JP4508180B2 - 光ディスク装置 - Google Patents

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本発明は、レーザ光を複数の記録層を有する多層光記録媒体に照射して情報信号を所望の記録層に記録又は再生する際に、読み出し対象の記録層である読み出し対象層以外の隣接層からのクロストーク光の影響を抑制できる光ディスク装置に関するものである。
一般的に、円盤状の光ディスクやカード状の光カードなどの光記録媒体は、映像情報とか音声情報やコンピュータデータなどの情報信号を透明基板の記録層上で螺旋状又は同心円状に形成したトラックに高密度に記録し、且つ、記録済みのトラックを再生する際に所望のトラックを高速にアクセスできることから多用されている。
この種の光記録媒体となる光ディスクとして例えばCD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などは既に市販され、最近では、より一層高密度化を図った2種類の高密度光記録媒体が流通している。すなわち、Blu−ray Disc及びHD−DVD(High Definition DVD)である。
まず、上記したCDは、波長λが780nm前後のレーザ光をNA(開口数)が0.45程度の対物レンズで絞って得たレーザビームを照射して、レーザビーム入射面から基板厚さが1.2mm隔てた位置にある記録層に情報信号が記録され、記録済みの情報信号を再生している。
また、上記したDVDは、波長λが650nm前後のレーザ光をNA(開口数)が0.6〜0.65程度の対物レンズで絞って得たレーザビームを照射して、レーザビーム入射面から基板厚さが0.6mm隔てた位置にある記録層に情報信号が記録され、記録済みの情報信号を再生している。この際、DVDの記録容量はCDよりも6〜8倍高めてディスク基板の直径が12cmの時に片面で4.7GB(ギガバイト)程度である。
また、上記したBlu−ray Discは、波長λが405nm前後のレーザ光をNA(開口数)が0.85程度の対物レンズで絞って得たレーザビームを照射して、レーザビーム入射面から基板厚さが0.1mm隔てた位置にある記録層に情報信号が記録され、記録済みの情報信号を再生している。この際、Blu−ray Discの記録容量はDVDよりも5倍程度高めてディスク基板の直径が12cmの時に片面で25GB(ギガバイト)程度である。
また、上記したHD−DVDは、波長λが405nm前後のレーザ光をNA(開口数)が0.65程度の対物レンズで絞って得たレーザビームを照射して、レーザビーム入射面から基板厚さが0.6mm隔てた位置にある記録層に情報信号が記録され、記録済みの情報信号を再生している。この際、HD−DVDの記録容量はDVDよりも3倍程度高めてディスク基板の直径が12cmの時に片面で15GB(ギガバイト)程度である。
ところで、上記したCD,DVD,Blu−ray Disc,HD−DVDの各記録容量は記録層が単層の場合であり、基板厚さも単層のときを示している。
一方、上記したBlu−ray Disc,HD−DVD,DVDには記録層が2層に積層されている光ディスク(2層光ディスク)が存在する。
この際、Blu−ray Discは記録層のトラックピッチが0.32μmで且つ2層の層間距離が25μmであり、HD−DVDは記録層のトラックピッチが0.40μmで且つ2層の層間距離が20μmであり、DVDは記録層のトラックピッチが0.74μmで且つ2層の層間距離が55μmである。
例えば、標準的なBlu−ray Discの2層光ディスクでは層間距離が25μmであるので、レーザビーム入射面から0.0875mm隔てた位置を中心として±12.5μmの位置、即ち、レーザビーム入射面から0.075mm隔てた位置と、レーザビーム入射面から0.1mm隔てた位置にそれぞれ記録層がある。この際、Blu−ray Discの基板厚さ0.0875mmで最適化されたNA(開口数)=0.85程度の対物レンズを用いてそれぞれの記録層を記録又は再生している。
また、標準的なHD−DVDの2層光ディスクでは層間距離が20μmであるので、レーザビーム入射面から0.6mm隔てた位置を中心として±10μmの位置、即ち、レーザビーム入射面から0.59mm隔てた位置と、レーザビーム入射面から0.61mm隔てた位置にそれぞれ記録層がある。この際、HD−DVDの基板厚さ0.6mmで最適化されたNA=0.65程度の対物レンズを用いてそれぞれの記録層を記録又は再生している。
また、標準的なDVDの2層光ディスクでは層間距離が55μmであるので、レーザビーム入射面から0.6mm隔てた位置を中心として±27.5μmの位置、即ち、レーザビーム入射面から0.5725mm隔てた位置と、レーザビーム入射面から0.6275mm隔てた位置にそれぞれ記録層がある。この際、DVDの基板厚さ0.6mmで最適化されたNA(開口数)=0.6〜0.65程度の対物レンズを用いてそれぞれの記録層を記録又は再生している。
ところで、片面に複数の記録層を持つ多層光ディスクを記録及び/又は再生する時に、読み出し対象の記録層である読み出し対象層以外の隣接層からのクロストーク光(公報では干渉光と記載されている)を抑制でき、周知のディファレンシャルプッシュプル法(DPP法)により検出されたトラッキグエラー信号の揺れを改善できる光ピックアップがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−203090号公報
図10は従来の光ピックアップの全体構成を示した構成図である。
図10に示した従来の光ピックアップ100は、上記した特許文献1(特開2005−203090号公報)に開示されているものであり、ここでは特許文献1を参照して簡略に説明する。
図10に示した如く、従来の光ピックアップ100は、単層の光ディスク(図示せず)は勿論のこと、レーザビーム入射面dから近い第1記録層dと、レーザビーム入射面dから遠い第2記録層dとを有し、第1記録層dと第2記録層dとの間の層間距離Sが光ディスク規格に基づいて所定値に設定された多層光ディスク(以下、2層光ディスクと記す)Dを記録及び/又は再生可能に構成されており、この光ピックアップ100は回転自在な2層光ディスクDのディスク径方向に移動自在に設けられている。
ここで、半導体レーザ光源101から出射した波長がλ(nm)のレーザ光Lは、回折格子102に入射され、この回折格子102で0次光(メインビームMB)と±1次光(一対のサブビームSB,SB)とによる3ビームに分離される。この時、分離された光の光量比−1次光:0次光:+1次光は1:10:1以上、すなわち、0次光ビーム(メインビームMB)の光量を大きく設定している。
この後、回折格子102を通過したレーザ光Lは、偏光ビームスプリッタ103に入射され、この偏光ビームスプリッタ103の内部に形成した偏光選択性誘電体多層膜103aを透過して往路のレーザ光となる一方、偏光選択性誘電体多層膜14aで一部反射されたモニタ用のレーザ光がモニタ用の光検出器104に入射され、このモニタ用の光検出器104で半導体レーザ光源101から出射したレーザ光Lのレーザ出力を監視している。
更に、偏光ビームスプリッタ103を透過した往路のレーザ光Lは、コリメータレンズ105により平行光に変換された後、立ち上げミラー106により光路を90°曲げられて上方に向かい、後述する光学部材107と、2層光ディスクDの厚み誤差による球面収差を補正するための液晶素子108と、波長λのレーザ光Lに対してλ/4の位相差を与えて円偏光光に変換する1/4波長板109とを順に経由して対物レンズ110に入射され、この対物レンズ110により絞り込まれたメインビームMBと一対のサブビームSB,SBとが第1記録層d(又は第2記録層d)上にそれぞれ合焦した状態でスポット状に照射される。
尚、111は、光学部材107,液晶素子108,1/4波長板109,対物レンズ110を一体的にフォーカス方向、トラッキング方向及び/又はチルト方向に駆動させるためのアクチュエータである。
この後、2層光ディスクDの第1記録層d(又は第2記録層d)で反射された復路の戻り光は、再び対物レンズ110を通過し、1/4波長板109により円偏光光から往路と反対方向の直線偏光光とされて、液晶素子108を通って光学部材107に入射される。
そして、上記した光学部材107では、2層光ディスクD上において読み出し対象の記録層である読み出し対象層d(又は読み出し対象層d)以外の隣接層d(又は隣接層d)で反射された0次光によるクロストーク光CRを回折させる回折領域、例えば、ホログラム領域を有しており、ここで回折された隣接層d(又は隣接層d)からのクロストーク光CRを後述する光検出器113で受光できないように抑制している。この際、前述したように、回折格子102により分離された±1次光は0次光よりも光量が大幅に小さいので、隣接層d(又は隣接層d)から±1次光よるクロストーク光は生じないので0次光よるクロストーク光CRのみを考慮すれば良いものである。
更に、光学部材107を通った戻り光は、立ち上げミラー106,コリメータレンズ105を順に通過した後に、偏光ビームスプリッタ103の偏光選択性誘電体多層膜103aで反射され、非点収差レンズ112により光検出器113上に受光され、この光検出器113からの受光出力によりメインデータ信号,フォーカスエラー信号,トラッキングエラー信号が検出されるようになっている。
ところで、従来の光ピックアップ100によれば、片面に2層の第1,第2記録層d,dを持つ2層光ディスクDを記録及び/又は再生する時に、2層光ディスクD上での読み出し対象層d(又は読み出し対象層d)以外の隣接層d(又は隣接層d)で反射された0次光によるクロストーク光CRをホログラム領域を有する光学部材107により回折させているので、隣接層d(又は隣接層d)からのクロストーク光CRが光検出器113で受光されないために、光検出器113からの検出出力を周知のディファレンシャルプッシュプル法(DPP法:Differential Push Pull法)により演算して得られたトラッキグエラー信号の揺れを改善できるものの、ホログラム領域を有する光学部材107を必要とするために光ピックアップ100が高価となってしまう。
また、2層光ディスクD上での読み出し対象層d(又は読み出し対象層d)により反射されたメインビームMB及一対のサブビームSB,SBはホログラム領域を有する光学部材107を通過する時に光量低下が生じるために、メインビームMB及一対のサブビームSB,SBを光検出器113で検出した時の検出出力が低下してしまい、メインデータ信号,フォーカスエラー信号,トラッキングエラー信号を良好に再生できなくなり、引いてはジッタの悪化を招いてしまう。
更に、ホログラム領域を有する光学部材107を対物レンズ110と一体化することで光軸合わせが容易となるものの、光学部材107,液晶素子108,1/4波長板109により重量が増加し、アクチュエータ111の感度が低下する現象も生じてしまう。
そこで、レーザ光を複数の記録層を有する多層光記録媒体に照射して情報信号を所望の記録層に記録又は再生する光ピックアップにおいて、読み出し対象の記録層である読み出し対象層以外の隣接層からのクロストーク光の影響をホログラム領域を有する光学部材を用いることなく抑制できる光ディスク装置が望まれている。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、請求項1記載の発明は、少なくとも2層以上の記録層を有する多層光記録媒体と対応して所定波長のレーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光源から出射した前記レーザ光をメインビームと一対のサブビームとに分離する回折格子と、前記メインビームと前記一対のサブビームとを読み出し対象の前記記録層である読み出し対象層上に集光させる対物レンズと、前記読み出し対象層で反射された前記メインビーム及び前記一対のサブビームに、前記読み出し対象層以外の隣接層で反射されたクロストーク光を含ませて受光する多分割受光検出器とを少なくとも備えた光ピックアップを用い、前記多分割受光検出器で受光した受光量を基にしてトラッキング制御回路で演算して得たトラッキングエラー信号により前記対物レンズを前記多層光記録媒体に対してトラッキング制御する光ディスク装置であって、
前記トラッキング制御回路は、
前記多分割受光検出器中でトラック方向に沿った直線とディスク径方向に沿った直線とを直交させて4分割された4つの領域を有する4分割受光素子で前記メインビームを受光した後に、前記4分割受光素子中でトラック方向に沿った直線を挟んで2分割された一方側の2つの領域の合計受光量と、他方側の2つの領域の合計受光量との差分を求めてメインビームのプッシュプル信号MPPを生成するMPP信号生成部と、
前記多分割受光検出器中でトラック方向に沿った直線を挟んで2分割された2つの領域をそれぞれ有する一対の2分割受光素子で前記一対のサブビームを受光した後に、前記一対の2分割受光素子中でトラック方向に沿った直線を挟んで一方側の各領域の合計受光量と、他方側の各領域の合計受光量との差分を求めてサブビームのプッシュプル信号SPPを生成するSPP信号生成部と、
前記一対のサブビーム中に含まれる前記クロストーク光の影響を抑制するために、前記一対の2分割受光素子のうちで一方の2分割受光素子の各領域の合計受光量から前記他方の2分割受光素子の各領域の合計受光量を減算して所定の係数を掛けて得た信号を、前記サブビームのプッシュプル信号SPPから減算してサブビームのプッシュプルディファレンシャル信号SPDを生成するSPD信号生成部と、
前記メインビームのプッシュプル信号MPPから前記サブビームのプッシュプルディファレンシャル信号SPDを減算してディファレンシャルプッシュプル信号DPPを生成し、このディファレンシャルプッシュプル信号DPPを前記対物レンズへのトラッキングエラー信号とするDPP信号生成部と、を備えたことを特徴とする光ディスク装置である。
本発明に係る光ディスク装置によると、とくに、トラッキング制御回路(DPP信号生成回路)でメインビームのプッシュプル信号MPP(MPP信号)からサブビームのプッシュプル信号SPP(SPP信号)に対してクロストーク光の影響を抑制できるように補正したサブビームのプッシュプルディファレンシャル信号SPD(SPD信号)を減算することで補正したディファレンシャルプッシュプル信号DPP(補正したDPP信号)を得ているため、この結果、補正したディファレンシャルプッシュプル信号DPPはクロストーク光を相殺してうねり成分を取り除いているためにうねりがなくなり、ディファレンシャルプッシュプル信号DPPの乱れを抑圧できるので、この補正したディファレンシャルプッシュプル信号DPPを対物レンズへのトラッキングエラー信号とすれば、多層光記録媒体に対して対物レンズを良好にトラッキング制御でき、且つ、ジッタの悪化を招くことなく多層光記録媒体を良好に記録又は再生できる。
また、従来例で説明したような、ホログラム領域を有する光学部材を用いていないので、メインビーム及一対のサブビームを多分割受光検出器で検出した時の検出出力が低下しないので、メインデータ信号,フォーカスエラー信号,トラッキングエラー信号を良好に再生できると共に、光ピックアップの構造が簡単となるので光ディスク装置を安価に提供できる。
以下に本発明に係る光ディスク装置の一実施例について図1〜図9を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る光ディスク装置の全体構成を示した図、
図2(a)は2層光ディスクの第1記録層(又は第2記録層)上に照射したメインビーム及び一対のサブビームと、第2記録層(又は第1記録層)からのクロストーク光とを摸式的に拡大して示した平面図であり、(b)は2層光ディスクの縦断面図、
図3(a)は2層光ディスク上に照射したメインビーム及び一対のサブビームを示した平面図であり、(b)は(a)と対応して多分割受光検出器上で受光したメイビーム及び一対のサブビームとクロストクーク光とを示した平面図、
図4は本発明の比較例となる一般的なDPP信号生成回路を示した構成図、
図5は本発明の要部となるDPP信号生成回路を示した構成図、
図6はSPD信号生成部でSPD1信号からSPD2信号を減算した場合を示した波形図、
図7はSPD信号生成部でSPD1信号とSPD2信号とを仮に加算した場合を示した波形図、
図8は一般的なDPP信号生成回路40を用いた場合の各信号の波形図、
図9は本発明のDPP信号生成回路50を用いた場合の各信号の波形図である。
図1に示した如く、本発明に係る光ディスク装置1は、この装置の内部に設けた光ピックアップ10によって、単層の光ディスク(図示せず)は勿論のこと、レーザビーム入射面dから近い第1記録層dと、レーザビーム入射面dから遠い第2記録層dとを有し、第1記録層dと第2記録層dとの間の層間距離Sが光ディスク規格に基づいて所定値に設定された多層光ディスクDを記録及び/又は再生可能に構成されている。
この際、多層光ディスクDとしては、少なくとも2層以上の記録層を有すものであれば良く、以下の実施例では第1,第2記録層d,dを有する2層光ディスクとして、先に従来技術で説明したBlu−ray Disc、又は、HD−DVD、もしくは、DVDのいずれか一つが適用可能になっている。
ここで、上記した光ピックアップ10について説明すると、この光ピックアップ10は不図示のスピンドルモータによって回転駆動される多層光ディスクDのレーザビーム入射面d側に配置されており、且つ、回転自在な多層光ディスクDのディスク径方向に移動自在に設けられている。
また、上記した光ピックアップ10内には、半導体レーザ光源11と、コリメータレンズ12と、回折格子13と、偏光ビームスプリッタ14と、モニタ用集光レンズ15と、モニタ用光検出器16と、立ち上げミラー17と、液晶素子18と、1/4波長板19と、対物レンズ20と、レンズホルダ21と、フォーカスコイル22と、トラッキングコイル23と、検出レンズ24と、シリンドリカルレンズ25と、多分割受光検出器26とが内蔵されている。
そして、上記した光ピックアップ10において、半導体レーザ光源11から出射した波長がλ(nm)のレーザ光Lは、直線偏光光(p偏光光)の発散光であり、多層光ディスク(以下、2層光ディスクと記す)DとしてBlu−ray Disc又はHD−DVDを適用した場合には設計波長λが405nm(0.405μm)前後に設定され、また、DVDを適用した場合には設計波長λが650nm(0.65μm)前後に設定されている。
そして、半導体レーザ光源11から出射した発散光のレーザ光Lがコリメータレンズ12により平行光に変換された後に、平行光束内に設置された回折格子13に入射され、この回折格子13で0次光(メインビームMB)と±1次光(一対のサブビームSB,SB)とによる3ビームに分離される。この時、分離された光の光量比−1次光:0次光:+1次光は1:10:1以上、すなわち、0次光ビーム(メインビームMB)の光量を大きく設定している。
この後、回折格子13を通過したレーザ光Lは、偏光ビームスプリッタ14に入射され、この偏光ビームスプリッタ14の内部に形成した偏光選択性誘電体多層膜14a(p偏光光:95%透過、5%反射、s偏光光:反射)で略95%透過して往路のレーザ光となる一方、偏光ビームスプリッタ14の偏光選択性誘電体多層膜14aで略5%反射されたモニタ用のレーザ光がモニタ用集光レンズ15を介してモニタ用光検出器16に入射され、このモニタ用光検出器16で半導体レーザ光源11から出射したレーザ光Lのレーザ出力を監視している。
更に、偏光ビームスプリッタ14を透過した往路のレーザ光Lは、立ち上げミラー17により光路を90°曲げられて上方に向かい、2層光ディスクDの厚み誤差による球面収差を補正するための液晶素子18と、波長λのレーザ光Lに対してλ/4の位相差を与えて円偏光光に変換する1/4波長板19とを順に経由して、所定のNA(開口数)を有する対物レンズ20に入射される。この際、対物レンズ20を取り付けたレンズホルダ21の外側には、フォーカスコイル22とトラッキングコイル23とが取り付けられている。
尚、この実施例では、2層光ディスクDの厚み誤差による球面収差を補正するために液晶素子18を用いているが、これに限ることなく、液晶素子18を用いずに、2層光ディスクDの厚み誤差に応じてコリメータレンズ12を不図示のレンズ移動手段を介して光軸方向に移動させる方法でも良い。
上記した対物レンズ20の所定のNA(開口数)は、2層光ディスクDとしてBlu−ray Discを適用した場合には0.85程度に設定され、また、HD−DVDを適用した場合には0.65程度に設定され、更に、DVDを適用した場合には0.6〜0.65程度に設定されている。
そして、対物レンズ20により絞り込まれた往路のレーザ光Lは、回折格子13により3ビームに分離されたメインビームMB及び一対のサブビームSB,SBの状態で2層光ディスクDの第1記録層d(又は第2記録層d)上にそれぞれスポット状に合焦された後に反射されて対物レンズ20側に戻ると共に、第1記録層d(又は第2記録層d)に対して隣接層となる第2記録層d(又は第1記録層d)でメインビームMBと同心的に反射されたクロストーク光(0次光)CRは合焦されていないのでメインビームMBのスポット径よりも数10倍大径の状態で対物レンズ20側に戻る。
ここで、図2(a),(b)に拡大して示したように、回折格子13(図1)により分離されたメインビームMB及び一対のサブビームSB,SBを対物レンズ20(図1)で絞り込んだ後に、メインビームMB及び一対のサブビームSB,SBを、2層光ディスクD上で読み出し対象の記録層である読み出し対象層d(又は読み出し対象層d)上に集光させた時に、2層光ディスクD上の読み出し対象層d(又は読み出し対象層d)は、凹状のグルーブ(溝)と凸状のランドとが所定のトラックピッチTPで交互に螺旋状に形成されているので、メインビームMBは読み出し対象層d(又は読み出し対象層d)中でトラックを形成する凹状のグルーブ(又は凸状のランド)上に集光される一方、一対のサブビームSB,SBは凹状のグルーブ(又は凸状のランド)に隣り合う一方と他方の凸状のランド(又は凹状のグルーブ)上にメインビームMBを中心にして対称に集光され、この後、読み出し対象層d(又は読み出し対象層d)でメインビームMB及び一対のサブビームSB,SBが反射されると共に、読み出し対象層d(又は読み出し対象層d)以外の隣接層d(又は隣接層d)でクロストーク光CRがメイビームMBと同心的に半径rで反射されて、メインビームMB及び一対のサブビームSB,SBにクロストーク光CRが含まれた復路の戻り光となる。
この際、2層光ディスクD上に集光された一対のサブビームSB,SBのうちで一方のサブビームSBはメインビームMBよりも先行し、他方のサブビームSBはメインビームMBの後に続くものである。
また、2層光ディスクD上でメインビームMBと同心的に反射されるクロストーク光CRの半径r(μm)は、2層光ディスクDのトラックピッチTPの略半分程度であるメインビームMB及び一対のサブビームSB,SBの各スポット径よりも数10倍大きな値であるが、図示の都合上、メインビームMB及び一対のサブビームSB,SBの各スポット径を摸式的に拡大して図示している。
再び図1に戻り、2層光ディスクDで反射されて対物レンズ20に再入射したメインビームMB及び一対のサブビームSB,SBにクロストーク光CRが含まれた復路の戻り光は、1/4波長板19を通過して往路とは偏光方向が直交した直線偏光光(s偏光光)となり、液晶素子18、立ち上げミラー17を経由した後、復路の戻り光は偏光ビームスプリッタ14の偏光選択性誘電体多層膜14aで反射されて、検出レンズ24で集光された後に、2層光ディスクDのトラック方向に対して45°傾けて設置したシリンドリカルレンズ25で非点収差が与えられて、メインビームMB及び一対のサブビームSB,SBにクロストーク光CRが含まれた復路の戻り光が多分割受光検出器26上に結像される。
上記した多分割受光検出器26は、この実施例の要部を構成する部材の一部であり、図3(a)に拡大して示した2層光ディスクD上に集光させたメインビームMB及び一対のサブビームSB,SBと対応させて図示すると、図3(b)に拡大して示した如くとなる
即ち、図3(b)に拡大して示した如く、上記した多分割受光検出器26は、メインビームMBを検出するために2層光ディスクDのトラック方向に沿った直線とディスク径方向に沿った直線とを直交させて4分割された4つの検出領域A〜Dを有する4分割受光素子26Aと、一対のサブビームSB,SBのうちで一方のサブビームSBを検出するために2層光ディスクDのトラック方向に沿った直線を挟んで2分割された2つの検出領域E,Fを有する一方の2分割受光素子26Bと、一対のサブビームSB,SBのうちで他方のサブビームSBを検出するために2層光ディスクDのトラック方向に沿った直線を挟んで2分割された2つの検出領域G,Hを有する他方の2分割受光素子26Cとで構成されている。
尚、以下の説明において、各受光素子26A〜26C中の符号A〜Hは、各領域を示すと共に、各領域で受光した時の各受光量も示すものとする。
この際、多分割受光検出器26の各受光素子26A〜26Cは、それぞれ同じ外形サズで正方形状に形成され、各1辺の幅がWに設定されていると共に、中央に4分割受光素子26Aが配置され、この4分割受光素子26Aを中心としてこの両側に2分割受光素子26B,26Cが所定の中心間隔KP,KPを隔ててそれぞれ配置されている。
そして、2層光ディスクDで反射された復路の戻り光が、2層光ディスクDのトラック方向に対して45°傾けて設置したシリンドリカルレンズ25を通過したときに、対物レンズ20の再入射時に対して90°回転して多分割受光検出器26上にメインビームMBと一対のサブビームSB,SBとが図示の配置関係で受光されると共に、クロストーク光CRがメインビームMBと一対のサブビームSB,SBとを含んだ半径RでメインビームMBと同心的に受光されている
この後、図1に示したように、多分割受光検出器26からの出力は、光ディスク装置1内に設けたRF信号処理回路30と、フォーカス制御回路35と、トラッキング制御回路50とにそれぞれに入力されている。
ここで、まず、上記したRF信号処理回路30では、メインビームMBを受光した4分割受光素子26A内の4つの検出領域A〜Dの各受光量を加算して、RF信号を下記の式1より求めており、このRF信号は2層光ディスクDの読み出し対象層d(又は読み出し対象層d)に記録されたメインデータ信号となる。尚、4分割受光素子26A内で受光したメインビームMBの受光量は大きいので、このメインビームMBと同心的にクロストーク光CRが4分割受光素子26A内で受光されても、RF信号(メインデータ信号)はクロストーク光CRに殆ど影響されない。
[数1]
RF信号=(A+B+C+D) ………式1
次に、上記したフォーカス制御回路35では、周知の非点収差法を用いて、メインビームMBを受光した4分割受光素子26A内の4つの検出領域A〜D中で一方の対角領域(A+C)と他方の対角領域(B+D)の各受光量の差分を演算し、フォーカスエラー信号FEを下記の式2より求め、このフォーカスエラー信号FEを光ピックアップ10内のフォーカスコイル22に供給して対物レンズ20を2層光ディスクDに対してフォーカス制御している。この際、フォーカスエラー信号FEは、4分割受光素子26Aで受光したメインビームMBを利用しているので、クロストーク光CRに殆ど影響されない。
[数2]
フォーカスエラー信号={(A+C)−(B+D)} ………式2
次に、上記したトラッキング制御回路50は、本発明の要部の一部を構成するものであり、とくに、トラッキング制御回路として改良した後述するDPP信号生成回路50(図5)を用いてクロストーク光CRの影響を抑制できるように対策が図られたものである。そして、後述するようにDPP信号生成回路50(図5)で演算して得た補正後のディファレンシャルプッシュプル信号DPPをトラッキングエラー信号TEとして用いており、補正後のディファレンシャルプッシュプル信号DPPを光ピックアップ10内のトラッキングコイル23に供給して対物レンズ20を2層光ディスクDに対してトラッキング制御している。
ここで、本発明の要部の一部を構成するトラッキング制御回路50を説明する前に、本発明に対する比較例のトラッキング制御回路となる一般的なDPP信号生成回路40について図4を用いて説明する。
図4に示した如く、本発明の比較例となる一般的なDPP信号生成回路40は、メインビームのプッシュプル信号MPPを得るMPP信号生成部と、サブビームのプッシュプル信号SPPを得るSPP信号生成部と、メインビームのプッシュプル信号MPPからサブビームのプッシュプル信号SPPを減算して一般的なディファレンシャルプッシュプル信号DPPを得るDPP信号生成部とから構成されている。
より具体的に説明すると、DPP信号生成回路40内のMPP信号生成部では、メインビームMBを受光した4分割受光素子26A内の4つの検出領域A〜D中でトラック方向に沿った直線を挟んで2分割された一方側の2つの領域(A+B)の合計受光量と、他方側の2つの領域(C+D)の合計受光量との差分を減算器41により演算してメインビームのプッシュプル信号MPP(MPP信号)={(A+B)−(C+D)}を得ており、このメインビームのプッシュプル信号MPPを後述する減算器45に入力している。
また、DPP信号生成回路40内のSPP信号生成部では、一方のサブビームSBを受光した一方の2分割受光素子26B中でトラック方向に沿った直線を挟んで2分割された領域Eと領域Fの各受光量の差分を減算器42により演算し、且つ、他方のサブビームSBを受光した他方の2分割受光素子26C中でトラック方向に沿った直線を挟んで2分割された領域Gと領域Hの各受光量の差分を減算器43により演算し、両減算器42,43からの各出力を反転器44に通すことで、サブビームのプッシュプル信号SPP(SPP信号)={(E−F)+(G−H)}を得ており、これを言い換えると、一対の2分割受光素子26B,26C中でトラック方向に沿った直線を挟んで一方側の各領域E,Gの合計受光量と、他方側の各領域F,Hの合計受光量との差分からサブビームのプッシュプル信号SPP(SPP信号) ={(E+G)−(F+H)}を生成することと等価である。そして、このサブビームのプッシュプル信号SPPを後述する減算器45に入力している。この際、2つの減算器42,43と反転器44とでSPP信号生成部が構成されているが、これに限ることなく、上記から2つの加算器と減算器とで構成することも可能である。
この後、DPP信号生成回路40内のDPP信号生成部では、メインビームのプッシュプル信号MPP(MPP信号)とサブビームのプッシュプル信号SPP(SPP信号)との差分を減算器45で求めて、一般的なディファレンシャルプッシュプル信号DPP(一般的なDPP信号)を得ており、この一般的なディファレンシャルプッシュプル信号DPPは下記の式3で表すことができる。
[数3]
一般的なDPP信号=MPP信号−SPP信号
={(A+B)−(C+D)}−{(E−F)+(G−H)}
={(A+B)−(C+D)}−{(E+G)−(F+H)} ………式3
ここで、上記した一般的なDPP信号をトラッキングエラー信号TE(図1)として用いた場合、一対のサブビームSB,SBを受光した一対の2分割受光素子26B,26Cには、前述しように2層光ディスクDの読み出し対象層以外の隣接層で反射されたクロストーク光CR(図2)の受光量が含まれており、且つ、一対のサブビームSB,SBの各受光量はメインビームMBに対して1/10以下であるので、クロストーク光CRの影響が出てしまい良好なトラッキングエラー信号TEとなり得ない。
そこで、本発明に係る光ディスク装置1では、上記した一般的なDPP信号生成回路40に対してクロストーク光CRへの影響を抑制できるように一部改良を図り、図5に示したように一部改良を図ったDPP信号生成回路50をトラッキング制御回路として適用している。
即ち、図5に示した如く、本発明の要部となるDPP信号生成回路50は、メインビームのプッシュプル信号MPPを得るMPP信号生成部と、サブビームのプッシュプル信号SPPを得るSPP信号生成部と、サブビームのプッシュプル信号SPPから一対のサブビームの各合計受光量の差分に対して所定のゲインを掛けた信号を減算することで、サブビームのプッシュプル信号SPPに対して補正したサブビームのプッシュプルディファレンシャル信号SPDを得るSPD信号生成部と、メインビームのプッシュプル信号MPPからサブビームのプッシュプルディファレンシャル信号SPDを減算して補正したディファレンシャルプッシュプル信号DPPを得るDPP信号生成部とから構成されている。
より具体的に説明すると、DPP信号生成回路50内のMPP信号生成部では、メインビームMBを受光した4分割受光素子26A内の4つの検出領域A〜D中でトラック方向に沿った直線を挟んで2分割された一方側の2つの領域(A+B)の合計受光量と、他方側の2つの領域(C+D)の合計受光量との差分を減算器51により演算してメインビームのプッシュプル信号MPP(MPP信号)={(A+B)−(C+D)}を得ており、このメインビームのプッシュプル信号MPPを後述する減算器60に入力している。
また、DPP信号生成回路50内のSPP信号生成部では、一方のサブビームSBを受光した一方の2分割受光素子26B中でトラック方向に沿った直線を挟んで2分割された領域Eと領域Fの各受光量の差分を減算器52により演算し、且つ、他方のサブビームSBを受光した他方の2分割受光素子26C中でトラック方向に沿った直線を挟んで2分割された領域Gと領域Hの各受光量の差分を減算器53により演算し、両減算器52,53からの各出力を反転器54に通すことで、サブビームのプッシュプル信号SPP(SPP信号)={(E−F)+(G−H)}を得ており、これを言い換えると、一対の2分割受光素子26B,26C中でトラック方向に沿った直線を挟んで一方側の各領域E,Gの合計受光量と、他方側の各領域F,Hの合計受光量との差分からサブビームのプッシュプル信号SPP(SPP信号) ={(E+G)−(F+H)}を生成することと等価である。そして、このサブビームのプッシュプル信号SPPを後述する減算器59に入力している。この際、2つの減算器52,53と反転器54とでSPP信号生成部が構成されているが、これに限ることなく、上記から2つの加算器と減算器とで構成することも可能である。
従って、メインビームのプッシュプル信号MPPと、サブビームのプッシュプル信号SPPとを得る回路構成は、先に図4を用いて説明した本発明の比較例となる一般的なDPP信号生成回路40の場合と同じであるものの、この一般的なDPP信号生成回路40に対して一部改良した点は、DPP信号生成回路50内にクロストーク光CRへの影響を抑制するためのSPD信号生成部を追加している。
即ち、DPP信号生成回路50内のSPD信号生成部では、一方のサブビームSBを受光した一方の2分割受光素子26B中でトラック方向に沿った直線を挟んで2分割された領域Eと領域Fと含んだ合計受光量を反転器55に通してSPD1信号を得ると共に、他方のサブビームSBを受光した他方の2分割受光素子26C中でトラック方向に沿った直線を挟んで2分割された領域Gと領域Hと含んだ合計受光量を反転器56に通してSPD2信号を得た後、SPD1信号からSPD2信号を減算器57で減算して得た差分値に対して係数器58で所定の係数αを掛け算しており、この際、所定の係数αの値は0.1〜2.0の範囲内の適宜な値に設定されている。
この後、先に得られたサブビームのプッシュプル信号SPPから係数器58を通過した信号を減算器59で減算することで、サブビームのプッシュプル信号SPPに対して補正したサブビームのプッシュプルディファレンシャル信号SPD(SPD信号)={(E−F)+(G−H)}−{(E+F)−α(G+H)}={(E+G)−(F+H)}−{(E+F)−α(G+H)}を得ている。この際、2つの反転器55,56と減算器57と係数器58と減算器59とでSPD信号生成部が構成されている。
この後、DPP信号生成回路50内のDPP信号生成部では、メインビームのプッシュプル信号MPP(MPP信号)とサブビームのプッシュプルディファレンシャル信号SPD(SPD信号)との差分を減算器60で求めて、補正したディファレンシャルプッシュプル信号DPP(補正したDPP信号)を得ており、この補正したディファレンシャルプッシュプル信号DPPは下記の式4で表すことができる。
[数4]
補正したDPP信号=MPP信号−SPD信号
={(A+B)−(C+D)}−[{(E−F)+(G−H)}−{(E+F)−α(G+H)}]
={(A+B)−(C+D)}−[{(E+G)−(F+H)}−{(E+F)−α(G+H)}] ………式4
ここで、DPP信号生成回路50内のSPD信号生成部により、サブビームのプッシュプル信号SPPに対して補正したサブビームのプッシュプルディファレンシャル信号SPDを得る理由について図6及び図7を用いて説明する。
図6に示した如く、上記したDPP信号生成回路50(図5)内のSPD信号生成部でSPD1信号からSPD2信号を減算した場合に、上段にサブビームのプッシュプル信号SPP(SPP信号)の波形と、SPD1信号からSPD2信号を減算したSPD1信号−SPD2信号の波形とを位相を合わせて図示する共に、下段に上段の一部をそれぞれ拡大して図示している。この際、下段に示した拡大図中で、DC電圧オフセット成分によりSPP信号とPD1信号−SPD2信号とにうねりがそれぞれ生じ、SPP信号の大きなうねりに対して、SPD1信号−SPD2信号のうねりの方向が同じ方向であるので、SPP信号とSPD1信号−SPD2信号とが互いに追従していることがわかる。
これにより、SPP信号からSPD1信号−SPD2信号を減算器59(図5)で減算して得られたSPD信号は、うねりが相殺されることで、図3(b)に示した一対の2分割受光素子26B,26Cで受光した一対のサブビームSB,SBに含まれたクロストーク光CRの影響が抑制されて、サブビームのプッシュプル信号SPPに対して補正したサブビームのプッシュプルディファレンシャル信号SPDとなる。
上記に対して、図7は、DPP信号生成回路50内のSPD信号生成部でSPD1信号とSPD2信号とを仮に加算した場合を図6と同じ形式で図示しており、この場合には、
SPP信号の大きなうねりに対して、SPD1信号+SPD2信号のうねりの方向が同じ方向にならないため、SPP信号とSPD1信号+SPD2信号とが互いに追従しないので、クロストーク光CRの影響を抑制できないことが明らかである。
更に、先に図4を用いて説明した本発明の比較例となる一般的なDPP信号生成回路40の場合と、先に図5を用いて説明した本発明の要部となるDPP信号生成回路50の場合とに対して各波形を図8,図9にそれぞれ示して比較例する。
ここで、図8に示した本発明の比較例となる一般的なDPP信号生成回路40の場合では、クロストーク光CR(図1〜図3)の影響により、サブビームのプッシュプル信号SPP(SPP信号)にうねりが生じると、メインビームのプッシュプル信号MPP(MPP信号)とサブビームのプッシュプル信号SPP(SPP信号)との差動出力が一般的なディファレンシャルプッシュプル信号DPP(一般的なDPP信号)であるため、MPP信号のうねりが小でも、SPP信号のうねりが大であればDPP信号のうねりが大になってしまう。
一方、図9に示した本発明の要部となるDPP信号生成回路50の場合では、サブビームのプッシュプル信号SPP(SPP信号)からSPD1信号−SPD2信号を減算した信号がSPP信号を補正したサブビームのプッシュプルディファレンシャル信号SPD(SPD信号)となるので、SPP信号のうねりの方向(DCオフセット+側)とSPD信号のうねり方向(DCオフセット+側)とが同じ+側で、同じオフセット量あれば相互のうねりはSPD信号生成部で相殺されてうねりがなくなる。
従って、メインビームのプッシュプル信号MPP(MPP信号)とサブビームのプッシュプルディファレンシャル信号SPD(SPD信号)との差動出力が補正したディファレンシャルプッシュプル信号DPP(補正したDPP信号)であり、この補正したDPP信号はクロストーク光CR(図1〜図3)を相殺してうねり成分を取り除いているためにうねりがなくなり、DPP信号の乱れを抑圧できるので、この補正したDPP信号をトラッキングエラー信号TE(図1)としてトラッキングコイル23(図1)に供給すれば、2層光ディスクDに対して対物レンズ20を良好にトラッキング制御できるので、ジッタの悪化を招くことなく2層光ディスクDを良好に記録又は再生できる。
また、従来例で説明したような、ホログラム領域を有する光学部材を用いていないので、メインビームMB及一対のサブビームSB,SBを多分割受光検出器26で検出した時の検出出力が低下しないので、メインデータ信号,フォーカスエラー信号,トラッキングエラー信号を良好に再生できると共に、光ピックアップ10の構造が簡単となるので光ディスク装置1を安価に提供できる。
以上詳述した本発明に係る光ディスク装置1では、光ピックアップ10を用いて少なくとも2層以上の記録層を有する1種類の多層光記録媒体Dに対して適用可能に構成したが、これに限ることなく、上記した本発明の技術的思想を取り入れた上で少なくとも2層以上の記録層を有する複数種の多層光記録媒体Dに対しても適用可能に構成することができる。
例えば、複数種の多層光記録媒体Dとして、設計波長λが0.405μm程度のレーザ光によりBlu−ray DiscとHD−DVDとを選択的に適用可能に構成する場合には、光ピックアップ10内で対物レンズの前までは光路を共用するものの、Blu−ray Disc用となるNA0.85程度の対物レンズとHD−DVD用となるNA0.65程度の対物レンズとを光ディスクの種類に対応して切り換え可能に設ければ良いものである。
更に、Blu−ray Disc,HD−DVDの他に、設計波長λが0.650μm程度のレーザ光によりDVDも適用可能に構成する場合には、光ピックアップ10内で偏光ビームスプリッタ14と立ち上げミラー17との間に光路切り換えプリズムを介してDVD用の光学部材を設置配置すれば良いものである。
本発明に係る光ディスク装置の全体構成を示した図である。 (a)は2層光ディスクの第1記録層(又は第2記録層)上に照射したメインビーム及び一対のサブビームと、第2記録層(又は第1記録層)からのクロストーク光とを摸式的に拡大して示した平面図であり、(b)は2層光ディスクの縦断面図である。 (a)は2層光ディスク上に照射したメインビーム及び一対のサブビームを示した平面図であり、(b)は(a)と対応して多分割受光検出器上で受光したメイビーム及び一対のサブビームとクロストクーク光とを示した平面図である。 本発明の比較例となる一般的なDPP信号生成回路を示した構成図である。 本発明の要部となるDPP信号生成回路を示した構成図である。 SPD信号生成部でSPD1信号からSPD2信号を減算した場合を示した波形図である。 SPD信号生成部でSPD1信号とSPD2信号とを仮に加算した場合を示した波形図である。 一般的なDPP信号生成回路40を用いた場合の各信号の波形図である。 本発明のDPP信号生成回路50を用いた場合の各信号の波形図である。
本発明に係る光ピックアップの全体構成を示した図である。
従来の光ピックアップの全体構成を示した構成図である。
符号の説明
1…光ディスク装置、
10…光ピックアップ、
11…半導体レーザ光源、12…コリメータレンズ、
13…回折格子、13a…回折格子部、
14…偏光ビームスプリッタ、14a…偏光選択性誘電体多層膜、
15…モニタ用集光レンズ、16…モニタ用光検出器、17…立ち上げミラー、
18…液晶素子、19…1/4波長板、20…対物レンズ、21…レンズホルダ、
22…フォーカスコイル、23…トラッキングコイル、
24…検出レンズ、25…シリンドリカルレンズ、
26…多分割受光検出器、
26A…4分割受光素子、26B,26C…2分割受光素子、
30…RF信号処理回路、35…フォーカス制御回路、
50…トラッキング制御回路(DPP信号生成回路)、
D…多層光ディスク(2層光ディスク)、
…レーザビーム入射面、d…第1記録層、d…第2記録層、
CR…クロストーク光、L…レーザ光。

Claims (1)

  1. 少なくとも2層以上の記録層を有する多層光記録媒体と対応して所定波長のレーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光源から出射した前記レーザ光をメインビームと一対のサブビームとに分離する回折格子と、前記メインビームと前記一対のサブビームとを読み出し対象の前記記録層である読み出し対象層上に集光させる対物レンズと、前記読み出し対象層で反射された前記メインビーム及び前記一対のサブビームに、前記読み出し対象層以外の隣接層で反射されたクロストーク光を含ませて受光する多分割受光検出器とを少なくとも備えた光ピックアップを用い、前記多分割受光検出器で受光した受光量を基にしてトラッキング制御回路で演算して得たトラッキングエラー信号により前記対物レンズを前記多層光記録媒体に対してトラッキング制御する光ディスク装置であって、
    前記トラッキング制御回路は、
    前記多分割受光検出器中でトラック方向に沿った直線とディスク径方向に沿った直線とを直交させて4分割された4つの領域を有する4分割受光素子で前記メインビームを受光した後に、前記4分割受光素子中でトラック方向に沿った直線を挟んで2分割された一方側の2つの領域の合計受光量と、他方側の2つの領域の合計受光量との差分を求めてメインビームのプッシュプル信号MPPを生成するMPP信号生成部と、
    前記多分割受光検出器中でトラック方向に沿った直線を挟んで2分割された2つの領域をそれぞれ有する一対の2分割受光素子で前記一対のサブビームを受光した後に、前記一対の2分割受光素子中でトラック方向に沿った直線を挟んで一方側の各領域の合計受光量と、他方側の各領域の合計受光量との差分を求めてサブビームのプッシュプル信号SPPを生成するSPP信号生成部と、
    前記一対のサブビーム中に含まれる前記クロストーク光の影響を抑制するために、前記一対の2分割受光素子のうちで一方の2分割受光素子の各領域の合計受光量から前記他方の2分割受光素子の各領域の合計受光量を減算して所定の係数を掛けて得た信号を、前記サブビームのプッシュプル信号SPPから減算してサブビームのプッシュプルディファレンシャル信号SPDを生成するSPD信号生成部と、
    前記メインビームのプッシュプル信号MPPから前記サブビームのプッシュプルディファレンシャル信号SPDを減算してディファレンシャルプッシュプル信号DPPを生成し、このディファレンシャルプッシュプル信号DPPを前記対物レンズへのトラッキングエラー信号とするDPP信号生成部と、を備えたことを特徴とする光ディスク装置。
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