要素の係合が開始していないと判断した場合には、前記第2の所定圧だけ加算して補正された係合制御油圧を第3の所定圧だけさらに加算して補正する加算補正制御手段と
    を備えることを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
  2. 前記第1の所定圧は、前記油圧制御装置においてライン圧を調圧するためのリニアソレノイドバルブの個体差によるばらつき供給油圧量の最大値に対応することを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の油圧制御装置。
  3. 前記第1の所定圧は、前記第2の所定圧または前記第3の所定圧と同じかあるいは大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の自動変速機の油圧制御装置。
  4. 前記加算補正制御手段による前記第2の所定圧または前記第3の所定圧の加算は徐々に行われることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の自動変速機の油圧制御装置。
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