JP4500918B2 - 顕微鏡システム及びオートフォーカスシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、顕微鏡システム、特に顕微鏡アクティブオートフォーカスシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、顕微鏡を用いた検査装置は自動化が進んでおり、自動的に観察体にピントを合わせるオートフォーカス(AF)装置は自動化に必須の機能となっている。
【0003】
一般的に、オートフォーカスは、観察体のコントラストによりピント合わせを行う、いわゆるパッシブ方式と、観察体との距離を算出しピント合わせを行うアクティブ方式に分類される。
【0004】
ところが、両方式は共に受光素子を備えており、パッシブ方式である場合には観察体光像を検出し、アクティブ方式の場合にはAFシステムから観察体に対して投光又は投影像を投射し、観察体からの反射光や反射像などを検出している。
【0005】
一方、オートフォーカスの性能のひとつには、受光素子により観察体を捕捉できる範囲として合焦検出可能範囲が挙げられ、この範囲が大きいほど観察体の特徴によらず、どこからでも安定かつ高速なオートフォーカスが可能となる。
【0006】
これらのAF性能の向上には受光素子の感度アップが不可欠の要素であり、そこで受光素子の感度を上げる一つの手段として、例えば特開昭54−45127号公報の焦点検出装置では、積分型受光素子を用いて被写体像を取り込む場合の積分時間を被写体像の明るさに応じて制御し、見かけ上の感度を向上させる方法が開示されている。
【0007】
また、特開昭57−67903号公報の焦点検出装置では、積分時間の大きさによって合焦検出の可否を決定するシステムが開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの手段を顕微鏡に適用することはできない。図9(a),(b)は、観察体(例えば標本が容器内に収納されたもの)Sの高さが高いもので一旦合焦とし、高さが低い観察体Sに対して投光方式のアクテイブAFを適用した場合のモデル図である。同図のX印の位置が合焦位置である。
【0009】
同図のモデルに特開昭54−45127号公報のの積分時間の制御を行った場合、積分時間を長くすれば、(b)のような観察体Sの反射光を捕捉が可能であり、AFシステムはステージ1を上下させ、観察体Sを合焦へと導くことができる。
【0010】
しかし、この観察体S自身の投射光に対する反射率が低く透過率が高いと、観察体Sを積載する例えばステージ1の反射率の方が観察体よりも高い場合、同図(c)のモデルのようにAFシステムはステージ1の表面に対して合焦制御を行なうことになる。
【0011】
ステージ1の表面に対して合焦と導くようにステージ1を駆動させると、ステージ1の表面に対して合焦と対物レンズ7と観察体Sの接触につながり、同図(d)のように観察体あるいは対物レンズ7の破損が生じてしまう。
【0012】
そこで特開昭57−67903号公報では、AFシステムが観察体以外のノイズ等に過剰反応しないように、積分時間の大きさによって合焦検出の可否を決定するシステムとしている。
【0013】
しかし顕微鏡のように対物レンズや観察状態により、同じ観察体の合焦位置であっても受光素子に入射する光の強度が変化する場合、単に積分時間の大きさによって、合焦検出の可否を決定することはできない。
【0014】
本発明は以上のような課題を解決するためになされたもので、対物レンズの倍率や種類、観察方法などの観察条件によらず、観察体の高さ条件が変化しても、対物レンズと観察体を接触させることなく合焦制御可能な顕微鏡システムを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に対応する発明は、観察体を照明する光源と、前記観察体を積載する観察体積載手段と、複数の対物レンズのうちの1つを選択して前記観察体と対峙させる対物レンズ切換手段と、前記観察体積載手段と前記対物レンズの少なくとも一方を前記観察体と対峙する対物レンズの光軸方向に駆動する駆動手段と、前記光源からの照明状態や波長などを変化させ、観察体の観察条件を変える観察条件切換手段と、前記対物レンズを介して前記観察体の像を結像させる結像光学系と、前記観察体に対して測距光または投影像を投光する投光手段と、前記観察体から反射した反射光あるいは反射像を受光する積分型の受光手段とを具備し、前記受光手段からの出力信号に基づいて前記駆動手段を用いて前記観察体を合焦へと導く顕微鏡システムにおいて、前記受光手段の最長積分時間を前記光路上に配置される対物レンズに応じて変化させる制御手段を具備した顕微鏡システムである。
【0016】
請求項1に対応する発明によれば、必要以上に観察体捕捉範囲が大きくなることが抑制され、観察体積載手段に対して合焦制御を行うことがなくなるため、合焦制御に際して観察体と対物レンズの接触を回避させることが可能となる。
【0017】
前記目的を達成するため、請求項4に対応する発明は、観察体を積載する観察体積載手段と、複数の対物レンズのうちの1つを選択して前記観察体と対峙させる対物レンズ切換手段と、前記観察体積載手段と前記対物レンズの少なくとも一方を前記観察体と対峙する対物レンズの光軸方向に駆動する駆動手段と、前記対物レンズを介して前記観察体の像を結像させる結像光学系と、前記観察体に対して測距光または投影像を投光する投光手段と、前記観察体から反射した反射光あるいは反射像を受光する積分型の受光手段とを具備し、前記受光手段からの出力信号に基づいて前記駆動手段を用いて前記観察体を合焦へと導く顕微鏡システムにおいて、前記観察体積載手段から反射される測距光または投影像が、前記投光手段からの測距光または投影像が、前記観察体積載手段上で反射することを抑制する反射抑制手段を具備した顕微鏡システムである。
【0018】
請求項4に対応する発明によれば、観察体積載手段からの反射光や反射像は受光素子に入射されないため、観察体積載手段して合焦制御を行うことはなくなり、従って、合焦制御に際して観察体と対物レンズの接触を回避させることが可能となる。
【0019】
前記目的を達成するため、請求項6に対応する発明は、観察体を積載する観察体積載手段と、複数の対物レンズのうちの1つを選択して前記観察体と対峙させる対物レンズ切換手段と、前記観察体積載手段と前記対物レンズの少なくとも一方を前記観察体と対峙する対物レンズの光軸方向に駆動する駆動手段と、前記対物レンズを介して前記観察体の像を結像させる結像光学系と、前記観察体に対して測距光または投影像を投光する投光手段と、前記観察体から反射した反射光あるいは反射像を受光する積分型の受光手段とを具備し、前記受光手段からの出力信号に基づいて前記駆動手段を用いて前記観察体を合焦へと導く顕微鏡システムにおいて、前記対物レンズまたは観察方法切換時において、前記対物レンズまたは観察方法切換の指示を受けた際、切換直前の観察体の合焦状態が合焦もしくは合焦近辺と判断した場合、切換後の合焦制御で前記駆動手段の可動範囲および前記受光手段の最長積分時間のうち少なくとも一方を決定する予測手段を具備した顕微鏡システムである。
【0020】
請求項6に対応する発明によれば、対物レンズ間あるいは観察方法のピントずれ量と透過率などの情報から、観察体の予測ピン卜位置および受光素子の予測積分時間が算出でき、従って、観察体積載手段からの反射光が抑制され、かつ予測ピント位置から必要以上に観察積載手段が合焦制御されることがなくなるため、合焦制御に際して観察体と対物レンズの接触を回避させることが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。
【0022】
<第1の実施形態>
図1は本発明に係る顕微鏡システムの第1の実施形態を説明するための概略構成図である。図1のように、上下方向に移動可能な観察体積載手段例えばステージ1に積載した観察体Sを落射照明するための光源2を備えており、光源2からの照明光は、減光のためのNDフィルタ3、開口絞り4、視野絞り5、観察方法を変化させるキューブ6を介して観察体Sに入射するようになっている。
【0023】
この観察体Sからの光束は、対物レンズ7およびAFユニット8を通過して、その一部が接眼レンズ9に導かれ、その他の光束は例えばTVカメラ10や写真撮影装置などに入射するようになっている。
【0024】
制御手段であるCPU11はAFユニット8からのデフォーカス信号に基づいて、ステージ駆動装置12を介して駆動手段例えばステージモータ13によりステージ1を上下させ、観察体Sと対物レンズ7の相対距離を変化させて合焦調節を行ったり、観察方法を切り換えるためにキューブ駆動装置(キューブ駆動制御装置)14を介してキューブモータ15を制御したり対物レンズ7の変換を行うためにレボルバ駆動装置16を介してレボルバモータ17の制御を行う。
【0025】
また制御手段例えばCPU11は、ユーザーが操作する外部コントローラ18によりAFのON/OFFや、対物レンズ7、観察法の切換が可能なようになっている。
【0026】
ここで、本発明のアクティブAF手段について図2を用いて説明する。アクティブAF手段の構成は、レーザ光源20から発光されたP偏光のレーザ光は平行にするためのコリメートレンズ21、さらにその平行光束の半分を遮断するための遮蔽板22を介して、偏光ビームスプリッタ23に入射する。
【0027】
偏光ビームスプリッタ23は遮蔽板により遮断されなかった光束を90゜反射するようにP偏光成分は反射、S偏光成分は透過するような特性を持っている。偏光ビームスプリッタ23により反射されたレーザ光は、結像レンズ24を介して1/4波長板25を通過し、楕円偏光となり、対物レンズ7の光軸上に設置されたレーザ光の波長のみ反射するダイクロイックミラ26により、図中に示した経路で対物レンズ7を介して観察体Sに入射するようになっている。
【0028】
観察体Sから反射したレーザ光は、図中で示すように、1/4波長板25で偏光ビームスプリッタ23を透過するようなS偏光成分となり、結像レンズ24,28を介して積分型受光素子の2分割ディテクタ27に入射する。
【0029】
受光素子からの出力処理を図3で示す。受光素子30からの2分割出力は、それぞれアナログ処理回路31,32に入力された後、アナログ―デジタル変換器(以下ADと略す)33,34でデジタル変換されAF演算制御部35に入力し、AF演算制御部35によりデフォーカス演算される。ここでCPU35は受光素子30からの出力をAD変換に際して適正なアナログ処理のダイナミックレンジとなるように積分時間の制御を行う。
【0030】
ここで、本発明の特徴である受光素子の積分時間制御に関して、詳細な説明を行う。観察体Sが低反射率で観察体積載台の反射率力が高かった場合に、アナログ処理のダイナミックレンジに適合するようにむやみに積分時間を長くすると、ステージ1からの反射光がAF信号として入力されることになる。この条件でステージ1に対してAF制御を行った場合には、観察体Sに高さと対物レンズ7の作動距離(以下、WDと略す)によっては対物レンズ7と観察体が衝突してしまう。
【0031】
そこで本発明では、AFを適応する反射率、ピント位置からの距離から最長積分時間を予め設定し、必要以上に積分時間が長くなるのを禁止して、既知であるステージ1が所定以上の距離以上である場合には、ステージ1からの反射光がAF信号として入力されないようにする。従って、対物レンズ7と観察体Sが衝突する事故を未然に防ぐことが可能となる。
【0032】
また、同じ観察体Sであっても対物レンズ7の倍率、種類あるいは観察方法によって観察体Sからの反射光の強度は異なるため、上記の最長積分時間は対物レンズ7毎により設定される。
【0033】
以上のように構成された本実施形態のAF制御について図4を参照して説明する。AFが開始されると(S1)、現在光路中にある対物レンズ7の倍率・種類より予め設定してある最長積分時間(PD信号)を決定する(S2)。そしてPD信号がアナログ処理ダイナミックレンジに適合しているか、すなわちアナログ処理レンジ下限Varlから上限Var2の範囲に入っているかチェックする(S3)。PD信号がアナログレンジの上限を越えている場合には積分時間を短くする処理を行う(S4,S5)。
【0034】
一方、P号がアナログレンジの下限以下である場合には、積分時間が最長積分時間となるまで積分時間を長くする制御を行う(S7、S8)。最長積分時間まで積分時間を長くしてもアナロググイナミックレンジに反射レーザ光が入らない状態の場合には、観察者がステージをマニュアル駆動して観察体を合焦位置に近づけ操作を行うなど、所定量の反射レーザ光が検出されるまでステージ駆動は行わない。
【0035】
アナログ処理回路31,32のダミックレンジ範囲内の反射レーザ光が検出された場合には、2分割ディテクタ27(受光素子30)の信号PD−A、PD−Bの差が両者の差がVf以下かチェックし(S9)、両者の大小からステージ1の方向を決定し(S10)、PD−A,PD−Bの差が所定値Vf以下となるまでステージ制御を行い(Sll,S12)、両者の差がVf以下となり、合焦と判断した時点でAF制御を終了する(S13)。
【0036】
以上のような動作・制御される本発明の顕微鏡システムは、高さが異なる観察体Sに対して、対物レンズ7と観察体Sが衝突することなく、合焦させることが可能となり、例えばステージ1の移動量を制限する上限や下限などの特別なAF設定が不必要なため、利便性が高くなる。
【0037】
従って、本発明の顕微鏡シスデムは、従来で得られなかった簡易性とAF性能の両立を実現さことが可能となる。
【0038】
また本実施形態のアクティブAFの方式はいわゆるナイフエッジ法を用いた例を挙げたが、これを観察体に像を投影する方式としても、同様の効果を得ることができる。さらに本実施形態では合焦制御に関して、ステージ1を上下駆動させる例としたが、これを対物レンズ7を駆動しても同様の効果を得ることができる。
【0039】
以上述べた第1の実施形態によれば、オートフォーカス制御において、観察体と対物レンズの接触による相互の破損を防ぐことができるAFシステムを提供できる。
【0040】
<第2の実施形態>
第2の実施形態の顕微鏡システムの全体の概略構成は第1実施形態と同様であるため、ここでは本実施形態の特徴である観察体Sを積載するステージ(積載台)1について説明する。図5は本実施形態のステージの断面モデル図である。同図中のステージ1に大きさの異なるア)〜ウ)の観察体Sのいずれかが積載されている。観察体Sの反射率が低く、透過率が高いと図中の斜線で示した部分からの反射光がAFシステムの受光素子に入力することになる。従って、ステージ1に対して合焦・制御を行うこととなり、対物レンズ7と観察体Sが衝突してしまう。
【0041】
そこで、本実施形態のステージ1は同図の斜線で示した部分に投射光が反射しないように、吸収コート、散乱、透過するような処理の少なくとも1つの処理が施されている。従って、ステージ1からの反射光かAFシステムの受光素子に入力することかなくなり、対物レンズ7と観察体SがAF制御によって衝突することを防ぐことか可能となる。
【0042】
また、図6(a)、(b)のように観察体Sを投射光と垂直に支持する積載方法とすれば、ステージ1から前述した実施形態と同様に反射光がAFシステムの受光素子に入力することはなく、同様の効果を得ることが可能である。
【0043】
以上述べた第2の実施形態によれば、AF制御において、高さや反射率の異なる観察体と対物レンズの接触による相互の破損を防ぐことができるAFシステムを提供できる。
【0044】
<第3の実施形態>
本実施形態の顕微鏡システムの構成は第1の実施形態と同様であるため、ここでは本実施形態の特徴であるレンズ切換時の合焦制御について図7を用いて説明する。
【0045】
AF追従中に対物レンズ7の切換が、図1の外部コントローラ18により指示されると(S30)、切換直前の合焦状態をチェックする(S31)。切換直前の対物レンズ7において合焦状態もしくは合焦近辺ではなかった場合には、第1の実施形態で示したような合焦制御を行う(S32)。
【0046】
一方、切換直前の対物レンズ7において合焦状態もしくは合焦近辺であると判断されると、現在の合焦位置と観察体Sからの積分時間すなわち反射光強度の強度を変換前情報としてストアする(S33、S34)。変換前情報から後述する演算式より変換後の対物レンズ7のWDおよび開口数(以下、NAと略す)から予測合焦位置と予測反射光強度を算出する(S35、S36)。
【0047】
そして、予測合焦位置から観察体Sと対物レンズ7が衝突しないステージ1の範囲すなわちステージ可動範囲を算出し(S37)、さらに予測反射光強度から最長積分時間を算出する(S38)。合焦制御はこのステージ可動範囲内と積分時間制御範囲を越えないレベルで、第1の実施形態と同様に観察体Sを合焦へと導く(S32)。
【0048】
ここで、ステージ可動範囲と積分時間制御範囲の算出方法について説明する。
【0049】
【表1】
【0050】
例えば表1のような特性をもつ対物レンズ7が50Xから100Xへの対物レンズ変換を行うとすると、ステージ1の可動範囲は以下のような要素で決定できる。そのモデルを示したものが図8である。
【0051】
ア)対物レンズ間同焦差D1
イ)焦点深度D2
ウ)作動距離(WD)D3
同図のように50Xにおいて合焦位置であるならば、観察体が対物レンズと接触しないステージ範囲の要素として変換後の対物レンズのWD分が挙げられる(同図A)。
【0052】
また変換前の50Xのピント位置も焦点深度分の幅が挙げられるため、ステージ可動範囲の要素としては次に同図Bのように焦点深度が挙げられる。さらに同図では、対物レンズ取り付け面のみでモデル化しているが、もともと対物レンズ間の同焦差もステージ可動範囲を決定する項目である(同図C)。
【0053】
従って、変換後の観察体と対物レンズか近づく方向へのステージ可動範囲は、
ステージ可動範囲(D)=D3−D2−D1 …(1)
ただし、D1は観察体と対物レンズの近づく方向を正とする。
【0054】
すなわち、例の50X→100Xの変換時には297[um]となる。
【0055】
一方、予測反射光は投射光が対物レンズの瞳径(レーザが通過する直径)で決定する場合には、レーザ光束の面積でレーザ強度が決定するため、瞳径の2乗の比で合焦位置における予測光強度が算出できる。すなわち、変換前の50X合焦位置での積分時間を1[msec]とすると、100X合焦位置で50X使用時と同等の出力を得る場合の積分時間(Tch)は、
Tch=1X[(2.0)2/(1.0)2] …(2)
=4.0[msec]
となる。また積分時間の制御範囲はシステム固有のマージンを合わせればさらに確実なものとすることができる。
【0056】
本実施形態では、変換前の対物レンズ7の情報からステージ可動範囲および積分時間制御範囲を算出したが、これらをどちらか片方でも、観察体Sの保護として適応可能である。
【0057】
また、本実施形態では対物レンズ切換のみの例を示したが、観察方法を切り換えた場合においても同様の算出を行えば、対物レンズと観察体の接触をなくすことができる。従って、本発明の顕微鏡用システムは、従来で得られなかった簡易性とAF性能の両立を実現させることが可能となる。
【0058】
以上述べた第3の実施形態によれば、対物レンズまたは観察方法切換時のオートフォーカス制御において、高さや反射率の異なる観察体と対物レンズの接触による相互の破損を防ぐことが可能なAFシステムが得られる。
【0059】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、対物レンズの倍率や種類、観察方法などの観察条件によらず、観察体の高さ条件が変化しても、対物レンズと観察体を接触させることなく合焦制御可能な顕微鏡システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る顕微鏡システムの第1の実施形態を説明するための概略構成図。
【図2】図1のアクティブAF手段を説明するための図。
【図3】図2の2分割ディテクタ(受光素子)で検出された信号の出力処理回路を説明するための図。
【図4】AF制御を説明するためのフローチャート。
【図5】本発明の第2の実施形態を説明するためのステージ(積載台)の断面モデル図。
【図6】本発明の第2の実施形態の変形例を説明するためのステージの断面モデル図。
【図7】本発明の第3の実施形態におけるレンズ切換時の合焦制御を説明するためのフローチャート。
【図8】本発明の第3の実施形態におけるレンズ切換時の合焦制御を説明するための図。
【図9】従来の顕微鏡システムにおける課題を説明するための図。
【符号の説明】
1…ステージ
2…光源
3…NDフィルタ
6…キューブ
6.9…結像光学系
7…対物レンズ
8…AFユニット
9…接眼レンズ
10…TVカメラ
11…CPU
13…ステージモータ
14…キューブ駆動装置
15…キューブモータ
16…レボルバ駆動装置
17…レボルバモータ
18…外部コントローラ
20…レーザ光源
21…コリメートレンズ
22…遮蔽板
23…偏光ビームスプリッタ
24.28…結像レンズ
25…波長板
26…ダイクロイックミラ
27…分割ディテクタ
30…受光素子
31.32…アナログ処理回路
33.34…アナログ―デジタル変換器
35…CPU
Claims (7)
- 観察体を照明する光源と、
前記観察体を積載する観察体積載手段と、
複数の対物レンズのうちの1つを選択して前記観察体と対峙させる対物レンズ切換手段と、
前記観察体積載手段と前記対物レンズの少なくとも一方を前記観察体と対峙する対物レンズの光軸方向に駆動する駆動手段と、
前記対物レンズを介して前記観察体の像を結像させる結像光学系と、
前記観察体に対して測距光または投影像を投光する投光手段と、
前記観察体から反射した反射光あるいは反射像を受光する積分型の受光手段とを具備し、
前記受光手段からの出力信号に基づいて前記駆動手段を用いて前記観察体を合焦へと導く顕微鏡システムにおいて、
前記受光手段の最長積分時間を前記光路上に配置される対物レンズに応じて変化させる制御手段を具備したことを特徴とする顕微鏡システム。 - 前記最長積分時間は、前記複数の対物レンズ毎に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡システム。
- 前記制御手段は、前記対物レンズの倍率、種類のうちの少なくとも一方に応じて前記最長積分時間を設定することを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡システム。
- 観察体を積載する観察体積載手段と、
複数の対物レンズのうちの1つを選択して前記観察体と対峙させる対物レンズ切換手段と、
前記観察体積載手段と前記対物レンズの少なくとも一方を前記観察体と対峙する対物レンズの光軸方向に駆動する駆動手段と、
前記対物レンズを介して前記観察体の像を結像させる結像光学系と、
前記観察体に対して測距光または投影像を投光する投光手段と、
前記観察体から反射した反射光あるいは反射像を受光する積分型の受光手段とを具備し、
前記受光手段からの出力信号に基づいて前記駆動手段を用いて前記観察体を合焦へと導く顕微鏡システムにおいて、
前記投光手段からの測距光または投影像が、前記観察体積載手段上で反射することを抑制する反射抑制手段を具備したことを特徴とする顕微鏡システム。 - 前記反射抑制手段は、前記投光手段からの光を吸収、散乱、透過させることを特徴とする請求項4に記載の顕微鏡システム。
- 観察体を積載する観察体積載手段と、
複数の対物レンズのうちの1つを選択して前記観察体と対峙させる対物レンズ切換手段と、
前記観察体積載手段と前記対物レンズの少なくとも一方を前記観察体と対峙する対物レンズの光軸方向に駆動する駆動手段と、
前記対物レンズを介して前記観察体の像を結像させる結像光学系と、
前記観察体に対して測距光または投影像を投光する投光手段と、
前記観察体から反射した反射光あるいは反射像を受光する積分型の受光手段とを具備し、
前記受光手段からの出力信号に基づいて前記駆動手段を用いて前記観察体を合焦へと導く顕微鏡システムにおいて、
前記対物レンズまたは観察方法切換の指示を受けた際、切換直前の観察体の合焦状態が合焦もしくは合焦近辺と判断した場合、切換後の合焦制御で前記駆動手段の可動範囲および前記受光手段の最長積分時間のうち少なくとも一方を決定する予測手段を具備したことを特徴とする顕微鏡システム。 - 観察体を積載する観察体積載手段と、前記観察体と対峙する対物レンズとの少なくとも一方を前記対物レンズの光軸方向に駆動する駆動手段と、
前記観察体に対して前記対物レンズを介して測距光または投影像を投光する投光手段と、
前記観察体から反射した反射光あるいは反射像を受光する積分型の受光手段とを具備し、
前記受光手段からの出力信号に基づいて前記駆動手段を用いて前記観察体を合焦へと導くオートフォーカスシステムにおいて、
前記受光手段の最長積分時間を前記光路上に配置される対物レンズに応じて変化させる制御手段を具備したことを特徴とするオートフォーカスシステム。
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