JP4504306B2 - 顔料インク用インクジェット記録材料 - Google Patents

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Description

本発明は、従来のインクジェット記録材料に比して、インクジェット記録材料と顔料インクとの接着性、白紙部の光沢性に優れ、光沢ムラのない塗布面を有するインクジェット記録材料に関するものである。
近年、デジタルカメラの普及によってデジタルフォト画像が身近になり、デジタルフォト画像の出力に適したインクジェットプリンタも急速に普及している。フォト画像の出力に適した記録材料として、ポリオレフィン樹脂被覆紙(基紙の両面をポリエチレン等のポリオレフィン樹脂でラミネートしたもの)からなる支持体上に微細な無機微粒子を主体とするインク受容層が設けられたインクジェット記録用紙が知られており、市販されているものの、市場ではインク吸収性を低下させず、光沢感を更に向上させた記録用紙が要望されている。
一方、インクジェットプリンタも益々高品質化への工夫がなされており、画像の堅牢性と発色性を同時に満足させるために顔料インクによるフォト品質の印字が始まっている。また、優れた画像を得るためには、記録材料をしっかりと押圧した高精度な搬送が必要であり、キザローラ(薄板状のスターホイル)が搭載されている。しかしながら、ギザローラを搭載するプリンタを用いて継続的に顔料インクで印字を行うと、インクジェット記録材料と顔料インクとの接着性が十分ではないため、ギザローラに顔料インクが付着し、インクジェット記録材料から顔料インクが剥離し、白く抜けた部分が発生するという問題が生じた。
光沢、インク吸収性及び耐傷性に優れ、かつ塗布面の均一なインクジェット記録材料を提供する技術として、支持体上に、少なくとも1層のカチオン化されたアニオン性無機微粒子を主体に含有するインク受容層と、その上層にコロイダルシリカを主体に含有する層と有し、前記コロイダルシリカ含有層が、カチオン性コロイダルシリカを含有するか、またはカチオン性化合物を含有するインクジェット記録材料が、特開2004−50811号公報(特許文献1)に開示されている。高光沢で、インクジェット記録材料と顔料インクとの擦過性を向上させる技術として、保護層としてコロイダルシリカ層を含有し、インク受容層にpHが7〜13で分散して得られた非晶質シリカ微粒子を含有する塗布液を用いて塗設された顔料インク用インクジェット記録材料が、特開2005−41038号公報(特許文献2)に開示されている。滲みの発生が少なく、高い画像濃度が得られる高品位なインクジェット記録用紙を提供する技術として、無機微粒子、ポリビニルアルコール、ジルコニウム化合物またはアルミニウム化合物をインク吸収層中に不均一に分布するインクジェット記録材料が、特開2002−160442号公報(特許文献3)に開示されている。光沢が優れ、塗布故障の少ないインクジェット記録媒体の製造方法として、支持体上に、少なくとも1層の、平均二次粒子径が500nm以下のシリカ微粒子を含有する多孔質層を形成した後に、該多孔質層の上に平均乾燥厚み200nm以下の無機微粒子層を設けるインクジェット記録媒体の製造方法であって、該多孔質層を形成した後に該無機微粒子層の塗布液を塗布するに際し、該多孔質層の空隙容量の90容量%以下の塗布量で前計量タイプの塗布方式にて塗布することを特徴とするインクジェット記録媒体の製造方法が、特開2005−161836号公報(特許文献4)に開示されている。
しかしながら、上記特許文献に記載された記録材料は、前述した本発明が目的とする顔料インクとの接着性、白紙部の光沢性、塗布面を十分に満足するものではなかった。
特開2004−50811号公報 特開2005−41038号公報 特開2002−160442号公報 特開2005−161836号公報
本発明の目的は、インクジェット記録材料と顔料インクとの接着性、白紙部の光沢性に優れ、光沢ムラのない塗布面を有するインクジェット記録材料を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の発明によって達成された。
1)基紙の両面をポリオレフィン樹脂層で被覆した樹脂被覆支持体上に、下層として平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子と樹脂バインダーを主体に含有するインク受容層、上層として単分散性のコロイダルシリカと水溶性多価金属化合物を主体に含有する光沢付与層を設けたインクジェット記録材料において、光沢付与層に含有されるコロイダルシリカの固形分塗布量が0.02〜0.5g/mであり、光沢付与層におけるコロイダルシリカ(C)と水溶性多価金属化合物(M)の固形分混合比(C/M)が1/8〜1/1であり、光沢付与層においてコロイダルシリカに対してバインダーを10質量%以上含有しないことを特徴とする顔料インク用インクジェット記録材料。
本発明により、インクジェット記録材料と顔料インクとの接着性、白紙部の光沢性に優れ、光沢ムラのないインクジェット記録材料が得られる。
以下に本発明を詳細に説明する。本発明の光沢付与層においてコロイダルシリカと水溶性多価金属化合物を主体に含有する。ここで光沢付与層においてコロイダルシリカと水溶性多価金属化合物を主体に含有とは、光沢付与層の固形分塗布量に対して、コロイダルシリカと水溶性多価金属化合物を97質量%以上含有することであり、より好ましくは99質量%以上含有することである。
本発明の光沢付与層に含有されるコロイダルシリカの固形分塗布量は、0.02〜0.5g/m2である。優れた光沢性、顔料インクとの接着性、インク吸収性を得るためには0.05〜0.3g/m2の範囲がより好ましい。光沢付与層に含有される水溶性多価金属化合物の固形分塗布量は、0.02〜0.45g/m2の範囲が好ましく、0.03〜0.25g/m2の範囲がより好ましい。上記範囲内において、コロイダルシリカ(C)と水溶性多価金属化合物(M)の固形分混合比(C/M)は、1/8〜1/1が好ましく、1/6〜1/2がより好ましい。
本発明の光沢付与層に用いられるコロイダルシリカは単分散性である。本発明の単分散性とは、変動係数が0.17以下であり、より好ましくは0.12以下である。具体的にはアルコキシシランを原料としてゾルゲル法で合成したコロイダルシリカで、平均一次粒子径が10〜50nmであり、二次粒子径は15〜90nmが好ましい。より好ましくは一次粒子径が20〜45nmであり、二次粒子径40〜80nmである。上記範囲内では顔料インクとの接着性、白部物の光沢性、インク受容層との接着性が優れる。このようなコロイダルシリカは扶桑化学工業株式会社より、クォートロンPL−1、PL−2、PL−3などの商品名で市販されている。コロイダルシリカの平均一次粒子径は得られた記録材料のインク受容層を電子顕微鏡で観察することにより、観察される分散された凝集粒子の粒子径の平均値を求めたものである。また、ここでいう変動係数とはコロイダルシリカ粒子の粒子径の標準偏差を平均粒子径で割ったものであり、コロイダルシリカ粒子の電子顕微鏡写真を撮り、その中からランダムに500個以上のコロイダルシリカ粒子の直径を測定し、平均粒子径および標準偏差を求め、単分散性を示す変動係数を算出したものである。
本発明の光沢付与層には前述のように実質的に樹脂バインダーを含有しない。実質的にとは固形分塗布量において、コロイダルシリカに対してバインダー10質量%以上含有しないことを意味する。本発明は樹脂バインダーを実質的に含有しないことにより、光沢ムラのない塗布面を得ることができる。本発明の樹脂バインダーとは、後述するインク受容層で使用するバインダーと同一のものである。
本発明のインク受容層に使用する樹脂バインダーとしては、透明性が高く、インクの高い浸透性が得られるという観点から親水性バインダーを選択して用いる。親水性バインダーの使用にあたっては、親水性バインダーがインクの初期の浸透時に膨潤して空隙を塞いでしまわないことが重要であり、この観点から比較的室温付近で膨潤性の低い親水性バインダーが好ましく用いられる。好ましい親水性バインダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコールまたはカチオン変性ポリビニルアルコールである。
ポリビニルアルコールの中でも、ケン化度が80%以上の部分ケン化または完全ケン化したものが好ましい。平均重合度500〜5000のポリビニルアルコールが好ましい。
また、カチオン変性ポリビニルアルコールとして、例えば特開昭61−10483号に記載されているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有するポリビニルアルコールである。
本発明の水溶性多価金属化合物としては、水溶性多価金属塩として、カルシウム、バリウム、マンガン、銅、コバルト、ニッケル、アルミニウム、鉄、亜鉛、ジルコニウム、クロム、マグネシウム、タングステン、モリブデンから選ばれる金属の水溶性塩が挙げられる。具体的には例えば、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、蟻酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、蟻酸マンガン二水和物、硫酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)二水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、フェノールスルフォン酸ニッケル、硫酸アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、塩基性ポリ水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、フェノールスルフォン酸亜鉛、酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化酸化ジルコニウム八水和物、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、酢酸クロム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和物、リンタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストリン酸n水和物等が挙げられる。これらの中にはpHが不適当に低いものもあり、その場合は適宜pHを調節して用いることも可能である。本発明において水溶性とは、常温常圧下で水に1質量%以上溶解することを目安とする。本発明では、ジルコニウムおよびアルミニウムから成る水溶性金属塩が好ましい。ジルコニウムから成る水溶性金属塩としては、例えば、第一希元素化学工業(株)からZA−30が市販されいる。アルミニウムから成る水溶性金属としては、例えば、多木化学(株)よりポリ塩化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの名で、また他のメーカーからも同様の目的を持って上梓されており、各種グレードの物が容易に入手できる。
本発明のインク受容層は平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子と樹脂バインダーを主体に含有する。ここで、インク受容層は無機微粒子と樹脂バインダーを主体に含有するとは、インク受容層の固形分塗布量に対して、無機微粒子と樹脂バインダーを50質量%以上含有することであり、より好ましくは60質量%以上含有することである。
本発明のインクジェット記録材料の支持体に近いインク受容層においては、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を用いる。ここで無機微粒子とは、合成シリカ、アルミナあるいはアルミナ水和物である。
合成シリカは製造方法によって、気相法シリカあるいは湿式法シリカに大別される。本発明に用いられる合成シリカは、気相法シリカであっても湿式法シリカであっても良い。
本発明のインク受容層に含有する気相法シリカは、火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素および酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは、日本アエロジル(株)からアエロジル、(株)トクヤマからQSタイプとして市販されており、入手することができる。
インク受容層に含有される気相法シリカの平均二次粒子径は500nm以下である。より高いインク吸収性を得るためには、平均二次粒子径が30nm〜300nmで、平均一次粒子径は3nm〜20nmであることが好ましい。
本発明の気相法シリカの平均一次粒子径は、一次粒子が判別できる程度まで分散された粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子の一次粒子径として求めた平均粒子径のことである。平均二次粒子径は、得られた記録材料のインク受容層を電子顕微鏡で観察することにより、観察される分散された凝集粒子の粒子径の平均値を求めたものである。
湿式法シリカは、さらに製造方法によって沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。沈降法シリカは珪酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造され、粒子成長したシリカ粒子が凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の行程を経て製品化される。この方法で製造されたシリカ二次粒子は緩やかな凝集粒子となり、比較的粉砕し易い粒子が得られる。沈降法シリカとしては、例えば東ソー・シリカ(株)からニップシールとして、(株)トクヤマからトクシール、ファインシールとして市販されている。
ゲル法シリカは珪酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させて製造する。この場合、熟成中に小さなシリカ粒子が溶解し、大きな粒子の一次粒子間に一次粒子どうしを結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。例えば、水澤化学工業(株)からミズカシルとして、グレースジャパン(株)からサイロジェットとして市販されている。
本発明に用いられる沈降法シリカあるいはゲル法シリカは、通常、1μm以上の平均二次粒子径を有している。本発明では、平均二次粒子径が500nm以下になるまで粉砕される。好ましくは、平均時粒径が300nm以下になるまで粉砕する。粉砕された沈降法シリカあるいはゲル法シリカの平均二次粒子径は、得られた記録材料のインク受容層を電子顕微鏡で観察することにより、観察される分散された凝集粒子の粒子径の平均値を求めたものである。
沈降法シリカあるいはゲル法シリカの粉砕工程は、分散媒にシリカ微粒子を添加し混合(予備分散)する一次分散工程と、該一次分散工程で得られた粗分散液中のシリカを粉砕する二次分散工程からなる。一次分散工程における予備分散は、通常のプロペラ撹拌、歯状ブレード型分散機、タービン型撹拌、ホモミキサー型撹拌、超音波撹拌等で行うことができる。沈降法シリカあるいはゲル法シリカの粉砕方法としては、分散媒中に分散したシリカを機械的に粉砕する湿式分散法が好ましく使用できる。湿式分散機としては、ボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜施回型分散機等を使用することができるが、本発明では特にビーズミル等のメディアミルが好ましく用いられる。
本発明のインク受容層に含有されるアルミナの平均二次粒子径は500nm以下である。より高いインク吸収性を得るためには、平均二次粒子径が50nm〜300nmで、平均一次粒子径が10nm〜100nmであることが好ましい。アルミナとしては酸化アルミニウムのγ型結晶であるγ−アルミナが好ましく、中でもγグループ結晶が好ましい。アルミナの平均二次粒子径は、得られた記録材料のインク受容層を電子顕微鏡で観察することにより、観察される分散された凝集粒子の粒子径の平均値を求めたものである。
本発明のインク受容層に含有されるアルミナ水和物は、Al23・nH2O(n=1〜3)の構成式で表せる。nが1の場合がベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが1より大きく3未満の場合が擬ベーマイト構造のアルミナ水和物を表す。アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造方法により得られる。
本発明に使用するアルミナ水和物の平均二次粒子径は500nm以下である。より高いインク吸収性を得るためには、平均一次粒径が5nm〜50nmであり、且つ平均アスペクト比(平均厚さに対する平均粒子径の比)が2以上の平板状の粒子を用いるのが好ましい。アルミナ水和物の平均二次粒子径は、得られた記録材料のインク受容層を電子顕微鏡で観察することにより、観察される分散された凝集粒子の粒子径の平均値を求めたものである。
本発明において、インク受容層および光沢付与層を設ける際の塗布方法は特に限定されないが、スライドビードコーター、カーテンコーター、エクストルージョンコーター、エアーナイフコーター、ロッドコーター、ブレードコーター、グラビアコーター等の塗布装置を単独および組みあわせて使用できる。インク受容層と光沢付与層を同時塗布する場合は、スライドビードコーターの塗布装置が使用できる。インク受容層を塗布後、光沢付与層を逐次塗布する場合は、上記塗布装置を適宜組みあわせて使用することができる。本発明で同時塗布とは各層をほぼ同時に塗布することである。逐次塗布するとは、減率乾燥工程以降においてインク受容層の空隙が形成された後、光沢付与層の塗布液を塗布することである。
本発明のインク受容層において、樹脂バインダーと無機微粒子の混合比は好ましい範囲があり、無機微粒子の種類によって好ましい範囲が適宜選択される。合成シリカに対しては、10〜30質量%の樹脂バインダーを用いるのが好ましく、特に12〜25質量%用いるのが好ましい。アルミナまたはアルミナ水和物に対しては、5〜25質量%の樹脂バインダーを用いるのが好ましく、特に7〜15質量%用いるのが好ましい。
本発明のインク受容層には、皮膜の脆弱性を改良するために各種油滴を含有することができる。そのような油滴としては室温における水に対する溶解性が0.01質量%以下の疎水性高沸点有機溶媒(例えば、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレジルホスフェート、シリコンオイル等)や重合体粒子(例えば、スチレン、ブチルアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等の重合性モノマーを一種以上重合させた粒子)を含有させることができる。そのような油滴は好ましくは樹脂バインダーに対して10〜50質量%の範囲で用いることができる。
本発明のインク受容層は、単層であっても2層以上あっても良い。インク受容層の固形分塗布量は、塗布する無機微粒子によって異なる。気相法シリカ単層の場合の固形分塗布量は、5g/m2〜30g/m2が好ましく、10g/m2〜25g/m2の範囲がより好ましい。アルミナおよびアルミナ水和物単層の場合の固形分塗布量は、10g/m2〜40g/m2が好ましく、15g/m2〜35g/m2がより好ましい。気相法シリカと、アルミナおよびアルミナ水和物を重層する際の総固形分量は、10g/m2〜40g/m2が好ましく、15g/m2〜35g/m2がより好ましい。
本発明のインク受容層は、樹脂バインダーと共に硬膜剤を含有するのが好ましい。硬膜剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、米国特許第3,288,775号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同2,983,611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ほう酸及びほう酸塩の如き無機硬膜剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特にほう酸あるいはほう酸塩が好ましい。硬膜剤の添加量はインク受容層を構成する親水性バインダーに対して、0.1〜40質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜30質量%である。
本発明において、インク受容層および光沢付与層には、着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。
本発明で使用される支持体は基紙の両面をポリオレフィン樹脂層で被覆したポリオレフィン樹脂被覆紙であり、その支持体の厚みは100μm〜300μmであることが好ましい。
本発明の支持体を構成する基紙は特に制限はなく、一般的に用いられている紙が使用できるが、写真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好ましい。基紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種類もしくは2種類以上混合して用いられる。この基紙には一般的に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。
さらに表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布されてもよい。
また、基紙は抄造中にまたは抄造後にカレンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ましく、その坪量は80g/m2〜250g/m2が好ましい。
基紙の両面を被覆する樹脂被覆層には、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブデン、ポリペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上からなる共重合体およびそれらの混合物が使用され、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して使用できる。
また、樹脂被覆層の樹脂中には、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
樹脂被覆紙支持体の製造方法としては、走行する基紙上にポリオレフィン樹脂を加熱溶融した状態で流延する、いわゆる押出コーティング法により製造され、基紙の両面が樹脂により被覆される。また、樹脂を基紙に被覆する前に基紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことが好ましい。
本発明の支持体は基紙の両面に樹脂被覆層を押出機で加熱溶融し、基紙とクーリングロールとの間にフィルム状に押出し、圧着、冷却して製造される。
本発明に用いられる支持体には塗布性や界面の接着強度向上のために下引き層を設けても良い。この下引き層は、インク受容層が塗布される前に支持体の樹脂被覆層表面に塗布乾燥されたものである。この下引き層は、皮膜形成可能な水溶性ポリマーやポリマーラテックス等を主体に含有する。好ましくはゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性セルロース等の水溶性ポリマーであり、特に好ましくはゼラチンである。これらの水溶性ポリマーまたはポリマーラテックスの付着量は、0.1g/m2〜1g/m2が好ましい。更に下引き層には他に界面活性剤や硬膜剤を含有することが好ましい。また、下引き層を塗布する前にコロナ放電処理をすることが好ましい。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。尚、部とは、固形分あるいは実質成分の質量部を表す。
<支持体の作製>
広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)の1:1混合物をカナディアン スタンダード フリーネスで300mlになるまで叩解し、パルプスラリーを調製した。これにサイズ剤とアルキルケテンダイマーを対パルプ0.5質量%、強度剤としてポリアクリルアミドを対パルプ1質量%、カチオン化澱粉を対パルプ2質量%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を対パルプ0.5質量%添加し、水で希釈して1%スラリーとした。このスラリーを長網抄紙機で坪量170g/m2になるように抄造し、乾燥調湿して支持体の基紙とした。抄造した基紙の印字面側に密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン100質量%の樹脂に対して、10質量%のアナターゼ型チタンを均一に分散したポリエチレン樹脂組成物を320℃で溶融し、200m/分で厚さ30μmになるように押出し、微粗面加工されたクーリングロールで冷却しながら、インク受容層塗布面側の樹脂被覆層を設けた。反対面側には密度0.962g/cm3の高密度ポリエチレン樹脂70質量部と密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレン樹脂30質量部のブレンド樹脂組成物を同様に320℃で溶融し、厚さ25μmになるようにクーリングロールで冷却しながら樹脂被覆層を設けた。
上記支持体のインク受容層塗布面側に高周波コロナ放電処理を施した後、下記組成の下引き層をゼラチンが50mg/m2となるように塗布乾燥した。尚、以下、部とは固形分あるいは実質成分の質量部を表す。
<下引き層>
石灰処理ゼラチン 100部
スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 2部
クロム明ばん 10部
上記支持体に下記組成のインク受容層Aを固形分量が25g/m2になるようにスライドビード塗布装置で塗布し、5℃30秒間冷却後、40℃10%RHで乾燥終了点まで乾燥し、下記組成の光沢付与層1を固形分量が0.5g/m2(コロイダルシリカ固形分量 0.1g/m2)になるようにグラビア塗布装置で逐次塗布し、50℃で乾燥した。なお、電子顕微鏡観察による気相法シリカの平均二次粒子径は80nmであった。
<気相法シリカ分散液>
水にジメチルアルミニウムクロライドポリマー(分子量:9000)3部と気相法シリカ(平均一次粒径7nm、比表面積300m2/g)100部を添加し予備分散液を作製した後、高圧ホモジナイザーで処理して、固形分濃度20質量%の気相法シリカ分散液を作製した。
<インク受容層A>
気相法シリカ分散液 103部
ホウ酸 5部
ポリビニルアルコール 23部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
固形分濃度が12質量%になるように水で調整した。
<光沢付与層1>
クォートロンPL−3L 100部
(扶桑化学工業株式会社製単分散コロイダルシリカ、平均一次粒子径40nm、変動係数0.11)
ZA−30 400部
(第一希元素化学工業(株)社製酢酸ジルコニル)
固形分濃度が2.5質量%になるように水で調整した。
実施例1のインク受容層Aをインク受容層Bに変更する以外は、実施例1と同様にして実施例2のインクジェット記録材料を作製した(コロイダルシリカ固形分量 0.1g/m2)。なお、電子顕微鏡観察による湿式法シリカの平均二次粒子径は200nmであった。
<湿式法シリカ分散液>
水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9,000、4部)と沈降法シリカ(ニップシールVN3、平均二次粒径23μm、100部)を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機(ブレード周速30m/秒)を使用して予備分散液を作成した。次に得られた予備分散物をビーズミルに、直径0.3mmのジルコニアビーズ、充填率80容量%、円盤周速10m/秒の条件で1回通過させて、固形分濃度30質量%、平均二次粒径200nmの湿式法シリカ分散液を得た。
<インク受容層B>
湿式法シリカ分散液 104部
ほう酸 4部
ポリビニルアルコール 17部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
固形分濃度が12質量%になるように水で調整した。
実施例1のインク受容層Aをインク受容層Cに変更する以外は、実施例1と同様にして実施例3のインクジェット記録材料を作製した(コロイダルシリカ固形分量 0.1g/m2)。なお、電子顕微鏡観察によるアルミナ水和物の平均二次粒子径は160nmであった。
<インク受容層C>
アルミナ水和物 100部
(SASOL社製のDisperal.HP−14、平均二次粒径160nm)
硝酸 1.4部
ホウ酸 0.2部
ポリビニルアルコール 9.5部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
固形分濃度が15質量%になるように水で調整した。
実施例1の光沢付与層1を光沢付与層2に変更する以外は、実施例1と同様にして実施例4のインクジェット記録材料を作製した(コロイダルシリカ固形分量 0.1g/m2)。
<光沢付与層2>
クォートロンPL−3L 100部
(扶桑化学工業株式会社製単分散コロイダルシリカ、平均一次粒子径35nm、変動係数0.11)
ピュラケムWT 400部
((株)理研グリーン社製メチルアルミニウムクロライドポリマー)
固形分濃度が2.5質量%になるように水で調整した。
実施例1の光沢付与層1を光沢付与層3に変更する以外は、実施例1と同様にして実施例4のインクジェット記録材料を作製した(コロイダルシリカ固形分量 0.1g/m2)。
<光沢付与層3>
クォートロンPL−2L 100部
(扶桑化学工業株式会社製単分散コロイダルシリカ、平均一次粒子径19nm、変動係数0.11)
ZA−30 400部
(第一希元素化学工業(株)社製酢酸ジルコニル)
実施例1の光沢付与層1の固形分量を0.15g/m2(コロイダルシリカ固形分量 0.03g/m2)に変更する以外は、実施例1と同様にして実施例6のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1の光沢付与層1の固形分量を2g/m2(コロイダルシリカ固形分量 0.4g/m2)に変更する以外は、実施例1と同様にして実施例7のインクジェット記録材料を作製した。
実施例1の光沢付与層1を光沢付与層4に変更する以外は、実施例1と同様にして実施例8のインクジェット記録材料を作製した(コロイダルシリカ固形分量 0.1g/m2)。
<光沢付与層4>
クォートロンPL−3L 100部
(扶桑化学工業株式会社製単分散コロイダルシリカ、平均一次粒子径35nm、変動係数0.11)
ZA−30 400部
(第一希元素化学工業(株)社製酢酸ジルコニル)
ポリビニルアルコール 4部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
固形分濃度が2.5質量%になるように水で調整した。
(比較例1)
光沢付与層1を塗布しないこと以外は、実施例1と同様にすることで比較例1の記録材料を作製した。なお、電子顕微鏡観察による気相法シリカの平均二次粒子径は80nmであった。
(比較例2)
実施例1の光沢付与層1の固形分量を0.05g/m2(コロイダルシリカ固形分量 0.01g/m2)になるようにする以外は実施例1と同様にすることで比較例2の記録材料を作製した。
(比較例3)
実施例1の光沢付与層1の固形分量を3.5g/m2 (コロイダルシリカ固形分量 0.7g/m2)になるようにする以外は実施例1と同様にすることで比較例3の記録材料を作製した。その結果、インク受容層と光沢付与層との接着性が十分でなく、評価するに値する品質を得ることができなかった。
(比較例4)
実施例1の光沢付与層1を光沢付与層5に変更すること以外は、実施例1と同様にすることで比較例4の記録材料を作製した(コロイダルシリカの固形分量 0.1g/m2)。なお、電子顕微鏡観察による気相法シリカの平均二次粒子径は80nmであった。
<光沢付与層5>
PL−3L 100部
(扶桑化学工業株式会社製単分散コロイダルシリカ、平均一次粒子径35nm、変動係数0.11)
固形分濃度が0.5質量%になるように水で調整した。
(比較例5)
実施例1の光沢付与層1を光沢付与層6に変更すること以外は、実施例1と同様にすることで比較例5の記録材料を作製した(コロイダルシリカの固形分量 0.1g/m2)。なお、電子顕微鏡観察による気相法シリカの平均二次粒子径は80nmであった。その結果、インク受容層と光沢付与層との接着性が十分でなく、評価するに値する品質を得ることができなかった。
<光沢付与層6>
ST−OL40 100部
(日産化学工業社製多分散コロイダルシリカ、平均一次粒子径43nm、変動係数0.20)
ZA−30 400部
(第一希元素化学工業(株)社製酢酸ジルコニル)
固形分濃度が2.5質量%になるように水で調整した。
(比較例6)
実施例1の光沢付与層1を光沢付与層7に変更すること以外は、実施例1と同様にすることで比較例6の記録材料を作製した(コロイダルシリカの固形分量 0.1g/m2)。なお、電子顕微鏡観察による気相法シリカの平均二次粒子径は80nmであった。
<光沢付与層7>
クォートロンPL−3L 100部
(扶桑化学工業株式会社製単分散コロイダルシリカ、平均一次粒子径35nm、変動係数0.11)
ZA−30 400部
(第一希元素化学工業(株)社製酢酸ジルコニル)
ポリビニルアルコール 15部
(ケン化度88%、平均重合度3500)
固形分濃度が2.5質量%になるように水で調整した。
(比較例7)
実施例1の光沢付与層1を光沢付与層8に変更すること以外は、実施例1と同様にすることで比較例7の記録材料を作製した(コロイダルシリカの固形分量 0.1g/m2)。なお、電子顕微鏡観察による気相法シリカの平均二次粒子径は80nmであった。その結果、インク受容層と光沢付与層との接着性が十分でなく、評価するに値する品質を得ることができなかった。
<光沢付与層8>
ST−OZL 100部
(日産化学工業社製多分散コロイダルシリカ、平均一次粒子径80nm、変動係数0.31)
ZA−30 400部
(第一希元素化学工業(株)社製酢酸ジルコニル)
固形分濃度が2.5質量%になるように水で調整した。
(比較例8)
実施例1の光沢付与層1を光沢付与層9に変更すること以外は、実施例1と同様にすることで比較例7の記録材料を作製した(コロイダルシリカの固形分量 0.1g/m2)。なお、電子顕微鏡観察による気相法シリカの平均二次粒子径は80nmであった。その結果、インク受容層と光沢付与層との接着性が十分でなく、評価するに値する品質を得ることができなかった。
<光沢付与層9>
ST−AKL 100部
(日産化学工業社製多分散コロイダルシリカ、平均一次粒子径45nm、変動係数0.26)
ZA−30 400部
(第一希元素化学工業(株)社製酢酸ジルコニル)
固形分濃度が2.5質量%になるように水で調整した。
上記のようにして作製したインクジェット記録材料について、以下の評価を行った。その結果を表1に示す。
<顔料インクの接着性>
顔料インク用インクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)社製PX−G900)を用いて、Blueの最大インク吐出量でベタ印字を50枚連続で行い、ギザローラが通過した画像部を目視評価した。
○:顔料インクの剥離なし。
△:顔料インクの剥離がわずかにある。
×:顔料インクの剥離があり。
××:顔料インクの剥離が激しい。
<白紙部の光沢度(%)>
JIS−Z8741に基づいて20度光沢度を変角光沢計VGS−300A(日本電色(株)製)で測定した。
○:40%より高い。
△:30〜40%。
×:30%より低い。
<塗布面の光沢ムラ>
得られたインクジェット記録材料について、塗布面の光沢ムラを目視で観察した。
○:問題なし。
△:若干ムラあり。
×:ムラが目立つ。
Figure 0004504306
上記の結果から、本発明のインクジェット記録材料は従来の記録材料に比べて、顔料インクとの接着性、白紙部の光沢性に優れ、良好な塗布面を得ていることが分かる。光沢付与層を設けていない場合(比較例1)は、顔料インクとの接着性と白紙部の光沢性が満足できるものではなかった。光沢付与層に含有されるコロイダルシリカの固形分量が少ない場合(比較例2)は、顔料インクの接着性と白紙部の光沢性が満足できるものではなかった。光沢付与層に含有されるコロイダルシリカの固形分量が多い場合(比較例3)は、インク受容層と光沢付与層との接着性が十分でなかった。光沢付与層に水溶性多価金属化合物を含有していない場合(比較例4)は、顔料インクとの接着性が満足できるものではなかった。光沢付与層のコロイダルシリカが単分散でない場合(比較例5、7、8)は、インク受容層と光沢付与層との接着性が十分でなった。光沢付与層に樹脂バインダーを含有した場合(比較例6)は、塗布面の光沢ムラを満足することができなかった。

Claims (1)

  1. 基紙の両面をポリオレフィン樹脂層で被覆した樹脂被覆支持体上に、下層として平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子と樹脂バインダーを主体に含有するインク受容層、上層として単分散性のコロイダルシリカと水溶性多価金属化合物を主体に含有する光沢付与層を設けたインクジェット記録材料において、光沢付与層に含有されるコロイダルシリカの固形分塗布量が0.02〜0.5g/mであり、光沢付与層におけるコロイダルシリカ(C)と水溶性多価金属化合物(M)の固形分混合比(C/M)が1/8〜1/1であり、光沢付与層においてコロイダルシリカに対してバインダーを10質量%以上含有しないことを特徴とする顔料インク用インクジェット記録材料。
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