JP5233179B2 - 画像定着方法、画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

画像定着方法、画像形成方法及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、画像定着方法、画像形成方法及び画像形成装置に関する。
定着装置に用いられる加熱ローラは、電力消費が著しい部材であるため、近年では、電力消費を抑制することを目的として、融点が低いトナーが用いられるようになってきている。この場合、定着装置に導入される記録媒体の種類に関係無く、電力消費を抑制することができる反面、記録媒体の種類によっては、予め設定された定着温度において、ホットオフセットが発生しやすくなるという問題がある。複写機、プリンタ等の画像形成装置に用いられる記録媒体の主なものは普通紙であるが、一般に、光透過度等の特性を向上させるために普通紙よりもセルロースの含有率を高めたトレーシングペーパーを記録媒体として用いることがある。このように、記録媒体としての特性、この場合には、光透過性が異なる普通紙を対象として、融点が低いトナーを用いると、定着温度がトレーシングペーパーの皺の発生を防止するために不十分である場合がある。このため、融点が低いトナーを用いた普通紙の定着温度に対してトレーシングペーパーの定着温度を高くすることになるが、ホットオフセットが発生しやすくなる。
一方、オイル塗布ローラは、オフセットの発生を抑制するだけでなく、加熱ローラに付着した紙粉等の異物を除去する機能を持たせることも可能である。この場合、オイル塗布ローラが加熱ローラに当接する際に、加熱ローラに追随しない状態で維持することにより、周知のクリーニングブレードと同様の機能を発揮する。しかしながら、周面の一部が常に加熱ローラに当接する構成では、加熱ローラに当接する周面の一部に異物が堆積してしまうという問題がある。その結果、異物が加熱ローラに転移して記録媒体に付着することがある。
特許文献1には、記録媒体上に担持された未定着のトナー像に当接可能な加熱ローラと、これに対向当接する加圧ローラとを備え、記録媒体上の未定着トナー像を定着する定着装置において、加熱ローラと加圧ローラとは、記録媒体に必要な熱量に応じて記録媒体への挟持圧力を変更可能であり、加熱ローラに対して記録媒体の種類に応じて接離可能なオフセット防止用潤滑剤を塗布する塗布ローラが設けられている構成が開示されている。しかしながら、記録媒体の種類によっては、塗布ローラによりクリーニングされた未定着のトナーが放冷され、塊となって落ちるという問題がある。
特開2001−215842号公報
本発明は、上記の従来技術が有する問題に鑑み、様々な記録媒体を使用しても、オイルの塗布量を低減すると共に、低温定着性と耐ホットオフセット性を両立することが可能な画像定着方法、画像形成方法及び画像形成装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、記録媒体上に形成された未定着画像に当接すると共に、加熱することが可能な加熱ローラと、該加熱ローラに圧接することが可能な加圧ローラで、該記録媒体を挟持して該未定着画像を定着させる画像定着方法であって、該記録媒体の種類に応じて、該記録媒体を挟持する圧力を制御し、該未定着画像は、トナーを用いて形成されており、該トナーは、脂肪酸スズ(II)を触媒として含有する非結晶性ポリエステル樹脂と、脂肪酸スズ(II)を触媒として含有する結晶性ポリエステル樹脂を含有し、測定温度130℃、測定周波数1Hz以上10Hz以下における貯蔵弾性率に対する損失弾性率の比が1.1以上2.0以下であり、測定温度130℃、測定周波数1Hzにおける貯蔵弾性率に対する損失弾性率の比に対する測定温度130℃、周波数10Hzにおける貯蔵弾性率に対する損失弾性率の比の比が1.0以上1.8以下であり、該脂肪酸スズ(II)は、一般式
(RCOO)Sn
(式中、Rは、炭素数が5以上19以下のアルキル基又はアルケニル基である。)
で表される化合物であり、該結晶性ポリエステル樹脂は、一般式
Figure 0005233179
(式中、Rは、炭素数が2以上20以下の直鎖状の不飽和脂肪族炭化水素の2価基であり、nは、2以上20以下の整数である。)
で表される構造を有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像定着方法において、前記トナーは、スチレンアクリル系樹脂をさらに含有し、前記結晶性ポリエステル樹脂に対する該スチレンアクリル系樹脂の重量比が0.25以上1以下であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の画像定着方法において、前記トナーは、ハイブリッド樹脂をさらに含有し、該ハイブリッド樹脂は、スチレンアクリル系樹脂とポリエステル樹脂を有することを特徴とする
請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれか一項に記載の画像定着方法において、前記トナーは、測定温度130℃、周波数1Hz以上10Hz以下における貯蔵弾性率が1×10Pa以上5×10Pa以下であることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれか一項に記載の画像定着方法において、前記トナーは、重量平均粒径が3.0μm以上8.0μm以下であり、個数平均粒径に対する重量平均粒径の比が1.20以上1.40以下であることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、画像形成方法において、記録媒体上にトナーを用いて画像を形成する工程と、請求項1乃至のいずれか一項に記載の画像定着方法を用いて、該画像を定着させる工程を有する。
請求項に記載の発明は、画像形成装置において、記録媒体上にトナーを用いて画像を形成する画像形成手段と、請求項1乃至のいずれか一項に記載の画像定着方法を用いて該画像を定着させる画像定着手段を有し、該画像定着手段は、該記録媒体の種類に応じて、該記録媒体を挟持する圧力を制御する機構を有することを特徴とする。
本発明によれば、様々な記録媒体を使用しても、オイルの塗布量を低減すると共に、低温定着性と耐ホットオフセット性を両立することが可能な画像定着方法、画像形成方法及び画像形成装置を提供することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に説明する。
本発明の画像定着方法は、記録媒体上に形成された未定着画像に当接すると共に、加熱することが可能な加熱ローラと、加熱ローラに圧接することが可能な加圧ローラで、記録媒体を挟持して未定着画像を定着させ、記録媒体の種類に応じて、記録媒体を挟持する圧力を制御し、未定着画像は、トナーを用いて形成される。さらに、トナーは、触媒として、無機スズ(II)化合物を含有する非結晶性ポリエステル樹脂を、結着樹脂として有し、測定温度130℃、周波数1〜10Hzにおけるtanδ(貯蔵弾性率G'に対する損失弾性率G''の比)が1.1〜2.0、好ましくは、1.1〜1.5であり、測定温度130℃におけるtanδ(10Hz)/tanδ(1Hz)が1.0〜1.8、好ましくは、1.0〜1.3である。これにより、記録媒体を挟持する圧力が低い場合であっても、また、トレーシングペーパーのような記録媒体を使用して、記録媒体を挟持する圧力が高い場合状態であっても、十分な低温定着性と耐ホットオフセット性が得られる。なお、tanδは、レオメーターを用いて測定され、tanδ(1Hz)及びtanδ(10Hz)は、それぞれ周波数1Hz及び10Hzにおけるtanδを意味する。
このとき、記録媒体を挟持する圧力は、tanδを測定する際の周波数に相当し、記録媒体を挟持する圧力が低い条件とは、短い時間(高い速度)での変形条件、即ち、周波数が大きい条件に対応する。また、記録媒体を挟持する圧力が高い条件とは、長い時間(低い速度)での変形条件、即ち、周波数が小さい条件に対応する。
定着時のトナーのような高分子溶融体は、変形の速度、即ち、周波数により、ガラス域、転移域、ゴム域、流動域と異なる挙動を示す。このため、前述の特性を有するトナーを用いることにより、記録媒体を挟持する圧力が高くても低くても、十分な低温定着性と耐ホットオフセット性が得られる。
測定温度130℃、周波数1〜10Hzにおけるtanδが1.1未満であると、貯蔵弾性率G'の比率が大きいため、十分に溶融せず、耐ホットオフセット性には有利であるが、低温定着性には不利となり、定着後、画像がこすれて剥がれる。また、測定温度130℃、周波数1〜10Hzにおけるtanδが2.0を超えると、損失弾性率G''の比率が高いため、低温定着性に有利であるが、耐ホットオフセット性には不利となり、オイル塗布ローラに汚れが発生し、蓄積したトナーが翌日冷えて固まって落ちてくる。
一方、測定温度130℃におけるtanδ(10Hz)/tanδ(1Hz)が1.0未満であると、速度が高い変形において、貯蔵弾性率G'が大きいので、記録媒体を挟持する圧力が低い条件において、低温定着性が不十分となる。また、速度が低い変形において、損失弾性率G''が大きいので、記録媒体を挟持する圧力が高い条件において、耐ホットオフセット性が不十分となる。
また、測定温度130℃におけるtanδ(10Hz)/tanδ(1Hz)が1.8を超えると、周波数の変動において、貯蔵弾性率G'の変動に対し損失弾性率G''の変動が大きいので、記録媒体を挟持する圧力の変動範囲において、耐ホットオフセット性が不十分となる。
本発明において、レオロジー特性は、粘弾性測定装置(レオメーター)RDA−II型(レオメトリックス社製)を用いて測定される。詳細には、測定治具として、直径7.9mmのパラレルプレートを使用し、測定試料としては、トナーを加熱溶融させた後に直径約8mm、高さ2〜5mmの円柱状試料に成型したものを使用する。また、測定周波数は、1〜10Hzであり、測定温度は、130℃である。さらに、測定歪は、初期値を0.1%に設定し、自動測定モードにて測定を行い、試料の伸長補正は、自動測定モードで調整する。
本発明において、トナーは、触媒として、無機スズ(II)化合物を含有する非結晶性ポリエステル樹脂を、結着樹脂として有するが、これにより、このようなレオロジー特性を有するトナーが得られる。一般に、ポリエステル樹脂の重合触媒としては、活性の高い有機金属化合物が使用されるが、有機金属化合物は、反応後、ポリエステル樹脂と相溶して残存する。このため、架橋されていない線状のポリエステル樹脂であっても、架橋されている分岐状の非結晶性ポリエステル樹脂であっても、局部的に損失弾性率G''が大きくなる部位が発生し、測定温度130℃、周波数1〜10Hzにおけるtanδが2.0を超える。また、無機スズ(II)化合物は、反応後、金属スズや酸化スズとなって、結着樹脂中に分散するので、金属架橋のようなフィラー効果が得られ、損失弾性率G''の増加を抑制することができる。
無機スズ(II)化合物としては、Sn−O結合を有する化合物、Sn−X(Xは、ハロゲン基である。)結合を有する化合物等が挙げられ、Sn−O結合を有する化合物が好ましい。
Sn−O結合を有する化合物としては、オクチル酸スズ(II)、シュウ酸スズ(II)、ジ酢酸スズ(II)、ジオクタン酸スズ(II)、ジラウリル酸スズ(II)、ジステアリン酸スズ(II)、ジオレイン酸スズ(II)等の炭素数2〜28のカルボン酸残基を有するカルボン酸スズ(II);ビス(オクチルオキシ)スズ(II)、ビス(ラウリルオキシ)スズ(II)、ビス(ステアリルオキシ)スズ(II)、ビス(オレイルオキシ)スズ(II)等の炭素数2〜28のアルコキシル基を有するジアルコキシスズ(II);酸化スズ(II);硫酸スズ(II)等が挙げられる。また、Sn−X結合を有する化合物としては、塩化スズ(II)、臭化スズ(II)等のハロゲン化スズ(II)等が挙げられる。中でも、帯電立ち上がり効果及び触媒能の点から、一般式
(RCOO)Sn
(式中、Rは、炭素数5〜19のアルキル基又はアルケニル基である。)
で表される脂肪酸スズ(II)、一般式
(RO)Sn
(式中、Rは、炭素数6〜20のアルキル基又はアルケニル基である。)
で表されるジアルコキシスズ(II)及び酸化スズ(II)(SnO)が好ましく、上記脂肪酸スズ(II)及び酸化スズ(II)がさらに好ましく、オクチル酸スズ(II)、ジオクタン酸スズ(II)、ジステアリン酸スズ(II)及び酸化スズ(II)が特に好ましい。なお、無機スズ(II)化合物を含有するポリエステル樹脂は、トナーの結着樹脂として用いることができる。
本発明において、トナーは、架橋されている分岐状の非結晶性ポリエステル樹脂を有することが好ましい。このようなトナーは、混練工程で硬化性のポリエステル樹脂を架橋することにより製造することができる。このため、混練条件を適宜調整することにより、所望のtanδが得られる。分岐状の非結晶性ポリエステル樹脂を得やすくするためには、架橋点の間の分子鎖を短くすることが好ましい。架橋点の間の分子鎖が長くならないようにするためには、架橋剤の添加量を、モノマーの全量に対して、20〜45mol%程度としてもよい。このとき、低分子量成分の含有量を小さくするためには、無機スズ(II)化合物の添加量をモノマーの総重量の0.2〜0.5%とするか、投入を2回に分けて、一度目に総添加量の30〜50重量%を投入し、狙いの粘度の65〜80%になった段階で残りの50〜70重量%を投入して、総量でモノマーの総重量の0.1〜0.7%添加することが好ましい。
また、トナーが架橋されていない線状のポリエステル樹脂を有すると、一般に、損失弾性率G''の割合が増加するため、測定温度130℃、周波数1〜10Hzにおけるtanδが増大する。しかしながら、ポリエステル樹脂の重量平均分子量が10万を超えると、分子鎖の絡み合いが発生し、損失弾性率G''の割合が減少する。なお、前述のトナーの特性が得られる範囲内であれば、重量平均分子量が10万未満ポリエステル樹脂を添加することで、低温定着性をさらに向上させることができる。
なお、樹脂の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて、市販の単分散標準ポリスチレンを標準として、測定される。このとき、検出器としては、SHODEX RI−71S、溶剤としては、テトラヒドロフラン、カラムとしては、KF−G+KF−807Lx3+KF800Dを用いて、流速1.0ml/分で測定する。また、樹脂は、THFで0.25重量%に希釈した後、注入する。
本発明において、トナーは、測定温度130℃、周波数1Hz以上10Hz以下における貯蔵弾性率G'が1×10〜5×10Paであることが好ましく、1×10〜5×10Paがさらに好ましい。これにより、耐ホットオフセット性をさらに向上させることができ、オイル塗布ローラの汚れを抑制することができる。また、定着時に適度な弾性を有するため、トナーが完全に溶融して潰れることを抑制し、粒状度の高い画像が得られる。このようなトナーを得るためには、無機スズ(II)化合物として、オクチル酸スズを用いることが好ましい。オクチル酸スズは、反応性が高く、得られるポリエステル樹脂の構造の均一性が高いため、極端な低分子量のポリエステル樹脂の生成を抑制し、貯蔵弾性率G'が大きいポリエステル樹脂が得られる。オクチル酸スズ以外の無機スズ(II)化合物を用いる場合は、合成時の昇温速度を下げて、緩やかに合成することで、極端な低分子量のポリエステル樹脂の生成を抑制し、貯蔵弾性率G'が大きい樹脂が得られる。また、触媒の投入方法を2段階に分けて、モノマー仕込み時と、狙いの粘度の15〜20%を超えたところで、投入することにより、貯蔵弾性率G'が高いポリエステル樹脂が得られる。このようにして得られたポリエステル樹脂は、構造の均一性が高いため、混練のエネルギーにより貯蔵弾性率G'が大きく低下することを抑制できる。なお、触媒として、有機金属化合物を用いて得られるポリエステル樹脂は、構造の均一性が低いため、混練のエネルギーにより貯蔵弾性率G'が大きく低下する。このとき、混練のエネルギーを低下させることにより貯蔵弾性率G'の低下を抑制することができるが、他の材料との分散性が低下して、画像のかぶり等が発生する。
本発明において、トナーは、触媒として、無機スズ(II)化合物を含有する、一般式
Figure 0005233179
(式中、Rは、炭素数が2〜20の直鎖状の不飽和脂肪族炭化水素の2価基であり、nは、2〜20の整数である。)
で表される構造を有する結晶性ポリエステル樹脂を、結着樹脂としてさらに有することが好ましい。これにより、低温定着性をさらに向上させることができ、トレーシングペーパー等の各種記録媒体を使用しても、オイル塗布ローラが不要となる。これは、結晶性ポリエステル樹脂がガラス転移温度で結晶転移を起こすと同時に、固体状態から急激に溶融粘度が低下し、非結晶性ポリエステル樹脂では得られない定着性能を発現することができるためである。
結晶性ポリエステル樹脂は、上記一般式で表される構造に含まれるエステル結合を全エステル結合の60〜100mol%含有することが好ましい。なお、一般式中、Rは、炭素数が2〜4の直鎖状の不飽和脂肪族炭化水素の2価基であることが好ましく、nは、2〜6の整数が好ましい。直鎖状の不飽和脂肪族炭化水素の2価基は、直鎖状の不飽和ジカルボン酸由来である。この直鎖状の不飽和ジカルボン酸としては、マレイン酸、フマル酸、1,3−n−プロペンジカルボン酸、1,4−n−ブテンジカルボン酸等が挙げられる。また、n個のメチレン基が連結した官能基は、直鎖状の脂肪族ジオール由来である。この直鎖状の脂肪族ジオールの具体例としては、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。結晶性ポリエステル樹脂は、直鎖状の不飽和脂肪族ジカルボン酸を用いて合成されることから、芳香族ジカルボン酸を用いた場合に比べて結晶構造を形成しやすくなる。
結着樹脂中の結晶性ポリエステル樹脂の含有量は、通常、5〜30重量%であり、10〜20重量%が好ましい。この含有量が5重量%未満であると、低温定着性に対する効果が不十分となることがある。また、30重量%を超えると、トナー生産時の混練工程において、混練時の発熱等により溶融粘度が急激に低下して、混練時の機械的分散力やせん断力を受けにくくなり、他の材料との分散性が低下することがある。このとき、混練時のシェアを高くして分散性を向上させると、結晶性が壊れて本来の機能が得られないという不具合が発生することがある。
結晶性ポリエステル樹脂は、軟化点が85〜140℃であることが好ましく、100〜140℃がさらに好ましく、100〜130℃が特に好ましい。
なお、結晶性ポリエステ樹脂も無機スズ(II)化合物を含有する必要がある。これは、触媒として、有機金属化合物を用いると、有機系の分子が非結晶部位となり、結晶性が低下するためである。
また、トナーが結晶性ポリエステル樹脂を有する場合は、定着時の急激な粘度低下が発生するので、結着樹脂は、架橋されている非結晶性ポリエステル樹脂を有することが好ましい。結着樹脂中の架橋されている非結晶性ポリエステル樹脂の含有量は、通常、30〜70重量%であり、40〜60重量%が好ましい。このとき、非結晶性ポリエステル樹脂中の架橋されている非結晶性ポリエステル樹脂の含有量は、通常、10〜40重量%であり、20〜30重量%が好ましい。これにより、低温定着性が向上するだけではなく、混練時のトルクが大きくなるので、材料の分散性が向上する。このとき、トナー中の架橋されている非結晶性ポリエステル樹脂の含有量は、2〜10重量%であることが好ましい。この含有量が2重量%未満であると、損失弾性率G''が大きくなることがある。このとき、カーボンブラック、磁性体、金属荷電制御剤の添加量を増加し、フィラー効果や金属架橋効果により損失弾性率G''の増加を抑制することができる。また、二成分黒トナーに磁性体を少量添加することにより、かぶりも改善することができる。磁性体の添加量は、カーボンブラックに対して、5〜20重量%程度であることが好ましい。この添加量が20重量%を超えると、現像性が低下し、画像濃度が低下することがあり、5重量%未満であると、効果が不十分となることがある。さらに、カラートナーの場合は、混練時に、無色の酸化チタンや酸化アルミナをトナーに対して0.5〜2重量%程度添加して混練することにより同様なフィラー効果が得られ、損失弾性率G''の増加を抑制することができる。一方、トナー中の架橋されている非結晶性ポリエステル樹脂の含有量が10重量%を超えると、貯蔵弾性率G'が大きくなることがある。
トナー中の架橋されている非結晶性ポリエステル樹脂の含有量の測定方法としては、通常のソックスレー抽出法に準拠し、抽出溶媒により抽出し、抽出残分を測定する方法が挙げられる。しかしながら、トナーを直接ソックスレー抽出しても、ワックスや顔料が濾紙の網目をふさいでしまい、本来濾液として濾過される成分が濾紙から抽出されず濾紙内に残留し、抽出残分として測定される。したがって、本発明では、結着樹脂をトナーの作製条件と同条件で混練した混練物を用いて測定される結着樹脂中の架橋されている非結晶性ポリエステル樹脂の含有量から算出される。このため、この値には、カーボンブラック、磁性体、金属荷電制御剤等によるフィラー効果や金属架橋効果により発生する架橋は含まれない。
結着樹脂中の架橋されている非結晶性ポリエステル樹脂(架橋成分)の含有量の測定方法を以下に説明する。まず、結着樹脂のみでトナーを作製条件と同条件で混練して混練物を作製する。次に、混練物W[g](W=0.5〜1.0)を秤量し、円筒濾紙(例えば、No.86R(東洋濾紙社製))を入れてソックスレー抽出器にかけ、THF200mlを用いて10時間抽出し、抽出後の抽出残分の重量W[g]を測定する。この抽出残分には、架橋されている非結晶性ポリエステル樹脂と、THFには溶解しない結晶性ポリエステル樹脂が含まれる。次に、抽出溶媒をo−ジクロロベンゼン200mlに変更し、オイルバスで130〜135℃に加温しながら、さらに10時間抽出し、抽出後の抽出残分の重量W[g]を測定する。このとき、架橋成分の含有量は、式
/W×100[重量%]
から求められる。
また、非結晶性ポリエステル樹脂中の架橋されている非結晶性ポリエステル樹脂(架橋成分)の含有量の測定方法を以下に説明する。非結晶性ポリエステル樹脂W[g](W=0.5〜1.0)を秤量し、円筒濾紙(例えば、No.86R(東洋濾紙社製))を入れてソックスレー抽出器にかけ、THF200mlを用いて10時間抽出し、抽出後の抽出残分の重量W[g]を測定する。このとき、架橋成分の含有量は、式
/W×100[重量%]
から求められる。
本発明において、トナー中の材料の分散性を高めるためには、トナーは、結着樹脂として、スチレンアクリル系樹脂をさらに有し、結晶性ポリエステル樹脂に対するスチレンアクリル系樹脂の重量比が0.25〜1であることが好ましく、0.40〜0.60がさらに好ましい。スチレンアクリル系樹脂は、結晶性ポリエステル樹脂と組成が異なるため、溶融混練時に、結晶性ポリエステル樹脂を、結晶性を維持した状態で微小に分散させることができる。上記の重量比が0.25未満であると、この効果が不十分となって、結晶性ポリエステル樹脂の分散径が大きくなることがあり、1を超えると、低温定着性が低下したり、カラートナーの透過性が低下したりすることがある。
なお、スチレンアクリル系樹脂とは、スチレンとアクリルモノマーの共重合体であるが、アクリルモノマーとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘプチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸プロポキシエチル、メタクリル酸ブトキシエチル、メタクリル酸メトキシジエチレングリコール、メタクリル酸エトキシジエチレングリコール、メタクリル酸メトキシエチレングリコール、メタクリル酸ブトキシトリエチレングリコール、メタクリル酸メトキシジプロピレングリコール、メタクリル酸フェノキシエチル、メタクリル酸フェノキシジエチレングリコール、メタクリル酸フェノキシテトラエチレングリコール、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸ジシクロペンテニル、メタクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、メタクリル酸N−ビニル−2−ピロリドン、メタクリロニトリル、メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル、ジアセトンアクリルアミド、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸プロポキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸メトキシジエチレングリコール、アクリル酸エトキシジエチレングリコール、アクリル酸メトキシエチレングリコール、アクリル酸ブトキシトリエチレングリコール、アクリル酸メトキシジプロピレングリコール、アクリル酸フェノキシエチル、アクリル酸フェノキシジエチレングリコール、アクリル酸フェノキシテトラエチレングリコール、アクリル酸ベンジル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸ジシクロペンテニル、アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、アクリル酸N−ビニル−2−ピロリドン、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチル、アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル、アクリル酸グリシジル等が挙げられ、二種以上併用してもよい。また、スチレンアクリル系樹脂を合成する際の全モノマー中のスチレンの含有量は、50〜90重量%であることが好まし、60〜90重量%がさらに好ましい。スチレンの含有量が50重量%未満であると、スチレンアクリル系樹脂のガラス転移点が低下して、耐熱保存性が不充分となることがある。また、スチレンの含有量が90重量%を超えると、スチレンアクリル系樹脂のガラス転移点が上昇して、低温定着性が不充分となることがある。
さらに、カラートナーの透過性を高めるためには、トナーは、スチレンアクリル系樹脂と、ポリエステル樹脂を有するハイブリッド樹脂を含有することが好ましい。これにより、結晶性ポリエステル樹脂が結晶性を維持した状態で、低温定着性及び分散性が良好であり、透過性が高いカラートナーが得られる。また、ワックスの分散性も向上させることができる。
本発明において、ハイブリッド樹脂は、縮重合系のポリエステル樹脂と付加重合系のスチレンアクリル系樹脂が化学的に結合されている樹脂である。このため、両樹脂のモノマーのいずれとも反応することが可能な両反応性モノマーを用いて重合することが好ましい。両反応性モノマーとしては、フマル酸、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸ジメチル等が挙げられる。両反応性モノマーの添加量は、スチレンアクリル系樹脂の原料モノマーに対して、通常、1〜25重量%であり、2〜10重量%が好ましい。添加量が1重量%未満であると、着色剤や荷電制御剤の分散性が低下して、かぶり等が発生することがあり。25重量%を超えると、ハイブリッド樹脂がゲル化することがある。
ハイブリッド樹脂は、酸価が15〜70mgKOH/gであることが好ましく、20〜50mgKOH/gがさらに好ましく、20〜30mgKOH/gが特に好ましい。これにより、離型剤の分散性を向上させることができ、さらに低温定着性及び環境安定性に優れる。このとき、紙と樹脂の相溶性が良好になるため、低温定着性をさらに向上させることができる。酸価が15mgKOH/g未満であると、離型剤がポリエステル樹脂から遊離しやすくなることがあり、70mgKOH/gを超えると、空気中の水分の影響が大きくなって、トナーの帯電量が不安定となることがある。
また、ハイブリット樹脂は、両反応を進行させる必要はなく、それぞれの反応温度及び反応時間を適宜選択して、独立に反応を進行させてもよい。例えば、反応容器中にポリエステル樹脂の原料モノマー、スチレンアクリル系樹脂の原料モノマー及び重合開始剤からなる混合物を滴下して予め混合する。その後、まず、スチレンアクリル系樹脂を合成するラジカル重合反応を完了させた後に、反応温度を上昇させて、ポリエステル樹脂を合成する縮重合反応を完了させる。これにより、二種類の樹脂を効果的に分散させることが可能である。
本発明において、ポリエステル樹脂は、無機スズ(II)化合物の存在下、不活性ガス雰囲気中、150〜250℃で、多価カルボン酸又はその反応性誘導体(酸無水物、炭素数1〜4の低級アルキルエステル、酸ハロゲン化物等)と、多価アルコールを縮重合反応させることにより得られる。なお、ポリエステル樹脂を製造する際の無機スズ(II)化合物の添加量は、ポリエステル樹脂の原料モノマーの総重量に対して、0.001〜5%であることが好ましく、0.05〜2%がさらに好ましい。したがって、ポリエステル樹脂に対する無機スズ(II)化合物の重量比も0.001〜5%であることが好ましく、0.05〜2%がさらに好ましい。
多価カルボン酸としては、2価のカルボン酸、3価以上のカルボン酸を用いることができる。2価カルボン酸としては、(1)マレイン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、アゼライン酸、メサコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸等の炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸;(2)シクロヘキサンジカルボン酸、メチルメジック酸等の炭素数8〜20の脂環式ジカルボン酸;(3)フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トルエンジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸等の炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸;(4)イソドデセニルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸等の側鎖に炭素数4〜35の炭化水素基を有するアルキル又はアルケニルコハク酸等が挙げられ、2価のカルボン酸の無水物、低級アルキル(メチル、ブチル等)エステルも用いることができる。中でも、(1)、(3)、(4)及びこれらの無水物や低級アルキルエステルが好ましく、(無水)マレイン酸、フマル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、n−ドデセニル(無水)コハク酸がさらに好ましい。
3価以上のカルボン酸としては、(1)1、2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラキス(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸等の炭素数7〜20の脂肪族ポリカルボン酸;(2)1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸等の炭素数9〜20の脂環式ポリカルボン酸;(3)1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸等の炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸等が挙げられ、3価以上のカルボン酸の無水物、低級アルキル(メチル、ブチル等)エステルも用いることができる。中でも、(3)及びその無水物、低級アルキルエステルが好ましいが、光沢や透明性が低下することがあるため、使用量は少量とすることが好ましい。
多価アルコールとしては、2価のアルコール、3価以上のアルコールを用いることができる。2価のアルコールとしては、(1)エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の炭素数2〜12のアルキレングリコール;(2)ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のアルキレンエーテルグリコール類;(3)1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の炭素数6〜30の脂環式ジオール;(4)ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール類;(5)ビスフェノール類のアルキレンオキシド(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等)2〜8モル付加物等が挙げられる。中でも、(1)及び(5)が好ましく、(5)がさらに好ましく、良好な耐オフセット性が得られることから、ビスフェノールAのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド2〜4モル付加物が特に好ましい。
3価以上のアルコールとしては、(1)ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の炭索数3〜20の脂肪族ポリオール;(2)1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の炭素数6〜20の芳香族ポリオールが挙げられ、3価以上のアルコールのアルキレンオキシド付加物も用いることができる。中でも、(1)が好ましく、安価な点から、グリセロール、トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトールがさらに好ましいが、光沢や透明性が低下することがあるため、使用量は少量とすることが好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂は、直鎖状の不飽和脂肪族ジカルボン酸を含有する多価カルボン酸又はその反応性誘導体(酸無水物、炭素数1〜4の低級アルキルエステル、酸ハロゲン化物等)と、直鎖状の脂肪族ジオールを含有する多価アルコールを重縮合反応させることにより得られる。多価カルボン酸としては、分岐鎖を有する不飽和脂肪族ジカルボン酸、飽和脂肪族ジカルボン酸、飽和脂肪族ポリカルボン酸の他、芳香族ジカルボン酸、芳香族ポリカルボン酸等を用いることができる。なお、多価カルボン酸は、ポリエステル樹脂が結晶性を有する範囲内であれば、特に限定されないが、直鎖状の不飽和脂肪族ジカルボン酸又はその反応性誘導体を、通常、70mol%以上、好ましくは、90mol%以上含有する。
本発明において、トナーは、結着樹脂の他に、離型剤、着色剤等をさらに有することができる。
離型剤としては、特に限定されないが、脱遊離脂肪酸型カルナウバワックス、モンタンワックス、酸化ライスワックスを用いることが好ましく、二種以上併用してもよい。これにより、分散性が向上する。カルナウバワックスとしては、微結晶であり、酸価が5mgKOH/g以下であり、トナー中の分散粒径が1μm以下であるものが好ましい。モンタンワックスは、一般に、鉱物から精製されたモンタン系ワックスを意味し、カルナウバワックスと同様に微結晶であり、酸価が5〜14mgKOH/gであることが好ましい。酸化ライスワックスは、米ぬかワックスを空気酸化したものであり、酸価が10〜30mgKOH/gであることが好ましい。その他の離型剤としては、固形シリコーンワニス、高級脂肪酸高級アルコール、モンタン系エステルワックス、低分子量ポリプロピレンワックス等が挙げられる。トナー中に分散させる前の離型剤は、体積平均粒径が10〜800μmであることが好ましい。体積平均粒径が10μm未満であると、トナー中の分散粒径が小さくなって、離型効果が不十分となり、オフセットが生じることがある。また、体積平均粒径が800μmを超えると、トナー中の分散粒径が大きくなって、トナーの表面への離型剤の析出が多くなり、流動性が低下したり、現像機内等に固着したりすることがある。なお、体積平均粒径は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所社製)を用いて測定される。
着色剤としては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等のトナーを得ることが可能な公知の顔料や染料を用いることができる。黄色顔料としては、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ等が挙げられる。橙色顔料としては、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK等が挙げられる。赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B等が挙げられる。紫色顔料としては、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキが挙げられる。青色顔料としては、コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等が挙げられる。緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ等が挙げられる。黒色顔料としては、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物等が挙げられる。なお、これらの顔料は、二種以上併用してもよい。
本発明において、トナーは、必要に応じて、荷電制御剤を含有してもよい。荷電制御剤としては、例えば、ニグロシン、炭素数2〜16のアルキル基を有するアジン系染料(特公昭42−1627号公報参照)、塩基性染料(例えば、C.I.Basic Yellow 2(C.I.41000)、C.I.Basic Yellow 3、C.I.Basic Red 1(C.I.45160)、C.I.Basic Red 9(C.I.42500)、C.I.Basic Violet 1(C.I.42535)、C.I.Basic Violet 3(C.I.42555)、C.I.Basic Violet 10(C.I.45170)、C.I.Basic Violet 14(C.I.42510)、C.I.Basic Blue 1(C.I.42025)、C.I.Basic Blue 3(C.I.51005)、C.I.Basic Blue 5(C.I.42140)、C.I.Basic Blue 7(C.I.42595)、C.I.Basic Blue 9(C.I.52015)、C.I.Basic Blue 24(C.I.52030)、C.I.Basic Blue 25(C.I.52025)、C.I.Basic Blue 26(C.I.44045)、C.I.Basic Green 1(C.I.42040)、C.I.Basic Green 4(C.I.42000)等)、塩基性染料のレーキ顔料、C.I.Solvent Black 8(C.I.26150)、ベンゾイルメチルヘキサデシルアンモニウムクロリド、デシルトリメチルクロリド等の4級アンモニウム塩、ジアルキル(例えば、ジブチル、ジオクチル等)スズ化合物、ジアルキル(例えば、ジブチル、ジオクチル等)スズボレート化合物、グアニジン誘導体、アミノ基を有するビニル系ポリマー、アミノ基を有する縮合系ポリマー等のポリアミン樹脂、モノアゾ染料の金属錯塩(特公昭41−20153号公報、特公昭43−27596号公報、特公昭44−6397号公報、特公昭45−26478号公報参照)、サルチル酸(特公昭55−42752号公報、特公昭59−7385号公報参照)、ジアルキルサルチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸のZn、Al、Co、Cr、Fe等の金属錯体、スルホン化した銅フタロシアニン顔料、有機ホウ素塩類、含フッ素4級アンモニウム塩、カリックスアレン系化合物等が挙げられる。なお、ブラック以外のトナーには、目的の色を損なう荷電制御剤を用いることは好ましくなく、白色のサリチル酸誘導体の金属塩等を用いることが好ましい。
本発明において、トナーは、シリカ、酸化チタン、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素、窒化ホウ素等の無機微粒子や樹脂微粒子が母体粒子に外添されていることが好ましい。これにより、転写性や耐久性をさらに向上させることができる。一般に、トナーの表面にワックスが存在すると、転写性や耐久性を低下させるが、母体粒子の表面が外添剤で覆われると接触面積が低下するため、このような現象を抑制することができる。無機微粒子としては、表面が疎水化処理されているものが好ましく、例えば、疎水化処理されたシリカ、疎水化処理されたシリカ酸化チタン等が挙げられる。さらに、疎水化処理されたシリカ及び疎水化処理された酸化チタンを母体粒子に外添し、疎水化処理されたシリカの外添量より疎水化処理された酸化チタンの外添量を多くすることにより、湿度に対する帯電安定性にも優れたトナーが得られる。樹脂微粒子としては、ソープフリー乳化重合法により得られた平均粒径が0.05〜1μm程度のポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン等の微粒子が好ましい。
無機微粒子を疎水化する疎水化処理剤としては、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、メチルトリクロロシラン、アリルジメチルジクロロシラン、アリルフェニルジクロロシラン、ベンジルジメチルクロロシラン、ブロムメチルジメチルクロロシラン、α−クロロエチルトリクロロシラン、p−クロロエチルトリクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン、クロロメチルトリクロロシラン、p−クロロフェニルトリクロロシラン、3−クロロプロピルトリクロロシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビニルジクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、デシルトリクロロシラン、ノニルトリクロロシラン、(4−t−プロピルフェニル)トリクロロシラン、(4−t−ブチルフェニル)トリクロロシラン、ジペンチルジクロロシラン、ジヘキシルジクロロシラン、ジオクチルジクロロシラン、ジノニルジクロロシラン、ジデシルジクロロシラン、ジドデシルジクロロシラン、ジヘキサデシルジクロロシラン、(4−t−ブチルフェニル)オクチルジクロロシラン、ジオクチルジクロロシラン、ジデセニルジクロロシラン、ジノネニルジクロロシラン、ジ−2−エチルヘキシルジクロロシラン、ビス(3,3−ジメチルペンチル)ジクロロシラン、トリヘキシルクロロシラン、トリオクチルクロロシラン、トリデシルクロロシラン、ジオクチルメチルクロロシラン、オクチルジメチルクロロシラン、(4−t−プロピルフェニル)ジエチルクロロシラン、オクチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、ジエチルテトラメチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、ヘキサトリルジシラザン等が挙げられる。この他の疎水か処理剤としては、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤も用いることができる。
また、無機微粒子と共に、比表面積20〜50m/gのシリカや平均粒径が母体粒子の平均粒径の1/100〜1/8である樹脂微粒子を母体粒子に外添することにより、耐久性を向上させることができる。一般に、現像装置内で、トナーとキャリアを混合、攪拌する過程で、無機微粒子は、母体粒子に埋め込まれていくが、無機微粒子より粒径が大きい外添剤を外添することにより、このような現象を抑制することができる。
さらに、このような無機微粒子や樹脂微粒子を母体粒子中に内添すると、転写性や耐久性と共に、トナーの粉砕性を向上させることができる。また、外添と内添を併用することにより、外添した無機微粒子が埋め込まれることを抑制できるため、優れた転写性が安定して得られると共に耐久性を向上させることができる。
また、母体粒子には、クリーニング性の向上等を目的として、脂肪属金属塩、ポリフッ化ビニリデンの微粒子等の滑剤等を外添してもよい。
本発明において、さらに良好な低温定着性を得るためには、トナーは、重量平均粒径(D4)が3.0〜8.0μmであることが好ましく、3.0〜5.5μmがさらに好ましい。また、個数平均粒径(D1)に対する重量平均粒径(D4)の比(D4/D1)は、1.20〜1.40であることが好ましく、1.20〜1.35がさらに好ましい。これにより、600dpi以上の微小な潜像ドットに対して、トナーの粒径が十分に小さいため、ドット再現性に優れる。D4が3.0μm未満であると、記録媒体の凹凸にトナーが入り込んで、熱量が伝導されにくくなって、低温定着性が低下することがある。また、転写効率が低下したり、ブレードクリーニング性が低下したりすることがある。一方、D4が8μmを超えると、定着時の熱量が瞬時に伝導されなかったり、文字やラインが飛び散ったりすることがある。D4/D1が1.40を超えると、均一な帯電性が得られず、画像のかぶりが発生することがあり、1.20未満であると、特に、リサイクルシステムを有する装置においては、リサイクルトナーが混入した場合に選択現像性が発生して、リサイクルトナーが現像されずに現像機内で滞留し、キャリアスペントが発生することがある。
本発明において、トナーの粒度分布は、コールターカウンター法による粒度分布の測定装置コールターカウンターTA−II、コールターマルチサイザーII(コールター社製)を用いて測定される。以下、測定方法を具体的に説明する。まず、電解液100〜150ml中に、分散剤として界面活性剤(好ましくは、アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて調製された約1重量%塩化ナトリウム水溶液であり、例えば、ISOTON−II(コールター社製)を使用することができる。次に、測定試料を2〜20mg加えて懸濁させた後に、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行う。このようにして得られた分散液に対して、100μmアパーチャーを用いて、トナーの重量及び個数を測定して、重量分布及び個数分布を得る。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)が求められる。
なお、チャンネルとしては、2.00μm以上2.52μm未満;2.52μm以上3.17μm未満;3.17μm以上4.00μm未満;4.00μm以上5.04μm未満;5.04μm以上6.35μm未満;6.35μm以上8.00μm未満;8.00μm以上10.08μm未満;10.08μm以上12.70μm未満;12.70μm以上16.00μm未満;16.00μm以上20.20μm未満;20.20μm以上25.40μm未満;25.40μm以上32.00μm未満;32.00μm以上40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径が2.00μm以上40.30μm未満の粒子を測定対象とする。
本発明において、トナーの製造方法は、結着樹脂、離型剤、着色剤等を含有するトナー原料を、機械的に混合する混合工程と、混合されたトナー原料を溶融混練する溶融混練工程と、溶融混練されたトナー原料を粉砕する粉砕工程と、粉砕されたトナー原料を分級する分級工程を有することが好ましい。また、着色剤としては、顔料の分散性を向上させるために、顔料をマスターバッチ処理したものを用いてもよい。
トナー原料を混合する際には、回転させる羽根を有する公知の混合機等を用いて、通常の条件で行えばよい。
また、混合されたトナー原料を溶融混練する際には、公知の溶融混練機を用いて行えばよい。溶融混練機としては、バッチ式の2本ロール、バンバリーミキサー、連続式の2軸押出し機(例えば、KTK型2軸押出し機(神戸製鋼所社製)、TEM型2軸押出し機(東芝機械社製)、2軸押出し機(KCK社製)、PCM型2軸押出し機(池貝鉄工社製)、KEX型2軸押出し機(栗本鉄工所社製)等)、連続式の1軸混練機(例えば、コ・ニーダ(ブッス社製)等)が挙げられる。
次に、溶融混練されたトナー原料を冷却した後、粉砕する。このとき、例えば、ハンマーミル、ロートプレックス等を用いて粗粉砕した後に、ジェット気流を用いた微粉砕機、機械式の微粉砕機等を用いて微粉砕することが好ましい。なお、粉砕されたトナー原料は、平均粒径が3〜15μmであることが好ましい。
さらに、粉砕されたトナー原料は、風力式分級機等により、粒径が2.5〜20μmになるように分級(粒度調整)され、母体粒子が得られる。
次に、母体粒子に外添剤が外添されるが、ミキサー類を用いて母体粒子と外添剤を混合、攪拌することにより、外添剤が解砕されながら、母体粒子の表面に被覆される。このとき、無機微粒子、樹脂微粒子等の外添剤を均一かつ強固に母体粒子に付着させることにより、耐久性を向上させることができる。
また、混合工程や溶融混練工程において、粉砕工程又は分級工程で得られる、トナーに用いられる母体粒子以外の粒子を再利用してもよい。なお、トナーに用いられる母体粒子以外の粒子とは、所定の粒径の母体粒子よりも粒径が小さい微粒子及び粒径が大きい粗粒子を意味する。このような粒子を混合工程や溶融混練工程で再利用する際には、トナー原料に対する重量比が1/99〜50/50で混合することが好ましい。
本発明の画像形成方法は、記録媒体上にトナーを用いて画像を形成する工程と、本発明の画像定着方法を用いて、記録媒体上に形成された画像を定着させる工程を有する。記録媒体上にトナーを用いて画像を形成する方法としては、潜像担持体に潜像を形成する工程と、形成された潜像をトナーで現像する工程と、トナーで現像された画像を記録媒体上に転写する工程を有する公知の方法を用いることができる。なお、潜像担持体に潜像を形成する際には、潜像担持体を一様に帯電させた後に、像様に露光することが好ましい。また、潜像をトナーで現像する際には、トナー及びキャリアからなる二成分現像剤を用いることが好ましい。このとき、キャリアに対するトナーの重量比は、それぞれの粒径にもよるが、通常、1/99〜10/90である。
キャリアとしては、特に限定されないが、例えば、鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、ニッケル粉、ガラスビーズ等が挙げられる。このとき、キャリアは、表面が樹脂等で被覆処理されているものを用いることが好ましい。このような樹脂としては、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられる。また、キャリアは、体積平均粒径が25〜200μmであることが好ましい。
本発明の画像形成装置は、記録媒体上にトナーを用いて画像を形成する画像形成手段と、本発明の画像定着方法を用いて、記録媒体上に形成された画像を定着させる手段を有し、画像定着手段は、記録媒体の種類に応じて、記録媒体を挟持する圧力を制御する機構を有する。記録媒体上にトナーを用いて画像を形成する手段としては、潜像担持体に潜像を形成する手段と、形成された潜像をトナーで現像する手段と、トナーで現像された画像を記録媒体上に転写する手段を有する公知の手段を用いることができる。なお、潜像担持体に潜像を形成する手段は、潜像担持体を帯電させる手段と、帯電された潜像担持体を露光する手段を有することが好ましい。
図1に、本発明の画像形成装置の一例として、デジタル複写機を示す。図1に示すデジタル複写機は、複写機本体1と、自動原稿送り装置(ADF)100と、給紙ユニット300を有し、自動原稿送り装置100又は原稿給紙台101上に積載された原稿を1枚ずつ複写機本体1側のコンタクトガラス10上に搬送し、画像データを読み取った後に排紙トレイ105上に排出するように構成されている。原稿給紙台101上にセットされた原稿は、サイドフェンス(不図示)によって用紙の幅方向が揃えられ、給紙ローラ102によって最下位の原稿から分離されて給紙され、搬送ベルト103によってコンタクトガラス10上に搬送される。また、給送部107には、原稿幅検知センサ118及び原稿長さ検知センサ119が設けられ、これらによって自動原稿送り装置100から搬送される原稿のサイズ(B5、A4、B4等)を検知することができる。そして、コンタクトガラス10上の原稿は、画像データの読み取りが終了した後に、搬送ベルト103及び排紙ローラ104によって排紙トレイ105上に排出され、一連の動作が終了する。
また、両面コピー時には、原稿は、給紙ローラ102によって給紙され、搬送ベルト103によってコンタクトガラス10上を通過して反転爪106で反転した後、再びコンタクトガラス10上に搬送されて、原稿の裏面が読み取られる。次に、原稿は、搬送ベルト103によって搬送されると共に、反転爪106で反転した後、再びコンタクトガラス10上に搬送されて、原稿の表面が読み取られる。そして、コンタクトガラス10上の原稿は、搬送ベルト103及び排紙ローラ104によって排紙トレイ105上に排出される。
図2に、自動原稿送り装置の構成を示す。自動原稿送り装置100は、左右に設けられたヒンジ81及び82を中心に開閉される構成であり、ヒンジ81の近傍の複写機本体1の上面には爪83が設けられている。爪83は、自動原稿送り装置100を閉じたときに、対向位置の自動原稿送り装置100の下面に形成された孔84に挿通される。孔84に隣接する自動原稿送り装置100の内部には、孔84に挿通された爪83の有無を検出するリフトアップ検知センサ85及び原稿検知タイミングセンサ86が設けられている。リフトアップ検知センサ85は、自動原稿送り装置100が完全に閉じている(リフトダウン)時に爪83を検出してオンになり、自動原稿送り装置100が開いている(リフトアップ)ときにオフとなる。ここで、自動原稿送り装置100が完全に閉じている状態とは、自動原稿送り装置100の下面側の一部が複写機本体1の上面に接触している状態である。
一方、原稿検知タイミングセンサ86は、原稿サイズ検知センサ91〜93(図3参照)の検出結果に基づいて、コンタクトガラス10上の原稿サイズを検知するタイミングを制御するために設けられており、自動原稿送り装置100の開放角度が所定の角度以内になると、爪83を検知してオンになる。この角度は、僅かな角度であり、オペレータが手で自動原稿送り装置100を開くと、リフトアップ検知センサ85及び原稿検知タイミングセンサ86の両方がオフとなるようになっている。なお、図3に示すように、原稿の位置合わせ用の端面スケール87及び88も設けられている。
図3に、コンタクトガラスに対する原稿サイズ検知センサの配置状態を示す。コンタクトガラス10の下方に、原稿サイズ検知センサ91〜93が配置されている。原稿サイズ検知センサ91〜93は、図4に示すように、発光ダイオード91aからの発光を3つのビームに分散させて照射した際の反射光を光学系の内部の3個の受光素子91bで受光する反射型のセンサであり、光学系の内部からコンタクトガラス10を透視し、原稿面からの反射光のみを受光して原稿の有無を検知する。原稿サイズ検知センサ91〜93は、常時動作しており、各受光素子91bは、コンタクトガラス10上の原稿を検出した場合は、オン状態となり、原稿を検出していない場合は、オフ状態となる。原稿サイズ検知センサ91〜93は、コンタクトガラス10上の所定位置に載置される多種類の原稿サイズに対応するように配置されているため、原稿セットの有無を判定することができると共に、各種の原稿サイズを的確に検出することができる。
また、図1に示すように、複写機本体1は、原稿を読み取るスキャナ、画像処理回路、プロッタ等を有する。スキャナは、原稿を載置するためのコンタクトガラス10と、光学走査系を有し、光学走査系は、露光ランプ11、第1ミラー12、第2ミラー13、第3ミラー14、レンズ15及びフルカラーCCD16を備える。露光ランプ11及び第1ミラー12は、第1キャリッジに装備され、第1キャリッジは、原稿を読み取る際に、ステッピングモータによって一定速度で副走査方向に移動する。第2ミラー13及び第3ミラー14は、第2キャリッジに装備され、第2キャリッジは、原稿を読み取る際に、ステッピングモータによって第1キャリッジのほぼ1/2の速度で移動する。そして、第1キャリッジ及び第2キャリッジが移動することによって、原稿の画像面が光学的に走査され、読み取られたデータがレンズ15によってフルカラーCCD16の受光面に結像され、光電変換される。
次に、フルカラーCCD16によって、赤(R)、緑(G)及び青(B)の各色に光電変換された画像データは、画像処理回路でA/D変換された後に画像処理回路604(図7参照)によって各種の画像処理が施される。さらに、複写する際には、書き込みユニット607によって用紙に複写される。書き込みユニット607は、レーザ出力ユニット20、fθレンズ21及びミラー22を備え、レーザ出力ユニット20は、レーザ光源であるレーザダイオード(LD)、ポリゴンミラー及びポリゴンモータを有する。レーザ出力ユニット20からは、複写時にスキャナで読み取られた画像に応じて変調された黒信号のレーザ光が出射され、感光体30上に潜像が形成される。感光体30の周囲には、黒現像器32、赤信号の画像を書き込むためのLED書き込みユニット31、赤現像器33、転写器及び分離器(不図示)が配置され、感光体30上に形成されたトナー像が転写器により用紙に転写される。用紙は、複写機本体1内の両面ユニット40、第1トレイ50、給紙ユニット300内の第2トレイ310、第3トレイ320及び第4トレイ330のいずれかから選択され、フィードローラ42及び分離コロ49、第1給紙装置51、第2給紙装置311、第3給紙装置321又は第4給紙装置331によって給紙される。なお、図5に示すように、第1トレイ50から第4トレイ330までにセットされている用紙の用紙サイズ及びセット方向は、サイズレバー400の位置調整と、複数連のプッシュスイッチ401のオン・オフの組み合わせにより検知することができる。
また、両面ユニット40及び第1トレイ50から給紙された用紙は、縦搬送ユニット60によって上方に向けて搬送され、第2給紙装置311、第3給紙装置321又は第4給紙装置331によって給紙された用紙は、バンク縦搬送ユニット340及び縦搬送ユニット60を経由して搬送される。そして、この用紙は、その先端がレジストセンサ52によって検出された後、所定時間が経過すると、レジストローラ53に突き当てられて一端停止する。さらに、用紙は、副走査有効期間信号(FGATE)に同期してレジストローラ53の回転により搬送され、感光体30上のトナー像が転写される。次に、用紙は、感光体30から分離器(不図示)により分離された後に、搬送装置54によって定着装置55まで搬送され、定着装置55によりトナー像が定着される。定着後の用紙は、片面印刷時と、両面印刷時の両面印刷後に、切り換え爪57及び排紙ローラ56によって排紙トレイ200上に排出される。
一方、両面印刷時の表面印刷後の用紙は、切り換え爪57によって両面搬送路41に導かれ、フィードローラ42及び分離コロ49で反転されて両面ユニット40上に集積(ストック)される。両面ユニット40内の用紙は、トレイが上昇してフィードローラ42に突き当たり、フィードローラ42が回転することによって縦搬送ユニット60に送られて裏面に画像が形成される。また、図6に示すように、操作部コントローラ500は、操作部の液晶ディスプレイの画面表示の制御、各種LEDの点灯表示の制御及び各種キー入力の制御を行い、システムコントローラ501(SCU)は、給紙、搬送、定着、両面印刷、プロセス制御等を行い、画像処理コントローラ502、ADFコントローラ503、給紙トレイコントローラ504、FAXコントローラ505、プリンタコントローラ506(PCU)、各種負荷及び各種センサの入出力信号経路が接続されている。画像処理コントローラ502は、画像の制御及びスキャナの読み取りの制御を行い、ADFコントローラ503は、自動原稿送り装置100の全体的な制御を行う。また、給紙トレイコントローラ504は、給紙トレイに対する制御を行い、FAXコントローラ505は、プリンタデータ受信の管理及びファイル管理を行う。
以下、図1及び図7を参照して、本発明の画像形成装置の動作を説明する。まず、コンタクトガラス10上の原稿600に露光ランプ11が照射され、反射光が画像データとして、フルカラーCCD16によって読み取られる。次に、フルカラーCCD16により赤(R)、緑(G)及び青(B)の各色に分離されたアナログ画像信号が信号処理回路601で増幅されて光量補正が行われる。さらに、アナログ画像信号は、A/D変換器602によりデジタル画像信号に変換され、シェーディング補正回路603によりシェーディング補正が行われ、画像処理回路604に送出される。画像処理回路604では、画像データに対してMTF補正、γ補正、黒画像生成、カラー画像生成、2値処理、多値処理等の画質処理が施され、黒データとカラーデータがセレクタ605に出力される。セレクタ605では、画像信号を変倍部606又は画像メモリコントローラ608に送出する切り換えが行われる。変倍部606では、画像信号を変倍率に合わせて拡大縮小して、書き込みユニット607に送出する。一方、セレクタ605と画像メモリコントローラ608の間は、双方向で画像信号を入出力することが可能な構成となっており、画像メモリコントローラ608への設定や、読み取り部及び書き込み部の制御を行うCPU609、そのプログラムやデータを格納するROM610及びワーキング用のRAM611を備える。CPU609は、画像メモリコントローラ608を介して画像メモリ612のデータの書き込み及び読み出しを行う。
画像メモリコントローラ608では、入力された原稿の画像データが内部の画像圧縮装置等によって圧縮された後に画像メモリ612に送出される。画像データを圧縮することによって、メモリ容量の限られた画像メモリ612を有効に利用することができる。また、一度に多くの原稿画像データを記憶することが可能になるため、格納された原稿画像データのイメージをページ順序で出力することができる。この場合、画像を出力する際に、画像メモリ612のデータを画像メモリコントローラ608内の伸長装置により順次伸長処理を行いながら出力する。他方、FAX送信時には、セレクタ605によって黒データがFAX用イメージメモリ613に転送される。また、FAX受信時には、回線からの受信データが復調及び伸長された後にFAX用イメージメモリ613により展開され、変倍部606を介してセレクタ605によって書き込みユニット607に出力される。また、前述したように、プリンタデータの受信時には、画像データがプリンタ用イメージメモリ614により展開された後に、セレクタ605により書き込みユニット607に送出される。
図8に示すように、定着装置55は、加熱ローラ700と、加熱ローラ700に圧接する加圧ローラ701を有し、加熱ローラ700は、表面にPFA、PTFE等の耐熱離型層が形成されており、内部に加熱用の定着ヒータ702(熱源)が設けられている。定着ヒータ702としては、ハロゲンヒータ、赤外線ヒータ(ニクロム線)等が用いられる。また、加熱ローラ700及び加圧ローラ701の表面部には、それぞれ温度センサ703及び704が設けられている。このとき、温度センサ703及び704からの温度検知信号に基づいて、加熱ローラ700及び加圧ローラ701の温度が一定値となるように定着ヒータ702が制御される。さらに、用紙Pに供給する熱量を制御するために、加熱ローラ700と加圧ローラ701のニップ幅を変更する加圧機構が制御されている。すなわち、加熱ローラ701は、駆動機構(不図示)によって回転駆動され、加圧ローラ701と連動して用紙Pを搬送しながら、用紙Pに熱及び圧力を加えて定着処理を行う。加圧ローラ701は、表面にシリコン等の耐熱ゴム層が形成されている。定着装置55の内部の温度(雰囲気温度)は、温度検出手段722により検出することができる。
また、加圧ローラ701は、軸の両端部が回転自在に支持されると共に、付勢手段(不図示)によって加熱ローラ700と離間する方向に常時付勢されている。その一方で、加圧ローラ701は、軸の下方から加圧機構によって片持ちされ、加熱ローラ700の下部側に押し付けられている。加圧機構は、ステッピングモータ710を有し、ステッピングモータ710がA方向に正回転した場合に、その駆動力が同軸上に設けられたギヤ711からアイドラギヤ712を介してギヤ713に伝達される。ここで、ギヤ713には、先端が送りネジとなっている軸714が連結されており、アンカー715をC方向に引き寄せることができる。アンカー715には、スプリング716の端部が取り付けられ、他端がリンク717に取り付けられている。したがって、アンカー715の水平移動に伴って、リンク717は、支点718を中心に回動する。そして、リンク717の一端には、略三角状のレバー719が嵌合しており、レバー719が支点720を中心に回動するため、加圧ローラ701が上方に向けて押し上げられる。これにより、加熱ローラ700に対する加圧力が付与される。
一方、ステッピングモータ710がB方向に逆回転した場合には、アンカー715は、D方向に押し戻されるため、レバー719が支点720を中心に下方に回動して、加圧ローラ701を引き下げ、加圧力が解除される。また、アンカー715の下方には、ホームポジション検知部721が設けられている。ホームポジション検知部721は、アンカー715の下部に形成されている検知片によりオン・オフされるため、アンカー715の移動量を調整することによって指示された圧力を加圧ローラ701に付与することができる。このような加圧機構は、加圧ローラ701の両側に設けられている。以上のように構成された定着装置55は、電源(メインスイッチ)を投入すると、定着ヒータ702が発熱して加熱ローラ700における加熱を開始し、温度センサ703及び704により、それぞれ加熱ローラ700及び加圧ローラ701の表面温度の検出が開始される。そして、加熱ローラ700と加圧ローラ701の表面温度が用紙Pの未定着画像を定着できる温度(定着温度)に達すると、ウォームアップが終了し、コピーが可能となる。
以下、図1及び図9を参照して、本発明の実施形態について説明する。ここで、本発明の実施形態の特徴は、用紙のサイズ、紙種、連続通紙枚数に応じて加圧力を切り換えて定着温度を変更する定着温度制御を行うことにある。このため、定着温度を変更する前に第1トレイ50から第4トレイ330までにセットされている用紙の用紙サイズがサイズレバー400及びプッシュスイッチ401(図5参照)により検知されると共に、用紙の紙種(普通紙、トレーシングペーパー、フィルム)が操作部から予め入力される。例えば、ウォームアップ前にプレスキャンを行って画像出力情報を入力し、入力された画像出力情報に基づいて、所定の定着条件で定着温度制御を開始する。また、プリンタ、FAX等では、同様にウォームアップ前に画像出力信号を受信し、受信した画像出力情報が入力情報として、画像出力装置のCPUに入力される。このように入力された出力情報に基づいて、所定の定着条件で定着温度制御が開始される。
図9に、本発明の定着温度制御の処理手順の実施形態を示す。ここで、このフローチャートは、画像形成装置の電源がOFFの時の定着温度制御であり、低電力モード又はスリープモードから復帰する時の定着温度制御は、定着ヒータ702をONにする(S2)ことからスタートする定着温度制御となる。まず、電源をONとする(S1)ことにより、定着ヒータ702(図8参照)がONとなり(S2)、加熱ローラ700の温度が上昇し、定着装置55の立ち上げが行われる(ウォームアップ)。次に、操作部から画像出力条件(用紙サイズ、通紙枚数、紙種)が入力されているか否かの判別が行われる(S3)。ここで、画像出力条件が入力されている場合(Y)には、画像出力条件がチェックされる(S4)。さらに、定着温度テーブル[℃](表1参照)及び定着ニップ幅テーブル[mm](表2参照)に基づいて、定着温度及び定着ニップ幅が決定され(S5)、加圧ローラ701による加圧力が変更される(S6)。また、画像出力条件が入力されていない場合(N)には、定着温度及び定着ニップ幅が予め設定されている標準のデフォルト値(170℃及び5.5mm)に設定され(S12)、加圧ローラ701による加圧力が変更される(S13)。
Figure 0005233179
なお、表1では、用紙サイズをI(A3Y、A2サイズ以上)及びII(B4Y、A3Tサイズ以下)に区分し、用紙の紙種を普通紙、フィルム及びトレーシングペーパーとし、連続通紙枚数を1枚目から10枚目、11枚目から30枚目及び31枚目以上の3段階に設定している。例えば、普通紙Iを31枚以上連続通紙する場合には、1枚目から10枚目の定着温度が140℃、11枚目から30枚目の定着温度が150℃、31枚目以上の定着温度が160℃となる。
Figure 0005233179
なお、表2では、表1と同様に用紙サイズをI及びIIに区分し、用紙の紙種を普通紙、フィルム及びトレーシングペーパーとし、連続通紙枚数を1枚目から10枚目、11枚目から30枚目及び31枚目以上の3段階に設定している。例えば、普通紙Iを31枚以上連続通紙する場合には、1枚目から10枚目の定着ニップ幅が5.5mm、11枚目から30枚目の定着ニップ幅が5.0mm、31枚目以上の定着ニップ幅が4.5mmとなる。
そして、画像出力条件が入力されている場合(Y)には、温度センサ703(図8参照)により加熱ローラ700の温度を検出し(S7)、定着温度に達しているか否かの判別が行われる(S8)。ここで、定着温度に達している場合(Y)には、ウォームアップが完了し(S9)、画像出力(複写操作)が開始される(S10)。次に、画像出力が終了した後は、予め設定されている待機時の定着温度制御に基づいて温度制御が実行される(S11)。さらに、一定の時間が経過した後には、低電力モードや定着ヒータのOFFモードであるスリープモードに移行する。また、定着温度に達していない場合(N)には、S7に戻る。
一方、画像出力条件が入力されていない場合(N)には、同様に温度センサ703により加熱ローラ700の温度を検出し(S14)、定着温度に達しているか否かの判別が行われる(S15)。ここで、定着温度に達している場合(Y)には、ウォームアップが完了し(S16)、予め設定されている待機時の定着温度制御に基づいて温度制御が実行される(S17)。また、定着温度に達していない場合(N)には、S14に戻る。
ここで、図10に、連続通紙枚数と消費電力量の関係を示す。具体的には、消費電力量は、ウォームアップ時に消費する電力量と、用紙に供給する電力量と、加熱ローラを設定温度で維持するための電力量の総和であり、通紙枚数に対して、どのように変化するかを示す。また、従来例Iは、定着温度が連続通紙枚数に応じて変化しない場合、従来例IIは、定着温度が連続通紙枚数に応じて3段階に変化する場合である。なお、従来例Iでは、連続通紙(例えば、99枚)を継続しても問題が生じない程度まで定着温度を高く設定しており、従来例IIでは、その改良として、連続通紙枚数に応じて定着温度を低下させることにより省エネ化が図られている。図10から明らかなように、従来例Iと従来例IIを比較すると、従来例IIは、設定される定着温度が低い分、連続通紙30枚まで消費電力を少なくすることができることがわかる。さらに、本発明の実施形態では、定着ニップ幅を変化させることにより、定着温度をさらに低く設定することが可能となり、必要最小限の熱量を用紙に供給することができ、連続通紙枚数が増加しても消費電力量を低減することができる。
また、図11に、定着温度と用紙に供給される熱量の関係を示す。図11に示すように、定着ニップ幅が固定されている場合、定着温度がT〜Tに変化すると、用紙に供給される熱量は、Q〜Qに変化する。ここで、Qは、定着性を保障する必要最低限の熱量であるため、例えば、定着温度がTに設定されている場合には、過剰な熱量Qが用紙に供給される。そこで、本発明の実施形態では、定着ニップ幅を変化させることにより、用紙に供給される熱量が常時Q1となるように定着ニップ幅が選定されている。これによって、定着温度がT〜Tの範囲で良好に定着され、その結果、定着温度を低下させることが可能となり、消費電力量の低下により省エネ化を図ることができる。なお、用紙に供給される熱量Qは、式
Figure 0005233179
により計算することができる。なお、kは、加熱ローラとトナーの熱取得度による係数である。
図12に、待機時の定着温度制御の処理手順の実施形態を示す。ここで、従来、低電力モード時の加熱ローラの温度は、一定の温度であり、且つ加熱ローラの温度は、低電力モードから復帰した後の定着性が満足するように設定されていた。なお、操作部から、加熱ローラの温度を変更することは可能であったが、機械が自動的に設定値の変更を行うことはない。また、低電力モードに移行する前の定着装置は、定着装置が室温から立ち上がったまま、画像出力がされない状態、即ち、加圧ローラの温度が低い状態で低電力モードに移行される場合や、多量に画像出力がされて、加圧ローラの温度がかなり高い状態で低電力モードに移行される場合がある。そこで、加圧ローラの温度が低い状態から低電力モードに移行しても、低電力モードから復帰後の定着性が満足できるように、低電力モード時の加熱ローラの温度が決定されていた。しかしながら、加圧ローラの温度が高い状態から低電力モードに移行した場合には、加圧ローラの温度の設定値には余裕が有り、省エネ化が不十分である。そこで、本実施形態においては、加圧ローラの温度を検出し、その温度に応じて低電力モード時の加熱ローラの温度を変更し、加圧ローラの温度が高い状態では、低電力モード時の加熱ローラの温度を低くする。以下、詳細を説明する。
まず、タイマーで画像出力条件が入力されていない時間Sをカウントし(S1)、Sが15分以上になっているか否かの判別が行われる(S2)。ここで、Sが15分以上になっている場合には、低電力モードに移行する(S3)。また、Sが15分以上になっていない場合には、S1に戻る。なお、この時間は、操作部から設定値を変更することができる。低電力モードに移行する際には、加熱ローラ700の温度を低い温度に設定し直すと共に、操作部の表示の消灯、機械に設けているファンの停止等が行われる。このとき、加圧ローラ701の温度Tを検出し(S4)、表3に示す低電力モード時の定着温度θの決定を行う(S5)。
Figure 0005233179
次に、定着ヒータ702をON/OFF制御し、加熱ローラ700の温度をθに制御する(S6)。さらに、操作部から画像出力条件(用紙サイズ、通紙枚数、紙種)が入力されているか否かの判別が行われる(S7)。ここで、画像入力条件が入力されている場合(Y)には、低電力モードが解除される。また、画像出力条件が入力されていない場合(N)には、S4に戻る。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明について具体的に説明するが、本発明は、実施例に限定されるものではない。なお、部は、重量部を意味する。
[線状ポリエステル樹脂L1の合成]
ビスフェノールAのプロピレンオキシド2.0モル付加物1040g(3.0mol)と、テレフタル酸291g(1.5mol)と、ドデセニルコハク酸93g(1.5mol)と、オクチル酸スズ10gを窒素雰囲気下、5℃/分の昇温速度で230℃まで加温した後、10〜20mmHgの減圧下で5時間反応させた。次に、室温まで冷却した後、粉砕し、線状ポリエステル樹脂L1を合成した。線状ポリエステル樹脂L1は、重量平均分子量が5500であった。
[線状ポリエステル樹脂L2の合成]
ビスフェノールAのエチレンオキシド2.2モル付加物700g(2.0mol)と、ビスフェノールAのプロピレンオキシド2.0モル付加物520g(1.0mol)と、フマル酸35g(0.3mol)と、テレフタル酸522g(2.7mol)と、ジオクタン酸スズ(II)5gを窒素雰囲気下、190℃で攪拌しながら、2時間反応させた。次に、ジオクタン酸スズ(II)8gを追加投入し、5℃/分の昇温速度で230℃まで加温した後、1〜10mmHgの減圧下で8時間反応させた。さらに、室温まで冷却した後、粉砕し、線状ポリエステル樹脂L2を合成した。線状ポリエステル樹脂L2は、重量平均分子量が850000であった。
[非線状ポリエステル樹脂H1の合成]
ビスフェノールAのエチレンオキシド2.2モル付加物945g(2.7mol)と、ビスフェノールAのプロピレンオキシド2.0モル付加物175g(0.3mol)と、無水トリメリット酸480g(2.5mol)と、コハク酸60g(0.5mol)と、オクチル酸スズ(II)3gを窒素雰囲気下、190℃で攪拌しながら、3時間反応させた。次に、オクチル酸スズ(II)4gを追加投入し、5℃/分の昇温速度で230℃まで加温した後、1〜10mmHgの減圧下で7時間反応させた。さらに、室温まで冷却した後、粉砕し、非線状ポリエステル樹脂H1を合成した。非線状ポリエステル樹脂H1は、架橋成分の含有量が30重量%であった。
[結晶性ポリエステル樹脂C1の合成]
1,4−ブタンジオール1150g、エチレングリコール120g、マロン酸1100g、フタル酸350g、オクチル酸スズ10.5g及びハイドロキノン1.5gを、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5Lの四つ口フラスコに入れ、160℃で5時間反応させた。次に、200℃に昇温して1時間反応させた後、1〜10mmHgの減圧下で2時間反応させ、結晶性ポリエステル樹脂C1を合成した。
[スチレンアクリル系樹脂SA1の合成]
反応容器中に、クメン500部を入れ、反応容器中を窒素ガス置換し、150℃に加温した。次に、スチレン175部と、アクリル酸t−ブチル50部と、アクリル酸n−ブチル25部と、過酸化ベンゾイル5部を混合した溶液を3時間かけて反応容器に滴下し、150℃で3時間重合した。さらに、クメンを除去し、室温まで冷却した後、粉砕し、スチレンアクリル系樹脂SA1を合成した。
[ハイブリッド樹脂HB1の合成]
フタル酸25molと、無水トリメリット酸5molと、ビスフェノールA(2,2)プロピレンオキシド5molと、ビスフェノールA(2,2)エチレンオキシド25molと、オクチル酸スズ(II)0.05molをステンレス攪拌棒、流下式コンデンサー、窒素ガス導入管及び温度計を装備したフラスコに入れた。次に、窒素雰囲気下、135℃で攪拌しながら、滴下ロートからスチレン30molと、メタクリル酸ブチル10molと、t−ブチルハイドロパーオキシド0.9molを予め混合したものを5時間かけて滴下した。滴下終了後、130℃で6時間熟成した後、220℃に昇温して5時間反応させ、ハイブリッド樹脂HB1を合成した。ハイブリッド樹脂HB1は、スチレンアクリル系樹脂の含有量が23重量%であった。
[実施例1]
20部の線状ポリエステル樹脂L1と、38部の非線状ポリエステル樹脂H1と、12部の結晶性ポリエステル樹脂C1と、30部のハイブリッド樹脂HB1と、サリチル酸亜鉛(III)錯体E−84(オリエント化学工業社製)2部と、直鎖エステルワックスWEP−3(日本油脂社製)8部と、カーボンブラックC44(三菱化学社製)10部を、へンシェルミキサーFM10B(三井三池化工機社製)を用いて予備混合した。次に、二軸混練機PCM−30(池貝社製)を用いて、混練フィードを10kg/時として、120℃で溶融混練した。さらに、超音速ジェット粉砕機ラボジェット(日本ニューマチック工業社製)を用いて微粉砕した後、気流分級機MDS−I(日本ニューマチック工業社製)を用いて分級し、母体粒子を得た。
次に、母体粒子100部と、コロイダルシリカH−2000(ワッカー社製)4.0部を、サンプルミルを用いて混合した後、350メッシュで篩い、表4に示す特性を有するトナーを得た。
さらに、トナーと、平均粒径が50μmのシリコーンコートキャリアを、トナーの含有量が5重量%となるように混合し、現像剤を得た。
[実施例2]
コロイダルシリカH−2000(ワッカー社製)4.0部の代わりに、コロイダルシリカH−1303VP(ワッカー社製)2.8部を用いた以外は、実施例1と同様にして現像剤を得た。
[実施例3]
コロイダルシリカH−2000(ワッカー社製)4.0部の代わりに、コロイダルシリカR−972(クライアントジャパン社製)5.0部を用いた以外は、実施例1と同様にして現像剤を得た。
[実施例4]
コロイダルシリカH−2000(ワッカー社製)4.0部の代わりに、コロイダルシリカH−2000(ワッカー社製)1.0部を用いた以外は、実施例1と同様にして現像剤を得た。
[実施例5]
87.5部の線状ポリエステル樹脂L2と、10部の結晶性ポリエステル樹脂C1と、2.5部のスチレンアクリル系樹脂SA1と、サリチル酸鉄(II)錯体X−11(オリエント化学工業社製)5部と、直鎖エステルワックスWEP−1(日本油脂社製)5部と、カーボンブラックC44(三菱化学社製)10部と、マグネタイト微粒子EPT−1000(戸田工業社製)1部を、へンシェルミキサーFM10B(三井三池化工機社製)を用いて予備混合した。次に、二軸混練機PCM−30(池貝社製)を用いて、混練フィードを15kg/時として、160℃で溶融混練した。さらに、超音速ジェット粉砕機ラボジェット(日本ニューマチック工業社製)を用いて微粉砕した後、気流分級機MDS−I(日本ニューマチック工業社製)を用いて分級し、母体粒子を得た。
次に、母体粒子100部と、コロイダルシリカH−30(クラリアント社製)2.0部を、サンプルミルを用いて混合した後、350メッシュで篩い、表4に示す特性を有するトナーを得た。
さらに、トナーと、平均粒径が50μmのシリコーンコートキャリアを、トナーの含有量が5重量%となるように混合し、現像剤を得た。
[実施例6]
70部の非線状ポリエステル樹脂H1と、30部の結晶性ポリエステル樹脂C1と、含クロム系アゾ錯体PB−34(オリエント化学工業社製)3部と、直鎖エステルワックスWEP−1(日本油脂社製)5部と、カーボンブラックC44(三菱化学社製)10部を、へンシェルミキサーFM10B(三井三池化工機社製)を用いて予備混合した。次に、二軸混練機PCM−30(池貝社製)を用いて、混練フィードを10kg/時として、90℃で溶融混練した。さらに、超音速ジェット粉砕機ラボジェット(日本ニューマチック工業社製)を用いて微粉砕した後、気流分級機MDS−I(日本ニューマチック工業社製)を用いて分級し、母体粒子を得た。
次に、母体粒子100部と、コロイダルシリカH−30(クラリアント社製)1.2部を、サンプルミルを用いて混合した後、350メッシュで篩い、表4に示す特性を有するトナーを得た。
さらに、トナーと、平均粒径が50μmのシリコーンコートキャリアを、トナーの含有量が5重量%となるように混合し、現像剤を得た。
参考例7]
50部の非線状ポリエステル樹脂H1と、40部線状ポリエステル樹脂L1と、10部のハイブリッド樹脂HB1と、含クロム系アゾ錯体PB−34(オリエント化学工業社製)5部と、直鎖エステルワックスWEP−1(日本油脂社製)5部と、カーボンブラックC44(三菱化学社製)10部を、へンシェルミキサーFM10B(三井三池化工機社製)を用いて予備混合した。次に、二軸混練機PCM−30(池貝社製)を用いて、混練フィードを10kg/時として、130℃で溶融混練した。さらに、超音速ジェット粉砕機ラボジェット(日本ニューマチック工業社製)を用いて微粉砕した後、気流分級機MDS−I(日本ニューマチック工業社製)を用いて分級し、母体粒子を得た。
次に、母体粒子100部と、コロイダルシリカH−2000(クラリアント社製)0.5部を、サンプルミルを用いて混合した後、350メッシュで篩い、表4に示す特性を有するトナーを得た。
さらに、トナーと、平均粒径が50μmのシリコーンコートキャリアを、トナーの含有量が5重量%となるように混合し、現像剤を得た。
Figure 0005233179
[線状ポリエステル樹脂Iの合成]
ビスフェノールAのエチレンオキシド2.0モル付加物651g(2.0mol)と、シクロヘキサンジメタノール144g(2.0mol)と、シクロヘキサンジカルボン酸800g(4.0mol)と、ジブチルスズ10gを窒素雰囲気下、5℃/分の昇温速度で230℃まで加温した後、10〜20mmHgの減圧下で5時間反応させた。次に、室温まで冷却した後、粉砕し、線状ポリエステル樹脂Iを合成した。線状ポリエステル樹脂Iは、重量平均分子量が4200であった。
[結晶性ポリエステル樹脂IIの合成]
エチレングリコール120g(2.0mol)と、コハク酸118g(1.0mol)と、アジピン酸146g(1.0mol)と、チタンテトラブトキシド15g及びハイドロキノン1.5gを、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した5Lの四つ口フラスコに入れ、160℃で5時間反応させた。次に、200℃に昇温して1時間反応させた後、1〜10mmHgの減圧下で2時間反応させ、結晶性ポリエステル樹脂IIを合成した。
[非線状ポリエステル樹脂IIIの合成]
ビスフェノールAのエチレンオキシド2.2モル付加物975g(3mol)と、無水トリメリット酸192g(1mol)と、無水マレイン酸196g(2mol)と、テレフタル酸チタン20gを窒素雰囲気下、5℃/分の昇温速度で230℃まで加温した後、1〜10mmHgの減圧下で7時間反応させた。次に、室温まで冷却した後、粉砕し、非線状ポリエステル樹脂IIIを合成した。非線状ポリエステル樹脂IIIは、架橋成分の含有量が25重量%であった。
[比較例1]
50部の線状ポリエステル樹脂Iと、50部の非線状ポリエステル樹脂IIIと、含クロム系アゾ錯体PB−34(オリエント化学工業社製)5部と、直鎖エステルワックスWEP−1(日本油脂社製)5部と、カーボンブラックC44(三菱化学社製)10部を、へンシェルミキサーFM10B(三井三池化工機社製)を用いて予備混合した後、二軸混練機PCM−30(池貝社製)を用いて、混練フィードを10kg/時として、130℃で溶融混練した。次に、超音速ジェット粉砕機ラボジェット(日本ニューマチック工業社製)を用いて微粉砕した後、気流分級機MDS−I(日本ニューマチック工業社製)を用いて分級し、母体粒子を得た。
次に、母体粒子100部と、コロイダルシリカH−2000(クラリアント社製)2.5部を、サンプルミルを用いて混合した後、350メッシュで篩い、表5に示す特性を有するトナーを得た。
さらに、トナーと、平均粒径が50μmのシリコーンコートキャリアを、トナーの含有量が5重量%となるように混合し、現像剤を得た。
[比較例2]
20部の線状ポリエステル樹脂Iと、50部の非線状ポリエステル樹脂IIIと、20部の結晶性ポリエステル樹脂IIと、10部のスチレンアクリル系樹脂SA1と、サリチル酸鉄(II)錯体X−11(オリエント化学工業社製)3部と、直鎖エステルワックスWEP−3(日本油脂社製)5部と、カーボンブラックC44(三菱化学社製)10部を、へンシェルミキサーFM10B(三井三池化工機社製)を用いて予備混合した後、二軸混練機PCM−30(池貝社製)を用いて、混練フィードを10kg/時として、90℃で溶融混練した。次に、超音速ジェット粉砕機ラボジェット(日本ニューマチック工業社製)を用いて微粉砕した後、気流分級機MDS−I(日本ニューマチック工業社製)を用いて分級し、母体粒子を得た。
次に、母体粒子100部と、コロイダルシリカH−2000(クラリアント社製)2.5部を、サンプルミルを用いて混合した後、350メッシュで篩い、表5に示す特性を有するトナーを得た。
さらに、トナーと、平均粒径が50μmのシリコーンコートキャリアを、トナーの含有量が5重量%となるように混合し、現像剤を得た。
Figure 0005233179
[評価方法及び評価結果]
Imagio neo400W(リコー社製)に、図8に示す定着装置を装備したものに現像剤を投入し、図9に示す定着温度制御の処理手順に従って、以下の評価を行った。評価結果は、表4及び表5に示されているが、比較例1においては、条件1のホットオフセットにおいて、評価の翌日に冷えて固まったトナーの塊が定着紙に落下した。このとき、必要に応じて、図13に示すオイル塗布ローラ723が接離可能に設けられている定着装置を用いた。オイル塗布ローラ723は、金属製の芯金の表面に耐熱性フェルトを巻き付けて構成したローラであり、表面のフェルトにオフセット防止用の潤滑剤であるシリコンオイルが含浸されている。オイル塗布ローラ723は、回転軸との間に設けられた一方向クラッチによって加熱ローラ700が回転する際には追随しない状態に維持されるようになっている。このため、加熱ローラ700と当接した際には回転しない状態に維持されるので、加熱ローラ700の表面に付着しているトナーや紙粉を回収する掻き取り部材、いわゆる、クリーニング部材として機能する。
なお、以下の評価は、常温常湿環境(25℃、60%RH)で100000枚プリントした後に行った。
かぶりは、目視で評価し、かぶりが無いものをA、かぶりが僅かに発生するが、実用上問題が無いものをB、かぶりが発生し、実用上問題があるものをCとして、判定した。
シャープネスは、約2mm角の「電」の文字を約30倍に拡大し、図14に示す評価基準に従って判定した。なお、ランク2及び4は、それぞれランク1と3及びランク3と5の中間とする。
画像濃度は、直径が3cmの黒ベタ円の濃度を、マクベス濃度計を用いて10点測定し、平均値を求めた。なお、この値が1.20以上であれば、実用上問題が無い。
定着率とホットオフセット性については、操作パネルにより、用紙としてトレーシングペーパーを選択し、直径が3cm、画像濃度が1.35〜1.40の黒ベタ円を形成する場合(条件1)と、操作パネルにより、用紙として普通紙を選択する以外は、条件1と同様に画像を形成する場合(条件2)で評価した。なお、定着率は、定着後の画像にメンデイングテープ(3M社製)を貼り、一定の圧力(2kg)を加えた後、ゆっくり引き剥がし、その前後の画像濃度をマクベス濃度計により測定することにより評価した。なお、定着率は、式
定着率[%]=テープで引き剥がした後の画像濃度/元の画像濃度×100
から算出される。このとき、同時に、加熱ローラ一周のサイクルでホットオフセットが発生しているかどうかを目視で評価した。
本発明の画像形成装置の一例を示す図である。 自動原稿送り装置の構成を示す斜視図である。 コンタクトガラスに対する原稿サイズ検知センサの配置状態を示す斜視図である。 原稿サイズ検知センサの構成を示す斜視図である。 各トレイの構成を示す斜視図である。 デジタル複写機の制御系を示すブロック図である。 デジタル複写機における画像処理回路の構成を示す全体ブロック図である。 定着装置の構成を示す斜視図である。 本発明の定着温度制御の処理手順の実施形態を示すフローチャートである。 連続通紙枚数と消費電力量の関係を示す図である。 定着温度と用紙に供給される熱量の関係を示す図である。 待機時の定着温度制御の処理手順の実施形態を示すフローチャートである。 実施例で用いた定着装置の構成を示す斜視図である。 シャープネスの評価基準を示す図である。
符号の説明
700 加熱ローラ
701 加圧ローラ
P 用紙

Claims (7)

  1. 記録媒体上に形成された未定着画像に当接すると共に、加熱することが可能な加熱ローラと、該加熱ローラに圧接することが可能な加圧ローラで、該記録媒体を挟持して該未定着画像を定着させる画像定着方法であって、
    該記録媒体の種類に応じて、該記録媒体を挟持する圧力を制御し、
    該未定着画像は、トナーを用いて形成されており、
    該トナーは、脂肪酸スズ(II)を触媒として含有する非結晶性ポリエステル樹脂と、脂肪酸スズ(II)を触媒として含有する結晶性ポリエステル樹脂を含有し、測定温度130℃、測定周波数1Hz以上10Hz以下における貯蔵弾性率に対する損失弾性率の比が1.1以上2.0以下であり、測定温度130℃、測定周波数1Hzにおける貯蔵弾性率に対する損失弾性率の比に対する測定温度130℃、周波数10Hzにおける貯蔵弾性率に対する損失弾性率の比の比が1.0以上1.8以下であり、
    該脂肪酸スズ(II)は、一般式
    (RCOO)Sn
    (式中、Rは、炭素数が5以上19以下のアルキル基又はアルケニル基である。)
    で表される化合物であり、
    該結晶性ポリエステル樹脂は、一般式
    Figure 0005233179
    (式中、Rは、炭素数が2以上20以下の直鎖状の不飽和脂肪族炭化水素の2価基であり、nは、2以上20以下の整数である。)
    で表される構造を有することを特徴とする画像定着方法。
  2. 前記トナーは、スチレンアクリル系樹脂をさらに含有し、
    前記結晶性ポリエステル樹脂に対する該スチレンアクリル系樹脂の重量比が0.25以上1以下であることを特徴とする請求項1に記載の画像定着方法。
  3. 前記トナーは、ハイブリッド樹脂をさらに含有し、
    該ハイブリッド樹脂は、スチレンアクリル系樹脂とポリエステル樹脂を有することを特徴とする請求項1に記載の画像定着方法。
  4. 前記トナーは、測定温度130℃、周波数1Hz以上10Hz以下における貯蔵弾性率が1×10Pa以上5×10Pa以下であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の画像定着方法。
  5. 前記トナーは、重量平均粒径が3.0μm以上8.0μm以下であり、個数平均粒径に対する重量平均粒径の比が1.20以上1.40以下であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の画像定着方法。
  6. 記録媒体上にトナーを用いて画像を形成する工程と、
    請求項1乃至のいずれか一項に記載の画像定着方法を用いて、該画像を定着させる工程を有することを特徴とする画像形成方法。
  7. 記録媒体上にトナーを用いて画像を形成する画像形成手段と、
    請求項1乃至のいずれか一項に記載の画像定着方法を用いて該画像を定着させる画像定着手段を有し、
    該画像定着手段は、該記録媒体の種類に応じて、該記録媒体を挟持する圧力を制御する機構を有することを特徴とする画像形成装置。
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