JP4496026B2 - 金属銅微粒子の製造方法 - Google Patents

金属銅微粒子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4496026B2
JP4496026B2 JP2004203542A JP2004203542A JP4496026B2 JP 4496026 B2 JP4496026 B2 JP 4496026B2 JP 2004203542 A JP2004203542 A JP 2004203542A JP 2004203542 A JP2004203542 A JP 2004203542A JP 4496026 B2 JP4496026 B2 JP 4496026B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copper
solution
copper oxide
fine particles
liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2004203542A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006022394A (ja
Inventor
一雄 細谷
雅行 上田
大輔 伊東
晃人 泉谷
頼重 松葉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Harima Chemical Inc
Original Assignee
Harima Chemical Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Harima Chemical Inc filed Critical Harima Chemical Inc
Priority to JP2004203542A priority Critical patent/JP4496026B2/ja
Publication of JP2006022394A publication Critical patent/JP2006022394A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4496026B2 publication Critical patent/JP4496026B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、酸化銅を原料として、液相での還元反応によって、微細な平均粒子径の金属銅微粒子を製造する方法に関する。特には、導電性金属ペースト、触媒など、種々の分野において、金属粉末原料として利用可能な、平均粒子径がサブミクロン〜ナノメートル・サイズの金属銅微粒子を、酸化銅を原料として液相での還元反応によって製造する方法に関する。
金属の微粒子は、それを構成する金属元素の特性を利用して、例えば、配線材料、磁気材料、センサ材料、触媒など、各種の技術分野において、幅広い用途開発がなされている。近年、これらの金属微粒子の用途開発・研究の成果として、その粒子径が、金属微粒子を利用する最終製品の性能に対しても、大きな影響を与えることが見出されてきた。例えば、最終製品の高機能化ならびに小型化を図る目的として、粒子径の極めて細かい金属微粒子の利用が検討されている。その目的に併せて、多数種の金属元素について、粒子径の極めて細かな微粒子、より具体的には、平均粒子径がサブミクロン、さらには、ナノメートルのスケールである、金属ナノ粒子を作製する様々の方法が報告されている。
平均粒子径が、サブミクロンあるいは、ナノメートルのスケールである金属微粒子においては、微粒子の球状表面は、微細なステップ状の格子段差で構成されている。平面状の表面に存在する金属原子と比較すると、この微細なステップ状の格子段差上に表出する金属原子は、例えば、表面上における移動能が格段に大きくなるなどの、金属ナノ粒子に特有な性質(ナノサイズ効果)を示す。この様な金属ナノ粒子に特有の性質を応用することで、派生する製品の高性能化、あるいは、新しい機能の付与の可能性が検討され、近年、金属ナノ粒子の新たな用途開発が益々盛んになってきている。例えば、電子機器の小型化に対応する、配線の微細化に対して、大きな技術的寄与を期待して、熱伝導率や電気伝導度の高い銅の微粒子化、ならびに、銅微粒子の利用法に関して、多くの検討がなされている。
平均粒子径がナノメートル・スケールの微細な銅微粒子の製造方法として、ガス中蒸発法(気相法)により銅微粒子を製造する方法が知られている(例えば、特許文献1、等を参照)。このガス中蒸発法(気相法)を利用すると、銅の蒸気圧を制御することによって、目的とする平均粒子径がナノメートル・スケールの微細な銅微粒子を高い制御性、再現性で調製することが可能である。但し、気相法による金属ナノ粒子の作製には、特別な装置が必要であり、大量生産に適用する上では、設備的な観点、またエネルギー効率の観点でも、経済性に難点を内在している。
更には、硝酸銅、硫酸銅、塩化銅、ピロリン酸銅、ギ酸銅などの可溶性銅塩化合物溶液中に溶解している銅イオンを、抱水ヒドラジン(NH2=NH2・H2O;ヒドラジン一水和物)や水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4;テトラヒドロホウ酸ナトリウム)等の還元剤を用いて、銅原子に還元する、所謂、液相法による銅微粒子の製造方法も知られている。この液相法では、原料に用いる銅塩化合物の種類によっては、生成する銅微粒子を沈澱として回収する際、残存する塩(例えば、硝酸塩や硫酸塩等)が混入することがある。この混入する塩化合物を除去するため、溶媒洗浄や濾過を繰り返す必要がある。また、他の金属種を含まない、極めて高純度の原料を利用する必要もあり、可溶性銅塩化合物の種類によっては、精製原料自体が高価であることも少なくない。気相法のように、専用の装置、設備は必要としないが、経済的な観点では、従来の液相法は、大量生産に適用する上では、なお改善すべき点を多く残している。
他にも、金属銅微粉末を製造する方法として、酸化銅粉末を原料とし、還元によって、銅微粉末を製造する方法(特許文献2〜4を参照)が開示されている。但し、これら酸化銅粉末を原料に用いる方法では、生成する金属銅微粉末の粒子径は、通常、サブミクロン以上、ミクロン・オーダーであり、金属ナノ粒子に特有な性質(ナノサイズ効果)を示す極めて微細な粒子径への適用は報告されていない。
特開昭58−186967号公報 特開平2−34708号公報 特開平1−290706号公報 特開昭59−116303号公報 特公昭61−55562号公報
平均粒子径がサブミクロン〜ナノメートル・サイズの金属銅微粒子を作製する際、可溶性銅塩化合物を原料とする、液相法による銅微粒子の製造方法は、有用な手段であるが、還元反応後、反応液中に、該可溶性銅塩化合物に由来する、アニオン種を含む塩化合物が副生する。最終的には、このアニオン種を含む塩化合物を洗浄によって、除去して、生成された金属銅微粒子を回収する工程が必要となる。その際、洗浄廃液中には、低濃度のアニオン種が溶解するが、環境への負荷を考慮すると、これらの低濃度のアニオン種も、固定化、除去を行うことが望まれている。また、原料に用いる、高純度の可溶性銅塩化合物は、例えば、高い純度の酸化銅と、対応するアニオン種を供給する酸化合物との反応によって調製されている。
仮に、高い純度の酸化銅を原料として、液相法によって、平均粒子径がサブミクロン〜ナノメートル・サイズの銅微粒子の製造が可能となれば、前述する可溶性銅塩化合物を原料とする手法と対比すると、前段の可溶性銅塩化合物の作製工程、ならびに、後段の残余するアニオン種の除去工程が不要となる。すなわち、全体工程を考慮すると、大幅に簡便化がなされた製造方法となる。
本発明は、前記の課題を解決するもので、本発明の目的は、酸化銅を出発原料として、一旦、可溶性銅塩化合物へと変換することなく、液相法によって、平均粒子径がサブミクロン〜ナノメートル・サイズの銅微粒子の製造を可能とする方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、鋭意研究を進める際、先ず、従来の手法について再検討を行った。従来、酸化銅は、水に不溶性であるため、液相中に、原料の酸化銅粉末を分散させておき、この分散している微細な酸化銅粉末自体を還元して、銅微粉末を製造する方法が採用されていた。そのため、得られる銅微粉末のサイズは、分散されている微細な酸化銅粉末自体のサイズによって制約を受けている。一方、可溶性銅塩化合物を利用する手法では、一旦、可溶性銅塩化合物を溶解して、液相中に銅イオン種として存在させ、この銅イオン種を還元して、銅原子を生成させ、微細な銅微粒子を形成している。その際、液相中に存在する銅イオン種濃度を適正化すると、単位体積、単位時間当たり、還元反応で生成する銅原子の密度を制御することが可能となる。従って、この限られた密度の銅原子が集合して、形成される金属銅微粒子のサイズも一定の範囲に制御されたものとなっている。
以上の検討結果を考慮しつつ、本発明者らは、更に研究を進め、酸化銅(I)、酸化銅(II)は、アルカリ水溶液に可溶であり、また、アンモニア水、アルカリ性の塩化アンモニウム溶液には、錯イオン種を形成して、溶解する性質がある点に着目した。この性質を利用し、アルカリ性溶液中に、酸化銅(I)、酸化銅(II)を一定の濃度で溶解させた上で、液相中で還元を行うと、単位体積、単位時間当たり、還元反応で生成する銅原子の密度を制御することが可能となることを見出した。その際、生成する銅原子が集合して、形成される金属銅微粒子は、当初、数ナノメートル〜十数ナノメートル程度の粒子径の範囲では、液相中に分散、浮遊した状態であるが、次第に粒子径が拡大して行くと、沈降を始めることが判明した。この沈降した金属銅微粒子複数個が凝集すると、この塊が核となり、その表面に微細な金属銅微粒子が多数融合して、ミクロン・オーダーの凝集体粒子を構成することも判明した。
本発明者らは、この金属銅微粒子複数個が凝集する現象を抑制する手段を模索した結果、反応液中に、均一に溶解された分散剤、例えば、高分子型分散剤を存在させると、生成する金属銅微粒子の粒子径が十数ナノメートル〜数十ナノメートルに達すると、この金属銅微粒子の表面に分散剤、例えば、高分子型分散剤による被覆がなされ、微粒子の凝集に対する抑制作用を発揮することを見出した。同時に、この高分子型分散剤は、酸化銅微粉末の表面をも被覆し、液相中に均一に分散させる機能も有している。アルカリ性の反応溶液中においては、還元反応に伴い、溶解している銅イオン種の濃度が低減すると、この分散剤、例えば、高分子型分散剤で被覆されている酸化銅微粉末の表面から適度な量の溶解が進行し、結果として、液相中に溶解している銅イオン種の濃度は、一定の範囲内に維持される。
換言するならば、少なくともpHが10以上、好ましくは、10.5以上である、アルカリ性の溶液中において、分散剤、例えば、高分子型分散剤で被覆され、均一に分散している状態の酸化銅微粉末表面では、露出している銅原子は、水酸化物イオン(OH-)やアンモニア分子(NH3)が配位した状態となり、これらの配位イオン種や配位子分子と錯イオン種を形成した状態で銅イオン種が溶出される。反応系内には、水酸化物イオン(OH-)やアンモニア分子(NH3)が高い濃度で存在するため、還元剤分子が、直接、酸化銅微粉末表面に近接して、作用を及ぼすことは抑制される。すなわち、少なくともpHが10以上、好ましくは、10.5以上である、アルカリ性の溶液中では、均一に分散している状態の酸化銅微粉末表面から、前記錯イオン種を形成した状態で銅イオン種の溶出は進行するが、直接、還元されて、銅原子に変換される現象は抑制される。
一方、pHが10未満となると、系内に存在する水酸化物イオン(OH-)やアンモニア分子(NH3)の濃度が低く、酸化銅微粉末表面での溶解速度は、極めて小さくなる。代わって、反応系内に添加されている還元剤分子が、直接、酸化銅微粉末表面に近接し、作用することが可能となり、酸化銅微粉末表面で還元反応が起こる。そのため、酸化銅微粉末に相当する粒径サイズの金属銅微粉末が形成される。更には、部分的に還元された銅原子と、酸化銅とが混在した状態に留まった微粉末も含まれる。
すなわち、少なくともpHが10以上、好ましくは、10.5以上である、アルカリ性の溶液中においては、均一に分散している状態の酸化銅微粉末表面の還元は抑制され、一方、液相中に存在している銅イオン種が選択的に還元されるため、この銅イオン種の濃度減少を補うように、酸化銅微粉末表面の溶解が徐々に進行することを見出した。また、反応系内に適量の分散剤を存在させておくことで、液相中に存在している銅イオン種が選択的に還元され、生成する銅原子が集合して形成される金属銅微粒子も、前記分散剤の作用によって、数ナノメートル〜十数ナノメートル程度の粒子径を保ちつつ、液相中に均一に分散させることが可能であることも確認された。
これらの知見に加えて、本発明者らは、上記の分散剤を利用して、系内に均一分散されている酸化銅微粉末を徐々に溶解し、同時に、銅イオン種を還元して、金属銅微粒子の形成を進行させる反応条件を利用すると、得られる金属銅微粒子の粒子径制御性、再現性も優れることを確認して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかる金属銅微粒子の製造方法は、
酸化銅を原料とし、液相中における還元反応によって、平均粒子径10〜200nmの金属銅微粒子を調製する方法であって、
粉末状酸化銅の分散溶液に対して、該粉末状酸化銅に含まれる銅原子100質量部あたり、該粉末状酸化銅ならびに金属銅微粒子に対する分散剤としての機能を有する分散剤10〜100質量部を添加し、加えて、pH調整溶液を添加し、均一化を行って、
液のpHが調整された酸化銅分散溶液を調製する工程と、
該pH調整された酸化銅分散溶液と、含まれる粉末状酸化銅中に含まれる酸素原子1モル量当たり、該酸素原子1モル量以上、5モル量以下を還元除去可能な還元剤総量を含む還元剤溶液とを混合して、少なくともpH10以上の混合液を得る工程と、
不活性ガスを通気しながら、得られる前記混合液を撹拌、加熱還流することにより、前記還元剤を用いた還元により生成する銅原子からなる、金属銅微粒子を析出させる工程と、
を含む
ことを特徴とする金属銅微粒子の製造方法である。その際、前記pH調整された酸化銅分散溶液のpHは、10.5以上13以下の範囲に調整されることが望ましい。また、原料として利用する、前記粉末状酸化銅は、酸化第一銅、酸化第二銅からなる群より選択される一種類以上であることができる。
一方、本発明にかかる金属銅微粒子の製造方法で用いる、前記分散剤は、陰イオン化合物、両性化合物、非イオン化合物、高分子化合物からなる群より選択される一種類以上であることが好ましい。また、前記pH調整溶液として、pH11以上、14以下を示す、水溶性の塩基性化合物の水溶液が好適に使用できる。例えば、前記pH調整溶液としては、pH11以上、14以下を示す水溶液であり、水溶性アルカリ金属化合物水溶液、アンモニア水、アンモニウム塩化合物水溶液、もしくは、これら水溶液二種以上の混合液からなるアルカリ性水溶液の群より選択されるものが、より好ましい。
なお、還元剤溶液の調製に利用される、前記還元剤は、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジン、ヒドラジン化合物からなる群より選択される一種類以上であることが好ましい。その際、前記還元剤溶液が、pH調整溶液の添加によって、pHが10.5以上、13以下の範囲に調整されていることが、より好ましい。
一方、還元反応工程において、反応系内の通気に利用する、前記不活性ガスは、窒素、アルゴン、ヘリウムからなる群より選択される一種類以上であることが望ましい。また、前記加熱還流時の液温度が100℃以下であることが好ましい。
本発明にかかる金属銅微粒子の製造方法は、従来、硝酸銅、硫酸銅、塩化銅、ピロリン酸銅、ギ酸銅などの可溶性銅塩化合物を原料として、これら可溶性銅塩化合物水溶液から、抱水ヒドラジンや水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤を用いた還元反応、所謂、液相法によって製造されていた、ナノレベルの微細粒子径を有する銅微粒子を、酸化銅を原料として、より簡便に製造することを可能とする。また、反応系内には、可溶性銅塩化合物を構成する各種アニオン種を含まないため、製造される銅微粒子を回収する際、これらの各種アニオン種の混入を排除する工程、例えば、各種アニオン種の洗浄・除去工程などが不要となり、製造工程もより簡便なものとなる。また、本発明にかかる製造方法で得られるナノレベルの微細粒子径を有する銅微粒子は、ガス中蒸発法(気相法)を適用することで製造されていた、平均粒子径がナノメートル・スケールの微細な銅微粒子と比較しても、品質的に遜色のないものである。従って、ガス中蒸発法(気相法)における製造装置コストと比較し、液相法における製造装置コストは格段に低い利点を生かし、高い品質のナノレベルの微細粒子径を有する銅微粒子を、より低い製造コストで大量生産する上で、有用な製造方法となる。
従来の液相法による、ナノレベルの微細粒子径を有する銅微粒子の製造方法は、原料として、硝酸銅、硫酸銅、塩化銅、ピロリン酸銅、ギ酸銅などの可溶性銅塩化合物を利用し、その水溶液中の銅イオン種、錯イオン種に対して、抱水ヒドラジンや水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤を用いて還元する手法であった。それに対して、本発明にかかる金属銅微粒子の製造方法は、液pHの調整を行うことで、原料として利用する酸化銅を溶解させ、その水溶液中の銅イオン種、錯イオン種に対する還元反応を可能としている。従って、可溶性銅塩化合物を構成するアニオン種に由来する副生塩の生成を回避しつつ、銅イオン種、錯イオン種の還元によって生成する銅原子から、ナノレベルの微細粒子径を有する銅微粒子の形成がなされる。また、本発明にかかる金属銅微粒子の製造方法では、液中に分散剤を添加することにより、原料の微粉末状酸化銅を均一に分散させた状態で、徐々に溶解させ、同時に、還元反応によって形成されるナノレベルの微細粒子径を有する銅微粒子についても、銅微粒子相互の凝集を防止し、均一に分散する状態に保持する。
以下に、本発明について、より詳しく説明する。
本発明にかかる製造方法では、先ず、原料の微粉末状酸化銅を用いて、分散剤を添加し、液のpHを調整した分散溶液を予め調製し、一方、還元反応で使用される還元剤に関しても、予め所定濃度の還元剤溶液に調製する。
液のpHが調整された酸化銅分散溶液を調製する工程において、原料として用いる酸化銅は、予め微粉末状とする。この微粉末状酸化銅には、酸化第二銅(CuO;式量79.55、密度6.315g・cm-3)、酸化第一銅(Cu2O;式量143.09、密度6.04g・cm-3)のいずれも利用できる。なお、酸化第一銅(Cu2O)は、乾燥空気中では安定であるが、湿度を含む空気中では徐々に酸化を受け、酸化第二銅(CuO)へと変換される。このような、酸化第一銅(Cu2O)と酸化第二銅(CuO)とが混在した状態の微粉末を用いることもできる。微粉末状酸化銅は、外形が円形である必要はないが、粒径分布は、200メッシュ以下(74μm以下)の範囲に収まるものが好適に利用される。
酸化第一銅(Cu2O)と酸化第二銅(CuO)は、酸にも可溶であるが、本発明では、液性をアルカリ性、好ましくは、pH10.5以上、13以下の範囲に選択して、液のpHを調整した酸化銅分散溶液中において、用いる微粉末状酸化銅の一部は溶解し、一部は、微粉末状酸化銅として、均一に分散している状態とする。この未溶解の微粉末状酸化銅を均一に分散させる機能を有する分散剤を、液のpHを調整した酸化銅分散溶液中に配合している。また、配合されている分散剤は、生成する銅微粒子の均一分散を図る際にも利用している。すなわち、粉末状酸化銅ならびに金属銅微粒子の双方に対する分散剤としての機能を有する分散剤が利用される。また、分散剤の配合量は、微粉末状酸化銅の粒径、ならびに未溶解の微粉末状酸化銅の量に応じて、適宜選択するものであるが、通常、原料の粉末状酸化銅に含まれる銅原子100質量部あたり、分散剤の配合量を10〜100質量部の範囲、好ましくは、10〜50質量部の範囲に選択する。
例えば、液性をアルカリ性、好ましくは、pH10.5以上、13以下の範囲に選択する際、粉末状酸化銅ならびに金属銅微粒子の双方に対する分散剤としての機能を有する限り、種々の分散剤が利用可能であるが、配合する分散剤自体、液性をアルカリ性、好ましくは、pH10以上に選択する際、均一に溶解可能なものを利用することが望ましい。一般に、粉末状酸化銅ならびに金属銅微粒子の双方に対する分散剤としては、カチオン界面活性剤としても利用可能な陽イオン化合物、アニオン界面活性剤としても利用可能な陰イオン化合物、両性界面活性剤としても利用可能な両性化合物、非イオン性界面活性剤としても利用可能な非イオン性化合物、あるいは、それ自体分子コロイドの形成が可能な高分子化合物が挙げられる。例えば、液性をアルカリ性、好ましくは、pH10.5以上、13以下の範囲に選択する際には、かかるpHにおいても、良好な溶解性を保持する分散剤を利用することが好ましい。具体的には、例えば、液性をアルカリ性、好ましくは、pH10.5以上、13以下の範囲に選択する際には、陰イオン化合物、非イオン化合物、高分子化合物からなる群より選択される一種類以上であることが好ましい。なお、作製される金属銅微粒子の粒子径よりも、原料に利用する微粉末状酸化銅の粒径は格段に大きく、この数μm程度の微粉末状酸化銅を良好な分散状態とする上では、分子コロイドや真正コロイドを形成可能な高分子化合物を分散剤として好適に利用することができる。この用途に利用される高分子型分散剤の例としては、鎖状構造を有する高分子、例えば、ゼラチン(変性コラーゲン)ペプチド鎖、平均分子量1000〜50000程度のポリビニルアルコール、PVP(ポリビニルピロリゾン)などを挙げることができる。金属銅(密度8.95g・cm-3(20℃))は、酸化第二銅(CuO;密度6.315g・cm-3)、酸化第一銅(Cu2O;密度6.04g・cm-3)と比較して、密度が大きいが、生成される銅微粒子の平均粒子径は、10〜200nmの範囲、多くの場合、10〜100nmの範囲であり、ランダムコイル状のゼラチン(変性コラーゲン)ペプチド鎖によって、良好に分散状態とすることが可能である。また、アニオン界面活性剤としても利用可能な陰イオン化合物である、ポリカルボン酸や、非イオン性界面活性剤としても利用可能な非イオン性化合物である、ポリエチレングルコールも、好適に利用される。
液のpHが調整された酸化銅分散溶液を調製する工程では、分散剤を所定濃度で予め水性溶媒に溶解した溶液を、微粉末状酸化銅の分散した液に添加、混合して、分散剤で被覆された微粉末状酸化銅が均一に分散した液とする。その後、pH調整溶液を必要量加えて、液のpHが調整された酸化銅分散溶液とする。なお、添加、混合の順序を変更することも可能である。例えば、液性をアルカリ性、好ましくは、pH10.5以上に選択する際には、利用するpH調整溶液として、目標とするpH値よりも、少なくとも0.5以上高い、好ましくは、1〜2程度高いpHを示す塩基性化合物水溶液、例えば、pH11以上、14以下を示す、水溶性の塩基性化合物の水溶液が好適に利用できる。例えば、前記pH調整溶液として、pH11以上、14以下を示す水溶液であり、水溶性アルカリ金属化合物水溶液、アンモニア水、アンモニウム塩化合物水溶液、あるいは、これら水溶液二種以上の混合液からなるアルカリ性水溶液の群より選択されるものを利用することが好ましい。その際、水溶性アルカリ金属化合物としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩(正塩)、アルカリ金属炭酸水酸化物塩など、得られる水溶液が高い塩基性を示すものが好適に利用される。
アルカリ金属水酸化物、例えば、水酸化ナトリウム水溶液中には、水酸化物イオン(OH-)が高い濃度で存在しており、銅イオン、例えば、Cu2+カチオン種に配位して、[Cu(OH-42-錯イオン種を生成する。
アンモニア水は、アルカリ性を示すが、水中では、NH3(aq)+H2O→NH4 + +OH- に対する平衡定数(25℃)は、Kb=[NH4 +]×[OH-]/[NH3(aq)]=1.81×10-5(pKb=4.75)程度であり、液性をpH10以上〜pH11強の範囲に維持する、pH調整溶液として、利用可能である。加えて、分散液内に、アンモニア分子(NH3)を溶解させておくと、銅イオン、例えば、Cu2+カチオン種に配位して、[Cu(NH342+錯イオン種とする。塩基性を示すアンモニウム塩化合物としては、炭酸アンモニウム・一水和物((NH42CO3・H2O)、あるいは、炭酸水素アンモニウム(NH4HCO3)とカルバミン酸アンモニウム((NH4)NH2CO2)の混合物などが利用できる。例えば、炭酸アンモニウム・一水和物((NH42CO3・H2O)、あるいは、炭酸水素アンモニウム(NH4HCO3)とカルバミン酸アンモニウム((NH4)NH2CO2)の混合物の水溶液中では、不均化によって、相当量のアンモニア分子(NH3)が派生しており、銅イオン、例えば、Cu2+カチオン種に配位して、[Cu(NH342+錯イオン種とする。
なお、分散剤で被覆された微粉末状酸化銅が均一に分散した液に、前記アルカリ性を示すpH調整溶液を添加して、例えば、pHを10.5以上に調整すると、微粉末状酸化銅の一部は溶解し、平衡する濃度の銅カチオン種や錯イオン種が液中に供給される。
例えば、pH調製溶液として、アンモニア水、アンモニウム塩化合物水溶液を利用する場合には、かかるアンモニア水、アンモニウム塩化合物水溶液が示すpHは、pH11前後であり、調製される酸化銅分散溶液のpHは、pH10.5以上〜pH11強の範囲となる。一方、pH調整溶液として、水溶性アルカリ金属化合物水溶液を利用する場合には、この水溶性アルカリ金属化合物水溶液自体のpHは、pH11以上、14以下の範囲とすることが可能であり、調製される酸化銅分散溶液のpHは、pH10.5以上、pH13以下の範囲に選択することができる。
還元反応で使用される還元剤に関しても、予め所定濃度の還元剤溶液に調製するが、この還元剤としては、前記液相中に存在する銅カチオン種や錯イオン種を銅原子へと還元可能な還元剤を利用する。好適に利用可能な還元剤としては、水溶性の各種テトラヒドロホウ酸塩、例えば、テトラヒドロホウ酸ナトリウム(水素化ホウ素ナトリウム:NaBH4)など、ヒドラジン(H2NNH2)、ヒドラジン一水和物(H2NNH2・H2O)、あるいは、水溶性のヒドラジン化合物、例えば、炭酸ヒドラジンなどを挙げることができる。なお、ヒドラジン(H2NNH2)は、二酸塩基で、塩基解離定数Kb1=[H2NNH3 +]×[OH-]/[H2NNH2]=8.5×10-7、Kb2=[H3NNH3 2+]×[OH-]/[H2NNH3 +]=8.9×10-16(25℃)である。一方、一般には、ヒドラジン(H2NNH2)に代えて、試薬として入手可能なヒドラジン一水和物(H2NNH2・H2O)や、各種比率のヒドラジン・水和物が、汎用の還元剤として利用されている。
本発明においては、前記液のpHが調整された酸化銅分散溶液と同様に、予め所定濃度の還元剤溶液に調製する際、pH調整溶液を添加して、例えば、pHを10.5以上、13以下の範囲に調整することが好ましい。この還元剤溶液に添加されるpH調整溶液として、例えば、pHを10.5以上、13以下の範囲に調整する際には、上記液のpHが調整された酸化銅分散溶液の調製に利用される、pH11以上、14以下を示す、水溶性の塩基性化合物の水溶液が好適に利用できる。例えば、前記pH調整溶液として、pH11以上、14以下を示す水溶液であり、水溶性アルカリ金属化合物水溶液、アンモニア水、アンモニウム塩化合物水溶液、あるいは、これら水溶液二種以上の混合液からなるアルカリ性水溶液の群より選択されるものを利用することが好ましい。
例えば、pH調製溶液として、アンモニア水、アンモニウム塩化合物水溶液を利用する場合には、かかるアンモニア水、アンモニウム塩化合物水溶液が示すpHは、pH11前後であり、調製される還元剤溶液のpHは、pH10.5以上〜pH11強の範囲となる。一方、pH調整溶液として、水溶性アルカリ金属化合物水溶液を利用する場合には、この水溶性アルカリ金属化合物水溶液自体のpHは、pH11以上、14以下の範囲とすることが可能であり、調製される還元剤溶液のpHは、pH10.5以上〜pH13以下の範囲に選択することができる。通常、還元剤溶液のpHは、上記液のpHが調整された酸化銅分散溶液と混合した際、分散されている微粉末状酸化銅が急速に溶解しない範囲、すなわち、酸化銅分散溶液のpHと同程度、あるいは、pH値として1程度低い範囲に選択することが望ましい。
加えて、還元剤溶液と上記液のpHが調整された酸化銅分散溶液とを混合し、還元反応を進める際、反応混合液中において、分散剤濃度の低下を回避することが望ましく、従って、還元剤溶液中にも、分散剤を添加しておくことが好ましい。なお、還元剤溶液中における、分散剤濃度は、上記液のpHが調整された酸化銅分散溶液中に含有される分散剤の含有比率と同程度に選択することが好ましい。
本発明の方法では、反応混合液中において、液相中に溶解している銅カチオン種や錯イオン種は、還元剤により選択的に還元されるが、未溶解の微粉末状酸化銅が直接還元を受けることを回避するため、反応混合液のpHを、少なくとも、pH10以上、好ましくは、pH10.5以上、特には、pH11〜13の範囲とする。すなわち、還元反応に伴って、液相中に溶解している銅カチオン種や錯イオン種は消費されるが、未溶解の微粉末状酸化銅が徐々に溶解して、その消費量を補う形態とする。
また、液相中に溶解している銅カチオン種や錯イオン種の濃度を一定値以上とするため、上記液のpHが調整された酸化銅分散溶液を調製する段階で、液温を高くしておくことが好ましい。但し、未溶解の微粉末状酸化銅を分散するために利用している分散剤は、一般に、液温の上昇とともに、微粉末状酸化銅から離脱し易くなる。従って、この相反する制約要件間において、適度な温度を選択することが望ましい。一般に、上記液のpHが調整された酸化銅分散溶液を調製する段階で、液温を10℃〜90℃の範囲、好ましくは、20℃〜80℃の範囲に選択することが望ましい。同時に、混合した際、反応混合液の液温低下を回避するため、還元剤溶液も、液温を10℃〜90℃の範囲、好ましくは、20℃〜80℃の範囲に選択することが望ましい。
反応混合液中において、液相中に溶解している銅カチオン種や錯イオン種は、還元剤により選択的に還元され、一方では、未溶解の微粉末状酸化銅を徐々に溶解するため、一定の反応時間が経過すると、未溶解の微粉末状酸化銅の残量が減少する。従って、単位時間あたりに、溶解する微粉末状酸化銅量も減少する。この段階に達した後は、反応混合液の液温を上昇させ、溶解速度の保持を図り、単位時間当たりに溶解する酸化銅量の減少を防止することが望ましい。
本発明の方法では、反応混合液中において、液相中には、未溶解の微粉末状酸化銅が残留している状態で、還元反応を開始するため、反応混合液中に含まれる還元剤濃度が過度に高いと、未溶解の微粉末状酸化銅が直接還元を受ける事態もある。反応混合液中のpH、液温、液相中に含まれる銅カチオン種や錯イオン種の濃度を調整しているが、反応混合液中に含まれる還元剤濃度も適正な範囲に調整する。少なくとも、還元剤溶液と上記液のpHが調整された酸化銅分散溶液とを混合する際、この還元剤溶液中に含有される還元剤総量は、該pH調整された酸化銅分散溶液の調製に用いる、粉末状酸化銅中に含まれる酸素原子1モル量当たり、該酸素原子1モル量以上、5モル量以下を還元除去可能な量に選択する。この還元剤総量の範囲とすることで、反応混合液中に含まれる還元剤濃度が過度に高くなることを回避できる。また、使用する原料の粉末状酸化銅から供給される、銅カチオン種や錯イオン種を還元して、銅原子に変換するに必要な還元剤量は、満足されている。より好ましくは、還元剤溶液中に含有される還元剤総量は、pH調整された酸化銅分散溶液の調製に用いる、粉末状酸化銅中に含まれる酸素原子1モル量当たり、それとほぼ等量に相当する、該酸素原子1モル量以上、5モル量以下を還元除去可能な量に選択する。
なお、還元反応の際には、反応混合液中の濃度を均一化し、また、分散されている粉末状酸化銅からの溶解を均一に進めるため、撹拌、加熱還流する。また、一旦生成した銅原子が、反応混合液中に溶存する酸素分子によって、再酸化されないように、反応系には、不活性ガスを通気しながら、撹拌、加熱還流を行い、反応混合液中への酸素分子の溶解を防止する。特に、還元剤として、ヒドラジンのように、揮発性を有する化合物を利用する場合もあり、反応混合液の液温を上昇する際、反応系内にこれら揮発性を示す化合物を保持するため、撹拌、加熱還流を行う。また、不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウムからなる群より選択される一種類以上を用いることが好ましい。また、反応混合液の前記加熱還流時の液温度は、100℃以下であることが好ましい。
本発明では、原料の微粉末状酸化銅から、金属銅微粒子が形成される、還元反応のプロセスは、酸化銅が直接金属銅に還元されるのではなく、酸化銅が一旦アルカリ溶液中に徐々に溶出し銅イオンを生成し、銅イオンが還元されて金属銅原子が析出するものである。そのため、生成する金属銅微粒子は、可溶性銅塩化合物を利用する従来の液相法で得られる金属銅微粒子と同様に、ナノレベルの微細粒子径を有する銅微粒子とできる。つまり、平均粒子径が、10〜100nmの範囲の銅微粒子を、高い再現性で作製可能となる。加えて、添加されている分散剤は、生成する金属銅微粒子の凝集を防止する役割を有している。
また、アルカリ溶液中での微粉末状酸化銅の溶解速度と、銅イオンの還元速度は、分散剤の種類と添加量、還元剤の種類と添加量、反応混合液のpH、液温を、上記の範囲で適正に制御・調整することで、均衡された範囲にコントロールでき、結果として、所望の粒子径の金属銅微粒子を、高い再現性で得ることができる。
なお、本発明の方法は、反応混合液のpHを7〜10未満の範囲に選択して実施することも可能であるが、このpH範囲では酸化銅の溶解速度が遅いため、原料の微粉末状酸化銅の粒径にバラツキがあると、場合によっては、酸化銅表面での還元反応が支配的となり、生成する銅微粒子中に、粒子径の大きなものが混入する。従って、少なくともpH10以上、好ましくは、pH10.5以上の反応混合液を用いることで、前記の工程上のバラツキを回避する形態を選択している。
以下に、具体例を示し、本発明をより具体的に説明する。これらの具体例は、本発明にかかる最良の実施形態の一例ではあるものの、本発明はこれら具体例により限定を受けるものではない。
(実施例1)
0.02molに相当する酸化第二銅(CuO;式量79.55、純正化学株式会社製)粉末1.59gを秤量し、ビーカー中に入れ、12mLの蒸留水を加え、蒸留水中に分散させる。この分散液中に、予め濃度10質量%に調整したゼラチン(変性コラーゲン)水溶液6mLを添加し、その後、1N水酸化ナトリウム水溶液(pH 14)を用いて、pHを12.4に調整する。この酸化第二銅分散液を四つ口フラスコに移し、撹拌しながら、流量50mL/minで窒素ガスを30分間流すことで溶存酸素を除去し、液温50℃に保持する。
一方、別の容器において、5M(5mol/L)ヒドラジン水溶液4mL、蒸留水8mL、および濃度10質量%のゼラチン水溶液6mLを混合し、1N水酸化ナトリウム水溶液を用いて、pHを11.0に調整する。その後、このヒドラジン溶液を、前述の酸化第二銅粉末分散液と同等の温度(50℃)に加熱し、流量50mL/minで窒素ガスを30分間流すことで溶存酸素を除去する。
液温50℃に調整した上で、四つ口フラスコ中の酸化第二銅分散液に、得られるヒドラジン溶液を加えることで、還元反応を開始する。その際、反応混合液の総液量は、40mL、pHは、11となる。反応中、常に、流量50mL/minで窒素ガスを流しながら、反応液を撹拌する。液温50℃で20分間反応させた後、反応液温度を上げ、80℃で2時間保持する。前記反応条件で、還元反応を行った反応液を取り出し、遠心分離して上澄み液を除去する。遠心によって回収した沈澱物は、大気中における酸化を防止するため、窒素置換で溶存酸素を除去した少量の蒸留水中に再分散させる。微粒子状の反応生成物は、この分散液の形態で、窒素ガスを充填した容器内に保存する。上記液相中の還元反応によって得られた微粒子状の反応生成物試料について、粉末X線回折装置によって、該微粒子の組成を同定する。また、該微粒子試料の粒子径分布は、微粒子外形を透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察した結果から算定する。
本実施例1の反応で得られる、微粒子状の反応生成物の組成、該微粒子試料の平均粒子径の評価結果を、表1に示す。
(実施例2)
酸化第二銅(CuO;式量79.55、純正化学株式会社製)粉末に代えて、酸化第一銅(Cu2O;式量143.09)粉末を原料に用い、前記実施例1と同様の条件、手順で還元反応を行う。
0.02molに相当する酸化第一銅(Cu2O;式量143.55)粉末2.87gを秤量し、ビーカー中に入れ、12mLの蒸留水を加え、蒸留水中に分散させる。この分散液中に、予め濃度10質量%に調整したゼラチン(変性コラーゲン)水溶液6mLを添加し、その後、1N水酸化ナトリウム水溶液(pH 14)を用いて、pHを12.4に調整する。この酸化第二銅分散液を四つ口フラスコに移し、撹拌しながら、流量50mL/minで窒素ガスを30分間流すことで溶存酸素を除去し、液温80℃に保持する。
一方、別の容器において、5M(5mol/L)ヒドラジン水溶液4mL、蒸留水8mL、および濃度10質量%のゼラチン水溶液6mLを混合し、1N水酸化ナトリウム水溶液を用いて、pHを11.0に調整する。その後、このヒドラジン溶液を、前述の酸化第二銅粉末分散液と同等の温度(80℃)に加熱し、流量50mL/minで窒素ガスを30分間流すことで溶存酸素を除去する。
液温80℃に調整した上で、四つ口フラスコ中の酸化第二銅分散液に、得られるヒドラジン溶液を加えることで、還元反応を開始する。その際、反応混合液の総液量は、40mL、pHは、11となる。反応中、常に、流量50mL/minで窒素ガスを流しながら、反応液を撹拌する。攪拌しつつ、反応液を液温80℃で2時間保持する。前記反応条件で、還元反応を行った反応液を取り出し、遠心分離して上澄み液を除去する。遠心によって回収した沈澱物は、大気中における酸化を防止するため、窒素置換で溶存酸素を除去した少量の蒸留水中に再分散させる。微粒子状の反応生成物は、この分散液の形態で、窒素ガスを充填した容器内に保存する。上記液相中の還元反応によって得られた微粒子状の反応生成物試料について、粉末X線回折装置によって、該微粒子の組成を同定する。また、該微粒子試料の粒子径分布は、微粒子外形を透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察した結果から算定する。
本実施例2の反応で得られる、微粒子状の反応生成物の組成、該微粒子試料の平均粒子径の評価結果を、表1に示す。
(実施例3)
実施例1においては、分散剤溶液として、濃度10質量%のゼラチン水溶液を利用しているが、本実施例3では、濃度5質量%に調整したポリビニルアルコール水溶液を利用して、前記実施例1と同様の条件、手順で還元反応を行う。
0.02molに相当する酸化第二銅(CuO;式量79.55、純正化学株式会社製)粉末1.59gを秤量し、ビーカー中に入れ、12mLの蒸留水を加え、蒸留水中に分散させる。この分散液中に、予め濃度5質量%に調整したポリビニルアルコール水溶液6mLを添加し、その後、1N水酸化ナトリウム水溶液(pH 14)を用いて、pHを12.4に調整する。この酸化第二銅分散液を四つ口フラスコに移し、撹拌しながら、流量50mL/minで窒素ガスを30分間流すことで溶存酸素を除去し、液温50℃に保持する。
一方、別の容器において、5M(5mol/L)ヒドラジン水溶液4mL、蒸留水8mL、および濃度5質量%のポリビニルアルコール水溶液6mLを混合し、1N水酸化ナトリウム水溶液を用いて、pHを11.0に調整する。その後、このヒドラジン溶液を、前述の酸化第二銅粉末分散液と同等の温度(50℃)に加熱し、流量50mL/minで窒素ガスを30分間流すことで溶存酸素を除去する。
液温50℃に調整した上で、四つ口フラスコ中の酸化第二銅分散液に、得られるヒドラジン溶液を加えることで、還元反応を開始する。その際、反応混合液の総液量は、40mL、pHは、11となる。反応中、常に、流量50mL/minで窒素ガスを流しながら、反応液を撹拌する。液温50℃で20分間反応させた後、反応液温度を上げ、80℃で2時間保持する。前記反応条件で、還元反応を行った反応液を取り出し、遠心分離して上澄み液を除去する。遠心によって回収した沈澱物は、大気中における酸化を防止するため、窒素置換で溶存酸素を除去した少量の蒸留水中に再分散させる。微粒子状の反応生成物は、この分散液の形態で、窒素ガスを充填した容器内に保存する。上記液相中の還元反応によって得られた微粒子状の反応生成物試料について、粉末X線回折装置によって、該微粒子の組成を同定する。また、該微粒子試料の粒子径分布は、微粒子外形を透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察した結果から算定する。
本実施例2の反応で得られる、微粒子状の反応生成物の組成、該微粒子試料の平均粒子径の評価結果を、表1に示す。
(比較例1)
上記実施例1においては、還元反応に利用する、酸化第二銅粉末分散液、ならびに、ヒドラジン溶液の調製に際して、分散剤溶液として、濃度10質量%のゼラチン水溶液を添加しているが、この比較例1では、該ゼラチン水溶液を添加せず、酸化第二銅粉末分散液、ならびに、ヒドラジン溶液の調製を行う。その後、この分散剤を含まない酸化第二銅粉末分散液、ならびに、ヒドラジン溶液を利用して、前記実施例1と同様の条件、手順で還元反応を行う。従って、反応液中には、分散剤が含まれない状態で、還元反応が進行する。
0.02molに相当する酸化第二銅(CuO;式量79.55、純正化学株式会社製)粉末1.59gを秤量し、ビーカー中に入れ、12mLの蒸留水を加え、蒸留水中に分散させる。この分散液中に、更に蒸留水6mLを添加し、その後、1N水酸化ナトリウム水溶液(pH 14)を用いて、pHを12.4に調整する。この酸化第二銅分散液を四つ口フラスコに移し、撹拌しながら、流量50mL/minで窒素ガスを30分間流すことで溶存酸素を除去し、液温50℃に保持する。
一方、別の容器において、5M(5mol/L)ヒドラジン水溶液4mL、蒸留水14mLを混合し、1N水酸化ナトリウム水溶液を用いて、pHを11.0に調整する。その後、このヒドラジン溶液を、前述の酸化第二銅粉末分散液と同等の温度(50℃)に加熱し、流量50mL/minで窒素ガスを30分間流すことで溶存酸素を除去する。
液温50℃に調整した上で、四つ口フラスコ中の酸化第二銅分散液に、得られるヒドラジン溶液を加えることで、還元反応を開始する。その際、反応混合液の総液量は、40mL、pHは、11となる。反応中、常に、流量50mL/minで窒素ガスを流しながら、反応液を撹拌する。液温50℃で20分間反応させた後、反応液温度を上げ、80℃で2時間保持する。前記反応条件で、還元反応を行った反応液を取り出し、遠心分離して上澄み液を除去する。遠心によって回収した沈澱物は、大気中における酸化を防止するため、窒素置換で溶存酸素を除去した少量の蒸留水中に再分散させる。微粉末状の固相成分は、この分散液の形態で、窒素ガスを充填した容器内に保存する。上記液相中の還元反応によって得られた微粉末状の固相成分試料について、粉末X線回折装置によって、該微粉末の組成を同定する。また、該微粉末試料の粒径分布は、微粉末外形を透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察した結果から算定する。
本比較例1の反応で得られる、微粉末状の固相成分の組成、該微粉末試料の平均粒子径の評価結果を、表1に示す。
(比較例2)
上記実施例1においては、還元反応に利用する、酸化第二銅粉末分散液、ならびに、ヒドラジン溶液の調製に際して、1N水酸化ナトリウム水溶液を用いて、液のpHを調整しているが、この比較例2では、酸化第二銅粉末分散液を調製する工程において、水酸化ナトリウム水溶液の添加による、液pH調整を行わない。その後、このpH調整を行っていない酸化第二銅粉末分散液と、pH調整を行っていないヒドラジン溶液を利用して、前記実施例1と同様の手順、温度条件で還元反応を行う。従って、実施例1の場合と比較して、酸化第二銅粉末分散液のpHは低く、また、反応液のpHも低い状態で、還元反応が進行する。すなわち、このpH条件では、酸化第二銅粉末分散液中では、酸化第二銅粉末のうち、相当量は、溶解せず、分散状態となっており、また、反応液中、溶解されている酸化第二銅に対する、ヒドラジンによる還元反応も、よりpHの低い条件でなされる。
0.02molに相当する酸化第二銅(CuO;式量79.55、純正化学株式会社製)粉末1.59gを秤量し、ビーカー中に入れ、12mLの蒸留水を加え、蒸留水中に分散させる。この分散液中に、予め濃度10質量%に調整したゼラチン(変性コラーゲン)水溶液6mLを添加する。このpH調整を施していない酸化第二銅分散液を四つ口フラスコに移し、撹拌しながら、流量50mL/minで窒素ガスを30分間流すことで溶存酸素を除去し、液温50℃に保持する。
一方、別の容器において、5M(5mol/L)ヒドラジン水溶液4mL、蒸留水8mL、および濃度10質量%のゼラチン水溶液6mLを混合する。その後、このヒドラジン溶液を、前述の酸化第二銅粉末分散液と同等の温度(50℃)に加熱し、流量50mL/minで窒素ガスを30分間流すことで溶存酸素を除去する。
液温50℃に調整した上で、四つ口フラスコ中の酸化第二銅分散液に、得られるヒドラジン溶液を加えることで、還元反応を開始する。その際、反応混合液の総液量は、40mL、含まれている塩基性化合物のヒドラジンによって、液のpHは、10.4となる。反応中、常に、流量50mL/minで窒素ガスを流しながら、反応液を撹拌する。液温50℃で20分間反応させた後、反応液温度を上げ、80℃で2時間保持する。前記反応条件で、還元反応を行った反応液を取り出し、遠心分離して上澄み液を除去する。遠心によって回収した沈澱物は、大気中における酸化を防止するため、窒素置換で溶存酸素を除去した少量の蒸留水中に再分散させる。微粉末状の固相成分は、この分散液の形態で、窒素ガスを充填した容器内に保存する。上記液相中の還元反応によって得られた微粉末状の固相成分試料について、粉末X線回折装置によって、該微粉末の組成を同定する。また、該微粉末試料の粒径分布は、微粉末外形を透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察した結果から算定する。
本比較例2の反応で得られる、微粉末状の固相成分の組成、該微粉末試料の平均粒子径の評価結果を、表1に示す。
Figure 0004496026
表1に記載する結果は、下記の事項を査証している。
実施例1〜3においては、原料の酸化銅粉末は、反応に先立ち、強いアルカリ性の液中に一旦溶解された後、還元を受けて、銅原子となり、微細な銅微粒子を形成する。その間に、残余している酸化銅粉末が徐々に溶解して、最終的には、全てが還元されて、微細な銅微粒子となっている。この間、添加されている分散剤は、残余している酸化銅粉末を均一に分散させるとともに、生成する銅微粒子を保持して、銅微粒子の凝集を抑制する役割を果たしている。その結果、生成する銅微粒子の粒子径は、ナノメートルサイズ、あるいは、サブミクロン領域に調節されている。
本発明は、例えば、導電性金属ペースト、触媒など、各種分野において、金属フィラー微粒子として利用可能な、微細な粒子径を有する金属銅微粒子を、原料に安価な酸化銅を使用して、経済的に製造する技術を提供している。すなわち、従来、ガス中蒸発法(気相法)を適用することで製造されていた、平均粒子径がナノメートル・スケールの微細な銅微粒子と比較し、品質的に遜色のない銅微粒子を、原料に酸化銅を使用する液相法によって、商業的な規模の大量生産を可能とする。

Claims (12)

  1. 酸化銅を原料とし、液相中における還元反応によって、平均粒子径10〜200nmの金属銅微粒子を調製する方法であって、
    粉末状酸化銅の分散溶液に対して、該粉末状酸化銅に含まれる銅原子100質量部あたり、該粉末状酸化銅ならびに金属銅微粒子に対する分散剤としての機能を有する分散剤10〜100質量部を添加し、加えて、pH調整溶液を添加し、均一化を行って、
    液のpHが調整された酸化銅分散溶液を調製する工程と、
    該pH調整された酸化銅分散溶液と、含まれる粉末状酸化銅中に含まれる酸素原子1モル量当たり、該酸素原子1モル量以上、5モル量以下を還元除去可能な還元剤総量を含む還元剤溶液とを混合して、少なくともpH10以上の混合液を得る工程と、
    不活性ガスを通気しながら、得られる前記混合液を撹拌、加熱還流することにより、前記還元剤を用いた還元により生成する銅原子からなる、金属銅微粒子を析出させる工程と、
    を含み、
    前記加熱還流時の液温は、100℃以下であり、
    前記液のpHが調整された酸化銅分散溶液は、水を溶媒として使用して調製されており、
    前記還元剤溶液は、水を溶媒として使用して調製されており、
    前記液相中における還元反応は、水を溶媒とする前記混合液中における反応である
    ことを特徴とする金属銅微粒子の製造方法。
  2. 前記pH調整された酸化銅分散溶液のpHは、10.5以上、13以下の範囲に調整される
    ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記粉末状酸化銅が、酸化第一銅、酸化第二銅からなる群より選択される一種類以上である
    ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  4. 前記分散剤が、陰イオン化合物、非イオン化合物、高分子化合物からなる群より選択される一種類以上である
    ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  5. 前記pH調整溶液が、pH11以上、14以下を示す、水溶性の塩基性化合物の水溶液である
    ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  6. 前記pH調整溶液は、pH11以上、14以下を示す水溶液であり、水溶性アルカリ金属化合物水溶液、アンモニア水、アンモニウム塩化合物水溶液、もしくは、これら水溶液二種以上の混合液からなるアルカリ性水溶液の群より選択される
    ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  7. 前記還元剤が、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジン、ヒドラジン化合物からなる群より選択される一種類以上である
    ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  8. 前記還元剤溶液が、pH調整溶液の添加によって、pHが10.5以上、13以下の範囲に調整されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  9. 前記不活性ガスが、窒素、アルゴン、ヘリウムからなる群より選択される一種類以上である
    ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  10. 前記液のpHが調整された酸化銅分散溶液の液温は、10℃〜90℃の範囲に選択され、
    前記還元剤溶液の液温は、10℃〜90℃の範囲に選択されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  11. 前記粉末状酸化銅ならびに金属銅微粒子に対する分散剤としての機能を有する分散剤は、
    ゼラチン(変性コラーゲン)ペプチド鎖、平均分子量1000〜50000のポリビニルアルコール、ポリビニルピロリゾンからなる群から選択される
    ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の製造方法。
  12. 前記粉末状酸化銅ならびに金属銅微粒子に対する分散剤としての機能を有する分散剤は、
    アニオン界面活性剤としても利用可能な陰イオン化合物である、ポリカルボン酸、ならびに、非イオン性界面活性剤としても利用可能な非イオン性化合物である、ポリエチレングリコールからなる群から選択される
    ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の製造方法。
JP2004203542A 2004-07-09 2004-07-09 金属銅微粒子の製造方法 Active JP4496026B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004203542A JP4496026B2 (ja) 2004-07-09 2004-07-09 金属銅微粒子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004203542A JP4496026B2 (ja) 2004-07-09 2004-07-09 金属銅微粒子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006022394A JP2006022394A (ja) 2006-01-26
JP4496026B2 true JP4496026B2 (ja) 2010-07-07

Family

ID=35795881

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004203542A Active JP4496026B2 (ja) 2004-07-09 2004-07-09 金属銅微粒子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4496026B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103658675A (zh) * 2013-12-23 2014-03-26 广东东硕科技有限公司 纳米铜线及其制备方法
CN108465825A (zh) * 2018-04-25 2018-08-31 常州市蓝勖化工有限公司 一种润滑油添加剂专用单分散纳米铜粉的制备方法

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100790458B1 (ko) * 2006-07-10 2008-01-02 삼성전기주식회사 구리 나노입자 및 그 제조방법
JP5636188B2 (ja) * 2006-07-21 2014-12-03 ヴァルティオン テクニリネン ツッツキムスケスクス 導体および半導体の製造方法
JP4679475B2 (ja) * 2006-08-31 2011-04-27 富士通株式会社 冷却装置、電子機器および冷却媒体
JP5117420B2 (ja) * 2008-03-27 2013-01-16 古河電気工業株式会社 銅微粒子分散水溶液の製造方法及び銅微粒子分散水溶液の保管方法
JP5306966B2 (ja) * 2008-10-27 2013-10-02 古河電気工業株式会社 銅微粒子分散水溶液の製造方法、及び銅微粒子分散水溶液の保管方法
JP5661273B2 (ja) * 2008-11-26 2015-01-28 三ツ星ベルト株式会社 金属コロイド粒子及びそのペースト並びにその製造方法
JP2010209366A (ja) * 2009-03-06 2010-09-24 Dic Corp 金属ナノ粒子の製造方法
JP5839217B2 (ja) * 2011-05-17 2016-01-06 国立大学法人北海道大学 銅微粒子の製造方法
JP5926644B2 (ja) 2011-09-30 2016-05-25 Dowaエレクトロニクス株式会社 亜酸化銅粉末およびその製造方法
CN103264167A (zh) * 2013-06-09 2013-08-28 南通众诚生物技术有限公司 一种表面改性纳米铜微粒及其制作方法
JP2014129609A (ja) * 2014-03-07 2014-07-10 Hokkaido Univ 銅微粒子の製造方法
CN104162657A (zh) * 2014-07-21 2014-11-26 江苏大学 一种超长铜纳米线及其制备方法
CN105945302B (zh) * 2016-05-20 2017-11-28 金陵科技学院 一种抗氧化纳米铜粉的制备方法
JP6868627B2 (ja) * 2016-08-03 2021-05-12 株式会社Adeka 銅粉の製造方法
CN108480616B (zh) * 2018-03-21 2020-04-24 苏州思美特表面材料科技有限公司 一种有效控制金属粉体颗粒表面粗糙度的粉末制备方法
CN110976901A (zh) * 2019-12-31 2020-04-10 湘潭大学 一种纳米铜粉的制备方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001070435A1 (fr) * 2000-03-22 2001-09-27 Ebara Corporation Particules metalliques composites ultrafines

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001070435A1 (fr) * 2000-03-22 2001-09-27 Ebara Corporation Particules metalliques composites ultrafines

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103658675A (zh) * 2013-12-23 2014-03-26 广东东硕科技有限公司 纳米铜线及其制备方法
CN103658675B (zh) * 2013-12-23 2015-06-24 广东东硕科技有限公司 纳米铜线及其制备方法
CN108465825A (zh) * 2018-04-25 2018-08-31 常州市蓝勖化工有限公司 一种润滑油添加剂专用单分散纳米铜粉的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006022394A (ja) 2006-01-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4496026B2 (ja) 金属銅微粒子の製造方法
KR101193762B1 (ko) 고분산성 구상 은 분말 입자의 제조 방법 및 그로부터 형성된 은 입자
US8293144B2 (en) Composition containing fine silver particles, production method thereof, method for producing fine silver particles, and paste having fine silver particles
Songping et al. Preparation of micron size copper powder with chemical reduction method
US8529963B2 (en) Method for preparing dispersions of precious metal nanoparticles and for isolating such nanoparticles from said dispersions
CN101778799B (zh) 氧化亚铜的球形组装粒子组合物及其制备方法
JP5070138B2 (ja) 金属ナノ粒子の製造方法
US20080157029A1 (en) Method of producing copper nanoparticles and copper nanoparticles produced thereby
JP5827341B2 (ja) 銀粉末製造用反応器および連続製造法
JP5392910B2 (ja) 銅微粒子の製造方法
JP2008075181A (ja) マイクロ波を用いた銅ナノ粒子の製造方法
JP2013541640A (ja) 銀粒子およびその製造方法
JP2012525506A (ja) 銀粒子およびその製造方法
JP2010534280A (ja) 銅粒子組成物の製造方法
JP2006089786A (ja) 極性溶媒に分散した金属ナノ粒子の製造方法
Mourdikoudis et al. Colloidal chemical bottom-up synthesis routes of pnictogen (As, Sb, Bi) nanostructures with tailored properties and applications: a summary of the state of the art and main insights
JP2006045655A (ja) 銀ナノ粒子とその製造方法
JP2006118010A (ja) Agナノ粒子及びその製造方法、Agナノ粒子の分散溶液
CN111687429A (zh) 一种片式电子元器件端浆银粉及其制备方法
KR101368404B1 (ko) 금속 나노입자 및 이의 제조방법
JP2005281781A (ja) 銅ナノ粒子の製造方法
CN102307689A (zh) 用于制备分散的结晶型氧化稳定铜颗粒的方法
JP4448962B2 (ja) ニッケル被覆微粒子銅粉の製法
CN116060631A (zh) 一种简单制备银铜双金属纳米颗粒的方法
JP5485122B2 (ja) 硫黄含有ニッケル粒子とその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070601

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090417

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090603

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090622

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100324

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100412

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4496026

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130416

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130416

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140416

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250