JP4527613B2 - バンパステイおよびバンパ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両のバンパ補強材とサイドメンバとの間に配置されるステイが衝突時の衝突エネルギを吸収しうるバンパステイおよびバンパ装置に関する。
自動車などの車体の前端 (フロント) および後端 (リア) に取り付けられているバンパの内部には、強度補強材としてのバンパ補強材 (バンパリインフォースメントあるいはバンパアマチャアなどとも言う) が設けられている。
車両の衝突時の乗員への衝撃を緩和するために、車両のバンパ補強材と、車体側のサイドメンバ(サイドフレームとも言う)との間に、塑性変形可能なクラッシュボックス(衝撃エネルギ吸収体)として、バンパステイ(以下単にステイとも言う)を介在させた例が、従来から提案されている。このステイは、元々バンパ補強材の後面からの支持部材 (車体連結用部材) としても役割を持つ。
従来から、軽量化のために、鋼製に代わる、アルミニウム合金製ステイとして、押出中空形材などを用いたステイが種々提案、採用されている。この押出中空形材などを用いた従来のステイは、以下の二つのタイプに大別される。
1.車体前後方向を押出方向とするステイ(以下、縦圧壊型ステイと言う)
2.車体左右あるいは上下方向を押出方向とするステイ(以下、横圧壊型ステイと言う)
上記縦圧壊型ステイは、衝突方向に直交する断面を閉断面構造にすることが可能であり、同一強度を得ることを考えれば、横圧壊型ステイに比べて軽量化が可能である。しかし、バンパ後面あるいはサイドメンバと接合するための取付フランジを溶接などにより接合する必要がある。このため、コストが高くなるという問題がある。
上記横圧壊型ステイは、取り付け面に合わせたフランジを予め形成して押出することが可能であるが、前述のように強度が低くなるため、重量が重くなるという問題があり、重量、取り付け性、コスト全てを満足することは難しいといえる。
これに対し、アルミニウム合金製ステイとして、元板であるアルミニウム合金板をプレス成形したステイが実用化できれば、ステイ自体の製造がより容易となる。また、板をプレス成形したステイでは、ステイ取り付け孔の設置のために十分大きな幅を持ったフランジの形成が容易となる利点も大きい。
このような板を成形したステイとして、例えば、特許文献1には、アルミニウム合金製のステイなどとして、衝突方向に対して高さ方向が平行となるように設置される円錐台形状の吸収部材からなるエネルギ吸収部材であって、吸収部材の、上面半径R、底面半径r、高さhが特定の関係を満たすようなエネルギ吸収部材が提案されている。
このステイは円錐台形状からなり、バンパ補強材側(衝突方向前面側)に円錐台の頂部(有底部)が、サイドメンバの先端側(後面側)に円錐台の底部(開口部)が、各々向くように配置している。そして、円錐台の底部側(開口部側)に、平板形状の取付部材を、円錐台と一体にではなく、更に別途、円錐台の底部として設けてフランジとなし、サイドメンバ先端部のフランジとの取付に利用するものである。
また、特許文献2には、鋼板の深絞り成形により、底付きの管体(カップ形状)を形成したクラッシュボックスが提案されている。このステイは、底部側をバンパ補強材側に配置し、管体開口側をサイドメンバ先端部側に配置して用いる。そして、ステイ管体開口側には、管体開口側が後方のサイドメンバの内部に後方に向けて入り込み、かつU字状に反転してバンパ補強材側の方向に向き直り、再びサイドメンバ先端部側に戻る「円弧状変形部」を設けている。この「円弧状変形部」は、その先端部に、更に、サイドメンバ先端部の外方へ拡がるフランジに沿って、外方へ拡がるフランジを形成している。
このステイでは、前記底部はバンパ補強材との取付に利用するとともに、前記フランジはサイドメンバ先端部のフランジとの取付に利用される。そして、前面側のバンパ補強材に衝撃荷重が作用すると、サイドメンバの内部に入り込んでいる前記U字状「円弧状変形部」が、新たなU字状円弧状の変形部を作りながら、この変形部をサイドメンバの内部へ順次送り込んでいく変形を行う。即ち、ステイ管体がサイドメンバの内部へと後退する形で変形を行い、衝撃エネルギを吸収するものである。
特開平8−207679号公報(特許請求の範囲、図1) 特開2003−312400号公報(特許請求の範囲、図1)
特許文献1のアルミニウム合金製ステイは、円錐台形状部分に対して、円錐台の底部側(開口部側)に、平板形状の取付部材を、円錐台底部として別途に設けている。このため、線からなる円錐台の底部側と、面からなる平板形状の取付部材との取り付け方が難しく、実用的な接合強度を得ることが困難である。したがって、円錐台形状部分の変形による衝撃エネルギの吸収を行なう以前に、この接合部分から破断し、実際にはエネルギ吸収ができない。
また、特許文献2の鋼製ステイは、元板である鋼板の深絞り成形により製作できる点は、ステイ製作コスト低減の利点が大きい。しかし、サイドメンバの内部に入り込んでいるU字状「円弧状変形部」は、単に板状部であり、連続的に曲げ−曲げ戻し変形を受けることで、衝突時の安定した荷重を得ようとするものである。しかし、このような鋼製ではなく、鋼に比して局部伸びがほとんど無いアルミ材料への適用を想定した場合、この「円弧状変形部」は容易に破壊、破断されやすくなる。したがって、アルミ材料では、前記ステイの変位による衝撃エネルギの吸収を行なう以前に破壊され、実際にはエネルギ吸収ができない。
このように、特許文献1、2からは、アルミニウム合金板を用いるにしても、鋼板を用いるにしても、元板をプレス成形したステイを用いる場合には、実際問題として、衝突時のエネルギを吸収しうるステイ構造とすることが難しいことが分かる。
この点に鑑み、本発明は、アルミニウム合金板を成形して製造したステイが、衝突時のエネルギを吸収しうるバンパステイおよびバンパ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための、本発明バンパステイの要旨は、車両のバンパ補強材とサイドメンバとの間に配置されるステイであって、アルミニウム合金板を成形したカップ形状からなり、このカップは、底部と、この底部周縁部から立ち上がる筒状の縦壁と、この縦壁周縁部によって形成された開口部と、前記縦壁周縁部から外方に張出すとともに縦壁周縁部に亙って設けられたフランジとが一体に形成してされており、更に、前記底部と縦壁およびフランジとを互いに稜線状につなぐ張出リブが、前記底部周縁部に亙って1個以上設けられていることである。
また、上記目的を達成するための、本発明バンパ装置の要旨は、上記要旨または後述する好ましい態様の、いずれかのバンパステイを、自動車車体のバンパ補強材とサイドメンバとの間に配置したことである。
本発明では、ステイを、アルミニウム合金の平板を、張出あるいは深絞りなどでプレス成形、あるいは電磁成形して、上記要旨のカップ形状とする。これによって、元板であるアルミニウム合金板の成形からステイを製作でき、接合コストの低減により、ステイ製作コストの低減をすることができる。また、生産効率の良いプレス成形で製作可能であることから、製作効率の向上などの利点が大きい。
本発明では、更に、上記要旨の通り、このカップの形状を、底部と、この底部周縁部から立ち上がる筒状の縦壁と、この縦壁周縁部によって形成された開口部と、前記縦壁周縁部から外方に張出すとともに縦壁周縁部に亙って設けられたフランジとを一体に形成(成形)してなるものとする。これによって、ステイにおけるカップの全体変形により衝突荷重を吸収するようにする。
上記外方に張出したフランジは、成形により、カップに一体に形成してなるため、前記特許文献1のような、カップとフランジとを接合する問題や、両者の接合強度が弱くなる問題もない。
この上で、本発明では、また、前記底部と縦壁およびフランジとを互いに稜線状につなぐ張出リブを、前記底部周縁部に亙って1個以上設ける。この張出リブによって、張出リブが無い場合に比して、カップの剛性が上がり、かつ、前記したカップの全体変形による衝突荷重の吸収も保証できる。
更に、本発明では、この張出リブを設けることによって、アルミニウム合金平板を成形して上記要旨のカップ形状とする際の、底部周縁部における成形割れを防止できる。
板の深絞り成形の場合、カップ径が比較的小さい、あるいはカップ(縦壁)の高さが比較的高い場合、カップ形状を例えばプレス成形する際には、底部周縁部が縮み変形することで大きな絞り抵抗力が生じ、これがカップ底部の肩Rに加わることで、破断が生じやすくなる。この破断を防止するために、成形金型におけるカップ形状形成部分への、金型周囲からのアルミニウム合金材料の流れ込み量を大きくすることで対応することが多い。このためには、より潤滑性の良い油を用いたり、しわ抑え力を小さくしたり、また、金型の肩Rを大きくしたりする。しかし、この場合には、フランジあるいは縦壁部分に制御できないしわが発生する。特にフランジ部にしわが発生した場合には、ボルト締結部の平坦面が確保できないという問題が生じる。
これに対して、本発明では、前記底部と縦壁およびフランジとを稜線状につなぐ張出リブを、前記底部周縁部に亙って1個以上、積極的に(強制的に)形成する。これにより、本来、カップ外周部の縮み変形を生じさせず、肉余りをすべて張出リブ部に吸収させることで、カップ成形に伴う絞り抵抗を小さくすることができる。これによって、カップ径が比較的小さい、あるいはカップ(縦壁)の高さが比較的高い場合でも、本発明カップ形状の成形を可能にしている。
また、特に前記張出リブの稜線を車体幅方向に対して平行に延在させた場合には、衝突時のエネルギ吸収量が大きくなるという効果も生じる。つまり、衝突時に、バンパ中央部が車体側に凹むように変形する際、ステイは車体幅方向内側に倒れようとする変形力が生じる。特に、車体幅方向に対して平行に延在する張出リブがあるステイは、リブの無いステイに比べて、前記方向への曲げ剛性が高い。このため、衝突時の荷重の立ち上がりがはやくなり、エネルギ吸収量が増加する。
したがって、本発明に係るステイは、より薄肉、軽量化した上で、剛性の向上や衝突荷重の吸収が可能となる。即ち、アルミニウム合金板を成形して製造できるとともに、衝突時のエネルギを吸収しうるバンパステイおよびバンパ装置を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について、図1〜4を用いて、以下に説明する。図1は本発明に係るステイの一実施態様を示す斜視図、図2は本発明に係るステイ1の別の実施態様を示す斜視図である。図3は図2の正面図、図4は図2の平面図を各々示す。
(ステイカップ形状)
図1、2のステイ1は、直線的な中央部の両端に車体側へ曲げられた、直線的または曲線的な湾曲部 (屈曲部) を有するか、全体が車体側へ湾曲しているバンパ補強材 (湾曲型バンパ補強材) に対し、取り付けるステイの態様を示す。
図1、2において、ステイ1は、平板状のアルミニウム合金板(圧延板や押出板)をプレス成形、あるいは電磁成形して、カップ形状に成形されたものである。これによって、ステイを、元板であるアルミニウム合金板の成形により製作でき、ステイ製作コストの低減や製作効率の向上などの利点が大きい。なお、平板状のアルミニウム合金板のステイ1への成形に際しては、電磁成形なども使用できるが、プレス成形が形状精度や簡便さの点で好ましい。
図1のカップ形状は、このカップは、底壁である略円形の底部2と、この底部2の周縁部2aから立ち上がる略円筒状の縦壁1aと、この縦壁1aの周縁部によって形成された略円形の開口部3と、縦壁1a周縁部から外方に張出すとともに縦壁周縁部1aに亙って設けられたフランジ4とが一体に形成してされて構成される。
このような一体型のカップ形状によって、ステイにおけるカップの全体変形により衝突荷重を吸収できる。また、別々のカップとフランジとを溶接などにより接合する問題や、両者の接合強度が弱くなる問題もない。
(張出リブ)
本実施態様では、このような一体型のカップ形状に対し、更に、底部2と縦壁1aおよびフランジ4とを互いに稜線状につなぐ張出リブ40を、底部周縁部2aに亙っては合計4個、底部2を中心にしては二対、一体に設けている。平面的には、この稜線状の張出リブ40は、底部2の中心から、周囲のフランジ4の端部に向けて、放射状に設けられている。そして、この張出リブ40によって、周囲のフランジ4が略均等に4分割されるように設けている。
これらの張出リブ40を一体に設ける(ステイ本体と一体に成形する)ことによって、カップの剛性が上がり、かつ、前記したカップの全体変形による衝突荷重の吸収も保証できる。この張出リブ40を設けた場合、フランジ4に設けられる凹凸が縦壁1aにつながることで、縦壁1aで形成される略円筒状の形状は、張出リブ40の無い場合に比べて、局所的に径(幅)が大きくなる。これにより、ステイの曲げ剛性は大きくなり、張出リブ40の無い状態に比べて、衝突変形における荷重の立ち上がりが早くなり、エネルギ吸収量が大きくなるという利点がある。
更に、元板であるアルミニウム合金板の成形によりステイを製作する際に、この張出リブ40を設定したことで、成形における絞り抵抗力が小さくなり、アルミニウム合金平板を成形して上記カップ形状とする際の、底部2周縁部における成形割れを防止できる。
通常のカップ形状の成形では、カップ径が比較的小さい、あるいはカップ(縦壁)の高さが比較的高い場合などでは、前記した通り、底部2の周縁部2aに割れが発生しやすい。これを防止するために、金型周囲からのアルミニウム合金材料の流れ込み量を大きくした場合には、逆に、縦壁部1aやフランジ部2に、不定形のしわが多数発生しやすくなる。
これに対して、底部2と縦壁部1aおよびフランジ4とを互いに稜線状につなぐような張出リブ40が存在すると、この張出リブ40が、しわとなる材料の流れ込み分を全て吸収して成形されるために、縦壁部1aやフランジ部4の前記しわ発生が抑制され、締結部となるフランジ面の平坦度が容易に確保できる。
さらに、張出リブ40を設けたことにより、フランジ部の縮み変形が防止され、この縮み変形に起因する絞り抵抗力が小さくなることで、バンパ補強材やサイドメンバの設計上、カップ径が比較的小さい、あるいはカップ(縦壁)の高さが比較的高い場合など、成形が難しいカップ形状を成形する際にも、底部2の周縁部2aが割れやすくなるのを防止できる。
このような効果を得るために、張出リブ40は、最低、底部周縁部2aに亙って、1個以上設ける。2個以上設ける際には、平面的に見て偏って設けるのではなく、図1、2に示すように、底部2を中心に周囲のフランジ4を等分割する形で、底部周縁部2aに亙って均等に分散して設けることが好ましい。
この際、特に前記張出リブの稜線を車体幅方向に対して平行に延在させることが好ましい。このように延在させた場合には、衝突時のエネルギ吸収量が大きくなる。即ち、車体衝突時に、バンパ補強材中央部が車体側に凹むように変形する際、ステイは車体幅方向内側に倒れようとする変形力が生じる。この場合に、前記張出リブの稜線を車体幅方向に対して平行に延在していれば、リブの無いステイに比べて、前記方向への曲げ剛性が高い。このため、衝突時の荷重の立ち上がりがはやくなり、エネルギ吸収量が増加する。
したがって、例えば平面的には、張出リブを、底部2を中心に周囲のフランジ4を2分割した2個、3分割した3個、あるいは図1、2の態様のような4分割した4個設けることが好ましい。但し、5個、6個あるいは7個を越えて、多く設ける必要は無い。なお、これらの態様では、図1、2の態様のように、設ける張出リブの中に、稜線を車体幅方向に対して平行に延在させた張出リブを含めることが好ましい。
このような張出リブ40の個数と、特に高さ乃至幅の設計における下限は、設計される前記カップ形状を成形する際の、成形割れを防止するための、必要材料流入量と、必要材料流入部位の数、他部品への取り付け部確保の観点などから選択される。一方、このような張出リブ40の高さ乃至幅の上限は、成形における破断が生じない範囲で選択される。
(接合用孔)
図1において、5は、底部2に適当な間隔を開けて2箇所設けられた、バンパ補強材との機械的な接合用の貫通孔である。また、6はフランジ4の周面上に、適当な間隔を開けて設けられた、サイドメンバとの機械的な接合用の4個の貫通孔である。これら接合用の貫通孔の大きさや個数、間隔などは、接合条件に応じて適宜選択できる。
(ステイの別の態様)
図2、3、4に、本発明に係るステイの変形例を示す。図2〜4のステイは、上記のように説明した図1のステイ1の構造と基本的に同じであるが、フランジ4が、更に外方に張出したバンパ補強材との接合用フランジ片30を有する点が特徴的である。
具体的には、フランジ4の図2〜4の右側の一端(あるいは一辺、片側)に、バンパ補強材側に向かい、車体幅方向(図の左右方向)に張出したフランジ片30を更に有している。この平板状のフランジ片30は、このフランジ30片を、フランジ4の片側から車体幅方向へ張り出させるとともに、バンパ補強材側に向かい、更にバンパ補強材の後面壁側に近接させるための屈曲部31を介して、フランジ4から張り出している。
このフランジ片30は、後述する図7、8で説明する通り、ステイをバンパ補強材の後面壁に接合するための手段である。このフランジ片30は、フランジ4の片側あるいは両側に、部分的に設けることができる。
前記した通り、ステイ1の前面側である底部2側は底部2に2箇所設けられた貫通孔5、5を介して、ボルトによって、バンパ補強材の後面壁に接合される。しかし、ステイの設計条件やバンパ補強材の後面壁側の取り付け位置や設計条件によっては、ステイ1の前面側である底部2側のみの接合では、バンパ補強材に取り付けにくい、あるいは、接合強度が不足する場合が生じる。このため、図7、8のステイでは、このようなフランジ片30を設けて、ステイ1の前面側である底部2側の接合に加えて、フランジ片30側からの接合によっても、ステイをバンパ補強材に取り付けることが可能である。
なお、このようなフランジ片30は、別途製作して、ステイに溶接接合などして一体化する必要は無い。このような張出フランジ30を設けたステイも、前記した図1のステイと同じく、後述する通り、アルミニウム合金板を成形することによって、フランジ片30も、屈曲部31とともに、ステイ本体と一体に製作することが可能である。
(共通事項)
以下に、図1、2のステイの共通事項である、底部2形状、カップ形状、フランジ形状などの設計上の必要、好ましい事項や変形例などについて説明する。
(底部形状)
図1、2のステイ1は、前記した湾曲型バンパ補強材へ取り付けるために、バンパ補強材後面側に対応する底部2の面が、このバンパ補強材後面側の傾斜あるいは湾曲形状に応じた、傾斜あるいは湾曲形状をしている態様を示している。これに対し、中央部や端部も含めて真っ直ぐな、直線的なバンパ補強材 (直線型バンパ補強材) に対して取り付けるためには、ステイ1の底部2の面をフランジ面と平行(略水平)にし、底部各部位におけるカップ高さ(縦壁高さ)を同じとする。このように、本発明ステイにおける底部2の面の形状は、接合されるバンパ補強材後面側の形状に応じて選択される。
また、底部2(あるいは開口部3)の平面形状は、必ずしも円形状である必要はなく、また、カップの形状(横断面形状)も必ずしも円筒状である必要はない。これらの平面形状は、プレス成形できるものであれば、接合されるバンパ補強材後面や、カップ底部に作成される締結ボルトの位置に応じて、適宜選択される。例えば、底部2の平面形状を、楕円形状あるいは四角、三角、多角などの角形状、あるいは、これらの形状に近いような略円形の形状として良い。したがって、縦壁1aも、この底部2の平面形状に応じて、楕円筒状あるいは角筒形状、あるいは、これらの形状に近いような略円筒の形状として良い。
このように、底部2の周方向の形状や、その面の形状は、ボルトにより、バンパ補強材後面に接合可能なように、底部2全面が、あるいは、少なくともボルト座面近傍が、バンパ補強材後面形状に沿うような形状になることが望ましい。例えば、バンパ補強材後面形状に沿うような形状とは、底部2全面に亙って平坦とするか、底部2の中心部を凹にする、あるいは凸にする、など、適宜の平坦あるいは凹凸形状が選択される。
(カップ形状)
なお、成形において、ある程度のカップの成形高さ(ステイの車体長手方向の長さ)を得ることを想定すれば、カップ底部2の周縁部2aから立ち上がる部分のコーナR(肩R)を大きく、例えば10mm以上にすることが望ましい。
図1、2の態様では、プレス成形ステイ1は、成形されたカップ底部2と縦壁部1aとの角部(境界部)については、底部2の周縁部2aに亙って円弧状の大きな肩Rを設けている。この結果、底部2の幅(径)が、開口部3の幅(径)よりも狭幅(小径)となって、円筒状の縦壁1aを下方(後面側)に向かって拡がる、円錐台形状乃至末広がり形状となっている。これは、プレス成形における破断を防止するとともに、底部2の幅(径)と開口部3の幅(径)とが略同じ場合に比して、R部が初期不整の役割を果たし、衝突荷重負荷時の初期ピークを下げる効果が得られる。これにより、最大荷重を低く抑えることで、ステイより後方の部品の破損を抑制するとともに、円筒状の縦壁1aの外方への拡大変形(末広がり変形)や、狭幅の底部の後面側への変形などによる、ステイの全体変形により、より多くの衝突荷重を吸収することができる。
(フランジ形状)
フランジ4の周囲形状は、図1、2のように四角でなくとも、三角や円形や不定形など、バンパ補強材後面やサイドメンバなどの接合面形状や、接合用孔の設計に応じ、かつ成形可能な形状が適宜選択できる。また、開口部周縁部3aの全部に亙って設けずとも、必要周縁部部位に部分的に設けることも可能である。このような、フランジ4や、底部2などの円錐台カップ形状を、自由に作り分けられる点が、成形ステイの利点でもある。
本発明の成形ステイによれば、これらステイ接合用の貫通孔を十分設けられるだけの余地のある、底部2の幅(径)やフランジ4の幅(径)をとれる利点がある。更に、これら接合用の貫通穴は、例えば、プレス成形により、ステイ縦壁部分を形成した後、プレスせん断加工により設けることも可能である。この場合には、不必要なフランジ部分を同時に切除することでさらに軽量化できるという利点もある。
これの効果を得るために、成形ステイの、底部2の幅(径)、底部の周縁部に亙っての円弧状のコ−ナRの大きさ、開口部3の幅(径)、縦壁1a(ステイ)の高さなどを、自動車の車種や要求衝突荷重吸収能と、アルミニウム合金板の板厚、強度などの条件に応じて、各々設計する。
(ステイの板厚)
ステイ1の板厚は、軽量化のためには4mm以下とする。板厚が4mmを超えた場合には、鋼製ステイに代わっての軽量化効果が薄くなる。そして、このような薄肉条件下で、高エネルギ吸収量を保障するためには、ステイ1の0.2%耐力が190MPa以上の高強度であることが好ましい。
(アルミニウム合金)
このような条件と、ステイへのプレス成形性とを満たすアルミニウム合金としては、特に、Al−Mg−Si系の、JIS乃至AA規格で言う、6000系熱処理型アルミニウム合金とすることが好ましい。なお、Al−Mg−Zn系の7000系熱処理型アルミニウム合金も使用できるが、6000系よりは入手が難しい。また、特にある程度ステイの長さを確保するためには、プレス成形性の良い(伸びが高い)O、T1、T4状態でプレス成形し、成形時の破断を防止することが望ましい。また、プレス成形を施した部品に熱処理を施すことで、製品としての強度を確保することが望ましい。このためには、前記6000系の熱処理型アルミニウム合金を用いることが望ましい。ここで、加える熱処理は、焼付け塗装処理あるいはT5、T6処理など、必要となる素材強度に応じて便宜選択される。
ただ通常の自動車のステイであれば、板厚が4mm以下で、0.2%耐力が190MPa以上であることを前提に、底部2の幅(径)は50〜150mm、底部の周縁部に亙っての円弧状のコ−ナRの大きさはR15〜75mm、底部および開口部3と縦壁をつなぐ肩Rは5mm〜30mm、縦壁1a(ステイ)の高さは10〜100mm、フランジ部の大きさは、ボルトなど機械的な接合が可能な範囲から選択される。
(バンパ装置)
次ぎに、図5、6および図7、8を用いて、前記した図1、2の各ステイを車両のバンパ補強材とサイドメンバとの間に配置したバンパ装置の態様を示す。図5、6は図1の各ステイを配置した態様を示し、図5、7は各々平面図、図6は図5の、図8は図7の各々部分拡大断面図である。
なお、これらの図においては、バンパ補強材10の右側部分のみを示し、左側の図示は省略しているが、バンパ補強材10の左側にも同様に、左右対称の形で、各図に示すステイ1が設けられている。
図5〜8において、各ステイ1は、円錐台カップの底部2側をバンパ補強材端部の湾曲あるいは傾斜した後面壁側に取り付けられている。他方、円錐台カップの開口部3側は、フランジ4を介して、サイドメンバ20先端部側のフランジ21に取り付けられている。
(ステイの接合方法)
図6、8にステイ1の取り付け方の詳細を拡大して示す。図6、8において、7、8はボルト、ナットなどの機械的な締結(固着)手段(以下、単にボルトと言う)を示す。ステイ1の前面側である底部2側は、底部2に適当な間隔を開けて2箇所設けられた貫通孔5、5を介して、更にバンパ補強材の後面壁11に対応して設けられた貫通孔12、12を介して、ボルト7、7によって後面壁側11に取り付けられている。
また、ステイ1の後面側である開口部3側は、フランジ4に適当な間隔を開けて4箇所設けられた貫通孔6、6、6、6を介して、更にサイドメンバ20先端部側のフランジ21に対応して設けられた、貫通孔22、22、22、22を介して、ボルト8、8、8、8によって、サイドメンバ20に取り付けられている。
これらの接合手段として、通常のボルト12、22による接合を示しているが、この他スタッドボルトなど、他の機械的な接合手段を用いる(置き換え、あるいは併用)、あるいは溶接接合を併用することも可能である。
バンパ補強材側の取り付け部である上記カップ底部には、衝突時に大きな曲げモーメントが加わる場合が多い。これに対して、本発明における上記カップ底部(バンパ側の接合部)は、カップ底部の周縁部に亙って円弧状のコ−ナRを設けた上記略円筒状の縦壁で外周を囲まれていることから、締結部への荷重およびモーメント入力に対して変形が生じにくい。
一方のサイドメンバ側の取付部である上記カップ開口部のフランジ(取り付けフランジ)には、車体前後方向への全面圧縮あるいは全面引張(オフセット衝突における衝突面の逆側)力を受けることが多い。しかし、このサイドメンバ側の接合部に加わる変形力は、締結ボルト部近傍の強度に大きく依存する。一般的な4点程度のボルト接合を想定し、オフセット衝突におけるこの部位の破断を防止する必要があるとすれば、ステイの0.2%耐力が190MPa以上、カップ開口部のフランジの肉厚が2mm以上とすることが望ましい。
(ステイ取り付け方向)
この図5〜8のように、ステイを配置することで、カップ底部2が衝突荷重に対する前面側(バンパ補強材側)、カップ開口部3側が衝突荷重に対する後面側(サイドメンバ側)となる。したがって、衝突荷重の負荷時に、カップ底部3とカップ開口部3とをつないで構成される略円筒状の縦壁1aの外方への拡大変形や、カップ底部2の後面側への(凹み)変形などによる、ステイ(カップ)の全体変形により、衝突荷重を吸収することができる。
これに対して、ステイ1を逆に取り付けることも可能である。即ち、円錐台カップの開口部3側を、フランジ4を介して、バンパ補強材の後面壁側に取り付けるとともに、円錐台カップの底部2側をサイドメンバ先端部側に取り付けることも可能である。
ただ、前記した通り、バンパ補強材側の取り付け部側のフランジ4には、衝突時に大きな曲げモーメントが加わる。しかし、このようにステイ1を逆に取り付けた場合の、バンパ補強材の後面壁側に取り付けられたフランジ4は平板状である。このため、この曲げモーメントに対するフランジ4の強度、剛性が不足し、変形しやすくなる。
このフランジ4の変形が生じた場合、本発明のステイ(カップ)の全体変形によらず、フランジ4の変形により、バンパ補強材が回転変形し、衝突時の変形量が大きくなる可能性が生じる。
したがって、このような場合には、フランジ4の変形を防止するため、フランジ4の剛性を高める必要が生じる。例えば、フランジ4の板厚をもっと厚くする、あるいは、フランジ4の端部に沿って更にフランジ4の90度方向に折り曲げ部を設ける、フランジ4の端部に沿って別の補強板を設ける、などである。ただ、このような手段は、ステイの軽量化や製作効率、製作コストなどを阻害する可能性がある。
(フランジ片30による接合)
図7、8のステイでは、ステイ1の前面側である底部2側のバンパ補強材の後面壁11への接合や、ステイ1の後面側である開口部3側のサイドメンバ20への接合は、前記した図5、6の態様と同じである。
但し、図7、8においては、これらの接合に加えて、バンパ補強材の後面壁11に対応して、フランジ30片に設けられた貫通孔5、5を介して、ボルト12によって、バンパ補強材の後面壁11に取り付けられている。
このようにフランジ片30において接合することで、バンパ補強材の後面壁11とステイとの接合強度を高めることができる。このため、上記ステイ(カップ)の全体変形による衝突荷重吸収を促進することができる。また、フランジ片30において接合することで、接合作業自体も簡便となる。
このフランジ片30は、図3、4のように、車体幅方向外側(図の右側)に設けることが望ましい。このように設けた場合には、衝突時のバンパ補強材の曲げ変形において、フランジ片30には引張力が加わり、バンパ補強材の回転変形に強く抵抗する効果がある。また、図7、8に示したように、バンパ補強材端部の湾曲あるいは傾斜した後面壁側にステイが取り付けられる場合に、車体幅方向外側の方が、フランジ片30の成形高さが低くなる。このため、フランジ片30が成形しやすく、成形時の破断が生じにくいという利点もある。これに対し、フランジ片30を車体幅方向内側(図の左側)に設けることも可能であるが、これらの効果の点で、車体幅方向外側に設けるよりも不利となる。
(ステイの成形)
図9は、図2のステイを成形するための成形装置の一例を示している。図9(a)に成形装置の概要を示すように、例えば、アルミニウム合金平板400の上方側に、雌型金型100と板押さえ300を設け、下方側に雄型金型(ポンチ)200を設ける。そして、雌型金型100と板押さえ300を下降させて、アルミニウム合金平板を押圧して、ステイのカップ形状を一体に成形する。
雌型金型100を図9(b)に斜視図で拡大して示す。金型100において、底部102は図2のカップ形状における略円形の底部2と対応する(図1も同様)。この底部102は、図2の底部2の傾斜に応じて傾斜しており、図の左側の縦壁部101aの高さ(長さ)が高く、図の右側の縦壁部101aの高さが低くなっている。
縦壁部101aは、カップ形状における底部2の周縁部2aから立ち上がる略円筒状の縦壁1aと対応する。縦溝140によって4分割された周囲の平坦部104は、各々フランジ4と対応する。また、底部102、縦壁部101aを貫く形で、金型の十字方向に各々設けられた縦溝140は、カップ形状における各張出リブ40と対応する。
この金型100では、カップ形状とともに、底部102、縦壁部101aを貫く形で、金型の十字方向に各々設けられた縦溝140によって、張出リブ40が成形される。この際の成形では、底部102の周縁部102aでの割れ(カップ底部2の周縁部2aに相当)が発生するのを防止するために、底部102への、金型周囲からの材料の流れ込みを許容する。この流れ込んだ材料の内の余肉分(残余の分)は、縦溝140によって吸収され、張出リブ40として成形される。このため、通常のプレス成形に比べてフランジ部の縮み変形が小さくなり、これに起因する絞り抵抗力が小さくなることで、破断しにくくなる。同時に、カップ形状における縦壁部1aやフランジ部4の前記しわ発生が抑制され、接合部の平坦度が確保できる。
雄型金型200を図9(c)に斜視図で拡大して示す。金型200において、頂部202は図2のカップ形状における略円形の底部2と対応する(図1も同様)。縦壁部201aは、カップ形状における底部2の周縁部2aから立ち上がる略円筒状の縦壁1aと対応する。この頂部202は、図2の底部2の傾斜に応じて傾斜しており、図の左側の縦壁部201aの高さ(長さ)が高く、図の右側の縦壁部201aの高さが低くなっている。金型200の周囲の平坦部204は、図2のカップ形状における各フランジ4と対応する。これら雄型金型200は、前記金型100との協働で、図2のカップ形状を成形する。
なお、本例では、雄型金型200には、張出リブ40に対応する凸型は設けていない。張出リブ40は、プレス成形の進行に伴い、凸型を設けなくてもしわの発生により形成されるが、より、積極的にリブ形状を制御したい場合には、縦溝140部に対応する凸部を雄型金型200に設けることも可能である。
また、金型200の平坦部230は、図2のカップ形状におけるフランジ片30と対応する。段差部231は、図2のカップ形状における屈曲部31と対応する。これらは、前記板押さえ300との協働で、図2のカップ形状におけるフランジ片30を成形する。
前記図2に示した本発明アルミニウム合金ステイ1の荷重エネルギ吸収性を、張出リブ40が無い図2の場合のステイを比較例として、FEM解析によって変形荷重−背面変位関係を求め、評価した。また、FEM解析によって、平板からステイへの成形限界を評価した。
まず、成形限界の調査結果について述べる。解析の前提として、FEM解析には、汎用の動的陽解法ソフトPAM−STAMPを用いた。対象としたステイ形状は、図2における縦壁部1aをΦ90mmの円筒形状とし、円形底部2の形状をバンパ補強材傾斜後面に合わせて傾斜させた平坦形状とし、縦壁部分と底面およびフランジ面をつなぐ肩Rを10mmとした。カップの高さ(縦壁1aの高さ)は最も長い(高い)部分で40mm、短い(低い)部分で20mmとした。また、プレス成形に供される素材は、アルミ6000系T4調質材(耐力130MPa)とし、成形では、一般的な鋼板用洗浄油を用いた潤滑条件を仮定した。
張出リブ40を設けない比較例形状に対してプレス成形を行った場合、カップ高さが短い部分の長さが5mmに達した時点で、肩R部2aの板厚減少率が20%を超過し、所定の形状まで成形した場合には、破断が生じると予測された。これに対して、張出リブを設けた発明例形状の場合、カップ高さが短い部分の長さが20mmに達した時点でも、肩R部の板厚減少率は15%程度であり、張出リブを設けることで、大幅に成形限界高さを向上させることが可能である。
次に、ポール衝突を模擬した衝突解析(中央部に前面側から荷重付加)を行い、荷重エネルギ吸収性能を調査した。この際、前記張出リブ40を設けない比較例のカップ状ステイは成形できないとの予測から、比較例を下記の仕様の一般的な縦圧壊型の円筒ステイとした。解析の前提として、FEM解析には、汎用の動的陽解法ソフトLS−DYNAを用いた。なお、解析にあたり、車重は1.4tonf 、衝突速度は8km/h とした。
バンパ補強材の形状は断面日型状の中空押出形材で、後面壁の高さ(長さ)125mm、幅55mmとし、0.2%耐力が310MPaの7000系アルミニウム合金とした。
ステイは0.2%耐力が190MPaの6000系アルミニウム合金とし、板厚2mm、重量201g/個とした。カップ底部を、前記図7、8のようにバンパ補強材の後面壁側に設けるとともに、カップ開口部側をサイドメンバに変わる剛体側に設けた態様とした。フランジ4は略四角形の1辺の幅が150mmとし、フランジ片30の幅200mm、屈曲部31の幅30mmとした。各張出フランジ40の、フランジ4端部側における幅は20mmである。
このステイの接合態様は、図2のように、底部2を取り付け用孔5、5で示す2点およびフランジ片30の取り付け用孔5、5で示す2点、の合計4点でバンパ補強材後面にボルト接合した。サイドメンバ(前面フランジ)には、取り付け用孔6、6、6、6で示す4箇所で接合した。
比較例である縦圧壊型の円筒ステイは、円筒ステイの両端部に各々取り付けフランジを接合した形状とした。バンパ背面側との取り付けフランジを板厚5mm、耐力90MPaの5000系O材、サイドメンバ側の取り付けフランジを板厚2mm、耐力90MPaの5000系O材、円筒ステイは板厚2mmで、0.2%耐力が190MPaの6000系アルミニウム合金とした。この比較例ステイの重量は約430g/個である。比較例ステイの接合態様は、取り付けフランジを4点のボルト止めで、サイドメンバおよびバンパ補強材に各々接合しているものとした。
図10に解析結果である変形荷重−ポール変位関係を示す。図10において、太い実線が本発明ステイ、細い実線が比較例ステイである。この図10から明らかな通り、本発明ステイは、約200gと非常に軽量であっても、比較材である一般的な縦圧壊ステイに比べて変形荷重が同等で、かつ衝突後の最大変形量が小さくできていることがわかる。特に、変形荷重−ポール変位関係の初期の立ち上がり角度が大きく、カップの剛性が上がっていることが明らかである。これにより、衝突初期のエネルギ吸収量が増加し、衝突時の変形量も小さくでき、かつ大幅な軽量化にもなっていることがわかる。
上記結果は、ステイにアルミニウム合金として、6000系T5調質材を想定した計算を行っているが、より素材強度を高くできるT6処理を適用すれば、板厚を薄くできて軽量化を図れるか、同じ板厚では、更にエネルギ吸収量を大きくすることも可能である。また、6000系合金に比べて強度が高くなる7000系合金を適用すれば、板厚を薄くできて軽量化を図れるか、更にエネルギ吸収量を大きくすることも可能といえる。また、焼付け塗装処理などの短時間熱処理の適用した場合には、上記に比べてエネルギ吸収量は低くなるため、肉厚を厚く設定する必要があるが、より低コストでの生産が可能になる。
また、前記したように、張出リブ40が無いステイの場合、カップ径が比較的小さく、かつ、成形高さが高い場合には、プレス成形によりステイ製品を得ること自体が難しい。例えばカップ径を大きくすることが可能であれば、破断の無いステイ製品が得られる可能性があるが、自動車用部品であるバンパステイの場合には、他部品との干渉を回避するために、比較的形状制約が厳しい場合が多く、多くの場合、カップ径を大きくできない。
以上のように、本発明は、アルミニウム合金板を成形して製造したステイが、衝突時のエネルギを吸収しうるバンパステイおよびバンパ装置を提供することができる。したがって、軽量化要求と衝突時のエネルギ吸収要求のある、自動車のバンパステイ乃至バンパ装置に好適である。
本発明に係るステイの一実施態様を示す斜視図である。 本発明に係るステイの別の実施態様を示す斜視図である。 図2の正面図である。 図2の平面図である。 図1のステイを取り付けた本発明バンパ装置の一実施態様を示す平面図である。 図5の部分拡大断面図である。 図2のステイを取り付けた本発明バンパ装置の一実施態様を示す平面図である。 図7の部分拡大断面図である。 本発明ステイ製作用の成形金型を示す斜視図である。 本発明に係るステイの変形荷重−荷重点変位関係を示す説明図である。
符号の説明
1:ステイ、1a:縦壁、2:ステイ底部、3:ステイ開口部、
4:フランジ、5、6:取り付け孔、7、8:取り付け手段、
10:バンパ補強材、20:サイドメンバ、30:フランジ片、
31:屈曲部、40:張出リブ、100、200:金型、300:板押さえ

Claims (9)

  1. 車両のバンパ補強材とサイドメンバとの間に配置されるステイであって、アルミニウム合金板を成形したカップ形状からなり、このカップは、底部と、この底部周縁部から立ち上がる筒状の縦壁と、この縦壁周縁部によって形成された開口部と、前記縦壁周縁部から外方に張出すとともに縦壁周縁部に亙って設けられたフランジとが一体に形成してされており、更に、前記底部と縦壁およびフランジとを互いに稜線状につなぐ張出リブが、前記底部周縁部に亙って1個以上設けられていることを特徴とするバンパステイ。
  2. 前記張出リブの稜線を車体幅方向に対して平行に延在させた請求項1に記載のバンパステイ。
  3. 前記フランジの一端には、更に外方に張出したフランジ片が設けられている請求項1または2に記載のバンパステイ。
  4. 前記カップ底部か、または前記カップ底部と前記フランジ片との両方が、バンパ補強材の後面壁側に接合されるとともに、前記フランジを介して前記カップ開口部側がサイドメンバの先端部側に接合される請求項1乃至3のいずれか1項に記載のバンパステイ。
  5. 前記カップ底部と縦壁部との角部に、カップ底部周縁部に亙って、10mm以上のコ−ナRが設けられている請求項1乃至4のいずれか1項に記載のバンパステイ。
  6. 前記カップの底部がバンパ補強材後面側の傾斜あるいは湾曲形状に応じた、傾斜あるいは湾曲形状をしている請求項1乃至5のいずれか1項に記載のバンパステイ。
  7. 前記ステイの板厚が4mm以下である請求項1乃至6のいずれか1項に記載のバンパステイ。
  8. 前記ステイが6000系の熱処理型アルミニウム合金からなるとともに、0.2%耐力が190MPa以上である請求項1乃至7のいずれか1項に記載のバンパステイ。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれかのバンパステイを、自動車車体のバンパ補強材とサイドメンバとの間に配置したバンパ装置。
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