JP6155566B2 - 有機led素子用の積層基板、透明電極付き積層基板、及び有機led素子 - Google Patents

有機led素子用の積層基板、透明電極付き積層基板、及び有機led素子 Download PDF

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Description

本発明は、有機LED素子用の積層基板、及び有機LED素子に関する。
有機LED素子は、透明基板、透明電極、有機層、及び反射電極をこの順で有する。有機層の発光光は、透明電極、及び透明基板を透過し、透明基板の取り出し面から外部に放出される。透明電極から該透明電極よりも低い屈折率の透明基板に臨界角以上の入射角で入射する光は、透明電極と透明基板との界面で全反射される。また、透明基板から該透明基板よりも低い屈折率の空気に臨界角以上の入射角で入射する光は、透明基板と空気との界面で全反射される。光取り出し面と反射電極との間を何度も往復する間に、光は熱に変換されるか、有機LED素子の側面から放出される。
そこで、光取り出し効率を向上するため、透明電極と透明基板との間に凹凸層を設ける技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。凹凸層は透過型の回折格子を形成する。透明電極から回折格子に入射する光のうち、大部分は回折格子を透過し、残部は回折格子で反射される。
回折格子で反射される光は、回折格子による干渉効果によって入射角よりも小さい反射角で反射するので、反射電極で反射され回折格子に再度入射するとき、ほとんどの光は回折格子を透過する。
回折格子を透過する光は、0次回折光、1次回折光、2次回折光等に分かれ、透明基板の光取り出し面に入射する。この入射角が臨界角未満の光は、光取り出し面から外部に放出される。一方、この入射角が臨界角以上の光の大部分は、光取り出し面で全反射された後、光取り出し面と反射電極との間を1回以上往復する間に、回折格子を透過することで、臨界角未満の入射角に変化し、最終的に光取り出し面から外部に放出される。
特開平11−283751号公報
従来の技術では、十分な光取り出し効率が得られなかった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、光取り出し効率が高い有機LED素子用の積層基板の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様による有機LED素子用の積層基板は、
透明基板、該透明基板上に設けられる凹凸層、及び該凹凸層の凹凸面上に設けられる平坦化層を備え、有機層の発光光を、前記平坦化層、及び前記凹凸層を介して、前記透明基板における前記凹凸層側と反対側の面から外部に取り出すためのものであって、
前記凹凸層は、基材、及び該基材中に分散する光散乱材を含み、回折格子を形成する

本発明によれば、光取り出し効率が高い有機LED素子用の積層基板が提供される。
本発明の第1実施形態による有機LED素子を示す断面図 図1の透過型の回折格子によって光の全反射が低減されることを説明するための図である。 レイリー散乱の概念図 ミー散乱の概念図 ミー散乱によって光の向きが正面方向に揃うことを確認するためのシミュレーションのモデル図 シミュレーションの結果を示す図 第1実施形態の第1変形例による有機LED素子を示す断面図 第1実施形態の第2変形例による有機LED素子を示す断面図 本発明の第2実施形態による有機LED素子を示す断面図 図9のプリズムによって光の全反射が低減されることを説明するための図 第2実施形態の第1変形例による有機LED素子を示す断面図 第2実施形態の第2変形例による有機LED素子を示す断面図 本発明の第3実施形態による有機LED素子を示す断面図 図13のレンズによって光の全反射が低減されることを説明するための図 第3実施形態の第1変形例による有機LED素子を示す断面図 第3実施形態の第2変形例による有機LED素子を示す断面図 本発明の第4実施形態による有機LED素子を示す断面図 図17のモスアイ構造による光の透過の説明図 第4実施形態の第1変形例による有機LED素子を示す断面図 第4実施形態の第2変形例による有機LED素子を示す断面図
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。各図面において、同一の又は対応する構成には、同一の又は対応する符号を付して、説明を省略する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態による有機LED素子を示す断面図である。図1において、便宜上、凹凸層30の凹凸を誇張して示す。
有機LED素子10は、ボトムエミッションタイプであって、透明基板20、凹凸層30、平坦化層40、透明電極50、有機層60、及び反射電極70をこの順で有する。透明基板20、凹凸層30、及び平坦化層40で積層基板11が構成され、透明電極50、有機層60、及び反射電極70等で発光素子12が構成される。照明用の場合、1つの発光素子12が平坦化層40上に形成されてよい。画像表示用の場合、発光素子12は画素毎に設けられ、複数の発光素子12が平坦化層40上に配列される。
有機層60の発光光は、透明電極50、平坦化層40、凹凸層30、透明基板20を透過し、透明基板20の光取り出し面21から外部に放出される。光取り出し面21は、透明基板20における凹凸層30側と反対側の面である。
本実施形態では、凹凸層30が回折格子31を形成する。回折格子31は、平坦化層40側に設けられる。以下の説明で、回折格子31での入射角、反射角は、光取り出し面21に対して垂直な方向(以下、「正面方向」という)と、光の進行方向とのなす角を意味する。
(透明基板)
透明基板20は、例えばガラス基板、樹脂基板であってよい。透明基板20は、耐湿性の高いガラス基板であることが好ましい。ガラス基板のガラスとしては、アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、及び石英ガラス等が挙げられる。一般的には、ソーダライムガラス等のアルカリシリケートガラスが用いられる。ガラスの屈折率は、例えば1.4〜1.9である。透明基板20の屈折率は、透明電極50の屈折率以下であることが好ましい。樹脂基板の樹脂としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。樹脂基板の耐湿性を高めるため、樹脂基板上に耐湿バリア層が設けられてよい。耐湿バリア層は、酸化ケイ素等の金属酸化物、窒化ケイ素等の金属窒化物、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、ガラス等で形成される。
本明細書において、「屈折率」とは、Heランプd線(波長:587.6nm)を用いて25℃で測定した屈折率を意味する。屈折率はアッベの屈折率計により測定される。
透明基板20の厚さは、例えば0.001mm〜2.0mmである。好ましくは0.001mm〜1.0mmである。
(透明電極)
透明電極50は、有機層60に正孔を供給する陽極である。透明電極50の材料としては、ITO(Indium Tin Oxide)、SnO、ZnO、IZO(Indium Zinc Oxide)、AZO(ZnO−Al:アルミニウムがドーピングされた亜鉛酸化物)、GZO(ZnO−Ga:ガリウムがドーピングされた亜鉛酸化物)、NbドープTiO、TaドープTiO等が挙げられる。これらの材料の屈折率は、例えば1.7〜2.2である。透明電極50は、2種以上の材料を用いて形成される積層膜であってもよい。
透明電極50の厚さは、例えば50nm以上である。50nm未満では、電気抵抗が高くなる。
(有機層)
有機層60は、一般的な構成であってよく、少なくとも発光層を含み、必要に応じて正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層を含む。例えば、有機層60は、陽極側から、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、及び電子注入層をこの順で含む。
正孔注入層は、陽極とのイオン化ポテンシャルの差が小さい材料で形成される。高分子では、ポリスチレンスルフォン酸(PSS)がドープされたポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT:PSS)等が用いられる。低分子では、フタロシアニン系の銅フタロシアニン(CuPc)等が用いられる。
正孔輸送層は、正孔注入層から注入された正孔を発光層に輸送する。正孔輸送層の材料としては、例えば、トリフェニルアミン誘導体、N,N'−ビス(1−ナフチル)−N,N'−ジフェニル−1,1'−ビフェニル−4,4'−ジアミン(NPD)、N,N'−ジフェニル−N,N'−ビス[N−フェニル−N−(2−ナフチル)−4'−アミノビフェニル−4−イル]−1,1'−ビフェニル−4,4'−ジアミン(NPTE)、1,1−ビス[(ジ−4−トリルアミノ)フェニル]シクロヘキサン(HTM2)及びN,N'−ジフェニル−N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−1,1'−ジフェニル−4,4'−ジアミン(TPD)等が用いられる。正孔輸送層の厚さは、10nm〜150nmが好ましい。厚さは薄ければ薄いほど低電圧化できるが、電極間短絡の問題から10nm〜150nmであることが好ましい。
発光層は、陽極及び陰極から注入された電子と正孔との再結合によって生じるエネルギーで発光する。発光層におけるホスト材料への発光色素のドーピングは、高い発光効率を得ると共に、発光波長を変換させる。発光層の有機材料には、低分子系と高分子系の材料がある。さらに、発光機構によって、蛍光材料、りん光材料に分類される。発光層の有機材料には、例えば、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム錯体(Alq3)、ビス(8−ヒドロキシ)キナルジンアルミニウムフェノキサイド(Alq′2OPh)、ビス(8−ヒドロキシ)キナルジンアルミニウム−2,5−ジメチルフェノキサイド(BAlq)、モノ(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)リチウム錯体(Liq)、モノ(8−キノリノラート)ナトリウム錯体(Naq)、モノ(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)リチウム錯体、モノ(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)ナトリウム錯体及びビス(8−キノリノラート)カルシウム錯体(Caq2)等のキノリン誘導体の金属錯体、テトラフェニルブタジエン、フェニルキナクドリン(QD)、アントラセン、ペリレン並びにコロネン等が挙げられる。ホスト材料としては、キノリノラート錯体が好ましく、特に、8−キノリノール及びその誘導体を配位子としたアルミニウム錯体が好ましい。
電子輸送層は、電極から注入された電子を輸送する。電子輸送層の材料としては、例えば、キノリノールアルミニウム錯体(Alq3)、オキサジアゾール誘導体(例えば、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール(BND)及び2−(4−t−ブチルフェニル)−5−(4−ビフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)等)、トリアゾール誘導体、バソフェナントロリン誘導体、シロール誘導体等が用いられる。
電子注入層は、例えば陰極表面にリチウム(Li)、セシウム(Cs)等のアルカリ金属をドーピングした層であってよい。
(反射電極)
反射電極70は、有機層60に電子を供給する陰極である。反射電極70は、有機層60の発光光を有機層60側に反射する。
反射電極70は、アルカリ金属(例えばAl)、アルカリ土類金属(例えばMg)、周期表第3族の金属のうち少なくともいずれか1種を含む。例えば、反射電極70は、MgAgの共蒸着膜、LiF若しくはLiOの薄膜蒸着膜の上にAlを蒸着した積層膜、又はアルカリ土類金属(例えばCa、Ba)の層にアルミニウム(Al)を積層した積層膜であってよい。
(凹凸層)
凹凸層30は、例えばインプリント法で透明基板20上に形成される。インプリント法では、透明基板20とモールドとの間に成形材料の層を挟み、モールドの凹凸パターンが転写した凹凸層30を透明基板20上に形成する。凹凸層30の凹凸パターンは、モールドの凹凸パターンが略反転したパターンである。
透明基板20がガラス基板の場合、ガラス基板は、ガラスと成形材料との密着を高めるため、予め表面処理が施されたものであってよい。表面処理としては、プライマー処理、オゾン処理、プラズマエッチング処理等が挙げられる。プライマーとしては、シランカップリング剤、シラザン等が用いられる。
光インプリント法では、光硬化性樹脂を含む成形材料の層の表面にモールドの凹凸パターンを押し付け、光を照射し、成形材料の層を固化(硬化)させることで凹凸層30を形成する。
光硬化性樹脂を硬化させる光としては、例えば紫外光、可視光、赤外光等が挙げられる。紫外光の光源としては、紫外線蛍光灯、紫外線LED、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン灯、炭素アーク灯等が挙げられる。可視光の光源としては、可視光蛍光灯、可視光白熱灯、可視光LED等が用いられる。
光インプリント法では、室温での成型が可能であり、モールドと透明基板20との線膨張係数差による歪みが発生しにくく、転写精度が良い。尚、硬化反応の促進のため、成形材料の層は加熱されてもよい。
一方、熱インプリント法では、熱可塑性樹脂を含む成形材料の層を加熱により軟化し、軟化した成形材料の層の表面にモールドを押し付け、成形材料の層を冷却して固化させることで、凹凸層30を形成する。
加熱源としては、加熱光を照射する光源(例えばハロゲンランプ、レーザ)、ヒータ等が用いられる。加熱温度は、熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上である。
成形材料の層は、必要に応じて、後述の光散乱材を含む。
尚、本実施形態の凹凸層30は、インプリント法で形成されるが、フォトリソグラフィ法、EB描画法、干渉露光法等で形成されてもよい。
凹凸層30は、透過型の回折格子31を形成する。回折格子31は2次元の回折格子であってよい。回折格子31は複数の凸部を有し、複数の凸部の底面は同一平面上に配列される。複数の凸部は、周期的に配列され、例えば正六方格子状、準六方格子状、正四方格子状、準四方格子状に配列される。最も近い凸部同士のピッチP1は、可視光の波長の1倍〜数倍程度(300nm<P1≦5μm)であり、凹凸層30の屈折率や平坦化層40の屈折率、凸部の高さH1等に応じて適宜設計されるが、例えば500nmである。凸部の高さH1は、10nm以上5μm以下である。10nm以上であると十分な回折効率を得られやすい。5μm以下であると凹凸層を製造しやすい。凸部の形状は、多種多様であってよく、例えば円錐形状、円錐台形状、角錐形状(例えば四角錐形状、三角錐形状)、角錐台形状、釣鐘形状、円柱形状、角柱形状等が挙げられる。尚、回折格子31は、1次元の回折格子でもよい。
透過型の回折格子31は、平坦化層40から凹凸層30へ様々な入射角で入射する光を透過させ、大部分の透過光の向きを正面方向に揃える。よって、光取り出し面21等の界面での全反射を抑え、光取り出し効率を向上することができる。
また、透過型の回折格子31は、平坦化層40から凹凸層30に入射するときの光の全反射を抑える役割を果たす。
図2は、図1の透過型の回折格子によって光の全反射が低減されることを説明するための図である。図2において、便宜上、発光素子12、光散乱材34、44の図示を省略する。
一般的に、隣接する高屈折率層と低屈折率層との間の界面が平坦な場合、高屈折率層から低屈折率層に臨界角以上の入射角で入射する光は全反射してしまう。
本実施形態では、高屈折率層としての平坦化層40と、低屈折率層としての凹凸層30との界面が微細な凹凸構造を有し、凹凸層30が透過型の回折格子31を形成する。そのために、界面が平坦な場合に全反射してしまう光の大部分が、図2に示すように0次回折光R0、1次回折光R1、2次回折光R2等に分かれ、回折格子31を透過し、凹凸部30内を伝播する。よって、平坦化層40から凹凸層30に入射するときの光の全反射を抑えることができる。
尚、界面が平坦な場合に界面で全反射せずに界面を透過する光の大部分が、回折格子31を透過するように、回折格子31の凸部のピッチP1や高さH1が最適化されてよい。また、回折格子31で反射される光は、回折格子31による干渉効果によって入射角よりも小さい反射角で反射するので、反射電極70で反射され回折格子31に再度入射するとき、ほとんどの光は回折格子31を透過する。
ところで、透過型の回折格子31では、光の干渉によって、回折格子31を透過した光の強度に角度依存性があり、複数の特定の角度で透過光の強度が強くなる。また、透過光の波長毎に、透過光の強度が強くなる角度が異なる。
そこで、凹凸層30は、図1に示すように、樹脂等の基材33、及び基材33中に分散する光散乱材34を含んでよい。光散乱材34は、凹凸層30内を伝播する光を散乱することで、光の強度の角度依存性を低減し、また、光の色(波長)の角度依存性を低減する。
基材33は、基材33と透明基板20との界面での反射を抑えるため、透明基板20との屈折率差が0.3以下の材料で構成されることが好ましい。光ナノインプリントの場合、基材33を形成する光硬化性樹脂として、例えば、シルセスキオキサン系樹脂、ポリイミド系樹脂が用いられる。シルセスキオキサン系樹脂、ポリイミド系樹脂は耐熱性にも優れている。熱ナノインプリントの場合、基材33を形成する熱可塑性樹脂として、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエポキシ系樹脂等が好適である。基材33の屈折率は、透明基板20の屈折率よりも高くても低くてもよいが、透明基板20の屈折率以下であることが好ましい。
光散乱材34は、基材33と異なる屈折率を有し、基材33よりも低い屈折率を有する空気、基材33よりも高い屈折率を有する金属酸化物、又は両方で構成される。金属酸化物としては、ジルコニア(ZrO)、チタニア(TiO)、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、酸化スズ(SnO)等が挙げられる。
金属酸化物の粒子の平均粒子径としては、動的光散乱法により測定される粒径分布のピーク値が用いられる。光散乱材34が空気の場合、例えば凹凸層30の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察し、視野中に含まれる光散乱材から無作為に10個抽出し、それらの径を測定し、平均化することにより求めることができる。
光散乱材34の平均球相当径(平均粒子径)は、好ましくは300nm〜10μmである。光散乱材34の平均球相当径が10μmを超えると、光散乱材34が基材33中に分散しにくく、偏在しやすい。一方、光散乱材34の平均球相当径が300nm未満になると、可視光の波長よりも短すぎるので、レイリー散乱(図3参照)が支配的になり、後方散乱が強くなるので、光の取り出し効率が低下する。
図3は、レイリー散乱の概念図である。図4は、ミー散乱の概念図である。図3、図4において、白丸Mは散乱粒子、太線L1は入射光、細線L2はレイリー散乱による散乱光、細線L3はミー散乱による散乱光を表す。細線L2、L3の矢印方向は散乱光の進行方向、細線L2、L3の長さは散乱光の強度を表す。
本実施形態の光散乱材34の平均球相当径は300nm〜10μmであり可視光の波長と同程度以上であるので、ミー散乱(図4参照)が支配的になり、前方散乱が強くなる。光散乱材34の平均球相当径が300nm〜10μmであると、凹凸層30内を伝播する光の向きを正面方向に揃えることができる。
図5は、ミー散乱によって光の向きが正面方向に揃うことを確認するためのシミュレーションのモデル図である。図6は、シミュレーションの結果を示す図であって、光の強度と伝播方向との関係を示す図である。図6において、実線N1は光散乱層から前方に出射する光の強度と伝播方向との関係を示し、破線N2は光散乱層へ入射する光の強度と伝播方向との関係を示し、一点鎖線N3は光散乱層から後方に出射する光の強度と伝播方向との関係を示す。図6において、原点からの距離が光の強度を表し、角度が光の伝播方向を表す。光の伝播方向は、正面方向を0°とし、正面方向とのなす角で表す。
シミュレーションでは、図5に示すように、基材33A(屈折率2.0)の途中に、基材33A中に光散乱材34A(粒径500nm、屈折率1.45)を分散した光散乱層30A(層厚1μm)を設け、光散乱層30Aから出射する光の強度の角度依存性を光線追跡法(ソフト名:「LightTools」、CYBERNET社製)により求めた。光散乱層30A中に占める光散乱材34Aの体積割合は60%とした。また、基材33Aの図中上端及び図中下端には光吸収率100%の境界面を設定した。
図6に示すように、ミー散乱によって光の向きを正面方向に揃えることができ、−42°〜42°の範囲内の光の強度を増やすことができた。尚、透明基板20であるガラス基板(屈折率1.5)と空気(屈折率1.0)との界面(光取り出し面21)における臨界角は42°程度である。
ミー散乱によって光の向きが正面方向に揃うのは、(1)前方散乱が支配的であること、(2)入射光の向きが正面方向から傾くほど、光散乱層30Aの通過にかかる距離が長くなり、光の散乱回数が増えることによる。
元々向きが正面方向の入射光は、散乱回数が少なく、前方散乱が支配的であることから、光散乱層30A内を伝搬する間に向きがほとんど変わらない。一方、向きが斜め方向の入射光は、散乱回数が多いので、光散乱層30A内を伝搬する間に徐々に向きが正面方向に変わる。よって、ミー散乱によって光の向きが全体的に正面方向に揃う。
尚、基材43の屈折率、光散乱材44の屈折率、平均球相当径、体積割合、凹凸層30の厚みは、適宜設計される。
(平坦化層)
平坦化層40は、凹凸層30上に設けられ、凹凸層30の凹凸を吸収する。平坦化層40の平坦面上に設けられる透明電極50、有機層60、及び反射電極70が設計通りの性能を発揮できる。
平坦化層40は、例えばウェットコート法で凹凸層30の凹凸面上に形成される。平坦化層40の形成前に、凹凸層30を熱処理する工程が行われてよい。凹凸層30の樹脂の重合率の向上や、凹凸層30の複屈折の除去が可能である。
ウェットコート法は、流動性樹脂を凹凸層30上に塗布し、固化させることで平坦化層40を形成する。流動性樹脂には、必要に応じて光散乱材が添加される。ウェットコート法としては、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ダイコート法等が挙げられる。
平坦化層40は、樹脂等の30基材43、及び基材43中に分散する光散乱材44を含んでよい。光散乱材44は、凹凸層30の光散乱材34と同様に、平坦化層40内を伝播する光の向きを正面方向に揃え、平坦化層40から回折格子31に入射する光の向きを正面方向に揃える。
一般的に、回折格子に入射する光の向きが正面方向に揃っているほど、回折格子を透過する光の向きが正面方向に揃いやすい。
本実施形態では、平坦化層40中の光散乱材44が平坦化層40から回折格子31に入射する光の向きを正面方向に揃えるので、回折格子31を透過する光の向きが正面方向に揃いやすく、光取り出し効率を向上できる。
基材43は、基材43と透明電極50との界面での反射を抑えるため、透明電極50との屈折率差が0.3以下の材料で構成されることが好ましい。光ナノインプリントの場合、基材43を形成する光硬化性樹脂として、例えば、シルセスキオキサン系樹脂、ポリイミド系樹脂が用いられる。シルセスキオキサン系樹脂、ポリイミド系樹脂は耐熱性にも優れている。熱ナノインプリントの場合、基材43を形成する熱可塑性樹脂として、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエポキシ系樹脂等が好適である。基材43は、屈折率の調整のため、光を散乱しない程度の大きさの無機系ナノ微粒子を含んでもよい。無機系ナノ微粒子の粒径は1nm以上100nm以下が好ましく、1nm以上50nm以下がより好ましい。粒径が1nm未満であると、結晶性が乏しくなり、屈折率等の粒子特性を発現することが難しくなる。一方、粒径が100nmを超えると、レイリー散乱の影響が出始め、後方散乱成分が増加し光取り出し効率低下の要因となるためである。基材43の屈折率は、透明電極50の屈折率よりも高くても低くてもよいが、透明電極50の屈折率以下であることが好ましい。
基材43は、凹凸層30の基材33と異なる屈折率を有する。基材43は、透明基板20よりも高い屈折率を有する透明電極50と接するので、透明基板20と接する凹凸層30の基材33よりも高い屈折率を有することが好ましい。
光散乱材44は、基材43と異なる屈折率を有し、基材43よりも低い屈折率を有する空気、基材43よりも高い屈折率を有する金属酸化物、又は両方で構成される。金属酸化物としては、ジルコニア(ZrO)、チタニア(TiO)、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、酸化スズ(SnO)等が挙げられる。
光散乱材44の平均球相当径(平均粒子径)は、好ましくは300nm〜10μmである。光散乱材44の平均球相当径が10μmを超えると、光散乱材44が基材43中に分散しにくく、偏在しやすい。光散乱材44の平均球相当径が300nm未満になると、可視光の波長よりも短すぎるので、レイリー散乱(図3参照)が支配的になり、後方散乱が強くなるので、光の取り出し効率が低下する。
光散乱材44の平均球相当径が300nm〜10μmの場合、ミー散乱(図4参照)が支配的になり、前方散乱が強くなる。光散乱材44の平均球相当径が300nm〜10μmであると、平坦化層40内を伝播する光の向きを正面方向に揃えることができる。
光取り出し面21に臨界角以上の入射角で入射する光は、光取り出し面21で全反射される。全反射された光は、光取り出し面21と光反射面(例えば反射電極70と有機層60の界面)との間を1回以上往復する間に、回折格子31を透過することで、また、光散乱材34、44で繰り返し散乱されることで、臨界角未満の入射角に変化し、最終的に光取り出し面21から外部に放出される。
尚、本実施形態では凹凸層30及び平坦化層40の両方が光散乱材を含むが、いずれか一方が光散乱材を含んでいればよい。
例えば、図7に示すように、凹凸層30が光散乱材34を含み、平坦化層43が光散乱材44を含まなくてもよい。図7に示す例(第1変形例)の場合、透過型の回折格子31は、平坦化層43から凹凸層30へ様々な入射角で入射する光を透過させ、大部分の透過光の向きを正面方向に揃える。よって、光取り出し面21等の界面での全反射を抑え、光取り出し効率を向上することができる。また、透過型の回折格子31は、平坦化層43から凹凸層30へ入射するときの光の全反射を抑える役割を果たす。凹凸層30中の光散乱材34は、凹凸層30内を伝播する光を散乱し、回折格子31による光の強度の角度依存性を低減し、また、回折格子31による光の色(波長)の角度依存性を低減する。また、凹凸層30中の光散乱材34は、凹凸層30内を伝播する光の向きを正面方向に揃え、光取り出し効率を向上する。
また、図8に示すように、平坦化層40が光散乱材44を含み、凹凸層33が光散乱材34を含まなくてもよい。図8に示す例(第2変形例)の場合、透過型の回折格子31は、平坦化層40から凹凸層33へ様々な入射角で入射する光を透過させ、大部分の透過光の向きを正面方向に揃える。よって、光取り出し面21等の界面での全反射を抑え、光取り出し効率を向上することができる。また、透過型の回折格子31は、平坦化層40から凹凸層33へ入射するときの光の全反射を抑える役割を果たす。平坦化層40中の光散乱材44は、平坦化層40内を伝搬する光の向きを正面方向に揃える。平坦化層40から回折格子31に入射する光の向きが正面方向に揃い、回折格子31を透過する光の向きが正面方向に効率的に揃いやすく、光取り出し効率がさらに向上する。
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、凹凸層30が回折格子31を形成する。一方、本実施形態では、凹凸層が複数のプリズムを形成する点で相違する。以下、主に相違点について説明する。
図9は、本発明の第2実施形態による有機LED素子を示す断面図である。図9において、便宜上、凹凸層130の凹凸を誇張して示す。
有機LED素子110は、ボトムエミッションタイプであって、透明基板20、凹凸層130、平坦化層140、透明電極50、有機層60、及び反射電極70をこの順で有する。透明基板20、凹凸層130、及び平坦化層140で積層基板111が構成され、透明電極50、有機層60、及び反射電極70等で発光素子12が構成される。照明用の場合、1つの発光素子12が平坦化層140上に形成されてよい。画像表示用の場合、発光素子12は画素毎に設けられ、複数の発光素子12が平坦化層140上に配列される。
有機層60の発光光は、透明電極50、平坦化層140、凹凸層130、透明基板20を透過し、透明基板20の光取り出し面21から外部に放出される。光取り出し面21は、透明基板20における凹凸層130側と反対側の面である。
本実施形態では、凹凸層130が複数のプリズム131を形成する。プリズム131は、平坦化層140側に設けられる。以下の説明で、プリズム131での入射角、反射角は、光取り出し面21に対して垂直な方向(以下、「正面方向」という)と、光の進行方向とのなす角を意味する。
(凹凸層)
凹凸層130は、例えばインプリント法で透明基板20上に形成される。インプリント法では、透明基板20とモールドとの間に成形材料の層を挟み、モールドの凹凸パターンが転写した凹凸層130を透明基板20上に形成する。凹凸層130の凹凸パターンは、モールドの凹凸パターンが略反転したパターンである。成形材料の層は、必要に応じて、後述の光散乱材を含む。
尚、本実施形態の凹凸層130は、インプリント法で形成されるが、フォトリソグラフィ法、EB描画法、干渉露光法等で形成されてもよい。
凹凸層130は、複数のプリズム131を形成する。複数のプリズム131の底面は同一平面上に配列される。複数のプリズム131は、周期的に配列され、例えば正六方格子状、準六方格子状、正四方格子状、準四方格子状に配列される。最も近いプリズム131同士のピッチP2は、可視光の波長よりも十分に大きい(5μm<P2≦50μm)。プリズムの高さH2は5μm以上50μm以下が好ましい。プリズム131の形状は、多種多様であってよく、例えば角錐形状(例えば四角錐形状、三角錐形状)、角錐台形状等が挙げられる。
プリズム131は、平坦化層140から凹凸層130へ様々な入射角で入射する光を透過させ、大部分の透過光の向きを正面方向に揃える。よって、光取り出し面21等の界面での全反射を抑え、光取り出し効率を向上することができる。
プリズム131は、平坦化層140から凹凸層130へ入射するときの光の全反射を抑える役割を果たす。
図10は、図9のプリズムによって光の全反射が低減されることを説明するための図である。図10において、便宜上、発光素子12、光散乱材134、144の図示を省略する。
一般的に、隣接する高屈折率層と低屈折率層との間の界面が平坦な場合、高屈折率層から低屈折率層に臨界角以上の入射角で入射する光は全反射してしまう。
本実施形態では、高屈折率層としての平坦化層140と、低屈折率層としての凹凸層130との界面が微細な凹凸構造を有し、凹凸層130がプリズム131を形成する。そのために、界面が平坦な場合に全反射してしまう光の大部分が、図10に示すようにプリズム131の傾斜面を透過し、凹凸層130内に伝播する。プリズム131の一方の傾斜面を透過した光は、例えばプリズム131の他方の傾斜面で反射され、透明基板20に向けて伝播する。よって、平坦化層140から凹凸層130へ入射するときの光の全反射を抑えることができる。
尚、界面が平坦な場合に界面で全反射せずに界面を透過する光の大部分が、プリズム131を透過するように、プリズム131のピッチP2や高さH2が最適化されてよい。
ところで、光の屈折率は光の波長によって異なり、光の波長毎に光の屈折角が異なる。そのため、光の屈折を利用するプリズムの場合、プリズム131を見る角度が変わると、プリズム131を透過した光の色(波長)が変わる。
そこで、凹凸層130は、図9に示すように、樹脂等の基材133、及び基材133中に分散する光散乱材134を含んでよい。光散乱材134は、凹凸層130内を伝播する光を散乱することで、光の色(波長)の角度依存性を低減する。
基材133は、基材133と透明基板20との界面での反射を抑えるため、第1実施形態と同様に、透明基板20との屈折率差が0.3以下の材料で構成されることが好ましい。基材133の屈折率は、透明基板20の屈折率よりも高くても低くてもよいが、透明基板20の屈折率以下であることが好ましい。
光散乱材134は、基材133と異なる屈折率を有し、基材133よりも低い屈折率を有する空気、基材133よりも高い屈折率を有する金属酸化物、又は両方で構成される。金属酸化物としては、ジルコニア(ZrO)、チタニア(TiO)、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、酸化スズ(SnO)等が挙げられる。
光散乱材134の平均球相当径(平均粒子径)は、好ましくは300nm〜10μmである。光散乱材134の平均球相当径が10μmを超えると、光散乱材134が基材133中に分散しにくく、偏在しやすい。一方、光散乱材134の平均球相当径が300nm未満になると、可視光の波長よりも短すぎるので、レイリー散乱(図3参照)が支配的になり、後方散乱が強くなるので、光の取り出し効率が低下する。
光散乱材134の平均球相当径が300nm〜10μmの場合、ミー散乱(図4参照)が支配的になり、前方散乱が強くなり、凹凸層130内を伝播する光の向きを正面方向に揃えることができる。
(平坦化層)
平坦化層140は、凹凸層130上に設けられ、凹凸層130の凹凸を吸収する。平坦化層140の平坦面上に設けられる透明電極50、有機層60、及び反射電極70が設計通りの性能を発揮できる。
平坦化層140は、例えばウェットコート法で凹凸層130の凹凸面上に形成される。平坦化層140の形成前に、凹凸層130を熱処理する工程が行われてよい。凹凸層130の樹脂の重合率の向上や、凹凸層130の複屈折の除去が可能である。
平坦化層140は、樹脂等の基材143、及び基材143中に分散する光散乱材144を含んでよい。光散乱材144は、凹凸層130の光散乱材134と同様に、平坦化層140内を伝播する光の向きを正面方向に揃え、平坦化層140からプリズム131に入射する光の向きを正面方向に揃える。
一般的に、プリズムに入射する光の向きが正面方向に揃っているほど、プリズムを透過する光の向きが正面方向に揃いやすい。
本実施形態では、平坦化層140からプリズム131に入射する光の向きが正面方向に揃っているので、プリズム131を透過する光の向きが正面方向に効率的に揃いやすく、光取り出し効率が向上する。
基材143は、基材143と透明電極50との界面での反射を抑えるため、第1実施形態と同様に、透明電極50との屈折率差が0.3以下の材料で構成されることが好ましい。基材143の屈折率は、透明電極50の屈折率よりも高くても低くてもよいが、透明電極50の屈折率以下であることが好ましい。
基材143は、凹凸層130の基材133と異なる屈折率を有する。基材143は、透明基板20よりも高い屈折率を有する透明電極50と接するので、透明基板20と接する凹凸層130の基材133よりも高い屈折率を有することが好ましい。
光散乱材144は、基材143と異なる屈折率を有し、基材143よりも低い屈折率を有する空気、基材143よりも高い屈折率を有する金属酸化物、又は両方で構成される。金属酸化物としては、ジルコニア(ZrO)、チタニア(TiO)、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、酸化スズ(SnO)等が挙げられる。
光散乱材144の平均球相当径(平均粒子径)は、好ましくは300nm〜10μmである。光散乱材144の平均球相当径が10μmを超えると、光散乱材144が基材143中に分散しにくく、偏在しやすい。光散乱材144の平均球相当径が300nm未満になると、可視光の波長よりも短すぎるので、レイリー散乱(図3参照)が支配的になり、後方散乱が強くなるので、光の取り出し効率が低下する。
光散乱材144の平均球相当径が300nm〜10μmの場合、ミー散乱(図4参照)が支配的になり、前方散乱が強くなる。光散乱材144の平均球相当径が300nm〜10μmであると、平坦化層140内を伝播する光の向きを正面方向に揃えることができる。
光取り出し面21に臨界角以上の入射角で入射する光は、光取り出し面21で全反射される。全反射された光は、光取り出し面21と光反射面(例えば反射電極70と有機層60の界面)との間を1回以上往復する間に、プリズム131を透過することで、また、光散乱材134、144で繰り返し散乱されることで、臨界角未満の入射角に変化し、最終的に光取り出し面21から外部に放出される。
尚、本実施形態では凹凸層130及び平坦化層140の両方が光散乱材を含むが、いずれか一方が光散乱材を含んでいればよい。
例えば、図11に示すように、凹凸層130が光散乱材134を含み、平坦化層143が光散乱材144を含まなくてもよい。図11に示す例(第1変形例)の場合、プリズム131は、平坦化層143から凹凸層130へ様々な入射角で入射する光を透過させ、大部分の透過光の向きを正面方向に揃える。よって、光取り出し面21等の界面での全反射を抑え、光取り出し効率を向上することができる。また、プリズム131は、平坦化層143から凹凸層130へ入射するときの光の全反射を抑える役割を果たす。凹凸層130中の光散乱材134は、凹凸層130内を伝播する光を散乱し、プリズム131による光の強度の角度依存性を低減し、また、プリズム131による光の色(波長)の角度依存性を低減する。また、凹凸層130中の光散乱材134は、凹凸層130内を伝播する光の向きを正面方向に揃え、光取り出し効率を向上する。
また、図12に示すように、平坦化層140のみが光散乱材144を含み、凹凸層133は光散乱材134を含まなくてもよい。図12に示す例(第2変形例)の場合、プリズム131は、平坦化層140から凹凸層133へ様々な入射角で入射する光を透過させ、大部分の透過光の向きを正面方向に揃える。よって、光取り出し面21等の界面での全反射を抑え、光取り出し効率を向上することができる。また、プリズム131が、平坦化層140から凹凸層133へ入射するときの光の全反射を抑える役割を果たす。平坦化層140中の光散乱材144は、平坦化層140内を伝搬する光の向きを正面方向に揃える。平坦化層140からプリズム131に入射する光の向きが正面方向に揃い、プリズム131を透過する光の向きが正面方向に効率的に揃いやすく、光取り出し効率がさらに向上する。
[第3実施形態]
上記第2実施形態では、凹凸層130が複数のプリズム131を形成する。一方、本実施形態では、凹凸層が複数のレンズを形成する点で相違する。以下、主に相違点について説明する。
図13は、本発明の第3実施形態による有機LED素子を示す断面図である。図13において、便宜上、凹凸層230の凹凸を誇張して示す。
有機LED素子210は、ボトムエミッションタイプであって、透明基板20、凹凸層230、平坦化層240、透明電極50、有機層60、及び反射電極70をこの順で有する。透明基板20、凹凸層230、及び平坦化層240で積層基板211が構成され、透明電極50、有機層60、及び反射電極70等で発光素子12が構成される。照明用の場合、1つの発光素子12が平坦化層240上に形成されてよい。画像表示用の場合、発光素子12は画素毎に設けられ、複数の発光素子12が平坦化層240上に配列される。
有機層60の発光光は、透明電極50、平坦化層240、凹凸層230、透明基板20を透過し、透明基板20の光取り出し面21から外部に放出される。光取り出し面21は、透明基板20における凹凸層230側と反対側の面である。
本実施形態では、凹凸層230が複数のレンズ231を形成する。レンズ231は、平坦化層240側に設けられる。以下の説明で、レンズ231での入射角、反射角は、光取り出し面21に対して垂直な方向(以下、「正面方向」という)と、光の進行方向とのなす角を意味する。
(凹凸層)
凹凸層230は、例えばインプリント法で透明基板20上に形成される。インプリント法では、透明基板20とモールドとの間に成形材料の層を挟み、モールドの凹凸パターンが転写した凹凸層230を透明基板20上に形成する。凹凸層230の凹凸パターンは、モールドの凹凸パターンが略反転したパターンである。成形材料の層は、必要に応じて、後述の光散乱材を含む。
尚、本実施形態の凹凸層230は、インプリント法で形成されるが、フォトリソグラフィ法、EB描画法、干渉露光法等で形成されてもよい。
凹凸層230は、複数のレンズ231を形成する。複数のレンズ231は、周期的に配列され、例えば正六方格子状、準六方格子状、正四方格子状、準四方格子状に配列される。最も近いレンズ231同士のピッチP3は、可視光の波長よりも十分に大きい(5μm<P3≦50μm)。レンズ231は、図13に示すように平坦化層240側から見て凹レンズでもよいし、凸レンズでもよい。
レンズ231は、平坦化層240から凹凸層230へ様々な入射角で入射する光を透過させ、大部分の透過光の向きを正面方向に揃える。よって、光取り出し面21等の界面での全反射を抑え、光取り出し効率を向上することができる。
レンズ231は、平坦化層240から凹凸層230へ入射するときの光の全反射を抑える役割を果たす。
図14は、図13のレンズによって光の全反射が低減されることを説明するための図である。図14において、便宜上、発光素子12、光散乱材234、244の図示を省略する。
一般的に、隣接する高屈折率層と低屈折率層との間の界面が平坦な場合、高屈折率層から低屈折率層に臨界角以上の入射角で入射する光は全反射してしまう。
本実施形態では、高屈折率層としての平坦化層240と、低屈折率層としての凹凸層230との界面が微細な凹凸構造を有し、凹凸層230がレンズ231を形成する。そのため、界面が平坦な場合に全反射してしまう光の大部分が、図14に示すようにレンズ231の曲面を透過し、凹凸層230内を伝播する。よって、平坦化層240から凹凸層230へ入射するときの光の全反射を抑えることができる。
尚、界面が平坦な場合に界面で全反射せずに界面を透過する光の大部分が、レンズ231を透過するように、レンズ231のピッチP3や高さが最適化されてよい。
ところで、屈折を利用するレンズの場合、レンズを透過した光の波長ごとに、透過光の強度が強くなる角度が異なる。
そこで、凹凸層230は、図13に示すように、樹脂等の基材233、及び基材233中に分散する光散乱材234を含んでよい。光散乱材234は、凹凸層230内を伝播する光を散乱することで、光の強度の角度依存性を低減し、また、光の色(波長)の角度依存性を低減する。
基材233は、基材233と透明基板20との界面での反射を抑えるため、第1実施形態と同様に、透明基板20との屈折率差が0.3以下の材料で構成されることが好ましい。基材233の屈折率は、透明基板20の屈折率よりも高くても低くてもよいが、透明基板20の屈折率以下であることが好ましい。
光散乱材234は、基材233と異なる屈折率を有し、基材233よりも低い屈折率を有する空気、基材233よりも高い屈折率を有する金属酸化物、又は両方で構成される。金属酸化物としては、ジルコニア(ZrO)、チタニア(TiO)、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、酸化スズ(SnO)等が挙げられる。
光散乱材234の平均球相当径(平均粒子径)は、好ましくは300nm〜10μmである。光散乱材234の平均球相当径が10μmを超えると、光散乱材234が基材233中に分散しにくく、偏在しやすい。一方、光散乱材234の平均球相当径が300nm未満になると、可視光の波長よりも短すぎるので、レイリー散乱(図3参照)が支配的になり、後方散乱が強くなるので、光の取り出し効率が低下する。
光散乱材234の平均球相当径が300nm〜10μmの場合、ミー散乱(図4参照)が支配的になり、前方散乱が強くなり、凹凸層230内を伝播する光の向きを正面方向に揃えることができる。
(平坦化層)
平坦化層240は、凹凸層230上に設けられ、凹凸層230の凹凸を吸収する。平坦化層240の平坦面上に設けられる透明電極50、有機層60、及び反射電極70が設計通りの性能を発揮できる。
平坦化層240は、例えばウェットコート法で凹凸層230の凹凸面上に形成される。平坦化層240の形成前に、凹凸層230を熱処理する工程が行われてよい。凹凸層230の樹脂の重合率の向上や、凹凸層230の複屈折の除去が可能である。
平坦化層240は、樹脂等の基材243、及び基材243中に分散する光散乱材244を含んでよい。光散乱材244は、凹凸層230の光散乱材234と同様に、平坦化層240内を伝播する光の向きを正面方向に揃え、平坦化層240からレンズ231に入射する光の向きを正面方向に揃える。
一般的に、レンズに入射する光の向きが正面方向に揃っているほど、レンズを透過する光の向きが正面方向に揃いやすい。
本実施形態では、平坦化層240からレンズ231に入射する光の向きが正面方向に揃っているので、レンズ231を透過する光の向きが正面方向に効率的に揃いやすく、光取り出し効率が向上する。
基材243は、基材243と透明電極50との界面での反射を抑えるため、第1実施形態と同様に、透明電極50との屈折率差が0.3以下の材料で構成されることが好ましい。基材243の屈折率は、透明電極50の屈折率よりも高くても低くてもよいが、透明電極50の屈折率以下であることが好ましい。
基材243は、凹凸層230の基材233と異なる屈折率を有する。基材243は、透明基板20よりも高い屈折率を有する透明電極50と接するので、透明基板20と接する凹凸層230の基材233よりも高い屈折率を有することが好ましい。
光散乱材244は、基材243と異なる屈折率を有し、基材243よりも低い屈折率を有する空気、基材243よりも高い屈折率を有する金属酸化物、又は両方で構成される。金属酸化物としては、ジルコニア(ZrO)、チタニア(TiO)、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、酸化スズ(SnO)等が挙げられる。
光散乱材244の平均球相当径(平均粒子径)は、好ましくは300nm〜10μmである。光散乱材244の平均球相当径が10μmを超えると、光散乱材244が基材243中に分散しにくく、偏在しやすい。光散乱材244の平均球相当径が300nm未満になると、可視光の波長よりも短すぎるので、レイリー散乱(図3参照)が支配的になり、後方散乱が強くなるので、光の取り出し効率が低下する。
光散乱材244の平均球相当径が300nm〜10μmの場合、ミー散乱(図4参照)が支配的になり、前方散乱が強くなる。光散乱材244の平均球相当径が300nm〜10μmであると、平坦化層240内を伝播する光の向きを正面方向に揃えることができる。
光取り出し面21に臨界角以上の入射角で入射する光は、光取り出し面21で全反射される。全反射された光は、光取り出し面21と光反射面(例えば反射電極70と有機層60の界面)との間を1回以上往復する間に、レンズ231を透過することで、また、光散乱材234、244で繰り返し散乱されることで、臨界角未満の入射角に変化し、最終的に光取り出し面21から外部に放出される。
尚、本実施形態では凹凸層230及び平坦化層240の両方が光散乱材を含むが、いずれか一方が光散乱材を含んでいればよい。
例えば、図15に示すように、凹凸層230が光散乱材234を含み、平坦化層243が光散乱材244を含まなくてもよい。図15に示す例(第1変形例)の場合、レンズ231は、平坦化層243から凹凸層230へ様々な入射角で入射する光を透過させ、大部分の透過光の向きを正面方向に揃える。よって、光取り出し面21等の界面での全反射を抑え、光取り出し効率を向上することができる。また、レンズ231は、平坦化層243から凹凸層230へ入射するときの光の全反射を抑える役割を果たす。凹凸層230中の光散乱材234は、凹凸層230内を伝播する光を散乱し、レンズ231による光の強度の角度依存性を低減し、また、レンズ231による光の色(波長)の角度依存性を低減する。また、凹凸層230中の光散乱材234は、凹凸層230内を伝播する光の向きを正面方向に揃え、光取り出し効率を向上する。
また、図16に示すように、平坦化層240が光散乱材244を含み、凹凸層233が光散乱材234を含まなくてもよい。図15に示す例(第2変形例)の場合、レンズ231が、平坦化層240から凹凸層233へ様々な入射角で入射する光を透過させ、大部分の透過光の向きを正面方向に揃える。よって、光取り出し面21等の界面での全反射を抑え、光取り出し効率を向上することができる。また、レンズ231は、平坦化層240から凹凸層233へ入射するときの光の全反射を抑える役割を果たす。平坦化層240中の光散乱材244は、平坦化層240内を伝搬する光の向きを正面方向に揃える。平坦化層240からレンズ231に入射する光の向きが正面方向に揃い、レンズ231を透過する光の向きが正面方向に効率的に揃いやすく、光取り出し効率がさらに向上する。
[第4実施形態]
上記第1実施形態では、凹凸層30が回折格子31を形成する。一方、本実施形態では、凹凸層がモスアイ構造を有する点で相違する。以下、主に相違点について説明する。
図17は、本発明の第4実施形態による有機LED素子を示す断面図である。図17において、便宜上、モスアイ構造331の凹凸を誇張して示す。
有機LED素子310は、ボトムエミッションタイプであって、透明基板20、凹凸層330、平坦化層340、透明電極50、有機層60、及び反射電極70をこの順で有する。透明基板20、凹凸層330、及び平坦化層340で積層基板311が構成され、透明電極50、有機層60、及び反射電極70等で発光素子12が構成される。照明用の場合、1つの発光素子12が平坦化層340上に形成されてよい。画像表示用の場合、発光素子12は画素毎に設けられ、複数の発光素子12が平坦化層340上に配列される。
有機層60の発光光は、透明電極50、平坦化層340、凹凸層330、透明基板20を透過し、透明基板20の光取り出し面21から外部に放出される。光取り出し面21は、透明基板20における凹凸層330側と反対側の面である。
本実施形態では、凹凸層330がモスアイ構造331を有する。モスアイ構造331は、平坦化層340側に設けられる。以下の説明で、モスアイ構造331での入射角、反射角は、光取り出し面21に対して垂直な方向(以下、「正面方向」という)と、光の進行方向とのなす角を意味する。
(凹凸層)
凹凸層330は、例えばインプリント法で透明基板20上に形成される。インプリント法では、透明基板20上に設けられる成形材料の層の表面にモールドの凹凸パターンを転写することにより凹凸層330を形成する。凹凸層330は、モールドの凹凸パターンが略反転した凹凸パターンを有する。成形材料の層は、必要に応じて、後述の光散乱材を含む。
尚、本実施形態の凹凸層330は、インプリント法で形成されるが、フォトリソグラフィ法、EB描画法、干渉露光法等で形成されてもよい。
凹凸層330の平坦化層340側の部分は、モスアイ構造331を構成する。モスアイ構造331は複数の凸部を有し、複数の凸部の底面は同一平面上に配列される。複数の凸部は、周期的に配列され、例えば正六方格子状、準六方格子状、正四方格子状、準四方格子状に配列される。最も近い凸部同士のピッチP4は、可視光の波長以下(P4≦300nm)であり、代表的には250nmである。凸部の高さH4は、代表的には300nmである。隣り合う凸部は、接していても離れていてもよいが、凹凸層330と平坦化層340との界面での反射率を効率的に低減するため、裾部が重なるように配置されていることが好ましい。凸部の形状は、多種多様であってよく、例えば円錐形状、円錐台形状、角錐形状、角錐台形状、釣鐘形状等が挙げられる。
図18は、図17のモスアイ構造331による光の透過の説明図である。図18において、便宜上、発光素子12、光散乱材334、344の図示を省略する。
モスアイ構造331では、光取り出し面21と垂直な方向における屈折率が連続的に変化するので、光の入射角や光の波長に関係なく反射率が低く(1%以下)、透過率が高く、図18に矢印で示すようにほとんどの光が透過するので、光取り出し効率が良い。また、従来の多層膜による反射率低減膜(Anti−Reflection=AR)膜と比べて、モスアイ構造331では、光の回折や光の分光が生じないので、見る角度が変わるときに光取り出し面21の明るさや色(波長)が変わりにくい。
凹凸層330は、樹脂等の基材333、及び基材333中に分散する光散乱材334を含んでよい。凹凸層330を透過する光は、光散乱材334で散乱され、光取り出し面21に入射する。この入射角が臨界角未満の光は、光取り出し面21から外部に放出される。一方、この入射角が臨界角以上の光の大部分は、光取り出し面21で全反射された後、光取り出し面21と、光反射面(例えば反射電極70と有機層60の界面)との間を1回以上往復する間に、光散乱材334によって繰り返し散乱され、臨界角未満の入射角に変化し、最終的に光取り出し面21から取り出される。
基材333は、基材333と透明基板20との界面での反射を抑えるため、第1実施形態と同様に、透明基板20との屈折率差が0.3以下の材料で構成されることが好ましい。基材333の屈折率は、透明基板20の屈折率よりも高くても低くてもよいが、透明基板20の屈折率以下であることが好ましい。
光散乱材334は、基材333と異なる屈折率を有し、基材333よりも低い屈折率を有する空気、基材333よりも高い屈折率を有する金属酸化物、又は両方で構成される。金属酸化物としては、ジルコニア(ZrO)、チタニア(TiO)、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、酸化スズ(SnO)等が挙げられる。
光散乱材334の平均球相当径(平均粒子径)は、好ましくは300nm〜10μmである。光散乱材334の平均球相当径が10μmを超えると、光散乱材334が基材333中に分散しにくく、偏在しやすい。一方、光散乱材334の平均球相当径が300nm未満になると、可視光の波長よりも短すぎるので、レイリー散乱(図3参照)が支配的になり、後方散乱が強くなるので、光の取り出し効率が低下する。
光散乱材334の平均球相当径が300nm〜10μmの場合、ミー散乱(図4参照)が支配的になり、前方散乱が強くなり、凹凸層330内を伝播する光の向きを正面方向に揃えることができ、光取り出し面21等の界面での全反射を低減できる。
(平坦化層)
平坦化層340は、凹凸層330上に設けられ、凹凸層330の凹凸を吸収する。平坦化層340の平坦面上に設けられる透明電極50、有機層60、及び反射電極70が設計通りの性能を発揮できる。
平坦化層340は、例えばウェットコート法で凹凸層330の凹凸面上に形成される。平坦化層340の形成前に、凹凸層330の樹脂の架橋反応を進める工程(例えば熱処理工程)が行われてよい。
平坦化層340は、樹脂等の基材343、及び基材343中に分散する光散乱材344を含んでよい。平坦化層340を透過する光は、光散乱材344で散乱され、光取り出し面21に入射する。この入射角が臨界角未満の光は、光取り出し面21から外部に放出される。一方、この入射角が臨界角以上の光の大部分は、光取り出し面21で全反射された後、光取り出し面21と、光反射面(例えば反射電極70と有機層60の界面)との間を1回以上往復する間に、光散乱材344によって繰り返し散乱され、臨界角未満の入射角に変化し、最終的に光取り出し面21から取り出される。
基材343は、基材343と透明電極50との界面での反射を抑えるため、第1実施形態と同様に、透明電極50との屈折率差が0.3以下の材料で構成されることが好ましい。基材343の屈折率は、透明電極50の屈折率よりも高くても低くてもよいが、透明電極50の屈折率以下であることが好ましい。
基材343は、凹凸層330の基材333と異なる屈折率を有する。基材343は、透明基板20よりも高い屈折率を有する透明電極50と接するので、透明基板20と接する凹凸層330の基材333よりも高い屈折率を有することが好ましい。
光散乱材344は、基材343と異なる屈折率を有し、基材343よりも低い屈折率を有する空気、基材343よりも高い屈折率を有する金属酸化物、又は両方で構成される。金属酸化物としては、ジルコニア(ZrO)、チタニア(TiO)、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、酸化スズ(SnO)等が挙げられる。
光散乱材344の平均球相当径(平均粒子径)は、好ましくは300nm〜10μmである。光散乱材344の平均球相当径が10μmを超えると、光散乱材344が基材343中に分散しにくく、偏在しやすい。光散乱材344の平均球相当径が300nm未満になると、可視光の波長よりも短すぎるので、レイリー散乱(図3参照)が支配的になり、後方散乱が強くなるので、光の取り出し効率が低下する。
光散乱材344の平均球相当径が300nm〜10μmの場合、ミー散乱(図4参照)が支配的になり、前方散乱が強くなり、凹凸層340内を伝播する光の向きを正面方向に揃えることができ、光取り出し面21等の界面での全反射を低減できる。
尚、本実施形態では凹凸層330及び平坦化層340の両方が光散乱材を含むが、いずれか一方が光散乱材を含んでいればよい。
例えば、図19に示すように、凹凸層330が光散乱材334を含み、平坦化層343が光散乱材344を含まなくてもよい。図19に示す例(第1変形例)の場合、モスアイ構造331は、光の入射角や光の波長に関係なく反射率が低く(1%以下)、透過率が高く、光取り出し効率が良い。また、光取り出し面21に臨界角以上の入射角で入射する光の大部分は、光取り出し面21で全反射された後、光取り出し面21と、光反射面(例えば反射電極70と有機層60の界面)との間を1回以上往復する間に、凹凸層330中の光散乱材334によって繰り返し散乱され、臨界角未満の入射角に変化し、最終的に光取り出し面21から取り出される。また、凹凸層330中の散乱材334は、凹凸層330内を伝播する光の向きを正面方向に揃え、光取り出し面21等の界面での全反射を抑え、光取り出し効率を向上する。
また、図20に示すように、平坦化層340が光散乱材344を含み、凹凸層333が光散乱材334を含まなくてもよい。図20に示す例(第2変形例)の場合、モスアイ構造331は、光の入射角や光の波長に関係なく反射率が低く(1%以下)、透過率が高く、光取り出し効率が良い。また、光取り出し面21に臨界角以上の入射角で入射する光の大部分は、光取り出し面21で全反射された後、光取り出し面21と、光反射面(例えば反射電極70と有機層60の界面)との間を1回以上往復する間に、平坦化層340中の光散乱材344によって繰り返し散乱され、臨界角未満の入射角に変化し、最終的に光取り出し面21から取り出される。また、平坦化層340中の散乱材344は、平坦化層340内を伝播する光の向きを正面方向に揃え、光取り出し面21等の界面での全反射を抑え、光取り出し効率を向上する。
以上、有機LED素子用の積層基板等について第1〜第4実施形態等を説明したが、本発明は上記実施形態に制限されない。特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
10 有機LED素子
11 有機LED素子用の積層基板
12 発光素子
20 透明基板
30 凹凸層
31 回折格子
33 基材
34 光散乱材
40 平坦化層
43 基材
44 光散乱材
50 透明電極
60 有機層
70 反射電極
130 凹凸層
131 プリズム
230 凹凸層
231 レンズ
330 凹凸層
331 モスアイ構造

Claims (9)

  1. 透明基板、該透明基板上に設けられる凹凸層、及び該凹凸層の凹凸面上に設けられる平坦化層を備え、有機層の発光光を、前記平坦化層、及び前記凹凸層を介して、前記透明基板における前記凹凸層側と反対側の面から外部に取り出すためのものであって、
    前記凹凸層は、基材、及び該基材中に分散する光散乱材を含み、回折格子を形成する、有機LED素子用の積層基板。
  2. 透明基板、該透明基板上に設けられる凹凸層、及び該凹凸層の凹凸面上に設けられる平坦化層を備え、有機層の発光光を、前記平坦化層、及び前記凹凸層を介して、前記透明基板における前記凹凸層側と反対側の面から外部に取り出すためのものであって、
    前記凹凸層は、基材、及び該基材中に分散する光散乱材を含み、周期的に配列される複数のプリズムを形成する有機LED素子用の積層基板。
  3. 透明基板、該透明基板上に設けられる凹凸層、及び該凹凸層の凹凸面上に設けられる平坦化層を備え、有機層の発光光を、前記平坦化層、及び前記凹凸層を介して、前記透明基板における前記凹凸層側と反対側の面から外部に取り出すためのものであって、
    前記凹凸層は、基材、及び該基材中に分散する光散乱材を含み、周期的に配列される複数のレンズを形成する有機LED素子用の積層基板。
  4. 透明基板、該透明基板上に設けられる凹凸層、及び該凹凸層の凹凸面上に設けられる平坦化層を備え、有機層の発光光を、前記平坦化層、及び前記凹凸層を介して、前記透明基板における前記凹凸層側と反対側の面から外部に取り出すためのものであって、
    前記凹凸層は、基材、及び該基材中に分散する光散乱材を含み、複数の凸部が周期的に配列されるモスアイ構造を有する有機LED素子用の積層基板。
  5. 前記凹凸層中の光散乱材は金属酸化物の粒子であって、該粒子の平均粒径が300nm〜10μmである請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機LED素子用の積層基板。
  6. 前記平坦化層は、基材、及び該基材中に分散する光散乱材を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機LED素子用の積層基板。
  7. 前記平坦化層中の光散乱材は金属酸化物の粒子であって、該粒子の平均粒径が300nm〜10μmである請求項に記載の有機LED素子用の積層基板。
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載の積層基板、及び該積層基板の前記平坦化層上に設けられる透明電極を含む透明電極付き積層基板。
  9. 請求項1〜のいずれか一項に記載の積層基板、及び該積層基板の前記平坦化層上に設けられる発光素子を含む有機LED素子。
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