JP4509505B2 - 対人保護エネルギー吸収部材用アルミニウム合金中空押出形材 - Google Patents

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本発明は、自動車乗員などの人間を車体衝突時の衝撃から保護する機能を持つ、対人保護エネルギー吸収部材用アルミニウム合金中空押出形材に関するものである。
近年、自動車のバンパーには、歩行者と衝突することを想定し、歩行者の特に脚部 (下肢、以下膝とも言う) を保護するような性能が求められるようになっている。このような歩行者の特に脚部を保護する場合、バンパーが、歩行者衝突により加わった衝突エネルギーを吸収して、歩行者の脚部を保護する性能が求められる。
このための手段として、従来から、衝撃吸収装置やエアバックをバンパー下部に設けるなどのアイデアが種々提案されている。しかし、現在実際に実用化されているのは、バンパー補強材の車体前面側であってバンパーカバーの裏側に、発泡ウレタン材や発泡スチロール材などの比較的厚いアブソーバ(クッション材、エネルギー吸収部材)を設けることのみである (例えば特許文献1、2、3のエネルギー吸収部材参照)。
特開平2001-71837号公報(1〜2 頁、図1) 特開平2001-171448 号公報(1〜2 頁、図1) 特開平2000-52898号公報(1〜2 頁、図2)
また、自動車の車内には、車体衝突時に乗員の膝を保護する、ニープロテクタなどとも称される乗員保護用部材が設けられている。従来から提案されているニープロテクタはアルミニウム合金中空形材からなり、車体衝突時に乗員の膝を保護すべく、自動車車体における前座席の前方に設けられている。
従来のこれらニープロテクタは、略菱形断面形状(またはパンタグラフ状)を有するアルミニウム合金中空形材から構成される (特許文献4、5参照)。これら略菱形断面形状は、乗員の膝が衝突した際に、順次塑性変形しやすい一定長さの隔壁 (エネルギー吸収部) を構成する。
米国特許3,931,988 号明細書(1頁、図1) 特開平5-238338号公報(1〜2 頁、図3)
先ず、歩行者保護について、前記アブソーバ(クッション材)の、歩行者との衝突時のエネルギー吸収量には大きな限界がある。即ち、バンパー補強材の車体前面側とバンパーカバーとの間の距離 (隙間) には車体設計上自ずと限界があり、必然的に設置するアブソーバの厚みにも限界がある。このため、歩行者との衝突時に、厚み方向に収縮して衝突時のエネルギーを吸収する方式のアブソーバでは、衝突時のエネルギー吸収量に大きな限界がある。
また、厚み方向に収縮したアブソーバの密度と剛性が急激に高くなって、剛体として機能する領域が必然的に存在する。このため、アブソーバの厚みを小さくしすぎた場合、前記剛体としの機能が変位量の小さい領域で生じてしまうため、却って、歩行者の脚部に大きな反力を与える可能性もある。
このため、歩行者保護については、バンパー内において、これらアブソーバに代わる、あるいは、これらアブソーバと併用して、歩行者との衝突時に衝突エネルギーを吸収する適切な手段が求められていたのが実情である。
この点は、車体衝突時に乗員の膝を保護する、ニープロテクタなどとも称される乗員保護用部材でも同様である。アルミニウム合金中空形材製の対人保護部材によって、歩行者や自動車乗員を含めて、人間の膝を衝突から保護するためには、対人保護部材が図1 にA で示すような理想的な荷重- 変位関係 (曲線) を示す必要がある。
図1 にA で示す理想的な荷重- 変位関係では、先ず、初期に荷重が大きく立ち上がっておらず、そのままの荷重レベルで推移している。これは、小さい衝突荷重で、しかも初期の荷重 (脚部への反力) が大きくならずに、中空形材の変形が開始されることを示している。また、A の荷重- 変位関係は、その後の変位 (変形) によっても、荷重レベルが一定であり、上下の変動がない (少ない) 。これは、変位方向に中空形材の変形が持続して、エネルギー吸収が長く持続され、時間的な経過によっても脚部への反力が大きくならないことを示している。このような、A の荷重- 変位関係ではエネルギー吸収量も高くなる。
これに対して、図1 にB で示す荷重- 変位関係では、上記A と同様に、小さい衝突荷重で、しかも衝突初期の荷重 (脚部への反力) が大きくならずに変形が開始される。しかし、その後の変位 (変形) によって、荷重レベルが下がっている。そして、図1 にA で示す理想的な荷重- 変位関係よりも、変位量の小さい領域で荷重が急激に立ち上がっている。このため、歩行者の脚部に加わる負荷も大きいことを示している。このB の例には前記パンパにおけるアブソーバが該当し、厚み方向に収縮したアブソーバの密度と剛性が急激に高くなって、剛体として機能する領域が速く到来するために、変位量の小さい領域で荷重が急激に立ち上がる。この場合には、歩行者の脚部の損傷が大きくなる。
また、図1 にC で示す荷重- 変位関係は、初期に荷重が大きく立ち上がってしまっている。これは、アルミニウム合金中空形材の剛性や強度が高過ぎるために生じる。そして、衝突初期の荷重 (脚部への反力) が大きくなってしまい、脚部の損傷が大きくなることを示している。
図1 にD で示す荷重- 変位関係は、初期荷重の立ち上りは小さいものの、その後の変位 (変形) によって、荷重レベルが上がっており、時間的な経過によって脚部への反力が順次大きくなっていることを示している。この場合でも脚部の損傷が大きくなる。
図1 にE で示す荷重- 変位関係は、前記B で示した荷重- 変位関係の例と同様である。
しかし、アルミニウム合金中空形材製対人保護部材においては、図1 の上記A で示す理想的な荷重- 変位関係 (曲線) に大きく影響する、部材の断面形状と素材中空形材の引張特性 (引張強度、耐力) との関係が、歩行者保護や乗員保護を含めて今だ明確ではない。
前記した通り、対人保護用部材の荷重- 変位関係に大きく影響する、部材の断面形状と素材中空形材の引張特性 (引張強度、耐力) との関係が明確ではない。このため、これらの設計条件によっては、上記図1 のB からE の荷重- 変位関係にならざるを得ないことが多く、上記図1 にA で示す対人保護用部材としての理想的な荷重- 変位関係 (曲線) は得られない場合が多い。この結果、これまでのアルミニウム合金中空形材製対人保護部材においては、実際にも、試行錯誤の上で製作されているのが実情である。
したがって、本発明の目的は、自動車乗員などの人間を確実に保護する機能を持ち、人間の脚部衝突の際に必要なエネルギー吸収量を確保するとともに、ダメージを与えない荷重しか人間の脚部に負荷しないこととの両立を図った対人保護エネルギー吸収部材用アルミニウム合金中空押出形材を提供するものである。
この目的を達成するために、本発明対人保護エネルギー吸収部材用アルミニウム合金押出中空形材の要旨は、断面方向に変形して対人衝突エネルギーを吸収するアルミニウム合金押出中空形材(1) であって、形材壁の肉厚が0.3 〜10mmの範囲である、中リブを設けない略菱形断面形状を有し、対人保護エネルギー吸収部材としての使用時における引張特性として0.2%耐力が30〜300MPaの範囲であり、かつ引張強度と0.2%耐力との差が100MPa以下であり、前記略菱形断面が、略平行に間隔をあけて設けられた二つのフランジ(2、3)と、これらのフランジ(2、3)間をつなぐとともに間隔をあけて設けられた二つのウエブ(4、4)と、前記各ウエブ(4、4)は、前記フランジ2 の内面2cと前記ウエブ4 、4 の各外面4aとの交差する角度θ 1 、θ 2 および前記フランジ3 の内面3cと前記ウエブ4 、4 の各外面4aとの交差する角度θ 3 、θ 4 が45度以内とされて、各々外側方に向かって湾曲していることから構成され、これらのフランジ(2、3)は外側方に向かう張出フランジ(2a 、2bと3a、3b) を有するとともに、前記フランジ(2) 側から衝突荷重(F) を受けた際に、前記各ウエブ(4、4)が各々外側方に向かって変形するものであり、乗員と車体との間にあって、保護すべき乗員の膝(24)の位置に対して向き合うように、乗員の膝(24)の前方に配置され、ダメージを与えない荷重しか人間の脚部に負荷しない自動車乗員保護用部材(20)として用られることとする。
本発明アルミニウム合金押出中空形材(以下、単に中空形材とも言う)は、対人保護用部材の荷重- 変位関係に大きく影響する、部材の断面形状と素材中空形材の引張特性 (引張強度、耐力) との関係を明確化した。この結果、歩行者保護用や乗員保護用などの対人保護エネルギー吸収部材として、前記図1 にA で示す理想的な荷重- 変位関係 (曲線) に近似する荷重- 変位関係が得られる。したがって、人間の脚部衝突の際に必要なエネルギー吸収量を確保するとともに、ダメージを与えない荷重しか人間の脚部に負荷しないこととの両立ができる。但し、本発明は、以下に記載する、バンパー内のバンパー補強材の前面側に取り付けられて歩行者の膝部の保護を図るなどの歩行者保護用のものは、その範囲に含まず、自動車乗員保護用部材として用られるものに限定する。
また、本発明アルミニウム合金中空形材は、乗員保護用の対人保護用エネルギー吸収部材として、乗員の特に膝部の保護を確実に図ることができる。即ち、本発明中空形材は、乗員と車体との間にあって、保護すべき乗員の膝の位置に対して向き合うように、乗員の膝 (自動車前座席) の前方に配置され、衝突エネルギーを吸収する手段として用いることができる。
本発明では、先ず、対人保護エネルギー吸収部材用として、アルミニウム合金中空形材の形状を後述する略菱形断面形状とすることを前提とする。本発明では、中空形材が、その長手方向ではなく、その断面方向に変形して衝突エネルギーを吸収することを前提とする。即ち、前記図1 にA で示す理想的な荷重- 変位関係を達成するために、前提として、先ず、小さい衝突荷重で、しかも初期の荷重 (脚部への反力) が大きくならずに、中空形材の変形が開始されるために、その断面方向に変形して衝突エネルギーを吸収するようにする。これ以外の断面形状、例えば、アルミニウム合金中空形材が通常の略矩形の断面形状であれば、フランジ側から衝突荷重を受けた際に、中空形材の剛性が高過ぎ、断面方向の変形がしにくくなり、大きな反力を膝に与える。
更に前提として、本発明アルミニウム合金中空形材は形材壁の肉厚を0.3mm 〜10mmの範囲とする。形材壁の肉厚が10mmを越えた場合、幾ら中空形材の強度を小さくしても、剛性が高くなり過ぎて、断面方向に変形しにくくなる結果、対人衝突エネルギー吸収効果が発揮できない。また、軽量化のためのアルミニウム合金中空形材採用の利点を活かすためにも、形材壁の肉厚が10mm以下の比較的薄い中空形材とする。本発明アルミニウム合金中空形材は対人保護エネルギー吸収部材として車体に新たに付加されるため、それ自体が軽量といえども、車体にとっては締結 (固定) 手段などを含めて新たな重量増加となる。したがって、形材壁の肉厚が10mmを越えた場合、アルミニウム合金採用によっての重量増加を最小限に抑える効果が薄くなる。言い換えると、本発明アルミニウム合金中空形材は肉厚が10mm以下の薄いものでも、対人衝突時の衝撃吸収効果を高めることが可能である利点がある。但し、対人保護エネルギー吸収部材としての最低限必要な剛性を保障する必要はあるので、最低の肉厚は0.3mm 以上とする。
因みに、従来の特許文献4、5などのアルミニウム合金中空形材から構成されるこれらニープロテクタでも、この中空形材断面方向の変形では共通し、その断面形状も、本発明と同じく略菱形断面形状(またはパンタグラフ状)を有している。しかし、前記した通り、対人保護用部材の荷重- 変位関係に大きく影響する、部材の断面形状と素材中空形材の引張特性 (引張強度、耐力) との関係が明確ではない。このため、アルミニウム合金中空形材の引張特性の選択によっては、上記初期以降の中空形材の断面方向の変形による衝突エネルギーの吸収が大きく変動しやすくなり、対人保護エネルギー吸収部材としての特性が劣る。
即ち、従来の特許文献4、5などでは、前記図1 にB やD で示した荷重- 変位関係のようになりやすい。例えば、B で示した荷重- 変位関係になると、その後の中空形材断面方向の変位 (変形) によって、荷重レベルが下がっている。また、必要なストローク (中空形材断面方向の変位量) に対して、実際のストロークが小さくなり、ストロークの比較的小さい領域で荷重が急激に立ち上がる。このため、図1 にA で示す理想的な荷重- 変位関係よりも歩行者の脚部に加わる負荷も大きくなる。
また、D で示す荷重- 変位関係になると、その後の中空形材断面方向の変位によって、荷重レベルが上がっており、時間的な経過によって脚部への反力が順次大きくなり、脚部の損傷が大きくなる。
本発明では、特に、この初期以降の中空形材断面方向の変形による荷重レベルを一定に保つために、略菱形断面形状を有するアルミニウム合金中空形材の、対人保護エネルギー吸収部材としての使用時における引張特性を規定することを大きな特徴とする。また、それだけではなく、小さい衝突荷重で、しかも初期の荷重 (脚部への反力) が大きくならずに、中空形材の変形が確実に開始されるためにも、中空形材の、対人保護エネルギー吸収部材としての使用時における引張特性を規定する。
即ち、本発明では、略菱形断面形状を有するアルミニウム合金中空形材の、対人保護エネルギー吸収部材としての使用時における引張特性として、0.2%耐力が30〜300MPaの範囲であり、かつ引張強度と0.2%耐力との差が100MPa以下、好ましくは引張強度と0.2%耐力との差が70MPa 以下であることとする。
本発明において、中空形材の引張特性を対人保護エネルギー吸収部材としての使用時と規定したのは、アルミニウム合金中空形材が押出等によって製造された後で、対人保護エネルギー吸収部材として使用されるまでに、中空形材の引張特性( 機械的な性質) が変わる可能性があるためである。即ち、アルミニウム合金の種類によってはこの間に室温時効したり、自動車製造工程によっては車体に予め取り付けられて塗装焼き付け処理 (人工時効硬化処理) を受ける。また、後で車体に取り付けられる場合や、衝突後の修理の際に取り替えられる、あるいは別途取り付けられる、などの場合には、上記塗装焼き付け処理を受けない。これらの種々の使用までの履歴によって、中空形材の引張特性( 機械的な性質) が変わったとしても、実際の対人保護エネルギー吸収部材としての使用時における中空形材の引張特性が問題となる。したがって、本発明では、中空形材の引張特性を対人保護エネルギー吸収部材としての使用時と規定する。
先ず、アルミニウム合金中空形材の引張特性の内の0.2%耐力の意義について以下に説明する。アルミニウム合金中空形材が略菱形断面形状をしていても、0.2%耐力が300MPaを越えた場合には、中空形材の剛性が高くなり過ぎ、断面方向の変形がしにくくなる。このため、前記図1 にC で示す荷重- 変位関係となり、初期に荷重が大きく立ち上がってしまう。この結果、衝突初期の荷重 (脚部への反力) が大きくなってしまい、脚部の損傷が大きくなる。また、中空形材断面方向の変形による変位が進んでも、特にウエブでの破断などが起きる可能性が高い。この場合には、図1 にE で示す荷重- 変位関係の初期以後の変位のように、荷重レベルが下がってしまう。
一方、同じく、0.2%耐力が30MPa 未満では、図1 にB で示す荷重- 変位関係となる。即ち、小さい衝突荷重で、しかも衝突初期の荷重 (脚部への反力) が大きくならずに変形が開始されるものの、変位量の小さい領域で荷重が急激に立ち上がり、この時点で、歩行者の脚部に大きな反力が加わる。したがって、アルミニウム合金中空形材の0.2%耐力は0.2%耐力が30〜300MPaの範囲とする。
次に、アルミニウム合金中空形材の引張特性の内の引張強度と0.2%耐力との差の意義について以下に説明する。この引張強度と0.2%耐力との差が小さいほど、前記図1 にA で示す理想的な荷重- 変位関係に近似し、荷重初期後の変位 (変形) において、荷重レベルを一定に保つことができる。これは、中空形材の引張強度と0.2%耐力との差が小さいほど、対人衝突荷重による歪みが中空形材に入った場合でも、歪みの増加に伴う加工硬化が小さく、塑性変形(断面方向乃至幅方向に変形)が進むことによると推考される。
これに対し、引張強度と0.2%耐力との差が100MPa、厳しくは70MPa を越えた場合、前記図1 にA で示す理想的な荷重- 変位関係における、その後の変位 (変形) によって、荷重レベルを一定にたもつことができない。即ち、図1 にD で示す荷重- 変位関係となり、その後の変位 (変形) によって荷重レベルが上がり、時間的な経過によって脚部への反力が順次大きくなっていき、脚部の損傷を大きくする。これは、中空形材の引張強度と0.2%耐力との差が大きいほど、対人衝突荷重による歪みが中空形材に入った場合でも、歪みの増加によって加工硬化し、塑性変形(断面方向に変形)に要する荷重が増加するためと推考される。したがって、アルミニウム合金中空形材の引張強度と0.2%耐力との差は100MPa以下、好ましくは70MPa 以下であることとする。
本発明のような断面形状と引張特性とすることによって、アルミニウム合金中空形材を、前記図1 にA で示す理想的な荷重- 変位関係に近似させることができる。即ち、エネルギー吸収部材の、対人衝突を想定した際の荷重変位における、最大荷重を低くすることができ、対人衝突に見合った低い衝突荷重でエネルギー吸収に必要な断面方向の変形を生じることができる。
また、中空形材の前記断面方向の変形による変位が進んでも、特にウエブの破断などが起こらず、荷重低下量が極めて少なく、継続的にエネルギー吸収が行われ、対人保護に必要なエネルギー吸収量を確保することができる。
更に、これらの中空形材 (対人保護エネルギー吸収部材) の作用は、全て、このエネルギー吸収部材が取り付けられる、あるいは支持する自動車部材 (車体) の圧壊強度や剛性よりも、遥かに低いレベルで行われる。このため、これら対人保護エネルギー吸収部材の作用中には、エネルギー吸収部材が取り付けられる自動車部材自体には、何ら影響が無い。このエネルギー吸収部材が取り付けられる乃至支持する部材とは、歩行者保護用ではバンパー補強材、乗員保護用ではポール状のインパネ補強部材となる。したがって、例えば歩行者衝突後にバンパーを修理する場合でも、バンパー補強材やステイなどを取り代える必要は全く無く、付加したこれらエネルギー吸収部材のみの交換で済み、非常に経済的である。この点は、乗員保護用でも同様であり、乗員の膝が衝突後にニープロテクタを修理する場合でも、インパネ補強部材などを取り代える必要は全く無く、付加したこれらニープロテクタのみの交換で済む。
以下、本発明のアルミニウム合金中空形材の略菱形断面形状の好ましい実施の形態につき説明する。図2 、3 は本発明のアルミニウム合金中空形材の種々の略菱形断面形状の好ましい実施態様を示す平面図である。
先ず、図2(a)、(b) の本発明アルミニウム合金中空形材1a、1bの断面構造 (形状) は、基本的に、各々図の上下方向に略平行に間隔を開けて設けられたフランジ2 とフランジ3 の二つのフランジ、およびこれらのフランジ間をつなぐ間隔を開けて設けられた左右の二つのウエブ4 、4 とから一体に構成される。直線状のフランジ (縦壁部)2、3 同士は、図の上下方向に間隔を設けて平行に配列され、これらのフランジに、これらのフランジに一定角度θ1 、θ2 、θ3 、θ4 で交差する形で、図の左右方向 (例えば車体幅方向) に間隔を設けて配置された左右のウエブ4 、4 が交わり、フランジ間をつないでいる。そして、各フランジ2 、3 は、図の左右方向 (例えば車体幅方向) の外側方に向かって張り出した張出フランジ2a、2bと3a、3bとを各々有する。
図2(a)の中空形材1aと図2(b)の中空形材1bとは、基本的に相似形であるが、フランジ2 、3 間の間隔が違い、中空形材1aの方が中空形材1bよりも間隔が長い。この点、フランジ同士の間隔H と、両フランジの長さB との比H/B がより大きい中空形材1aの方が、このH/B がより小さい中空形材1bよりも、圧壊強度が低くなり、断面方向に変形しやすい。
なお、本発明アルミニウム合金中空形材1a、1bは、後述する中空形材を含めて、図示する対人衝突荷重F の方向に対して、その断面方向 (図の上下方向) に変形するように、車体に対して配置される。例えば、歩行者保護部材用としてバンパー補強材の前面に取り付けられる場合には、図の上下方向が車体前後方向 (車体長手方向) となる。
ここにおいて、各ウエブ4 、4 は各々図の左右方向の外側方に向かって円弧状に湾曲するとともに、更に、各ウエブ4 、4 の略中央部には、各々外側方に向かって凸状に張り出した屈曲部5 、5 が形成されている。これらの要件によって、図1 、2 のアルミニウム合金中空形材1a、1bは略菱形形状を有している。なお、本発明では、各ウエブ4 、4 の円弧状の湾曲方向を外側方としているが、これは向かい合うウエブ4 、4 同士の内側方向ではなく、外側方向に向かう意味である。そして、車体に対する湾曲方向は取り付け方にもより、後述する歩行者保護部材としての態様の場合、前記外側方とは、後述する図4 では車体の上下方向、後述する図5 では、前記外側方とは車体の幅方向となる。
このウエブ4 、4 の、外側方への円弧状の湾曲 (膨らみ) と略中央部の屈曲部5 、5 との相乗作用によって、荷重方向を示す矢印F から対人衝突による荷重がかかった際、各ウエブ4 、4 は、後述する図9 、10に、荷重変形状態の経時変化を示す通り、屈曲部5 、5 を中心として外方へ広がるように、また、荷重に対する前面側フランジ2 が後面側フランジ3 側に接近するように、言わば電車のパンタグラフ状に、断面方向に変形する。そして、前記ウエブ4 、4 の略中央部の屈曲部5 、5 は、このような作用を助長し、円弧状の湾曲との相乗作用を発揮するため、対人保護性がより要求される用途に対して設けることが好ましい。
この円弧状の湾曲が無く、例えば、ウエブ4 、4 が直線状の略矩形断面形状であれば、本発明の中空形材の引張特性範囲内であっても、歩行者などの対人衝突による曲げ変形開始時に大きな荷重が必要となり、本発明の前記作用が生じず、対人保護用のエネルギー吸収部材となり得ない。また、ウエブ4 、4 が逆に内側に凹む円弧状などの形状であれば、変形途中にウエブ4 、4 同士が接触して、荷重が上昇してしまい、同じく本発明の前記作用が生じず、対人保護用のエネルギー吸収部材となり得ない。
図9 に本発明アルミニウム合金中空形材1a、図10に本発明アルミニウム合金中空形材1bの、変位5mm 毎の荷重変形状態の経時変化のFEM 解析結果を各々示す。これら図中の(a) 〜(h) の順に変形状態が変化している。例えば対人衝突による荷重がアルミニウム合金中空形材にかかった際 (例えば図の上方から) 、ウエブ4 、4 の、円弧状の湾曲の作用によって、各ウエブ4 、4 は (屈曲部5 、5 を有する場合はこの屈曲部5 、5 を中心として) 外方へ広がるように、また、前面フランジ2 が後面フランジ3 側に接近するように変形する。また、断面方向の変形による変位が進んでも、ウエブの破断などが起こらず、断面方向に変形する。この効果は、上記屈曲部5 、5 が形成されている場合に顕著となる。これらの結果前記図1 のA で示した理想的な荷重−変位曲線が得られる。
次に、図3(a)、(b) 、(c) に、本発明アルミニウム合金中空形材の略菱形断面形状の他の態様を示す。これら図3(a)、(b) 、(c) における中空形材の断面形状は、前記図2 の中空形材の断面形状と基本的には同じである。但し、図3(a)の中空形材1cの各ウエブの略中央部には、前記図2 のアルミニウム合金中空形材1a、1bの屈曲部5 よりも更に外側方に向かって凸状に張り出した、屈曲部5 が形成されている。したがって、断面形状的には、より小さな衝突荷重で断面方向に変形しやすくなっている。
図3(b)、(c) のアルミニウム合金中空形材1d、1eは、前記中空形材1cよりも各ウエブ間の間隔が大きくなっている。また、前記屈曲部5 について、図3(b)の中空形材1dは、図2 の中空形材1a、1bの屈曲部5 よりも張出量が小さくなっている。更に図3(c)の中空形材1eは、各ウエブの略中央部に屈曲部5 が形成されていない。このため、断面形状的には、図3(a)の中空形材1cや図2 の中空形材1a、1bよりも、断面方向に変形しにくくなっている。なお、荷重方向を示す矢印F から対人衝突による荷重がかかった際の、これら各湾曲ウエブ4 、4 の変形は、図2 の中空形材1a、1bや図3(a)の中空形材1cなどと同様に( 共通して) 、外側方( 図の左右方向) へ広がるように断面方向( 図の上下方向) に変形する。
ここにおいて、前記本発明各中空形材の各ウエブ4 、4 の前記円弧状の湾曲は、前記外方へ広がるような断面変形を保証するために、前面フランジ内面2cと左右のウエブ各外面4aとの交差する角度θ1 、θ2 および後面フランジ内面3cと左右のウエブ各外面4aとの交差する角度θ3 、θ4 が45度以内とする。図2 〜5 に示すアルミニウム合金中空形材は全てこのθ1 〜θ4 が45度以内である。これらのウエブ角度θ1 、θ2 、θ3 、θ4 の調整によって、アルミニウム合金中空形材の荷重変位における最大荷重と荷重低下量とを制御可能である。ただ、この交差する角度θ1 、θ2 、θ3 、θ4 が45度を越えた場合、本発明の中空形材の引張特性範囲内であっても、対人衝突時の荷重負荷の状態( 前面フランジ2 に対する偏った荷重負荷など) によっては、変形の際に破断しやすくなる。この破断現象が生じた場合、荷重低下が起こり、対人保護に必要なエネルギー吸収量を確保することが困難となる。
更に、これら本発明各中空形材においては、フランジ2 とフランジ3 とに、前記した両外側方に向かう (図の左右方向、例えば車体幅方向に張り出した) 張出フランジ2a、2bと3a、3bとを各々有する。この張出フランジ2a、2bと3a、3bは、各フランジに対し、いずれか片方にあっても良い。の張出フランジ2a、2bと3a、3bには以下に説明する利点がある。
この張出フランジ2a、2bと3a、3bとを各々有することで、フランジ2 と3 とは充分な壁面積 (衝突面積) をもって、対人衝突に応対することができる。即ち、対人衝突によって、前面側フランジ2 に Fの方向から衝撃が加わった場合でも、荷重変位における最大荷重は低いものの、前面側フランジ2 の曲げ剛性が大きくなり、圧壊乃至損壊を防止できる点で好ましい。また、対人(膝など)の衝突位置が異なったとしても、あるいは対人衝突位置がフランジ中心点からずれたとしても、同様に、エネルギー吸収できる点で好ましい。
また、これら張出フランジ2a、2bや3a、3bの部分で、後述するように、本発明アルミニウム合金中空形材を支持する部材と溶接あるいはボルトなどの機械的な接合が簡便にでき、接合性や接合作業性の点からも好ましい。なお、フランジ2 、3 は必ずしも直線状でなくとも、外側や内側に膨らむ円弧状などの、曲線的であっても良い。また、その表面も平坦でなくとも凹凸を設けても良い。したがって、上記した基本的な要件を備えた上で中空形材の形状を、使用条件に応じて、適宜変更することは許容される。
本発明では、これらの略菱形断面形状の断面方向の変形特性と、アルミニウム合金中空形材の引張特性(0.2% 耐力、引張強度と0.2%耐力との差) とを、各用途における許容最大荷重 (初期荷重) や必要エネルギー吸収量から考慮して、略菱形断面形状と引張特性とを適宜選択する。言い換えると、これら断面形状と中空形材の引張特性とを選択することによって、対人保護部材の用途に応じた荷重変位における最大荷重とエネルギー吸収量とを自由に制御、選択可能である。
そして、以上説明したような略菱形断面形状を有する本発明中空形材の実施態様であれば、アルミニウム合金中空形材の、対人保護エネルギー吸収部材としての使用時における前記引張特性と合わせて、荷重変位乃至加速度変位における最大荷重乃至最大加速度を確実に低くすることができ、歩行者などの対人衝突に見合った適切な衝突荷重でエネルギー吸収に必要な断面方向の変形を生じることができる。また、アルミニウム合金中空形材の、対人保護エネルギー吸収部材としての使用時における前記引張特性と合わせて、断面方向の変形による変位が進んでも、特にウエブの破断などが起こらず、荷重変動が極めて少ない一定の荷重レベルが確実に持続でき、変形ストロークが長くなることにより、継続的にエネルギー吸収が行われ、歩行者などの対人保護に必要なエネルギー吸収量や変形量 (変位量) を確実に確保することができる。
以下に、本発明範囲には含まない参考例として、図4 、5 を用いて、前記図2(a)の本発明中空形材1aを、歩行者保護用としてパンパー補強材に取り付けるとともに、車体バンパに取り付けた一実施態様を説明する。図4 は車体バンパ全体の一部断面側面図、図5 は車体バンパの内のパンパー補強材などの要部を示す平面図である。
図4 において、先ず、10はバンパカバー、9 はアブソーバ、1aは本発明アルミニウム合金中空形材、6 はパンパー補強材、7 はステイ、8 は車体サイドメンバーであり、これらが車体前後方向に順に配列乃至接合されている。アブソーバ9 は発泡ウレタンや発泡スチロールなどの市販の材料などで適宜構成するが、前記した通り、本発明では、このアブソーバ9 の厚みを従来よりも薄くあるいは少量とすることができる。また、歩行者保護のためには、アブソーバ9 を一切使用しないことも可能である。
図4 、5 において、アルミニウム合金中空形材1aは、エネルギー吸収部材として、パンパー補強材6 の前面に間隔をおいて2 個配置されている。但し、図4 における中空形材1aの各ウエブ4 、4 は、円弧状の湾曲方向が、車体の上下方向の外側方とされている。また、図5 における中空形材1aの各ウエブ4 、4 は、円弧状の湾曲方向が、車体の幅方向の外側方とされている。いずれの方向でも、あるいはこれらの方向から多少ずれても、効果は変わらない。また、中空形材のエネルギー吸収部材としてのパンパー補強材前面への配置個数や位置は、バンパの設計条件や歩行者保護条件に応じ、適宜決定される。この点、中空形材1aは、前記した通り、張出フランジ2a、2bと3a、3bとを各々有することで、歩行者の衝突位置が異なったとしても、あるいは歩行者の衝突位置がフランジ中心点からずれたとしても、同様に、エネルギー吸収できる利点がある。このため、前記配置個数や位置がバンパの設計条件や歩行者保護条件に応じて決定でき、バンパの設計条件や歩行者保護条件が中空形材 (エネルギー吸収部材) の側からの制約をあまり受けないという利点がある。
図4 、5 において、アルミニウム合金中空形材1aは、いずれもその後面側フランジ3 において、パンパー補強材6 の前面側フランジ11 (フランジ面11a ) により背面から支持されるとともに、その後面側フランジ3 の張出フランジ3a、3bの部分で、パンパー補強材6 の前面側フランジ11と、ボルト19によって機械的に接合されている。なお、この接合方法は溶接や、溶接と機械的な接合を組み合わせたもの等であっても良い。
また、図4、5において、中空形材からなるバンパー補強材6 は、いずれもその背面において、中空筒状のステイ7 2 本によって支持されている。また、このステイ7 を介して、車体サイドメンバー8 と接合され、車体側に支持されている。具体的には、ステイ7 側の前面側フランジ16とバンパー補強材6 の後面側フランジ12とが、ステイ7 側の後面側フランジ17とサイドメンバー8 の前面側フランジ18とが、各々ボルト19により接合されている。なお、この接合方法も溶接や、溶接と機械的な接合を組み合わせたもの等であっても良い。
本態様におけるバンパー補強材自体はアルミニウム合金製あるいは鋼製の中空形材が使用できる。更に、バンパー補強材の長手方向の形状は、車体設計上から自由に選択でき、上記直線的な形状以外に、両端に直線的なあるいは曲線的な湾曲部 (屈曲部) を有していても良く、また、全体が湾曲していても良い。バンパー補強材 (中空形材) 自体の断面形状、構造は、車体の前方や後方からの、あるいは前方や後方への衝突により加わった外力のエネルギーを、自らの曲げ変形および断面方向の変形により吸収するため、略矩形断面中空形材に構成されている。具体的には、図4 の通り、衝突方向乃至車体前後方向に対峙して立設された前面壁 (前面側フランジ)11 と、後方に位置する後面壁 (後面側フランジ)12 、およびこれらを直角方向で接続する水平な側壁 (ウエブ)13 、14により、略矩形断面に構成されている。
更に、図4 のバンパー補強材6 では、圧壊強度を増すために、断面が日形形状となっており、略矩形中空断面内に、更に二つの中空部区画を有するよう、前記側壁13、14と平行に、水平な中間壁 (中リブ)15 が設けられている。これらバンパー補強材 (中空形材) の断面形状、構造は、車体設計によるバンパー補強材の断面の大きさ (高さ) や、前記強度あるいは衝突エネルギー吸収量などの要求特性に応じて、日形断面の他に、これら中リブを設けない口形、中リブを2 本設けた目形、縦横の中リブを交差させて設けた田形などから適宜選択される。
次に、図4 のステイ7 は、バンパー補強材に接合されるため、バンパー補強材の直線的、曲線的、傾斜状などの背面形状に応じた前面壁とされる。また、ステイの軽量化のためには、ステイ自体も中空の筒体乃至形材であることが好ましい。そして、材質や製法については、バンパー補強材と同じく、普通鋼やハイテンなどの鋼板、アルミニウム合金押出形材や板材などが適宜選択される。
次に、本発明アルミニウム合金押出中空形材を、対人保護用エネルギー吸収部材として、車体衝突時に乗員の膝を保護するニープロテクタなどの乗員保護用部材として用いる実施形態について、図6 〜8 を用いて説明する。図6 、7 は各々本発明アルミニウム合金中空形材同士を連結して乗員保護用部材とした正面図である。図8 は、前記図6(a)の乗員保護用部材20aを車体部材に取り付けた一実施態様を示す正面図である。
図6 、7 における各々の乗員保護用部材20a 〜20d は、共通して、前記図2 、3 などで説明したアルミニウム合金中空形材1a〜1dなどを選択的に組み合わせて構成する。即ち、これら選択された中空形材同士が、その幅方向 (断面方向) に2 〜3 の複数個互いに連結されて、中空形材の幅方向 (断面方向) に連なるエネルギー吸収部 (隔壁) を構成している。なお、図6 、7 においては、各図の右側を乗員の膝側、図の左側を車体の前方側と想定している。
これら中空形材を連結する個数は、乗員保護用部材として、連続的な断面方向の塑性変形による衝突エネルギー吸収量を確保するために、また、膝部に対する車体部材への最適位置での取り付けのために、必要な長さ (ストローク) が選択されて、決定される。この連結個数があまり多くなっても、互いに接合する工程が増すとともに、接合強度が低下する可能性がある。したがって、車体の設置スペースの制約からしても、中空形材の連結個数をあまり多くする必要は無い。また、中空形材の幅 (ウエブの長さ) を長くして連結個数を少なくする方法もある。しかし、ウエブの長さ) を長くしてフランジ2 内面とウエブ外面との交差する角度θ1 、θ2 、θ3 、θ4 が45度を越えた場合、前記した通り、本発明の中空形材の引張特性範囲内であっても、対人衝突時の荷重負荷の状態によっては、変形の際にウエブが破断しやすくなる。この点、好ましい中空形材の連結個数は2 〜4 個程度である。
図6(a)の乗員保護用部材20a は、前記図2(a)に示した本発明中空形材1a同士2 個を組み合わせている。即ち、これら中空形材1a同士を互いのフランジ3 、2 および、これらフランジに設けられた張出フランジ3a、2aにおいて接合し、中空形材の幅方向に (断面方向に) 互いに連結している。これは、図6(b)や図7(a)、(b) の態様も基本的に同様である。
図6(b)の乗員保護用部材20b は、前記図2(a)に示した本発明中空形材1aと、これよりフランジ間隔が小さい図2(b)に示した本発明中空形材1bとの2 個を組み合わせて、図6(a)と同様に連結している。
図7(a)の乗員保護用部材20c は、前記図2(a)に示した本発明中空形材1a同士3 個を組み合わせて、図6(a)と同様に連結している。図7(b)の乗員保護用部材20d は、前記図2(a)に示した本発明中空形材1a同士2 個と、乗員の膝側に (図の右側に) 、前記図2(b)に示した本発明中空形材1b1 個とを組み合わせて、図6(a)と同様に連結している。
以上説明した、本発明アルミニウム合金中空形材同士を連結する乗員保護用部材の態様では、中空形材の連結する個数によって、前記したエネルギー吸収部の長さ (ストローク) を必要により長くも短くも調整できる。このため、条件の異なる多様な多くの車種に対応して、乗員保護用部材に適用できる。
これら中空形材同士を互いのフランジおよび/ または張出フランジにおいて連結するための接合手段は、接着剤、ボルトなどの機械的な接合、溶接、これらを組み合わせたもの等が適宜選択される。言い換えると、本発明では、ボルトなどの機械的な接合や溶接などの比較的煩雑な接合手段を用いて接合強度を高めずとも、接着剤による接合で、アルミニウム合金中空形材の連結体として、乗員保護用部材としての機能を満足できる接合強度を確保できる利点もある。
図8 は、前記図6(a)の乗員保護用部材20a を車体部材に取り付けた態様を示している。図8 において、乗員保護用部材20a は、乗員の膝24の位置に対して、斜め上方から下方に向かって向き合うように、膝24の前方に配置される。なお、この配置位置は車種や車体設計に応じて種々選択乃至決定される。例えば、乗員の膝24の位置に対して水平方向に向き合うように、膝24の前方に配置されても良い。そして、乗員保護用部材20a は、図示しない車体部材の両側に設けられたピラーに両端が連結された、ポール状のインパネ補強部材22などに、直接乃至ブラケット21などを介して、接合される。ブラケット21には、インパネ補強部材22との接合用の腕21a と、乗員保護用部材20a の後面となるフランジ2a、2bとの接合用のフランジ21b とを有する。
一方、乗員の膝24側の前面 (衝突面) 側フランジ3a、3bには、乗員の膝24の保護と、前記した乗員の膝の衝突位置が異なる際に対応できるように、軟質性などの材料から選択的に構成されるとともに、乗員の膝24面に対応して延在するニーパネル (膝の保護用パネル)23 などが選択的に設けられる。これらの各部材の接合は、接着剤、機械的な接合、溶接、これらを組み合わせたもの等が適宜選択される。
ここで、本発明アルミニウム合金中空形材同士を連結した乗員保護用部材の荷重変形状態の経時変化をFEM 解析結果で図11、12に各々示す。図11(a) 、(b) 、(c) は、前記図8 における本発明乗員保護用部材20a の荷重変位曲線における、変位20mm、40mm、60mm毎の荷重変形状態の経時変化を各々示す。図12(a) 、(b) 、(c) は、図9 における本発明乗員保護用部材1bの荷重変位曲線における、変位20mm、30mm、40mm毎の荷重変形状態の経時変化を示す。
図11(a) 、(b) 、(c) から分かる通り、乗員保護用部材20a における、同じアルミニウム合金中空形材1bは各々、衝突による荷重がかかった際、ウエブ4 の円弧状の湾曲の作用によって、各ウエブ4 、4 は屈曲部5 、5 を中心として、両外方へ広がるように、またフランジ2 、3 が互いに接近するように塑性変形する。その際、同じ断面形状のアルミニウム合金中空形材1a同士であれば、このような塑性変形( 断面方向の変形) は、連結されているにも関わらず、同時にかつ均等に変形していくことが分かる。
これに対し、異なる断面形状のアルミニウム合金中空形材1a、1b同士の組み合わせである本発明乗員保護用部材20b では、図12(a) 、(b) 、(c) の通り、衝突による荷重がかかった際、中空形材同士は同時にかつ均等に塑性変形しない。即ち、フランジ同士の間隔H と両フランジの長さB との比H/B が大きく、圧壊強度のより低い中空形材1aから先に変形し、次いで、このH/B が小さく圧壊強度のより高い中空形材1bが変形していくことが分かる。
このように、本発明では、上記中空形材 (エネルギー吸収部) の長さの調整と相まって、組み合わせる上記中空形材断面形状の調整や選択によって、乗員保護用部材のエネルギー吸収性能を、自由に制御、設計できる。
これらの要求特性を満足するアルミニウム合金としては、通常、この種構造部材用途に汎用される、AA乃至JIS 規格に規定された3000系、5000系、6000系、7000系等の汎用 (規格) アルミニウム合金材 (押出形材)で、O 、T4、T6、T7等の、前記本発明引張特性になるように調質乃至熱処理をされたものが好適かつ選択的に用いられる。その中でも、成形性が良く、耐力の比較的高い5000系、6000系等のアルミニウム合金が好ましい。本発明アルミニウム合金中空形材は、熱間押出の常法にて製造された中空形材を使用する。
前記図2(a)、(b) に各々示したアルミニウム合金中空形材1a、1bを、合金の種類および調質 (熱処理) によって引張特性を変えたものを、実際に圧壊試験を行い、荷重−変位関係を求めた。これらの結果を図13(a) 、(b) 、図14(a) 、(b) に各々示す。
圧壊試験条件は、上記発明例、比較例ともに、以下の共通した条件とした。即ち、荷重の負荷は、中空形材断面方向を垂直方向として (丁度図2 の上下方向に) 基台に載置した中空形材1a、1bに、プレス試験装置によって、図2 にF で示す荷重を各中空形材1a、1bにおけるフランジ2 の中心にかける条件とした。
JIS 規格で、6063、6N01、3004の組成成分である各アルミニウム合金鋳塊を均質化熱処理後に熱間押出して、各形材壁の肉厚が4.0mm の中空形材1a、1bとした。そして、これらの中空形材を、O 、T6などの調質処理を施し、0.2%耐力と、引張強さと0.2%耐力との差と、の引張特性を調節した。これらの条件と引張特性、および断面形状を整理して表1 に示す。
中空形材1a、1bの外寸形状は、両フランジ2 、3 の各長さB は40mm、フランジ2 、3 同士の間隔H は1aが40mm、1bが30mm、ウエブ4 同士のフランジにおける間隔は1aが5mm 、1bが10mm、ウエブ4 の左右への張出量は1aが17.5mm、1bが15mm、ウエブ角度θ1 、θ2 、θ3 、θ4 は等しく45度とした。
図13(a) 、(b) の本発明アルミニウム合金中空形材1aは、図2(a)の通り略菱形断面形状を有し、前記表1 の通り対人保護エネルギー吸収部材としての使用時における引張特性として、0.2%耐力が30〜300MPaの範囲であり、かつ引張強度と0.2%耐力との差が100MPa以下である。このため、図13(a) 、(b) に各々実線で示す通り、各々点線A で示す (図1 のような) 理想的な荷重- 変位関係に近似している。
即ち、初期に荷重が大きく立ち上がっておらず、そのままの荷重レベルで推移している。これは、小さい衝突荷重で、しかも初期の荷重 (脚部への反力) が大きくならずに、中空形材の変形が開始されることを示している。また、その後の変位 (変形) によっても、荷重レベルが一定であり、上下の変動が少ない。したがって、変位方向に中空形材の変形が持続して、エネルギー吸収が長く持続され、時間的な経過によっても脚部への反力が大きくならない。また、この荷重- 変位関係ではエネルギー吸収量も高くなる。
ただ、引張強度と0.2%耐力との差が70MPa とより小さい図13(b) の6063-T6 調質材の方が、引張強度と0.2%耐力との差が90MPa とより大きい図13(a) の6063-O調質材に比して、点線A で示す図1 のような理想的な荷重- 変位関係に近似している。そして、引張強度と0.2%耐力との差がより大きい図13(a) の6063-O調質材は、点線A の理想的な荷重- 変位関係に比して荷重が徐々に上昇している。
これに対して、図14(a) 、(b) において各々一点鎖線で示す比較例の3004-O材は、表1 の通り引張強度と0.2%耐力との差が110MPaと、上限の100MPaを越えている。このため、図2(a)の通り略菱形断面形状を有している中空形材1aであり、0.2%耐力も70MPa と発明範囲内にあるにも関わらず、点線A で示す理想的な荷重- 変位関係に比して、変位による荷重が上昇している。即ち、これらの結果から、引張強度と0.2%耐力との差が大きいほど、荷重が上昇する傾向にあることが分かる。したがって、略菱形断面形状を前提とすると、引張強度と0.2%耐力との差が100MPa辺りに許容できる荷重上昇の臨界点があることが分かる。
更に、図14(a) 、(b) において各々実線で示す6N01-T6 材は、引張強度と0.2%耐力との差は30MPa と、100MPa以下の発明範囲内であるものの、0.2%耐力が255MPaと比較的高い。このため、図13の6063材に比して、初期の最大荷重が比較的大きく立ち上がってしまっている。この傾向は0.2%耐力が高いほど顕著になる。したがって、略菱形断面形状を前提とすると中空形材の0.2%耐力が300MPaの辺りに上限があることが分かる。
本発明によれば、自動車乗員などの人間を確実に保護する機能を持つ対人保護エネルギー吸収部材用アルミニウム合金中空形材と、このアルミニウム合金中空形材からなる対人保護エネルギー吸収部材を提供することができる。言い換えると、人間の脚部衝突の際に必要なエネルギー吸収量を確保するとともに、ダメージを与えない荷重しか人間の脚部に負荷しないこととの両立ができる。したがって、本発明はエネルギー吸収部材へのアルミニウム合金材の用途を大きく拡大するものであり、工業的な価値が大きい。
エネルギー吸収部材の理想的な荷重−変位関係を示す説明図である。 本発明のアルミニウム合金中空形材の一実施態様を示す平面図である。 本発明のアルミニウム合金中空形材の一実施態様を示す平面図である。 ルミニウム合金中空形材の歩行者保護部材への使用例を示す、車体バンパ全体の一部断面側面図である。 図6の車体バンパの内、パンパー補強材などの要部を示す平面図である。 本発明アルミニウム合金中空形材の乗員保護用部材への使用例を示す正面図である。 本発明アルミニウム合金中空形材の乗員保護用部材への使用例を示す正面図である。 本発明アルミニウム合金中空形材の乗員保護部材への使用例を示す、乗員保護部材の側面図である。 本発明アルミニウム合金中空形材の荷重変形状態の経時変化を示す説明図である。 本発明アルミニウム合金中空形材の荷重変形状態の経時変化を示す説明図である。 本発明アルミニウム合金中空形材の荷重変形状態の経時変化を示す説明図である。 本発明アルミニウム合金中空形材の荷重変形状態の経時変化を示す説明図である。 アルミニウム合金中空形材の荷重−変位関係を示す説明図である。 アルミニウム合金中空形材の荷重−変位関係を示す説明図である。
符号の説明
1:アルミニウム合金中空形材、2:前面フランジ、3:後面フランジ、4:ウエブ、
5:張出部、6:バンパー補強材、7:ステイ、8:サイドメンバ、9 : アブソーバ、
10: バンパーカバー、11: 前面フランジ、12: 後面フランジ、13、14: ウエブ、15: 中リブ、16、17、18: フランジ、19: ボルト、20: 乗員保護部材、
21: ブラケット、22: インパネ補強部材、23: ニーパネル、24: 乗員の膝、

Claims (2)

  1. 断面方向に変形して対人衝突エネルギーを吸収するアルミニウム合金押出中空形材(1) であって、形材壁の肉厚が0.3 〜10mmの範囲である、中リブを設けない略菱形断面形状を有し、対人保護エネルギー吸収部材としての使用時における引張特性として0.2%耐力が30〜300MPaの範囲であり、かつ引張強度と0.2%耐力との差が100MPa以下であり、前記略菱形断面が、略平行に間隔をあけて設けられた二つのフランジ(2、3)と、これらのフランジ(2、3)間をつなぐとともに間隔をあけて設けられた二つのウエブ(4、4)と、前記各ウエブ(4、4)は、前記フランジ2 の内面2cと前記ウエブ4 、4 の各外面4aとの交差する角度θ 1 、θ 2 および前記フランジ3 の内面3cと前記ウエブ4 、4 の各外面4aとの交差する角度θ 3 、θ 4 が45度以内とされて、各々外側方に向かって湾曲していることから構成され、これらのフランジ(2、3)は外側方に向かう張出フランジ(2a 、2bと3a、3b) を有するとともに、前記フランジ(2) 側から衝突荷重(F) を受けた際に、前記各ウエブ(4、4)が各々外側方に向かって変形するものであり、乗員と車体との間にあって、保護すべき乗員の膝(24)の位置に対して向き合うように、乗員の膝(24)の前方に配置され、ダメージを与えない荷重しか人間の脚部に負荷しない自動車乗員保護用部材(20)として用られることを特徴とする対人保護エネルギー吸収部材用アルミニウム合金押出中空形材。
  2. 前記引張強度と0.2%耐力との差が70MPa以下である請求項1に記載の対人保護エネルギー吸収部材用アルミニウム合金中空押出形材。
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