JP4515601B2 - 段ボール製トレー - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、２枚の段ボールを起立させて仮止めするロック機構及びそのロック機構を備えた段ボール製トレーに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、青果物の運搬用トレーとして、底壁の周縁に連設した各一対の側壁及び端壁をそれぞれ独立して起立させ、側壁の両側縁から延出した折曲片を端壁の内側に沿わせ、端壁の上端縁から延出した桟板を内側方へ折り曲げ、桟板と側壁とを係合させた段ボール製のものが使用されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなトレーでは、桟板をはね上げると、側壁と端壁の起立状態が維持できなくなるため、桟板を内側方へ折り曲げたまま青果物を出し入れしなければならず、作業性が悪いという問題がある。
【０００４】
そこで、この発明は、段ボール製トレーの側壁と端壁とを仮止めできるようにすることを課題とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、この発明は、角度をもって隣接する２枚の段ボールのうち、一方の段ボールに係止片を、他方の段ボールに係止穴を設け、係止片を係止穴に斜めに押し込んでロックする段ボールのロック機構を構成し、このロック機構により、段ボール製トレーの側壁と端壁とを仮止めすることとしたのである。
【０００６】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【０００７】
図１に示すブランクは、中しんが１８０〜２００ｇ／ｍ² の強化段ボールから成り、その底壁１の周縁には各一対の側壁２、２及び端壁３、３が連設され、側壁２の両側縁には折曲片４が連設されている。端壁３の先端縁には桟板５が連設され、桟板５の両側縁には外覆板６が連設されている。桟板５は底壁１より幅が広く、底壁１の両側方に若干突出している。
【０００８】
端壁３の両側縁には折曲片４を切り込んで係止片７が突設され、側壁２の両側部には係止穴８が形成されている。係止片７は先端へむけて幅広となり、その先端幅は係止穴８よりも広く、基端幅は係止穴８と同程度となっている。係止片７の基端罫線は、トレー形成時に側壁２と折曲片４の稜線よりも内側に位置するようになっている。
【０００９】
外覆板６の先端縁には差込片９が突設され、側壁２には底壁１との稜線に沿って差込穴１０が設けられている。側壁２の先端縁両側部には係合突起１１が、桟板５の両側部には外覆板６との稜線に沿って係合穴１２がそれぞれ設けられ、側壁２の先端縁中央部には突出部１３が設けられている。
【００１０】
このブランクを組み立てて青果物を収納するには、まず、図２に示すように、底壁１から側壁２、２及び端壁３、３を起立させ、折曲片４を端壁３の内側に沿うように折り曲げる。
【００１１】
次に、係止片７を係止穴８に押し込むと、係止片７は斜めに開いて大きな接触面積で係止穴８に嵌合し、その嵌合により側壁２と端壁３の起立状態が維持されるため、桟板５をはね上げた状態で青果物をトレーに収納することができる。
【００１２】
そして、青果物の収納後、図３に示すように、桟板５を内側方へ折り曲げ、係合突起１１を係合穴１２に係合させ、外覆板６を側壁２の外側に沿うように下方へ折り曲げて、差込片９を差込穴１０に差し込むと、側壁２及び端壁３が起立状態で固定され、トレーＴは堅固な構造となる。
【００１３】
また、係止片７が外覆板６で覆われるので、体裁がよいものとなるほか、輸送中に係止片７が係止穴８から抜け止めされ、市場等で青果物を取り出す際、桟板５をはね上げても、側壁２と端壁３とが倒れることがなく、青果物が飛び出すことがない。
【００１４】
また、このトレーＴは、図４に示すように、側面から見ると上方がやや開いており、複数のトレーＴを積み上げたとき、上段側トレーＴの下部が下段側トレーＴの側壁２の対向する突出部１３、１３間に嵌まり込み、その突出部１３により短面方向のずれが阻止されると共に、下段側トレーＴの突出部１３と上段側トレーＴの外覆板６の側縁同士が当接して、長面方向のずれが阻止されるので、荷崩れすることがない。
【００１５】
なお、軽量物用のトレーにおいては、上記のようなロック機構のみで側壁及び端壁の起立状態を維持するようにしてもよい。
【００１６】
さらに、上記ロック機構は、段ボールの折り曲げにより構成される緩衝材に適用することもできる。
【００１７】
【発明の効果】
以上のように、この発明では、係止片を係止穴に斜めに押し込むロック機構により、トレーの側壁と端壁とを仮止めすることとしたので、桟板をはね上げたまま青果物を出し入れすることができ、作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明に係る段ボール製トレーのブランクを示す図
【図２】同上の組立過程を示す斜視図
【図３】同上の組立状態を示す斜視図
【図４】同上の積上状態を示す側面図
【符号の説明】
１ 底壁
２ 側壁
３ 端壁
４ 折曲片
５ 桟板
６ 外覆板
７ 係止片
８ 係止穴
９ 差込片
１０ 差込穴

Claims (1)

1. 底壁(1)の周縁に連設した各一対の側壁(2)及び端壁(3)を起立させ、側壁(2)の両側縁から延出した折曲片(4)を端壁(3)の内側に沿わせ、端壁(3)の上端縁から延出した桟板(5)を内側方へ折り曲げ、桟板(5)と側壁(2)とを係合させた段ボール製トレーにおいて、前記端壁(3)の側縁に係止片(7)を突設し、側壁(2)の側部から折曲片(4)の基部へかけて方形状の係止穴(8)を形成し、係止片(7)は、先端へ向けて幅広となり、その先端幅が係止穴(8)よりも広く、基端幅が係止穴(8)と同程度になるものとし、係止片(7)の基端罫線は、側壁(2)と折曲片(4)の稜線よりも内側に位置するように設定し、係止片(7)を係止穴(8)に側壁(2)の外側から押し込み、係止片(7)を斜めに向いた状態で係止穴(8)に嵌合させて、側壁(2)と端壁(3)とをロックし、係止片(7)を、桟板(5)の両側縁から延出した外覆板(6)で覆ったことを特徴とする段ボール製トレー。

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