JP4494529B2 - 真核系サンプル中の特異的核酸配列を検出するためのin situハイブリダイゼーション - Google Patents

真核系サンプル中の特異的核酸配列を検出するためのin situハイブリダイゼーション Download PDF

Info

Publication number
JP4494529B2
JP4494529B2 JP51851397A JP51851397A JP4494529B2 JP 4494529 B2 JP4494529 B2 JP 4494529B2 JP 51851397 A JP51851397 A JP 51851397A JP 51851397 A JP51851397 A JP 51851397A JP 4494529 B2 JP4494529 B2 JP 4494529B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hybridization
binding partner
binding
nucleic acid
concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP51851397A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000500018A (ja
Inventor
ハイディグ−ニールセン,ジェンス,ジョルゲン
プラゼック,カール−ジョアン
ジュスト,トム
Original Assignee
ダコ デンマーク アクティーゼルスカブ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ダコ デンマーク アクティーゼルスカブ filed Critical ダコ デンマーク アクティーゼルスカブ
Publication of JP2000500018A publication Critical patent/JP2000500018A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4494529B2 publication Critical patent/JP4494529B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6813Hybridisation assays
    • C12Q1/6841In situ hybridisation

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Description

本発明はin situハイブリダイゼーションを利用して真核系起源のサンプル中の特異的な核酸配列の存在を測定するための方法に関する。本方法は特に細菌及びウィルス感染症、遺伝子病及び新生障害の如き様々な病気を診断するのに適する。本発明の別の観点において、本発明の方法を実施するうえで使用するための診断キットを提供する。
発明の背景
ハイブリダイゼーションは一般技術を説明するために伝統的に利用されており、それによるとデオキシリボ核酸(DNA)分子、リボ核酸(RNA)分子又はDNAとRNAとの組合せの相補し合う鎖を一本鎖へと分け、次いで変性又は再アニーリングさせ、そして塩基対二重らせんを再形成させる。ハイブリダイゼーション技術は一般に3つの主要クラスに分けられる。溶液ハイブリダイゼーションは、個々の細胞を破壊し、そして内部核酸をハイブリダイゼーションの前に溶液へと抽出させるものである。この技術はハイブリダイゼーションの前の核酸の様々なレベルの精製を含む。フィルター又はブロットハイブリダイゼーションは、DNA又はRNAを固体マトリックスに直接又は例えばアガロースゲルもしくはポリアクリルアミドゲルに基づく個々の核酸フラグメントの分離後に結合させ、次いでハイブリダイゼーションをハイブリド検出用ラベル化プローブで実施するものである。そしてin situハイブリダイゼーション(ISH)は例えば細胞組織、核又は染色体内の特異的な構造における核酸配列の検出及び位置決めを直接供する方法である。これらの技術は標的と、検出すべき配列に特異的に結合することのできるプローブとの特異的な相互作用に基づくものであるが、これらの技術は互いとかなり相異し合い、且つ区別されるものである。
in situハイブリダイゼーションは細胞材料、例えばパラフィン包埋組織切片、新鮮又は凍結生検、細胞又は染色体中の特異的な細胞又は染色体核酸の検出を可能にする。伝統的には、検出すべき標的配列に対して十分に相補性である塩基配列を有する核酸プローブが利用されている。このタイプの検出のため、放射性アイソトープ以外の検出可能基でラベルされた核酸プローブが幅広く利用されている。
より高感度な方法の要求が高まっている。感度を高める方法は増強する検出系の利用及び/又は検出する核酸配列を標的とする様々な配列を有するプローブの数を増やすことにある。非常に近縁な配列を区別する場合、それはどれぐらい多くのプローブバリエーションが一定の標的を検出するために利用できるかに往々にして制約される。
いわゆる「in situ PCR」を利用する組織切片又は細胞標本におけるin situ核酸ハイブリダイゼーションの感度の上昇が発表されている。in situ PCRの原理は個々の細胞の内側の特異的な核酸配列の増幅を介するPCR及びISHの技術の組合せであり、それはISHにより検出可能なレベルに至るコピー数の増大を供する。再現性のある結果はサンプルの保全性に依存する。サンプルの前処理の間、細胞膜は損傷を受けることがあり、いわゆる「拡散アーチファクト」の危険性が生ずる。PCR生成物は細胞から漏出することがありそして細胞外増幅のための鋳型を担うことがある。これは偽陽性シグナルを供しうる。最近の報告は「in situ PCR」の落し穴をまとめている(Cell Vision,3,231-235(1995))。
本発明に従うと、真核系起源のサンプル中の特異的な核酸配列の検出のためのin situハイブリダイゼーション手順のための結合パートナー及びプロトコールを提供する。本方法においてはハイブリダイゼーションは結合パートナーを使用して実施し、その結合パートナーは非環式骨格を有する重合成分のポリマー鎖であり、そのポリマー鎖が測定すべき核酸配列にハイブリダイズできるものである。かかるポリマー鎖の例はWO92/20702号に示されている。
WO92/20702号において、ペプチド核酸(PNA)なる語が非環式骨格及び核酸結合特性を有するいくつかの化合物を説明するために導入されている。
WO93/24652号において、PNAプローブは変性剤、例えばホルムアミドを加えないで実施されるin situハイブリダイゼーション、そして更にはハイブリダイゼーションが低温で実施されるin situハイブリダイゼーションに有用であるとされている。
このin situハイブリダイゼーション手順のこの条件付きの簡略化はPNAが二本鎖DNAと三重らせん構造をとるという事前の仮説に基づく。WO93/24652号において、この簡略化を裏付けする実験データーはない。1991年に発表された三重らせん形成の仮説(Science,254,1497-1500(1991))はホモピリジンPNAをホモプリンDNAと組合せ、これにより(PNA)2/DNA三重らせん、例えば(PNA(T))2(ポリdA)が形成されるときにのみ適用されるものと示されている(TIBTECH,11,384-386(1993))。
発明の概要
本発明に従うと、in situハイブリダイゼーションを利用する真核系起源のサンプル中の特異的核酸配列の存在を測定するための方法を提供する。
本発明は、in situハイブリダイゼーションを利用して真核系起源のサンプル中の特異的核酸配列の存在を決定するための方法であって、(1)前記サンプルの調製品を作る、ここでこのサンプルは固定化に委ねるものとする、(2)前記調製品を、決定すべき特異的核酸配列にハイブリダイズしてハイブリドを形成することのできる少なくとも一種の結合パートナーと、前記核酸と前記結合パートナーとの間で形成されるハイブリドの融点を下げて特異的結合、対、非特異的結合との比を高めるのに有効な量のハイブリド不安定化剤とを含んで成るハイブリダイゼーション溶液と接触させる、ここで前記結合パートナーは非環式骨格を有する重合成分を含むポリマー鎖であり、このポリマー鎖が決定すべき核酸配列にハイブリダイズすることのできるものである、(3)任意の未結合及び任意の非特異的に結合した結合パートナーを除去する、そして(4)前記調製品中の結合した結合パートナーの存在を決定する、段階を含んで成る方法を提供する。
本発明の態様において、前記ポリマー鎖が次式(I)の重合成分
Figure 0004494529
(式中、YはO又はSを表わし、
各Xは独立してO又はSを表わし、
各Qは天然核塩基(nucleobase)、非天然核塩基、挿入基、核塩基結合基、ラベル又はHを表わし、
uは1〜5の整数であり、
p及びsは独立して0又は1を表わし、
q及びrは独立して0又は1を表わし、
tは0又は1を表わし、
1及びR10は独立してH又はC1-4アルキルを表わし、
2,R3,R4,R5,R6,R7,R8及びR9は独立してH、天然アミノ酸の側鎖又は非天然アミノ酸の側鎖を表わす)を含んで成る方法を提供する。
ハイブリド不安定化剤は、決定すべき核酸とこの核酸を検出するのに利用する結合パートナーとの間で形成されるハイブリドの融点を下げ、特異的結合、対、非特異的結合の比を高めるのに有効な量で存在する。
ハイブリド不安定化剤はホルムアミド、エチレングリコール及びグリセロールである。これらの試薬は10%より多く70%未満の量で存在しているのが好ましいことがある。ホルムアミドはより好ましくは20〜60%の量、最も好ましくは30〜50%の量で存在しうる。エチレングリコールはより好ましくは30〜65%の量、最も好ましくは50〜65%の量で存在しうる。
本発明は真核系起源、例えばヒト、動物又は植物起源のサンプル中の特異的核酸配列の存在を測定するための方法を提供する。非限定的な例は組織切片、細胞標本、細胞又はその一部の懸濁物、及び広げた染色体である。
結合パートナーは適切にはラベル化又は非ラベル化のものであってよい。一の観点において、結合パートナーはハイブリダイゼーション中に形成されるハイブリドの検出のために1又は複数のラベルを担持する。
本発明の一の態様において、アルカリpHの洗浄バッファーが段階(3)において好適に利用されうる。アルカリpHを有する洗浄バッファーの使用はある状況においては特異的、対、非特異的結合の比を高めうる。
本発明の更なる観点において、本発明に係る方法を使用するために利用される診断キットを提供し、このキットは上記の1又は複数種の結合パートナーを含んで成る。
この診断キットは更にサンプル調製のために必要とされる試薬、ハイブリド不安定化剤、及び任意的にハイブリダイゼーション後に形成されるハイブリドの検出のための試薬を含みうる。
特定の説明
in situハイブリダイゼーションを利用する真核系起源のサンプル中の特異的な核酸配列の存在を測定するための方法は下記の4つの段階、即ち、(1)サンプル調製品の作製、(2)ハイブリダイゼーション、(3)任意の未結合及び任意の非特異的に結合した結合パートナーを除去するための後ハイブリダイゼーション洗浄、並びに(4)調製品中の結合した特異的結合パートナーの存在の測定、を含んで成る。これらの段階の態様はハイブリダイゼーションに利用した出発材料及び結合パートナーの例と一緒に以下に説明する。
出発材料
本方法は真核系起源のサンプル中の核酸配列を検出するために利用できる。本方法は例えば病原性細菌又はウィルスに特異的な核酸配列の存在についてかかるサンプルを分析するために有用な手段を提供し、これにより診断を樹立するための情報が提供される。ヒト又は動物病理学において、染色体異常の検出は遺伝子病又は障害を診断するために臨床学的に重要な情報を供しうる。植物生物学において、本方法は、例えば植物への除草剤耐性遺伝子の移入の効率をモニターするための、又はヒト組織におけるように、一定の細胞構造におけるタンパク質の特異的な合成の樹立(mRNAの検出による)のための有用な手段でありうるものと更に考えられる。
「真核系起源のサンプル」なる語は、限定することなく、ヒト、動物又は植物起源のサンプルを含む。本明細書において、「サンプル」なる語は、限定することなく、ヒト、動物又は植物組織切片、細胞又は組織培養物、ヒト、動物もしくは植物細胞の懸濁物、又はその単離部分、ヒトもしくは動物生検、血液サンプル、唾液、尿、大脳髄液、乳、***物、分泌物、綿棒採取物、糞サンプル及び吸引液を含むことを意図する。
当該結合パートナーと決定する特異的核酸との間で形成されるハイブリドにおいて、Hoogsteen及び/又はWatson−Crick塩基対合がハイブリド形成を助けるものと推定される。本明細書において、「ハイブリド」なる語は当該結合パートナーと2本以上の鎖を含んで成る測定すべき特異的核酸との複合体を含むことを意図する。非限定的な例は、一本鎖の当該結合パートナー鎖と一本の核酸鎖との二重らせん及び例えば二本の当該結合パートナー鎖と一本の核酸鎖との三重らせんである。
サンプルの調製品の作製
検査すべきサンプルはハイブリダイゼーションの前に前処理し、これによりサンプルの調製品を作製する。当業者は適切な前処理が検査すべきサンプルのタイプに依存するであろうことを容易に理解するであろう。前処理の際、サンプルは固定化に委ねられるであろう。
かくして、本方法の一の態様においては、サンプルを固相支持体に載せる。サンプルを固相支持体に載せるための技術は注目のサンプルのタイプに依存し、そして例えば、組織の切片化、並びに細胞懸濁物の標本化及び細胞遠心分離が含まれうる。数多くのタイプの固相支持体が本方法を実施するために利用されうる。かかる支持体及びその上にサンプルを載せるための手順の利用は当業者に公知である。ガラス顕微鏡スライドが特に好都合である。ガラス顕微鏡スライドはサンプルをより良く保持するように処理してよい。
ハイブリダイゼーションの前に、サンプルはその後の反応を促進するために様々な化学品で適当に前処理する。実際の前処理は分析するサンプルのタイプ及びDNAかRNAかを検出することに依存するであろう。RNA、例えばmRNAの位置決定のためには、RNAのほとんどが完全なままとなるようにサンプルの回収後できるだけ早くサンプルを処理するのが好都合である。もしDNA配列を検出するなら、この工程の重要性は薄れる。好適な処理は細胞マトリックス及び細胞内の核酸の形態学的保全性を固定及び保存し、且つ最も効率的なプローブ浸入度を可能にする方法である。「プローブ」及び「結合パートナー」なる語は本明細書において同義語として使用しており、それ故「結合パートナー」なる語は核酸ハイブリダイゼーションにおいて伝統的に利用されている「プローブ」なる語に相当する。
組織サンプルの調製品の作製において、組織の形態学的保全性及び核酸の保全性は、サンプルを化学固定又は凍結のいづれかの手段に介する固定化段階にかけることにより保存されうる。例えば生検の保存のために凍結を利用する場合、一般に生検を液体窒素の中で凍結する。凍結後、サンプルを適宜−80℃に保存してよい。核酸の分析の前に、凍結サンプルを薄い切片に切りそして例えば前処理したスライドに移す。これは例えば低温維持装置の中で−20℃の温度で実施してよい。生検又は組織切片は使用するまで適宜−80℃で保存してよい。ハイブリダイゼーションの前に、組織切片を固定剤、好ましくは沈殿固定剤、例えばアセトンで処理するか、又は組織切片を緩衝ホルムアルデヒド溶液の中に短い時間インキュベーションしてよい。他方、生検又は組織切片を固定剤、例えば緩衝ホルムアルデヒドに12〜24時間移し入れてよい。固定化後、この組織をパラフィンの中に包埋してブロックを形成し、それから薄い切片を切り取る。良好に調製したパラフィン包埋サンプルは室温で何年も保存できる。
ハイブリダイゼーションの前に、組織切片を標準の手順を利用して脱蝋し、そして再水和する。
結合パートナーに対する標的核酸配列の十分なるアクセス能を確保するために更なる浸透性化が必要とされうる。処理のタイプはいくつかの要因、例えば使用する固定剤、固定の度合い、使用するサンプルのタイプ及びサイズ、並びに結合パートナーの長さに依存するであろう。この処理はプロテアーゼ、例えばプロティナーゼK、プロナーゼもしくはペプシン、希酸、界面活性剤もしくはアルコール、又は熱処理に対する曝露を包含しうる。
あるケースにおいて、ハイブリダイゼーション溶液に非常に似ているが結合パートナーを含まないプレハイブリダイゼーション混合物を利用するプレハイブリダイゼーション工程が結合パートナーの非特異的結合を下げるために有用でありうる。プレハイブリダイゼーション混合物の成分は、本来結合パートナーに非特異的に結合しうる組織内の部位の効率的な飽和を得るように選定すべきである。
懸濁調製品、例えば細胞の懸濁物を分析するため、サンプルは材料の浸透性化及び形態の保存のために処理する。固定はホルムアルデヒド、アセトン又はエタノールの如き固定剤で実施してよい。
別の態様において、本方法は染色体内の特異的な核酸配列の検出を可能にする。かかる検出は例えば、標的配列が染色体の任意の領域、例えば染色体の動原体領域又は末端小粒領域に位置しうる中期における広がった染色体を利用して実施してよい。この場合の前処理は有糸***の中期における***細胞の染色体を拘束するためのコルセミドの如き薬剤の添加を含んで成りうる。その後、サンプルを高張性バッファーで処理してよい。遠心分離の後、染色体を固定剤で処理し、そしてスライドの上で広げる。ハイブリダイゼーション段階の直前又は同時に、この調製品は二本鎖標的を分離するために処理してよい。この分離はホルムアルデヒドの如き変性剤の存在下での調製品の加熱により成し遂げられうる。染色体内の特異的な核酸配列の検出は、例えば組織切片又は細胞懸濁物における期間の染色体を利用して実施してもよい。かかる場合、検体は組織切片又は細胞懸濁物について上記した通りに処理してよい。
全てのサンプル調製品に関して、核酸はハイブリダイゼーションがin situで実施できる形態学的構造において固定化する。即ち、核酸は細胞材料から抽出されず、そしてハイブリダイゼーションは溶液内で実施されない。
RNA配列が検出のための標的なら、プレハイブリダイゼーション段階の際にリボヌクレアーゼによる標的核酸の分解を回避することが重要である。従って、前処理及びハイブリダイゼーションのために使用する装置及び溶液の全てをヌクレアーゼを除去するために適宜処理することが重要である。かかる不活性化技術は論文の中で公知であり、そして標準の手順に従って実施されうる。
本方法において利用する結合パートナー
本方法において利用する結合パートナーは非環式骨格を有する重合成分のポリマー鎖であり、このポリマー鎖が測定すべき核酸配列にハイブリダイズできるものである。
本方法の一の態様において、このポリマー鎖は次式(I)の重合成分
Figure 0004494529
(式中、YはO又はSを表わし、
各Xは独立してO又はSを表わし、
各Qは天然核塩基(nucleobase)、非天然核塩基、挿入基、核塩基結合基、ラベル又はHを表わし、
uは1〜5の整数であり、
p及びsは独立して0又は1を表わし、
q及びrは独立して0又は1を表わし、
tは0又は1を表わし、
1及びR10は独立してH又はC1-4アルキルを表わし、
2,R3,R4,R5,R6,R7,R8及びR9は独立してH、天然アミノ酸の側鎖又は非天然アミノ酸の側鎖を表わす)を含んで成る。
「天然核塩基」なる語は4種の主要DNA塩基(即ち、チミン(T)、シトシン(C)、アデニン(A)及びグアニン(G)並びにその他の天然核酸基(例えばウラシル(U)及びヒポキサンチン)を含む。
「非天然核塩基」なる語は、例えば天然核塩基であって任意的にラベルが適当なリンカーを介して塩基にカップリングされているもの、並びに修飾天然核塩基、例えば修飾ウラシル及びヒポキサンチンである。天然核塩基のその他の例は2,6−ジアミノプリン、プロピニルシトシン(Cプロピニル)、イソシトシン(iso−C)、イソグアノシン5−メチル−イソントシン(iso MeC)である(例えば、Tetrahedron Letters Vol 36,No 12,2033-2036(1995)又はTetrahedron Letters Vol 36,No 21,3601-3604(1995)参照)。
有用な挿入剤の例は、例えばアクリジン、アントラキノン、プソラレン及びピレンである。
有用な核塩基結合基の例は、例えば3−ニトロピロル及び5−ニトロインドールである。
本明細書において、「C1-4アルキル」は1〜4個の炭素原子を含む枝分れ又は枝分れしていないアルキル基を意味することを意図している。非限定例はCH3,CH2CH3及びCH(CH32である。
本明細書において、「天然アミノ酸」なる語は、自然において一般に存在するD−及びL−型のアミノ酸、例えばD−及びL−型Ala(アラニン)、Arg(アルギニン)、Asn(アスパラギン)、Asp(アスパラギン酸)、Cys(システイン)、Gln(グルタミン)、Glu(グルタミン酸)、His(ヒスチジン)、Ile(イソロイシン)、Leu(ロイシン)、Lys(リジン)、Met(メチオニン)、Phe(フェニルアラニン)、Pro(プロリン)、Ser(セリン)、Thr(スレオニン)、Trp(トリプトファン)、Tyr(チロシン)及びVal(バリン)を含んで成ることを意図する。
本明細書において、「非天然アミノ酸」なる語は天然において存在するもの以外のD−及びL−型アミノ酸並びに修飾天然アミノ酸を含んで成ることを意図する。有用な非天然アミノ酸の例はD−及びL−型のCha(シクロヘキシルアラニン)、Cit(シトルリン)、Hci(ホモシトルリン)、HomoCys(ホモシステイン)、Hse(ホモセリン)、Nle(ノルロイシン)、Nva(ノルバリン)、Orn(オルニチン)、Sar(サルコシン)及びThi(チエニルアラニン)である。
本発明において利用する結合パートナーは、ハイブリダイゼーション及び後ハイブリダイゼーション洗浄(段階(2)及び(3))において利用するストリンジェンシー下で十分に安定なハイブリドを形成するよう、決定するヌクレオチド配列と相互作用できるのに十分な数のリガンドを含んで成るべきである。本発明に従って利用する結合パートナーのリガンドを選定するための戦略は入手できる標的ヌクレオチド配列情報に基づきうる。
上記の結合パートナーにおいて、成分の骨格は好ましくは6個の原子より成ってよい。これは核酸に対して観察される現状最も強い親和力を供することが示されている。ある状況においては、結合パートナーと核酸配列との間の結合力を変えることが好都合でありうる。かかる親和力の変化はリガンドを数個又は6個より多くの原子で隔たせることにより成し遂げられうる。本発明において利用する好適な結合パートナーは、骨格内に多かれ少なかれ6個の原子を有する成分を25重量%未満で含んで成る(X及びQ基、並びに任意のリンカー及び/又はラベルを除いて計算)。
結合パートナーと核酸配列との間の結合力はリガンドQにより左右される。Hoogsteen及び/又はWatson-Crick塩基対合は核酸と、Qが核塩基を表わす結合パートナーとの間でのハイブリド形成に役立つ。1又は複数のリガンドは核酸の結合にあるにしてもわずかにしか寄与しない基、例えば水素でありうる。本方法において利用する結合パートナーはQがHを表わす成分を25重量%未満で含んで成るものと考えられる。1又は複数のリガンドQは核塩基の積み重ねを安定化する基、例えば挿入基であってよい。
上記の結合パートナーにおいて、1又は複数のQ基はラベルを表わしてよい。適当なラベルの例を以下に示す。Qがラベルを表わしている成分は好ましくはポリマー鎖の末端成分の一方又は双方に位置しうる。Qがラベルを表わす成分は内部に位置していてもよい。
本発明において利用する適当な結合パートナーはu,p,q,r,s,y,x及びQが前記の通りであり、tは0であり、R1はH又はCH3であり、R3,R4,R6及びR9はHを表わし、そしてR2,R5,R7及びR8は独立してH又は天然アミノ酸の側鎖もしくは非天然アミノ酸の側鎖を表わす式(I)の重合成分を含んで成る結合パートナーである。
別の態様は、前記ポリマー鎖が、rが0であり、そしてq及びsが1である一般式(I)の成分である次式(II)の重合成分
Figure 0004494529
(式中、Y,X,Q,p,t及びuは前記の通りであり、
2,R5及びR7は独立してH、天然アミノ酸の側鎖又は非天然アミノ酸の側鎖を表わし、そしてR1及びR10は独立してH又はCH3を表わす)を含んで成る方法に関する。
更なる別の態様は、前記ポリマー鎖が、p,r及びtが0であり、そしてq及びsが1である一般式(I)の成分でる次式(III)の重合成分
Figure 0004494529
(式中、Y,X,Q及びuは前記の通りであり、
2,R5及びR7は独立してH、天然アミノ酸の側鎖又は非天然アミノ酸の側鎖を表わす)を含んで成る方法に関する。
当該ポリマー鎖は以上に定義する重合成分を含んで成る。この式から、当該ポリマー鎖は構造が相互に異なる又は同一でありうる重合成分を含んで成りうることが理解される。
ポリマー鎖の骨格は適宜、全てのX基が0である重合成分を含んで成るポリアミドを形成しうるか、又は全てのX基がSである重合成分を含んで成るポリチオアミドを形成しうる。ポリアミド及びポリチオアミド形成成分は連結して、ポリアミド及びポリチオアミド形成成分の双方を含んで成るポリマー鎖を形成しうるか、ポリアミド形成成分もしくはポリチオアミド形成成分のみを含んで成るポリマー鎖を形成しうる。ポリアミド骨格を有するポリマー鎖(全てのX基が0を表わす)に特に関心がもたれる。
最も関心のもたれる結合パートナーは、そのポリマー鎖が、p,r及びtが0であり、そしてu及びsが1である一般式(I)の成分である式(IV)〜(VI)の重合成分:
Figure 0004494529
(式中、R2,R5及びR7は独立してH、天然アミノ酸の側鎖又は非天然アミノ酸の側鎖を表わし、そして各Qは独立して天然核塩基、非天然核塩基、挿入基又は核塩基結合基を表わす)を含んで成るものである。
式(IV)〜(VI)において、置換基R2,R5及びR7が適宜H、又はAla,Asp,Cys,Glu,His,HomoCys,Lys,Orn,SerもしくはThrの側鎖を表わし、そしてQがチミン、アデニン、シトシン、グアニン、ウラシル又はヒポキサンチンを表わすように選定してよい。
特に関心のもたれる結合パートナーは前記ポリマー鎖が、p,r及びtが0であり、そしてu,s及びqが1である一般式(I)の成分である次式(VII)の重合成分
Figure 0004494529
(式中、Qはチミン、アデニン、シトシン、グアニン、ウラシル又はヒポキサンチンを表わす)を含んで成るものである。
結合パートナーの好適な長さは標的材料と、ラベル化結合パートナーを利用するか否かとに依存するであろう。特に関心のもたられる結合パートナーは上記の通り8〜30個の重合成分を含んで成るものと考えられる。12〜20個の重合成分を含んで成る結合パートナーが特に関心がもたられ得、そして14〜20個の成分を含んで成る結合パートナーが最も関心がもたれる。
前述の通り、結合パートナーの重合成分は相互に異なるものでも同一のものでもよい。ある態様においは、式(IV)〜(VII)の重合主成分はポリマー鎖の75重量%以上(上記の通りに計算)、好ましくは80重量%以上、そして最も好ましくは90重量%以上を構成する。
ポリマー鎖を終結する成分の先端は適当な置換基で置換されていてよい。これらの置換基は遊離又はアシル化型の終結成分を形成するように選定してよい。これらの置換基は更に、終結成分の化学的性質に応じてエステル、アミド又はアミンを形成するように選定してよい。終結末端は更に1又は複数個のラベルにより置換されていてよく、そのラベルは端と端をつないで組込んでよく、即ち、枝分れしていないラベル化末端を形成させるか、又は枝分れしたラベル化末端(「ジッパー」)を形成させるように組込んでよい。終結末端は更に1又は複数のリンカーユニットにより置換されていてよい。かかるリンカーユニットは終結末端に直接付加するか、終結末端上のラベルもしくはラベルの間に付加するか、又はラベルを終結末端に付加する前に終結末端に付加してよい。2つの終結末端は異なる又は同一の置換基、リンカーユニット及び/又はラベルを担持しうる。「ラベル」なる語は1又は複数のラベルを含んで成ることを意図するものと理解すべきである。
「ペプチドラベル」なる表現は1〜20個の天然又は非天然アミノ酸、好ましくは1〜10個の天然又は非天然アミノ酸、より好ましくは1〜8個の天然又は非天然アミノ酸、最も好ましくは1〜4個の天然又は非天然アミノ酸を、枝分れしていない又は枝分れした(「ジッパー」)状態で端から端へとつながれて含んで成るラベルを意味することを意図する。好適な態様において、かかる枝分れしていない又は枝分れし末端は1又は複数、好ましくは1〜8個のラベル、より好ましくは1〜4個のペプチド以外の更なるラベルを含んで成る。1又は複数のリンカーユニットは適宜ペプチドラベル及び/又は更なるラベルを付加する前に終結末端に付加してよい。かかるリンカーユニットはペプチドラベルと更なるラベルとの間に付加してもよい。
かかるポリマー鎖は1又は複数個のラベル、例えば1〜8個のラベル、好ましくは1〜4個のラベル、及び/又は1又は複数個のリンカーユニットを含んで成ってもよく、それらは内部的に、即ち、ポリマー鎖の骨格に付加されていてよい。リンカーユニット及びラベルは上記の通りに相互に付加されていてよい。
本明細書において、「ラベル」なる語は結合パートナーと核酸との間で形成されるハイブリドの検出のために有用である置換基を意味する。本発明に従って、適当なラベルには蛍光団、ビオチン、ジニトロ安息香酸、ジゴキシゲニン、放射性アイソトープラベル、ペプチド又は酵素ラベル、ケミルミネッセンスラベル、ハプテン、抗原又は抗体ラベルが含まれる。特に関心のもたられるラベルの例はビオチン、蛍光ラベル、例えばフルオレセインラベル、例えば5−(及び6)−カルボキシフルオレセイン、5−又は6−カルボキシフルオレセイン、6−(フルオレセイン)−5−(及び6)−カルボキシアミドヘキサノン酸及びフルオレセインイソチオシアネート、ペプチドラベル、ジニトロ安息香酸、ローダミン、テトラメチルローダミン、シアニン色素、例えばCy2,Cy3及びCy5、クマリン、R−フィコエリスリン、アロフィコエリスリン、Texas Red及びPrinceston Red、並びにR−フィコリエリスリンと、例えばCy5又はTexas Redとのコンジュゲートである。
好適なラベルの例はビオチン、蛍光ラベル、ペプチドラベル及びジニトロ安息香酸である。ペプチドラベルは好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜8個、最も好ましくは1〜4個の天然又は表天然アミノ酸より成ってよい。1又は複数個のその他のラベル、並びにペプチドラベル、例えば1〜8個又は1〜4個のその他のラベルを組込むことが特に好都合でありうる。
適当なペプチドラベルは好ましくはシステイン、グリシン、リジン又はオルニチンより成ってよい。
リンカーは次式のユニット、−NH−(CH2CH2O)n CH2C(O)−,−NH(CHOH)n C(O)−,−(O)C(CH2OCH2n C(O)−及び−NH(CH2n C(O)−(式中、nは0又は1〜8の整数、好ましくは1〜3である)より選ばれるリンカーユニットより成ってよい。リンカーユニットは遊離アミノ基又は遊離酸基、即ち、NH2(CH2CH2O)n CH2C(O)−,NH2(CHOH)n C(O)−,HO(O)C(CH2OCH2n C(O)−,NH2(CH2n C(O)−,−NH(CH2CH2O)n CH2C(O)OH,−NH(CHOH)n C(O)OH,−(O)C(CH2OCH2n C(O)OH及び−NH(CH2n C(O)OHを有しうる。リンカーは3個までのかかるリンカーユニットより成りうる。非常に関心のもたられるユニットの例は−NHCH2 C(O)−,−NHCH2CH2C(O)−,−NH(CH2CH2O)2 CH2C(O)−,HO(O)CCH2C(O)(NH−(CH2CH2O)2 CH2C(O))2−である。
更なる態様において、前記のリガンドQはラベル化されていてよい。適当なラベルは前記の通りである。かかるラベルの間に、C1-15アルキル、C1-15アルケニル及びC1-15アルキニルより選ばれるリンカーを組込んでよい。本明細書において、「C1-15アルキル、C1-15アルケニン及びC1-15アルキニル」とは1〜15個の炭素原子を含む枝分れした又は枝分れしていないアルキル、アルケニル及びアルキニル基を意味することを意図している。かかるラベル化リガンドQは5位においてラベル化されたチミン及びウラシルより選ばれるものが好ましい。
好適な態様において、利用するポリマー鎖はグリシンの窒素がメチレンカルボニルリンカーにより天然核塩基に接続された重合N−(2−アミノエチル)グリシン成分を含んで成る結合パートナーである。検出プローブとして使用する結合パートナーは適切には8〜30個のかかる重合成分、好ましくは12〜20個の成分、最も好ましくは14〜20個の成分を含んで成りうる。
ハイブリダイゼーションのための結合パートナーの態様の調製
一の態様において、現状最も好適な結合パートナーは式(VII)の重合成分を含んで成るポリマー鎖である。この構造の化合物の合成はWO92/20702号に記載され、そしてこれらの化合物はPNAと命名されている。
本例において利用されている結合パートナーはMillipore Corporation(Bedford,MA,USA)より入手できる「PNA Information Package」に記載の手順に従って合成したものか、又は結合パートナーはPerSeptive Biosystems(Framingham,MA,USA)より入手したものとした。
リンカー又はアミノ酸による結合パートナーの伸長のためのFmoc戦略を利用するなら、酸感受性保護基、例えばBoc基で保護された側鎖アミノ基を有することが可能であった。この方法は同じ合成サイクル内で全て切断及びラベル化ができる複数個のBoc保護アミノ基を含むリンカーの導入を可能にする。
結合パートナーをラベルする一の手法は蛍光ラベル、例えば5−(及び6)−カルボキシフルオレセイン、5−又は6−カルボキシフルオレセイン、6−(フルオレセイン)−5−(及び6)−カルボキシアミドヘキサノン酸又はフルオレセインイソチオシアネートの利用である。酸性基をHATU(O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)又はHBTU(2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)で活性化し、そしてN−末端アミノ基と反応させる。この技術は酸性官能基を含むその他のラベル基に適用できる。他方、上記のラベルのスクシニミジルエステルを直接使用してよい。
合成後、結合パートナーをMillipore Corporation又はPerSeptive Biosystemsにより発表された標準の手順を利用して樹脂から切断した。結合パートナーを精製し、そして逆相HPLC技術を利用して50℃で分析し、そしてフライト−質量スペクトルのマトリックス補助レーザー脱離/電離時間(MALDI-TOFMS)、プラズマ脱離質量スペクトル(PDMS)又は電子スプレー質量スペクトル(ESMS)により特性決定した。
一般に、結合パートナー、例えば式(IV)〜(VII)の重合成分を含んで成る結合パートナーは例えばTetrahedron Letters Vol 35,No 29,5173-5176(1994)及びBioorganic & Medical Chemistry Letters,Vol 4,No 8,1077-1088(1994)に記載の通りにして調製してもよい。いくつかの結合パートナーの化学特性は例えばNature,365,566-568(1993)に記載されている。
ハイブリダイゼーション
ハイブリダイゼーションは上記の通りに調製した固定化、固相化又は懸濁調製品を利用して実施してよい。もし二本鎖標的、例えば染色体又はDNA配列を検出するなら、2本の鎖を分離する処理が必要でありうる。鎖の分離はハイブリダイゼーション混合物の存在下でサンプルを、鎖を解離するのに十分に高い温度、且つ十分に長い時間加熱することにより成し遂げられうる。一般に、90〜95℃の温度で5〜15分が適当である。
ハイブリダイゼーションバッファーは測定する核酸と結合パートナーとで形成されるハイブリドの溶融温度を下げ、特異的結合、対、非特異的結合の比が高まるのに有効な量でハイブリド不安定化剤を含んで成る。この試薬はハイブリダイゼーションを、試薬がないときよりも低い温度で実施できるようにする。伝統的な核酸ハイブリダイゼーションにおいては、かかる試薬は変性剤を称されている。
ハイブリダイゼーション及び変性は適量のハイブリド不安定化剤と処理のために適切な温度との組合せを利用して同時に実施することができる。
ハイブリド不安定化剤の有効な量は使用する不安定化剤のタイプ、そして更には使用する結合パートナー又は結合パートナーの組合せに依存するであろう。式(VII)の結合パートナーを利用することで、ハイブリド不安定化剤を含ませることにより極めて良好な結果が得られることが見い出された。ハイブリド不安定化剤の例はホルムアミド、エチレングリコール及びグリセロールであり、そしてこれらの試薬は好ましくは10%より高く、且つ70%より低い濃度で使用してよい。ホルムアミドの濃度はより好ましくは20〜60%、最も好ましくは30〜50%でありうる。エチレングリコールの濃度はより好ましくは30〜65%、最も好ましくは50〜65%でありうる。グリセロールの濃度はより好ましくは45〜60%、最も好ましくは50%でありうる。
硫酸デキストラン、ポリビニルピロリドン及び/又はフィコールの如き巨大分子を含ませることが往々にして好都合である。かかる巨大分子又はポリマーの存在下では、標的での結合パートナーの有効濃度の高まるものと推定される。硫酸デキストランは15%までの濃度で加えてよい。2.5〜12.5%の硫酸デキストランの濃度が往々にして好都合である。
ある状況においては、ドデシル硫酸ナトリウム、Tween 20(登録商標)又はTriton X-100(登録商標)の如き界面活性剤を加えることが好都合でありうる。
ハイブリダイゼーションの間、その他の重要なパラメーターはハイブリダイゼーション温度、結合パートナーの濃度及びハイブリダイゼーション時間である。当業者は様々な出発材料についての最適条件が上記のパラメーターそれぞれについて決定されることを容易に認識するであろう。
式(IV)〜(VII)の重合成分を含んで成る結合パートナーと標的核酸配列とのハイブリダイゼーションはpH及びNaClの濃度の変動に対して非感受性であるようである。
後ハイブリダイゼーション洗浄
ハイブリダイゼーションの後、この調製品を洗浄して任意の未結合及び任意の非特異的に結合した結合パートナーを除去する。下記の条件は単なる例示であり、そして分析すべき調製品のタイプに応じうる。後ハイブリダイゼーション工程の際、任意の非特異的に結合した結合パートナーを除去するために適当なストリンジェンシー条件を利用すべきである。ストリンジェンシーは形成ハイブリドの解離を優先する反応条件の度合いをいい、そして例えば洗浄温度及びインキュベーション時間を高めることにより強まりうる。核酸プローブとの好適なハイブリダイゼーションのため、ストリンジェンシーを調節するための追加の因子として塩濃度が往々にして利用される。これは式(IV)〜(VII)の重合成分を含んで成る結合パートナーには当てはまらず、なぜならこのタイプのプローブは事実上塩濃度依存性であることが示されているからである(Nature,365,566-568(1993))。
有用なバッファー系の例はトリス−緩衝食塩水(TBS)、標準クエン酸バッファー(SSC)又はリン酸バッファーである。好適なTBSバッファーは0.05Mのトリス/HCl,0.15MのNaCl,pH7.6である。SSCバッファーは0.15Mの塩化ナトリウム及び0.015Mのクエン酸三ナトリウム、pH7.0を含んで成る。
一般に、25〜30分の洗浄時間が適当でありうる。適当なバッファー内での10分で2回又は5分で2回の時間も良好な結果を供しうる。
ある状況においては、特に少なくとも1個のフルオレセインラベルを担持する結合パートナーを利用するとき、洗浄バッファーのpHを高めることが好都合であることが示されている。シグナル、対、ノイズ比の上昇はアルカリpHを有する洗浄バッファーを利用して観察される。これは明らかに非特異的結合の有意な低下による。かかる状況において、段階(3)の洗浄バッファーは8〜105、好ましくは9〜10のpH値を有することが好ましい。
形成ハイブリドの検出
当該調製品をスライドの上に載せる場合、ハイブリダイゼーション結果は結合パートナー上のラベルを検出する周知の免疫組織化学染色法を利用して識別化し得る。蛍光ラベル化結合パートナーを使用するとき、ハイブリドは蛍光ラベルに対する酵素にコンジュゲーションされた抗体を利用して検出し得る。蛍光ラベルは他に蛍光顕微鏡を利用して直接検出することができ、又は結果は蛍光を基礎とするイメージ分析システムで自動分析できうる。
ビオチンラベル化結合パートナーを使用する場合、ハイブリドはビオチンラベルに対する抗体を利用して検出し得、その抗体は酵素とコンジュゲーションされていてよい。必要なら、ビオチニル化プローブのための触媒式シグナル増幅システム(DAKO K1500)の如き商業的に入手できる増幅システムを利用し、シグナルの増強を行ってよい。
懸濁化サンプル、例えば細胞懸濁物の場合、定量結果は蛍光ラベルを含んで成る結合パートナー及び細胞当りの蛍光強度を記録するサイトメーターを利用して得られうる。
本発明のいくつかの観点において利用する結合パートナーはWO95/17430号に記載の抗体により認識され得る核酸/結合パートナーハイブリドを形成しうる。結合パートナー、核酸及び抗体で形成されるハイブリドは、例えば酵素コンジュゲーション形態の抗体を利用し、その後の酵素活性の検出又は間接的免疫組織化学染色技術の適用による直接免疫組織染色で検出できる。
実施態様
本方法をより完全に例示するため、組織切片(A)、懸濁細胞(B)又は広げた染色体(C)に基づいて実施したin situハイブリダイゼーションの基本的な態様を説明する。記載の手順は特定の試験に関してデザインされたものであるが、当業者は原理的な試験手順が真核系起源のサンプル中の数多くのその他の特異的な核酸配列の検出のために適当な結合パートナーを利用して容易に実施できうることを理解するであろう。
A:ヒトパピロマウィルス(HPV)の検出のための組織切片についてのin situハイブリダイゼーションを実施するための手順
パピロマウィルスによる感染は伝統的にはウィルス抗原の検出のためにデザインされた組織学的染色、電子顕微鏡又は免疫組織化学を利用して診断されてきた。しかしながら、これらの方法は全て比較的低感度である。いくつかの異なるHPVの型、例えば6,11,16,18,30,31,33,35,45,51及び52型のHPVが知られている。これらから、検出の標的として特異的な配列が選定されうる。例えば、型特異性結合パートナーを利用するHPV感染頸部組織の検出のためのin situハイブリダイゼーションプロトコールが記載されている。
段階(1):サンプルの調製
子宮頸部組織の鱗状上皮細胞を含む生検を細胞マトリックスの形態学的保全性及び細胞内の核酸の保存のために処理する。生検は可能な限り早く化学固定又は凍結により固定化段階にもっていく。好適な処理は固定剤、例えばホルムアルデヒド、好ましくは中性pHのバッファー中のその4%v/vの溶液の利用にある。典型的な12〜14時間の固定化後、生検をパラフィンの中に包埋する。パラフィン包埋生検は直ちに使用するか、又は室温で何年も保存することができる。パラフィン包埋生検から、典型的には3〜6μmの厚みを有する薄い切片を切り、そしてシラン処理した又はその他の接着剤で処理した顕微鏡スライド上に移す。
次いで、例えばスライドをオーブンの中で60℃30分インキュベーションすることによりスライドを乾かす。
スライドを例えば脱蝋溶液、例えばキシレンの中に浸漬することにより脱蝋し、そして例えば99%のエタノール、95%のエタノール、風乾及び例えばMilli Q水の中への浸漬により再水和する。標的配列の結合パートナーに対するアクセス能を高めるため、組織切片はプロティナーゼKの如きタンパク質溶解剤で処理してよい。スライドを適当なバッファー、例えばTBS−バッファーの中ですすぐ。
段階(2):ハイブリダイゼーション
HPV 16を検出するため、式(I)−(VII)の重合成分を含んで成る結合パートナーを使用してよい。HPV 16の検出のために特異的であろう核塩基の選択は様々なデーターベースから獲得した公共的に入手できる配列情報に基づく。様々なHPVサブタイプ間の最も可変的な領域の一つは感染細胞の形質転換に関与する2種類のタンパク質(E6及びE7)をコードするE6/E7オープンリーディングフレームである。これらのタンパク質をコードするmRNAと十分に安定なハイブリドを形成することのできる適当な結合パートナーを選び、そして合成する。
適量の未ラベル又はラベル化結合パートナーをハイブリド不安定化剤を含んで成る適当なハイブリダイゼーション混合物と共に組織切片と接触させる。好適な態様において、ハイブリダイゼーション混合物は30〜50%のホルムアミドを含んで成る。スライド上の組織切片を適温で適当な時間インキュベーションする。典型的には、20〜100nMの結合パートナー濃度、40℃〜60℃のインキュベーション濃度及び10〜20分のハイブリダイゼーション時間を利用する。
段階(3):任意の未結合及び任意の非特異的に結合した結合パートナーの除去
スライドを洗浄して任意の未結合及び任意の非特異的に結合した結合パートナーを除去する。スライドは典型的にはTBSバッファーの中で40〜65℃の温度で15〜45分洗浄する。非特異的結合はアルカリ洗浄バッファーを使用することにより有意に低めることができうる。8〜10.5のpH値、好ましくは9〜10のpH値を有する洗浄バッファーを使用してよい。
段階(4):形成ハイブリドの検出
ハイブリダイゼーションの結果は結合パートナー上のラベリングを検出する公知の免疫組織化学的染色方法を利用して目視化することができうる。蛍光ラベル化結合パートナーを使用する場合、ハイブリドは酵素にコンジュゲーションされていることのある蛍光ラベルに対する抗体を利用して検出し得る。蛍光ラベルは他に蛍光顕微鏡を利用して直接検出することができ、又はその結果は蛍光を基礎とするイメージ分析システムに基づいて自動分析できうる。
ビオチンラベル化結合パートナーを使用する場合、ハイブリドは酵素にコンジュゲーションされていることのあるビオチンラベルに対する抗体を利用して検出し得る。必要なら、シグナルの増強はビオチニル化プローブのための触媒化シグナル増幅システム(DAKO K1500)の如き商業的に入手できる増幅システムを利用して行うことができる。
本方法のいくつかの態様において利用する結合パートナーは核酸/結合パートナーハイブリドを形成し得、それはWO95/17430号に記載の抗体により認識されうる。結合パートナー、核酸及び抗体との間で形成されるハイブリドは、直接免疫組織化学染色法で、例えば酵素コンジュゲーション化抗体を利用し、酵素活性の検出を経て検出でき、又は公知の間接免疫組織化学染色技術の適用により検出できる。
B:イムノグロブリンカッパー軽鎖定常領域をコードするmRNAの決定のための懸濁調製品のin situハイブリダイゼーション
段階(1):サンプルの調製
静脈血液を抗凝血剤(例えばEDTA、クエン酸塩又はヘパリン)を含む試験管の中に集める。単核細胞を分離媒体での遠心分離により単離するか、又は赤血球を溶解する。単核細胞を合成培養培地RPMI 1640(Life Technologies)又はリン酸緩衝食塩水(PBS)で2回洗浄する。適当なPBSバッファーは0.01Mのリン酸塩、0.14MのNaCl,pH7.2である。細胞を固定剤、例えば70%(v/v)のエタノールの中で4℃で15分かけて固定する。細胞の適切な濃度は固定剤1ml当り107個の細胞である。
段階(2):ハイブリダイゼーション
細胞(105〜108細胞)の懸濁物を、50μlの予備加熱したハイブリダイゼーションバッファー、例えば適量の塩化ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ハイブリド不安定化剤を含んで成るトリス/HCl,pH7.2に、適量の適当な結合パートナー、例えば20〜100nMの濃度における例えばフルオレセインラベルでラベルされた結合パートナーと一緒に加える。適当な結合パートナーの例は実施例1に記載してある。試験管を適温、例えば40〜60℃の温度でインキュベーションする。10〜30分後、ハイブリダイゼーションは、細胞を例えば8000gで2分の遠心分離によりペレット化することにより停止させる。
段階(3):任意の未結合及び任意の非特異的に結合した結合パートナーの除去
細胞を例えば3回10分づつ、40℃〜65℃の温度及び適当なバッファー、例えばPBSの中で洗い、次いでPBS溶液(例えば500μl,pH8.4)の中に再懸濁させる。細胞を分析するまで例えば4℃で暗所で冷蔵保存する。
段階(4):形成ハイブリドの検出
フローサイトメトリー:フルオレセインラベル化結合パートナーを使用するなら、細胞はイオンレーザー装置の備ったフローサイトメーター(例えばBecton Dickinson FACScanフローサイトメーター)でモニターすることができうる。Becton Dickinson FACScanフローサイトメーターのレーザー励起波は15mWで488nMである。リンパ球を固定し、そして前方角光散乱及び右方角光散乱を測定することにより分類する。フルオレセインの緑色蛍光を530nmのバンドパスフィルターを介して集める。これらのパラメーターは1秒当り約200個の細胞の率において10,000の事象についてのリストモードにおけるパルス高シグナル(対数スケールで104)として獲得される。データーはLYSYSIIソフトウェアを利用して分析する。
蛍光顕微鏡:適当な数の細胞の堆積物をガラススライドに載せ、そしてこれらをネールワニッシュで封じ込め、そしてそのスライドを蛍光顕微鏡で観察する。陽性反応は蛍光沈殿物として認められる。
C:染色体中の動原体配列の検出のためのin situハイブリダイゼーション
段階(1):サンプルの調製
広がった中期染色体は末梢血液、骨髄、羊水、絨毛膜絨毛サンプル又は腫瘍サンプルから調製できうる。末梢血液から調製する場合、ヘパリン又はその他抗凝血剤を含む。ガラスチューブの中に集めた全血液サンプルを適当な増殖培地と混合する。実施例1の如き、1mlの全血液を20%(v/v)の胎児牛血清、2mMのグルタミン、100Uのペニシリン/ストレプトマイシン、2%のフィトヘマグルチニン及び5U/mlのヘパリンの添加された8mlのRPMI 1640培地に加える。このサンプルをCO2インキュベーターの中で例えば37℃で72hインキュベーションする。染色体は有糸***の中期において、例えばコルセミド(0.1μg/ml)を培養物に細胞の回収の約30分前に加えることにより捕獲する。
細胞を遠心分離により集め、そして高張バッファー、例えば60mMのKClの中で室温で約30分懸濁する。このサンプルを適当な固定剤、例えば3:1のメタノール:酢酸で処理する。固定剤による処理は数回繰り返してよい。処理は−20℃の如き凍結温度で20分まで実施してよい。広がった染色体は適量の懸濁物を清浄且つ低温のスライドの上に点着し、そしてスライドを風乾することにより調製する。
段階(2):ハイブリダイゼーション
動原体配列を検出するための結合パートナーは、式(I)〜(VII)の重合成分を含んで成る結合パートナーであってよい。染色体の動原体配列に特異的な核塩基の選択は公共的に入手できる配列情報に基づく。
ハイブリダイゼーションの前に、染色体DNAを変性させる。かかる変性はスライドを2×のSSC及び70%のホルムアミドの溶液の中に70℃にて例えば2分の短い時間入れておくことにより実施できうる。
ハイブリダイゼーションは組織切片について上記した通りに実施してよい(態様(A)の説明の段階(2)参照)。15%以下の濃度の硫酸デキストランがハイブリダイゼーションの間存在していてよいが、それは必須ではない。
他方、変性及びハイブリダイゼーションは同時に実施してよい。同時に実施するなら、ホルムアミドは約60%の濃度で使用するのが好都合である。
段階(3):任意の未結合及び任意の非特異的に結合した結合パートナーの除去
スライドをTBS,pH7.4の中に、典型的には40℃〜65℃で15〜45分浸してよい。他方、スライドはTriton X-100(登録商標)を含むSSCバッファー、pH7.0、例えば0.1×のSSC(15mMのNaCl,1.5mMのクエン酸ナトリウム、pH7.0)及び0.1% Triton X-100(登録商標)の中に典型的には40〜65℃で5〜15分浸してよい。
段階(4):形成ハイブリドの検出
形成ハイブリドの検出は組織切片におけるHPVの検出のために上記した通りに実施できる(態様(A)の説明の段階(4)参照)。
下記の実施例において、本発明の特定の態様を紹介する。
実施例1
式(VII)の結合パートナー及びDNAプローブのそれぞれで実施した。イムノグロブリンカッパー軽鎖定常領域をコードするmRNAの測定のためのin situハイブリダイゼーション間の比較
カッパー軽鎖発現の決定はリンパ球増殖損傷のクローン能を検出するため、例えば多発性ミエローマ又はB細胞リンパ腫を有する患者のクラス分けのために利用できうる。
ハイブリダイゼーションプローブとしての式(VII)の結合パートナーの利用を均等物ではあるがそれより長くないDNAプローブの利用と比較するため、下記の実験を行った。
サンプルの調製
正常なヒトの扁桃由来のサンプルを24時間4%v/vのpH中性緩衝ホルムアルデヒドの中で固定した。固定化サンプルをブロック形成用パラフィンの中に包埋し、それから4〜5μmの厚みを有する切片を切り、そしてプレコート化スライド
Figure 0004494529
の上に載せた。これらのスライドを65℃で60分インキュベーションした。
組織mRNA標的配列を露出させるため並びに組織切片を結合パートナー及び検出試薬に対して浸透性化させるための前処理を実施した。切片を脱蝋し、そしてキシレン、99%のエタノール、95%のエタノール及びジエチルピロカーボネート処理超純水(DEPC水)のそれぞれによる一連の処理を介して脱水した。組織切片をプロテイナーゼK(DAKO,Demark,S 3020;TBS中で1:10)により、多湿チャンバーの中で室温で30分かけて消化した。消化後、スライドをDEPC水の中で室温で5分づつ2回洗い、96%v/vのエタノールの中に10秒浸し、そして風乾した。
ハイブリダイゼーション
式(VII)の重合成分を含んで成る結合パートナーを上記の通りにして合成した。カッパー軽鎖定常領域をコードするmRNAの検出のため、それぞれカッパー軽鎖の定常領域における配列に対して相補性である15個の核塩基を含んで成る3種の結合パートナー(式(VIIa,VIIb,VIIc))を使用した。各結合パートナーに1個のフルオレセインラベルを下記に示すリンカーユニットLを介して結合させた。結合パートナーは通常のペプチド用法を利用してNからC末端へと記載する。即ち、Hは遊離末端アミノ基を表わし、そして−NH2は末端カルボキサミド基を表わす。結合パートナーの配列は下記の通りに合成した:
Figure 0004494529
(ここで、Fluは5−(及び6)−カルボキシフルオレセイン又はフルオレセインイソチオシアネートラベルを表わし、そして各Lは式−NH(CH2CH2O)2CH2 C(O)−のリンカーユニットを表わす)。
ハイブリダイゼーションのため、結合パートナーは個々に、又は組合せて使用した。いづれにせよ、各結合パートナーの濃度は20nM(0.1ng/ml)とした。
DNAプローブ:25〜30個のヌクレオチドを含んで成るDNAオリゴヌクレオチドを、上記の結合パートナー(VIIa)〜(VIIc)と同じカッパー軽鎖mRNAの定常領域の領域にハイブリダイズするように選定した。DNAオリゴヌクレオチドをABIシンセサイザーを用いて合成し、精製し、そしてラベルした。酵素デオキシリボヌクレオチド末端トランスフェラーゼ(TqT,Boehringer Mannheim)を介するFlu-12-dUTPの組込みはプローブ当り3個のフルオレセインラベルの平均ラベル化を供した。ハイブリダイゼーション工程において、DNAプローブは個別に、又は組合せて、いづれの場合も12nM(0.1ng/μm)の濃度で使用した。
スライド上の風乾組織切片に15μlのハイブリダイゼーション溶液をかぶせた。ハイブリダイゼーション溶液は10mMのNaCl(DNAプローブについて0.6MのNaCl)(Merck,Germany,6404,5000)、10%(w/v)の硫酸デキストラン(Sigma USA,D-8906)、30%(v/v)のホルムアミド(Life Technologies,USA,55150 B)、0.1%のピロリン酸ナトリウム、0.2%のポリビニルピロリドン(MW 40000)、0.2%のフィコール(MW 400000)、5mMのNa2 EDTA,0.05MのTris/HCl及び上記の濃度の関連の結合パートナーより成る。ハイブリダイゼーション溶液の均一な分布の確保するために切片にカバースリップをかぶせ、そしてそれらを多湿チャンバーの中で暗所で37℃にて1.5hインキュベーションした。
任意の未結合及び任意の非特異的に結合した結合パートナーの除去
ハイブリダイゼーション後、カバースリップ及びハイブリダイゼーション溶液を除去し、そしてスライドをTBS pH7.6を含むジャーに移し、そして室温で保存した。スライドを3分間づつ3回洗い、そして洗浄毎にバッファーは新しいものに替えた。
形成ハイブリドの検出
後ハイブリダイゼーション洗浄の後、スライドをTBSの中に室温で浸した。直ちに使用できるウサギ(Fab)抗−FITC/APコンジュゲート(DAKO K0076)を形成ハイブリドの検出のために用いた。スライドを抗体と30分、多湿チャンバー内で室温でインキュベーションした。インキュベーション後、抗体を水道水で落とし、そしてスライドをTBSで2回2分づつ洗い、次いでMilli−Q水で1分づつ2回洗った。抗体を介して結合したアルカリ性ホスファターゼは、1:50のBCIP/NBT基質(DAKO K0046)を添加し、そしてスライドを多湿チャンバーの中で室温で1時間インキュベーションすることによりモニターした(BCIPは5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスフェートであり、そしてNBTはニトロブル−テトラゾリウムである)。最後に、スライドを水道水で洗い、そしてGlycergel(DAKO,C0563)を用いて載せた。
所見
ハイブリダイゼーション、即ち陽性染色は濃青/黒色として顕微鏡で認識された。独立又は結合した結合パートナー(VIIa)〜(VIIC)により得られるシグナルは、たとえ数個の検出分子しか結合パートナー(VIIa)〜(VIIc)上で有用でなかったとしても、均等な独立又は結合したDNAプローブにより得られるシグナルよりも強かった(結合パートナー(VIIa)〜(VIIc)のそれぞれでは1個のみのラベルであるのに対し、DNAプローブのそれぞれでは平均3個のラベル)。非特異的結合は結合パートナー(VIIa)〜(VIIc)を利用したとき、特に3種の結合パートナーを組合せて用いたときに観察された。
2本の核酸鎖との間でのハイブリダイゼーションと異なり、式(VII)の重合成分を含んで成る結合パートナーと標的核酸との間でのハイブリダイゼーションは塩濃度に対して感受性でないことが明らかであった。ハイブリダイゼーション溶液中での0.01M,0.1M又は0.6MのNaClを利用する実験において特異的及び非特異的結合間での比に差はなかった。更に、ハイブリダイゼーション溶液のpH値を7.6から9.0又は10.0に変えても相違は認められなかった。
実施例2
カッパー軽鎖定常領域内の配列の検出におけるハイブリダイゼーションに対する結合パートナーの濃度、ハイブリダイゼーション及び洗浄温度、並びに時間の変動の影響
サンプルの調製
正常なヒト扁桃の切片を実施例1記載の通りにして調製した。
ハイブリダイゼーション
実施例1に挙げた3種類の結合パートナーを別々に又は組合せて使用した。結合パートナー(VIIa)〜(VIIc)を実施例1に記載の通りにしてハイブリダイゼーション溶液の中で使用したが、ただし各結合パートナーの濃度はそれぞれ20,50又は100nMとした。インキュベーションは37℃,45℃,50℃,55℃又は60℃のそれぞれで1.5時間行った。
任意の未結合及び任意の非特異的に結合した結合パートナーの除去
後ハイブリダイゼーション洗浄をTBS pH7.6の中で25分、ハイブリダイゼーションと同じ温度、即ち、37℃,45℃,50℃,55℃又は60℃のそれぞれで実施した。
形成ハイブリドの検出
実施例1に記載の通り。
所見
これらの結果は、20nMより高い濃度の結合パートナー(VIIa)〜(VIIc)の使用によりシグナル、対、ノイズの比に関する改善は得られないことを示す。これは非特異的な結合の同時増大に基づいた。ハイブリダイゼーション及び後ハイブリダイゼーションの際の温度の上昇は特異的結合を低めることなく非特異的結合を低めた。非特異的結合の低下は結合パートナー(VIIa)〜(VIIc)を組合せて使用したときに最も明白に観察された。最大のシグナル、対、ノイズ比は3種の結合パートナー(VIIa)〜(VIIc)のそれぞれを個別に20nMの濃度で使用し、そしてハイブリダイゼーション及び洗浄を55℃の温度で実験することで得られた。個々の結合パートナーについての有意差は認められなかった。
実施例3
カッパー軽鎖定常領域内の配列の検出における結合パートナーの結合に対する後ハイブリダイゼーション洗浄溶液の変動の効果
3種の結合パートナー(VIIa)〜(VIIc)の結合の性質を更に調べるため、様々な後ハイブリダイゼーション洗浄溶液を作った。
サンプルの調製
正常なヒト扁桃の切片を実施例1に記載の通りにして調製した。
ハイブリダイゼーション
ハイブリダイゼーション条件は実施例1に記載の条件と同一としたが、ハイブリダイゼーション温度は55℃とした。実施例1に記載の3種の結合パートナーの組合せを、それぞれ20nMの濃度で使用した。
任意の非結合及び任意の非特異的に結合した結合パートナーの除去
後ハイブリダイゼーション洗浄は表1に示す溶液を用いて実施した。洗浄は静かに振盪しながら55℃で25分実施した。
形成ハイブリドの検出
実施例1に記載の通り。
その結果を表1に示す。
Figure 0004494529
特異的結合(特異的染色)に関し、評価のために用いた評点方式は下記の通りである:++++;+++(+);+++;++(+);++;+(+);+及び(+)。ここで、++++から(+)は強い特異的に染色された細胞からかすかな又はわずかな特異的に染色された細胞の評点を示す。一として表示する評点は染色なしを示す。
非特異的結合(バックグランド染色)に関し、評価のために用いた評点方式は下記の通りである;++;+(+);+及び(+)。ここで、++から(+)は偽陽性細胞の評価を困難にする細胞及び細胞間マトリックスの均質染色から細胞及び細胞内マトリックスのかすかな均質染色に至る評点を示す。一として表示する評点はバックグランド染色がない(非特異的結合がない)ことを表わす。
所見
これらの結果は約9〜10のpHを有するTBS含有後ハイブリダイゼーション洗浄溶液の利用が特異的結合の強度を有意に損うことなく非特異的結合を有意に低めることを示す。たとえ50nMの如き高い結合パートナー濃度を利用しても、実施例1記載の非特異的結合はアルカリ洗浄バッファーを利用したときに有意に低まる(実施例6参照)。
実施例4
カッパー軽鎖定常領域内の配列の検出におけるハイブリダイゼーションに対する様々なハイブリド不安定化剤の影響
サンプルの調製
正常なヒト扁桃の切片を実施例1に記載の通りにして調製した。
ハイブリダイゼーション
ハイブリダイゼーション条件は実施例1に記載の通りだが、ただしハイブリド不安定化剤を変えた。3種のハイブリド不安定化剤、即ち、ホルムアミド、エチレングリコール及びグリセロールを使用した。実施例1由来の3種の結合パートナー(VIIa)〜(VIIc)の組合せを使用し、そしてハイブリダイゼーションは55℃で60分実施した。各結合パートナーの濃度は20nMとした。
任意の未結合及び任意の非特異的に結合した結合パートナーの除去
スライドをTBSバッファーpH10の中で55℃で洗浄した。洗浄時間は25分とした。
形成ハイブリドの検出
実施例1に記載の通り。
得られた結果を表2に示す。評点方式は実施例3に記載した通りである。ndは未検定を示す。全ての実験において、無視できるほどの特異的な結合しか観察されなかった。
Figure 0004494529
実施例5
カッパー軽鎖定常領域内の配列の検出におけるハイブリド不安定化剤及びハイブリダイゼーション時間の双方の変動
サンプルの調製
正常なヒト扁桃の切片を実施例1記載の通りにして調製した。
ハイブリダイゼーション
ハイブリダイゼーション条件は実施例4に記載の通りにし、ただし下記の濃度のハイブリド不安定化剤を使用した:ホルムアミド30%;エチレングリコール65%及びグリセロール50%。ハイブリダイゼーション時間はそれぞれ15,30及び60分とした。
任意の未結合及び非特異的に結合した結合パートナーの除去
スライドをTBSバッファーpH10の中で55℃で洗い、そして洗浄時間は25分とした。
形成ハイブリドの検出
実施例1に記載の通り。
得られた結果を表3に示す。評点方式の定義は実施例3に示した。全ての実験において、無視できるほどの非特異的結合しか観察されなかった。
Figure 0004494529
所見
この結果は、ホルムアミドのそれと比べ、ハイブリド不安定化剤としてエチレングリコール又はグリセロールを使用するとより長いハイブリダイゼーション時間が必要であることを示す。
実施例6
カッパー軽鎖定常領域内の配列に対する結合パートナーのハイブリダイゼーションに対するTBS後ハイブリダイゼーション洗浄溶液のpHの変動の効果
サンプルの調製
正常なヒト扁桃の切片を実施例1に記載の通りに調製した。
ハイブリダイゼーション
式(VII)の重合成分を含んで成る式(VIIa)〜(VIIf)の結合パートナーを上記の通りに合成した。結合パートナーはカッパー軽鎖の定常領域内の配列に対して相補性な15個の核塩基を含んで成る。合成した結合パートナーの配列は下記の通りであった:
Figure 0004494529
ここで、Fluは5−(及び6)−カルボキシフルオレセイン又はフルオレセインイソチオシアネートラベルを表わし、Lysはリジンラベルを表わし、そして各Lは式−NH(CH2CH2O)2CH2 C(O)−のリンカーユニットを表わす。
ハイブリダイゼーション条件は実施例1に記載の通りだが、ただしハイブリダイゼーション温度は55℃とした。結合パートナー(VIIa),(VIIc),(VIId),(VIIe)及び(VIIf)を個別に用い、又は結合パートナー(VIIa),(VIIb)及び(VIIc)を組合せて用いた。各結合パートナーの濃度は20nM(表4A)及び50nM(表4B)のそれぞれとした。
任意の未結合及び任意の非特異的に結合した結合パートナーの除去
後ハイブリダイゼーション洗浄をTBSバッファーpH7.6,9.0又は10.0の中で55℃で25分実施した。
その結果を表4A及び4Bに示す。使用した評点方式は実施例3に記載のものである。
Figure 0004494529
Figure 0004494529
所見:
結果は、非特異的結合が、pH7.6と比べて高いpHを有する洗浄溶液を利用することにより、特異的な結合を有意に低下することなく除去できることを示す。
実施例7
カッパー軽鎖定常領域内の配列の検出におけるハイブリダイゼーション性能に対するホルムアミド濃度の変動の効果
サンプルの調製
正常なヒト扁桃の切片を実施例1記載の通りに調製した。
ハイブリダイゼーション
式(VII)の成分を含んで成る下記の結合パートナーを使用した。Flu-L-L-GAC-TTC-GCA-GGC-GTA-NH2(VIIa)又はBio-L-L-GAC-TTC-GCA-GGC-GTA-NH2(VIIg)。ここでFluは5−(及び6)−カルボキシフルオレセイン又はフルオレセインイソチオシアネートラベルを表わし、Bioはビオチンラベルを表わし、そして各Lは式−NH(CH2CH2O)2CH2 C(O)−のリンカーユニットを表わす。
ハイブリダイゼーション溶液は実施例1記載の溶液と同一だが、ただしホルムアミド濃度は0〜60%に変更し、そして結合パートナー(VIIa)又は(VIIg)の濃度は50nMとした。スライドを多湿チャンバーの中で暗所で55℃にて1.5時間インキュベーションした。
任意の未結合及び任意の非特異的に結合した結合パートナーの除去
後ハイブリダイゼーションはTBS溶液pH10の中で25分、55℃にて、静かに振盪しながら実施した。
形成ハイブリドの検出
フルオレセインラベル化結合パートナー(VIIa)による形成ハイブリドの検出は実施例1に記載の通りにして実施した。ビオチンラベル化結合パートナー(VIIg)により形成されたハイブリドの検出はストレプトアビジン/アルカリホスファターゼ(DAKO D 396 1:100)を利用して実施した。室温で30分のインキュベーション後、スライドをすすぎ、そしてアルカリホスファターゼの活性を実施例1に記載の通りにしてBCIP/NBT基質の添加によりモニターした。その結果を表5に示す。評点方法の定義は実施例3に示す。
Figure 0004494529
所見
結果から、本実験において利用する結合パートナー並びに適用したハイブリダイゼーション及び後ハイブリダイゼーション洗浄条件に関し、少なくとも10〜15%のホルムアルデヒドの濃度が特異的な結合を得るために必要なようである。この実験において、30〜50%のホルムアルデヒドの濃度が最良のシグナル、対、ノイズの比を供するようである。
式(VII)の重合成分を含んで成るその他の結合パートナー、例えばEBVコード化EBER核RNAに対して特異的な結合パートナーを利用し、ハイブリダイゼーション溶液中のホルムアミド抜きで許容される結果が得られるが、最良の結果はハイブリダイゼーションバッファー中の30〜40%のホルムアミドにより未だ達成される(結果は示さず)。
実施例8
カッパー軽鎖定常領域内の配列の検出におけるアルカリ洗浄pH及び55℃の温度でのハイブリダイゼーション時間及び結合パートナー濃度の変動
サンプルの調製
正常なヒト扁桃の切片を実施例1記載の通りに調製した。
ハイブリダイゼーション
ハイブリダイゼーションは実施例1に記載の通りにして実施したが、ハイブリダイゼーション時間は5〜90分で変え、そしてハイブリダイゼーション時間は55℃に保った。実施例1記載の3種の結合パートナー(VIIa)〜(VIIc)の組合せを使用した。各結合パートナーの濃度は6,12,25又は50nMとした。
任意の未結合及び任意の非特異的に結合した結合パートナーの除去
スライドはTBSバッファーの中でpH10で25分洗った。洗浄温度は55℃とした。
形成ハイブリドの検出
実施例1に記載の通り。
結果を表6A及び6Bに示す。評点方式の定義は実施例3に示す。
Figure 0004494529
Figure 0004494529
所見
これらの結果は、もしハイブリダイゼーションを5分〜30分の時間実施すると、非特異的な結合が観察されないことを示す。高い特異的結合評点が5分という非常に短いハイブリダイゼーション時間でさえも得られたことは非常に驚くべきことである。この評点は、結合パートナーの濃度を50nMから6nMにまで下げたときにほんのわずかしか下らないことが明らかである。しかしながら、細胞及び細胞間マトリックスに対するかすかで均質な非特異的結合(評点(+))が45分より長いハイブリダイゼーション時間で得られる。表6A及び6Bに示す結果は、本方法がいくつかのパラメーターに関して非常に柔軟性であることを示し、このことは本方法を、迅速なスクリーニングのため、及びより長いハイブリダイゼーション時間がより好都合でありうるより大規模な試験の一部となるための双方に非常に適するものとする。
実施例9
カッパー軽鎖定常領域内の配列の検出における短いハイブリダイゼーション時間及び洗浄時間の変動
サンプルの調製
正常なヒト扁桃切片を実施例1記載の通りに調製した。
ハイブリダイゼーション
ハイブリダイゼーション条件は実施例1に記載の通りにしたが、ただしハイブリダイゼーション時間は15分とし、そしてハイブリダイゼーション温度は55℃とした。実施例1に記載の3種の結合パートナー(VIIa)−(VIIc)を組合せて用いた。各結合パートナーの濃度は50nMとした。
任意の未結合及び任意の非特異的に結合した結合パートナーの除去
スライドをTBSバッファー中でpH10にて55℃で洗い、そして洗浄は下記のようにして3回実施した:それぞれ、1×25分、2×10分、又は3×5分。
形成ハイブリドの検出
実施例1に記載の通り。
結果を表7に示す。評点方式は実施例3に定義の通りである。
Figure 0004494529
実施例10
様々な量の硫酸デキストランを利用するカッパー軽鎖定常領域内の検出
サンプルの調製
正常なヒト扁桃切片を実施例1記載の通りに調製する。
ハイブリダイゼーション
式(VII)の重合成分を含んで成る式(VIIa),(VIIb),(VIIc)又は(VIIm)の結合パートナーを上記の通りに合成した。利用する結合パートナーはカッパー軽鎖内配列に相補性な15個の核塩基を含んで成る。結合パートナーの配列は下記の通りとした:
Figure 0004494529
ここで、Fluは5−(及び6)−カルボキシフルオレセイン又はフルオレセインイソチオシアネートラベルであり、そして各Lは式−NH(CH2CH2O)2CH2(O)−のリンカーユニットを表わす。
結合パートナー(VIIa),(VIIb)及び(VIIc)は組合せて用い、そして結合パートナー(VIIm)は個別に用いた。各結合パートナーの濃度はそれぞれ50nM又は20nMとした。使用したハイブリダイゼーション溶液は実施例1に記載の通りとしたが、ただしそれは0%又は10%の硫酸デキストランを含む。ハイブリダイゼーションは55℃で90分実施した。
任意の未結合及び任意の非特異的に結合した結合パートナーの除去
後ハイブリダイゼーション洗浄をTBSバッファーの中でpH10.0で25分実施した。
形成ハイブリドの検出
形成ハイブリドの検出は実施例1に記載の通りにして実施した。その結果を表8A(結合パートナー(VIIa),(VIIb)及び(VIIc)の組合せにより得られた結果)及び8B(結合パートナー(VIIm)で得られた結果)に示す。評点方式の定義は実施例3に示している。
Figure 0004494529
Figure 0004494529
実施例11
様々な量の硫酸デキストランを利用するカッパー軽鎖定常領域内の配列の検出
サンプルの調製
正常なヒト扁桃切片を実施例1記載の通りに調製する。
ハイブリダイゼーション
式(VII)の重合成分を含んで成る式(VIIa),(VIIb)及び(VIIm)の結合パートナーを前記の通りに合成した。使用した結合パートナーはカッパー軽鎖内の配列に相補性な15個の核塩基を含んで成る。結合パートナーの配列は下記の通りとした:
Figure 0004494529
ここでFluは5−(及び6)−カルボキシフルオレセイン又はフルオレセインイソチオシアネートラベルを表わし、そして各Lは式−NH(CH2CH2O)2CH2(O)−のリンカーユニットを表わす。
結合パートナーは組合せて用い、そして各結合パートナーの濃度は20nMとした。使用したハイブリダイゼーション溶液は実施例1に記載の通りであるが、ただしこのハイブリダイゼーション溶液は硫酸デキストランを含まないか、又はそれぞれ硫酸デキストランを2.5%,5%,7.5%,10%,12.5%又は15%で含む。
任意の未結合及び任意の非特異的に結合した結合パートナーの除去
後ハイブリダイゼーション洗浄をTBSバッファーpH7.6又はpH10.0の中で25分実施した。
形成ハイブリドの検出
形成ハイブリドの検出は実施例1記載の通りに実施した。その結果を表9A(後ハイブリダイゼーション洗浄バッファーとしてTBSバッファーpH7.6を利用して得られた結果)及び9B(後ハイブリダイゼーション洗浄バッファーとしてTBSバッファーpH10.0を利用して得られた結果)に示す。評点方式の定義を実施例3に示す。
Figure 0004494529
Figure 0004494529
実施例12
in situハイブリダイゼーションを利用するクラミジア−トラコマチス(Chlamydia trachomatis)の検出
真核起源の臨床サンプルは往々にして様々な細菌又はウィルスで感染されている。例えば、尿道又は頸部由来の多くのサンプルはC.トラコマチス又はネイセッリア・ゴノルロエア(Neisseria gonorrhoea)により感染されている。C.トラコマチス由来の16S及び23SリボソームRNAに特異的な結合パートナーを選別し、そして合成した。結合パートナーは1個の蛍光ラベルでラベルした。
サンプルの調製
C.トラコマチスのL1株によるマウス細胞L929の感染は標準の技術により実施した。「完全細胞含有物」を含む細胞をガラス顕微鏡スライドの上に塗った。このサンプル調製品をアセトンの中で10分固定し、風乾し、そしてその後のin situハイブリダイゼーションのために用いた。同様にして調製したが、C.ニューモノア(C.pneumoniae)により感染した塗布細胞を含むスライドを結合パートナーの特異性を試験するために用いた。
ハイブリダイゼーション
一つがC.トラコマチス16SリボソームRNAに特異的(VIIb)であり、そして三つが23SリボソームRNAに特異的((VIIi),(VIIj)及び(VIIk))である結合パートナーを合成した。結合パートナーは全て下記の一のフルオレセインラベルでラベルした。配列は以下に示す:
Figure 0004494529
ここでFluは5−(及び6)−カルボキシフルオレセイン又はフルオレセインイソチオシアネートラベルを表わし、そして各Lは式−NH(CH2CH2O)2CH2 C(O)−のリンカーユニットを表わす。
結合パートナーは個別に、又は組合せて使用した。使用したハイブリダイゼーション溶液は実施例1に記載のものであるが、ただし0.1%のTriton X-100(登録商標)が添加されており、そして各結合パートナー濃度は100又は500nMとした。ハイブリダイゼーションは55℃で90分実施した。
任意の未結合及び任意の非特異的に結合した結合パートナーの除去
スライドをTBSバッファー中でpH7.6で55℃で25分洗った。
形成ハイブリドの検出
スライドを蛍光検出に適合する装着媒体を用いて装着し、そして蛍光顕微鏡により検査した。
その結果を表10に示す。評点方式の定義は実施例3に示す。
Figure 0004494529
所見
結果からわかる通り、結合パートナーはC.トラコマチスにはハイブリダイズするが、C.ニューモニアにはハイブリダイズしなかった。特異的結合は結合パートナーを組合せ(VIIh)−(VIIk)で使用したとき高まることもわかる。更に、非特異的結合は観察されなかった。
実施例13
様々な量の硫酸デキストランを使用するクラミジア・トラコマチスの検出
サンプルの調製
C.トラコマチスの「完全細胞含有物」を含む塗布細胞を実施例12記載の通りにして調製した。
ハイブリダイゼーション
実施例12記載の4種の結合パートナー(VIIh)−(VIIk)を組合せて利用した。
使用するハイブリダイゼーション溶液は実施例1に記載の通りであるが、更に0.1% Triton X-100(登録商標)を含む。更に、このハイブリダイゼーション溶液は0又は10%の硫酸デキストランを含む。各結合パートナーの濃度はそれぞれ100又は500nMである。このハイブリダイゼーションは55℃で90分実施した。
任意の未結合及び任意の非特異的に結合した結合パートナーの除去
スライドをTBSバッファーの中でpH7.6で55℃で25分洗浄した。
形成ハイブリドの検出
このスライドを蛍光検出に適合する装着媒体を利用して装着し、そして蛍光顕微鏡により検査した。
結果を以下の表11に示す。
Figure 0004494529
実施例14
臨床サンプル中のネイセリア・ゴノルロエアの検出
サンプルの調製
N.ゴノルロエア感染症に苦しむ8人の患者の尿道及び頸部から綿棒サンプルを採取した。そのサンプルはメチレンブルー及び/又はグラム染色に基づき陽性と評価された。
塗布サンプルをガラス顕微鏡スライド上で調製し、そして炎焼固定により固定した。
ハイブリダイゼーション
式(VII)の重合成分を含んで成る式(VIIn)及び(VIIp)の結合パートナーを前記の通りに合成した。結合パートナーは16Sリボソームネイセリア・ゴノルロエアに相補性を15個の核塩基を含んで成り、そして下記の通りである:
Figure 0004494529
ここでFluは5−(及び6)−カルボキシフルオレセイン又はフルオレセインイソチオシアネートラベルを表わし、そしてLは式−NH(CH2CH2O)2CH2 C(O)−のリンカーユニットを表わす。
結合パートナーを組合せて用いた。各結合パートナーの濃度は500nMとした。使用したハイブリダイゼーション溶液は実施例1に記載の通りだが、その溶液は更に0.1%のTriton X-100(登録商標)を含んだ。ハイブリダイゼーションは55℃で90分実施した。
任意の未結合及び任意の非特異的に結合した結合パートナーの除去
後ハイブリダイゼーション洗浄はTBSバッファー中でpH7.6で25分実施した。
形成ハイブリドの検出
スライドを蛍光検出に適合する装着媒体を用いて装着し、そして蛍光顕微鏡により検査した。
所見
8つのサンプルのうちの7つが、N.ゴノルロエアが容易に同定されうる点で明確に陽性であった。更に、これら7つのサンプルのうちの6つにおいて、顆粒球内で明確に細胞内的に典型的な双球菌が認められた。1のサンプルはこの方法により試験したときに陰性であった。
実施例15
様々な量の硫酸デキストランを利用するネイセリア・ゴノルロエアの検出
サンプルの調製
塗布サンプルを実施例14記載の通りに調製した。
ハイブリダイゼーション
式(VII)の重合成分を含んで成る式(VIIn),(VIIo)及び(VIIp)の結合パートナーを前記の通りに合成した。この結合パートナーは16S N.ゴノルロエアリボソームRNAに配列相補性な15個の核塩基を含んで成る。結合パートナーの配列は下記の通りである。
Figure 0004494529
ここでFluは5−(及び6)−カルボキシフルオレセイン又はフルオレセインイソチオシアネートラベルであり、そしてLは式−NH(CH2CH2O)2CH2 C(O)−のリンカーユニットを表わす。
結合パートナーを組合せて用い、そして各結合パートナーの濃度は100nMとした。使用したハイブリダイゼーション溶液は実施例1に記載の通りだが、0.1%のTriton X-100(登録商標)が加えており、そして硫酸デキストランの含有量は0又は10%とした。ハイブリダイゼーションは55℃で90分実施した。
任意の未結合及び任意の非特異的に結合した結合パートナーの除去
後ハイブリダイゼーション洗浄はTBSバッファー中でpH7.6で25分実施した。
形成ハイブリドの検出
スライドを蛍光検出に適合する装着媒体を用いて装着し、そして蛍光顕微鏡により検査した。
得られた結果を以下の表12に示す。
Figure 0004494529
実施例16
in situハイブリダイゼーションを利用する懸濁調製品中のEBVのフローサイトメトリー検出
サンプルの調製
収穫したばかりのEBV感染HS−Sultan細胞(5×107細胞/ml)又は非感染CEM T細胞(陰性コントロール;5×107細胞/ml)を1%のパラホルムアルデヒドの中で室温(RT)で15分固定した。その細胞懸濁物を340gで5分遠心分離した。その上清液を除去し、そして内性RNAse活性をブロッキングするため、細胞ペレットを10%のジエチル−ピロカルボネート(DEPC)10μlの添加された70%のエタノール2.5ml(10%のDEPCは70%のエタノールで調製)に再懸濁した。細胞懸濁物をRTで15分インキュベーションし、次いで340gで5分遠心分離した。その上清液を除去し、そして細胞ペレットを70%のエタノール/DEPCに再懸濁した。懸濁調製品は、in situハイブリダイゼーションに直ちに使用しないなら、−20℃で保存した。
in situハイブリダイゼーションのため、100μlの懸濁調製品を1mlのTBSと混合した。この懸濁物を340gで5分遠心分離し、その上清液を除去し、そしてそのペレットを5μlのプロティナーゼK(DAKO,S 3020)を含む0.5μlのTBSに再懸濁した。この懸濁物を37℃で10分インキュベーションした。この細胞懸濁物に、1mlのTBSを加え、そしてその懸濁物を340gで5分遠心分離した。この上清液を除去し、そして細胞ペレットを1mlのTBSに再懸濁した。340gで5分の遠心分離後、上清液を除去し、そして細胞ペレットを100μlのTBSに再懸濁した。この細胞懸濁物を結合パートナーの入っていないハイブリダイゼーション溶液によるプレハイブリダイゼーション処理に委ねた(100μlの懸濁物を30%のホルムアルデヒド、1×のTBST,5%の硫酸デキストランを含む0.5μlのハイブリダイゼーション溶液と混合した(TBSTは0.1%のTriton X-100含有のTBSである))。700gで5分の遠心分離の後の上清液を除去し、そしてそのペレットをハイブリダイゼーションのために使用した。
ハイブリダイゼーション
式(VII)の重合成分を含んで成る式(VIIs)の結合パートナーをハイブリダイゼーションのために使用した。この結合パートナーはEBVコードEBER核RNA内の配列に相補性な15個の核塩基を含んで成る。結合パートナーの配列は下記の通りとした:
Figure 0004494529
ここでBioはビオチンラベルを表わし、Lysはリジンペプチドラベルを表わし、そして各Lは式−NH(CH2CH2O)2CH2 C(O)−のリンカーユニットを表わす。
ハイブリダイゼーションは上記のようにして得たペレットを30%のホルムアミド、1×のTBST,5%の硫酸デキストラン及び500nMの結合パートナー(VIIs)の混合物65μlに再懸濁することにより実施した。サンプルは55℃(湯浴)で1.5hインキュベーションした。
任意の未結合及び任意の非特異的に結合した結合パートナーの除去
ハイブリダイゼーションの後、55℃に加熱して1mlのTBSTを加え、そしてそのサンプルを700gで遠心分離した。その上清液を除去し、そのペレットを55℃に加熱した1mlのTBSTに再懸濁し、そしてそのサンプルを55℃で45分インキュベーションした。このサンプルを700gで5分遠心分離し、上清液を除去し、そしてペレットを検出工程において用いた。
形成ハイブリドの検出
上記のようにして得たペレットをTBST中の1%のBSA(牛血清アルブミン)中に1:50で希釈した100μlのストレプトアビジン/FITC(DAKO F0422)に再懸濁した。このサンプルを暗所で30分RTでインキュベーションした。インキュベーションの後、2mlのTBSTを加えて、そしてそのサンプルを700gで5分遠心分離した。その上清液を除去し、そしてペレットを0.5mlのTBSTに再懸濁し、そしてBecton Dickinson FACSort装置で分析した。
所見
上記の手順により、104の対数スケール上で5.79のFITC−蛍光比がEBV陽性細胞とEBV陰性CEM細胞との間で観察された。
実施例17
広がった中期染色体内の染色体特異的配列の検出のためのin situハイブリダイゼーション
動原体特異的配列の検出は例えば出生前診断又は腫瘍診断における数多くの染色体異常を決定するために利用できうる。
サンプルの調製
広がった中期染色体は末梢血液から調製した。1mlの女性全血をガラスチューブ内の20%(v/v)の胎児牛血清、2mMのグルタミン、100Uのペニシリン/ストレプトマイシン、2%のフィコヘマグルチニン及び5U/mlのヘパリンの添加された8mlのRPMI 1640培地に加えた。このサンプルをCO2インキュベーターの中で37℃で72時間インキュベーションした。染色体は細胞の回収の約30分前に培養物にコルセミド(0.1μg/ml)を添加することによって有系***の中期において捕獲した。
細胞を遠心分離により集め、そして高張バッファー(60mMのKCl)中で室温で約30分再懸濁した。サンプルを3:1のメタノール:酢酸の固定剤混合物で室温にて3回洗浄した。最後の洗浄の後、サンプルを−20℃で20分固定した。広がった染色体は適量の懸濁物を清浄で冷たいスライドの上に点着し、そしてそのスライドを風乾することにより調製した。
変性及びハイブリダイゼーション
式(VII)の重合成分を含んで成る式(VIIg)の結合パートナーを上記のようにして調製した。この結合パートナー(VIIg)はX染色体の動原体領域HSSATX(データーベースGenebankより獲得)由来の配列に相補性の17個の核塩基を含んで成る。結合パートナーの配列は下記の通りとした:
Figure 0004494529
ここでBioはビオチンラベルを表わし、そして各Lは−NH(CH2CH2O)2−CH2(O)−を表わす。結合パートナーの濃度は100nMとした。
風乾した広がった染色体(上記のようにして調製)のそれぞれに15μlのハイブリダイゼーション溶液をかぶせた。このハイブリダイゼーション溶液は0.3×のSSC(45mMのNaCl,4.5mMのクエン酸ナトリウム、pH7.0)、60%v/vのホルムアミド(Life Technologies,USA,55150B)、0.1%のTriton X-100(登録商標)及び対応の結合パートナーを含んだ。検体にカバースリップをかぶせ、インキュベーション中の蒸発及び乾燥を防いだ。スライドを60℃で平衡となったホットプレート(Pactronic,Buch & Holm A/S,Oenmark)の上に載せ、そして5分インキュベーションした(変性とハイブリダイゼーションは同時に実施した)。
任意の未結合及び任意の非特異的に結合した結合パートナーの除去
変性及びハイブリダイゼーションの後、カバースリップを外し、そしてスライドを0.1×のSSC(15mMのNaCl,1.5mMのクエン酸ナトリウムpH7.0)及び0.1%のTriton X-100(登録商標)の洗浄バッファーの入ったジャーに移し、そして湯浴の中で静かに撹拌しながら50℃で5分洗浄した。
形成ハイブリドの検出
後ハイブリダイゼーション洗浄の後、検出ハイブリドを多湿チャンバーの中で室温で10分、フルオレセインラベル化ストレプトアビジン(TBSバッファーpH7.6の中で1:50に希釈したDAKO F0422)とのインキュベーションにより検出した。インキュベーションの後、過剰のコンジュゲートを水道水で流し、そしてスライドを脱イオン水で室温で1分軽く洗った。
スライドを0.5μg/mlのヨウ化プロピジウム(Sigma)を含むVectashield装着媒体(Vector H−1000)を用いて装着した。スライドを蛍光顕微鏡(Leica DM RB)により検査した。
所見
2つのX染色体(染色体は赤色蛍光により容易に認識される)に対応する検体中の各広がった染色体において2つの強力な緑色/黄色蛍光スポットが観察され、強力な特異的結合が示唆される。非特異的結合は観察されなかった。
実施例18
広がった中期染色体内のX染色体特異的配列の検出のためのin situハイブリダイゼーション
サンプルの調製
広がった中期染色体を実施例17に記載の通りにして調製した。
変性及びハイブリダイゼーション
式(VII)の重合成分を含んで成る式(VIIr)の結合パートナーを上記の通りに合成した。結合パートナー(VIIr)はX染色体の動原体領域HSSATX(データーベースGenebankより獲得)由来の配列に相補性な17個の核塩基を含んで成る。この結合パートナーの配列は以下の通りとした:
Figure 0004494529
ここで各Fluは5−(及び6)−カルボキシフルオレセイン又はフルオレセインイソチオシアネートラベルを表わす。式(VIIr)の結合パートナーは枝分れしたラベル化末端(「ジッパー」)で終結し、ここでこのラベルはペプチドラベル(Ala及びLys)並びにフルオレセインラベル、即ち、Flu-βAla-Lys-(Flu-βAla)-より成る。
結合パートナーの濃度は100nMとした。
風乾した広がった染色体(前記のようにして調製)のそれぞれに15μlのハイブリダイゼーション溶液をかぶせた。このハイブリダイゼーション溶液は10mMのNaCl(Merck,Germary,6404.5000)、10%(w/v)の硫酸デキストラン(Sigma USA,D−8906)、60%(v/v)のホルムアミド(Life Technologies,USA,55150B)、0.1%のピロリン酸ナトリウム、0.2%のポリビニルピロリドン(MW 40000)、0.2%のフィコール(MW 400000)、5mMのNa2EDTA,0.05MのTris/HCl,pH7.5及び上記の結合パートナーより成る。
検体にカバースリップをかぶせてインキュベーション中の蒸発及び乾燥を防いだ。スライドを60℃に平衡となったホットプレート(Pactronic,Buch & Holm A/S,Denmark)の上に載せ、そして5分インキュベーションした(従って、変性とハイブリダイゼーションは同時に実施した)。
任意の未結合及び任意の非特異的に結合した結合パートナーの除去
変性及びハイブリダイゼーションの後、カバースリップを外し、そしてスライドを0.1×のSSC(15mMのNaCl,1.5mMのクエン酸ナトリウム、pH7.0)及び0.1%のTriton X-100(登録商標)の入ったジャーに移し、そして湯浴の中で静かに振盪しながら50℃で5分洗浄した。
形成ハイブリドの検出
後ハイブリダイゼーション洗浄の後、スライドをTBSバッファーpH7.6の中で室温にて2分洗浄し、次いで脱イオン水で1分、室温で軽く洗浄した。
スライドを0.5μg/mlのヨウ化プロピジウム(Sigma)を含むVectashield装着媒体(Vector H−100)を用いて装着した。スライドを蛍光顕微鏡(Lieca DM RB)により検査した。
所見
2つのX染色体(染色体は赤色蛍光により容易に認識される)に対応する検体中の各広がった染色体において2つの強力な緑色/黄色蛍光スポットが観察され、強力な特異的結合が示唆される。非特異的結合は観察されなかった。

Claims (14)

  1. in situハイブリダイゼーションを利用して真核系起源サンプル中の特異的な核酸配列の存在を決定するための方法であって、
    (1)前記サンプルの調製品を作る、ここでこのサンプルは固定化に委ねるものとする、
    (2)前記調製品を、決定すべき特異的核酸配列にハイブリダイズしてハイブリドを形成することのできる少なくとも一種の結合パートナーと、前記核酸と前記結合パートナーとの間で形成されるハイブリドの融点を下げて特異的結合、対、非特異的結合との比を高めるのに有効な量のハイブリド不安定化剤とを含んで成るハイブリダイゼーション溶液と接触させる、ここで前記結合パートナーは非環式骨格を有する15〜30個の重合成分から成るポリマー鎖であり、このポリマー鎖が決定すべき核酸配列にハイブリダイズすることのできるものである、
    (3)任意の未結合及び任意の非特異的に結合した結合パートナーを除去する、そして
    (4)前記調製品中の結合した結合パートナーの存在を決定する、段階を含んで成り、前記ハイブリド不安定化剤が20%〜60%の濃度のホルムアミド、30%〜65%の濃度のエチレングリコール、及び45%〜60%の濃度のグリセロールより成る群から選ばれ、
    前記ポリマー鎖が次式(VII)の重合成分
    Figure 0004494529
    (式中、Qはチミン、アデニン、シトシン、グアニン、ウラシル又はヒポキサンチンを表わす)から成る、方法。
  2. 前記結合パートナーが15〜20個の重合成分から成る、請求項に記載の方法。
  3. 前記結合パートナーが15個の重合成分から成る、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記ハイブリド不安定化剤が30〜50%の濃度のホルムアミドである、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記ハイブリド不安定化剤が50〜65%の濃度のエチレングリコールである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記真核系起源のサンプルが組織切片、塗布細胞物、細胞もしくはその一部の懸濁物、又は広がった染色体である、請求項1〜のいずれか1項記載の方法。
  7. 前記結合パートナーが相互に同一又は異なり合うことのある1又は複数個のラベルを更に含んで成る、請求項1〜のいずれか1項記載の方法。
  8. 前記ラベルが蛍光ラベル、ビオチン、ジゴキシゲニン、ジニトロ安息香酸、ペプチドラベル、ローダミン、R−フィコエリスリン及びシアニン色素より成る群から選ばれる、請求項記載の方法。
  9. 少なくとも1個のラベルが蛍光ラベルである、請求項記載の方法。
  10. 段階(3)における前記未結合及び非特異的に結合した結合パートナーを8〜10.5のアルカリpHの洗浄バッファーを利用して除去する、請求項記載の方法。
  11. 真核系起源のサンプル中の特異的な核酸配列の存在の決定のための請求項1〜10のいずれか1項記載の方法において使用するための診断キットであって、15〜30個の重合成分から成るポリマー鎖であり且つ非環式骨格を有する1又は複数個の結合パートナーと、20%〜60%の濃度のホルムアミド、30%〜65%の濃度のエチレングリコール、及び45%〜60%の濃度のグリセロールより成る群から選ばれるハイブリド不安定化剤とを含んで成るハイブリダイゼーション溶液を含んで成り、ここでこのポリマー鎖が決定すべき前記核酸配列にハイブリダイズすることのできるものであり、前記ポリマー鎖が次式(VII)の重合成分
    Figure 0004494529
    (式中、Qはチミン、アデニン、シトシン、グアニン、ウラシル又はヒポキサンチンを表わす)から成る、前記キット。
  12. サンプル調製のための試薬及び任意的に形成ハイブリドの検出のための試薬を更に含んで成る、請求項11記載の診断キット。
  13. 前記結合パートナーが15〜20個の重合成分から成る、請求項11又は12に記載の診断キット。
  14. 前記結合パートナーが15個の重合成分から成る、請求項11又は12に記載の診断キット。
JP51851397A 1995-11-16 1996-09-24 真核系サンプル中の特異的核酸配列を検出するためのin situハイブリダイゼーション Expired - Lifetime JP4494529B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DK1282/95 1995-11-16
DK128295 1995-11-16
DK44596 1996-04-16
DK0445/96 1996-04-16
PCT/DK1996/000406 WO1997018325A1 (en) 1995-11-16 1996-09-24 In situ hybridization to detect specific nucleic acid sequences in eucaryotic samples

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009035890A Division JP2009118853A (ja) 1995-11-16 2009-02-18 真核系サンプル中の特異的核酸配列を検出するためのinsituハイブリダイゼーション

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000500018A JP2000500018A (ja) 2000-01-11
JP4494529B2 true JP4494529B2 (ja) 2010-06-30

Family

ID=26064015

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP51851397A Expired - Lifetime JP4494529B2 (ja) 1995-11-16 1996-09-24 真核系サンプル中の特異的核酸配列を検出するためのin situハイブリダイゼーション
JP2009035890A Withdrawn JP2009118853A (ja) 1995-11-16 2009-02-18 真核系サンプル中の特異的核酸配列を検出するためのinsituハイブリダイゼーション

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009035890A Withdrawn JP2009118853A (ja) 1995-11-16 2009-02-18 真核系サンプル中の特異的核酸配列を検出するためのinsituハイブリダイゼーション

Country Status (7)

Country Link
EP (1) EP0862650B1 (ja)
JP (2) JP4494529B2 (ja)
AT (1) ATE368751T1 (ja)
AU (1) AU7210196A (ja)
DE (1) DE69637194T2 (ja)
ES (1) ES2289753T3 (ja)
WO (1) WO1997018325A1 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999022018A2 (en) 1997-10-27 1999-05-06 Boston Probes, Inc. Methods, kits and compositions pertaining to pna molecular beacons
US6485901B1 (en) 1997-10-27 2002-11-26 Boston Probes, Inc. Methods, kits and compositions pertaining to linear beacons
WO1999049293A2 (en) 1998-03-24 1999-09-30 Boston Probes, Inc. Methods, kits and compositions pertaining to detection complexes
AU3516899A (en) * 1998-05-04 1999-11-23 Dako A/S Method and probes for the detection of chromosome aberrations
US6601371B1 (en) 1998-05-05 2003-08-05 Erwin Fertig Packaging machine
US6664045B1 (en) 1998-06-18 2003-12-16 Boston Probes, Inc. PNA probes, probe sets, methods and kits pertaining to the detection of microorganisms
US7981599B1 (en) 1998-07-31 2011-07-19 Boston Probes, Inc. Non-nucleic acid probes, probe sets, methods and kits pertaining to the detection of individual human chromosomes X, Y, 1, 2, 3, 4, 6, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 16, 17, 18 and 20 as 13/21 as a pair
US6280946B2 (en) * 1998-08-07 2001-08-28 Boston Probes, Inc. PNA probes, probe sets, methods and kits pertaining to the universal detection of bacteria and eucarya
CA2246623A1 (en) * 1998-10-07 2000-04-07 Manjula Das Oligonucleotide primers that destabilize non-specific duplex formation and reduce mispriming during cdna library construction and uses thereof
DK1337849T3 (da) * 2000-11-30 2010-04-06 Boston Probes Inc Fremgangsmåder og sammensætninger til at sortere og/eller bestemme mikroorganismer
DE102020103971B4 (de) * 2020-02-14 2022-02-24 Testo bioAnalytics GmbH Verfahren zum Nachweis von lebenden Mikroorganismen und ein fluidisches Kanalsystem

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DK51092D0 (da) * 1991-05-24 1992-04-15 Ole Buchardt Oligonucleotid-analoge betegnet pna, monomere synthoner og fremgangsmaade til fremstilling deraf samt anvendelser deraf
DE4216949C2 (de) * 1992-05-22 1997-07-24 Christoph Prof Dr Dr Cremer Nichtenzymatisches Verfahren zur In-situ-Hybridisierung bei spezifischen Proben

Also Published As

Publication number Publication date
EP0862650A1 (en) 1998-09-09
JP2000500018A (ja) 2000-01-11
EP0862650B1 (en) 2007-08-01
JP2009118853A (ja) 2009-06-04
ATE368751T1 (de) 2007-08-15
DE69637194D1 (de) 2007-09-13
DE69637194T2 (de) 2008-04-30
WO1997018325A1 (en) 1997-05-22
AU7210196A (en) 1997-06-05
ES2289753T3 (es) 2008-02-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5888733A (en) In situ hybridization to detect specific nucleic acid sequences in eucaryotic samples
JP2009118853A (ja) 真核系サンプル中の特異的核酸配列を検出するためのinsituハイブリダイゼーション
US7642057B2 (en) Method and probes for the detection of chromosome aberrations
JP2651483B2 (ja) ポリメラーゼ連鎖反応によるヒト乳頭腫ウイルスの検出
US20180312912A1 (en) Methods, Kits and Compositions Pertaining to the Suppression of the Detectable Probe Binding to Randomly Distributed Repeat Sequences Genomic Nucleic Acid
JP5936304B2 (ja) ゲノム核酸中の遺伝子異常を検出するためのアッセイ
JPH02501442A (ja) ヌクレオチドプローブによるヒト乳頭腫の型の診断
JPH11503026A (ja) インジツーハイブリダイゼーション溶液及び方法
JP2007529994A (ja) ヘアピン標識したプローブと使用方法
CN111635936A (zh) 检测人染色体数目的探针组合物、试剂盒和应用
CA2422440C (en) Oligonucleotide sequence formula for labeling oligonucleotide probes and proteins for in situ analysis
JPS61502889A (ja) 化学的にラベルした刻酸、その利用法およびその実行用キット
WO2017114008A1 (zh) Bcr基因和abl基因检测探针及其制备方法和试剂盒
JPH0670799A (ja) ハイブリダイゼーション法
WO2002044401A2 (en) Process for detecting low abundance rna in intact cells
WO1995019449A1 (en) Populations of non-adjacent hybridization probes
EP0672185A1 (en) Nucleic acid probes and uses thereof to detect double-stranded nucleic acids
KR100460747B1 (ko) 인체포진 바이러스의 프로브, 이를 이용한 인체포진바이러스의 유전형 분석용 키트 및 유전형 분석방법
KR20060014305A (ko) 인유두종바이러스 유전자형 분석을 위한올리고뉴크레오티드 프로브 및 그 검사 방법
HUT75069A (en) A nucleic acid diagnostic method using riboprobes, rnase digestion, and molecular weight exclusion chromatography
WO2017221960A1 (ja) オリゴヌクレオチド、アスペルギルス・テレウス検出用プローブ、及びアスペルギルス・テレウス検出方法
Otobe et al. Mechanical elongation of the centromere in the barley metaphase chromosome

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070206

A72 Notification of change in name of applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A721

Effective date: 20070302

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20070502

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20070618

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070604

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20081021

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090218

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20090514

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20090806

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091217

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100408

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130416

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130416

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140416

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term