JP4495978B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子とこの素子を用いた面光源および表示装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子とこの素子を用いた面光源および表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、発光効率、とくに発光光の外部取り出し効率にすぐれた有機エレクトロルミネッセンス素子と、この素子を用いた高効率な面光源および表示装置に関する。
電極間に発光層を設け、電気的に発光を得るエレクトロルミネッセンス素子は、ディスプレイ表示装置としての利用はもちろん、平面型照明、光ファイバー用光源、液晶ディスプレイ用バックライト、液晶プロジェクタ用バックライトなどの各種光源としても、盛んに研究開発が進んでいる。

とくに、有機エレクトロルミネッセンス素子は、発光効率、低電圧駆動、軽量、低コストという点ですぐれており、近年、非常に注目を浴びている。これら光源用途において、最大の関心事は発光効率の向上であり、蛍光灯に匹敵する発光効率を目標として、素子構成、材料、駆動方法、製造方法などの改良が検討されている。
しかし、有機エレクトロルミネッセンス素子のように、発光層自体から発光を取り出す固体内発光素子では、発光層の屈折率と出射媒質との屈折率により決まる臨界角以上の発光光は全反射し内部に閉じ込められ、導波光として失われる。

古典論的な屈折の法則(スネルの法則)による計算では、発光層の屈折率をnとすると、発生した光が外部に取り出される光取り出し効率ηは、η=1/(2n2 )で近似される。仮に発光層の屈折率が1.7である場合、η≒17%程度となり、80%以上の光は導波光として素子側面方向の損失光として失われていることになる。
また、有機エレクトロルミネッセンス素子の場合では、電極から注入された電子・正孔の再結合により生成する励起子のうち、発光に寄与するのは1重項励起子のみであり、その生成確率は1/4である。すなわち、これだけを考慮しても、効率は5%以下と極めて低いものとなってしまう。

近年、発光層自体の発光効率を上げる方法として、3重項励起子からの燐光からも発光が得られる発光材料の開発(特開2001−313178号公報)も進んでおり、飛躍的に量子効率を向上できる可能性も見出されている。

しかし、仮に量子効率が向上しても、取り出し効率はそれに乗ずる形で発光効率を低下させてしまう。言い換えると、取り出し効率が改善されれば、相乗効果として飛羅的に効率を向上できる余地が残されている。
導波光を外部に取り出すには、発光層と出射面との間に反射・屈折角を乱れさせる領域を形成し、スネルの法則を崩し、本来導波光として全反射される光の伝送角を変化させてやるか、発光自体に集光性を持たせる必要がある。しかしながら、これら導波光をすべて外部に出射させうるような領域を形成することは容易ではない。よって、できるだけ多くの導波光を取り出す提案が多数なされている。
たとえば、取り出し効率を改善する方法として、基板自体に集光性を持たせることで取り出し効率を向上させる方法(特開昭63−314795号公報)や、発光層をディスコチック液晶で形成し、発光光自体の正面指向性を向上させる方法(特開平10−321371号公報)、素子自体に立体構造や傾斜面、回折格子などを形成する方法(特開平11−214162号、特開平11−214163号、特開平11−283751号などの各公報)が提案されている。

しかしながら、これらの提案では、複雑な構成になってしまったり、発光層自体の発光効率が低いなどの問題がある。
また、比較的簡単な方法として、光拡散層を形成して、光の屈折角を変化させ、全反射条件にある光を減らす方法も提案されている。

たとえば、内部と表面で屈折率の異なる屈折率分布構造を有する粒子を透明基材中に分散させた拡散板を使用する方法(特開平6−347617号公報)、透光性基体上に単粒子層を並べた拡散部材を使用する方法(特開2001−356207号公報)、発光層と同じ材質中に散乱粒子を分散させる方法(特開平6−151061号公報)など、数多く提案されている。

これらの提案は、散乱粒子の特性、分散マトリックスとの屈折率差、粒子の分散形態、散乱層の形成場所などの特徴を見出したものである。
ところで、有機エレクトロルミネッセンス素子に用いられる透明基板は、すぐれた透明性、強度、低コスト、ガスバリア性、耐薬品性、耐熱性などの観点から、専らガラスが用いられ、一般的なソーダライムガラスなどの屈折率は1.52程度である。

また、光取り出し面側の電極には透明電極が用いられる。透明電極には酸化インジウムに酸化錫をドープした酸化インジウム錫(ITO)が、そのすぐれた透明性と電気伝導性から広く用いられている。ITOの屈折率は、その組成、成膜方法、結晶構造などにより変化するが、およそ1.9〜2.0であり、非常に高屈折率な材料である。

また、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層に用いられる発光材料や電子輸送性材料、正孔輸送性材料などの有機層の屈折率は、一般的にベンゼン環をその分子構造内に多く含んだπ共役結合系であるため、一般的な有機材料に比べて、屈折率が高く、およそ1.65〜1.75程度のものが多い。
このような有機エレクトロルミネッセンス素子において、発光層にて発生した発光光は全空間に放射される。前記のような屈折率関係にある場合、ガラス基板と空気層界面だけでなく、ITO層とガラス基板でも全反射が生じる。

つまり、後述する図7において、発光層の屈折率を1.7、ITOの屈折率を1.9、ガラス基板の屈折率を1.52、空気層の屈折率を1と仮定すると、発光層からITO層に光が伝送する際は、発光層よりITO層の屈折率の方が高いため、全反射は起こらず、表面反射する光を除いたすべての光はITO層に入る。しかし、発光層の屈折率はガラス基板の屈折率より高いため、臨界角が存在する。
よって、臨界角以上の伝送角を持つ光は、ITOとガラス基板の界面で全反射され、素子内部に閉じ込められる。また、ガラス基板に入った光は、ガラスと空気の界面で全反射され、素子内部に閉じ込められる。これらの割合を、立体角を考慮して計算すると、外部に出射できる光が約20%、ガラス/空気界面で反射される光が約35%、ITO/ガラス界面で反射される光が約45%となる。

したがって、仮にガラス基板上に光拡散層などを形成したとしても、取り出すことのできる光はガラス/空気界面で反射される光のみであり、ITO/ガラス界面で反射される光に対しては、なんら効果を発揮できない。しかも、前述の通り、古典論的な計算では、発光光の約45%はその界面で失われているのである。
ところで、また、有機エレクトロルミネッセンス素子は、電界を印加することにより、陽極より注入された正孔と陰極より注入された電子とが再結合して励起子となり、蛍光物質(または燐光物質)が発光する原理を利用したものである。よって、量子効率を上げるには、この再結合が効率良く行われる必要がある。

その方法として一般的に行われるのが、素子を積層構造とする方法である。積層構造の例としては、正孔輸送層/電子輸送性発光層の2層型、正孔輸送層/発光層/電子輸送層の3層型などが挙げられる.また、効率を上げるために、ダブルヘテロ構造とするような積層型素子も多数提案されている。
このような積層構造の場合、再結合はある領域で、ほぼ集中して起こる。

たとえば、前記2層型の有機エレクトロルミネッセンス素子であれば、図10に示すように、支持基板1上で反射性電極(陰極)3と透明電極(陽極)2とからなる一対の電極間に挟持された正孔輸送層4と電子輸送性発光層5の界面層から、およそ10nm程度、電子輸送性発光層側の領域6で集中的に発生する(Takuya Ogawa,et al,「IEICE TRANS ELECTRON」Vol.E85−C,No.6,頁1239、2002の報告)。

また、発光領域6で発生する光は、全方向に放射される。その結果、図11に示すように、透明電極2側の光取り出し面方向に放射した光と、反射性電極3側に放射し反射されて光取り出し面方向に放射される光に光路差が生じる。
図11において、通常、有機エレクトロルミネッセンス素子の電子輸送性発光層の厚さは、数十〜百数十nmであり、可視光波長のオーダーである。したがって、最終的に外部に出射する光は干渉を起こし、発光領域と反射性電極との距離dにより強め合ったり弱め合ったりする。

また、図11では、正面方向の放射光のみを記述しているが、実際には斜め方向の光も存在し、距離dと発光波長λによっては、放射光の角度により干渉条件が異なる。その結果、正面方向の光は強め合い、広角度方向の光は弱め合う場合や、その反対の場合が起こりうる。つまり、発光輝度が視角度により変化する。もちろん、距離dが大きくなると、角度により顕著に光の強度が変化することになる。

よって、通常は正面方向の光が互いに強め合うように、距離dが発光波長のおよそ1/4波長の長さとなるように膜厚が設定される。
また、距離dが、たとえば50nm程度より薄くなると、通常金属が用いられる反射性電極では光の吸収が顕著になり、発光強度の低下と強度分布にも影響が現れる。つまり、有機エレクトロルミネッセンス素子では、発光領域と反射性電極との間の距離dにより、放射光分布が顕著に変化し、前述した導波光成分もそれに伴い大きく変化する。

さらに、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光スペクトルは、比較的広い波長にわたってブロードな特性をもっている。したがって、距離dにより強め合う波長域が変化する結果、発光ピーク波長が変化する。また、距離dによっては、発光スペクトルも視角度により変化する。
これらの問題を解決するために、視角により発光色が異なる現象を抑制するように、膜厚を選定する提案がなされている(特許文献1参照)。しかしながら、この提案には、導波光に関する記述はなく、この提案で発光色の視角依存性が抑制できる膜厚は、後述する本発明の範囲とは明らかに異なるものである。
以上の理由より、発光光のうち約80%は導波光として素子内部に閉じ込められているという古典論的な計算では、積層型の有機エレクトロルミネッセンス素子の外部取り出し効率は正しく見積もれないことになる。

すなわち、導波光成分も素子構成により顕著に変化しているのである。たとえば、M.H.Luらの報告(J.Appl.Phys.,Vol.91,No.2,p.595,2002)によれば、マイクロキヤビティー効果を考慮した量子論的計算手法により、素子構成による導波光成分の変化について詳細な研究がなされている。
特開平5−3081号公報(第2〜4頁)
本発明は、上述したような従来の技術に鑑み、素子内部に導波光として閉じ込められている損失光、とくに従来取り出すことが困難であった透明電極とガラス基板界面で全反射される損失光をも効率良く取り出し、外部取り出し効率にすぐれた有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することを目的としており、またこの素子を使用した高効率な面光源および表示装置を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記の課題を解決するため、鋭意検討した結果、以下のような知見を得た。これを、図7〜図9を用いて説明する。

まず、図7は、前記の図10に示した2層型の有機エレクトロルミネッセンス素子に関して、その発光領域からの発光光が外部に出射されるときの模式図を、上半球面のみについて、示したものである。実際には、反射性電極方向の発光光も存在するが、ここでは省略している。
この図7おいて、既述のとおり、全方位に放射される発光光は、まず、透明電極とガラス基板の界面で全反射を受け、内部に閉じ込められる。これは、ガラス基板の屈折率が通常1.52程度であり、発光層の屈折率より低いためである。発光層の屈折率を1.7、ガラス基板の屈折率を1.52とすると、古典論的な計算では、この界面における損失は全発光光の約45%に相当する。

つぎに、ガラス基板に伝送した光はさらに空気界面で全反射を受け、内部に閉じ込められる。この界面における損失は同様の計算で全発光光の約35%に相当する。したがって、実際に外部に出射し、観測者に届くのは、僅か20%となる。
そこで、上記の図7(図10)に示す2層型の有機エレクトロルミネッセンス素子において、図8に示すように支持基板(ガラス基板)1上に光の反射・屈折角に乱れを生じさせる領域8として光拡散層を形成すると、空気/ガラス界面で全反射する光については、全反射条件にある伝送光を拡散させることで、そのいくらかの光を外部に導くことができる。しかし、この手法により取り出せる光は、空気/ガラス界面での全反射光のみであり、ガラス基板/透明電極の界面で全反射される光は、上記領域8に入射することさえできないため、外部取り出し効率の向上に対してなんら効果を発揮できない。
本発明者らは、上記問題を克服するため、さらに検討を続けた結果、屈折率が発光層の屈折率と同等またはそれ以上の透明層を透明電極に隣接して形成し、その後、光を拡散、屈折させるようにすることにより、ガラス基板/透明電極の界面で全反射される光をも外部に導くことができ、その結果として、全体の約80%に相当する光を対象として効果を発揮できるものであることがわかった。
図9は、この点を理解してもらうため、上記の図7(図10)に示す2層型の有機エレクトロルミネッセンス素子において、支持基板1の屈折率を発光層の屈折率と同等にした場合の様子を示したものである。発光層から発生した発光光のすべては、既述のとおり、屈折率の高い透明電極まで伝送する。つぎに、支持基板に入射する際、その屈折率が発光層より低いと全反射が生じるが、発光層の屈折率以上であれば、スネルの法則により臨界角は存在せず、すべての光が支持基板まで入射できるようになる。
ここで、支持基板の屈折率が高くなると、空気/支持基板界面での臨界角が小さくなり、結局、外部に取り出される光は全体の僅か20%となる点は同じである。しかるに、厚さが合計でも数百nmしかないような極めて薄い薄膜内に閉じ込められた光とは異なり、支持基板のように比較的厚い層にまで光を導くことができれば、有機エレクトロルミネッセンス素子の特性を損なうことなく、それらを取り出すことができる。
また、既述のとおり、実際の有機エレクトロルミネッセンス素子では、光の干渉効果が起こる。通常は、外部に出射できる正面方向の光が強めあうように素子構成を決定するのが普通である。この場合、導波光は逆に弱め合うように干渉するため、光の反射・屈折角に乱れを生じさせる領域を形成しても、大きな輝度向上効果は望めない。
しかしながら、本発明者らは、上記従来の方法とは異なり、わざと正面方向の光は弱めあい、通常は導波光として素子内部に閉じ込められる広角度成分の光を強め合うように素子構成を決定して、大部分の光量が分布する導波光を増幅したうえで光の反射・屈折角に乱れを生じさせる領域を形成してみたところ、上記従来の方法に比べて、発光効率が著しく高められるものであることがわかった。

つまり、光の反射・屈折角に乱れを生じさせる領域を設けない、通常の有機エレクトロルミネッセンス素子ではかえって発光効率が低下するが、上記領域を設けることにより、従来構成の素子に上記領域を設ける場合よりも、最終的に高効率な有機エレクトロルミネッセンス素子が得られるものであることがわかった。
本発明は、以上の知見をもとにして、完成されたものである。

すなわち、本発明は、発光層を含む少なくとも1層の有機層と、これを挟持する少なくとも一方が透明電極である陽極電極と陰極電極とからなる一対の電極とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、透明電極の光取り出し面側に隣接して屈折率が上記の発光層と同等またはそれ以上の透明層を設け、かつこの透明層の光取り出し面側に隣接してあるいは透明層の内部光の反射・屈折角に乱れを生じさせる領域を設けてなり、上記の光の反射・屈折角に乱れを生じさせる領域が、透明材料中にこれとは屈折率の異なる平均粒子径が0.2〜20μmの透明材料または不透明材料を分散分布させた光拡散性部位からなるか、レンズ構造からなるか、または1μm以上の表面粗さを有する凹凸面からなると共に、上記の有機層と一対の電極が、上記の透明層および光の反射・屈折角に乱れを生じさせる領域を設けていない状態で、光取り出し面から観測者側に放射される発光光の正面輝度値と50度〜70度方向の輝度値が、式(1);正面輝度値<50度〜70度方向の輝度値、の関係を満たすように形成されていることを特徴とする有機エクトロルミネッセンス素子(以下、単に有機EL素子という)に係るものである

また、本発明は、上記の透明層が、つぎの式(I);
1 −N=C=N(−R−N=C=N−)n−R1 …(I)
(式中、Rは有機ジイソシアナート残基、R1 は有機モノイソシアナート残基、nは1〜100の整数である)で表されるポリカルボジイミド樹脂である上記構成の有機EL素子、とくに、上記のポリカルボジイミド樹脂が、式(I)中のR(有機ジイソシアネート残基)の10モル%以上がナフタレンジイソシアネート残基からなるものである、また、式(I)中のR1 (有機モノイソシアネート残基)が1−ナフチルイソシアネート残基からなるものである、上記構成の有機EL素子に係るものである。

また、本発明は、透明層に平均粒子径が1〜100nmの微粒子が少なくとも1種分散分布されている上記構成の有機EL素子に係るものである。
さらに、本発明は、このような有機EL素子のとくに好ましい態様として陽極電極と陰極電極とからなる一対の電極が反射性電極と透明電極とからなり、正孔と電子の再結合発光領域の中心部と反射性電極との距離をd(nm)、発光層に用いている材料の蛍光発光スペクトルのピーク波長をλ(nm)、発光層と反射電極の間の有機層の屈折率をnとした場合、式(2):(0.3/n)λ<d<(0.5/n)λ、の関係を満たす上記構成の有機EL素子に係るものである。
また、本発明は、上記各構成の有機EL素子を具備することを特徴とする面光源に係るものであり、また上記各構成の有機EL素子を具備することを特徴とする表示装置に係るものである。
このように、本発明は、素子内部に本来損失光として閉じ込められている導波光を効率良く取り出すことができ、発光効率にすぐれた有機EL素子を提供できる。とくに、従来では取り出すことが困難であった、透明電極とガラス基板界面での全反射光を取り出すことができる点で、従来の有機EL素子とは大きく異なっている。

また、この有機EL素子を面光源や表示装置に適用することにより、低消費電力化が可能となり、素子に通電する電流を小さくできるので、有機材料の劣化も軽減され、素子の長寿命化にもつながる。

加えて、光の反射・伝送角に乱れを生じさせる領域を形成することにより、有機EL素子にみられるガークスポットが発生しても、それがほとんど視認されなくなり、長時間にわたり外観変化のない有機EL素子を提供できる効果も得られる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参考にして、説明する。

図1は、本発明の2層型の有機EL素子の一例を示したものである。これは、基本構成として、支持基板1上に透明電極(陽極)2、正孔輸送層4、電子輸送性発光層5および反射性電極(陰極)3が順次積層された構成を有する。

つまり、正孔輸送層4と電子輸送性発光層5からなる有機層が、透明電極(陽極)2と反射性電極(陰極)3とからなる一対の電極間に挟持された構成を有しており、動作時には正孔輸送層4と電子輸送性発光層5の界面層から約10nm程度電子輸送性発光層側の領域で再結合が生じて、図示される発光領域6で集中して発光が生じる。
なお、この2層型とは異なる、たとえば、正孔輸送層/発光層/電子輸送層の3層型の有機EL素子では、電極間に電圧を印加すると、陽極からは正孔が、陰極からは電子が注入され、これらがそれぞれのキャリア輸送層を移動し発光層にて再結合して励起子が発生し、上記同様にEL発光が生じる。
また、上記の有機EL素子においては、本発明の効果をより良く発現させるため、上記の基本構成として、とくに、正面方向の発光光は弱め合うが、素子内部に閉じ込められる導光光は強め合うような構成とされているのが望ましい。このことを、図2の特性図を用いて、さらに詳しく説明する。
図2は、上記の基本構成のみからなる(つまり、後述する透明層や光の反射・屈折角に乱れを生じさせる領域を設ける前の)有機EL素子について、その輝度の角度分布を、正面0度から80度まで10度おきに測定した特性図である。図中、曲線−aは本発明のもの、曲線−bは従来のものである。

ただし、基本構成中、透明電極2の厚さは100nm、正孔輸送層4の厚さは50nm、電子輸送性発光層5の厚さは140nm(本発明のもの)および60nm(従来のもの)である。素子に流す電流は上記本発明のものと従来のものとで同じとなるように電圧を印加して測定してある。
この図2から、従来のものは、正面輝度値、つまり正面0度方向の輝度値が高く、しかも比較的広い範囲にわたって輝度値がおよそ一定であり、完全拡散型の好ましい輝度分布を示している。これに対し、本発明のものは、正面輝度値が低く、かつ広角度になるほど輝度が高くなる特性を示している。

つまり、本発明のものは、輝度の角度依存性において、式(1);正面輝度値<50度〜70度方向の輝度値、の関係を満たすように構成されている。

なお、この関係は、上記の例では、電子輸送性発光層5の厚さの違いにより、達成しているが、発光層5を含む有機層と一対の電極との材料や厚さなどを適宜選択することにより、任意に達成できるものである。
また、本発明のさらに好ましい態様として、正孔と電子の再結合発光領域6の中心部と反射性電極3との距離をd、発光層(この場合は電子輸送性発光層5)に用いている材料の蛍光発光スペクトルのピーク波長をλ、発光層と反射性電極3の間の有機層(この場合は電子輸送性発光層5)の屈折率をnとしたときに、式(2);(0.3/n)λ<d<(0.5/n)λ、の関係を満たすように、構成されているのが望ましい。

たとえば、上記の例で、電子輸送性発光層5の蛍光発光のピーク波長が540nmの緑色光であり、その屈折率が1.65であれば、上記の距離dは98.2〜163.6nmの範囲となるようにされているのがよい。
また、上記の説明は、発光光が緑色光である場合を例にとっているが、実際の照明用途などでは白色発光する有機EL素子がより重要となる。白色発光させる方法には、発光層にそれぞれ、青色と黄色、青色と緑色と赤色など、複数の発光材料を分散させる方法や、青色発光層、緑色発光層、赤色発光層、黄色発光層を、それぞれ分けて積層する方法や、材料自体が白色発光するものを用いる方法など、他種多用である。
これらの有機EL素子は、蛍光灯などと同様、各波長域に複数の発光ピークを有する。この場合、発光波長、再結合領域、反射性電極の距離により、波長域によって正面方向の発光光が強め合う場合と弱め合う場合が顕著に変化することになる。

たとえば、既述した白色発光の有機EL素子において、1層の発光層に青色、緑色、赤色の発光材料が分散されているタイプを考え、それぞれの発光ピーク波長を450nm、540nm、630nmとすると、式(2)を満足する距離dは、発光層の屈折率を1.65とすると、青色で81.8〜136nm、緑色で98.2〜163.6nm、赤色で114.6〜190.9nmとなり、それぞれ異なることになる。
本発明では、このように式(1)の関係を満たし、より好ましくは式(2)の関係をも満たす基本構成としたうえで、透明電極2の光取り出し面側に隣接して、屈折率が発光層と同等またはそれ以上の透明層7を設け、かつこの透明層7の光取り出し面側に隣接して、実質的に光の反射・散乱角に乱れを生じさせる領域8として、上記同様の透明層をマトリックスとしこれとは屈折率の異なる拡散粒子を分散した光拡散層を設けたことを特徴とする。これにより、透明層7と透明電極2との界面における全反射光はなくなり、すべての発光光が光拡散層8で散乱を受け、導波光が外部に出射される割合が高められ、結果として、発光輝度が大きく向上する。
本発明において、上記の透明層7に関し、屈折率が発光層と同等またはそれ以上とは、発光層の屈折率に対し、0.95倍以上、好ましくは発光層の屈折率以上、さらに好ましくは1.05倍以上であることを意味している。

なお、図1においては、光拡散層8を通過した光は、すべて外部に取り出されるが如く描かれているが、実際には光拡散層8を通過した光も、支持基板1の界面でやはり全反射を受けて、閉じ込められる。しかしながら、支持基板1と空気層の界面で全反射された光は、反射性電極3での反射、光拡散層8を再度通過、を幾度となく繰り返すことにより、最終的に外部に取り出されることになる。
また、上記の光の反射・散乱角に乱れを生じさせる領域8は、図1の構成では透明層7の光取り出し面側に隣接して設けているが、図3に示すように透明層7の内部に部分的にまたは内部全体に設けてもよい。つまり、透明層7自体を前記した光拡散層8で構成してもよい。さらに、図4に示すように支持基板1として透明層材料からなるものを使用し、この基板1自体を透明層7とすることもできる。

また、この図4においては、透明層7を兼ねる支持基板1の光取り出し面側に隣接して前記同様の光拡散層8を形成しているが、この光拡散層8に代えて、図5に示すように、透明層7を兼ねる支持基板1の光取り出し面側にレンズアレイを形成したり、物理的な凹凸面を形成するようにしてもよい。

なお、上記した図3〜図5において、その他の構成要素は、図1と同じであり、同一番号を付して、その説明を省略する。
また、本発明の有機EL素子においては、図6に示すように、支持基板1上に反射性電極3、電子輸送性発光層5、正孔輸送層4および透明電極2をこの順に設け、この上にさらに上記したような透明層7および光拡散層8を順次設けることにより、支持基板1の反対面側から発光光を取り出す、いわゆる上面取り出し方式の有機EL素子としてもよい。この場合、支持基板1は透明性であることをとくに必要としない。
さらに、反射性電極の代わりに、両方を透明電極で形成した、両面取り出し方式の有機EL素子に、本発明を適用することもできる。この場合、両方の透明電極に前記した透明層および光拡散層を形成することにより、両面の発光強度を向上させることができる。このように反射性電極のない両面取り出し方式の有機EL素子の場合は、前記した式(1)および式(2)はとくに満足する必要はない。
その他、本発明の有機EL素子は、屈折率の高い透明電極2の光取り出し面側に隣接して透明層7を設け、この透明層7の光取り出し面側に隣接してあるいは透明層7の内部に実質的に光の反射・散乱角に乱れを生じさせる領域8を設けた構成とされておればよく、上記例示のほか、種々の実施形態をとることができる。また、透明電極2と透明層7との間に表面平滑性、密着性、残存不純物の拡散防止、ガスバリア性の向上などを目的とした別の層を設けてもよい。ただし、この別の層も透明層を構成していることが必要であり、このように別の機能を持った二層以上の透明層を形成してもよい。
本発明の有機EL素子において、前記の基本構成となる有機材料、電極材料、層構成や各層の膜厚に関してはとくに限定はなく、従来技術をそのまま適用することができる。有機層は低分子系の材料を真空蒸着して形成してもよいし、高分子系の材料を塗布法などにより形成してもよく、とくに制限はない。
具体的な構成として、前記した2層型の有機EL素子である陽極/正孔輸送層/電子輸送性発光層/陰極のほか、3層型の有機EL素子である陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極、これらの積層型素子とは異なる陽極/発光層/陰極などの種々の構成を選択することができ、とくに限定はない。

陽極界面に正孔注入層や陰極界面に電子注入層を設けたり、再結合効率を高めるための電子ブロック層、正孔ブロック層を挿入した構成としてもよい。基本的には、発光効率がより高くなる構成、材料、形成方法を選択すると、少ない消費電力で強度のEL発光が得られ、本発明の効果がより高められる。
電極材料も、適宜最適なものを選択できる。陽極には、酸化インジウム錫(ITO)、アンチモンドープ酸化錫、酸化亜鉛などの透明導電膜が用いられる。この透明導電膜の屈折率はおよそ1.9以上であるため、本発明の効果が発揮される。陰極には、MgとAgをおよそ10:1の原子比で共蒸着したものや、Ca電極、Liを微量ドープしたAl電極などが陰極の低仕事関数化による電子注入効率向上の点より、好ましく用いられるが、既述のとおり、とくに限定されるものではない。
本発明における支持基板としては、透明性の有無にかかわらず、一般的なものを使用できる。ガラス基板を用い、発光を透明電極を介してガラス基板側に取り出す方法のほか、既述のように、不透明な金属板を支持基板に使用し、この支持基板とは逆の方面から光を取り出すような構成としてもよい。

また、陽極を透明電極とする以外に、陰極として有機層界面から厚さ数nm〜十数nmの透光性を維持できる薄さの金属電極を形成し、その後に、ITOを形成するなどして、陰極を透明電極としてもよい。

さらに、ポリマーフィルムのように可撓性のある材料を支持基板に使用してもよいし、既述のとおり、支持基板自体が透明層を構成していてもよく、また支持基板自体に光の反射・屈折角に乱れを生じさせる領域を形成したものでもよい。
本発明における透明層の材料には、有機材料、無機材料にかかわらず、その屈折率が発光層の屈折率と同等またはそれ以上であれば好適に用いることができる。

たとえば、硫黄原子を含むような高屈折率ガラスや、屈折率が1.65であるポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂など、発光層の屈折率に対して0.95倍以上のものであれば、ある程度、本発明の効果を発現させることができる。加工性の点からすると、樹脂材料であるのが望ましい。
しかしながら、成型加工性、耐熱性、熱膨張係数、防湿性、透明電極との密着性、透明性など屈折率以外の特性も重要であり、これらの特性は満足するが、屈折率が本発明を満足しないような材料も多い。また、本発明の効果を最大限に発揮するためには、発光層の屈折率の1.05倍以上の屈折率であることが望ましい。これらの観点からすると、透明層にこれよりも屈折率が高く粒子径が光の波長より小さい微粒子を添加することにより、さらなる高屈折率化をはかるのが望ましい。また逆に、屈折率の調整のために、屈折率の低い微粒子を分散分布させることもできる。
このような目的で用いられる微粒子には、TiO2 、ZrO2 、ZnO、Y2 3 、SnO2 、CdO、PbO、SiO2 、Sb2 5 、Al2 3 、CeO2 、In2 3 、HfO2 、In2 3 にSnO2 をドープしたもの、SbO2 にSb2 5 をドープしたものなどの金属酸化物や、その他、ZnSなどの硫化物、セレン化物、テルル化物などが挙げられ、とくに制限されない。また、これら微粒子の形状は、真球状であっても、そうでなくてもよく、可視光域で散乱が起こらなければ、広く使用できる。
これら微粒子の粒子径としては、可視光の波長よりも十分に小さく、可視光域で光散乱を生じない大きさ以下とされていることが必要であり、平均粒子径が1〜100nm、好ましくは1〜50nmであるのがよい。

これら微粒子の添加量については、とくに限定はないが、樹脂100重量部に対して、微粒子が10〜500重量部となる割合とするのがよい。微粒子の屈折率、添加量を変えることにより、ある範囲で任意の屈折率に制御できる。

これら微粒子の製造方法も限定はなく、微粒子の分散性を改善するため、なんらかの表面処理、表面修飾を施したものであってもよい。
本発明における透明層の屈折率は、既述のとおり、発光層の屈折率の0.95倍以上、好ましくは発光層の屈折率以上、さらに好ましくは発光層の1.05倍以上である。発光層の屈折率はその分子構造により異なるが、高いものでは1.75を超えるものもある。この場合、通常の樹脂材料では屈折率がたいてい1.7以下であり、この屈折率を十分に上げるには、上記したような微粒子を多量に添加する必要がある。
また、本発明において、光拡散層を形成する場合、前記屈折率を上げるために添加する微粒子に加え、光を散乱させるための拡散粒子を添加する必要がある。また、レンズ構造や凹凸構造を形成する場合、あまり微粒子の割合を増加させると、樹脂本来の加工性が損なわれるばかりか、強度低下なども懸念され、樹脂としての特性を損なうおそれがある。このため、マトリックスとなる樹脂自体の屈折率はできるだけ高いほど好ましく、樹脂単独で発光層の屈折率よりも高い材料が好適である。

しかし、一般的な樹脂の屈折率は1.49〜1.65程度であり、メガネのプラスチックレンズに用いられている、硫黄原子を含んだ樹脂など特殊なもの以外では、樹脂単独で本発明の好適に利用できるものはほとんど見当たらない。
本発明者らは、このような状況に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、透明層に適用する材料として、つぎの式(I);
1 −N=C=N(−R−N=C=N−)n−R1 …(I)
(式中、Rは有機ジイソシアネート残基を、R1 は有機モノイソシアネート残基を表し、nは1〜100の整数で表される)で表されるポリカルボジイミド樹脂が、とくに好適であることを見出した。

式(I)中、有機ジイソシアネート残基(R)には、トリレンジイソシアネート残基、ジフェニルメタンジイソシアネート残基、ナフタレンジイソシアネート残基、ヘキサメチレンジイソシアネート残基、ドデカメチレンジイソシアネート残基などがあり、単一の基でも2種以上の混合基でもよい。中でも、ナフタレンジイソシアネート残基を、全有機ジイソシアネート残基中、10モル%以上占めるのが望ましい。また、有機モノイソシアナート残基(R1 )には、とくに1−ナフチルイソシアネート基が好ましい。
このようなポリカルボジイミド樹脂は、たとえば、数種の有機ジイソシアネートを使用し、これらをカルボジイミド化触媒および溶媒の存在下、0〜150℃、好ましくは10〜120℃で、カルボジイミド化反応させ、有機モノイソシアネートにて末端封鎖することにより、得ることができる。このように末端封鎖したポリカルボジイミド樹脂は、溶液の保存安定性にすぐれている。

ここで、有機モノイソシアネートによる末端封鎖は、重合反応の末期、中期、初期のいずれか、もしくは全般にわたり、反応系に有機モノイソシアネートを加えることにより、実施することができる。反応の終点としては、IR測定によるカルボジイミド基由来の吸収(2,140cm-1)の観測およびイソシアネート基由来の吸収(2,280cm-1)の消失により、確認することができる。
有機ジイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、リジンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、1−メトキシフェニル−2,4−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシ−4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2,2−ビス〔4−(4−イソシアネートフェノキシ)フエニル〕ヘキサフルオロブロパン、2,2−ビス〔4−(4−イソシアネートフェノキシ)フェニル〕プロパンなどの1種または2種以上が挙げられる。

とくに、ナフタレンジイソシアネートを10モル%以上用いるのが望ましい。その他、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネートなども好ましい。
有機モノイソシアネートとしては、フェニルイソシアネート、p−ニトロフェニルイソシアネート、p−またはm−トリルイソシアネート、p−ホルミルフェニルイソシアネート、p−イソプロピルフェニルイソシアネート、1−ナフチルイソシアネートなどの芳香族モノイソシアネートが好ましく、その1種または2種以上が用いられる。

これらの有機モノイソシアネートの中でも、とくに、1−ナフチルイソシアネートを使用すると、このモノイソシアネート同士が反応せず、かつ効率良くポリカルボジイミドの末端封鎖を進行できるので、望ましい。
このような有機モノイソシアネートは、有機ジイソシアネート100モルあたり、1〜10モルの割合で用いられる。1モル未満となると、ポリカルボジイミド樹脂の分子量が大きくなりすぎたり、架橋反応による溶液粘度の上昇や溶液の固化が起こり、ポリカルボジイミド樹脂溶液の保存安定性が低下しやすい。また、10モルを超えると、ポリカルボジイミド樹脂溶液の溶液粘度が低すぎるために、塗布乾燥によるフィルム成形に際して、良好に成膜しにくくなる。
有機ジイソシアネートとして、脂肪族ジイソシアネートと芳香族ジイソシアネートを使用し、両者をカルボジイミド化触媒の存在下で反応させるときは、低温で反応させるのが好ましい。すなわち、反応温度は0〜50℃が好ましく、10〜40℃がより好ましい。反応温度が50℃より高いと、芳香族ジイソシアネート同士の反応が優先的に進行し、脂肪族ジイソシアネートと芳香族ジイソシアネートの反応が十分に進行しなくなる。

また、このように重合反応させて得られるポリカルボジイミド樹脂に、反応系に過剰に存在する芳香族ジイソシアネートをさらに反応させるときには、反応温度を40〜150℃とするのが好ましく、50〜120℃とするのがより好ましい。上記反応温度が40℃未満となると、反応の進行に時間がかかり実用的でなくなり、また150℃を超えると、反応溶媒の選択が難しくなる。
反応溶媒および得られるポリカルボジイミド樹脂の希釈溶液として用いられる有機溶媒は、従来公知のものであってよい。

具体的には、テトラクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル系溶媒、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒などを挙げられる。これらの有機溶媒は、その1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。

反応系での有機ジイソシアネートの濃度は、5〜80重量%であるのが望ましい。5重量%より低くなると、カルボジイミド化反応が進行しない場合があり、また80重量%を超えると、反応の制御が難しくなる場合がある。
カルボジイミド化触媒としては、公知のリン系触媒がいずれも好適に用いられる。具体的には、1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−2−ホスホレン−1−オキシド、3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、これらの3−ホスホレン異性体などのホスホレンオキシドを挙げることができる。
カルボジイミド化反応の終了後に、反応液をメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ヘキサンなどの貧溶媒に投入し、ポリカルボジイミド樹脂を沈澱させて析出し、未反応のモノマーや触媒を取り除いてもよい。

ポリカルボジイミド樹脂溶液を調製するには、沈澱させて析出したポリマーを所定の操作にて洗浄、乾燥し、再度、有機溶媒に溶解すればよい。このような操作を行うことで、ポリカルボジイミド樹脂の溶液安定性を向上できる。

ポリカルボジイミド樹脂溶液中に含まれる副生成物は、適当な吸着剤などに吸着させて精製してもよい。吸着剤には、アルミナゲル、シリカゲル、活性炭、ゼオライト、活性酸化マグネシウム、活性ボーキサイト、フラースアース、活性白土、分子ふるいカーボンなどを単独でまたは混合して使用することができる。
このようにして得られるポリカルボジイミド樹脂は、非常に高い屈折率を有するため、これをそのまま透明層の材料として使用することができる。

また、このポリカルボジイミド樹脂にさらに前記した微粒子を添加することにより、上記樹脂本来の特徴を損なうことなく、透明電極の屈折率にほぼ近い透明層として、本発明の効果をより良く発揮させることができる。
本発明において、光の反射・屈折角に乱れを生じさせる領域は、基本的に、全反射角以上の角度にある光の伝送角を効率良く全反射角以下の伝送角に乱すことができ、素子内部に閉じ込められている導波光をより多く外部に出射できるように形成されておればよく、その形成方法については、とくに限定はない。すなわち、従来より提案されているものをそのまま応用することができる。
たとえば、前記した光拡散層として、透明材料中にこれとは屈折率の異なる透明材料または不透明材料を分散分布させた光拡散性部位を形成すればよい。具体的には、透明層材料であるポリカルボジイミド樹脂中にシリカ粒子、チタニア粒子、ジルコニア粒子、プラスチック粒子、液晶粒子、気泡などを分散分布させたものなどがある。

これらの屈折率および屈折率差や粒子の粒径などに限定はないが、光散乱を生じさせるという観点から、粒径は0.2〜20μm、好ましくは0.3〜10μm、より好ましくは0.5〜5μmであり、屈折率差は0.05以上であるのがよい。
また、レンズ構造も好適に用いることができる。レンズ構造とは、同心円状、互いに平行な複数本の線状、格子状などに配列ないし形成された複数のレンズ、プリズム、V字溝などにより、直進する光の方向を変化させる薄型板状透明物質を意味する。

具体例としては、レンティキュラーレンズ、フレネルレンズ、コーナーキューブレンズ、ハエの目レンズ、猫の目レンズ、二重ハエの目レンズ、二重レンティキュラーレンズ、放射状レンティキュラーレンズ、プリズムレンズ、マイクロプリズムレンズなどや、これらのレンズの凸面を凹面に変えてなるレンズ、透明球または半透明球を面状に並べたものなどが挙げられる。また、V字溝などの溝を彫ることによって光の方向を変化させたものでもよい。
さらに、支持基板表面または各界面に物理的な凹凸面を形成してもよい。具体的には、周期的な凹凸構造を転写するなどして、形成することができる。また、凹凸面の大きさは光の波長より大きい方がよく、具体的には1μm以上であるのがよい。それより凹凸面が小さいと、効率良く光の反射・伝送角を乱すことができず、また光の干渉効果により虹色のギラツキが発生するなどの問題がある。
本発明においては、このような構成からなる有機EL素子を発光素子として具備することを特徴とする面光源と、さらに上記有機EL素子を発光素子として具備することを特徴とする表示装置を、提供できる。これらにより、発光効率の高い面光源および表示装置を提供できるものである。
つぎに、本発明を実施例により具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例のみに限定されるものではない。

なお、以下の実施例で使用したポリカルボジイミド樹脂は、下記の合成例1,2により、合成したものである。両合成例は、窒素気流下で行った。また、IR測定は、FT/IR−230(日本電子社製)を用いて行った。
<合成例1>
撹拌装置、滴下漏斗、還流冷却器、温度計を取り付けた500mlの四つ口フラスコに、トリレンジイソシアネート(異性体混合物:三井武田ケミカル社製の「T−80」)29.89g(171.6ミリモル)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート94.48g(377.52ミリモル)、ナフタレンジイソシアネート64.92g(308.88ミリモル)、トルエン184.59gを入れ、混合した。これに1−ナフチルイソシアネート8.71g(51.48ミリモル)と3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−2−オキシド0.82g(4.29ミリモル)を加えて、撹拌しながら100℃に昇温し、2時間保持した。

反応の進行は、赤外分光法にて確認した。具体的には、イソシアネートのN−C−O伸縮振動(2,270cm-1)の吸収の減少とカルボジイミドのN−C−N伸縮振動(2,135cm-1)の吸収の増加を観測した。IRで反応の終点を確認し、反応液を室温まで冷却して、ポリカルボジイミド樹脂溶液を得た。
<合成例2>
操絆装置、滴下漏斗、還流冷却器、温度計を取り付けた500mlの四つ口フラスコに、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート89.01g(355.68ミリモル)、ナフタレンジイソシアネート24.92g(118.56ミリモル)、ヘキサメチレンジイソシアネート44.87g(266.76ミリモル)、トルエン216.56gを入れ、混合した。これに1−ナフチルイソシアナート7.52g(44.46ミリモル)と3−メチル−1−フェニル−2−ホスホレン−2−オキシド0.71g(3.705ミリモル)を加え、25℃で3時間撹拌したのち、撹拌しながら100℃に昇温し、さらに2時間保持した。

反応の進行は、赤外分光法にて確認した。具体的には、イソシアネートのN−C−O伸縮振動(2,270cm-1)の吸収の減少とカルボジイミドのN−C−N伸縮振動(2,135cm-1)の吸収の増加を観測した。IRで反応の終点を確認し、反応液を室温まで冷却して、ポリカルボジイミド樹脂溶液を得た。
上記の合成例1,2で得られたポリカルボジイミド樹脂について、以下の屈折率試験を行った。すなわち、ポリカルボジイミド樹脂溶液を、剥離剤で処理した厚さが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなるセパレータの上に塗布し、130℃で1分間加熱したのち、150℃で1分間加熱して、厚さが50μmのフィルム状サンプルを作製した。

このサンプルを1cm×2cmのサイズに切断し、120℃、150℃および175℃のキュア炉でそれぞれ1時間硬化させたのち、その屈折率を多波長アツペ屈折計(ASTAGO社製のDR−M4)で測定した。

結果は、表1に示されるとおりであった。この結果から、合成例1,2で得たポリカルボジイミド樹脂は、一般的なポリマー樹脂に比べて、高い屈折率を有しており、本発明に適応するに好ましいものであった。
表1
┌────┬───────────────────────┐
│ │ 屈折率(波長:587.6nm) │
│ ├───────┬───────┬───────┤
│ │120℃キュア│150℃キュア│175℃キュア│
├────┼───────┼───────┼───────┤
│合成例1│ 1.7571│ 1.7479│ 1.7443│
│合成例2│ 1.7343│ 1.7245│ 1.7230│
└────┴───────┴───────┴───────┘
合成例1で得られたポリカルボジイミド樹脂溶液に、平均粒子径が0.5μmのシリカ粒子70重量%を含むトルエン溶液を、ポリカルボジイミド樹脂に対して、20重量%の割合で添加し、撹拌した。この分散液を、ガラス基板上に、アプリケータにより塗布し、150℃で1時間キュアして、厚さが1.1mmのガラス基板上に厚さが25μmの光拡散層を兼ねる透明層を形成した。

アッベ屈折計で測定したガラス基板の屈折率は、波長587.6nmにおいて、1.517であった。このサンプルのヘイズ値を反射・透過率計(村上色彩技術研究所社製の「HR−100」)で測定したところ、87.3%であった。
つぎに、図3に示す有機EL素子を作製するべく、光拡散層を兼ねる透明層の面上に、ITOセラミックターゲット(In2 3 :SnO2 =90重量%:10重量%)から、DCスパッタリング法にて、厚さが100nmのITO層を形成し、透明電極(陽極)を形成した。また、これとは別に、図7に示す有機EL素子を作製するべく、光拡散層を兼ねる透明層を形成せず、ガラス基板上に直接、上記と同様にITO層を形成し、透明電極(陽極)とした。

その後、この両透明電極に対して、フォトレジストを用いてITO層をエッチングし、発光面積が15mm×15mmとなるようにパターンを形成した。超音波洗浄を行ったのち、低圧紫外線ランプによりオゾン洗浄した。
ついで、ITO面上に、真空蒸着法により、有機層を順次形成した。まず、正孔注入層として、式(3)で表されるCuPcを、蒸着速度0.3nm/sで、15nmの厚さに形成した。つぎに、正孔輸送層として、式(4)で表されるα−NPDを、蒸着速度0.3nm/sで、50nmの厚さに形成した。最後に、電子輸送性発光層として、式(5)で表されるAlqを、蒸着速度0.3nm/sで、140nmの厚さに形成した。
その後、Mgを1nm/s、Agを0.1nm/sの蒸着速度にて共蒸着して、厚さが100nmのMgAgを形成後、MgAgの酸化防止の観点から、さらに、その上にAgを50nm形成し、反射性電極(背面電極)(陰極)とした。

真空蒸着装置から取り出したのち、陰極電極側に紫外線硬化性エポキシ樹脂を滴下し、その上にスライドガラスを被せ、十分にエポキシ樹脂が広がった時点で高圧紫外線ランプによりエポキシ樹脂を硬化させ、素子を封止した。
Figure 0004495978
このように作製した有機EL素子に、15Vの電圧を印加したところ、10.5mA/cm2 の電流密度で素子に電流が通じ、発光が観測された。

光拡散層を兼ねる透明層を形成していない有機EL素子について、市販の輝度計(トプコン社製の品名「BM9」)により、輝度を、0度〜80度方向まで10度おきに測定した。各輝度値は、0度:126cd/m2 、10度:138cd/m2 、20度:154cd/m2 、30度:181cd/m2 、40度:225cd/m2 、50度:272cd/m2 、60度:307cd/m2 、70度:386cd/m2 、80度:339cd/m2 、であった。
この結果から明らかなように、光拡散層を兼ねる透明層を形成していない有機EL素子は、本発明の式(1)の関係を十分に満たすものであった。

また、この有機EL素子において、正孔と電子の再結合は、ほぼα−NPDとAlqの界面で起こる。よって、本発明でいう正孔と電子の再結合発光領域の中心部と反射性電極との距離dはおよそ140nmであった。また、励起光源にブラックライトを用い、ガラス基板上に蒸着したAlq薄膜に照射した際の蛍光スペクトルのピーク波長λは、およそ530nmであった。

さらに、分光エリプソメータを用いて測定したAlq簿膜の屈折率nは波長590nmにおいて、およそ1.67であった。よって、上記の有機EL素子は、本発明の式(2)の関係も満足するものであった。
つぎに、光拡散層を兼ねる透明層を形成した本発明の有機EL素子に対して、上記と同様にして、15Vの電圧を印加した際の正面輝度を測定した結果、387cd/m2 であった。

光拡散層を兼ねる透明層において、マトリックス樹脂として用いた合成例1で得られたポリカルボジイミド樹脂は、150℃でキユアした場合、屈折率が1.7479であり、この屈折率は、発光層であるAlqの屈折率の約1.05倍であり、本発明の条件を満足するものであった。

この結果から明らかなように、本発明にしたがい、ITO透明電極上に、高い屈折率を有するポリカルボジイミド樹脂をマトリックスとした光拡散層を兼ねる透明層を形成してなる有機EL素子、とくに上記透明層を形成していないときの特性が本発明の式(1),式(2)の関係を満足する有機EL素子によれば、正面輝度の値が126cd/m2 から387cd/m2 と大きく増加するものであることが確認された。
合成例1で得られたポリカルボジイミド樹脂溶液に代え、合成例2で得られたポリカルボジイミド樹脂溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして、光拡散層を兼ねる透明層を形成した。これ以降は、実施例1と同様の手順にて、有機EL素子を作製した。

この有機EL素子に対して、15Vの電圧を印加して、正面輝度を測定したところ、367cd/m2 であり、輝度がやはり増加していることが確認された。
実施例1において、シリカ粒子を含む分散液をガラス基板上に塗布する代わりに、表面を剥離処理したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、上記のシリカ粒子を含む分散液を塗布し、150℃で1時間キュアして、厚さが25μmの光拡散層を形成した。ついで、この光拡散層上に、合成例1で得られたポリカルボジイミド樹脂溶液そのもの(つまり、シリカ粒子を添加していない樹脂溶液)を塗布し、150℃で1時間キュアして、厚さが25μmの透明層を形成した。

PETフィルムから剥離して、全体厚さが50μmのフィルム層(光拡散層と透明層)を得た。このフィルム層を、ガラス基板上に接着積層し、これ以降は、実施例1と同様の手順にて、図1に示す有機EL素子を作製した。

この有機EL素子に対して、15Vの電圧を印加して、正面輝度を測定したところ、543cd/m2 であり、輝度が大きく増加していることが確認された。
ポリエーテルスルホン(PES)樹脂をN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)溶媒に25重量%の濃度で溶解し、これに平均粒子径が0.5μmのシリカ粒子70重量%を含むDMAc溶液を、PESに対して20重量%の割合で添加し、撹拌した。この分散液を、ガラス基板上にアプリケータにより塗布し、150℃で15分間乾燥させ、厚さが25μmの光拡散層を兼ねる透明層を形成した。

アッベ屈折計で測定したPESの屈折率は、波長587.6nmにおいて、1.649であった。このサンプルのヘイズ値を反射・透過率計(村上色彩技術研究所社製の「HR−100」)で測定したところ、84.7%であった。

これ以降は、実施例1と同様の手順にて、図3に示す有機EL素子を作製した。この有機EL素子に対して、15Vの電圧を印加して、正面輝度を測定したところ、356cd/m2 であり、輝度が増加していることが確認された。
比較例1
合成例1で得られたポリカルボジイミド樹脂溶液に、平均粒子径が0.5μmのシリカ粒子70重量%を含むトルエン溶液を、ポリカルボジイミド樹脂に対して、20重量%の割合で添加し、撹拌した。この分散液を、ガラス基板上に、アプリケータにより塗布し、150℃で1時間キュアして、厚さが1.1mmのガラス基板上に厚さが25μmの光拡散層を兼ねる透明層を形成した。
つぎに、光拡散層を兼ねる透明層とは逆のガラス基板上に、ITOセラミックターゲット(In2 3 :SnO2 =90重量%:10重量%)から、DCスパッタリング法にて、厚さが100nmのITO層を形成し、透明電極(陽極)を形成した。

その後、この透明電極に対して、フォトレジストを用いてITO層をエッチングし、発光面積が15mm×15mmとなるようにパターンを形成した。超音波洗浄を行ったのち、低圧紫外線ランプによりオゾン洗浄した。
これ以降は、実施例1と同様の手順にて、図8示す有機EL素子を作製した。この素子に対して、15Vの電圧を印加して、正面輝度を測定したところ、278cd/m2 であった。このように、ITO透明電極上に、屈折率が低いガラス基板が存在している場合、高い屈折率を有するポリカルボジイミド樹脂をマトリックスとした光拡散層を形成しても、輝度の増加は、実施例1と比べて、小さいものであった。
比較例2
光拡散層を兼ねる透明層を形成せず、電子輸送性発光層としてAlqを蒸着速度0.3nm/sで60nmの厚さに形成した以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子を作製した。この有機EL素子に対して、8.2Vの電圧を印加して、10.5mA/cm2 の電流密度で電流を流して発光させ、輝度の角度依存性を調べた。

結果は、各輝度値が、0度:323cd/m2 、10度:323cd/m2 、20度:319cd/m2 、30度:315cd/m2 、40度:302cd/m2 、50度:286cd/m2 、60度:269cd/m2 、70度:244cd/m2 、80度:202cd/m2 、となった。

この結果から明らかなように、上記の有機EL素子は、本発明の式(1)の関係を満足しないものであった。また、この有機EL素子は、本発明でいう正孔と電子の再結合発光領域の中心部と反射性電極との距離dがおよそ60nmであるため、本発明の式(2)の関係も満足しないものであった。
つぎに、Alq層を上記と同様に60nmの厚さに形成した以外は、比較例1と同様にして、有機EL素子を作製した。この有機EL素子に対し、8.2Vの電圧を印加して、正面輝度を測定したところ、335cd/m2 となった。

すなわち、ITO透明電極上に、高い屈折率を有するポリカルボジイミド樹脂をマトリックスとした光拡散層が形成されず、しかも本発明の式(1),式(2)の関係を満足しない場合、輝度の増加はほとんどみられなかった。
一辺が10μmの正四角錐状のピラミッド構造を隙間なく形成した金型に、屈折率が1.65のアクリレート系紫外線硬化性樹脂(大日本インキ化学工業社製の「GRANDIC PC2−720シリーズ」)を、アプリケータを用いて塗布し、高圧紫外線ランプにより、200mJ/cm2 の紫外線を照射して、硬化した。

その面上に、フィルム強度を上げる目的で、PES樹脂をDMAc溶媒に25重量%の濃度で溶解した溶液をさらに塗布し、120℃で20分間乾燥したのち、金型から剥離して、上記ピラミッド構造からなる凹凸が形成された樹脂シートを作製した。
つぎに、この樹脂シートのピラミッド構造を形成した面とは逆側のPES樹脂面に、ITOを100nmの厚さに成膜した。これ以降は、実施例1と同様の手順にて、図5に示す有機EL素子を作製した。

この有機EL素子に対して、15Vの電圧を印加して、正面輝度を測定したところ、402cd/m2 であり、高い輝度が得られることがわかった。
実施例5で作製した有機EL素子のピラミッド構造からなる凹凸面に、屈折率が1.40のカーギル標準屈折液を、有機EL素子の発光部分である15mm×15mmの領域を覆うように滴下し、みかけ上、ピラミッド構造からなる凹凸面を平滑化した。

この有機EL素子に対して、15Vの電圧を印加して、正面輝度を測定したところ、312cd/m2 であり、実施例5に比べると、輝度が低下したが、輝度の向上効果はなお認められた。
比較例3
石英ガラス基板(屈折率1.47)表面を、アルゴンガスを用いた逆スパッタリング法により、平均表面粗さが0.05μmとなるまで粗面化処理を行った。このガラス表面に合成例1で得られたポリカルボジイミド樹脂溶液を、スピンコートにより塗布し、150で1時間キュアして、厚さが3μmの透明層を形成した。

つぎに、この透明層上に、ITOを100nmの厚さに成膜した。これ以降は、実施例1と同様の手順にて、有機EL素子を作製した。この有機EL素子に対して、15Vの電圧を印加して、正面輝度を測定したところ、138cd/m2 であった。

この結果から明らかなように、ガラス基板の表面粗さが本発明の範囲より小さい場合、輝度の向上効果はほとんど認められなかった。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の一つ目の例を示す断面図である。 本発明および従来の有機エレクトロルミネッセンス素子の基本構成についての輝度の角度依存性を示す特性図である。 本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の二つ目の例を示す断面図である。 本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の三つ目の例を示す断面図である。 本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の四つ目の例を示す断面図である。 本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の五つ目の例を示す断面図である。 本発明の原理説明図である。 本発明の別の原理説明図である。 本発明のさらに別の原理説明図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の発光領域を示す説明図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の輝度についての説明図である。
符号の説明
1 支持基板
2 透明電極(陽極)
3 反射性電極(陰極)
4 正孔輸送層
5 電子輸送性発光層
6 発光領域
7 透明層
8 光の反射・屈折角に乱れを生じさせる領域

Claims (8)

  1. 発光層を含む少なくとも1層の有機層と、これを挟持する少なくとも一方が透明電極である陽極電極と陰極電極とからなる一対の電極とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、透明電極の光取り出し面側に隣接して、屈折率が上記発光層と同等またはそれ以上の透明層を設け、かつこの透明層の光取り出し面側に隣接してあるいは透明層の内部光の反射・屈折角に乱れを生じさせる領域を設けてなり、上記の光の反射・屈折角に乱れを生じさせる領域は、透明材料中にこれとは屈折率の異なる平均粒子径が0.2〜20μmの透明材料または不透明材料を分散分布させた光拡散性部位からなるか、レンズ構造からなるか、または1μm以上の表面粗さを有する凹凸面からなると共に、上記の有機層と一対の電極が、上記の透明層および光の反射・屈折角に乱れを生じさせる領域を設けていない状態で、光取り出し面から観測者側に放射される発光光の正面輝度値と50度〜70度方向の輝度値が、式(1);正面輝度値<50度〜70度方向の輝度値、の関係を満たすように形成されていることを特徴とする有機エクトロルミネッセンス素子。
  2. 透明層は、つぎの式(I);
    1 −N=C=N(−R−N=C=N−)n−R1 …(I)
    (式中、Rは有機ジイソシアネート残基、R1 は有機モノイソシアネート残基、nは1〜100の整数である)で表されるポリカルボジイミド樹脂からなる請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. ポリカルボジイミド樹脂は、式(I)中のR(有機ジイソシアネート残基)の10モル%以上がナフタレンジイソシアネート残基からなるものである請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. ポリカルボジイミド樹脂は、式(I)中のR1 (有機モノイソシアネート残基)が1−ナフチルイソシアネート残基からなるものである請求項またはに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 透明層には、平均粒子径が1〜100nmの微粒子が少なくとも1種分散分布されている請求項1〜のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 陽極電極と陰極電極とからなる一対の電極が反射性電極と透明電極とからなり、正孔と電子の再結合発光領域の中心部と反射性電極との距離をd(nm)、発光層に用いている材料の蛍光発光スペクトルのピーク波長をλ(nm)、発光層と反射性電極との間の有機層の屈折率をnとすると、式(2);(0.3/n)λ<d<(0.5/n)λ、の関係を満たす請求項1〜5のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を具備することを特徴とする面光源。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を具備することを特徴とする表示装置。

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