JP4496421B2 - 合成石英ガラスの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エキシマレーザー光のような短波長の紫外線に対して高い透過性を示し、特に真空紫外領域での透過性が良好である合成石英ガラスの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
合成石英ガラスは、その特徴である低熱膨張性及び高純度品質により、以前から半導体製造においてシリコンウエーハの酸化・拡散工程で用いられる熱処理用炉芯管などに使用されてきた。また、上記特性に加えて紫外線の高透過性により、LSI製造時のリソグラフィー装置材料として欠かせないものとなっている。リソグラフィー装置における合成石英ガラスの役割は、シリコンウエーハ上への回路パターンの露光、転写工程で用いられるステッパー用レンズ材料やレチクル(フォトマスク)基板材料である。
【0003】
近年、LSIはますます多機能、高性能化しており、ウエーハ上の素子の高集積化技術が研究開発されている。素子の高集積化のためには、微細なパターンの転写が可能な高い解像度を得る必要があり、それは光源の短波長化により可能となる。現在、光源として利用されている紫外線の波長は248nm(KrF)が主流であるが、193nm(ArF)への移行が急がれており、また将来的には157nm(F2)への移行が有力視されている。
【0004】
一般に石英ガラスは紫外線透過性を有してはいるが、200nm以下の真空紫外領域では透過性が低下していき、石英ガラスの本質的な構造による吸収領域である140nm付近になると光を通さなくなる。本質吸収領域までの範囲では、ガラス内の欠陥構造に起因する吸収帯が存在するため、欠陥構造の種類や生成の度合いにより透過性に大きな差が生じる。リソグラフィー装置で使用される波長の透過性が低い場合、吸収された紫外線が石英ガラス中で熱エネルギーに変換されるため、照射に従ってガラス内部にコンパクションが発生し、屈折率の不均一性につながる。このため石英ガラス中の欠陥構造は、それが使用波長付近に強い吸収を持つものであれば、装置材料としての透過性の低下のみならず耐久性の低下も引き起こすことになる。
【0005】
石英ガラス中の代表的な欠陥構造には、Si−Si結合とSi−O−O−Si結合があり、Si−Si結合は酸素欠損型欠陥と言われ、163nm及び245nmに吸収帯を示す。この酸素欠損型欠陥は、215nmに吸収帯を示すSi・欠陥構造(E’センター)の前駆体でもあるためF2(157nm)ではもちろんのこと、KrF(248nm)やArF(193nm)を光源とする場合にも非常に問題となる。
一方、Si−O−O−Si結合は酸素過剰型欠陥と言われ、325nmに吸収帯を示すものである。その他に、Si−OH結合やSi−Cl結合も160nm付近に吸収帯を示すため、真空紫外領域で高い透過性を有する石英ガラスを製造するには、酸素欠損型欠陥の抑制に加えてOH基やCl基を低濃度に制御することが重要となる。
【0006】
以上のような見地から真空紫外用の石英ガラスの製造は、Si−OH結合を低減できるスート法、つまり多孔質シリカ母材を作製してこれを溶融ガラス化する方法が好ましい。しかしながら、単純にスート法で合成石英ガラスを製造すると、OH基濃度が数十ppmを下回るレベルになるとSi−Si結合が多く生成し、163nm付近において極めて大きな吸収を示すようになる。このため従来の方法では、生成したSi−Si結合を水素アニールなどの後工程で処理し、Si−H結合等に変換する方法がとられていた。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、合成石英ガラス中のSi−Si結合の生成を抑制し、合成石英ガラス製造後の後処理による欠陥構造の修正を軽減又は不要とすることができ、真空紫外領域において高い透過性を有する合成石英ガラスの製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、合成石英ガラス製造工程における多孔質母材の製造時に、ガスバランスを酸素過剰条件とすることにより、石英ガラス中のSi−Si結合の発生を抑制することができ、真空紫外領域において高い透過性を有する合成石英ガラスを製造することができることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0009】
即ち、本発明は、下記に示す合成石英ガラスの製造方法を提供する。
(1)同心円状に複数のノズルを有するバーナーの中心部のノズルからシリカ製造原料ガス及びフッ素化合物ガスを反応域に供給し、中心ノズルの外側に配設されている第二のノズルから酸素ガス、更にその外側に配設されているノズルから酸素ガス及び/又は水素ガスを反応域に供給し、この反応域においてシリカ製造原料ガスの火炎加水分解によりシリカ微粒子を生成させると共に、上記反応域に回転可能に配置された基材に上記シリカ微粒子を堆積させて多孔質シリカ母材を作製し、この母材を溶融させて石英ガラスを得る合成石英ガラスの製造方法において、原料ガス流量に対する第二のノズルの酸素ガス流量を化学量論比の1.5〜3.5倍の酸素過剰条件とすることを特徴とする合成石英ガラスの製造方法。
(2)同心円状に複数のノズルを有するバーナーの中心部のノズルからシリカ製造原料ガス及びフッ素化合物ガスを反応域に供給し、中心ノズルの外側に配設されている第二のノズルから酸素ガス、更にその外側に配設されているノズルから酸素ガス及び/又は水素ガスを反応域に供給し、この反応域においてシリカ製造原料ガスの火炎加水分解によりシリカ微粒子を生成させると共に、上記反応域に回転可能に配置された基材に上記シリカ微粒子を堆積させて多孔質シリカ母材を作製し、この母材を溶融させて石英ガラスを得る合成石英ガラスの製造方法において、バーナーから供給される原料ガス流量と水素ガス総流量の合計に対する酸素ガス総流量を化学量論比の1.5〜3.5倍の酸素過剰条件とすることを特徴とする合成石英ガラスの製造方法。
(3)原料ガス流量に対する第二のノズルの酸素ガス流量を化学量論比の1.5〜3.5倍の酸素過剰条件とした(2)記載の合成石英ガラスの製造方法。
(4)多孔質シリカ母材の密度が0.1〜1.0g/cm3であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項記載の合成石英ガラスの製造方法。
【0010】
本発明によれば、上記の方法を利用することにより、石英ガラス中のSi−Si結合の生成を抑制し、真空紫外領域において高い透過性を有する合成石英ガラスを製造することができるものである。
【0011】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明における合成石英ガラスの製造方法は、同心円上に複数のノズルを有するバーナーの中心部のノズルからシリカ製造原料ガス及びフッ素化合物ガスを反応域に供給し、中心ノズルの外側に配設されている第二のノズルから酸素ガス、更にその外側に配設されているノズルから酸素ガス及び/又は水素ガスを反応域に供給し、この反応域においてシリカ製造原料ガスの火炎加水分解によりシリカ微粒子を生成させると共に、上記反応域に回転可能に配置された基材に上記シリカ微粒子を堆積させて多孔質シリカ母材を作製し、この母材を溶融させて石英ガラスを得るものである。
かかる方法自体は公知の方法であり、常法によって操作し得、シリカ製造原料も公知の有機ケイ素化合物を使用することができる。
【0012】
具体的には、原料となる有機ケイ素化合物は、四塩化ケイ素(SiCl4)、ジメチルジクロロシラン((CH3)2SiCl2)等の塩素系シラン化合物、下記一般式(I)〜(III)で示されるシラン化合物、シロキサン化合物が用いられる。
(R1)nSi(OR2)4-n (I)
(式中、R1,R2は同一又は異種の脂肪族一価炭化水素基を示し、nは0〜3の整数を示す。)
【化1】
(式中、R3は水素原子又は脂肪族一価炭化水素基を示し、mは1以上、特に1又は2である。)
【化2】
(式中、R3は水素原子又は脂肪族一価炭化水素基を示し、pは3〜5の整数である。)
【0013】
ここで、R1,R2,R3の脂肪族一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基、シクロヘキシル基等の炭素数3〜6のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基等の炭素数2〜4のアルケニル基等が挙げられる。
【0014】
具体的に上記一般式(I)で示されるシラン化合物としては、Si(OCH3)4、Si(OCH2CH3)4、CH3Si(OCH3)3等が挙げられ、一般式(II)で示されるシロキサン化合物としては、ヘキサメチルジシロキサン等が挙げられる。
これらの中では、Si−Cl結合の紫外線吸収を考慮すると、Clを含まないアルコキシシランが好ましい。
【0015】
また、フッ素化合物としては、テトラフルオロシラン、トリフルオロメタン、テトラフルオロメタン等が用いられる。
【0016】
本発明で用いられるバーナーは、同心円上に複数のノズルを有し、中心部のノズルからシリカ製造原料ガスとフッ素化合物、その外側の第二のノズルから酸素ガス、更にその外側の1又は複数のノズルから酸素ガス及び/又は水素ガスを反応域に供給して火炎加水分解を可能とするものであればいずれのものでもよく、公知のバーナーを使用することができ、例えば図1に示すものが挙げられる。
【0017】
ここで、図1において、1は中心管ノズルであり、これからシリカ製造原料ガス及びフッ素化合物ガスが供給される。2はこの中心管ノズル1を取り囲む第一リング管(第二のノズル)で、これから酸素ガスが供給される。3は第一リング管2を取り囲む第二リング管、4は第二リング管を取り囲む第三リング管で、第二リング管3からは水素ガスが、第三リング管4からは酸素ガスが供給される。
【0018】
而して、本発明は、上記方法において、原料ガス流量に対する第二のノズルの酸素流量が化学量論比の1.5〜3.5倍、好ましくは1.5〜2.5倍の酸素過剰条件とすること、及び/又は、原料ガス流量及び水素ガス総流量の合計に対する酸素ガス総流量が化学量論比の1.5〜3.5倍、好ましくは1.5〜2.5倍の酸素過剰条件とすることを特徴とするものである。
【0019】
ここでいう量論比とは、例えば原料をテトラメトキシシランとした場合、以下のように定義される。テトラメトキシシランを酸水素火炎中でシリカ微粒子にすると、式(i)及び式(ii)の反応が起こる。
(CH3O)4Si+6O2→SiO2+6H2O+4CO2 (i)
H2+1/2O2→H2O (ii)
【0020】
よって、原料ガス流量に対する第二のノズルの酸素流量は、原料ガス1.0molに対して第二のノズルの酸素ガスが6.0mol供給されていれば量論となる(即ち量論比に対して1.0倍)。原料ガス1.0molに対して第二のノズルの酸素ガスが12.0mol供給されていれば、量論比の2.0倍ということになる。式で表すと、
X=A/6B (1)
但し、X:第二のノズルから供給される酸素ガス流量の化学量論比に対する倍数
A:第二のノズルから供給される酸素ガス流量(mol/Hr)
B:原料ガス供給流量(mol/Hr)
【0021】
同様に、原料ガス流量及び水素ガス総流量の合計に対する酸素ガス総流量については、下記式で表すことができる。
Y=C/(6B+0.5D) (2)
但し、Y:バーナーから供給される原料ガス流量及び水素ガス総流量の合計に対する酸素ガス総流量の化学量論比に対する倍数
C:バーナーから供給される酸素ガスの総流量(mol/Hr)
B:原料ガス供給流量(mol/Hr)
D:バーナーから供給される水素ガスの総流量(mol/Hr)
【0022】
なお、例えば、図1の場合、Cは第一リング管2及び第三リング管4から供給される酸素ガスの合計流量であり、Dは第二リング管3から供給される水素ガスの流量である。また、上記式(1),(2)は、原料ガスとしてテトラメトキシシランを用いた場合の計算式であり、使用する原料ガスが異なれば、その反応式に応じて式(1),(2)は適切な計算式に補正される。
【0023】
原料ガス流量に対する第二のノズルの酸素ガス流量又はバーナーから供給される原料ガス流量と水素ガス総流量の合計に対する酸素ガス総流量のいずれかの化学量論比を酸素過剰条件とすることにより本発明の効果を発揮するが、両者を酸素過剰条件とすることにより更に効果を発揮することができる。
【0024】
なお、必要に応じて、中心管及び2重管目からは酸素ガスの他に、アルゴン、窒素、ヘリウム等の不活性ガスをバーナーから必要に応じて供給してもよい。また、補助バーナー等、複数のバーナーを使用してもよく、補助バーナーからは酸水素炎のみを供給してもよいし、フッ素化合物ガスを供給するようにしてもよい。
【0025】
本発明においては、上記のように、酸素ガス量を制御する以外は、公知の火炎加水分解法によって合成石英ガラスを製造することができる。この場合、原料ガスの供給速度(量)は4〜40mol/Hrの範囲とすることができる。
【0026】
上記方法において製造された多孔質シリカ母材は、高温ガラス化炉内でガラス化されるものであるが、ガラス化の方法も、公知の方法、条件を採用し得、例えば真空で1,200〜1,700℃まで加熱され、ガラス化される。炉内の雰囲気を真空ではなく、ヘリウムやアルゴンなどの不活性ガス雰囲気としてもよい。また、ガラス化後は同炉内にて急冷もしくは放冷にて室温まで冷却される。
【0027】
なお、多孔質シリカ母材の密度は、ガラス化反応の容易さの点から0.1〜1.0g/cm3、特に0.2〜0.5g/cm3であることが好ましい。
【0028】
このようにして得られた合成石英ガラスは、OH基濃度を20ppm以下とすることが好ましい。20ppmを超えると、160nm付近に吸収をもつSi−OH結合の影響が大きくなるおそれがある。また、SiF4、CHF3、CF4などのフッ素化合物をバーナーの原料ガス供給部から原料ガスと共に供給し、多孔質シリカ母材を製造するものであるが、得られた合成石英ガラス中のフッ素原子濃度は100ppm以上とすることが好ましい。フッ素原子濃度が100ppm未満だとOH基濃度が20ppmを超えてしまい、上記Si−OH結合の影響が大きくなるおそれがある。
【0029】
【実施例】
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。また、この実施例に記載されているガス流量等の製造条件は、本発明をその範囲に限定することを意味しない。下記例において、バーナーとしては図1に示したものを使用した。
【0030】
[実施例1]
原料にテトラメトキシシランを使用し、原料ガス流量に対する第二のノズル(図1中2)の酸素流量を化学量論比の1.96倍、原料ガス流量及び水素ガス総流量の合計に対する酸素ガス総流量を化学量論比の2.43倍として密度が0.25g/cm3の多孔質シリカ母材を作製した。母材製造時には、テトラフルオロシランをバーナーの中心ノズル(図1中1)から1.3mol/Hrの流量で供給した。
【0031】
得られた多孔質シリカ母材をHe雰囲気下で1,500℃まで昇温して合成石英ガラスを得た。ガラス化には30時間を要した。OH基及びフッ素原子濃度を測定したところ、それぞれ0ppm、1,540ppmであった。真空紫外領域の透過率を測定したところ、160nmから240nmの範囲での吸収は非常に弱く、157.6nmで78.0%と高い透過性を示した。多孔質シリカ母材製造時のガス条件及び得られた合成石英ガラス物性値を表1に、透過率曲線を図2にそれぞれ示す。なお、透過率曲線測定時のサンプル厚さは6.3±0.1mmとした。
【0032】
[実施例2]
原料にテトラメトキシシランを使用し、原料ガス流量に対する第二のノズル(図1中2)の酸素流量を化学量論比の3.03倍、原料ガス流量及び水素ガス総流量の合計に対する酸素ガス総流量を化学量論比の3.42倍として密度が0.30g/cm3の多孔質シリカ母材を作製した。母材製造時には、テトラフルオロシランをバーナーの中心ノズル(図1中1)から0.4mol/Hrの流量で供給した。
【0033】
得られた多孔質シリカ母材を真空下で1,500℃まで昇温して合成石英ガラスを得た。ガラス化には30時間を要した。OH基及びフッ素原子濃度を測定したところ、それぞれ5ppm、740ppmであった。真空紫外領域の透過率を測定したところ、Si−Si結合やSi−OH結合に起因する吸収は非常に弱く、157.6nmで74.8%と高い透過性を示した。多孔質シリカ母材製造時のガス条件及び得られた合成石英ガラス物性値を表1に、透過率曲線を図2にそれぞれ示す。
【0034】
[比較例1]
原料にテトラメトキシシランを使用し、原料ガス流量に対する第二のノズル(図1中2)の酸素流量を化学量論比の0.91倍、原料ガス流量及び水素ガス総流量の合計に対する酸素ガス総流量を化学量論比の0.98倍として密度が0.20g/cm3の多孔質シリカ母材を作製した。母材製造時には、テトラフルオロシランをバーナーの中心ノズル(図1中1)から1.3mol/Hrの流量で供給した。
【0035】
得られた多孔質シリカ母材を真空下で1,500℃まで昇温して合成石英ガラスを得た。ガラス化には30時間を要した。OH基及びフッ素原子濃度を測定したところ、それぞれ0ppm、1,610ppmであった。真空紫外領域の透過率を測定したところ、163nm付近に強い吸収が見られた。157.6nmで透過率は15.6%に低下した。多孔質シリカ母材製造時のガス条件及び得られた合成石英ガラス物性値を表1に、透過率曲線を図2にそれぞれ示す。
【0036】
[比較例2]
原料にテトラメトキシシランを使用し、原料ガス流量に対する第二のノズル(図1中2)の酸素流量を化学量論比の0.91倍、原料ガス流量及び水素ガス総流量の合計に対する酸素ガス総流量を化学量論比の0.98倍として密度が0.20g/cm3の多孔質シリカ母材を作製した。母材製造時には、テトラフルオロシランをバーナーの中心ノズル(図1中1)から0.3mol/Hrの流量で供給した。
【0037】
得られた多孔質シリカ母材を真空下で1,500℃まで昇温して合成石英ガラスを得た。ガラス化には15時間を要した。OH基及びフッ素原子濃度を測定したところ、それぞれ60ppm、630ppmであった。真空紫外領域の透過率を測定したところ、160nm付近に強い吸収が見られた。157.6nmで透過率は0%に低下した。多孔質シリカ母材製造時のガス条件及び得られた合成石英ガラス物性値を表1に、透過率曲線を図2にそれぞれ示す。
【0038】
【表1】
*:原料ガス流量に対する第二のノズルの酸素流量の化学量論比に対する倍数(式(1)による計算)
**:原料ガス流量及び水素ガス総流量の合計に対する酸素ガス総流量の化学量論比に対する倍数(式(2)による計算)
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、多孔質シリカ母材製造時のガスバランスを酸素過剰条件にすることにより、石英ガラス中のSi−Si結合の生成を抑制し、真空紫外領域において高い透過性を有する合成石英ガラスを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】多孔質シリカ母材製造用バーナーの一例を示す概略断面図である。
【図2】実施例1,2及び比較例1,2の条件で製造した合成石英ガラスの真空紫外透過率曲線を示すグラフである。
【符号の説明】
1 中心管ノズル
2 第一リング管(第二のノズル)
3 第二リング管(第三のノズル)
4 第三リング管(第四のノズル)
Claims (4)
- 同心円状に複数のノズルを有するバーナーの中心部のノズルからシリカ製造原料ガス及びフッ素化合物ガスを反応域に供給し、中心ノズルの外側に配設されている第二のノズルから酸素ガス、更にその外側に配設されているノズルから酸素ガス及び/又は水素ガスを反応域に供給し、この反応域においてシリカ製造原料ガスの火炎加水分解によりシリカ微粒子を生成させると共に、上記反応域に回転可能に配置された基材に上記シリカ微粒子を堆積させて多孔質シリカ母材を作製し、この母材を溶融させて石英ガラスを得る合成石英ガラスの製造方法において、原料ガス流量に対する第二のノズルの酸素ガス流量を化学量論比の1.5〜3.5倍の酸素過剰条件とすることを特徴とする合成石英ガラスの製造方法。
- 同心円状に複数のノズルを有するバーナーの中心部のノズルからシリカ製造原料ガス及びフッ素化合物ガスを反応域に供給し、中心ノズルの外側に配設されている第二のノズルから酸素ガス、更にその外側に配設されているノズルから酸素ガス及び/又は水素ガスを反応域に供給し、この反応域においてシリカ製造原料ガスの火炎加水分解によりシリカ微粒子を生成させると共に、上記反応域に回転可能に配置された基材に上記シリカ微粒子を堆積させて多孔質シリカ母材を作製し、この母材を溶融させて石英ガラスを得る合成石英ガラスの製造方法において、バーナーから供給される原料ガス流量と水素ガス総流量の合計に対する酸素ガス総流量を化学量論比の1.5〜3.5倍の酸素過剰条件とすることを特徴とする合成石英ガラスの製造方法。
- 原料ガス流量に対する第二のノズルの酸素ガス流量を化学量論比の1.5〜3.5倍の酸素過剰条件とした請求項2記載の合成石英ガラスの製造方法。
- 多孔質シリカ母材の密度が0.1〜1.0g/cm3であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の合成石英ガラスの製造方法。
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