JP4500101B2 - X線ct装置 - Google Patents

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Description

本発明は、X線CT装置に関する。
現在、X線CT装置の検出器として、感度が高く検出器の小型化が可能である固体検出器が主流となりつつある。しかし、固体検出器は、X線をシンチレータで光に変える際の残光などにより、前の時間に撮影した像が次の時間に撮影した投影像に残る現象(アフターグロウ)が生じ、これに起因するアーチファクトによる画質の劣化や、時間分解能の低下が再構成像にて発生する。このアフターグロウを除去する補正方法に関して、いくつかの方法が提示されている。
その一つの方法として、随時、最も短い時定数のアフターグロウ成分の補正を行う方法(例えば、特許文献1参照)や、X線検出器の応答特性と補正を行った出力データとの重畳積分から求めたアフターグロウ量を差分して補正する方法(例えば、特許文献2参照)、応答特性を時定数の異なる複数の成分で表し、それぞれの時定数に対応した補正を成分ごとに行う方法(例えば、特許文献3参照)がある。
このアフターグロウを補正するためには、X線検出器のアフターグロウの応答関数を決定する必要がある。このアフターグロウは複数の成分を持ち、各成分は時定数と成分比とで表すことができる。このため応答関数は複数の時定数と成分比の和として記される。このアフターグロウの応答関数の時定数と成分比を決定する方法に関して、いくつかの方法が提示されている。
その一つの方法として、複数の時定数のインパルス応答の関数を重畳積分して得たステップ応答の関数を、実測した検出器のステップ応答にフィッティングし、それらの誤差を最小にする方法(例えば、特許文献4参照)や、その誤差を最小化するために遺伝的アルゴリズムを使用する方法(例えば、特許文献5参照)、指数関数の和で表した応答関数を、異なる時定数の成分を加えて逐次的に最適化していく方法(例えば、特許文献6参照)がある。
特開平4−300527号公報
特開平6−343629号公報 特開平7−090024号公報 特開2003−061945号公報 特開2003−061945号公報 特開2001−309915号公報
アフターグロウは、再構成像において位置分解能の低下やアーチファクトの発生による画質の劣化を引き起こすという問題を有する。
また、撮影条件によって画質に影響するアフターグロウの成分が違う場合がある。例えば、時定数の短いアフターグロウの成分は骨のような吸収係数が大きな微細なものを撮影する際には位置分解能の低下をもたらすが、腹部などの高い位置分解能を必要としない場合、この成分の影響は小さく、補正によりSNRを低下させてまでアフターグロウの成分の除去を必要としないといった場合もありえる。別の場合として、例えば、投影像の取得の周期が異なることで撮影時間が異なるような複数の撮影モードがあるとき、それぞれのモードで画質へ影響するアフターグロウ成分が異なることが考えられる。同様に、X線照射時間、被写体の種類などの撮影条件が異なる場合に、補正すべきアフターグロウ成分が変わる可能性がある。また、アフターグロウの応答関数を決定して補正を行うとき、成分数が多くなると補正に多くの時間が必要となるといった問題がある。
また、アフターグロウは成分比に関しては線形和であるため、その算出は比較的短時間にできるのに対し、時定数に関しては非線形な和のため、一般的にその算出には時間がかかる。この時定数の算出時間は、現在のX線CT用の検出器は多層化が進み、X線検出素子が爆発的に増加しているため、全てのX線検出素子にて算出を行うと爆発的に増加していくという問題がある。
そこで、本発明の目的は、検出器のアフターグロウに起因するアーチファクトの低減、除去及び時間分解能の低下防止を、撮影条件に合わせて高速に高精度に行うことが可能なX線CT装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、下記に示す特徴を有する。
(1)X線を被写体に照射するX線源と、前記被写体を透過した前記X線を電気信号に変換する複数のX線検出素子から成るX線検出器と、前記X線検出器の出力に対して補正処理を行う補正手段と、前記補正処理の出力に対して再構成演算処理を行う演算処理手段とを具備し、前記被写体の断面像を撮影するX線CT装置において、前記補正手段が、前記X線検出器のアフターグロウの補正に用いるアフターグロウ応答特性を決定するパラメータを、時定数の異なる複数のアフターグロウ成分毎に記憶するパラメータ記憶手段と、前記アフターグロウ応答特性をもとに、前記X線検出器の出力に対して前記アフターグロウの補正量を前記アフターグロウ成分毎に決定して補正を行うアフターグロウ補正手段と、前記X線検出器のアフターグロウの特性を表す時定数の異なる複数のアフターグロウ成分の中から、撮影条件によって前記パラメータ記憶手段に記憶する、前記アフターグロウ応答特性を表す1または複数のアフターグロウ成分を選択するパラメータ決定手段とを有することを特徴とする。
(2)前記(1)のX線CT装置において、前記補正手段が、実測のデータより得た前記X線検出器のアフターグロウの特性を、時定数と成分比からなる複数の成分に分割することで、前記アフターグロウ応答特性を決定するパラメータを決定する成分決定機能を有することを特徴とする。
(3)前記(1)のX線CT装置において、前記補正手段は、前記撮影条件が、撮影時間、X線強度、X線検出器の信号読み出し周期、被写体の種類、被写体の撮影部位のうち少なくとも一つの撮影条件によって異なる複数の撮影モードを有し、前記撮影モードによってアフターグロウ応答特性を変更する機能を有することを特徴とする。
(4)前記(1)のX線CT装置において、前記補正手段が、少なくとも1つの撮影条件にて前記アフターグロウの補正を行わずに前記演算処理手段に前記X線検出器の出力を出力することを特徴とする。
(5)前記(2)に記載のX線CT装置において、前記X線検出素子が、行方向および列方向の2次元的に配置され、一部の前記行方向もしくは前記列方向、または一部の領域に属する前記X線検出素子の応答特性のデータから得た前記時定数の分布を用いて、複数の前記時定数を決定する手段を有することを特徴とする。
本発明によれば、検出器のアフターグロウに起因するアーチファクトの低減、除去及び時間分解能の低下防止を、撮影条件に合わせて高速に高精度に行うことが可能なX線CT装置を実現することができる。
以下、本発明の実施例について、図面を参照して詳述する。
(実施例1)
以下、図1から図8を用いて、本発明の第1の実施例について説明する。
図1は、アフターグロウ補正手段を含む、本発明のX線CT装置の一実施例を示す図である。図2は、図1のX線CT装置におけるX線検出器の一構成例を説明する図である。図3は、図1のX線CT装置における中央処理手段の一構成例を説明する図である。図4は、図3に示した補正手段にて行われるアフターグロウ補正処理の方法の一例を説明する図である。図5は、図4にて使用したアフターグロウの時定数と成分比の決定方法の一例を説明する図である。図6は、図5にて計測及び記憶を行うステップ応答特性と推定を行うインパルス応答特性を説明する図である。図7は、撮影条件ごとに使用されるアフターグロウの時定数の決定方法の一例を説明する図である。図8は、図7のファントム撮影で使用するファントムの一例を説明する図である。
図1に示すように、X線CT装置の基本構成として、X線を照射するX線管100、X線を検出して電気信号に変換するX線検出器104、X線検出器104からの投影像を収集する信号収集手段118、信号収集手段118からの信号(投影像)を記憶し画像処理を行う中央処理手段105、画像処理の結果を表示する表示手段106、撮影開始やパラメータの設定、入力を行う入力手段119、X線管100とX線検出器104を制御する制御手段117から成る。なお、図中、107は体軸方向(スライス方向)、108は回転体101の回転方向(チャネル方向)を示す。
図1を用いて、撮影の手順を説明する。入力手段119から撮影開始の入力が行われると、X線源100から寝台天板103に載った被写体102に向けてX線を照射する。このX線は被写体102を透過し、X線検出器104にて電気信号に変換される。この電気信号は信号収集回路118にてAD変換が行われて投影像となる。この撮影は、X線管100とX線検出器104とが搭載された回転体101を回転して被写体に対するX線の照射角度を変化させて繰り返し行われ、360度分の投影像を取得する。この投影像の撮影は、例えば0.4度ごとに行う。この際に制御回路117は、回転体101の回転とX線検出器104の読み出しを制御する。この投影像は中央収集回路105にて画像補正処理や再構成演算が実施される。その結果が表示手段106にて表示される。
図2を用いて、本発明のX線CT装置におけるX線検出器104の一構成例を説明する。図2に示すX線検出器104は、円弧状に複数並べられ、図1に示すようにX線管100と対抗して配置される。図2に示すX線検出器104は、X線を光に変換するシンチレータ素子112と、光を電気信号に変換するフォトダイオードが複数形成されているフォトダイオード基板(光電変換基板)111と、電気信号を出力する電極パッド120とそのための配線を有する配線基板113から構成される。シンチレータ素子112とフォトダイオード基板111とは光学的に透明な接着剤310で接着され、これらは配線基板113に支持されている。
X線検出器104にX線が入射した場合を、図2を用いて説明する。入射したX線は、シンチレータ素子112にて光に変換される。シンチレータ素子112は、セパレータ130によって分割されている。このシンチレータ素子112ごとに対応して、光を電気信号に変換するフォトダイオードがフォトダイオード基板111上に設けられている。このフォトダイオードとシンチレータ素子112とによってX線検出素子を構成しており、フォトダイオードにて光から変換された電気信号はX線検出素子ごとに出力される。フォトダイオードの電極は電極パッド120と電気的に接続されている。この電極パッド120から、X線によって発生した電気信号は図1に示す信号収集手段118に読み出される。この電気信号が全X線検出素子分集められて投影像を形成する。この投影像は、ある時間間隔(ΔT)で取得され、複数枚の投影像が順次取得される。そのN番目をNビュー目の投影像と呼ぶことにする。
このように投影像が作成されるが、X線によって発生する信号は、全てがX線照射直後の投影像で読み出されるとは限らない。すなわちアフターグロウの現象を有する。例えば、Nビュー目の投影像の直前に照射された信号の一部は、(N+1)ビュー目の投影像以降に読み出される。その原因は、X線がシンチレータで光に変換される際の遅延(残光)や回路的な読み残しがある。このようなアフターグロウは、(N+1)ビュー目以降の投影像に残像を生じさせ、再構成像ではアーチファクトを生じさせる原因となる。
図3を用いて、中央処理手段105の一構成例を説明する。信号収集手段118から中央処理手段105に入力された投影像は、まずデータ
記憶手段300にて記録される。この後、補正手段301にて画像補正処理が行われる。このとき行われる処理は、例えば、検出器の暗電流分の出力を除くオフセット補正、検出器のアフターグロウの影響を補正するアフターグロウ補正、X線の分布や検出器の感度のばらつきを補正する感度補正、欠陥画素の出力を補正するディフェクト補正などである。次に、投影像は、再構成手段302にてコンボルーション(畳み込み)やバックプロジェクション(逆投影)の処理を加えて被写体のX線吸収係数分布の断面像を再構成する。この断面像が表示手段106にて表示される。これらの画像補正処理、再構成処理で使用するパラメータや、画像補正処理で使用する補正用のデータはパラメータ記憶手段303に記憶されており。これらのパラメータは、入力手段119から入力された撮影条件に対して、パラメータ決定手段330によって変更が可能である。
図4は、図3に示した補正手段301にて行われるアフターグロウ補正処理の方法の一例を示す図である。Nビュー目の投影像に対してアフターグロウ補正処理を実施する場合について説明する。
アフターグロウが複数の時定数を持った成分から成ると想定する。このi番目(i=1、…、M)のアフターグロウ成分の時定数をτi、成分比をAiとする。これらの決定はパラメータ決定手段330にて行われ、その詳細は、図5にて説明する。
図4に示すように、補正手段301の補正用データ記憶手段311において、過去ビューのアフターグロウ補正処理前の投影像および/または補正後の投影像および/またはアフターグロウ量データ320が記憶される。これに加えて、パラメータ記憶手段303に記憶される時定数τiと成分比Aiから算出したアフターグロウ成分iの減衰率316、Nビュー目のアフターグロウ補正前の投影像314などを用いて、Nビュー目のアフターグロウ量のデータ312を推測する。このNビュー目のアフターグロウ量のデータ312を、Nビュー目のアフターグロウ補正前の投影像314へ演算することでNビュー目のアフターグロウ補正後の投影像315を求め、再構成手段302に出力する。
図5を用いて、アフターグロウの時定数τiと成分比Ai(i=1、…、M)の決定方法の一例を説明図する。これらを決定するために、まず被写体を設けずにステップ応答特性F(v)の測定350を行う。ステップ応答特性F(v)とは一定時間だけX線を照射して停止した際に得られる検出器の出力の相対強度の分布である。vは、第vビュー目を表す。
図6(a)は、0ビューからNビューまでX線を照射したときに計測されるステップ応答特性F(v)を表す。このステップ応答特性F(v)は、図6(b)に示すようなnビュー目のみX線を照射したときに得られるインパルス応答特性f(v)が、図6(c)に示すように0ビューからNビューに生じた分だけ畳み込み積分された量となる。
図5のように、ステップ応答特性F(v)の測定350によって得られたF(v)は、データ記憶手段300に記憶される。次に、このF(v)を用いて、パラメータ決定手段330によってインパルス応答特性f(v)の推定352を行う。この推定352では、例えば、(式1)に示すようなアフターグロウの各成分の和で示すインパルス応答関数f’(v)を0ビューからNビュー分だけ畳み込み積分して得たフィッティング関数F’(v)を、データ記憶手段300に記憶されているステップ関数F(v)へフィッティングを行うことで、アフターグロウの時定数τiと成分比Ai(i=1、…、M)を推定する。
Figure 0004500101
ここで、ΔTは上記のようにビュー間隔の時間である。このフィッティングには、例えば最小2乗法を用いる。次に、決定したパラメータのうち時定数τiのみ、アフターグロウ時定数τiの記憶353にて記憶する。
次に、入力手段119から撮影条件の決定357が行われると、記憶された時定数τi(i=1、…、M)の中から、撮影条件ごとにアフターグロウ補正に使用する時定数の集合の決定354が行われる。この撮影条件と時定数集合の対応は、事前の評価により決定される。時定数集合で選ばれる時定数はある1成分の場合からM成分全ての場合がありうる。
次に、時定数集合の時定数τiを用いてインパルス応答f(v)の再推定355を行い、アフターグロウ成分iの成分比Aiを決定する。ここで、例えば、最小2乗法によって成分比Aiを決定するが、このときフィッティング関数F’(v)は成分比Aiに対して線形結合となるため、非線形結合となる時定数τiを決定する場合に比べて短時間で推定を行うことができる。このように選択した時定数τiと成分比Aiをパラメータ記憶手段303に記憶し、図4に示したように補正手段301において行うアフターグロウ補正にて使用する。このような処理はX線検出素子ごとで実施する。
このような方法により、撮影条件に応じてアフターグロウ補正を行うことが可能となる。更に必要なアフターグロウ成分のみを補正することで、高速に高精度に補正を行うことが可能となる。
図7は、撮影条件ごとに使用されるアフターグロウの時定数の決定方法の実施形態の一例を示す説明図である。ここで撮影条件として、ある1つの固定した撮影時間、X線強度、X線検出器の信号読み出し周期の場合であり、被写体の種類や被写体の撮影部位ごとに撮影条件として異なる場合に対して撮影モードを設け、そのそれぞれの撮影モードで行うアフターグロウ補正を行う成分の時定数の集合を決定する場合である。
まず、実際に診断のために被写体の撮影を行う前に、撮影部位に応じたファントムの撮影400を行っておく。ここで、撮影部位に応じたファントムは人や動物の部位の標本に限るものではなく、模擬したものでもよい。例えば、腹部の撮影モードにおいては、それぞれ被写体のサイズを模擬した、例えば直径10cm、20cm、30cm、40cmなどの円筒形の容器に水を入れたファントムでもよい。例えば、骨部を想定した場合、再構成像を作成する断層面が、図8に表されるように、水の入った円筒形の容器の中心からCT値が比較的高い物質からなる円柱の試料が並ぶファントム455でもよい。ここで図8に示すファントム455では、直径の異なる試料450、試料451、試料452と、これらとCT値が異なる試料453が設けられている。
図7に示すように、このファントムの投影像には、2つの経路で分けてアフターグロウ補正を行う。その一つの経路は、アフターグロウ補正を行う成分としてm個の時定数の選択401を行う場合である。ここで、m個の時定数には、最初は図5を用いて求めたアフターグロウの全成分(M個)を用いる。次に、成分比の決定402を行い、先に撮影したファントムの投影像に対してアフターグロウ補正の実施403を行い、再構成像の作成404を行う。もう一つの経路は、m成分から1つの成分iを除いた(m−1)個の時定数を選択410し、同様に成分比の決定411、アフターグロウ補正の実施412、再構成像の作成413を行う。この再構成像の作成は、除いた成分iが全ての成分の場合で実施する。次にこれらの再構成像から差分像の作成420を行い、標準偏差SD‘と最大値MAXの算出422を行う。これらの算出は、特定の領域内での値を算出する。例えば、図8に示すファントムでは、試料450、試料451、試料452、試料453のそれぞれを含む複数の領域にて算出を実施する。更に再構成像の作成404にて作成した再構成像の同じ領域から標準偏差SDの算出421を行う。
次に、これらの標準偏差SD、SD’、最大値MAXを、例えば条件423のような条件にて処理を行う。この処理では1成分でもYESの場合は条件を満たす時定数の削除424を行い、少なくなった成分数で同様に最初から処理を行う。ここで、a、bはある定数である。そして条件423に対して全てNOとなった場合、撮影部位に応じた時定数の集合の決定425を行い、これらの時手数をパラメータ記憶手段303に記憶する。標準偏差SDを算出した領域ごとにその時定数が異なる場合は、それらの1方にでも含まれる時定数を全て撮影部位に応じた時定数として記憶する。
この方法では、撮影条件として、被写体の種類、被写体の撮影部位によってのみ分けて撮影モードを設けたが、本発明はこれに限定されるものではない。撮影時間、X線強度、X線検出器の信号読み出し周期に対しても異なる条件にて撮影モードを設け、その条件ごとに、図7に示すような方法にてアフターグロウ補正を行う成分を決定してもかまわない。また、撮影モードごとにではなく、図5の方法で決定した時定数の1つまたは複数の集合から、診断における撮影の際に撮影者が時定数の集合を選び出し、その選択した成分にて実際の被写体にアフターグロウ補正を実施し、その結果の画像を確認することを繰り返して時定数を決定してもよい。
また、全ての撮影モードに対してアフターグロウ補正を実施するとは限らない。アフターグロウの補正を必要としない撮影モードでは、アフターグロウの補正を行わなくても、少なくとも一つの必要な撮影モードでアフターグロウ補正を行なうようにしてもよい。これは、時定数集合に0個の時定数が決定された撮影モードがあるとみなすこともできる。
(実施例2)
本発明の第2の実施例は、第1の実施例1とはアフターグロウの時定数τiと成分比Ai(i=1、…、M)の決定方法が異なる。第2の実施例におけるX線CT装置おける決定方法の説明図を、図9に示し、インパルスf(v)の推定からアフターグロウ時定数の決定を行う具体的な方法の一例を、図10に示す。
図9は、図5で示した第1の実施例の方法とは、インパルス応答特性f(v)の推定352の方法が異なる。図5に示す方法では、推定352はX線検出素子ごとで実施しているが、図9に示す方法では、特定のX線検出素子、特に、図9ではある特定のスライス(行)(Lスライス目とする)のX線検出素子のデータのみを用いて推定を行う。このようにして求まった時定数を全X線検出素子の時定数として使用する。これは、アフターグロウの成分が先に述べたようなシンチレータでの残光や回路での読み残しのような要因により発生するため、その時定数はおおよそ同じ値をなるX線検出素子が多いと考えられるからである。
このような処理は、特に多スライスの二次元X線検出器のようにX線検出素子の数が多い場合に有利である。推定352は、(式1)で示したような関数の非線形パラメータフィッティングのため処理量が特に大きい。そのため、特定のX線検出素子から時定数の決定を行うことは大幅な処理量の低減となり有効である。
図10は、図9で示したインパルス応答特性f(v)の推定352からアフターグロウ時定数の決定353を行う具体的な方法の一例の説明する図である。まず先に述べたように、Lスライス目のX線検出素子の応答特性のデータのみに対して推定352を行う。次に、このようにして得た時定数を集計し、アフターグロウの時定数のヒストグラムの作成520を行う。このヒストグラムは横軸を時定数、縦軸をその時定数を有するX線検出素子数とする。このヒストグラムからX線検出素子数で共通な時定数の推定521を行い、これを全X線検出素子に共通な時定数として記憶353を行う。
本方法では、特定のX線検出素子のみが有するアフターグロウは推定されない。このためアフターグロウ補正によりアフターグロウの影響が取り除かれずに、再構成像でアーチファクトが生じる場合が考えられる。このような場合は、特定のX線検出素子のみ、共通の時定数以外の時定数を設けて記憶しておく方法や、他の画素とは別に推定352を行ってアフターグロウの時定数を推定して記憶しておく方法を適用する。
このような方法により、処理用を減らして効率的にアフターグロウ時定数の決定を行うことができる。
本実施例では、特定のスライスのX線検出素子の応答特性を用いてヒストグラムの作成520を行ったが、本発明はこれに限定されるものではない。スライスに直行する特定のチャネル(列)方向に共通なX線検出素子の応答特性を用いる場合や、ある特定の領域のX線検出素子の応答特性を用いる場合もありうる。
本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、複数成分のアフターグロウを有するX線検出器を搭載したX線CT装置に有効である。例えば、X線を直接的に電気信号に変換するX線検出器を搭載したX線CT装置に適用することも可能である。
また、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲でさまざまに変形して実施することが可能である。更に、上述した実施例にはさまざまな段階が含まれており、開示される複数の構成要素における適宜な組み合わせによりさまざまな実施の形態が抽出され得る。例えば、上述した実施例に示される全構成要素から幾つかの構成要素が削除される構成としてもよい。
以上のように、本発明によれば、検出器のアフターグロウに起因するアーチファクトの低減、除去及び時間分解能の低下防止を、撮影条件に合わせて高速に高精度に行うことが可能なX線CT装置を実現できる。また、アフターグロウの補正で使用する成分が必要以上に増加することを防ぎ、撮影毎に補正が必要な成分を選択、変更できる機能を有するX線CT装置を実現できる。
本発明の第1の実施例のX線CT装置の構成を説明する図。 図1のX線CT装置におけるX線検出器の一構成例を説明する図。 図1のX線CT装置における中央処理手段の一構成例を説明する図。 図3に示した補正手段にて行われるアフターグロウ補正処理の方法の一例を説明する図。 図4にて使用したアフターグロウの時定数と成分比の決定方法の一例を説明する図。 図5にて計測および記憶を行うステップ応答特性と推定を行うインパルス応答特性とを説明する図。 撮影条件ごとに使用されるアフターグロウの時定数の決定方法の一例を説明するための説明図。 図7のファントム撮影で使用するファントムの一例を説明する図。 第2の実施例におけるアフターグロウの時定数と成分比の決定方法の一例を説明する図。 第2の実施例における、インパルスf(v)の推定からアフターグロウ時定数の決定を行う具体的な方法の一例を説明する図。
符号の説明
100…X線源、101…回転体、102…被写体、103…寝台天板、104…X線検出器、105…中央処理装置、106…表示装置、107…回転軸方向、スライス方向、108…回転方向、チャネル方向、111…光電変換基板、112…シンチレータ素子、113…配線基板、117…制御回路、118…信号収集手段、119…入力手段、120…電極パッド、130…セパレータ、300…データ記憶手段、301…補正手段、302…再構成手段、303…パラメータ記憶手段、310…接着剤、311…補正データ記憶手段、312…Nビュー目アフターグロウ量データ、314…Nビュー目アフターグロウ補正前データ、315…Nビュー目アフターグロウ補正後データ、316…アフターグロウ成分iの減衰率、320…過去ビューのアフターグロウ補正前/補正後の投影像/アフターグロウ量データ、330…パラメータ決定手段、350…ステップ応答F(v)の測定、351…ステップ応答特性F(v)の記憶、352…インパルス応答特性f(v)の推定、353…アフターグロウ時定数τi(i=1、…、M)の記憶、354…アフターグロウ補正に使用する時定数τiの決定、355…時定数τiを用いてインパルス応答特性f(v)の再推定、356…時定数τi、成分比Ai(i=1、…、M)の記憶、400…撮影部位に応じたファントムの撮影、401…時定数の選択(m個)、402、411…成分比Aiの決定、403、412…アフターグロウ補正の実施、404、413…再構成像の作成、410…時定数の選択(τi成分を除く(m−1)個)、420…差分像の作成、421…標準偏差SDの算出、422…標準偏差SD’の算出、最大値MAXの算出、423…条件、424…条件も満たす時定数の除去、425…撮影部位に応じた時定数集合の決定、450、451、452、453…試料、455…ファントム、520…アフターグロウの時定数のヒストグラム作成、521…ヒストグラムから共通な時定数の推定。

Claims (5)

  1. X線を被写体に照射するX線源と、前記被写体を透過した前記X線を電気信号に変換する複数のX線検出素子から成るX線検出器と、前記X線検出器の出力に対して補正処理を行う補正手段と、前記補正処理の出力に対して再構成演算処理を行う演算処理手段とを具備し、前記被写体の断面像を撮影するX線CT装置において、
    前記補正手段が、前記X線検出器のアフターグロウの補正に用いるアフターグロウ応答特性を決定するパラメータを、時定数の異なる複数のアフターグロウ成分毎に記憶するパラメータ記憶手段と、前記アフターグロウ応答特性をもとに、前記X線検出器の出力に対して前記アフターグロウの補正量を前記アフターグロウ成分毎に決定して補正を行うアフターグロウ補正手段と、前記X線検出器のアフターグロウの特性を表す時定数の異なる複数のアフターグロウ成分の中から、撮影条件によって前記パラメータ記憶手段に記憶する、前記アフターグロウ応答特性を表す1または複数のアフターグロウ成分を選択するパラメータ決定手段とを有することを特徴とするX線CT装置。
  2. 請求項1に記載のX線CT装置において、
    前記補正手段が、実測のデータより得た前記X線検出器のアフターグロウの特性を、時定数と成分比からなる複数の成分に分割することで、前記アフターグロウ応答特性を決定するパラメータを決定する成分決定機能を有することを特徴とするX線CT装置。
  3. 請求項1に記載のX線CT装置において、
    前記補正手段は、前記撮影条件が、撮影時間、X線強度、X線検出器の信号読み出し周期、被写体の種類、被写体の撮影部位のうち少なくとも一つの撮影条件によって異なる複数の撮影モードを有し、前記撮影モードによってアフターグロウ応答特性を変更する機能を有することを特徴とするX線CT装置。
  4. 請求項1に記載のX線CT装置において、
    前記補正手段が、少なくとも1つの撮影条件にて前記アフターグロウの補正を行わずに前記演算処理手段に前記X線検出器の出力を出力することを特徴とするX線CT装置。
  5. 請求項2に記載のX線CT装置において、
    前記X線検出素子が、行方向および列方向の2次元的に配置され、一部の前記行方向もしくは前記列方向、または一部の領域に属する前記X線検出素子の応答特性のデータから得た前記時定数の分布を用いて、複数の前記時定数を決定する手段を有することを特徴とするX線CT装置。
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