JP4505772B2 - 浄水場の凝集剤注入制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、浄水場において原水中の不純物を沈澱、ろ過により分離するためにフロックとして凝集、集塊させる浄水場凝集プロセスの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図11は従来の凝集プロセスの一例を示すものである。図において、浄水場の原水は着水井1を通った後、混和池2に流入する。混和池2では、凝集剤注入手段3から凝集剤が注入され、攪拌機(図示せず)により急速撹拌を行うことで微小フロックを形成し、このフロックに原水中の浮遊物質であるコロイド粒子、懸濁物質や微生物などを吸着させる。なお、凝集剤としてはアルミニウム塩である硫酸ばん土及びPAC(ポリ塩化アルミニウム …以下パックという)が用いられ、水道水原水中に含まれる懸濁物や不純物を、水に難溶性の水酸化アルミニウムのフロックにして沈降させる。
【0003】
次いで、フロック形成池5では攪拌機(図示せず)により緩速撹拌を行うことでフロックを成長させ、沈澱池6において固体成分を沈澱させて固液分離を行う。従って、フロック形成池5の出口(沈澱池6の入口)においては適切な大きさ、密度のフロックが形成されていることが必要であり、沈澱処理後(沈澱池6の出口)は処理水濁度が適切な値となるようにパックの注入量が調整される。
【0004】
なお、7は着水井1に流入する水の量を測定する流量計、8は濁度センサとしての濁度計9からの処理水濁度検出値と処理水濁度設定値とが入力され、両者を一致させるように調節動作して凝集剤注入率を出力する凝集剤注入率演算制御手段、4はパック注入制御手段である。ここで、パックの原水に対する注入率は混和池の撹拌機の強度や沈殿池の撹拌機の強度が影響するがこれらは固定して制御を行っているものとする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
凝集剤注入は懸濁物の質や量に対応して、適正量の注入を行うことが重要であり、凝集剤注入量が不足しても、多過ぎても前記した懸濁粒子の荷電中和のバランスが崩れ凝集効果が悪くなる。特に、注入過剰である場合には、凝集が悪くなって浄水の品質低下を招くとともに経済的負担が増すことになる。
【0006】
上述のように凝集剤注入率演算制御手段8で注入率を演算し、パック注入制御手段4で着水井1で測定した濁度と流量計7の測定値に応じて混和池2にパックを注入し、沈殿池6の出口付近で濁度計9により測定した濁度に応じて注入量を調節するが、パックを注入してから沈殿池の出口付近に達するまでに(例えば4時間程度)時間がかかるので、降雨開始時のように原水濁度に急激な変動が生じた場合には安定で精度の良い制御は不可能である。
【0007】
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、原水濁度に急激な変動が生じた場合にも安定で精度の良い制御が行えるようにした浄水場の薬剤注入制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような問題点を解決するために、本発明の浄水場の凝集剤注入制御方法は、
請求項1においては、着水井を通って混和池に流入した原水に凝集剤を注入して撹拌することにより微小フロックを形成させ、後段のフロック形成池内で前記微小フロックを成長させて原水中の固体成分を凝集させると共に、後段の沈澱池内で固液分離する浄水場の凝集剤注入制御方法において、前記混和池に凝集剤を注入する凝集剤の注入率を、下記の式により算出することを特徴とする浄水場の凝集剤注入制御方法。
記
[{(注入率基本値−現時点での実注入率)+(a:着水井における原水のアルカリ度に対する補正量基本値、b:着水井における原水のPHに対する補正量基本値、c:着水井における原水の水温に対する補正量基本値、d:着水井における原水の濁度急変に対する補正量基本値、e:沈殿池の濁度と管理目標値の濁度との偏差に対する補正量基本値のa〜eのうちの少なくとも一つの補正量基本値)}×低,中,高濁度に応じて設けられた所定の定数×手動補正値]+現時点での実注入率。
但し、
注入率基本値:過去に実施した濁度に対するパック注入率実績を統計解析(相関)により算出して求めた値。
手動補正値:オペレータが凝集剤注入率演算手段の端末を介して手動で入力する値。(現時点でオペレータが沈澱池における固液分離の処理状況と管理目標値(沈殿池出口濁度設定値)との差に応じて設定する係数)
低,中,高濁度:濁度が上昇している場合と下降している場合で、浄水場個々の事情により異なる所定の上下限値の領域を定め、上昇している場合においては、濁度が前記下限値より低いときに低濁度、濁度が前記下限値と同じか高い領域にあり上限値より低い領域にあるときは中濁度、濁度が前記上限値と同じか高いときに高濁度と判断し、下降している場合においては、濁度が前記上限値と同じか高いときに高濁度、濁度が前記下限値と同じか高い領域にあり前記上限値より低い領域にあるときは中濁度、濁度が前記下限値より低いときに低濁度と判断する。
【0009】
請求項2においては、請求項1記載の浄水場の凝集剤注入制御方法において、
前記着水井における原水のアルカリ度に対する補正量基本値は、アルカリ度が26以下では基本量補正を行わず(ゼロppm)、40で6.0、50以上では8(ppm)となるような関係をグラフ化し、このグラフに基づいて求めることを特徴とする。
【0010】
請求項3においては、請求項1記載の浄水場の凝集剤注入制御方法において、
前記着水井における原水のPHに対する補正量基本値は、PHが7.3以下ではゼロ(ppm)、8.5以上では8(ppm)となるような関係をグラフ化し、このグラフに基づいて求めることを特徴とする。
【0011】
請求項4においては、請求項1記載の浄水場の凝集剤注入制御方法において、
前記着水井における原水の水温に対する補正量基本値は、水温が12.5℃以下では6(ppm)15℃以上ではゼロ(ppm)となるような関係をグラフ化し、このグラフに基づいて求めることを特徴とする。
【0012】
請求項5においては、請求項1記載の浄水場の凝集剤注入制御方法において、
前記着水井における原水の濁度急変に対する補正量基本値は、濁度急変前後の差分が1以下ではゼロ(ppm)、4.2以上では3(ppm)となるような関係をグラフ化し、このグラフに基づいて求めるようにしたことを特徴とする。
【0013】
請求項6においては、請求項1記載の浄水場の凝集剤注入制御方法において、
前記沈殿池の濁度と管理目標値の濁度との偏差に対する補正量基本値は、沈殿池の中間または出口濁度の少なくとも一方の値を用いて算出されることを特徴とする。
【0014】
請求項7においては、請求項1記載の浄水場の凝集剤注入制御方法において、
前記着水井における原水の濁度急変は分単位での移動平均と、時間単位での移動平均の差を求めその差から濁度の変化の方向を判断するようにしたことを特徴とする。
【0015】
請求項8においては、請求項1記載の浄水場の凝集剤注入制御方法において、
前記沈殿池の濁度と管理目標値の濁度との偏差に対する補正量基本値は、中間の濁度を用いる場合はオペレータが設定する管理目標値(沈殿池出口濁度設定値)との偏差が0.1以下のとき0(ppm)、1.0以上では5(ppm)となるような関係をグラフ化し、このグラフに基づいて求めることを特徴とする
【0016】
請求項9においては、請求項1記載の浄水場の凝集剤注入制御方法において、
前記沈殿池の濁度と管理目標値の濁度との偏差に対する補正量基本値は、出口の濁度を用いる場合はオペレータが設定する管理目標値(沈殿池出口濁度設定値)との偏差が0〜0.1のとき0(ppm)、1.0以上では3(ppm)となるような関係をグラフ化し、このグラフに基づいて求めることを特徴とする。
【0018】
請求項10においては、請求項1記載の浄水場の凝集剤注入制御方法において、
オペレータが判断する手動補正値は0.0〜1.0の範囲であることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明を詳細に説明する。
先にも述べたように、浄水処理では流入原水中の懸濁物質を凝集剤注入により凝集沈殿除去することが必須である。懸濁物質に凝集剤を混入した場合にフロックを生じる現象は以下の原理による。
【0020】
即ち、原水中には数μm程度の懸濁粒子が多数存在している。これらの微粒子は、ほとんどが負荷電を帯びており、相互の荷電によって反発し合って安定な分散系をなし、このままの状態では沈降しない。このような負荷電系に反対の正荷電をもつ凝集剤を添加して懸濁粒子の荷電中和を行うと、粒子間の電気的反発力を減じ、粒子相互の接触結合が可能となり、互いに凝集し沈降する。
【0021】
図1は本発明の実施形態の一実施例を示すもので、図11に示す従来例と同一要素には同一符号を付して重複する説明は省略するが、異なるところは、沈殿池の入口と出口の中程にも濁度計9aを設け、出口に設けられた従来の濁度計9の出力値の少なくとも一方の値を用いるようにしたこと及び水質の変化に応じて凝集剤の注入量を制御するようにしたものである。
【0022】
はじめに、本発明の凝集剤注入制御方法で用いる濁度に対するパックの基本注入率の関係について説明する。
図2は濁度とパックの基本注入率(ppm)の関係を示すもので、濁度が上昇するに従ってパックの注入率も上昇し濁度240においてはパックの注入率が80(ppm)となっている。なお、この関係は濁度に対するパックの注入率を過去の注入実績を統計解析(相関)により算出して求めたものである。
【0023】
図3(a)は図1に示す着水井1に設けた濁度計(図示省略)が示す経過時間に対する濁度変化を示すもので、点線は分単位(例えば5分)、実線は時間単位(例えば2時間)の間隔で測定した結果である。
図3(b)は(a)図に示す結果を合成して大きな値のみを残した状態を示すもので、図2に示す濁度の値としては濁度の急上昇、急下降による凝縮効果の違いを補正するために、この合成した濁度をもとにパック注入率を決定する。
【0024】
図4は図1で示す着水井1で測定したアルカリ度と補正量基本値の関係を示すもので、本実施例ではアルカリ度26程度を補正量基本値0(ppm)とし、アルカリ度30で2.0(ppm)、アルカリ度40で6.0(ppm)、アルカリ度50以上は8(ppm)となるような関係をグラフ化し、このグラフに基づいてそれぞれのアルカリ度に応じた補正量基本値とする。
【0025】
そして、この補正量基本値に原水水質または浄水場によって定められた基準によって低,中,高濁度に応じて設けられた所定の定数を乗じ、更にオペレータが沈殿池6における固形分離の処理状況に応じて設定する係数A(0.00〜3.00ppm)を加えて補正値が決定される。
なお、この係数Aは初期のチューニングやその後の運転結果或いは定期的なラボ分析などによって決まる値である。
図5は着水井1に流入する原水の濁度(TU)が上がり方向に向う場合と下り方向に向う場合における低,中,高濁度を選択するための概念を示す図であり、予め定めた上下限値の濁度に応じて定数が選択される。なお、具体的な数値は浄水場個々の事情により異なるものとなる。
【0026】
図6は図1で示す着水井1で測定したPHと補正量基本値の関係を示す図である。この実施例ではPH7.3以下は補正量0(ppm)とされ、PH8のときに4.5(ppm)、PH8.5のときに8.0(ppm)となる関係をグラフ化し、このグラフに基づいて各PHに対する補正量基本値が決められる。この場合も、原水水質または浄水場によって定められた基準によって低,中,高濁度に応じて設けられた所定の定数を乗じ、更にオペレータが処理状況に応じて設定する係数B(0.00〜3.00ppm)を加えて補正値が決定される。
【0027】
図7は図1で示す着水井1で測定した水温と補正量基本値の関係を示す図である。この実施例では水温が12.5℃以下は補正量基本値が6(ppm)、水温15℃以上では0(ppm)となる関係をグラフ化し、このグラフに基づいて各水温に対する補正量基本値が決められる。この場合も、原水水質または浄水場によって定められた基準によって低,中,高濁度に応じて設けられた所定の定数を乗じ、更にオペレータが処理状況に応じて設定する係数C(0.00〜3.00ppm)を加えて補正値が決定される。
【0028】
図8は図1で示す着水井1で濁度が急変したときの濁度変化(濁度の差分)と補正量基本値の関係を示す図である。
図9(a,b)は濁度の差分の概念を示す図である。この図では原水濁度の急な上昇を捕らえるために、濁度の5分間移動平均(点線)とN時間移動平均(実線)の差分を求める。図において、(a)図は5分間移動平均とN時間移動平均を重ねたもの、(b)図は各時刻における濁度の差を示すものであり、その差から濁度の変化の方向を判断する。
【0029】
図8に戻り、この実施例では濁度の差が1.0以下は補正量基本値を0(ppm)とし、差が4.2以上では3.0(ppm)となる関係をグラフ化し、このグラフに基づいて各差分に対する補正量基本値が決められる。
この場合も、原水水質または浄水場によって定められた基準によって低,中,高濁度に応じて設けられた所定の定数を乗じ、更にオペレータが沈殿池6における固形分離の処理状況に応じて設定する係数D(0.00〜3.00ppm)を加えて補正値が決定される。
【0030】
図10は図1に示す沈殿池6の中間と出口で測定した濁度と過去に作成した濁度に対するパックの注入実績を統計解析により算出した注入率基本値に基づく管理目標値(設定値)との偏差と補正量基本値の関係を示すもので、この実施例では沈殿池の中間に設けた濁度計で測定した場合の管理目標値(設定値)との偏差が0.1以下は補正量基本値が0(ppm)とされ、偏差が1.0以上では5(ppm)となる関係をグラフ化し、また、沈殿池の出口に設けた濁度計で測定した場合の管理目標値(設定値)との偏差が0.1以下は補正量基本値が0(ppm)とされ、偏差が1.0以上では3(ppm)となるような関係をグラフ化し、このグラフに基づいて、各偏差に対する補正量基本値が決められる。
この場合も、原水水質または浄水場によって定められた基準によって低,中,高濁度に応じて設けられた所定の定数を乗じ、更にオペレータが処理状況に応じて設定する係数E(0.00〜3.00ppm)を加えて補正値が決定される。なお、沈殿池濁度補正は中間,出口の少なくとも一方を用いて行なえばよい。
【0031】
以上のことを纏めると、パック注入率(ppm)は、
[{(注入率基本値−現時点での実注入率)+(a:着水井における原水のアルカリ度に対する補正量基本値、b:着水井における原水のPHに対する補正量基本値、c:着水井における原水の水温に対する補正量基本値、d:着水井における原水の濁度急変に対する補正量基本値、e:沈殿池の濁度と管理目標値の濁度との偏差に対する補正量基本値のa〜eのうちの少なくとも一つの補正量基本値)}×低,中,高濁度に応じて設けられた所定の定数×手動補正値]+現時点での実注入率。
但し、
注入率基本値:過去に実施した濁度に対するパック注入率実績を統計解析(相関)により算出して求めた値。
手動補正値:オペレータが凝集剤注入率演算手段の端末を介して手動で入力する値。(現時点でオペレータが沈澱池における固液分離の処理状況と管理目標値(沈殿池出口濁度設定値)との差に応じて設定する係数)
低,中,高濁度:濁度が上昇している場合と下降している場合で、浄水場個々の事情により異なる所定の上下限値の領域を定め、上昇している場合においては、濁度が前記下限値より低いときに低濁度、濁度が前記下限値と同じか高い領域にあり上限値より低い領域にあるときは中濁度、濁度が前記上限値と同じか高いときに高濁度と判断し、下降している場合においては、濁度が前記上限値と同じか高いときに高濁度、濁度が前記下限値と同じか高い領域にあり前記上限値より低い領域にあるときは中濁度、濁度が前記下限値より低いときに低濁度と判断する。
となる。
【0032】
なお、パック注入率の演算は凝集剤注入演算制御装置8により行い、ここで演算されたパック注入量がパック注入制御手段4へ出力され、ここから発信される信号に基づいてパックが注入される。
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明によれば、次の効果が期待できる。請求項1〜12記載の発明によれば、降雨開始時のように原水濁度に急激な変動が生じた場合にも速く安定した制御が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明浄水場の凝集剤注入制御方法に用いる装置の実施形態の一例を示す構成図である。
【図2】 濁度とパックの基本注入率(ppm)の関係を示す図である。
【図3】 着水井に設けた濁度計の経過時間に対する濁度変化を示す図である。
【図4】 着水井で測定したアルカリ度と補正量基本値の関係を示す図である。
【図5】 着水井に流入する濁度(TU)が上がり方向に向う場合と下り方向に向う場合における低,中,高濁度を選択するための概念を示す図である。
【図6】 着水井で測定したPHと補正量基本値の関係を示す図である。
【図7】 着水井で測定した水温と補正量基本値の関係を示す図である。
【図8】 着水井で濁度が急変したときの濁度変化(濁度の差分)と補正量基本値の関係を示す図である。
【図9】 濁度の差の概念を示す図である。
【図10】 沈殿池6の中間と出口で測定した濁度と過去に実施した濁度に対するパックの注入実績を統計解析により算出した注入率基本値に基づく目標値との偏差と補正量基本値の関係を示す図である。
【図11】 従来の浄水場の凝集剤注入方法の制御装置を示す構成図である。
【符号の説明】
1 着水井
2 混和池
3 凝集剤(パック)注入手段
4 パック注入制御手段
5 フロック形成池
6 沈殿池
7 流量計
8 凝集剤注入制御手段
9 濁度計
Claims (10)
- 着水井を通って混和池に流入した原水に凝集剤を注入して撹拌することにより微小フロックを形成させ、後段のフロック形成池内で前記微小フロックを成長させて原水中の固体成分を凝集させると共に、後段の沈澱池内で固液分離する浄水場の凝集剤注入制御方法において、前記混和池に凝集剤を注入する凝集剤の注入率を、下記の式により算出することを特徴とする浄水場の凝集剤注入制御方法。
記
[{(注入率基本値−現時点での実注入率)+(a:着水井における原水のアルカリ度に対する補正量基本値、b:着水井における原水のPHに対する補正量基本値、c:着水井における原水の水温に対する補正量基本値、d:着水井における原水の濁度急変に対する補正量基本値、e:沈殿池の濁度と管理目標値の濁度との偏差に対する補正量基本値のa〜eのうちの少なくとも一つの補正量基本値)}×低,中,高濁度に応じて設けられた所定の定数×手動補正値]+現時点での実注入率。
但し、
注入率基本値:過去に実施した濁度に対するパック注入率実績を統計解析(相関)により算出して求めた値。
手動補正値:オペレータが凝集剤注入率演算手段の端末を介して手動で入力する値。(現時点でオペレータが沈澱池における固液分離の処理状況と管理目標値(沈殿池出口濁度設定値)との差に応じて設定する係数)。
低,中,高濁度:濁度が上昇している場合と下降している場合で、浄水場個々の事情により異なる所定の上下限値の領域を定め、上昇している場合においては、濁度が前記下限値より低いときに低濁度、濁度が前記下限値と同じか高い領域にあり上限値より低い領域にあるときは中濁度、濁度が前記上限値と同じか高いときに高濁度と判断し、下降している場合においては、濁度が前記上限値と同じか高いときに高濁度、濁度が前記下限値と同じか高い領域にあり前記上限値より低い領域にあるときは中濁度、濁度が前記下限値より低いときに低濁度と判断する。 - 前記着水井における原水のアルカリ度に対する補正量基本値は、アルカリ度が26以下では基本量補正を行わず(ゼロppm)、40で6.0、50以上では8(ppm)となるような関係をグラフ化し、このグラフに基づいて求めることを特徴とする請求項1記載の浄水場の凝集剤注入制御方法。
- 前記着水井における原水のPHに対する補正量基本値は、PHが7.3以下ではゼロ(ppm)、8.5以上では8(ppm)となるような関係をグラフ化し、このグラフに基づいて求めることを特徴とする請求項1記載の浄水場の凝集剤注入制御方法。
- 前記着水井における原水の水温に対する補正量基本値は、水温が12.5℃以下では6(ppm)15℃以上ではゼロ(ppm)となるような関係をグラフ化し、このグラフに基づいて求めることを特徴とする請求項1記載の浄水場の凝集剤注入制御方法。
- 前記着水井における原水の濁度急変に対する補正量基本値は、濁度急変前後の差分が1以下ではゼロ(ppm)、4.2以上では3(ppm)となるような関係をグラフ化し、このグラフに基づいて求めるようにしたことを特徴とする請求項1記載の浄水場の凝集剤注入制御方法。
- 前記沈殿池の濁度と管理目標値の濁度との偏差に対する補正量基本値は、沈殿池の中間または出口濁度の少なくとも一方の値を用いて算出されることを特徴とする請求項1記載の浄水場の凝集剤注入制御方法。
- 前記着水井における原水の濁度急変は、分単位での移動平均と、時間単位での移動平均の差を求めその差から濁度の変化の方向を判断するようにしたことを特徴とする請求項1記載の浄水場の凝集剤注入制御方法。
- 前記沈殿池の濁度と管理目標値の濁度との偏差に対する補正量基本値は、中間の濁度を用いる場合はオペレータが設定する管理目標値(沈殿池出口濁度設定値)との偏差が0.1以下のとき0(ppm)、1.0以上では5(ppm)となるような関係をグラフ化し、このグラフに基づいて求めることを特徴とする請求項6記載の浄水場の凝集剤注入制御方法。
- 前記沈殿池の濁度と管理目標値の濁度との偏差に対する補正量基本値は、出口の濁度を用いる場合はオペレータが設定する管理目標値(沈殿池出口濁度設定値)との偏差が0〜0.1のとき0(ppm)、1.0以上では3(ppm)となるような関係をグラフ化し、このグラフに基づいて求めることを特徴とする請求項6記載の浄水場の凝集剤注入制御方法。
- オペレータが判断する手動補正値は0.0〜1.0の範囲であることを特徴とする請求項1記載の浄水場の凝集剤注入制御方法。
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