JP7259613B2 - プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
像担持体と、
前記像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する、前記トナーを備える現像手段と、
前記像担持体上に残留する残留トナーをクリーニングブレードにより除去するクリーニング手段と、
を有するプロセスカートリッジであって、
前記クリーニングブレードは、前記像担持体の表面に当接して前記像担持体上に残留する前記残留トナーを除去する弾性部材を備え、
前記弾性部材は、基材と、前記基材上に設けられた表面層とを有し、
前記表面層は、前記像担持体と当接する前記弾性部材の当接部よりも前記像担持体の進行方向下流側と対向する前記基材の面を基材下面としたとき、前記当接部を含む前記基材下面の少なくとも一部に形成されており、
前記表面層は、ナノインデンターを用いて測定したマルテンス硬度HMが、膜厚方向において表面から前記基材下面に向かって低硬度化する硬度勾配を有し、
前記マルテンス硬度HMは、荷重1μNでの測定値及び荷重1000μNでの測定値が2.5N/mm2以上32.5N/mm2以下であり、
前記当接部における前記表面層の平均膜厚は、10μm以上500μm以下であり、
前記現像手段に備えられた前記トナーにおいて、円形度が0.950未満であり、かつ2μm以下微粉含有率が20個数%以上60個数%以下であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
本発明のプロセスカートリッジは、少なくとも像担持体と現像手段とクリーニング手段とを有し、更に必要に応じて、その他の手段を有する。
本発明の画像形成装置は、少なくとも像担持体と現像手段とクリーニング手段とを有し、更に必要に応じて、その他の手段を有する。
本発明の画像形成方法は、例えば、本発明の前記プロセスカートリッジを用いる。
前記クリーニングブレードは、前記像担持体の表面に当接して被清掃部材である前記像担持体上に残留する前記残留トナー(付着物)を除去する弾性部材を備える。
前記弾性部材は、基材と、前記基材上に設けられた表面層とを有する。
前記表面層は、前記像担持体と当接する前記弾性部材の当接部よりも前記像担持体の進行方向下流側と対向する前記基材の面を基材下面としたとき、前記当接部を含む前記基材下面の少なくとも一部に形成されている。
前記表面層は、ナノインデンターを用いて測定したマルテンス硬度HMが、膜厚方向において表面から前記基材下面に向かって低硬度化する硬度勾配を有する。
前記マルテンス硬度HMは、荷重1μNでの測定値及び荷重1000μNでの測定値が2.5N/mm2以上32.5N/mm2以下である。
前記当接部における前記表面層の平均膜厚は、10μm以上500μm以下である。
前記現像手段に備えられた前記トナーにおいて、円形度が0.950未満であり、かつ2μm以下微粉含有率が20個数%以上60個数%以下である。
上記プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法によれば、長期に渡りクリーニング性を維持すると共に、長期に渡り像担持体へのフィルミングを抑制することができる。これは、経時でクリーニングブレードのニップ幅が広がりピーク圧が下がってもニップ部へのトナーの侵入を抑制してクリーニング性を維持すると共に、外添剤量を少なくしてもクリーニングを成立させることができるため、経時に渡り外添剤の感光体へのフィルミングを抑制することが可能なためと考えられる。
前記クリーニング手段としては、前記像担持体上に残留する残留トナーをクリーニングブレードにより除去する手段である。
従来から、小粒径でかつ球形度に優れる重合トナーを用いる場合、クリーニングブレードと像担持体との間に形成される僅かな隙間をすり抜けが生じるという問題がある。前記すり抜けを抑えるには、像担持体とクリーニングブレードとの当接圧を高めてクリーニング能力を高める必要がある。しかし、前記クリーニングブレードの当接圧を高めると、図9Aに示すように、像担持体123とクリーニングブレード62との摩擦力が高まり、クリーニングブレード62が像担持体123の移動方向に引っ張られて、クリーニングブレード62の先端稜線部62cがめくれてしまう。このめくれたクリーニングブレード62が、そのめくれに抗して原形状態に復元する際に異音が発生することがある。
前記クリーニングブレードは、前記像担持体の表面に当接して被清掃部材である前記像担持体上に残留する前記残留トナー(付着物)を除去する弾性部材を備える。
前記弾性部材は、基材と、前記基材上に設けられた表面層とを有する。
前記表面層は、前記像担持体と当接する前記弾性部材の当接部よりも前記像担持体の進行方向下流側と対向する前記基材の面を基材下面としたとき、前記当接部を含む前記基材下面の少なくとも一部に形成されている。
前記表面層は、ナノインデンターを用いて測定したマルテンス硬度HMが、膜厚方向において表面から前記基材下面に向かって低硬度化する硬度勾配を有する。
前記マルテンス硬度HMは、荷重1μNでの測定値及び荷重1000μNでの測定値が2.5N/mm2以上32.5N/mm2以下である。
前記当接部における前記表面層の平均膜厚は、10μm以上500μm以下である。
ここで、硬度勾配とは、具体的には、本発明における表面層の表面近傍(荷重:1μN)、膜厚方向最深部(荷重:1000μN)、および中間箇所(荷重:50μN)のマルテンス硬度HMを測定することにより把握できる。
また、弾性部材の長手方向の面で、被清掃部材の回転方向下流側と対向する面をブレード下面といい、弾性部材の先端稜線部を含む被清掃部材の回転方向上流側と対向する先端の面をブレード先端面という。
また、弾性部材の被清掃部材の表面に当接する当接部は、弾性部材の先端稜線部を含む。また、先端稜線部がめくれる場合や線圧が高い場合ではブレード先端面の一部も当接部になりうる。
従来、スプレーやディップコーティングで作製していた以前のブレードでは当接部の表面層に厚膜を持たせることは難しく、当接部近傍は10μmの膜があっても当接部は1~3μmに満たなかった。またこのような膜の付き方では当接部が丸くなってしまい、エッジ精度が悪くなっていた。このためにクリーニング性が悪くなっていた可能性がある。
また、図3Bではその他の例が示されている。図3Bの左側の図は図3Aと同様に基材622に硬化性組成物を塗工・硬化させた状態を示すものである。ここでは、図3Aのように基材622の先端面を切断するのではなく、基材622の中央付近で切断している。この場合、クリーニングブレードを2本同時に作製することも可能である。
なお、上記の他にも、型を用いて硬化性組成物を硬化させ直角な当接部を形成する方法などを用いてもよい。
基材622及び表面層623を切断する方法は適宜変更することが可能であり、例えば、垂直スライサー等を用いることができる。
また、切断する方向は適宜変更することが可能であるが、表面層623側から基材622側に切断することが好ましい。この場合、エッジ精度を向上させることができる。
本実施形態では、基材下面に表面層623の厚膜を形成した後、エッジを切断することで当接部の厚膜とエッジ精度の両立が可能になった。
前記被清掃部材としては、その材質、形状、構造、大きさ等について特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記被清掃部材の形状としては、例えば、ドラム状、ベルト状、平板状、シート状、などが挙げられる。前記被清掃部材の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、通常用いられる程度の大きさが好ましい。
前記被清掃部材の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属、プラスチック、セラミック、などが挙げられる。
また、前記被清掃部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記クリーニングブレードを画像形成装置に適用した場合には、例えば、像担持体、などが挙げられる。
前記付着物としては、被清掃部材表面に付着しており、前記クリーニングブレードの除去対象となるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トナー、潤滑剤、無機微粒子、有機微粒子、ゴミ、埃又はこれらの混合物、などが挙げられる。これらの中でも、トナーが好ましく、ガラス転移温度が50℃以下の低温定着性のトナーが特に好ましい。
本実施形態のクリーニングブレードは、支持部材と、該支持部材に一端が連結され、他端に所定長さの自由端部を有する平板状の弾性部材とからなることが好ましい。前記クリーニングブレードは、前記弾性部材の自由端側の一端である先端稜線部を含む当接部が前記被清掃部材表面に長手方向に沿って当接するように配置される。
弾性部材624の基材622としては、その形状、材質、大きさ、構造などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
形状としては、例えば、平板状、短冊状、シート状、などが挙げられる。
大きさとしては、特に制限はなく、前記被清掃部材の大きさに応じて適宜選択することができる。
材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、高弾性が得られやすい点から、ポリウレタンゴム、ポリウレタンエラストマーなどが好適である。
前記高分子量ポリオールとしては、例えば、アルキレングリコールと脂肪族二塩基酸との縮合体であるポリエステルポリオール;エチレンアジペートエステルポリオール、ブチレンアジペートエステルポリオール、ヘキシレンアジペートエステルポリオール、エチレンプロピレンアジペートエステルポリオール、エチレンブチレンアジペートエステルポリオール、エチレンネオペンチレンアジペートエステルポリオール等のアルキレングリコールとアジピン酸とのポリエステルポリオール等のポリエステル系ポリオール;カプロラクトンを開環重合して得られるポリカプロラクトンエステルポリオール等のポリカプロラクトン系ポリオール;ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール等のポリエーテル系ポリオール、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記硬化触媒の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量%以上0.5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上0.3質量%以下がより好ましい。
測定する方法としては、図10に示すように、基材622のブレード先端面62aから基材622の奥行方向(基材622の長手方向に対し直交する方向)に向かって2mm、かつ長手方向に向かって10mmの矩形に基材622を切り出し、図11Aの基材の斜視図および図11Bの基材の正面図に示すように、切り出した基材をブレード先端面62aが上を向くようにスライドガラス上に接着剤や両面テープで固定し、先端稜線部62cから奥行方向に100μmの位置を測定位置として、マルテンス硬度(HM)を測定することができる。一方、図11Cに示すように基材下面に表面層が形成された状態であっても、同様にマルテンス硬度(HM)を測定することができる。これとは別に、表面層を剃刀等によって切断し基材の先端面を露出させてマルテンス硬度(HM)を測定することもできる。なお、下記で説明する表面層623のマルテンス硬度(HM)は、図11Cに示すように基材下面に表面層が形成された状態で基材を切り出し、表面層623が上を向くようにスライドガラス上に接着剤や両面テープで固定し、上記方法によって測定される。
本実施形態のクリーニングブレードは、前記像担持体に当接する先端稜線部62cが表面層623によって形成され、この表面層623は、下記で説明する硬化性組成物により形成される(弾性部材との混合層ではない)。表面層623は、当接部および基材下面に形成されていればよく、ブレード先端面62aにも表面層を形成してもよい。また、弾性部材内部に硬化性組成物が含まれていても構わない。
ここで、バーコビッチ圧子を押し込むときの積算応力をWplast、試験荷重除荷寺の積算応力をWelastとすると、弾性仕事率は、Welast/Wplast×100[%]の式で定義される特性値である(図4参照)。前記弾性仕事率が高いほど、塑性変形が少ない、即ち、ゴム性が高いことを表す。前記弾性仕事率が60%以上であることにより、当接部の動きが抑制されず、耐摩耗性が良好となる。
前記硬化性組成物とは、モノマーやオリゴマーが光や熱などのエネルギーを受けることにより重合硬化し硬化物(固形ポリマー)を形成する材料のことである。重合を開始させる活性種(ラジカル、イオン、酸、塩基など)を発生させる開始剤や刺激(電子線)の種類によってエネルギー源が異なり、例えば紫外線硬化性組成物、熱硬化性組成物、電子線硬化組成物等が挙げられる。
熱硬化性組成物は、熱重合開始剤が用いられ加熱することにより硬化反応が開始され、イソシアナート、ラジカル重合、エポキシ開環重合、メラミン系縮合などの重合反応により硬化物を生成する。
前記プレポリマーのPTMGの重合度は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
表面層中のシロキサン系化合物の含有量は、例えば、3質量%以上15質量%以下であり、8質量%以上15質量%以下が好ましく、より好ましくは8質量%以上10質量%以下である。
荷重1μNでの測定値が、2.5N/mm2未満であると、表面層が変形しやすくなり、表面層の効果を発揮することができない。
荷重1000μNでの測定値が、2.5N/mm2未満であると、上記荷重1μNでの測定値が2.5N/mm2未満の場合ほどではないが、やはり表面層が変形しやすくなり、表面層の効果を発揮することができない。
荷重1μNでの測定値が、32.5N/mm2を超えると、表面層の表面近傍が高硬度ため、ブレードとして追従性などの品質が安定しない。
荷重1000μNでの測定値が、32.5N/mm2を超えると、表面層全体的に硬くなりすぎて脆くなってしまう。
前記現像手段は、前記像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する手段である。
前記現像手段は、前記トナーを備える。
本発明で用いられるトナーの母体着色粒子は、少なくとも結着樹脂、有彩色の着色剤、離型剤とからなり、粉砕法、重合法(懸濁重合、乳化重合分散重合、乳化凝集、乳化会合等)等の製造方法があるが、これらの製造方法に限るものではない。本発明で用いられるトナーは、経時に渡りクリーニング性を維持させるべく、円形度が低く微粉の含有率が高いトナーであることが好ましい。このようなトナーの製造方法としては、粉砕法が挙げられる。以下、製造方法及び該製造方法において用いる材料、添加剤等について説明する。
粉砕系の一例としては、少なくとも結着剤樹脂、帯電制御剤および着色剤を含む原材料を機械的に混合する工程と、溶融混練する工程と、粉砕する工程と、分級する工程とを有するトナーの製造方法が適用できる。また、着色剤の分散性を向上させるために着色剤をマスターバッチ処理後、他の原材料と混合し、次工程へ処理しても良い。
この粉砕系トナーでは、公知の結着樹脂を用いることができるが、顔料の分散性を良好にし、より広い色再現域の画像を得る観点からポリエステル樹脂を用いることが好ましい。さらに、結着樹脂である結晶性ポリエステルと非結晶性ポリエステルと、離型剤からなることで、広い定着温度幅を確保することができる。また、光沢性を損なわないためには、やはり離型剤の分散性を良好にすることでホットオフセットを防止することができる。
結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、バインダー樹脂としてポリエステル樹脂を好適に使用することができる。
前記ポリエステル樹脂は、アルコールとカルボン酸との縮重合により得ることができる。
前記結着樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリ-p-クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン-p-クロロスチレン共重合体、スチレン-プロピレン共重合体、スチレン-ビニルトルエン共重合体、スチレン-ビニルナフタリン共重合体、スチレン-アクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリル酸エチル共重合体、スチレン-アクリル酸ブチル共重合体、スチレン-アクリル酸オクチル共重合体、スチレン-メタクリル酸メチル共重合体、スチレン-メタクリル酸エチル共重合体、スチレン-メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン-α-クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン-ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン-ビニルメチルケトン共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-イソプレン共重合体、スチレン-アクリロニトリル-インデン共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、スチレン-マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体等が挙げられる。
更に、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等と、前記ポリエステル樹脂とを混合して使用することもできる。
本発明で用いる離型剤としては公知のものが使用できる。このようなものとしては、例えば、ポリオレフィンワッックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。これらのうち好ましいものは、カルボニル基含有ワックスである。
本発明の着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1~15質量%、好ましくは3~10質量%である。
本マスターバッチはマスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高剪断力をかけて混合、混練してマスターバッチを得る事ができる。この際着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いる事ができる。またいわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いる事ができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高剪断分散装置が好ましく用いられる。
本発明では、トナーに適切な帯電特性を付与するために、帯電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP-51、含金属アゾ染料のボントロンS-34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE-82、サリチル酸系金属錯体のE-84、フェノール系縮物のE-89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP-302、TP-415やジルコニウム化合物のTN-105(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSYVP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージNEGVP2036、コピーチャージNXVP434(以上、ヘキスト社製)、LRA-901、ホウ素錯体であるLR-147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
本発明で得られた着色粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては0.04~0.30μmの平均粒径を有する微粒子の他にも、無機微粒子を好ましく用いることができる。特に、疎水性シリカおよびまたは疎水性酸化チタンが好ましい。この無機微粒子の一次粒子径は、5mμ~2μmであることが好ましく、特に5mμ~500mμであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20~500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01~5質量%であることが好ましく、特に0.01~2.0質量%であることが好ましい。
本発明の目的を達成するために、トナーの円形度は0.950未満であることが好ましく、より好ましくは0.945未満、更に好ましくは0.940未満である。本発明に用いるクリーニングブレードは表面層の部分が非常に高硬度で低μな(摩擦係数が小さい)ため、クリーニング性が高く、耐摩耗性にも優れるが、図7に示すように経時でクリーニングブレード62の当接部のニップ幅が広がりピーク圧が下がるため、トナーの円形度が0.950未満であることで、ニップ部に侵入しにくくしクリーニング性を維持することができる。トナーの円形度が0.950以上であると、経時でクリーニングブレードの当接部のニップ幅が広がりピーク圧が下がることでトナーがニップ部に侵入しやすくなり、ブレードをすり抜けてクリーニング不良を起こしやすくなるため耐久性に劣ってしまう。
前記円形度の下限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.900であってもよいし、0.910であってもよい。
不純固形物をあらかじめ除去した容器を用い、水100~150ml中に分散剤としてアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1~0.5ml加え、更にトナーを0.1~0.5g程度加える。試料を分散した懸濁液について超音波分散器で約1~3分間分散処理を行い、分散液濃度を3000~10000個/μlとして前記装置によりトナーの形状及び分布を測定することによって円形度、2μm以下微粉含有率、及び2μm以下微粉の円形度を得る。
前記像担持体としては、その形状、構造、大きさ、材質などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記像担持体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ドラム状、ベルト状などが挙げられる。
前記像担持体の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)などが挙げられる。
なお、前記像担持体は、線速600mm/sec以上の高速で回転させて、高速で画像形成が可能な構成としている。
前記その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、帯電手段、露光手段、転写手段、定着手段、クリーニング補助手段などが挙げられる。
前記クリーニング補助手段は、前記像担持体の表面に潤滑剤を塗布する機構を備える。
前記画像形成方法は、前記画像形成装置により好適に実施することができ、前記帯電工程は前記帯電手段により行うことができ、前記露光工程は前記露光手段により行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により行うことができ、前記転写工程は前記転写手段により行うことができ、前記定着工程は前記定着手段により行うことができ、前記クリーニング工程は前記クリーニング手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
図6に示すように、作像ユニット1は、像担持体としてのドラム状の感光体3を備えている。感光体3はドラム状の形状を示しているが、シート状、エンドレスベルト状のものであってもよい。
また、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
これらの光源のうち、発光ダイオード、及び半導体レーザは照射エネルギーが高く、また600~800nmの長波長光を有するため、良好に使用される。
操作部などからプリント実行の信号を受信したら、帯電ローラ4及び現像ローラ51にそれぞれ所定の電圧または電流が順次所定のタイミングで印加される。同様に、光書込ユニット40及び除電ランプなどの光源にもそれぞれ所定の電圧または電流が順次所定のタイミングで印加される。また、これと同期して、駆動手段としての感光体駆動モータにより感光体3が図中矢印方向に回転駆動される。
弾性部材の基材としては、JIS-A硬度、23℃反発弾性率、マルテンス硬度(HM)が以下のようなウレタンゴムを遠心成形で作製したものを用いた。
JIS-A硬度:75°
23℃反発弾性率:45%
マルテンス硬度(HM):0.9N/mm2
測定方法を以下に示す。
弾性部材の基材下面側のJIS-A硬度は、高分子計器株式会社製マイクロゴム硬度計MD-1を用い、JIS K6253に準じて測定した(23℃)。
弾性部材の基材の反発弾性率は、23℃で、東洋精機製作所製No.221レジリエンステスタを用い、JIS K6255に準じて測定した。試料は厚み4mm以上となるように厚み2mmのシートを重ね合わせたものを用いた。
上述の方法に従い、基材のマルテンス硬度(HM)を測定した。
表面層を形成するための硬化性組成物に使用した材料を以下に示す。
-イソシアネート-
・MDI(4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート):東ソー製「ミリオネートMT」
・水添MDI(ジシクロヘキシルメタン4,4’-ジイソシアナート):東京化成工業製
・TDI(2,4-トリレンジイソシアネート):東ソー製「コロネートT-100」
-ポリオール-
・PTMG(ポリテトラメチレンエーテルグリコール):三菱化学製「PTMG1000」、「PTMG2000」、「PTMG3000」
-硬化剤-
・DDM(4,4’-ジアミノジフェニルメタン):東京化成工業製
・TMP(トリメチロールプロパン):三菱ガス化学製
-触媒-
・ジオクチル錫ジラウレート:日東化成製「ネオスタンU-810」
-シロキサン系化合物-
・SH8400:東レ・ダウコーニング製ポリエーテル変性シリコーンオイル
・FZ-2110:東レ・ダウコーニング製ポリエーテル変性シリコーンオイル
・SF8416:東レ・ダウコーニング製、アルキル変性シリコーンオイル
-両末端NCO基のプレポリマーの合成-
下記表1に示すように、所望のNCO%となるように、イソシアネートとポリオールを混合し、窒素パージ下で80℃、180分間攪拌して反応させることで、両末端NCO基のプレポリマー1~4を調製した。
表2に示す当量比(プレポリマー中のNCO基の当量/硬化剤中のNH2基やOH基の当量)となるように、真空雰囲気下、上記プレポリマー1~4、硬化剤、触媒、シロキサン系化合物を室温で3分間混合し(質量部)、十分に脱泡した。これにより硬化性組成物を調製した。
なお、硬化剤のうち、DDMは固形分40%、TMPは固形分10%になるようにMEK(メチルエチルケトン)で希釈して使用した。
次に、評価に用いたトナーの具体的な作製例について説明する。本発明で用いるトナーは、これらの例に限定されるものではない。
[トナー]
<<トナー1の作製>>
トナー1構成材料
・結着樹脂・・ポリエステル樹脂(1/2流出開始温度106℃) 100部
・離型剤・・カルナバワックス 5部
・着色・・カーボンブラック 8部
・帯電制御剤・・サリチル酸誘導体亜鉛塩 3部
さらに、母体着色粒子1を100部に対して、平均粒径20nmの疎水性シリカ0.5部、平均粒径15nmの酸化チタン微粉体(イソブチルトリメトキシシラン処理)0.5部、平均粒径120nmの疎水性シリカ1.0部とをヘンシェルミキサーにて混合し、トナー1を得た。
トナー1の作製において、表3に示す物性のトナーが得られるように粉砕・分級条件を変更した以外は、トナー1と同様にしてトナー2~9を得た。
[ポリエステル1の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物235部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物525部、テレフタル酸205部、アジピン酸47部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧230℃で8時間反応し、さらに10~15mmHgの減圧で5時聞反応した後、反応容器に無水トリメリット酸46部を入れ、180℃、常圧で2時間反応し、[ポリエステル1]を得た。[ポリエステル1]は、数平均分子量2600、重量平均分子量6900、Tg44℃、酸価26であった。
冷却管、撹拌機および窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧230℃で8時間反応し、さらに10~15mmHgの減圧で5時間反応し[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2100、重量平均分子量9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価49であった。
カーボンブラック(キャボット社製 リーガル400R):40部、結着樹脂:ポリエステル樹脂(三洋化成RS-801 酸価10、Mw20000、Tg64℃):60部、及び水:30部をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロ-ル表面温度130℃に設定した2本ロールにより45分間混練を行い、パルベライザーで1mmの大きさに粉砕し、[マスターバッチ1]を得た。
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[ポリエステル1]545部、パラフィンワックス 181部、及び酢酸エチル1450部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル100部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
イオン交換水970部、分散安定用の有機樹脂微粒子(スチレン-メタクリル酸-アクリル酸ブチル-メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の25%水性分散液40部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON-7:三洋化成工業製)140部、及び90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
[顔料・WAX分散液1]975部、及びアミン類としてイソホロンジアミン2.6部を、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmにて1分間混合した後、[プレポリマーA]88部を加えTKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmにて1分間混合した後、[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数8,000rpmで調整しながら20分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時
間脱溶剤を行い、[分散スラリー1]を得た。
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。このときのろ液は、乳白色であった。
(2):(1)の濾過ケーキにイオン交換水900部を加え、超音波振動を付与してTKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返した。
(3):(2)のリスラリー液のpHが4となる様に10%塩酸を加え、そのままスリーワンモーターで攪拌30分後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返し[濾過ケーキ1]を得た。
円形度(平均円形度)、2μm以下微粉含有率、及び2μm以下微粉円形度はフロー式粒子像分析装置FPIA-3000により求めた。
不純固形物をあらかじめ除去した容器を用い、水100~150ml中に分散剤としてアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1~0.5ml加え、更にトナーを0.1~0.5g程度加えた。試料を分散した懸濁液について超音波分散器で約1~3分間分散処理を行い、分散液濃度を3000~10000個/μlとして前記装置によりトナーの形状及び分布を測定することによって得た。
トナーの体積平均粒径(Dv)は、粒度測定器(「マルチサイザーIII」、ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(Beckman Coulter Multisizer 3 Version3.51)にて解析を行った。具体的にはガラス製100mlビーカーに10%界面活性剤(アルキルベンゼンスルフォン酸塩ネオゲンSC-A;第一工業製薬社製)を0.5ml添加し、各トナー0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加した。得られた分散液を超音波分散器(W-113MK-II本多電子社製)で10分間分散処理した。前記分散液を前記マルチサイザーIIIを用い、測定用溶液としてアイソトンIII(ベックマンコールター製)を用いて測定を行った。測定は装置が示す濃度が8±2%に成るように前記トナーサンプル分散液を滴下した。
次に、評価に用いたキャリアの具体的な作製例について説明する。本発明で用いるキャリアは、これらの例に限定されるものではない。
アクリル樹脂溶液(固形分50質量%) 21.0部
グアナミン溶液(固形分70質量%) 6.4部
アルミナ粒子[0.3μm、固有抵抗1014(Ω・cm)] 7.6部
シリコーン樹脂溶液 65.0部
[固形分23質量%(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
アミノシラン 1.0部
[固形分100質量%(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
トルエン 60部
ブチルセロソルブ 60部
をホモミキサーで10分間分散し、アルミナ粒子を含むアクリル樹脂及びシリコーン樹脂のブレンド被覆膜形成溶液を得た。芯材として焼成フェライト粉[(MgO)1.8(MnO)49.5(Fe2O3)48.0:平均粒径;35μm]を用い、上記被覆膜形成溶液を芯材表面に膜厚0.15μmになるようにスピラコーター(岡田精工社製)により塗布し乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて150℃で1時間放置して焼成した。冷却後フェライト粉バルクを目開き106μmの篩を用いて解砕し、キャリアを得た。結着樹脂膜厚測定は、透過型電子顕微鏡にてキャリア断面を観察することにより、キャリア表面を覆う被覆膜を観察することができるため、その膜厚の平均値をもって膜厚とした。
こうして、重量平均粒径35μmのキャリアを得た。
上記[トナー1]~[トナー10]と上記フェライトキャリアを用い、キャリア100部に対しトナー7部を容器が転動して攪拌される型式のターブラミキサーを用いて均一混合し帯電させて現像剤を作製した。
厚み1.8mmの短冊形状の基材の先端面から4mm幅を残して基材下面にマスキングし、実施例および比較例の硬化性組成物を基材下面に各種平均膜厚の表面層が形成されるように塗工した。
具体的には、スプレー塗工により基材の先端面から6mm/sのスプレーガン移動速度にて基材の下面全面に重ね塗りを行った。その後、マスキングをはがし、90℃の恒温槽で1時間加熱を行った後、45℃/90%RHの恒温槽で48時間放置して反応を完結させた。その後、先端面から1mmのところで切断して当接部を形成した。
次に、前記当接部に表面層が形成された各弾性部材をカラー複合機(imagio MP C4500、リコー社製)のプロセスカートリッジに搭載できるように板金ホルダー(支持部材)に接着剤で固定した。以上により、当接部に表面層が形成された実施例および比較例のクリーニングブレードを作製した。
作製したクリーニングブレードについて、以下のようにして、諸特性を測定した。
実施例および比較例における表面層のマルテンス硬度(HM)を上述のようにして測定した。測定位置は、先端稜線部から奥行方向20μmの位置とした。なお、測定箇所は両端の2cmの部分を除いた位置とした。
図8は、実施例および比較例におけるクリーニングブレードの当接部の厚みの測定箇所を示す断面図である。
図8に示すように、前記弾性部材を長手方向に対して直交する面で輪切りにし、この断面を上向きにして、デジタルマイクロスコープVHX-2000(キーエンス社製)で観察した。測定箇所は、前記断面のブレード当接部(先端稜線部)である。前記弾性部材を輪切りにする方法としては、弾性部材の長手方向の厚みが3mmとなるように、弾性部材の長手方向に対して垂直に剃刀を用いて切断した。その際、垂直スライサーを用いると断面をよりきれいに切ることができる。前記弾性部材を輪切りにする長手方向の位置は、両端の2cmの部分を除いた位置とした。
作製した実施例および比較例におけるクリーニングブレードをカラー複合機(imagio MP C4500、リコー社製)(プリンタ部は図5に示す画像形成装置500と同様の構成)のプロセスカートリッジに取り付け、更に、作製した現像剤をトナーカートリッジに充填し、実施例および比較例の画像形成装置を組み立てた。
なお、クリーニングブレードは、線圧:20g/cm、クリーニング角:79°となるように画像形成装置に取り付けた。また、上記装置は感光体表面への潤滑剤塗布装置を備えており、潤滑剤塗布により感光体表面の静止摩擦係数が非画像形成時に0.2以下に維持される。なお、感光体表面の静止摩擦係数の測定方法については、オイラーベルトの方法で、例えば、特開2007-178619号公報の段落番号0057に記載されている。
評価画像として、縦帯パターン(紙進行方向に対して)43mm幅、3本チャートをA4サイズ横で、20枚出力し、得られた画像を目視観察し、クリーニング不良による画像異常の有無により、クリーニング性を評価した。
[評価基準]
◎:クリーニング不良ですり抜けたトナーが印刷紙上にも感光体上に目視で確認できず、感光体上を長手方向に顕微鏡で観察してもトナーのスジ状のすり抜けが確認できない。
○:クリーニング不良ですり抜けたトナーが印刷紙上にも感光体上にも目視で確認できない。
△:クリーニング不良ですり抜けたトナーが印刷紙上には目視で確認できないが、感体上にはわずかに確認できる。
×:クリーニング不良ですり抜けたトナーが印刷紙上にも感光体上にも目視で確認できる。
上記評価画像を更に10万枚出力後に感光体を取り出し、クリーニングブレードを通過した感光体上の転写残トナーを日東電工(株)のプリンタックC(厚さ25μm)で採取し白紙に貼付け、938スペクトロデンシトメータ(X-Rite社製)を用い、観察用光源D50、視野角2°にてIDを10点測定して平均値を算出した。
[評価基準]
◎:ブランクとの差が0.005未満
○:ブランクとの差が0.005以上0.010未満
△:ブランクとの差が0.010以上0.015未満
×:ブランクとの差が0.015以上
◎及び○をクリーニング性が良好としている。
前記画像形成装置を45℃/95%RHの恒温槽に10日間放置した。その後、実験室環境:23℃/50%RHにおいて前記画像形成装置でハーフトーン画像を連続5枚、1万枚印刷終了後にそれぞれ感光体を取り出し、感光体表面をレーザー顕微鏡(キーエンス社VK-8500)で観察した。評価は以下の基準で行なった。
[評価基準]
◎:フィルミングが全く認められない
○:ごくわずかにフィルミングが認められるが、問題ないレベルである
△:所々にごく小さなフィルミングが認められる、もしくは表面に傷が認められる
×:大きなフィルミングが発生している、もしくは表面に傷が多数認められる
<1> 像担持体と、
前記像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する、前記トナーを備える現像手段と、
前記像担持体上に残留する残留トナーをクリーニングブレードにより除去するクリーニング手段と、
を有するプロセスカートリッジであって、
前記クリーニングブレードは、前記像担持体の表面に当接して前記像担持体上に残留する前記残留トナーを除去する弾性部材を備え、
前記弾性部材は、基材と、前記基材上に設けられた表面層とを有し、
前記表面層は、前記像担持体と当接する前記弾性部材の当接部よりも前記像担持体の進行方向下流側と対向する前記基材の面を基材下面としたとき、前記当接部を含む前記基材下面の少なくとも一部に形成されており、
前記表面層は、ナノインデンターを用いて測定したマルテンス硬度HMが、膜厚方向において表面から前記基材下面に向かって低硬度化する硬度勾配を有し、
前記マルテンス硬度HMは、荷重1μNでの測定値及び荷重1000μNでの測定値が2.5N/mm2以上32.5N/mm2以下であり、
前記当接部における前記表面層の平均膜厚は、10μm以上500μm以下であり、
前記現像手段に備えられた前記トナーにおいて、円形度が0.950未満であり、かつ2μm以下微粉含有率が20個数%以上60個数%以下であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
<2> 前記表面層は、シロキサン系化合物を含有し、
前記表面層における前記シロキサン系化合物の含有量が、8質量%以上15質量%以下である前記<1>に記載のプロセスカートリッジである。
<3> 前記現像手段に備えられた前記トナーにおいて、円形度が0.945未満である前記<1>から<2>のいずれかに記載のプロセスカートリッジである。
<4> 前記現像手段に備えられた前記トナーにおいて、円形度が0.940未満である前記<1>から<3>のいずれかに記載のプロセスカートリッジである。
<5> 前記現像手段に備えられた前記トナーにおいて、2μm以下微粉の円形度が0.950以上0.985以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載のプロセスカートリッジである。
<6> 像担持体と、
前記像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する、前記トナーを備える現像手段と、
前記像担持体上に残留する残留トナーをクリーニングブレードにより除去するクリーニング手段と、
を有する画像形成装置であって、
前記クリーニングブレードは、前記像担持体の表面に当接して前記像担持体上に残留する前記残留トナーを除去する弾性部材を備え、
前記弾性部材は、基材と、前記基材上に設けられた表面層とを有し、
前記表面層は、前記像担持体と当接する前記弾性部材の当接部よりも前記像担持体の進行方向下流側と対向する前記基材の面を基材下面としたとき、前記当接部を含む前記基材下面の少なくとも一部に形成されており、
前記表面層は、ナノインデンターを用いて測定したマルテンス硬度HMが、膜厚方向において表面から前記基材下面に向かって低硬度化する硬度勾配を有し、
前記マルテンス硬度HMは、荷重1μNでの測定値及び荷重1000μNでの測定値が2.5N/mm2以上32.5N/mm2以下であり、
前記当接部における前記表面層の平均膜厚は、10μm以上500μm以下であり、
前記現像手段に備えられた前記トナーにおいて、円形度が0.950未満であり、かつ2μm以下微粉含有率が20個数%以上60個数%以下であることを特徴とする画像形成装置である。
<7> 前記<1>から<5>のいずれかに記載のプロセスカートリッジを用いることを特徴とする画像形成方法である。
2 枠体
3 感光体
4 帯電ローラ
5 現像装置
6 クリーニング装置
7 一次転写ローラ
10 潤滑剤塗布装置
14 中間転写ベルト
40 光書込ユニット
41 ポリゴンミラー
51 現像ローラ
52 供給スクリュ
53 攪拌スクリュ
54 ドクタ
55 レジストローラ対
60 転写ユニット
62 クリーニングブレード
62a ブレード先端面
62b ブレード下面
62c 先端稜線部
621 支持部材
622 基材
623 表面層
624 弾性部材
63 第一ブラケット
64 第二ブラケット
66 二次転写バックアップローラ
67 駆動ローラ
68 補助ローラ
69 テンションローラ
70 二次転写ローラ
80 定着ユニット
81 加圧加熱ローラ
82 定着ベルトユニット
83 加熱ローラ
84 定着ベルト
85 テンションローラ
86 駆動ローラ
87 排紙ローラ対
88 スタック部
100 トナーカートリッジ
101 ファーブラシ
103 固形潤滑剤
103a 潤滑剤加圧スプリング
103b ブラケット
123 像担持体
151 第一給紙カセット
151a 第一給紙ローラ
152 第二給紙カセット
152a 第二給紙ローラ
153 給紙路
154 搬送ローラ対
162 ベルトクリーニングユニット
162a ベルトクリーニングブレード
500 画像形成装置(プリンタ)
Claims (7)
- 像担持体と、
前記像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する、前記トナーを備える現像手段と、
前記像担持体上に残留する残留トナーをクリーニングブレードにより除去するクリーニング手段と、
を有するプロセスカートリッジであって、
前記クリーニングブレードは、前記像担持体の表面に当接して前記像担持体上に残留する前記残留トナーを除去する弾性部材を備え、
前記弾性部材は、基材と、前記基材上に設けられた表面層とを有し、
前記表面層は、前記像担持体と当接する前記弾性部材の当接部よりも前記像担持体の進行方向下流側と対向する前記基材の面を基材下面としたとき、前記当接部を含む前記基材下面の少なくとも一部に形成されており、
前記表面層は、ナノインデンターを用いて測定したマルテンス硬度HMが、膜厚方向において表面から前記基材下面に向かって低硬度化する硬度勾配を有し、
前記マルテンス硬度HMは、荷重1μNでの測定値及び荷重1000μNでの測定値が2.5N/mm2以上32.5N/mm2以下であり、
前記当接部における前記表面層の平均膜厚は、10μm以上500μm以下であり、
前記現像手段に備えられた前記トナーにおいて、円形度が0.950未満であり、かつ2μm以下微粉含有率が20個数%以上60個数%以下であることを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 前記表面層は、シロキサン系化合物を含有し、
前記表面層における前記シロキサン系化合物の含有量が、8質量%以上15質量%以下である請求項1に記載のプロセスカートリッジ。 - 前記現像手段に備えられた前記トナーにおいて、円形度が0.945未満である請求項1から2のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
- 前記現像手段に備えられた前記トナーにおいて、円形度が0.940未満である請求項1から3のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
- 前記現像手段に備えられた前記トナーにおいて、2μm以下微粉の円形度が0.950以上0.985以下である請求項1から4のいずれかに記載のプロセスカートリッジ。
- 像担持体と、
前記像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する、前記トナーを備える現像手段と、
前記像担持体上に残留する残留トナーをクリーニングブレードにより除去するクリーニング手段と、
を有する画像形成装置であって、
前記クリーニングブレードは、前記像担持体の表面に当接して前記像担持体上に残留する前記残留トナーを除去する弾性部材を備え、
前記弾性部材は、基材と、前記基材上に設けられた表面層とを有し、
前記表面層は、前記像担持体と当接する前記弾性部材の当接部よりも前記像担持体の進行方向下流側と対向する前記基材の面を基材下面としたとき、前記当接部を含む前記基材下面の少なくとも一部に形成されており、
前記表面層は、ナノインデンターを用いて測定したマルテンス硬度HMが、膜厚方向において表面から前記基材下面に向かって低硬度化する硬度勾配を有し、
前記マルテンス硬度HMは、荷重1μNでの測定値及び荷重1000μNでの測定値が2.5N/mm2以上32.5N/mm2以下であり、
前記当接部における前記表面層の平均膜厚は、10μm以上500μm以下であり、
前記現像手段に備えられた前記トナーにおいて、円形度が0.950未満であり、かつ2μm以下微粉含有率が20個数%以上60個数%以下であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1から5のいずれかに記載のプロセスカートリッジを用いることを特徴とする画像形成方法。
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