JP4509332B2 - ステッパモータ駆動回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステッパモータ駆動回路に関し、特に、ステッパモータにより位置制御される指針(又はステッパモータに駆動される被駆動部材の一部)がそのゼロ位置を定めたストッパに当接したかどうかを検出するために回転子の回転により発生する誘導電圧を検出し、ストッパが上記ゼロ位置に設定されたかどうかを判定するゼロ位置検出処理(以下ゼロ検という)を効率的に行うことのできるステッパモータ駆動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
車速を表示するスピードメータやエンジンの回転数を表示するタコメータ等の車載メータには、指示精度や価格的な理由で近年ステッパモータが多用されている。しかしながら、ステッパモータを搭載する車両の振動やエンジンノイズ等により発生した誤った駆動信号等により、ステッパモータの回転に連動する指針の本来移動すべき移動量と実際の移動量との間に差異が生じてしまう場合がある。このような場合を想定して、例えば、イグニッションスイッチのオンのタイミングで、指針を上記ストッパで定められるゼロ位置に戻すと共に、このときの指針の位置に同期させて計数機構の初期設定を行うゼロ位置設定処理が行われる。上記処理において、指針がゼロ位置に戻ったかどうか、すなわち、指針がストッパに当接したかどうかを判定するために、回転子の回転により発生する誘導電圧を検出する上記ゼロ検が、従来から行われている。
【0003】
ところが上記ゼロ検において、部品のバラツキや周囲温度変化によって、ストッパ当接時における回転子のパターンが初期設定時とは変わり、上記ゼロ検が正確に行えない状況が発生することがある。これを図6及び図7を用いて以下に説明する。
【0004】
図6は、想定される励磁信号の各励磁ステップにおける信号波形、及び検出タイミング信号の関係を示す図である。図7は、図6の各励磁ステップ及び回転子の回転パターンの関係を示す図である。
【0005】
図6及び図7において、括弧内の数字は回転子の回転角である。長方形の中の数字はステップ番号を示す。回転子はそれぞれ5つのN極及びS極が交互に均等に着磁された5磁極対であると想定する。回転子は、相互に軸が略垂直な角度になるようにして配置された1対のコイルC1及びC2に、図6に示すような励磁信号が印加されて、回転駆動される。このうちコイルC2は所定のタイミングで検誘導電圧出素子としても機能する。
なお、ゼロ検時には矢印で示す半時計周りの方向に回転子が回転するものと想定する。
【0006】
また、回転子を回転させるための励磁信号は、C1a信号、C1b信号、C2a信号及びC2b信号からなり、これらはH(ハイレベル)及びL(ローレベル)の組み合わせにより構成される。このHは例えば5ボルトであり、Lは0ボルトである。コイルC1の両端子a及びbにはそれぞれ図6に示されているようなC1a信号、及びC1b信号が供給される。同様にコイルC2の両端子a及びbにはそれぞれC2a信号及びC2b信号が供給される。これら信号が供給された各コイルC1及びC2は、それらの端子a及びbに供給される上記信号の電位差に応じて電流が流れ、回転子に対抗するコイル端部がN極又はS極になり、回転子に均等に着磁されたN又はS極に反発又は吸引されて回転子を回転駆動する。これらの励磁信号は、図示しない所定の波形パターン発生手段で生成され供給される。
【0007】
図6及び図7に示すように、回転子に連動する指針がストッパで定められたゼロ位置方向に移動するように回転子を回転させるための励磁信号の1サイクルは、複数の励磁ステップ1、7a、7b、6、5、4、3及び2で構成されている。励磁ステップ1の励磁信号(C1a信号、C1b信号、C2a信号及びC2b信号からなる)とそれに対応する回転子の回転パターンが同期しており、励磁ステップが1、7a、7b、6、5、4、3及び2の順に遷移するにしたがって、回転子は図7に示すように所定の角度ずつ回転していく。各ステップ1、7a、7b、6、5、4、3及び2は、均等時間づつ割り当てられているとする。
【0008】
詳述すると、括弧内の回転角で示されるように、励磁ステップ1から7aに遷移する際には、回転子はその励磁信号(C1a信号、C1b信号、C2a信号及びC2b信号)によって、回転角0度から18度に角度変移する。励磁ステップ7aから7bに遷移する際には、励磁信号の波形は変化しないので回転角は18度のままである。励磁ステップ7bから励磁ステップ6に遷移する際には角度変移量は9度となりそのときの回転角は27度になる。同様に、励磁ステップ6から5、励磁ステップ5から4、励磁ステップ4から3及び励磁ステップ3から2にそれぞれ遷移する際も、角度変移は9度ずつであり、それぞれのステップに対応する回転角は36度、45度、54度、及び63度となる。なお、励磁ステップ2から次のサイクルの励磁ステップ1に遷移する際の角度変移量も9度である。
【0009】
このような複数の励磁ステップからなるサイクルが、指針がストッパに当接して回転子が回転できなくなるまで、すなわち、コイルC2により検出される誘導電圧が検出ステップ7a及び7bにおいて、所定の基準電圧を下回るまで原則的に繰り返される。
【0010】
検出タイミング信号は上記励磁ステップ7a及び7bのタイミングで、コイルC2に発生する誘導電圧を検出するため制御信号である。検出タイミング信号はコイルC2の両端a及びbに供給されるC2a及び信号C2b信号が共にL(ゼロボルト)になる励磁ステップ7で、Hになるように設定されている。この検出タイミング信号に応答して、コイルC2に発生する誘導電圧は、図示しない所定の誘導検出手段によって検出される。指針がストッパに当接すると、回転子はそれ以上図7に示す方向には回転することができなくなるので、誘導電圧は理論的にはゼロになるはずである。したがって、誘導電圧は上記基準電圧を下回ることになり、ここでゼロ検のための励磁信号の供給は停止され、これを持ってゼロ検終了とすることができる。
【0011】
なお、同じ信号波形の上記励磁ステップ7a及び7bが連続的に割り当てられているのは、この前の励磁ステップ1からの角度変位量を他の変位量よりも大きくすることによって、発生する誘導電圧値を大きくし、指針がストッパに当接したかどうかの判断を容易にするためである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記例では、励磁ステップ7a及び7bにおいて、前の励磁ステップ1からの角度変位量を他の変位量よりも大きくすることによって、発生する誘導電圧値を大きくしゼロ検を容易にしているもの、このタイミングだけで誘導電圧の検出を行っているので、部品のバラツキや周囲温度の変化により、このタイミングで回転子の回転が停止しない場合も発生する。
【0013】
説明を加えると、通常励磁ステップ7に同期させて、指針がストッパに当接するように初期設定されている。このような場合には、指針がストッパに当接する直前のステップ1では、回転子は自由に回転駆動できるので、検出される誘導電圧のピーク値は、例えば、280mvとなる。ところが、ステップ7a(又は7b)では、回転子はストッパに当接し(当接初期)、自由に回転駆動できなくなるので、その際の検出される誘導電圧のピーク値は、例えば、130mvに低下する。したがって、ストッパ当接基準電圧を130mvに設定しておくことにより、検出タイミングであるステップ7で、指針がストッパに当接したと判断でき正確にゼロ検を行うことができる。
【0014】
しかしながら、部品のバラツキや周囲温度の変化等により(例えば、周囲温度が高温時の、ステッパモータの樹脂製構成部品の軟化や回転子マグネットの特性変化等により)、ストッパ当接時における回転子のパターンが初期設定時とは変わる場合がある。すなわち、ストッパ当接時における回転子のパターンが初期設定時とは変わることにより、本来ストッパ当接するはずである検出ステップ7では、未だストッパ当接しない場合も発生する。そうなると、指針は未だ移動可能であるので、回転子も回転を続けることになり、このステップで検出される誘導電圧は上記ストッパ当接基準電圧を130mvを上回る状況も発生する。そうすると、ここでは未だ指針がストッパに当接してないと判断されるため、次のサイクルの検出ステップ7までステップ遷移すべく、ステップ6あるいはステップ5に対応する励磁信号が供給され続ける。この結果、指針はこれらのステップにおいて、ストッパで跳ね返ったり、回転子と励磁信号との正規の同期が崩れて、回転子は正転(ゼロ検とは逆方向)に回転したり、その後更に供給され続けている励磁信号により、再度、逆転したりする動作を繰り返すことになる。この結果、正確なゼロ検ができなくなるという問題が発生する。
【0015】
特に、多極着磁の回転子を使用したり、複数の多ギアからなるステッパモータの場合には、構成部品が微小であると共に誘導電圧のバラツキや周囲の温度変動の影響を受けやすくなり、ストッパ当接時における回転子の位置関係のパターンが変動しやすいため、確実なゼロ検がより困難になる。
【0016】
よって本発明は、上述した現状に鑑み、周囲温度変化や部品のバラツキにより、ストッパ当接時における回転子の位置関係パターンが変動しても、当接/未当接の確実な判定を可能にしたステッパモータ駆動回路を提供することを課題としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載のステッパモータ駆動回路は、図2及び図3に示すように、N極及びS極が交互に均等に着磁された回転子3、並びに複数の励磁ステップで1サイクルが構成される励磁信号に応答して前記回転子3を回転させる、相互に所定の角度で配置された第1及び第2コイルC1及びC2を有するステッパモータと、前記回転子3により駆動される指針がストッパ7で定められるゼロ位置方向に移動するように前記回転子3を回転させる前記励磁信号を生成し、前記第1及び第2コイルC1及びC2に供給する励磁信号供給手段と、前記回転子3の回転に伴い発生する誘導電圧に基づいて被駆動部材の一部が前記ストッパ7に当接したかどうかを判断する当接判断手段と、前記当接判断手段による判断に基づいて、前記被駆動部材の一部が前記ストッパ7に当接した位置を計数機構に同期させる同期機能を備えたステッパモータ駆動回路であって、前記励磁信号は、前記第1コイルC1に供給される第1励磁信号C1a、C1b及び前記第2コイルC2に供給される第2励磁信号C2a、C2bから構成され、前記第1及び第2励磁信号は、前記被駆動部材の一部が前記ストッパ7に当接するタイミングに同期して、前記1サイクルのうちの一部を構成する、特定の連続する複数のステップに渡って、前記第1及び第2コイルC1及びC2を誘導電圧検出用のコイルとして機能させるための、検出ステップ7a、7b、及び5a、5bをそれぞれ含むことを特徴とする。
【0018】
請求項1記載の発明によれば、回転子3を回転させる励磁信号は、第1コイルC1に供給される第1励磁信号C1a、C1b及び第2コイルC2に供給される第2励磁信号C2a、C2bから構成される。これら第1及び第2励磁信号は、被駆動部材の一部がストッパ7に当接するタイミングに同期して、1サイクルのうちの特定の連続するステップに渡って、第1及び第2コイルC1及びC2を誘導電圧検出用のコイルとして機能させるための、検出ステップ7a、7b、及び5a、5bをそれぞれ含む。そして検出ステップ7a、7b、及び5a、5bにおいて検出された誘導電圧に基づいて、被駆動部材の一部がストッパ7に当接したかどうかが判断される。
【0019】
上記課題を解決するためになされた請求項2記載のステッパモータ駆動回路は、図2及び図3に示すように、請求項1のステッパモータ駆動回路において、前記励磁信号は、前記検出ステップ7a、7b、及び5a、5bに他のステップから遷移する際の前記回転子3の回転量が、他のステップ間遷移時の前記回転量よりも、大きくなるような信号波形を含むことを特徴とする。
【0020】
請求項2記載の発明によれば、検出ステップ7a、7b、及び5a、5bに他のステップから遷移する際に回転子3の回転量が大きくなる。よって、それに応じて磁束変化による誘導電圧も増大するので、被駆動部材の一部がストッパ7に当接したかどうかの判断が容易になる。
【0021】
上記課題を解決するためになされた請求項3記載のステッパモータ駆動回路は、図2及び図3に示すように、請求項1又2いずれか記載のステッパモータ駆動回路において、前記検出ステップ7a、7b、及び5a、5bは、ステップ間遷移時に前記回転子3を等角度ずつ回転させる複数の基本励磁ステップ1、8、7、6、5、4、3及び2で1サイクルが構成される基本励磁信号のうちの特定ステップ8及び6がこれに続く次ステップ7及び5に置換されたものであることを特徴とする。
【0022】
請求項3記載の発明によれば、図4及び図5に示すような、ステップが遷移する毎に回転子3を等角度ずつ回転させる複数の基本励磁ステップ1、8、7、6、5、4、3及び2で1サイクルが構成される基本励磁信号のうちの特定励磁ステップ8が次励磁ステップ7に置換された検出ステップ7a、7b、また特定励磁ステップ6が次励磁ステップ5に置換された検出ステップ5a、5bが設けられた図2及び図3に示すような励磁信号が生成される。つまり、特定励磁ステップ8がスキップされ、代わりに励磁ステップ7が連続的に割り当てられ、また特定励磁ステップ6がスキップされ、代わりに励磁ステップ5が連続的に割り当てられることになる。
【0023】
上記課題を解決するためになされた請求項4記載のステッパモータ駆動回路は、図2及び図3に示すように、請求項3記載のステッパモータ駆動回路において、前記計数機構から供給される計数データに応じて、前記基本励磁信号と同様の信号を、順方向又は逆方向に前記第1及び第2コイルC1及びC2に供給することにより、前記指針6を前記計数データに応じた量だけ位置制御する指針制御手段を更に含むことを特徴とする。
【0024】
請求項4記載の発明によれば、指針制御手段が計数機構から供給される計数データに応じて、請求項3記載の基本励磁信号と同様の信号を、順方向又は逆方向に第1及び第2コイルC1及びC2に供給することにより、指針6を計数データに応じた量だけ位置制御する。
なお、ここでいう順方向とは基本励磁信号を構成する各励磁ステップを1、2、3、4、5、6、7、8の順(ステップ番号昇べき順)に遷移させることを意味し、逆方向とは同じく各励磁ステップを8、7、6、5、4、3、2、1の順(ステップ番号降べき順)に遷移させることを意味するが、これら順方向と逆方向を入れ替えて考えても差し支えない。
【0025】
上記課題を解決するためになされた請求項5記載のステッパモータ駆動回路は、請求項1〜4いずれか記載のステッパモータ駆動回路において、前記ステッパモータ駆動回路は車載されることを特徴とする。
【0026】
請求項5記載の発明によれば、ステッパモータ駆動回路は車載される。すなわち、車両では、各種の雑音や振動等が発生しやすく、上記計数機構による計数値と、ステッパモータの回転子3の位置関係との同期がずれる可能性のある環境にある。したがって、本発明のステッパモータ駆動回路をこのような環境下及び条件下において適用することは、非常に有効である。また、上述したように駆動用コイルと誘導電圧検出用コイルの兼用化により、ステッパモータ筐体の小型化が可能になるので、居住スペースが限られた車両に本発明を適用することは、非常に有効になる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明のステッパモータ駆動回路及びその適用例を示すブロック図である。
【0028】
まず、動作概要を説明する。図中、ステッパモータ駆動回路1は、例えば、車速センサのセンサ出力PSに基づいて計数装置2が生成する計数データを計数データ入力端子RXDを介して受信する。そして、ステッパモータ駆動回路1は、ステッパモータの回転子3を回転駆動するための励磁信号を励磁信号出力端子Tx1a、Tx1b、Tx2a及びTx2bから出力し、第1コイルC1及び第2コイルC2に供給する。第1コイルC1及び第2コイルC2はこの励磁信号に応じてそれぞれの端部a及びbがN又はS極になり、回転子3に交互に均等に着磁されたN極及びS極との吸引又は反発作用によって、回転子3を回転駆動する。この回転子3は中間ギア4を介して出力ギア5に機械的に連結され、出力ギア5を回転駆動する。この回転駆動される出力ギア5は、この回転駆動に連動して速度計のメータ8上に割り振られた速度目盛りの所定値を指示する指針6を有している。例えば、増速時には回転子3、ギア4、5及び指針6は図中矢印で示す時計回りの方向に回転移動し、減速時又はゼロ検時にはこれとは逆方向に回転移動する。
【0029】
通常時には、指針6は、センサ出力PSに対応するメータ8上の所定の速度目盛りを指示する。この指針6は、ストッパ7とで定められ、これ以上指針6が図中矢印と逆方向に移動できない位置をゼロ位置としている。なお、目盛り上の表示原点、すなわち、速度0km/h点は上記ゼロ位置よりやや正転方向に移動した点に設けられている。
【0030】
上述のような通常時の動作に対して、この駆動回路1を搭載する車両の振動やエンジンノイズ等により発生した誤った駆動信号等により、指針6が本来移動すべき移動量と実際の移動量との間に差異が生じてしまう場合がある。このような場合を想定して、例えば、イグニッションスイッチのオンのタイミングで、指針6を指針ゼロ位置に戻すと共にこれに同期させて計数装置2による計数機構を初期設定するゼロ位置設定処理が行われる。
上記指針6がゼロ位置に戻ったかどうか、すなわち、指針6がストッパ7に当接したかどうかを判定するために、回転子3の回転により発生する誘導電圧を検出し上記判定を行う前述のゼロ検が行われる。
【0031】
なお、本実施形態では、指針6がストッパ7に当接する位置をゼロ位置としているが、指針6の他に、ギア5に片を突設し、この片とストッパ7との当接する位置をゼロ位置としてもよい。要は、回転子3に駆動され、かつストッパ7に当接することで上記のようなゼロ位置を特定できる手段であればよく、上記指針や片に限定されることはない。請求範囲においては、これを被駆動部材の一部と記載している。しかしながら、本実施形態においては、説明を簡略化するために、代表して指針6がストッパ7と当接したことに基づいて、一連のゼロ検処理が行われるものとして説明している。
【0032】
次にステッパモータ及びステッパモータ駆動回路1の構成に関して説明する。ステッパモータは、基本的に回転子3、第1コイルC1及び第2コイルC2から構成される。この第1コイルC1の端子a及びbにはそれぞれステッパモータ駆動回路1の出力端子TX1a及びTX1bから、回転子3を駆動するための上記励磁信号が供給される。第2コイルC2の端子a及びbにはそれぞれステッパモータ駆動回路1の出力端子TX2a及びTX2bから、回転子3を駆動するための励磁信号が供給される。
【0033】
上記第1コイルC1及び第2コイルC2は共に、回転子3を駆動すると共に後述する所定の励磁ステップ(検出ステップ)のタイミングでは、回転子3の回転に基づき発生する誘導電圧を検出するための誘導電圧検出素子としても機能する。
【0034】
これら第1コイルC1及び第2コイルC2は抵抗及びコンデンサから構成されるフィルタとしてのRC回路30に接続され、これを介して上記回転に応じた誘導電圧が誘導電圧入力端子RXIに供給される。この誘導電圧が上記ゼロ検に用いられることになる。RC回路30は、実際には第1コイルC1及び第2コイルC2のそれぞれに対応して2系統設けられているが、ここではそれらをまとめてRC回路30としている。
【0035】
ステッパモータ駆動回路1は、シリアルパラレル変換部11、波形パターン発生部12、誘導電圧比較部14、ゼロ検制御部15及び出力バッファ部16を有する。
【0036】
シリアルパラレル変換部11は計数データ入力端子RXDを介して計数装置2から送出されてくる上記計数データを受信し、コイルC1及びC2に供給する励磁信号に対応するパラレルデータに変換して波形パターン発生部12に供給する。
【0037】
波形パターン発生部12は、図示しないフィルタ部、SIN/COS変換部、パルス幅変調(PWM)出力部から基本的に構成される。フィルタ部では受信したパラレルデータに対してそれぞれ所定の演算式に基づいてフィルタ処理をする。SIN/COS変換部は、フィルタ部での演算結果を基にSIN/COSの象限データ及びSIN/COSデータを所定時間毎に更新してPWM出力部に出力する。PWM出力部は、SIN/COS変換部からの所定時間毎に更新されるデータをPWM信号に変換して、コイルC1及びC2に供給する励磁信号を生成して、励磁信号出力端子TX1a、TX1b、TX2a、及びTX2bに供給する。波形パターン発生部12はまた、ゼロ検制御部15からの指令信号に応答して後述する励磁信号(C1a、C1b、C2a及びC1b信号)を生成して、これを出力バッファ部16を介して、励磁信号出力端子TX1a、TX1b、TX2a、及びTX2bに供給する。波形パターン発生部12は更にまた、指針の滑らかな動きを見せるための回転子3をマイクロステップで制御する専用の駆動波形も発生し、ゼロ検制御部15は確実にゼロ検制御を行うためにこの専用の駆動波形を出力するように制御することもできる。
【0038】
誘導電圧比較部14は、コンパレータから基本的に構成されており、端子RXIから供給される誘導電圧を受けて上記指針6がストッパ7に当接したかどうかを検出するための基準となる予め設定された基準電圧値とを比較し、比較結果をゼロ検制御部15に供給する。この基準電圧は、温度及び経年変化等に応じて、基準電圧設定端子RXRにより変更可能である。基準電圧設定端子RXRは、例えば、1組のピンスイッチの組み合わせにより構成される。使用環境や経時変化等を考慮して、上記基準電圧を変更することができる。
【0039】
ゼロ検制御部15は、誘導電圧比較部14からの比較結果及びゼロ検指令信号入力端子RXZからのゼロ検指令信号に応答して、波形パターン発生部12に後述する図2に示す励磁信号(C1a、C1b、C2a及びC2b信号)の生成を指令し、生成されたこの励磁信号を出力バッファ部16を介して出力させると共にゼロ検処理中であることを示すゼロ検モニタ信号を出力する。またゼロ検制御部15は、計数装置2からのゼロ検指令信号に応答して、シリアルパラレル変換部11に計数データの格納を停止するように指令を出す。
【0040】
更にゼロ検制御部15は、上記励磁信号に同期して所定のタイミングで第1及び第2検出タイミング信号を生成し、それぞれのタイミングで対応する出力バッファ部16を波形パターン発生部12から切り離す。これら第1及び第2検出タイミング信号は、誘導電圧比較部14にも供給される。
【0041】
なお、計数装置2は、インターフェース(I/F)22によって所定の信号レベルに変換された図示しない速度センサから送出されるセンサ出力PSが入力される。ステッパモータ駆動回路1の端子TXMからのゼロ検モニタ信号がH(アクティブ)の状態で入力してきた上記センサ出力PSに基づいて計数装置2は、この装置の有するソフトウエアプログラムによりセンサ出力PSとそれに対応するステッパモータの目標回転角を算出し、この目標回転角にステッパモータを回転制御するための角度データ(又は計数データと記載)を生成し計数データ出力端子TXDから出力する。また計数装置2は、イグニッションスイッチ等の電源ON信号をトリガーとして、ゼロ検指令信号を生成しゼロ検指令信号出力端子TXZから出力する。
【0042】
更に計数装置2は、ゼロ検モニタ信号受信端子RXMを備え、ステッパモータ駆動回路1からゼロ検モニタ信号を受信する。ゼロ検モニタ信号のLからHへの変化、すなわち、ゼロ検終了に応答して、計数装置2は上記計数データの計数機構を初期値に設定する。なお、計数装置2はゼロ検モニタ信号がLの期間では、上記センサ出力PSには応答せず、したがって上記計数データの生成は行わず出力端子TXDにはデータの送出も行わない。また、本実施形態ではゼロ検指令信号を端子TXZから入力しているが、これをシリアルデータに付け加えステップモータ駆動回路1内で判断させ生成させることも可能である。
【0043】
次に図2及び図3を用いて、本実施形態の各励磁ステップ、信号波形、各検出タイミング信号、及び回転子の回転パターンの関係を説明しながら、本実施形態を説明する。
【0044】
図2は、本実施形態による励磁信号の各励磁ステップにおける信号波形、並びに第1及び第2検出タイミング信号の関係を示す図である。図3は、図2の各励磁ステップ及び回転子の回転パターンの関係を示す図である。括弧内の数字は回転子の回転角である。長方形の中の数字はステップ番号を示す。回転子3はそれぞれ5つのN極及びS極が交互に均等に着磁された5磁極対である。ゼロ検時には矢印で示す半時計周りの方向に回転子3が回転するものと想定する。そして、励磁ステップ7a(又は7b)に同期させて、指針がストッパに当接するように初期設定されているとする。
【0045】
回転子を回転させるための励磁信号は、C1a信号、C1b信号、C2a信号及びC2b信号からなり、これらはH(ハイレベル)及びL(ローレベル)の組み合わせにより構成される。このHは例えば5ボルトであり、Lは0ボルトである。コイルC1の両端子a及びbにはそれぞれ図2に示されているようなC1a信号、及びC1b信号が供給される。同様にコイルC2の両端子a及びbにはそれぞれC2a信号及びC2b信号が供給される。これら信号が供給された各コイルC1及びC2は、それらの端子a及びbに供給される上記信号の電位差に応じて電流が流れ、回転子に対抗するコイル端部がN極又はS極になり、回転子に均等に着磁されたN又はS極に反発又は吸引されて回転子を回転駆動する。これらの励磁信号はゼロ検制御部15からの指令に応答して、波形パターン発生部12で生成され、出力バッファ部16を介して出される。
【0046】
図2及び図3において、図1で示したように回転子3にギア連結された指針6がストッパ7で定められたゼロ位置方向に移動するように回転子を回転させるための励磁信号の1サイクルは、複数の励磁ステップ1、7a、7b、5a、5b、4、3及び2で構成されている。
【0047】
励磁ステップ1の励磁信号(C1a信号、C1b信号、C2a信号及びC2b信号からなる)とそれに対応する図3に示すような回転子の回転パターンが同期しており、励磁ステップが1、7a、7b、5a、5b、4、3及び2の順に遷移するにしたがって、回転子は図3に示すように所定の角度ずつ回転していく。例えば、各ステップはそれぞれ、32msずつ割り当てられている。
【0048】
詳述すると、括弧内の回転角で示されるように、励磁ステップ1から7aに遷移する際には、回転子はその励磁信号(C1a信号、C1b信号、C2a信号及びC2b信号)によって、回転角0度から18度に角度変移する。励磁ステップ7aから7bに遷移する際には、励磁信号の波形は変化しないので回転角は18度のままである。励磁ステップ7bから励磁ステップ5aに遷移する際には回転角18度から36度に角度変移する。励磁ステップ5aから5bに遷移する際には、励磁信号の波形は変化しないので回転角は36度のままである。
【0049】
励磁ステップ5bから励磁ステップ4に遷移する際には、角度変移量は9度となり、回転角36度から45度に角度変移する。同様に、励磁ステップ5から4、励磁ステップ4から3及び励磁ステップ3から2にそれぞれ遷移する際も、角度変移は9度ずつであり、それぞれのステップに対応する回転角は、45度、54度、及び63度となる。なお、励磁ステップ2から次のサイクルの励磁ステップ1に遷移する際の角度変移量も9度である。
【0050】
このように検出ステップ7a、7b、及び5a、5bに他のステップから遷移する際に回転子3の回転量が大きくなるので、それに応じて磁束変化による誘導電圧も増大する。この結果、回転子3が回転している際、すなわち、未だ指針6がストッパ7に当接していない際の誘導電圧が確実に検出できるようになる。もちろん、指針6がストッパ7に当接した際には上記誘導電圧はゼロに近くなるはずなので、指針6がストッパ7に当接している時としてないときの誘導電圧の差が大きくなる。この結果、指針6がストッパ7に当接したかどうかの判断が容易になり、すなわち、ゼロ検が確実にできるようになる。
【0051】
ゼロ検時には、上述のような複数の励磁ステップからなるサイクルが、指針6がストッパ7に当接して回転子3が回転できなくなるまで、すなわち、コイルC1又はコイルC2により検出される誘導電圧が、検出ステップ5a、5b、7a、7bにおいて、所定の基準電圧を下回るまで原則的に繰り返される。
【0052】
第1検出タイミング信号は上記検出ステップ5a及び5bのタイミングで、コイルC1に発生する誘導電圧を検出するため制御信号である。この検出タイミング信号に応答して、図1で示したRC回路30を介して、検出された誘導電圧が誘導電圧比較部14に供給される。
【0053】
また、第2検出タイミング信号は上記検出ステップ7a及び7bのタイミングで、コイルC2に発生する誘導電圧を検出するため制御信号である。この検出タイミング信号に応答して、図1で示したRC回路30を介して、検出された誘導電圧が誘導電圧比較部14に供給される。
【0054】
上記第1及び第2検出タイミング信号がそれぞれH(ハイレベル)となる検出ステップ7a、7b、及び5a、5bにおいては回転子3を回転させるための駆動電圧は片励磁状態である(後述の図2参照)。すなわち、コイルC1及びC2が、駆動用及び誘導電圧検出用としてより実用的に兼用化できることになる。これにより検出専用コイルが不要になるので、ステッパモータ筐体の小型化が可能になる。
【0055】
これらの各検出タイミングで誘導電圧比較部14に供給された誘導電圧は、指針6がストッパ7に当接したと判定するために予め定められた所定の基準電圧と比較されることになる。すなわち、これらの検出タイミングでは、指針6がストッパ7に当接してない限り、回転子3が回転するので誘導電圧が発生する。指針6がストッパ7に当接すると、回転子はそれ以上図3に示す方向には回転することができないので誘導電圧は発生せず上記基準電圧を下回り、これにより指針のゼロ位置復帰動作が終了したと判断することができる。
【0056】
上述のように、指針6がストッパ7に当接するタイミングに同期して、1サイクルのうちの特定の連続するステップ7及び5に渡って、第1及び第2コイルC1及びC2を誘導電圧を検出するためのコイルとして機能させる。このように2つのコイルを用いて、誘導電圧の検出を1サイクルのうちの連続するステップに渡って行えるようにしているので、周囲温度や部品のバラツキにより、ストッパ当接時における回転子のパターンが変動しても、当接時の誘導電圧を検出できる可能性が高くなる。(ステップ7で当接を検出できなくてもステップ5で検出できる可能性がある。)換言すると、使用するモータの内部ストッパ寸法精度が緩和されるともいえる。もちろん、上記2つのコイルC1及びC2は基本的に駆動用でもあるので、本実施形態により部品点数が増加することもない。
すなわち、本実施形態によると、駆動用コイルC1及びC2を効果的に誘導電圧検出用コイルとして兼用することによって、部品点数を増加させることなく、確実にストッパ7の当接/未当接の判断ができるようになり、ゼロ検も確実にできるようになる。
【0057】
また、図1の適用例で示したように、本実施形態のステッパモータ駆動回路は車載用として非常に有用である。すなわち、車両では、各種の雑音や振動等が発生しやすく、計数機構による計数値と、ステッパモータの回転子3の位置関係との同期がずれる可能性のある環境にある。したがって、このような環境下及び条件下の車内に、本実施形態のステッパモータ駆動回路を採用することは、非常に有効である。また、上述したように駆動用コイルと誘導電圧検出用コイルの兼用化により、ステッパモータ筐体の小型化が可能になるので、居住スペースが限られた車内に本実施形態のステッパモータ駆動回路を採用することは、非常に有用である。
【0058】
更に、図4及び図5を用いて本実施形態の効果を追加説明していく。図4は、本実施形態の基本となる励磁信号の各励磁ステップにおける信号波形を示す図である。図5は、図4の各励磁ステップ及び回転子の回転パターンの関係を示す図である。これら図4及び図5において示される参照番号等は、前述の図2及び図3で示したものと同様の意味を示す。また、その基本作用も前述の図2及び図3で示したと同様である。
【0059】
例えば、長方形の中の数字はステップ番号を示し、括弧内の数字は回転子の回転角を示す。回転子はそれぞれ5つのN極及びS極が交互に均等に着磁された5磁極対である。回転子を回転させるための励磁信号は、コイルC1に対してのC1a信号、C1b信号、及びコイルC2に対してのC2a信号及びC2b信号から構成される。そして、この励磁信号が供給されたコイルC1及びC2と回転子のN極及びS極との吸引/反発作用によって、回転子が回転駆動される。
【0060】
ここで示す基本となる励磁信号は、回転子を各ステップ間遷移時に同角度づつ、すなわち9度づつ回転させるものである。この励磁信号の1サイクルは、励磁ステップ1、8、7、6、5、4、3及び2から構成されている。例えば、各励磁ステップはそれぞれ、32msずつ割り当てられている。
【0061】
これら図4及び図5と、前述の実施形態を示す図2及び図3とを比較すればわかるように、上記基本励磁信号の1サイクルを構成するステップのうちの特定励磁ステップ8が次励磁ステップ7に置換された検出ステップ7a、7b、また特定励磁ステップ6が次励磁ステップ5に置換された検出ステップ5a、5bが設けられて、図2及び図3に示すような本実施形態の励磁信号が生成される。つまり、特定励磁ステップ8がスキップされ、代わりに励磁ステップ7が連続的に割り当てられ、また特定励磁ステップ6がスキップされ、代わりに励磁ステップ5が連続的に割り当てられることになる。
【0062】
したがって、励磁ステップ1から一気にステップ7に遷移するようになり、回転子3もこの間の励磁信号の変化に応じて通常励磁ステップの2倍の角度回転することになる。また、励磁ステップ7から一気にステップ5に遷移するようになり、ここでも通常励磁ステップの2倍の角度回転することになる。
【0063】
このように、検出ステップ7a、7b、及び5a、5b以外では各励磁ステップごとに等角度毎回転することによりスムーズに回転子3の回転運動を維持しつつ、検出ステップ7a、7b、及び検出ステップ5a、5bによりそれぞれ一気に基本励磁ステップの2倍の角度回転し、更にこれらは連続的発生するので、より大きな誘導電圧をより長時間検出できるようになり、指針6がストッパ7に当接した際の誘導電圧との差がより明確になり、より確実にゼロ検が行えるようになる。
【0064】
また、この基本励磁信号は、ゼロ検以外の通常時にステッパモータを駆動する励磁信号として用いられる。この際には、各ステップの割当時間は所望の値に設定されることになる。
ゼロ検時以外の通常時には、上記図4で示す各ステップが、計数装置(計数機構)から供給される角度データに応じて、図中、右から左(順方向)又は左から右(逆方向)に遷移して、第1及び第2コイルC1及びC2に供給されることにより、回転子を時計回り又は半時計回りに回転させ、指針6を角度データに応じた量だけ位置制御することになる。
【0065】
このように、ゼロ検時及び通常時に利用される回転子の励磁信号は、検出ステップ7a、7b、5a、5bを除き同じになる。したがって、ゼロ検時及び通常時それぞれに対して全く別パターンの信号が用いられることがないので、回転子3の駆動制御が必要以上に複雑化することはない。
【0066】
なお、上述してきた本実施形態ではステッパモータ駆動回路はひとつのステッパモータのみを駆動しているが、時分割制御することによりタコメータ、燃料計、温度計、ターボメータ等に対応する複数のステッパモータも駆動することもできる。その場合には、各ステッパモータに対応するゼロ検も上述してきた実施形態に示す方式を時分割的に適用すればよい。
【0067】
また、本実施形態では励磁ステップ1でコイルC2が、N極を引っ張るようにしているが、S極を引っ張るようにしてもよい。その際には、ストッパ7に当接した際の回転子3の回転パターンや各励磁ステップでの信号波形は本実施形態とは異なるものになる。
【0068】
更に、本発明はゼロ検時の回転子の回転方向は本実施形態に示した方向に限定するものではない。コイルC1及びC2の配極変更、ストッパの位置変更等も可能である。例えば、ゼロ位置検出時のみに出現するストッパにより定められる位置を上記ゼロ位置としてもよい。
【0069】
また更に、励磁信号は8ステップを1サイクルとするタイプに限定するものでなく、例えば、4ステップを1サイクルとするタイプでもよいし、回転子も5磁極対に限定するものでなく、例えば、3磁極対であってもよい。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、被駆動部材の一部がストッパ7に当接するタイミングに同期して、1サイクルのうちの特定の連続するステップ7及び5に渡って、第1及び第2コイルC1及びC2を誘導電圧を検出するためのコイルとして機能させる。このように2つのコイルを用ることにより、誘導電圧の検出を1サイクルのうちの連続するステップに渡って行えるようにしているので、周囲温度や部品のバラツキにより、被駆動部材の一部がストッパ7に当接するタイミングとそのときの回転子3のパターンの関係に変化があっても、誘導電圧を検出できる可能性が高くなる。換言すると、使用するモータの内部ストッパ寸法精度が緩和されるともいえる。もちろん、上記2つのコイルC1及びC2は基本的に駆動用であるので、本発明により部品点数が増加することはない。すなわち、本発明によると、駆動用コイルC1及びC2を効果的に誘導電圧検出用コイルとして兼用することによって、部品点数を増加させることなく、確実にストッパ7の当接/未当接の判断ができるようになり、ゼロ検も確実にできるようになる。
【0071】
請求項2記載の発明によれば、検出ステップ7a、7b、及び5a、5bに他のステップから遷移する際に回転子3の回転量が大きくなるので、それに応じて磁束変化による誘導電圧も増大する。この結果、回転子3が回転している際、すなわち、未だ被駆動部材の一部ががストッパ7に当接していない際の誘導電圧が確実に検出できるようになる。もちろん、被駆動部材の一部がストッパ7に当接した際には上記誘導電圧はゼロに近くなるはずなので、それが当接している時としてないときの誘導電圧の差が大きくなる。この結果、被駆動部材の一部がストッパ7に当接したかどうかの判断が容易になり、すなわち、ゼロ検が確実にできるようになる。
【0072】
請求項3記載の発明によれば、励磁ステップ1から一気にステップ7に遷移するようになり、回転子3もこの間の励磁信号の変化に応じて通常励磁ステップの2倍の角度回転することになる。また、励磁ステップ7から一気にステップ5に遷移するようになり、ここでも通常励磁ステップの2倍の角度回転することになる。すなわち、2倍の回転角を有するステップが連続することになるので、より大きな誘導電圧をより長時間検出できるようになる。この結果、被駆動部材の一部がストッパ7に当接した際の誘導電圧との差がより明確になり、より確実にゼロ検が行えるようになる。
また、検出ステップ7a、7b、及び5a、5b以外では各励磁ステップごとに等角度毎回転するので、スムーズに回転子3の回転運動が維持されつつ、上記の効果が得られることになる。
【0073】
請求項4記載の発明によれば、ゼロ検時及び通常時に利用される回転子3の励磁信号が検出ステップ7a、7b、5a、5bを除き同じになる。したがって、ゼロ検時及び通常時それぞれに対して全く別パターンの回転子駆動信号が用いられることがないので、回転子3の駆動制御が必要以上に複雑化することがない。
【0074】
請求項5記載の発明によれば、ステッパモータ駆動回路は車載される。すなわち、車両では、各種の雑音や振動等が発生しやすく、上記計数機構による計数値と、ステッパモータの回転子3の位置関係との同期がずれる可能性のある環境にある。したがって、本発明のステッパモータ駆動回路をこのような環境下及び条件下において適用することは、非常に有効である。また、上述したように駆動用コイルと誘導電圧検出用コイルの兼用化により、ステッパモータ筐体の小型化が可能になるので、居住スペースが限られた車両に本発明を適用することは、非常に有効になる。
【0075】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のステッパモータ駆動回路及びその適用例を示すブロック図である。
【図2】本実施形態による励磁信号の各励磁ステップにおける信号波形、並びに第1及び第2検出タイミング信号の関係を示す図である。
【図3】図2の各励磁ステップ及び回転子の回転パターンの関係を示す図である。
【図4】基本となる励磁信号の各励磁ステップにおける信号波形を示す図である。
【図5】図4の各励磁ステップ及び回転子の回転パターンの関係を示す図である。
【図6】想定される励磁信号の各励磁ステップにおける信号波形、及び検出タイミング信号の関係を示す図である。
【図7】図6の各励磁ステップ及び回転子の回転パターンの関係を示す図である。
【符号の説明】
1 ステッパモータ駆動回路
2 計数装置
3 回転子
4 中間ギア
5 出力ギア
6 指針
7 ストッパ
8 目盛り

Claims (5)

  1. N極及びS極が交互に均等に着磁された回転子、並びに複数の励磁ステップで1サイクルが構成される励磁信号に応答して前記回転子を回転させる、相互に所定の角度で配置された第1及び第2コイルを有するステッパモータと、
    前記回転子により駆動される指針がストッパで定められるゼロ位置方向に移動するように前記回転子を回転させる前記励磁信号を生成し、前記第1及び第2コイルに供給する励磁信号供給手段と、
    前記回転子の回転に伴い発生する誘導電圧に基づいて被駆動部材の一部が前記ストッパに当接したかどうかを判断する当接判断手段と、
    前記当接判断手段による判断に基づいて、前記被駆動部材の一部が前記ストッパに当接した位置を計数機構に同期させる同期機能を備えたステッパモータ駆動回路であって、
    前記励磁信号は、前記第1コイルに供給される第1励磁信号及び前記第2コイルに供給される第2励磁信号から構成され、
    前記第1及び第2励磁信号は、前記被駆動部材の一部が前記ストッパに当接するタイミングに同期して、前記1サイクルの一部を構成する、特定の連続する複数のステップに渡って、前記第1及び第2コイルを誘導電圧検出用のコイルとして機能させるための、検出ステップをそれぞれ含む
    ことを特徴とするステッパモータ駆動回路。
  2. 請求項1のステッパモータ駆動回路において、
    前記励磁信号は、前記検出ステップに他のステップから遷移する際の前記回転子の回転量が、他のステップ間遷移時の前記回転量よりも、大きくなるような信号波形を含む
    ことを特徴とするステッパモータ駆動回路。
  3. 請求項1又2いずれか記載のステッパモータ駆動回路において、
    前記検出ステップは、ステップ間遷移時に前記回転子を等角度ずつ回転させる複数の基本励磁ステップで1サイクルが構成される基本励磁信号のうちの特定ステップがこれに続く次ステップに置換されたものである
    ことを特徴とするステッパモータ駆動回路。
  4. 請求項3記載のステッパモータ駆動回路において、
    前記計数機構から供給される計数データに応じて、前記基本励磁信号と同様の信号を、順方向又は逆方向に前記第1及び第2コイルに供給することにより、前記指針を前記計数データに応じた量だけ位置制御する指針制御手段を更に含む
    ことを特徴とするステッパモータ駆動回路。
  5. 請求項1〜4いずれか記載のステッパモータ駆動回路において、
    前記ステッパモータ駆動回路は車載される
    ことを特徴とするステッパモータ駆動回路。
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JPH1096650A (ja) * 1996-09-24 1998-04-14 Nippon Seiki Co Ltd ステッピングモータ式計器装置

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