JP4506514B2 - 光ピックアップ装置及び対物光学素子 - Google Patents

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Description

本発明は、光ピックアップ装置及び対物光学素子に関し、特に異なる波長の光源を用いて異なる光情報記録媒体に対して適切に情報の記録及び/又は再生を行える光ピックアップ装置及びそれに用いる対物光学素子に関する。
近年、波長400nm程度の青紫色半導体レーザを用いて、情報の記録/再生を行える高密度光ディスクシステムの研究・開発が急速に進んでいる。一例として、NA0.85、光源波長405nmの仕様で情報記録/再生を行う光ディスク、いわゆるBlu−ray Disc(以下、BDという)では、DVD(NA0.6、光源波長650nm、記憶容量4、7GB)と同じ大きさである直径12cmの光ディスクに対して、1層あたり23〜27GBの情報の記録が可能であり、又、NA0.65、光源波長405nmの仕様で情報記録/再生を行う光ディスク、いわゆるHD DVD(以下、HDという)では、直径12cmの光ディスクに対して、1層あたり15〜20GBの情報の記録が可能である。尚、BDでは、光ディスクの傾き(スキュー)に起因して発生するコマ収差が増大するため、DVDにおける場合よりも保護層を薄く設計し(DVDの0.6mmに対して、0.1mm)、スキューによるコマ収差量を低減している。以下、本明細書では、このような光ディスクを「高密度光ディスク」と呼ぶ。
ところで、かかるタイプの高密度光ディスクに対して適切に情報の記録/再生ができると言うだけでは、光ディスクプレーヤ/レコーダの製品としての価値は十分なものとはいえない。現在において、多種多様な情報を記録したDVDが販売されている現実をふまえると、高密度光ディスクに対して情報の記録/再生ができるだけでは足らず、例えばユーザが所有しているDVDに対しても同様に適切に情報の記録/再生ができるようにすることが、高密度光ディスク用の光ディスクプレーヤ/レコーダとしての商品価値を高めることに通じるのである。このような背景から、高密度光ディスク用の光ディスクプレーヤ/レコーダに搭載される光ピックアップ装置は、高密度光ディスクとDVDの何れに対しても互換性を維持しながら適切に情報を記録/再生できる性能を有することが望まれる。
高密度光ディスクとDVDの何れに対しても互換性を維持しながら適切に情報を記録/再生できるようにする方法として、高密度光ディスク用の光学系とDVD用の光学系とを情報を記録/再生する光ディスクの記録密度に応じて選択的に切り替える方法が考えられるが、複数の光学系が必要となるので、小型化に不利であり、またコストが増大する。
従って、光ピックアップ装置の構成を簡素化し、低コスト化を図るためには、互換性を有する光ピックアップ装置においても、高密度光ディスク用の光学系とDVD用の光学系とを共通化して、光ピックアップ装置を構成する光学部品点数を極力減らすのが好ましい。そして、光ディスクに対向して配置される対物レンズを共通化し、更にこの対物レンズを単レンズ構成とすることが光ピックアップ装置の構成の簡素化、低コスト化に最も有利となる。尚、記録/再生波長が互いに異なる複数種類の光ディスクに対して共通な対物レンズとして、球面収差の波長依存性を有する回折構造をその表面に形成し、かかる回折構造の波長依存性を利用して、記録/再生波長や、保護層厚さの違いによる球面収差を補正する対物レンズが知られている。
ここで、特許文献1には、高密度光ディスクとDVDに対して互換可能に情報の記録及び/又は再生を行える単レンズ構成の対物レンズが開示されている。
特開2004−79146号公報
ところで、特許文献1に開示された対物レンズは、青紫色レーザ光束に対して2次回折光を発生させ、DVD用の赤色レーザ光束に対して1次回折光を発生させるような回折構造を有し、かかる回折構造の回折作用により高密度光ディスクとDVDの保護層厚さの違いによる球面収差を補正するものである。しかし、この対物レンズは、単レンズ構成であるので、低コストで生産が可能であるものの、以下に述べるような課題を有している。
具体的な課題としては、回折構造により発生する球面収差の波長依存性が大きいことがある。このような場合、発振波長が設計波長からずれたレーザ光源が使用できず、レーザ光源の選別が必要となるため光ピックアップ装置の製造コストが増大する。回折光の回折角は、「回折次数×波長/回折ピッチ」で表される。回折作用を利用して使用波長が互いに異なる光情報記録媒体間の互換を実現するためには、使用波長間の回折角に所定の差を持たせる必要がある。上述した「レーザ光源の選別問題」は、高密度光ディスクとDVDの使用波長間で「回折次数×波長」の値が殆ど同じ回折構造を利用していることに起因している。特許文献1に開示された対物レンズにおいて、青紫色レーザ光束と赤色レーザ光束との「回折次数×波長」の比は810/655=1.24と1に近いため(但し、波長の単位をnmとした)、高密度光情報記録媒体とDVDの保護層厚さの違いによる球面収差を補正するために必要な回折角の差を得るためには、回折ピッチを小さくしなければならない。そのため、回折構造の球面収差の波長依存性が大きくなり、上述したような、「レーザ光源の選別問題」が顕在化する。
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、コンパクトでありながら、異なる種類の光情報記録媒体に対して良好に情報の記録及び/又は再生を行える光ピックアップ装置、及びそれに用いる対物光学素子を提供することを目的とする。
請求項1に記載の光ピックアップ装置は、第1光源から出射される波長λ1の第1光束を用いて厚さt1の保護層を有する第1光情報記録媒体の情報記録面に対して集光スポット形成を行い、第2光源から出射される波長λ2(λ1<λ2)の第2光束を用いて厚さt2(t1≦t2)の保護層を有する第2光情報記録媒体の情報記録面に対して集光スポット形成を行い、第3光源から出射される波長λ3(1.9×λ1<λ3<2.1×λ1)の第3光束を用いて厚さt3(t2<t3)の保護層を有する第3光情報記録媒体の情報記録面に対して集光スポット形成を行う光ピックアップ装置において、
単玉からなる対物光学素子を備えるとともに、前記第1光束、第2光束及び第3光束の前記対物光学素子への入射光束倍率をそれぞれm1、m2、m3とした場合に、それぞれ下記式(1)、(2)、(3)を満たし、
前記対物光学素子の光学機能面は、光軸を含む中央領域と、該中央領域を囲む周辺領域との少なくとも2つの領域を有し、
前記中央領域は前記第1光情報記録媒体、前記第2光情報記録媒体及び前記第3光情報記録媒体の情報記録面の全てに対して集光スポット形成に用いられるとともに、前記周辺領域は前記第1光情報記録媒体、前記第2光情報記録媒体及び前記第3光情報記録媒体の情報記録面のうち、前記第1光情報記録媒体及び前記第2光情報記録媒体の情報記録面に対してのみ集光スポット形成に用いられ、
前記中央領域には、輪帯状の構造からなり、隣り合う輪帯を通過した光束に対して前記波長λ1の奇数倍相当の光路差を付与するとともに、前記第1光束、第2光束、第3光束の全てに対して球面収差をアンダー方向に変化させる光路差付与構造を備えることを特徴とする。
−0.02 < m1 < 0.02 (1)
0.00 < m2 < 0.05 (2)
−0.02 < m3 < 0.02 (3)
本発明は、回折と倍率との新たな組合せにより、3つの異なる光情報記録媒体に対して適切に情報の記録及び/又は再生を行うものである。すなわち、従来用いられてきた回折構造などの光路差付与構造の欠点を補うため、使用する光束に応じて前記対物光学素子への入射角を変更することにより、課題を解決しようとしている。
まず、前記対物光学素子の光学機能面におけるベース非球面のみでは、いずれの光情報記録媒体に対しても収差のない集光スポットの形成はできず、2つの光路差付与構造との組合せによって収差が補正されるようになっている。
前記中央領域の光路差付与構造は、ベース非球面により屈折される前記第1光束及び前記第3光束に対しては適正に補正を行うように設計されている。更に、前記第3の波長が前記第1の波長の偶数倍に近い場合、前記第1光束と前記第3光束に対して作用を異ならせるために、前記第1光束に対して奇数倍相当の光路差を付与するようにする。すると、波長差に基づいて、前記第3光束は半波長分ずれた光路差を与えられることになり、前記第1光束及び前記第3光束に対する光学作用を異ならせる事が出来るので、保護層の厚さが異なることに起因する球面収差をそれぞれ適切に補正できる。そして輪帯ピッチを適宜設定し、球面収差をアンダー方向に変化させる作用を与えるようにすることで、前記対物光学素子自体が有する屈折力と、前記光路差付与構造の作用との組合せにより、例えば保護層の厚さの異なる前記第1光束及び前記第3光束に対しては良好な集光スポットが形成できる。なお、偶数倍相当とは、nを自然数とした場合、(2n−0.1)×λ1以上、(2n+0.1)×λ1以下の範囲をいう。また奇数倍相当とは、nを自然数とした場合、{(2n−1)−0.1}×λ1以上、{(2n−1)+0.1}×λ1以下の範囲をいう。
ところが、このように前記光路差付与構造を設計すると、前記第2光束に対して過剰に球面収差をアンダー側にする作用を与える事になってしまい、前記対物光学素子自体が有する屈折力との組合せにおいて、良好な集光スポット形成ができなくなる恐れがある。そこで、本発明においては、前記第2光束を有限収束光の状態で前記対物光学素子に入射させるようにしているので、前記光路差付与構造により球面収差を大きくアンダー側に変化させられる作用を受ける事により、屈折力と相殺して適正な波面状態をえることができ、良好な集光スポットが形成できるのである。又、このような対物光学素子は、回折構造が1面であるので金型の加工が容易であり、その成形上有利である。
請求項2に記載の光ピックアップ装置は、請求項1に記載の発明において、前記対物光学素子に前記第1乃至3光束が入射したときに、前記対物光学素子の有する屈折作用と、前記光路差付与構造によって与えらえる光学作用との組合せによって前記第1乃至3光情報記録媒体の情報記録面に集光スポットがそれぞれ形成されることを特徴とする。
請求項3に記載の光ピックアップ装置は、請求項1又は2に記載の発明において、前記第1の光束及び前記第3の光束が前記対物光学素子に無限平行光の状態で入射し、前記第2の光束が前記対物光学素子に有限収束光の状態で入射するように、使用する光束に応じて光軸方向に移動するカップリングレンズを有することを特徴とする。
請求項4に記載の光ピックアップ装置は、請求項3に記載の発明において、両光路差付与構造の設けられている光学面は光源側であることを特徴とするので、前記光路差付与構造に平行光が入射することから光線のケラレなどを抑制できる。
請求項5に記載の光ピックアップ装置は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記対物光学素子は前記周辺領域を囲む最外領域を有し、前記最外領域を通過した前記第1光束は、前記第1光情報記録媒体の情報記録面における集光スポット形成に用いられることを特徴とするので、前記第1の光情報記録媒体の高開口数に対応できる。
請求項6に記載の光ピックアップ装置は、請求項5に記載の発明において、前記最外領域は光路差付与構造を有し、前記最外領域を通過した前記第2光束及び前記第3光束はフレア化することを特徴とするので、前記対物光学素子に開口絞りの効果を与えることができる。
請求項7に記載の光ピックアップ装置は、請求項1〜6のいずれかに記載の発明において、前記光路差付与構造は、鋸歯状回折構造であることを特徴とする。「鋸歯状回折構造」とは、例えば少なくとも一方の光学機能面が光軸を中心とした複数の光学機能領域に分割され、該複数の光学機能領域のうちの少なくとも1つが、光軸を中心とした輪帯状の領域に分割され、かつ各輪帯に所定数の不連続な段差が設けられるとともに、光軸方向断面が鋸歯状の構造をいう。
請求項8に記載の光ピックアップ装置は、請求項1〜6のいずれかに記載の発明において、前記光路差付与構造は、光軸を含む断面形状が階段状とされたパターンを同心円状に配列し、所定のレベル面の個数毎に、そのレベル面数に対応した段数分の高さだけ段をシフトさせた重畳型回折構造であることを特徴とする。「重畳型回折構造」とは、少なくとも一方の光学機能面が光軸を中心とした複数の光学機能領域に分割され、該複数の光学機能領域のうちの少なくとも1つが、光軸を中心とした輪帯状の領域に分割され、かつ各輪帯に所定数の不連続な段差が設けられるとともに、当該不連続な段差が設けられた輪帯が連続的に配された構造をいう。重畳型回折構造は、マルチレベル構造、DOE構造ともいい、例えば回折構造は、光学素子の光学機能面が光軸を中心とした複数の輪帯に分割されていて、この輪帯がそれぞれ鋸歯状に形成されているものであるが、この1つの鋸歯部に、さらに所定数の階段形状を設けている構造である。これにより、光学素子に波長選択性を持った回折作用を与えることができる。なお階段形状の段数や階段の高さ、幅などは、適宜設計可能である。具体的には、特開平9−306018号に記載されている。
請求項9に記載の光ピックアップ装置は、請求項8に記載の発明において、 前記光路差付与構造の各パターンに形成されたレベル面は、前記対物光学素子のベース非球面に沿って形成されていることを特徴とする。
請求項10に記載の光ピックアップ装置は、請求項7〜9のいずれかに記載の発明において、前記中央領域における前記光路差付与構造が回折構造である場合に、該回折構造によって生じ、前記集光スポットを形成する前記第1光束の回折光の回折次数をK1、前記第2光束の回折光の回折次数をK2とし、前記対物光学素子を構成する硝材の前記波長λ1に対する屈折率をn1、前記波長λ2に対する屈折率をn2とするとき、次の式を満たすことを特徴とする。
(K1・λ1)/(n1−1) < (K2・λ2)/(n2−1) (4)
ただし、K1 、K2はいずれも正の整数である。
請求項11に記載の光ピックアップ装置は、請求項7〜10のいずれかに記載の発明において、前記光路差付与構造を通過した第1光束は、1次回折光の光量が最も高くなり、前記光路差付与構造を通過した第2光束は、1次回折光の光量が最も高くなり、前記光路差付与構造を通過した第3光束は、1次回折光の光量が最も高くなることを特徴とする。
請求項12に記載の光ピックアップ装置は、請求項7〜10のいずれかに記載の発明において、前記光路差付与構造を通過した第1光束は、3次回折光の光量が最も高くなり、前記光路差付与構造を通過した第2光束は、2次回折光の光量が最も高くなり、前記光路差付与構造を通過した第3光束は、2次回折光の光量が最も高くなることを特徴とする。
請求項13に記載の光ピックアップ装置は、請求項7〜10のいずれかに記載の発明において、前記光路差付与構造を通過した第1光束は、3次回折光の光量が最も高くなり、前記光路差付与構造を通過した第2光束は、2次回折光の光量が最も高くなり、前記光路差付与構造を通過した第3光束は、1次回折光の光量が最も高くなることを特徴とする。
請求項14に記載の光ピックアップ装置は、請求項1〜6のいずれかに記載の発明において、前記光路差付与構造は、NPS(Non−Periodic Surface)であることを特徴とする。
請求項15に記載の光ピックアップ装置は、請求項1〜14のいずれかに記載の発明において、前記波長λ1は、380nm<λ1<420nmであり、前記波長λ2は、630nm<λ2<680nmであり、前記波長λ3は、760nm<λ3<830nmであることを特徴とする。
請求項16に記載の光ピックアップ装置は、請求項1〜15のいずれかに記載の発明において、前記波長λ1と前記波長λ2との間には、以下の関係が成り立つことを特徴とする。
1.5×λ1<λ2<1.7×λ1 (5)
請求項17に記載の光ピックアップ装置は、請求項1〜16のいずれかに記載の発明において、前記第1光情報記録媒体の保護層厚さt1は、0.0875mm≦t1≦0.1125mmであり、前記第2光情報記録媒体の保護層厚さt2は、0.5mm≦t2≦0.7mmであり、前記第3光情報記録媒体の保護層厚さt3は、1.1mm≦t3≦1.3mmであることを特徴とする。
請求項18に記載の光ピックアップ装置は、請求項1〜17のいずれかに記載の発明において、前記対物光学素子はガラスを素材としていることを特徴とする。
請求項19に記載の光ピックアップ装置は、請求項1〜17のいずれかに記載の発明において、前記対物光学素子はプラスチックを素材としていることを特徴とする。
請求項20に記載の光ピックアップ装置は、請求項1〜17のいずれかに記載の発明において、前記対物光学素子はガラス及びプラスチックを素材としていることを特徴とする。
請求項21に記載の対物光学素子は、第1光源から出射される波長λ1の第1光束を用いて厚さt1の保護層を有する第1光情報記録媒体の情報記録面に対して集光スポット形成を行い、第2光源から出射される波長λ2(λ1<λ2)の第2光束を用いて厚さt2(t1≦t2)の保護層を有する第2光情報記録媒体の情報記録面に対して集光スポット形成を行い、第3光源から出射される波長λ3(1.9×λ1<λ3<2.1×λ1)の第3光束を用いて厚さt3(t2<t3)の保護層を有する第3光情報記録媒体の情報記録面に対して集光スポット形成を行う光ピックアップ装置の対物光学素子において、
前記光ピックアップ装置は、前記第1光束、第2光束及び第3光束の前記対物光学素子への入射光束倍率をそれぞれm1、m2、m3とした場合に、それぞれ下記式(1)、(2)、(3)を満たし、
前記対物光学素子は、単玉からなり、
前記対物光学素子の光学機能面は、光軸を含む中央領域と、該中央領域を囲む周辺領域との少なくとも2つの領域を有し、
前記中央領域は前記第1光情報記録媒体、前記第2光情報記録媒体及び前記第3光情報記録媒体の情報記録面の全てに対して集光スポット形成に用いられるとともに、前記周辺領域は前記第1光情報記録媒体、前記第2光情報記録媒体及び前記第3光情報記録媒体の情報記録面のうち、前記第1光情報記録媒体及び前記第2光情報記録媒体の情報記録面に対してのみ集光スポット形成に用いられ、
前記中央領域には、輪帯状の構造からなり、隣り合う輪帯を通過した光束に対して前記波長λ1の奇数倍相当の光路差を付与するとともに、前記第1光束、第2光束、第3光束の全てに対して球面収差をアンダー方向に変化させる光路差付与構造を備えることを特徴とする。
−0.02 < m1 < 0.02 (1)
0.00 < m2 < 0.05 (2)
−0.02 < m3 < 0.02 (3)
請求項22に記載の対物光学素子は、請求項21に記載の発明において、前記対物光学素子は前記周辺領域を囲む最外領域を有し、前記最外領域を通過した前記第1光束は、前記第1光情報記録媒体の情報記録面における集光スポット形成に用いられることを特徴とする。
請求項23に記載の対物光学素子は、請求項22に記載の発明において、前記最外領域は光路差付与構造を有し、前記最外領域を通過した前記第2光束及び前記第3光束はフレア化することを特徴とする。
請求項24に記載の対物光学素子は、請求項21〜23のいずれかに記載の発明において、前記中央領域における前記光路差付与構造が回折構造である場合に、該回折構造によって生じ、前記集光スポットを形成する前記第1光束の回折光の回折次数をK1、前記第2光束の回折光の回折次数をK2とし、前記対物光学素子を構成する硝材の前記波長λ1に対する屈折率をn1、前記波長λ2に対する屈折率をn2とするとき、次の式を満たすことを特徴とする。
(K1・λ1)/(n1−1) < (K2・λ2)/(n2−1) (4)
ただし、K1 、K2はいずれも正の整数である。
請求項25に記載の対物光学素子は、請求項21〜24のいずれかに記載の発明において、前記光路差付与構造を通過した第1光束は、1次回折光の光量が最も高くなり、前記光路差付与構造を通過した第2光束は、1次回折光の光量が最も高くなり、前記光路差付与構造を通過した第3光束は、1次回折光の光量が最も高くなることを特徴とする。
請求項26に記載の対物光学素子は、請求項21〜24のいずれかに記載の発明において、前記光路差付与構造を通過した第1光束は、3次回折光の光量が最も高くなり、前記光路差付与構造を通過した第2光束は、2次回折光の光量が最も高くなり、前記光路差付与構造を通過した第3光束は、2次回折光の光量が最も高くなることを特徴とする。
請求項27に記載の対物光学素子は、請求項21〜24のいずれかに記載の発明において、前記光路差付与構造を通過した第1光束は、3次回折光の光量が最も高くなり、前記光路差付与構造を通過した第2光束は、2次回折光の光量が最も高くなり、前記光路差付与構造を通過した第3光束は、1次回折光の光量が最も高くなることを特徴とする。
本明細書において、「対物光学素子」とは、光ピックアップ装置において光情報記録媒体に対向する位置に配置され、光源から射出された波長が互いに異なる光束を、記録密度が互いに異なる光情報記録媒体(光ディスクともいう)のそれぞれの情報記録面上に集光する機能を有する集光素子を少なくとも含む光学素子を指す。
また、対物光学素子をガラスレンズとする場合は、ガラス転移点Tgが400℃以下であるガラス材料を使用すると、比較的低温での成形が可能となるので、金型の寿命を延ばすことが出来る。このようなガラス転移点Tgが低いガラス材料としては、例えば(株)住田光学ガラス製のK−PG325や、K−PG375(共に製品名)がある。
ところで、ガラスレンズは一般的に樹脂レンズよりも比重が大きいため、対物光学素子をガラスレンズとすると、重量が大きくなり対物光学系を駆動するアクチュエータに負担がかかる。そのため、対物光学素子をガラスレンズとする場合には、比重が小さいガラス材料を使用するのが好ましい。具体的には、比重が3.0以下であるのが好ましく、2.8以下であるのがより好ましい。
また、対物光学素子を樹脂レンズとする場合は、環状オレフィン系の樹脂材料を使用するのが好ましく、環状オレフィン系の中でも、波長405nmに対する温度25℃での屈折率が1.54乃至1.60の範囲内であって、−5℃から70℃の温度範囲内での温度変化に伴う波長405nmに対する屈折率変化率dN/dT(℃-1)が−10×10-5乃至−8×10-5の範囲内である樹脂材料を使用するのがより好ましい。
或いは、本発明の対物光学素子に適した樹脂材料として、上記環状オレフィン系以外にも「アサーマル樹脂」がある。アサーマル樹脂とは、母材となる樹脂の温度変化に伴う屈折率変化率とは、逆符号の屈折率変化率を有する直径が30nm以下の粒子を分散させた樹脂材料である。一般に、透明な樹脂材料に微粉末を混合させると、光の散乱が生じ、透過率が低下するため、光学材料として使用することは困難であったが、微粉末を透過光束の波長より小さい大きさにすることにより、散乱が事実上発生しないようにできることがわかってきた。
さて樹脂材料は、温度が上昇することにより、屈折率が低下してしまうが、無機粒子は温度が上昇すると屈折率が上昇する。そこでこれらの性質をあわせて打ち消しあうように作用させることにより、屈折率変化が生じないようにすることも知られている。本発明の対物光学素子の材料として、母材となる樹脂に30ナノメートル以下、好ましくは20ナノメートル以下、さらに好ましくは10〜15ナノメートルの無機粒子を分散させた材料を利用することで、屈折率の温度依存性が無いか、あるいはきわめて低い対物光学素子を提供できる。
たとえば、アクリル樹脂に、酸化ニオブ(Nb25)の微粒子を分散させている。母材となる樹脂は、体積比で80、酸化ニオブは20程度の割合であり、これらを均一に混合する。微粒子は凝集しやすいという問題があるが、粒子表面に電荷を与えて分散させる等の技術により、必要な分散状態を生じさせることが出来る。
後述するように、母材となる樹脂と粒子との混合・分散は、対物光学素子の射出成形時にインラインで行うことが好ましい。いいかえると、混合・分散した後は、対物光学素子に成形される迄、冷却・固化されないことが好ましい。
なお、この体積比率は、屈折率の温度に対する変化の割合をコントロールするために、適宜増減できるし、複数種類のナノサイズ無機粒子をブレンドして分散させることも可能である。
比率では、上記の例では80:20、すなわち4:1であるが、90:10(9:1)から60:40(3:2)までの間で適宜調整可能である。9:1よりも少ないと温度変化抑制の効果が小さくなり、逆に3:2を越えると樹脂の成形性に問題が生じるために好ましくない。
微粒子は無機物であることが好ましく、さらに酸化物であることが好ましい。そして酸化状態が飽和していて、それ以上酸化しない酸化物であることが好ましい。
無機物であることは、高分子有機化合物である母材となる樹脂との反応を低く抑えられるために好ましく、また酸化物であることによって、使用に伴う劣化を防ぐことが出来る。特に高温化や、レーザ光を照射されるという過酷な条件において、酸化が促進されやすくなるが、このような無機酸化物の微粒子であれば、酸化による劣化を防ぐことが出来る。
また、その他の要因による樹脂の酸化を防止するために、酸化防止剤を添加することも勿論可能である。
ちなみに、母材となる樹脂は、特願2002−308933号、特願2002−309040号、特願2002−308964号等に記載されているような樹脂を適宜好ましく採用することができる。
本発明によれば、コンパクトでありながら、異なる種類の高密度光ディスクに対して、適切に情報の記録及び/又は再生が可能である光ピックアップ装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、異なる光情報記録媒体(光ディスクともいう)であるBD(又はHD DVD)とDVDとCDとに対して適切に情報の記録/再生を行える本実施の形態の光ピックアップ装置PU1の構成を概略的に示す図である。かかる光ピックアップ装置PU1は、光情報記録再生装置に搭載できる。ここでは、第1光情報記録媒体をBDとし、第2光情報記録媒体をDVDとし、第3光情報記録媒体をCDとする。なお、DVDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され680nmのレーザ光束(第2光束)を射出する第2半導体レーザEP1(第2光源)と、CDに対して情報の記録/再生を行う場合に発光され750nmのレーザ光束(第3光束)を射出する第3半導体レーザEP2(第3光源)と、DVDの情報記録面RL2からの反射光束を受光する第1の受光部DS1と、CDの情報記録面RL3からの反射光束を受光する第2の受光部DS2と、プリズムPSとから構成されたレーザモジュールLMを有している。カップリングレンズであるコリメートレンズCLは、不図示のアクチュエータにより光軸方向に移動可能となっている。
本実施の形態の対物光学素子OBJにおいて、光源側の非球面光学面に光軸を含む中央領域と、その周囲に配置された周囲領域と、更にその周囲に配置された最外領域とを形成しており、また中央領域には光路差付与構造が形成されている。光路差付与構造は、輪帯状の構造からなり、隣り合う輪帯を通過した光束に対して波長λ1の奇数倍相当の光路差を付与するとともに、BD用の第1光束、DVD用の第2光束、CD用の第3光束の全てに対して球面収差をアンダー方向に変化させる。
青紫色半導体レーザLD1から出射された波長λ1の光束が平行光束で対物光学素子OBJに入射したときに、非球面光学面のみでは、アンダーに球面収差を補正するが、光路差付与構造を通過することで球面収差は適正に補正され、保護層の厚さt1のBDに対して適切に情報の記録及び/又は再生を行うことができる。又、赤色半導体レーザEP1から出射された波長λ2の光束が平行光束で対物光学素子OBJに入射させると、非球面光学面のみでは、よりアンダーに球面収差を補正するため、光路差付与構造を通過することで球面収差はアンダーに補正されてしまうが、有限収束光を対物光学素子OBJに入射させることで、保護層の厚さt2のDVDに対して適切に情報の記録及び/又は再生を行うことができる。更に、赤外半導体レーザEP2から出射された波長λ3の光束が平行光束で対物光学素子OBJに入射したときに、非球面光学面のみでは、アンダーに球面収差を補正するが、光路差付与構造を通過することで球面収差は適正に補正され、保護層の厚さt3のCDに対して適切に情報の記録及び/又は再生を行うことができる。
BD使用時には、コリメートレンズCLを光軸方向に移動させて、平行光を出射するようにする。青紫色半導体レーザLD1から射出された第1波長408nmの発散光束は、偏光ダイクロイックプリズムPPSを透過し、コリメートレンズCLにより平行光束とされた後、図示しない1/4波長板により直線偏光から円偏光に変換され、絞りSTによりその光束径が規制され、対物光学素子OBJによって厚さ0.0875mmの保護層PL1を介して、BDの情報記録面RL1上に形成されるスポットとなる。
情報記録面RL1上で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物光学素子OBJ、絞りSTを透過した後、図示しない1/4波長板により円偏光から直線偏光に変換され、コリメートレンズCLにより収斂光束とされ、偏光ダイクロイックプリズムPPSを透過した後、第1の光検出器PD1の受光面上に収束する。そして、第1の光検出器PD1の出力信号を用いて、2軸アクチュエータACにより対物光学素子OBJをフォーカシングやトラッキングさせることで、BDに記録された情報を読みとることができる。
DVD使用時には、コリメートレンズCLを光軸方向に移動させて、有限収束光を出射するようにする。赤色半導体レーザEP1から射出された680nmの発散光束は、プリズムPSで反射された後、偏光ダイクロイックプリズムPPSにより反射され、コリメートレンズCLにより有限収束光とされた後、図示しない1/4波長板により直線偏光から円偏光に変換され、対物光学素子OBJに入射する。ここで、対物光学素子OBJの中央領域と中間領域により集光された(それ以外を通過した光束はフレア化する)光束は、厚さ0.6mmの保護層PL2を介して、DVDの情報記録面RL2上に形成されるスポットとなる。
情報記録面RL2上で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物光学素子OBJ、絞りSTを透過した後、図示しない1/4波長板により円偏光から直線偏光に変換され、コリメートレンズCLにより収斂光束とされ、偏光ダイクロイックプリズムPPSにより反射された後、その後、プリズム内で2回反射された後、第1の受光部DS1に収束する。そして、第1の受光部DS1の出力信号を用いてDVDに記録された情報を読み取ることができる。
CD使用時には、コリメートレンズCLを光軸方向に移動させて、平行光を出射するようにする。赤外半導体レーザEP2から射出された750nmの発散光束は、プリズムPSで反射された後、偏光ダイクロイックプリズムPPSにより反射され、コリメートレンズCLにより平行光束とされた後、図示しない1/4波長板により直線偏光から円偏光に変換され、対物光学素子OBJに入射する。対物光学素子OBJの中央領域のみにより集光された(それ以外を通過した光束はフレア化する)により集光された光束は、厚さ1.2mmの保護層PL3を介して、CDの情報記録面RL3上に形成されるスポットとなる。
情報記録面RL3上で情報ピットにより変調された反射光束は、再び対物光学素子OBJ、絞りSTを透過した後、図示しない1/4波長板により円偏光から直線偏光に変換され、コリメートレンズCLにより収斂光束とされ、偏光ダイクロイックプリズムPPSにより反射された後、その後、プリズム内で2回反射された後、第2の受光部DS2に収束する。そして、第2の受光部DS2の出力信号を用いてCDに記録された情報を読み取ることができる。
本実施の形態の光ピックアップ装置の構成を概略的に示す図である。
符号の説明
AC 2軸アクチュエータ
PPS 偏光ダイクロイックプリズム
CL コリメートレンズ
LD1 青紫色半導体レーザ
LM レーザモジュール
OBJ 対物光学素子
PL1 保護層
PL2 保護層
PL3 保護層
PU1 光ピックアップ装置
RL1 情報記録面
RL2 情報記録面
RL3 情報記録面
ST 絞り

Claims (27)

  1. 第1光源から出射される波長λ1の第1光束を用いて厚さt1の保護層を有する第1光情報記録媒体の情報記録面に対して集光スポット形成を行い、第2光源から出射される波長λ2(λ1<λ2)の第2光束を用いて厚さt2(t1≦t2)の保護層を有する第2光情報記録媒体の情報記録面に対して集光スポット形成を行い、第3光源から出射される波長λ3(1.9×λ1<λ3<2.1×λ1)の第3光束を用いて厚さt3(t2<t3)の保護層を有する第3光情報記録媒体の情報記録面に対して集光スポット形成を行う光ピックアップ装置において、
    単玉からなる対物光学素子を備えるとともに、前記第1光束、第2光束及び第3光束の前記対物光学素子への入射光束倍率をそれぞれm1、m2、m3とした場合に、それぞれ下記式(1)、(2)、(3)を満たし、
    前記対物光学素子の光学機能面は、光軸を含む中央領域と、該中央領域を囲む周辺領域との少なくとも2つの領域を有し、
    前記中央領域は前記第1光情報記録媒体、前記第2光情報記録媒体及び前記第3光情報記録媒体の情報記録面の全てに対して集光スポット形成に用いられるとともに、前記周辺領域は前記第1光情報記録媒体、前記第2光情報記録媒体及び前記第3光情報記録媒体の情報記録面のうち、前記第1光情報記録媒体及び前記第2光情報記録媒体の情報記録面に対してのみ集光スポット形成に用いられ、
    前記中央領域には、輪帯状の構造からなり、隣り合う輪帯を通過した光束に対して前記波長λ1の奇数倍相当の光路差を付与するとともに、前記第1光束、第2光束、第3光束の全てに対して球面収差をアンダー方向に変化させる光路差付与構造を備えることを特徴とする光ピックアップ装置。
    −0.02 < m1 < 0.02 (1)
    0.00 < m2 < 0.05 (2)
    −0.02 < m3 < 0.02 (3)
  2. 前記対物光学素子に前記第1乃至3光束が入射したときに、前記対物光学素子の有する屈折作用と、前記光路差付与構造によって与えらえる光学作用との組合せによって前記第1乃至3光情報記録媒体の情報記録面に集光スポットがそれぞれ形成されることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。
  3. 前記第1の光束及び前記第3の光束が前記対物光学素子に無限平行光の状態で入射し、前記第2の光束が前記対物光学素子に有限収束光の状態で入射するように、使用する光束に応じて光軸方向に移動するカップリングレンズを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の光ピックアップ装置。
  4. 前記光路差付与構造の設けられている光学面は光源側であることを特徴とする請求項3に記載の光ピックアップ装置。
  5. 前記対物光学素子は前記周辺領域を囲む最外領域を有し、前記最外領域を通過した前記第1光束は、前記第1光情報記録媒体の情報記録面における集光スポット形成に用いられることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
  6. 前記最外領域は光路差付与構造を有し、前記最外領域を通過した前記第2光束及び前記第3光束はフレア化することを特徴とする請求項5に記載の光ピックアップ装置。
  7. 前記光路差付与構造は、鋸歯状回折構造であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
  8. 前記光路差付与構造は、光軸を含む断面形状が階段状とされたパターンを同心円状に配列し、所定のレベル面の個数毎に、そのレベル面数に対応した段数分の高さだけ段をシフトさせた重畳型回折構造であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
  9. 前記光路差付与構造の各パターンに形成されたレベル面は、前記対物光学素子のベース非球面に沿って形成されていることを特徴とする請求項8に記載の光ピックアップ装置。
  10. 前記中央領域における前記光路差付与構造が回折構造である場合に、該回折構造によって生じ、前記集光スポットを形成する前記第1光束の回折光の回折次数をK1、前記第2光束の回折光の回折次数をK2とし、前記対物光学素子を構成する硝材の前記波長λ1に対する屈折率をn1、前記波長λ2に対する屈折率をn2とするとき、次の式を満たすことを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
    (K1・λ1)/(n1−1) < (K2・λ2)/(n2−1) (4)
    ただし、K1 、K2はいずれも正の整数である。
  11. 前記光路差付与構造を通過した第1光束は、1次回折光の光量が最も高くなり、前記光路差付与構造を通過した第2光束は、1次回折光の光量が最も高くなり、前記光路差付与構造を通過した第3光束は、1次回折光の光量が最も高くなることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
  12. 前記光路差付与構造を通過した第1光束は、3次回折光の光量が最も高くなり、前記光路差付与構造を通過した第2光束は、2次回折光の光量が最も高くなり、前記光路差付与構造を通過した第3光束は、2次回折光の光量が最も高くなることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
  13. 前記光路差付与構造を通過した第1光束は、3次回折光の光量が最も高くなり、前記光路差付与構造を通過した第2光束は、2次回折光の光量が最も高くなり、前記光路差付与構造を通過した第3光束は、1次回折光の光量が最も高くなることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
  14. 前記光路差付与構造は、NPS(Non−Periodic Surface)であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
  15. 前記波長λ1は、380nm<λ1<420nmであり、前記波長λ2は、630nm<λ2<680nmであり、前記波長λ3は、760nm<λ3<830nmであることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
  16. 前記波長λ1と前記波長λ2との間には、以下の関係が成り立つことを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
    1.5×λ1<λ2<1.7×λ1 (5)
  17. 前記第1光情報記録媒体の保護層厚さt1は、0.0875mm≦t1≦0.1125mmであり、前記第2光情報記録媒体の保護層厚さt2は、0.5mm≦t2≦0.7mmであり、前記第3光情報記録媒体の保護層厚さt3は、1.1mm≦t3≦1.3mmであることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
  18. 前記対物光学素子はガラスを素材としていることを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
  19. 前記対物光学素子はプラスチックを素材としていることを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
  20. 前記対物光学素子はガラス及びプラスチックを素材としていることを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
  21. 第1光源から出射される波長λ1の第1光束を用いて厚さt1の保護層を有する第1光情報記録媒体の情報記録面に対して集光スポット形成を行い、第2光源から出射される波長λ2(λ1<λ2)の第2光束を用いて厚さt2(t1≦t2)の保護層を有する第2光情報記録媒体の情報記録面に対して集光スポット形成を行い、第3光源から出射される波長λ3(1.9×λ1<λ3<2.1×λ1)の第3光束を用いて厚さt3(t2<t3)の保護層を有する第3光情報記録媒体の情報記録面に対して集光スポット形成を行う光ピックアップ装置の対物光学素子において、
    前記光ピックアップ装置は、前記第1光束、第2光束及び第3光束の前記対物光学素子への入射光束倍率をそれぞれm1、m2、m3とした場合に、それぞれ下記式(1)、(2)、(3)を満たし、
    前記対物光学素子は、単玉からなり、
    前記対物光学素子の光学機能面は、光軸を含む中央領域と、該中央領域を囲む周辺領域との少なくとも2つの領域を有し、
    前記中央領域は前記第1光情報記録媒体、前記第2光情報記録媒体及び前記第3光情報記録媒体の情報記録面の全てに対して集光スポット形成に用いられるとともに、前記周辺領域は前記第1光情報記録媒体、前記第2光情報記録媒体及び前記第3光情報記録媒体の情報記録面のうち、前記第1光情報記録媒体及び前記第2光情報記録媒体の情報記録面に対してのみ集光スポット形成に用いられ、
    前記中央領域には、輪帯状の構造からなり、隣り合う輪帯を通過した光束に対して前記波長λ1の奇数倍相当の光路差を付与するとともに、前記第1光束、第2光束、第3光束の全てに対して球面収差をアンダー方向に変化させる光路差付与構造を備えることを特徴とする対物光学素子。
    −0.02 < m1 < 0.02 (1)
    0.00 < m2 < 0.05 (2)
    −0.02 < m3 < 0.02 (3)
  22. 前記対物光学素子は前記周辺領域を囲む最外領域を有し、前記最外領域を通過した前記第1光束は、前記第1光情報記録媒体の情報記録面における集光スポット形成に用いられることを特徴とする請求項21に記載の対物光学素子。
  23. 前記最外領域は光路差付与構造を有し、前記最外領域を通過した前記第2光束及び前記第3光束はフレア化することを特徴とする請求項22に記載の対物光学素子。
  24. 前記中央領域における前記光路差付与構造が回折構造である場合に、該回折構造によって生じ、前記集光スポットを形成する前記第1光束の回折光の回折次数をK1、前記第2光束の回折光の回折次数をK2とし、前記対物光学素子を構成する硝材の前記波長λ1に対する屈折率をn1、前記波長λ2に対する屈折率をn2とするとき、次の式を満たすことを特徴とする請求項21〜23のいずれかに記載の対物光学素子。
    (K1・λ1)/(n1−1) < (K2・λ2)/(n2−1) (4)
    ただし、K1 、K2はいずれも正の整数である。
  25. 前記光路差付与構造を通過した第1光束は、1次回折光の光量が最も高くなり、前記光路差付与構造を通過した第2光束は、1次回折光の光量が最も高くなり、前記光路差付与構造を通過した第3光束は、1次回折光の光量が最も高くなることを特徴とする請求項21〜24のいずれかに記載の対物光学素子。
  26. 前記光路差付与構造を通過した第1光束は、3次回折光の光量が最も高くなり、前記光路差付与構造を通過した第2光束は、2次回折光の光量が最も高くなり、前記光路差付与構造を通過した第3光束は、2次回折光の光量が最も高くなることを特徴とする請求項21〜24のいずれかに記載の対物光学素子。
  27. 前記光路差付与構造を通過した第1光束は、3次回折光の光量が最も高くなり、前記光路差付与構造を通過した第2光束は、2次回折光の光量が最も高くなり、前記光路差付与構造を通過した第3光束は、1次回折光の光量が最も高くなることを特徴とする請求項21〜24のいずれかに記載の対物光学素子。
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