JP4512455B2 - 自重濾過型浄水器及び浄水カートリッジ - Google Patents

自重濾過型浄水器及び浄水カートリッジ Download PDF

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Description

本発明は、比較的多量の原水を一度に浄化することができる浄水器に関する。特に自重濾過型として適した浄水器、及び浄水カートリッジに関するものである。
従来から、家庭用として略1〜20リットル程度の原水を浄化することができる自重濾過型浄水器が知られている。この自重濾過型浄水器には浄水器の機能とピッチャーとしての機能とを併せ持つものや、5ガロンのボトルを使用するウォーターサーバー(桶装水)機能を持つものがある。一般に家庭の冷蔵庫に収容して使用されたり、冷却及び/又は加熱・加温機能を付随した専用の機台を用いて使用されたりするものである。
この自重濾過型浄水器には原水を浄化するための浄水カートリッジが着脱自在に設けられており、浄化性能が低下したとしても新しい浄水カートリッジに交換することで浄化性能を維持することが可能となっている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−320967号公報
しかしながら、従来の浄水器の浄水カートリッジでは、活性炭、イオン交換樹脂などの、粒状の吸着材を採用しているため、一部原水が流れ易い所や、流れにくい所が生じる通水ショートパス現象が起こり易い。原水が前記浄水カートリッジ内を通過する際、原水が十分に吸着材に接触しないショートパスが発生すると、濾材全体を有効に活用するような均等な流れにならず、吸着材の使用量に見合う残留塩素、有機物、重金属等の除去性能を得ることができないという問題がある。
そこで、本発明は、吸着材による除去性能の効率を向上することを可能にする自重濾過型浄水器、及び浄水カートリッジを提供するものである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、容器本体とこの容器本体の上部に着脱自在に取り付けられる上容器とを備え、前記上容器の一部に容器本体の下部に連通する開口部を設け、この開口部に浄水カートリッジを着脱自在に取り付けた自重濾過型浄水器において、前記浄水カートリッジは吸着材を含む多孔質成形体を有することを特徴とする。
さらに、前記多孔質成形体は、肉厚が略均一な厚さとなるような空洞部を有することを特徴とする。
また、前記多孔質成形体に、通気孔を設けることが望ましい
本発明の浄水カートリッジは、略円錐台状で、その大径側底面に開口し、肉厚が略均一な厚さとなるように形成された空洞部が設けられた、吸着材を含む多孔質成形体から成ることを特徴とするものである。
請求項1に記載した発明によれば、多孔質成形体を用いているので、製造時における浄水カートリッジのセット作業及び交換時における浄水カートリッジの着脱作業を単純化することができる。また、使用時においては、多孔質成形体は供給された水をショートパスすることなく下流側に通過することができるため、吸着材層全体に供給された水を接触させることが可能となり、したがって、粒状の吸着材を使用した場合に比較して高い浄化性能を発揮することができる効果がある。さらに、残留塩素、有機物、重金属等を吸着すると同時に、粗ゴミや比較的大きな粒子を除去することができ、より確実に清浄な浄水を得られる効果がある。
さらに、前記多孔質成形体は肉厚が略均一な厚さになるような空洞部を有するため、これらを有さない場合に比べ肉厚が薄くなり、濾過抵抗を比較的小さく抑えることが可能となる。これにより、濾過時間を短くすることが可能となり、自重濾過型浄水器において、より実用的な濾過時間を実現することが可能となる。
また、前記多孔質成形体の一部に、通気穴を設けることで、自重濾過時に濾過の障害となる空気の咬み込みを防止し、水の流れを阻害しないようにすることにより、濾過時間の短縮を図ることが可能となる。
本発明の浄水カートリッジによれば、浄水カートリッジに多孔質成形体を用いるので、粉状や粒状の吸着材と比較して製造時における作業が容易となる。また、使用時においては、多孔質成形体は供給された水をショートパスすることなく下流側に通過することができるため、吸着材層全体に供給された水を接触させることが可能となり、したがって、粒状の吸着材を使用した場合に比較して高い浄化性能を発揮することができる効果がある。また、残留塩素、有機物、重金属等を吸着すると同時に、粗ゴミや比較的大きな粒子を除去することができ、より確実に清浄な浄水を得られる効果がある。さらに、粉状や粒状の吸着材のように容器内に充填する必要もなく、かつ、流出防止用のフィルターや不織布等を設ける必要もないので、小型化と部品点数の削減を実現することができる。
さらに、前記多孔質成形体は肉厚が略均一な厚さとなるような空洞部を有するため、これらを有さない場合に比べ肉厚が薄くなり、濾過抵抗を比較的小さく抑えることが可能となる。
以下、この発明形態の一例を図1に基づいて説明する。
図1に示すように、自重濾過型浄水器(1)は、形状が略だ円筒状で、下方に向かって徐々に縮径する有底の容器本体(2)を有している。この容器本体(2)の上部開放部(3)の周縁には、注ぎ口(4)が形成されている。さらに、前記容器本体(2)の上部には、上容器(5)が着脱自在に取り付けられ、この上容器(5)と前記容器本体(2)の注ぎ口(4)に対応する部分に、開口部(6)が形成されている。上容器(5)の底面の略中央部には、底部開口部(7)が形成され、この底部開口部(7)には、浄水カートリッジ(8)が着脱自在に取り付けられている。
尚、容器本体(2)の外周壁には、注ぎ口(4)の反対側に取っ手(10)を有するリング部材(9)が、着脱自在に取り付けられている。
前記浄水カートリッジ(8)は、図示しない取り入れ口をその側面に備えた筒状のキャップ(11)と、このキャップ(11)に一体で設けられ下端に浄水出口(12a)を有したメインケース(12)とを備えている。このメインケース(12)内部の上流側には吸着材である活性炭を結合材などを使用して成形加工した多孔質成形体(13)が設けられ、下流側にはループ状の中空糸膜(14)が設けられている。この中空糸膜(14)はポッティング樹脂層(15)によって開口端が固定されている。
前記多孔質成形体(13)は略円錐台状の形状を有し、略円錐台状外表面の大径側から小径側に向かって、前記多孔質成形体(13)の内部に空洞部(16)が設けられている。この空洞部(16)の空洞部頂上(17)と前記多孔質成形体(13)の小径側の成形体外表面(18)との間の肉厚(D1)は、前記空洞部(16)の空洞部大径側周面(19)と前記多孔質成形体(13)の成形体大径側外周面(20)との間の厚さ(D2)と略等しく設定されており、多孔質成形体(13)の前記空洞部(16)内の空洞部大径側周面(19)及び前記空洞部頂上(17)から供給された原水は、略等しい厚さを通過して前記成形体大径側外周面(20)及び前記小径側の成形体外表面(18)に送り出されるようになっている。
これにより、前記肉厚(D1)及び前記肉厚(D2)を薄くし、濾過抵抗を小さくするとともに、多孔質成形体(13)の前記空洞部(16)内の空洞部大径側周面(19)及び前記空洞部頂上(17)より原水を流入させることにより、原水の流入面積を広く確保することができるため、コンパクトながらも、十分な濾過性能を発揮することができる。
前記多孔質成形体大径側の面の周縁部にはシール材(21)が一体に成形されている。このシール材(21)を介して前述した上容器(5)の底部開口部(7)の周縁に多孔質成形体(13)を密接させ、上容器(5)の底部開口部(7)と浄水カートリッジ(8)とのシール性を確保している。
尚、浄水カートリッジ(8)の上部にOリング等のシールを取り付けられる口金或いはキャップを一体に設けてそのOリングで前述した底部開口部(7)の周縁とのシール性を確保するようにしてもよい。
尚、本発明でいう多孔質成形体とは、吸着材を含み、水が通過可能な多孔質体として一体化された成形体のことである。
前記多孔質成形体(13)の具体的な製造方法としては、粉状及び/又は粒状吸着剤に、例えばポリエチレンなどの熱可塑性樹脂のバインダーを添加して、同樹脂を加熱溶融しながら混錬し、所定の形状(略円錐台形状等)に成形した後、冷却して硬化させる方法がある。
或いは、粉粒状吸着材に、アルミナセメント等の無機系バインダーを単独或いは複数種類添加し、水を加えてよく混錬した後、所定の形状に成形し、その後、上記バインダーが変質しない程度の400℃以下の温度で加熱処理し、硬化させる方法がある。また、バインダーとしてエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を採用し、所定の形状に成形し、その後、約200℃の温度で加熱して硬化させる方法もある。更には、粉状や粒状の吸着材にメチルセルロース等の水溶性ポリマーを添加し、これらを水とともに混錬し、これを所望の形状に成形した後に乾燥させる方法もある。
複数種の吸着材を混入して前記バインダーにより成形することで、複数種の吸着材を偏ることなく全体に渡って均等に配置した状態で成型することができるため、より信頼性の高い浄化性能を実現できる。
また、前記多孔質成形体(13)は、密度が0.35g/cm未満になると剛性が低くなり、0.7g/cmを超えると固め過ぎで空隙が少なくなり充分な通水流量を得ることが難しくなるので、0.35g/cm〜0.7g/cmであるのが好ましい。
ここで、多孔質成形体(13)の成形に使用する吸着材としては、粒状吸着材、粉状吸着材、この粉状吸着材を造粒した粒状吸着材、繊維状吸着材などが挙げられる。このような吸着材としては、例えば、天然物系吸着材(天然ゼオライト、銀ゼオライト、酸性白土等)、合成物系吸着材(合成ゼオライト、細菌吸着ポリマー、ヒドロキシアパタイト、モレキュラーシーブ、シリカゲル、シリカアルミナゲル系吸着材、多孔質ガラス、珪酸チタニウム等)等の無機質吸着材、分子吸着樹脂、合成物系粒状活性炭、イオン交換樹脂、イオン交換繊維、キレート樹脂、キレート繊維、高吸収性樹脂、高吸水性繊維、吸油性樹脂、吸油材などの有機系吸着材、さらに、粉末状活性炭、粒状活性炭、繊維状活性炭等、公知のものが挙げられる。
中でも、原水中の残留塩素やカビ臭、トリハロメタンなどの有機化合物の吸着力に優れた活性炭や、硬度低下、溶解性金属の吸着に優れたイオン交換樹脂や合成物系吸着材が好適に用いられる。
活性炭としては、植物質(木材、セルロース、のこくず、木炭、椰子殻炭、素灰等)、石炭質(泥炭、亜炭、褐炭炭、瀝青炭、無煙炭、タール等)、石油質(石油残査、硫酸スラッジ、オイルカーボン等)、パルプ廃液、合成樹脂などを炭化し、必要に応じてガス賦活(水蒸気、二酸化炭素、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、リン酸、硫酸、カセイソーダ、KOH等)したものなどが挙げられる。繊維状活性炭としては、ポリアクリロニトリル(PAN)、セルロース、フェノール、石炭系ピッチを原料にしたプレカーサを炭化し、賦活したものなどが挙げられる。
前記活性炭としては、充填密度0.1〜0.6g/ml、ヨウ素吸着量500〜4000mg/g、粒度0.045〜6.3mmの性状を持つものが好ましい。
また、除去対象とする有機物によっては、マイクロポア(細孔半径:〜20Å)、トランジショナル(細孔半径:20〜1、000Å)、マクロポア(細孔半径:1,000〜100,000Å)の各々の活性炭細孔孔径の比率を調整し、それぞれの除去能力を最大限に発揮するポアサイズに調整した活性炭を使用することが好ましい。ポアサイズを調整した活性炭は単独で使用しても、通常の活性炭とブレンドさせて使用してもよい。
例えば、トリハロメタンを除去対象とする場合には、マクロポアの比率が低くマイクロポアの比率が高い活性炭を使用することが好ましい。
活性炭を吸着材として使用する場合は、単独で用いてもよいし、前述のその他の吸着材と併用することもできる。例えば、鉛等を除去する吸着材として、珪酸チタニウム、ヒドロキシアパタイト、ゼオライト、モレキュラーシーブ、キレート樹脂などを混合して成形してもよい。
前記バインダーとしては、前記吸着材と互いに結合し、各吸着材、バインダー間に微細孔を形成できるものであればよく、特に限定はされないが、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、カルボキシメチルセルロース系、ベントナイト系、カオリン系、アタプルガイド系等などが挙げられる。
中でも吸着材表面積の最適化や、食品衛生性、熱安定性の観点から超高分子量ポリエチレンが好適に使用される。具体的には、平均分子量2,000,000〜8,000,000g/molの超高分子量ポリエチレンで、原料の粒子径が約100μm、嵩密度0.3g/cm3未満の樹脂であってメルトインデックスが1.1〜2.3g/10min(ASTM D1238、190℃、15kgLoad)であるものが好ましい。更に、前記超高分子量ポリエチレンは後に廃棄、焼却時に有毒ガスが発生しないという点からも好ましい。
上記のようなメルトインデックスを有するポリマーであれば、高温においても適度な粘度を有するがゆえ、多孔質成形体成型時に溶融したポリマーが吸着材の細孔部を覆ってしまう可能性が少なくなる。
バインダーの配合量は、特に限定されないが、吸着材に対して10〜40重量%が適当である。吸着材に対するバインダーの配合量が10重量%未満では、吸着材同士の結合が不十分となり、固化することが困難となる傾向にあり、40重量%を超えると多孔質成形体、特に吸着材の表面を覆う部分が多くなりすぎて、濾過性能が低下し、また多孔質成形体の微細孔を閉塞させる傾向にある。
多孔質成形体を製造する際の加熱温度は使用されるバインダーによって適宜選択され特に限定されないが、超高分子量ポリエチレンを用いた場合、70〜260℃である。また加熱時間は超高分子量ポリエチレンを用いた場合、約5分〜5時間である。また、多孔質成形体を製造する際の圧力も特に限定されないが、通常、0.05〜20MPaであるが、全く圧力を印加せずに行う方法もある。
更に、前記多孔質成形体が抗菌剤を含んでいると衛生的でありより好ましい。
抗菌剤としては、無機系の場合、ゼオライトシリカ・リン酸カルシウム・アルミナなど無機化合物の担体、又は、銀・銅・亜鉛・ニッケル・カドミウムなどの金属を担持させたものがあり、有機系の場合、チアベンダゾール(TBZ)・ジンクピリチオン・塩化ベンザルコニウム・第4級アンモニウム塩・有機シリコン第4級アンモニウム塩等、さらに天然系の場合、ヒノキチオール(ヒノキ)・ワサオーロ(ワサビ)・キトサン(カニ・エビ)などが挙げられる。中でも銀が好適に用いられる。多孔質成形体に銀を含有させることにより、細菌や微生物の繁殖を抑制することができる。
また、より高い浄化性能を達成するため、濾過膜を併用すると好ましい。濾過膜としては、精密濾過膜や限外濾過膜を使用することができ、膜の形態としては中空糸膜や平膜を使用することが出来る。
濾過膜は、微生物及び細菌を含む0.01〜0.1μm以上の粒状体の濾過、除去に好適に使用されるものであればよく、例えば、セルロース系、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン)系、ポリビニルアルコール系、エチレン・ビニルアルコール共重合系、ポリエーテル系、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)系、ポリスルフォン系、ポリアクリロニトリル系、ポリ四弗化エチレン系、ポリビニリデンフロライド(PVDF)系、ポリカーボネイト系、ポリエステル系、ポリアミド系、芳香族ポリアミド系、等の各種材料からなるものが使用できる。中でも中空糸膜の取扱性や加工特性等を考慮すると、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系の多孔質中空糸膜が好ましい。
また、濾過膜の孔径は0.01〜1μmが好ましく、ASTM F316−80やJIS K3832に準ずるバブルポイント測定方法により測定した値で、100kPa以上であることが最も好ましい。
中空糸膜を使用する場合、外径は、20〜2000μm、空孔率は20〜90%、中空糸膜の膜厚は5〜300μmのものが好ましい。
また、中空糸膜は表面に親水基を有するもので、いわゆる恒久親水化中空糸膜であることが望ましい。中空糸膜の表面が疎水性の場合、気体は容易に透過できるが、供給水を自重水圧で濾過通水することは非常に困難である。
さらには、供給水に含まれる気泡が中空糸膜の表面に停滞し、濾過通水を阻害させるとともに、濾過流量を減少させることがある。この現象を防ぐため、疎水性中空糸膜と親水性中空糸膜を混在させた浄水カートリッジ(8)とし、気泡を取り除き易くさせてもよい。
中空糸膜の充填密度は、20〜70%とすることにより、浄水カートリッジ(8)における通水速度を高めることができ、比較的多量の原水を短時間での浄化処理が可能となる。
また、前記多孔質成形体(13)の空洞部(16)に、多孔質成形体と同じ素材の吸着材や、同じ素材でも他の形態で挿入しても良い。さらには、他の種類、他の形態の吸着材や添加剤などの他の材を挿入することにより、ミネラル・ビタミン補給、pH調整、硬度調整、味の改質、制菌などの効果を付加することもできる。
したがって、上述した第一の実施の形態によれば、多孔質成形体(13)の前記空洞部(16)に供給された原水の粗ゴミ等は、多孔質成形体(13)で補足され、さらに中空糸膜(14)の外表面から内側中空部に浸透して濾過され、前記容器本体(2)の下部に浄化された浄水を供給することができる。
また、多孔質成形体(13)に前記空洞部(16)を設けることで、濾過抵抗を抑えることが可能となる上に、多孔質成形体(13)を略円錐台状とすることにより、コンパクトにも拘らずより広い濾過面積を確保することが可能となる。さらには、ショートパスが生じないように多孔質成形体(13)の層厚を略均等な厚さにすることにより、吸着材全体を有効的に利用でき、充分な濾過性能を発揮することができる。
尚、前述した多孔質成形体(13)は押し固める加圧力やその密度を自由に設定することができる。これにより、自重濾過抵抗が少なく原水を流過させるような成形密度に設定することが可能である。使用にあたっては浄化時間を使用地域の原水の水質に応じて設定することにより、設計の自由度を高めることができる。
次に、この発明の第二の実施の形態を図2に基づいて説明する。この第二の実施の形態は、前述した第一の実施の形態の多孔質成形体(13)略円錐台形状頂上部を上下反転させるとともに、メインケース(12)に着脱自在に設け、メインケース(12)上部とキャップ(11)とを、多孔質成形体(13)に置き換えたものである。尚、前記第一の実施の形態と同一部分には同一符号を付して説明する(以下、第三の実施の形態も同様。)。
図2に示すように、第一の実施の形態と同様に、浄水カートリッジ(8)の多孔質成形体(13)は略円錐台状に形成されている。この多孔質成形体(13)の内部には下部大径側の外面から上部小径側の外面(18a)に向かって空洞部(16)が形成され、この空洞部(16)の空洞部頂上(17)と多孔質成形体(13)の上部小径側の外面(18a)との間の肉厚(D1)は、前記空洞部(16)内の空洞部大径側周面(19)と多孔質成形体(13)の成形体大径側外周面(20)との厚さ(D2)と略等しく設定されている。
前記多孔質成形体(13)の大径側外面の前記空洞部(16)を除く部分には樹脂製の仕切り壁(22)が一体に設けられている。この仕切り壁(22)には前記空洞部(16)の下部開口部(23)と同等の径を有する連通孔(23a)が略中央部に形成されている。この仕切り壁(22)の周縁にはシール材(21)が一体に設けられており、このシール材(21)が前記メインケース(12)の上部開放部(3)の内面に密接してこの部分のシール性を確保している。
そして、第一の実施の形態と同様に、この連通孔(23a)の下流側にはメインケース(12)に収容されたループ状の中空糸膜(14)が設けられている。
ここで、前記仕切り壁(22)は原水が多孔質成形体(13)を流過する際に、矢印(A)方向のショートパスが生じないようにするためのもので、実質的に原水が多孔質成形体(13)を通過する距離を均等化するために設けられているものである。
尚、メインケース(12)は上容器(5)の底部開口部(7)に着脱自在に設けられている。
また、濾過時間短縮等の目的によっては、仕切り壁(22)を設けない形態としても良い。
さらには、多孔質成形体(13)の空洞頂上部(17)に空気穴を開けると濾過通水時に空洞部(16)に溜まった空気を容易に抜くことができ、濾過時間を短縮することが可能となる。空気穴の大きさとしては、φ0.3mm〜3mmが良い。より好ましくは0.5mm〜1.0mmが良い。0.3mm以下だと水の表面張力が強く容易に空気が逃げず、振動を与えて空気を抜く必要が生じる。また3mm以上だと通水抵抗上、多孔質成形体の側壁を通らずに、空気穴を通る水の方が多くなり、目的とする濾過性能に達しない可能性がある。
したがって、第二の実施の形態によれば、とりわけ、前記浄水カートリッジ(8)のキャップ(11)を省略して、多孔質成形体(13)を前記メインケース(12)の外部に配置するとともに、多孔質成形体(13)にキャップ(11)の機能も併せ持たせることで、前記メインケース(12)を小型化でき、材料コストの低減を図ることができる。
また、多孔質成形体(13)を着脱自在に構成しているため、原水の水質が悪い使用地域において、浄化性能の低下が著しい多孔質成形体(13)と、多孔質成形体(13)とは交換サイクルの異なる可能性のある中空糸膜(14)とを、それぞれ個別に最適な時期に交換することが可能となる。このため、中空糸膜(14)の使用寿命を延ばすことができるとともに、使用地域毎に多孔質成形体(13)の仕様を最適化でき、コスト的にも利便性にも優れる。
次に、この発明の第三の実施の形態を図3に基づいて説明する。尚、この第三の実施の形態では、前述した第二の実施の形態の多孔質成形体(13)の空洞部(16)に中空糸膜(14)を配置したものである。
図3に示すように、前述の第一、第二の実施の形態と同様に、浄水カートリッジ(8)の上流側には空洞部(16)を有した多孔質成形体(13)が設けられており、この空洞部(16)内の空洞部大径側周面(19)と多孔質成形体(13)の成形体大径側外周面(20)との間の肉厚は略均等に形成されている。前記空洞部(16)は、上容器(5)の底面に設けられた底部開口部(7)と略同じ径の下部開口部(23)を有している。
一方、浄水カートリッジ(8)の下流側には、下方に向かって凸状に形成され、下端に浄水出口(12a)を備えたメインケース(12)が設けられている。このメインケース(12)は前記多孔質成形体(13)に一体で形成されている。
そして、前記多孔質成形体(13)の空洞部(16)には、中空糸膜(14)がループ状に設けられており、前述の第一、第二の実施の形態と同様に、前記中空糸膜(14)はポッティング樹脂層(15)によって開口端部が固定されている。
ここで、前記ポッティング樹脂層(15)は前記メインケース(12)に設けられているが、ループ状の中空糸膜(14)は多孔質成形体(13)の空洞部(16)に配置されることとなる。
したがって、第三の実施の形態によれば、前記空洞部(16)を積極的に利用してここに中空糸膜(14)を設けることで、メインケース(12)をさらに小型化することができ、コストの低減を図ることが可能となる。さらには、小型化した分だけ容器本体(2)内の空間をより広く利用することが可能となり、容器本体(2)内に蓄えることのできる浄水の容量を増加させることができる点で有利である。
尚、上述の第三の実施の形態では前記多孔質成形体(13)をメインケース(12)と一体に形成しているが、前述の第二の実施の形態と同様にシール部材を介して着脱自在に設けてもよい。さらに、図4に示すように、前記多孔質成形体(13)をメインケース(12)内に収容して設けてもよい。
また、メインケース(12)を削除して、中空糸膜(14)を空洞部(16)に設け、多孔質成形体(13)をメインケースとして一体にポッティング樹脂固定してもよい。
尚、上述した各実施の形態に限られるものではなく、前記底部開口部(7)の配置は前記上容器(5)の底面の略中央以外でも構わない。また、多孔質成形体(13)の形状は略円錐台状に限られるものではなく半球状や円筒状等適宜選択してもよい。
また、本発明の浄水カートリッジは、蛇口直結型浄水器、据置形型浄水器、アンダーシンク型浄水器、携帯型浄水器等、自重濾過型浄水器以外の浄水器に用いることも可能である。
この発明の第一の実施の形態の縦断面図である。 この発明の第二の実施の形態の図1に相当する断面図である。 この発明の第三の実施の形態の図1に相当する断面図である。 この発明の第三の実施の形態の他の態様の縦断面図である。
符号の説明
2 容器本体
5 上容器
7 底部開口部(開口部)
8 浄水カートリッジ
13 多孔質成形体
14 中空糸膜

Claims (3)

  1. 容器本体とこの容器本体の上部に着脱自在に取り付けられる上容器とを備え、前記上容器の一部に容器本体の下部に連通する開口部を設け、この開口部に浄水カートリッジを着脱自在に取り付けた自重濾過型浄水器において、前記浄水カートリッジは略円錐台状で、その大径側底面に開口し、肉厚が略均一な厚さとなるように形成された空洞部が設けられた、吸着材を含む多孔質成形体を有する自重濾過型浄水器。
  2. 多孔質成形体が、通気穴を有する請求項1記載の自重濾過型浄水器。
  3. 略円錐台状で、その大径側底面に開口し、肉厚が略均一な厚さとなるように形成された空洞部が設けられた、吸着材を含む多孔質成形体から成る浄水カートリッジ。
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