JP4502012B2 - ラインパイプ用継目無鋼管およびその製造方法 - Google Patents

ラインパイプ用継目無鋼管およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、強度、靱性、耐食性、溶接性に優れたラインパイプ用継目無鋼管とその製造方法に関する。本発明の継目無鋼管は、API(米国石油協会)規格に規定されるX80級以上(降伏強度551 MPa以上)の強度を、良好な靱性と耐食性と共に有するラインパイプ用の高強度高靱性厚肉継目無鋼管であり、特に海底フローラインまたはライザーとして使用するのに好適である。
陸上や水深ほぼ500メートルまでのいわゆる浅海に位置する油田の石油、天然ガス資源が近年枯渇しつつあるので、例えば海面下1000〜3000メートルといういわゆる深海の海底油田の開発が活発になっている。深海油田では、海底に設置された油井、天然ガス井の坑口から、洋上のプラットホームまで、フローラインやライザーと呼ばれる鋼管を用いて原油や天然ガスを輸送する必要がある。
深海に敷設されたフローラインを構成する鋼管の内部には、深い地層圧が加わった高圧の内部流体圧がかかり、また操業停止時には深海の海水圧の影響を受ける。一方、ライザーを構成する鋼管は、さらに波浪による繰り返し歪みの影響も受ける。
ここで、フローラインとは、地上もしくは海底面の地勢に沿って敷設された輸送用鋼管であり、ライザーとは海底面から海上のプラットフォームまで立ち上がった輸送用鋼管である。深海油田で用いる場合には、これらの鋼管は通常30 mm以上の肉厚が必要と言われており、実際にも40〜50 mmの厚肉管が使用されるのが一般的である。これからも過酷な条件で使用される部材であることがわかる。
図1は、ライザーおよびフローラインの海中における配置例を模式的に示す説明図である。図中、海底10に設けられた坑口12とその直上の海面13上に設けられたプラットフォーム14との間はトップテンションライザー16によって連結されている。一方、図示しない遠方にある坑口からは、これに連結され、海底上に設置されたフローライン18がプラットフォーム14の近くまで延設されており、このフローライン18の端部は、プラットフォーム近傍から立ち上がったスティールカテナリーライザー20によってプラットフォーム14に連結されている。
このようなライザーおよびフローラインの使用環境は過酷であり、例えば、温度は177℃、内圧は1400気圧に達するといわれている。従って、ライザーやフローラインに用いる鋼管はそのような過酷な使用環境に耐えなければならない。しかも、ライザーの場合、波浪による曲げ圧力を受けるため、そのような外部からの影響にも耐えなければならない。
従って、ライザーおよびフローラインには、高強度で高靱性の鋼管が望まれる。また、高い信頼性を確保するため、溶接鋼管ではなく、継目無鋼管が用いられている。
溶接鋼管の分野では、既にX80級を超える強度の鋼管を製造する技術が開示されている。例えば特許文献1(特開平9−41074号公報)に、API規格のX100級(降伏強度689 MPa以上)超の鋼が開示されている。溶接鋼管は、鋼板をまず製造し、その鋼板を丸めて溶接し、鋼管とする。鋼板の製造段階で強度、靱性等の主要な性能を付与する目的で、鋼板の圧延時に加工熱処理を施すことによって、そのミクロ組織をコントロールすることが適用されてきた。特許文献1でも、鋼板の熱間圧延時に加工熱処理を施し、そのミクロ組織を、加工フェライトを含有するようにコントロールすることによって、溶接後の鋼管の性能を確保する。従って、特許文献1に開示される技術は、制御圧延による加工熱処理が容易な鋼板の圧延プロセスでのみ実現でき、従って溶接鋼管には適用できるが、継目無鋼管には適用できない。
継目無鋼管に限ると、近年X80級の継目無鋼管が開発されつつある。継目無鋼管では、溶接鋼管で開発された加工熱処理を利用する上記技術は適用困難であるから、基本的に製管後の熱処理によって性能を確保する必要がある。例えば、特許文献2(特開2001−288532号公報)にX80級(降伏強度551 MPa以上)の継目無鋼管を製造する技術が開示されている。しかし、その技術は、特許文献2の実施例に記載されているように、本質的に焼入れ性のよい薄肉(肉厚11.1 mm)の継目無鋼管で検討されているにすぎない。従って、ここに開示された技術を用いても、ライザーやフローラインとして実際に使用されている厚肉(肉厚40〜50 mm程度)の継目無鋼管を製造する場合は、そのような厚肉鋼管では特に中心部の焼入れ時の冷却速度が遅くなるため、十分な強度と靱性が確保できないという問題がある。なぜなら、冷却速度が遅いために、従来の合金設計では金属組織が均質になりにくく、脆弱な相を含む可能性が高くなるためである。
本発明は、上記の問題を解決することを目指したものであり、具体的には、特に肉厚の大きい継目無鋼管で高強度と安定した靱性と良好な耐食性を有するラインパイプ用継目無鋼管とその製造方法を提供することである。
本発明者らは、厚肉の高強度継目無鋼管の靱性が支配される因子を解析した。その結果、下記(1)〜(6)に列記した新知見を得て、X80級以上の高強度で高靭性を有し、耐食性も良好なラインパイプ用継目無鋼管を、製造できることを知見した。
(1) 最終的に焼入れと焼戻しがなされる厚肉の鋼管においては、ベイナイトを構成するサブ組織である、ベイナイトラス、ブロック、パケットが粗大化しやすい状況にある。まず、厚肉であるため、焼入れ時には冷却速度が遅く、オーステナイトからベイナイトへの変態がゆっくり進行し、ベイナイトラスが粗大化する。次の焼戻し時には、旧γ粒界、ベイナイトラス、ブロック、パケットの界面にセメンタイトが界面に沿って粗大に析出する。粗大なセメンタイトは、それ自体またはセメンタイトと母相との界面が脆弱なため、亀裂の伝播経路となりやすく、良好な靭性を得るのを困難にする。
セメンタイトが粗大であればあるほど靭性が低下し、特にシャルピー吸収エネルギーにバラツキを生じる。これは、粗大セメンタイトがシャルピー試験片のノッチ近傍に存在する場合、粗大セメンタイトを起点とした脆性クラックが生じて、脆性破面が伝播するためである。従って、セメンタイトの長さを20μm以下と小さくすることが高靭性化、特にシャルピー吸収エネルギーの安定化に必要である。
(2) セメンタイトは、オーステナイト単相の温度域から焼入れによりベイナイト変態する際に、ベイナイトラス、ブロック、パケットが発達するとともに、Cが拡散して未変態のγ相に濃化し、その部位が焼入れ後の室温において、島状マルテンサイト(以下MA:Martensite-Austenite Constituent)として残留し、そのMAが焼戻しによってセメンタイトに分解して生成する。また、焼入れ時のベイナイト変態の最中にCが拡散して直接セメンタイトが粗大に析出する場合もある。
従って、セメンタイトを微細化するためには、焼入れ時に生成するMAおよびセメンタイトを微細化することが必要である。
(3) 焼入れ時のMAの生成を抑え、焼き戻し後のセメンタイトを微細化するには、C含有量を低減し、且つ焼入れ時のオーステナイト相からベイナイト組織への変態の温度域を低温化させることが肝要である。特に、厚肉の継目無鋼管では、冷却速度に限界があるため、広い冷却速度の範囲(例えば、800〜500℃の間の平均冷却速度が1〜100℃/sである範囲)で変態温度が600℃以下となる必要がある。
変態温度を低温化させるために、鋼の化学組成を、式(1)で示されるPcmが0.185以上となるように選定する。
Pcm=[C]+[Si]/30+([Mn]+[Cr]+[Cu])/20+[Mo]/15+[V]/10+5[B] … (1)
式中、[C]、[Si]、[Mn]、[Cr]、[Cu]、[Mo]、[V]、[B]はそれぞれC、Si、Mn、Cr、Cu、Mo、V、Bの含有量を質量%で表した数字である。式中の合金元素を含まない場合は、その合金元素の項に0を代入する。
(4) 厚肉の継目無鋼管を高強度化するには、焼き戻し軟化抵抗を高めるのに有効な元素であるMoの含有量を高くする必要がある。
(5) MAの粗大化に起因するセメンタイトの粗大化に加えて、他の靭性低下を引き起こす因子を取り除く必要がある。上記のようにMo含有量を高くした鋼では、C含有量が低減されても、Bが添加されていると、焼入れ時にBが界面に偏析する。その結果、焼戻し時にM23(C,B)6(Mは合金元素を表し、主としてFe、Cr、Moが含まれる)の形で表される炭硼化物が、サブ組織である旧γ粒界に沿って粗大に析出し、これがやはり靭性バラツキの要因となり得る。従って、Bをなるべく低減する必要がある。
(6) 焼入れ性向上にはMn含有量を高くすることが有利であるが、そうすると、靭性を低下させるMnSが析出しやすいので、Caを必ず添加してCaSとしてSを固定する。
従来に無い高強度厚肉鋼管を実現できる本発明の継目無鋼管においては、鋼の化学組成において、必須元素であるC、Si、Mn、Al、Mo、CaおよびN、ならびに不可避不純物であるP、S、O、Bの含有量の範囲を制限し、必要に応じてCr、Ti、Ni、V、Nb、Cuを特定の範囲内の量で添加することができる。
以上の知見に基づく本発明は、質量%で、C:0.02〜0.08%、Si:0.5%以下、Mn:1.5〜3.0%、Al:0.001〜0.10%、Mo:0.4%超〜1.2%、N:0.002〜0.015%、Ca:0.0002〜0.007%を含み、残部がFeおよび不純物からなり、不純物中のPが0.03%以下、Sが0.005%以下、Oが0.005%以下、Bが0.0005%未満であって、下記(1)式で算出されるPcmの値が0.185以上、0.250以下である化学組成を有し、かつセメンタイトの長さが20μm以下のベイナイトからなる金属組織を有することを特徴とするラインパイプ用継目無鋼管である。
Pcm=[C]+[Si]/30+([Mn]+[Cr]+[Cu])/20+[Mo]/15+[V]/10+5[B] … (1)
式中、[C]、[Si]、[Mn]、[Cr]、[Cu]、[Mo]、[V]、[B]はそれぞれC、Si、Mn、Cr、Cu、Mo、V、Bの含有量を質量%で表した数字である。
前記化学組成は、Cr:1.0%以下、Ti:0.03%以下、Ni:2.0%以下、Nb:0.03%以下、V:0.2%以下、およびCu:1.5%以下よりなる群から選ばれた1種または2種以上をさらに含有しうる。
本発明はまた、ラインパイプ用継目無鋼管の製造方法に関する。
1態様において、本発明の方法は、上記化学組成を有する鋼片から、鋼片を加熱して、開始温度が1250〜1100℃、完了温度が900℃以上の熱間製管圧延により継目無鋼管に製管し、作製された鋼管を一旦冷却した後、900℃以上、1000℃以下に再加熱均熱して、肉厚中央部での800℃から500℃の間の平均冷却速度が1℃/s以上となる条件で焼入れを行い、その後500℃〜Ac1変態点未満の温度で焼戻しを行うことからなる。
別の態様において、本発明の方法は、上記化学組成を有する鋼片から、鋼片を加熱して、開始温度が1250〜1100℃、完了温度が900℃以上の熱間製管圧延により継目無鋼管に製管し、作製された鋼管を直ちに900℃以上、1000℃以下に再加熱均熱して、肉厚中央部での800℃から500℃の間の平均冷却速度が1℃/s以上となる条件で焼入れを行い、その後500℃〜Ac1変態点未満の温度で焼戻しを行うことからなる。
本発明によれば、継目無鋼管の化学組成とその金属組織を上記のように規定することによって、特に厚さ30 mm以上という肉厚の厚い継目無鋼管で、焼入れ・焼戻しの熱処理だけで、X80級(降伏強度551 MPa以上)の高強度を有し、しかも靱性と耐食性に優れたラインパイプ用継目無鋼管が製造可能となる。
ここで用いた「ラインパイプ」とは、原油、天然ガス等の流体の輸送用に用いる管構造物であって、陸上はもとより、海上、海中において使用されるものである。本発明に係る継目無鋼管は、前述のフローライン、ライザー等の海上、海中で使用されるラインパイプに特に適しているが、用途はそれに制限されるものではない。
本発明に係る継目無鋼管の形状、寸法は特に制限されないが、継目無鋼管の製造工程に起因する制限があり、外径の最大は500 mm程度、最小は150 mm程度が普通である。この鋼管の効果は、特に肉厚が30 mm以上で発揮されるが、それに制限されるわけではない。
本発明の継目無鋼管は、特に海底フローライン用として、より厳しい深海に敷設可能である。従って、本発明は、エネルギーの安定供給に大きく貢献する。ライザー管や深海に敷設されるフローラインに使用する場合には、継目無鋼管の肉厚を30 mm以上とすることが好ましい。肉厚の上限は特に制限はないが、通常は60 mm以下であろう。
ライザーおよびフローラインの海中における配置例を模式的に示す説明図である。 ベイナイトのサブ組織の界面に析出した粗大なセメンタイトを示すTEM写真例である。 Pcmとフォーマスター試験で得られたベイナイト変態点との関係を示す図である。 フォーマスター試験後の試験片のLePera腐食したミクロ組織の写真例である。
発明者らは、厚肉且つ高強度の継目無鋼管において靭性を高める手段について検討するためにラボ実験を行った。その結果、鋼管の主たる金属組織であるベイナイトを構成するサブ組織であるベイナイトラス、ブロック、パケットの界面には、セメンタイトが単体で粗大に、または小さい場合にも集合体として粗大な形態で析出している(この両形態を含めて、以下粗大セメンタイトという)ことが、厚肉の継目無鋼管の靭性の劣化、特に靭性のバラツキを発生させていることが分かった。
図2に、焼入れとその後の焼戻しした鋼材から採取したレプリカ膜においてベイナイトラスの界面に析出した粗大セメンタイトが撮影されているTEM写真を示す。
このような粗大なセメンタイトは、焼入れにより生成した島状マルテンサイト(MA)が焼戻しによってセメンタイトに分解することにより生成する。また、焼入れ時のベイナイト変態の最中にCが拡散して直接セメンタイトが粗大に析出する場合もある。
オーステナイト単相からの焼入れの際に、高温からベイナイト変態が開始してCの拡散が容易になれば、MAが粗大化し、セメンタイトが粗大になる。一方、ベイナイト変態の開始温度が低温であれば、Cの拡散が抑制されて、MAやセメンタイトが微細になり、その量も減少する。
そこで、ベイナイト変態開始温度と鋼成分の関係を調査すべく、式(1)に示すPcmを変化させた鋼について、フォーマスター試験機による熱膨張測定を行った。試験条件は、γ化温度を1050℃とし、800℃から500℃の間の平均冷却速度を10℃/秒として室温まで冷却した。図3に実験結果を示す。ベイナイト変態開始温度は、次式で規定されるPcmによりほぼ整理でき、Pcmの増加に従って低温化することが分かった。
Pcm=[C]+[Si]/30+([Mn]+[Cr]+[Cu])/20+[Mo]/15+[V]/10+5[B] … (1)
(式中の各記号の意味は上記の通り)
特に、Pcm≧0.185の鋼種のほとんどがベイナイト変態温度が600℃以下になることが分かった。
図4に、図3中にA、Bで示した鋼について、試験後の試験片を研磨し、LePera腐食によりMAを現出させた組織写真を示す。図4中に白く針状または粒状に見えているのがMAである。ベイナイト変態開始温度が600℃より高い鋼Aでは粗大なMAが観察された。一方、ベイナイト変態開始温度が600℃以下である鋼Bでは、粗大なMAが見られなかった。
以上の結果から、Pcmが0.185以上のとき、焼入れ時の800℃から500℃の間の平均冷却速度が10℃/秒程度と小さくても、ベイナイト変態開始点は600℃以下となり、MAが微細になることが分かった。
製造プロセスに関しては、鋼管をオーステナイト単相の温度域から冷却速度の大きい焼入れを実施することが重要である。これは、焼入れ時のベイナイト変態時の時間を短縮することにより、Cの拡散を抑制し、MAを低減する効果を得るためである。好ましい冷却速度は、鋼管の肉厚の中央部が800℃から500℃に降温する際の平均降温速度で1℃/秒以上、好ましくは10℃/秒以上、さらに好ましくは20℃/秒以上である。
焼入れに続いて行われる焼戻しでは、セメンタイトを均一に析出させることが靭性向上に重要である。そのため、焼戻しは550℃以上、Ac1変態点以下の温度範囲で実施し、この温度域での均熱時間を5〜60分とすることが好ましい。焼戻し温度の好ましい下限は600℃であり、好ましい上限は650℃である。
<鋼の化学組成>
本発明に係るラインパイプ用継目無鋼管の化学組成を上記のように限定した理由は次の通りである。なお、各元素の含有量を表す%は質量%を意味する。
C:0.02〜0.08%
Cは、鋼の強度を確保するための重要な元素である。鋼の焼入れ性を高めて厚肉材で十分な強度を得るために、C含有量を0.02%以上とする。一方、その含有量が0.08%を超えると靱性が低下する。そのため、C含有量を0.02〜0.08%とする。厚肉材で強度を確保する観点から望ましいC含有量の下限は0.03%、より好ましい下限は0.04%である。C含有量のより好ましい上限は0.06%である。
Si:0.5%以下
Siは、製鋼における脱酸剤としての作用を有するので、添加は必要であるが、その含有量はなるべく少ない方がよい。その理由は、ラインパイプを連結するための周溶接時に、溶接熱影響部の鋼の靱性を大幅に低下させるからである。Si含有量が0.5%を超えると、大入熱溶接時の熱影響部の靱性が著しく低下するので、脱酸剤として添加するSi量を0.5%以下とする。Si含有量は好ましくは0.3%以下、より好ましくは0.15%以下である。
Mn:1.5〜3.0%
Mnは、鋼の焼入れ性を高めて、厚肉材でも中心まで強化すると同時に、靱性を高めるために、多量の含有が必要である。その含有量が1.5%未満ではこれらの効果が得られず、3.0%を超えると耐HIC(耐水素誘起割れ)特性が低下することから、1.5〜3.0%とする。Mn含有量の下限は好ましくは1.8%、より好ましくは2.0%、さらに好ましくは2.1%である。
Al:0.001〜0.10%
Alは製鋼における脱酸剤として添加する。この効果を得るため、その含有量が0.001%以上となるように添加する。一方、Al含有量が0.10%を超えると、鋼中の介在物がクラスター状になって鋼の靭性を劣化させ、また、管端のベベル面加工時に表面欠陥が多発するようになる。そのため、Al含有量は0.001〜0.10%とする。表面欠陥を防止する観点からは、Al含有量の上限をさらに制限することが望ましく、その好ましい上限は0.05%、より好ましい上限は0.03%である。脱酸を十分行って、靱性を向上させるための好ましいAl含有量の下限は0.010%である。本発明のAl含有量とは、酸可溶Al(所謂「sol.Al」)を指す。
Mo:0.4%超〜1.2%
Moは、特に冷却速度が遅い条件においても鋼の焼入れ性を高める効果があり、厚肉材でも中心まで強化すると同時に、鋼の焼き戻し軟化抵抗を高めて、その高温焼き戻し可能とすることにより、靱性を向上させる点で、本発明において重要な元素である。その効果を得るためには、0.4%を超えるMo含有量が必要である。Mo含有量の好ましい下限は0.5%、より好ましい下限は0.6%である。しかし、Moは高価な元素であるのと、1.2%程度でその効果が飽和することから、1.2%をMo含有量の上限とする。
N:0.002〜0.015%
Nは、鋼の焼入れ性を高めて厚肉材で十分な強度を得るために.002%以上含有させる。一方、N含有量が0.015%を超えると鋼の靱性が低下するので、N含有量を0.002〜0.015%とする。
Ca:0.0002〜0.007%
Caは、不純物のSを球状のCaSとして固定化し、靱性、耐食性を改善する目的と、鋳込み時のノズル詰まりを抑制して鋳込み特性を改善する目的で添加する。これらの効果を得るために、Caを0.0002%以上含有させる。一方、Ca含有量が0.007%を超えると、上記の効果が飽和して、それ以上の効果が発揮されないばかりではなく、介在物がクラスター化し易くなり、逆に靱性、耐HIC特性が低下する。従って、Ca含有量は、0.0002〜0.007%、好ましくは0.0002〜0.005%とする。
本発明のラインパイプ用継目無鋼管は、上記成分を含有し、残部はFeと不純物からなる。ただし、不純物中のP、S、O、Bは下記のように各含有量の上限を抑える。
P:0.03%以下
Pは、鋼の靱性を低下させる不純物元素であり、その含有量は可及的に少なくするのが好ましい。その含有量が0.03%を超えると、靱性が著しく低下するので、Pの許容上限を0.03%とする。P含有量は0.02%以下が好ましく、0.01%以下がさらに好ましい。
S:0.005%以下
Sも、鋼の靱性を低下させる不純物元素であり、可及的に少なくするのが好ましい。その含有量が0.005%を超えると、靱性が著しく低下するので、Sの許容上限を0.005%とする。S含有量は0.003%以下にするのが好ましく、0.001%以下がさらに好ましい。
O(酸素):0.005%以下
Oも、鋼の靱性を低下させる不純物元素であり、可及的に少なくするのが好ましい。その含有量が0.005%を超えると、靱性が著しく低下するので、O含有量の許容上限を0.005%とする。O含有量は0.003%以下が好ましく、0.002%以下がさらに好ましい。
B(不純物):0.0005%未満
Bは、焼入れ時にオーステナイト粒界に偏析して焼入れ性を著しく高めるが、焼き戻し時にM23CB6型の炭硼化物を析出させ、靭性のバラツキを誘発する。従って、Bの含有量は極力低減することが望ましい。Bの含有量は、それが0.0005%以上になると前記炭硼化物の粗大な析出を生ずるので、0.0005%未満とする。好ましいBの含有量は0.0003%未満である。
0.185≦Pcm≦0.250
鋼の化学組成は、個々の元素の含有量の規定に加えて、式(1)で示されるPcmの値が0.185以上、0.250以下となるように調整する。
Pcm=[C]+[Si]/30+([Mn]+[Cr]+[Cu])/20+[Mo]/15+[V]/10+5[B] … (1)
式中、[C]、[Si]、[Mn]、[Cr]、[Cu]、[Mo]、[V]、[B]はそれぞれC、Si、Mn、Cr、Cu、Mo、V、Bの含有量を質量%で表した数字である。添加が任意である合金元素については、鋼がその合金元素を含まない場合には、その合金元素の項に0を代入する。
前述したように、Pcmの値が0.185以上になると、ベイナイト変態温度が低温化して600℃以下になり、厚肉の継目無鋼管においても、焼入れと焼戻し後に粗大センタイトの析出を防止して、良好な靱性を得ることが可能となる。一方、Pcmが0.250を超えると、強度が高くなりすぎて、かえって靭性が低下する上、ラインパイプの周溶接時の溶接性を低下させる。従って、Pcm式に代入される各元素の含有量を、Pcmの値が0.185以上、0.250以下になるにようにする。Pcmが高めの方が、さらに高強度でも安定した靱性が得られるので、Pcmの好ましい下限値は0.210であり、さらに好ましい下限値は0.230である。
本発明のラインパイプ用継目無鋼管は、上記の成分組成に、以下から選ばれた1種または2種以上の元素を必要により添加することによって、さらに高強度、高靱性、および/または高耐食性を得ることができる。
Cr:1.0%以下
Crは、添加しなくてもよいが、鋼の焼入れ性を向上させて、厚肉材で鋼の強度を向上させるために添加してもよい。しかし、その含有量が過剰になると、却って靱性が低下するので、Crを添加する場合の含有量を1.0%以下とする。下限は特に制限はないが、その効果が特に顕著になるのはCrを0.02%以上含有させた場合である。添加する場合のCr含有量の好ましい下限は0.1%、より好ましい下限は0.2%である。
Ti:0.03%以下
Tiは、添加しなくてもよいが、連続鋳造時に表面欠陥を防止する作用と、高強度化作用、結晶粒微細化作用のために添加できる。Ti含有量が0.03%を超えると、靱性が低下するので、その上限を0.03%とする。Ti含有量の下限は特に制限はないが、その効果を得るためには、好ましくは0.003%以上である。
Ni:2.0%以下
Niは、添加しなくてもよいが、鋼の焼入れ性を向上させて、厚肉材で鋼の強度を向上させるとともに、靱性を向上させるために添加できる。しかし、Niは高価な元素であり、また過剰に含有させてもその効果が飽和するので、添加する場合、その含有量の上限を2.0%とする。Ni含有量の下限は特に制限はないが、その効果は0.02%以上の含有で特に顕著になる。
Nb:0.03%以下
Nbは、添加しなくてもよいが、高強度化作用と、結晶粒微細化作用を得るために添加できる。Nb含有量が0.03%を超えると、靱性が低下するので、添加する場合、その上限を0.03%とする。Nb含有量の下限は特に制限はないが、その効果を得るためには0.003%以上の添加が好ましい。
V:0.2%以下
Vは、強度と靱性のバランスで含有量を決定する元素である。他の合金元素で十分強度が得られる場合は、V無添加の方が良好な靱性が得られる。強度向上元素としてVを添加する場合は、0.003%以上の含有量とするのが望ましい。一方、V含有量が0.2%を超えると靱性が大きく低下するので、添加する場合は、V含有量の上限を0.2%とする。
Cu:1.5%以下
Cuは添加しなくてもよいが、耐HIC特性を改善する作用を有するので、耐HIC特性を向上させる目的で添加してもよい。耐HIC特性改善の効果が発現する最少のCu含有量は0.02%である。一方、1.5%を超えてCuを添加しても効果が飽和するので、添加する場合、Cu含有量は0.02〜1.5%とするのがよい。
<金属組織>
鋼の化学組成を上記のように調整した上で、さらに金属組織が、ベイナイトを主体とし、セメンタイトの長さが20μm以下となるようにすることが、強度と靭性のバランスの向上に必要である。
高強度化を図るために、金属組織はベイナイトを主体とする組織とする。ベイナイトを構成するサブ組織であるラス、ブロック、パケット、旧γ粒の界面には、セメンタイトが析出している。このセメンタイトは、焼入れ時に生成した島状マルテンサイト(MA)が焼戻しによりセメンタイトに分解して生成したか、あるいは焼入れ時のベイナイト変態の最中にCが拡散して直接セメンタイトが析出し、その後の焼戻し時に成長したものである。
このセメンタイトが界面に沿って長く成長していると、亀裂の起点となるか、亀裂の伝播を促進し、靭性のバラツキを発生させる可能性がある。しかし、ラインパイプ用継目無鋼管の場合、上記のセメンタイトの長さが20μm以下であれば、セメンタイトに起因する亀裂発生や伝播による靱性の低下を防止することができる。セメンタイトの長さは好ましくは10μm以下、さらに好ましくは5μm以下である。
セメンタイトの長さは、鋼片からレプリカ膜を5枚採取し、各レプリカ膜についてTEMで3000倍の倍率で2視野撮影し、撮影された合計10視野について、最も長いセメンタイトの長さを測定し、それらの平均値として測定することができる。TEM観察では、ベイナイトラス、ブロック、パケット、旧γ粒界の界面とおぼしき部位が筋状に見られ、その部位を注目すると粗大なセメンタイトを見つけやすい。セメンタイトは焼き戻し時の熱処理によって、ある程度分断されているが、界面に列状に並んでいることから、それらのセメンタイト同士の間隔が0.1μm以下の場合、セメンタイト集合体とみなし、集合体の長さをセメンタイト長さとして測定する。
<製造方法>
本発明に係る継目無鋼管の製造方法は、特に制限されることなく、慣用の製造方法を採用できる。本発明の継目無鋼管は、好ましくは肉厚30 mm以上となるように熱間圧延加工により継目無鋼管を製管し、作製された鋼管に焼入れおよび焼き戻し処理を行うことにより製造される。以下に好適な製造条件について説明する。
継目無鋼管の製管:
上記化学組成を有するように調整した溶鋼を、例えば連続鋳造方法により断面が丸形状の鋳片を製造して、それをそのまま圧延素材(ビレット)として使用するか、或いは断面が角形状の鋳片を製造し、これから圧延により断面が丸形状のビレットを得る。得られたビレットに、熱間で穿孔、延伸および定径圧延を含む製管圧延を行って、継目無鋼管を製管する。
製管圧延は、通常の継目無鋼管の製造と同様に実施できる。しかし、介在物の形態制御によりその後の熱処理時の焼入れ性の確保を図るために、熱間穿孔時の加熱温度(すなわち、熱間製管圧延の開始温度)は1100〜1250℃の範囲内、圧延完了温度は900℃以上の条件で製管を行うこと好ましい。熱間製管圧延の開始温度が高すぎると、それに伴って圧延完了温度も高くなりすぎて、結晶粒が粗大化して製品の靱性が低下する。一方、圧延開始温度が低すぎると、穿孔時の工具に過負荷がかかり、工具寿命が低下する。圧延完了温度が低すぎると、加工中にフェライトが析出して性能のバラツキの要因となる。
製管後の熱処理:
熱間製管圧延により作製された継目無鋼管に、焼入れおよび焼戻しの熱処理を施す。焼入れの方法は、製管により得られた高温の鋼管を一旦冷却してから、再加熱し、急冷して焼入れする方法と、製管直後の鋼管の熱を利用するために、製管直後に焼入れを行う方法のどちらでも良い。いずれの場合も、焼入れは、900℃以上、1000℃以下に再加熱均熱した後、肉厚の中央部で測定した800℃から500℃の間の平均冷却速度が1℃/s以上となる条件で行う。その後の焼戻しは500℃〜Ac1変態点未満の温度で行う。
焼入れ前に鋼管を一旦冷却する場合、冷却終了温度は規定されない。室温まで放冷した後、再加熱して焼入れしたり、変態する500℃程度まで冷却してから再加熱して焼入れしたり、再加熱炉までの運搬中の冷却後、直ちに再加熱炉で加熱して焼入れしても良い。製管後に直ちに焼入れを行う場合も、900℃以上、1000℃以下の温度域での再加熱均熱を行う。
焼入れ時の800℃から500℃の温度域での平均冷却速度が1℃/sより遅いと、焼入れによる強度向上が得られない。肉厚が30 mm以上の厚肉鋼管の場合には、冷却が遅れる肉厚の中央部でのC拡散を抑制して、粗大セメンタイト析出に靱性低下を防止するために、上記平均冷却速度を10℃/s以上とすることが好ましく、より好ましくは20℃/s以上とする。
焼戻しは、セメンタイトを均一に析出させて靭性を向上させるために、550℃以上、Ac1変態点以下の温度範囲で実施する。この温度範囲での均熱時間は5〜60分とすることが好ましい。本発明では、鋼の化学組成が比較的多量のMoを含有するため、鋼の焼き戻し軟化抵抗が高く高温焼き戻しが可能であり、それにより靱性の向上を図ることができる。この効果を生かすため、焼戻し温度の好ましい範囲は、600℃以上、650℃以下である。
このようにして、本発明によれば、厚肉でもX80級以上の高強度と、優れた靱性、耐食性を有するラインパイプ用継目無鋼管を安定して製造することができる。この継目無鋼管は、深海でのラインパイプ用、すなわち、ライザーやフローラインに用いることができ、その実用上の効果は大きい。
次の実施例は本発明の効果を例証するものであり、本発明はそれにより何らの制限も受けない。
表1に示す化学組成を有する鋼(Ac1変態点は700〜780℃の範囲内)150 kgを真空溶解炉で溶製し、鍛造して、圧延素材となる板厚100 mmのブロックを作成した。このブロックを1250℃で1時間の均熱による加熱を行ってから、熱間圧延により板厚40 mmの鋼板とした。圧延終了温度は1000℃であった。
得られた熱延鋼板を、表面温度が900℃以下に下がらないうちに、950℃の電気炉に装入して、炉内で10分の再加熱・均熱処理を行った後、水冷により、焼入れを行った。水冷時の圧延材板厚中央部の冷却速度は、別途測定した結果、800℃から500℃の間の平均冷却速度で10℃/秒であった。焼入れした鋼板を、次いで、表2に示す温度に30分間均熱保持した後、徐冷することにより焼戻しして供試材を得た。
本例では、多数の鋼種を調べるため、継目無鋼管の製造条件と同様の熱間加工条件および熱処理条件で調製した鋼板を供試材として用いて、機械的性質および金属組織を調査したが、この調査結果は継目無鋼管の場合と実質的に等しい。
機械的性質:
強度を調べるため、各供試鋼板の板厚中央部から圧延方向のT方向に採取したJIS 12号引張試験片を用いて引張試験を行い、引張強さ(TS)および降伏強さ(YS)を測定した。引張試験はJIS Z 2241に準じて行った。
靱性は、各供試鋼板の板厚中央部から圧延方向のT方向にJIS Z 2202の4号試験片に準じて採取した幅10 mm×厚さ10 mm、深さ2 mmのVノッチの試験片10個を用いて、−40℃でのシャルピー衝撃試験により測定した衝撃吸収エネルギーの最小値により評価した。
強度はYSが552 MPa(X80級の下限の降伏応力)以上を合格、靭性は−40℃でのシャルピー吸収エネルギーが100 J以上を合格とする。
金属組織:
各供試鋼板の板厚中央部からレプリカ膜を5枚ずつ採取し、TEMにて3000倍の倍率で各レプリカ膜について2視野撮影し、視野内の界面に析出しているセメンタイトの最大長さを測定した。この時の測定の要領は上述した通りである。得られた合計10個のセメンタイト長さの値の平均値を、セメンタイト長さとした。
表2に、各供試材のYS、TS、−40℃シャルピー試験での吸収エネルギーの最小値、およびセメンタイト長さの試験結果を、熱間圧延後の熱処理条件と共に示す。
鋼番号1〜19は本発明で規定した化学組成および製造条件を満たす例である。これらの例では、セメンタイト長さが20μm以下と微細で、良好な靭性が得られた。
一方、鋼番号20〜25は、化学組成が本発明の範囲外である比較例であり、いずれも靱性が低くなった。
より詳しくは、鋼番号20はPcmが0.185より小さいため、界面に析出したセメンタイトが粗大化し、シャルピー吸収エネルギーに著しいバラツキをが生じたため、その最小値は著しく小さくなった。鋼番号21は、MnおよびMoの含有量が規定の範囲よりも低いため、靱性が低下した。鋼番号22は、B含有量が多すぎて、M23(C,B)6型の炭硼化物が粗大に析出して、吸収エネルギーにバラツキが生じたため、その最小値が小さくなった。鋼番号23は、P含有量が多すぎて、靱性が低下した。鋼番号24は、Caを添加しなかったため、MnSが粗大に析出して、吸収エネルギーにバラツキを生じた。鋼番号25は、Al含有量が少なすぎて、粗大な酸化物系介在物が発生し、吸収エネルギーにバラツキを生じた。
本例は実機での継目無鋼管の製造を例示する。
表3に示す化学組成の鋼を転炉で溶製し、連続鋳造機にて圧延素材となる丸ビレットを製造した。この丸ビレットに1250℃で1時間の均熱を行う加熱処理を施し、傾斜ロール穿孔機を用いて中空素管を得た。この中空素管をマンドレルミルおよびサイザーを用いて仕上げ圧延して、外径219.4 mm、肉厚40 mmの継目無鋼管を製管した。この熱間製管圧延時の圧延終了温度、圧延後の冷却温度、および再加熱温度は表4に記載した通りであった。
圧延終了後、作製された鋼管の表面温度が900℃を下回らないうちに、再加熱炉に装入して、950℃で均熱した後、肉厚の中央部での800℃から500℃の間の平均冷却速度が10℃/sとなる水冷により焼入れを実施し、その後Ac1変態点より低温の600℃に10分間均熱保持した後で徐冷することにより焼戻しを実施して、試験鋼管Aを得た。
別に、上記と同様に熱間製管圧延により作製された継目無鋼管を、圧延終了後に、鋼管の表面温度が室温になるまで空冷した。その後、この鋼管を再加熱炉に装入して950℃で均熱した後、肉厚の中央部での800℃から500℃の間の冷却速度が3℃/sとなる水冷により焼入れを実施し、さらに上記と同様の条件で焼戻しを実施して、試験鋼管Bを得た。
焼入れ時の冷却速度は、冷却水量を変化させて調整した。
得られた試験鋼管A, Bの強度および靱性とセメンタイト長さを次のようにして調査した。試験結果を表4に熱間製管後の熱処理条件と共に示す。
強度は、試験鋼管から採取されたJIS 12号引張試験片を用いて、JIS Z 2241に準じて引張試験を行い、降伏強度(YS)を測定することにより評価した。
靱性については、JIS Z 2202の4号試験片に準じて、試験鋼管の肉厚中央の長手方向から採取された幅10 mm×厚さ10 mm、深さ2 mmVノッチの衝撃試験片10個を用いてシャルピー試験を行い、吸収エネルギーの最小値を求めることにより評価した。
界面に析出したセメンタイト長さは、試験鋼管の肉厚中央部からレプリカ膜を採取し、実施例1と同様の方法でセメンタイトの長さを測定した。
表4に示す結果から明らかなように、本発明によれば、厚肉鋼管であるにもかかわらず、API規格X80級以上の高強度であって、同時に靱性にすぐれた継目無鋼管が得られることが分かる。

Claims (5)

  1. 質量%で、C:0.02〜0.08%、Si:0.5%以下、Mn:1.5〜3.0%、Al:0.001〜0.10%、Mo:0.4%超〜1.2%、N:0.002〜0.015%、Ca:0.0002〜0.007%、Cr:0〜1.0%、Ti:0〜0.03%、Ni:0〜2.0%、Nb:0〜0.03%、V:0〜0.2%、Cu:0〜1.5%、残部:Feおよび不純物からなり、不純物中のPが0.03%以下、Sが0.005%以下、Oが0.005%以下、Bが0.0005%未満であり、下記(1)式で算出されるPcmの値が0.185以上、0.250以下である化学組成を有し、かつセメンタイトの長さが20μm以下であるベイナイトからなる金属組織を有することを特徴とするラインパイプ用継目無鋼管。
    Pcm=[C]+[Si]/30+([Mn]+[Cr]+[Cu])/20+[Mo]/15+[V]/10+5[B] … (1)
    式中、[C]、[Si]、[Mn]、[Cr]、[Cu]、[Mo]、[V]、[B]はそれぞれC、Si、Mn、Cr、Cu、Mo、V、Bの含有量を質量%で表した数字である。
  2. 前記化学組成が、質量%で、Cr:0.02〜1.0%、Ti:0.003〜0.03%、Ni:0.02〜2.0%、Nb:0.003〜0.03%、V:0.003〜0.2%、およびCu:0.02〜1.5%よりなる群から選ばれた1種または2種以上の元素を含有する請求項1に記載のラインパイプ用継目無鋼管。
  3. 請求項1または2に記載された化学組成を有する鋼片を加熱し、開始温度が1250〜1100℃、完了温度が900℃以上の熱間製管圧延により継目無鋼管に製管し、作製された鋼管に対して、900℃以上、1000℃以下に再加熱均熱して、肉厚中央部での800℃から500℃の間の平均冷却速度が1℃/s以上となる条件で焼入れを行い、その後、500℃〜Ac1変態点未満の温度で焼戻しを行うことを特徴とする、ラインパイプ用継目無鋼管の製造方法。
  4. 熱間製管圧延により作製された継目無鋼管を一旦冷却してから、焼入れを行う請求項3に記載の方法。
  5. 熱間製管圧延により作製された継目無鋼管に直ちに焼入れを施す、請求項3に記載の方法。
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