JPH0670799A - ハイブリダイゼーション法 - Google Patents

ハイブリダイゼーション法

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JPH0670799A
JPH0670799A JP4227189A JP22718992A JPH0670799A JP H0670799 A JPH0670799 A JP H0670799A JP 4227189 A JP4227189 A JP 4227189A JP 22718992 A JP22718992 A JP 22718992A JP H0670799 A JPH0670799 A JP H0670799A
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幸二 橋本
Keiko Miwa
桂子 三輪
Masashiki Goto
雅式 後藤
Yoshio Ishimori
義雄 石森
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は試料核酸のセルフハイブリダイゼー
ションを防止し、遺伝子検出の際の検出感度を向上させ
ることを目的とする。 【構成】 試料としての核酸と、検出すべき目的とする
に遺伝子配列の一部に相補的な配列を含む核酸プローブ
とのハイブリダイゼーションにおいて、前記核酸プロー
ブと共に、目的とする遺伝子配列のうちの前記核酸プロ
ーブに相補的でない部分の配列に対して相補的な配列か
らなる核酸鎖を添加することを特徴とするハイブリダイ
ゼーション法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、試料中に存在する目的
遺伝子の存在を確認するための遺伝子検出法に好適に用
いることができるハイブリダイゼーション法に関する。
【0002】
【従来の技術】遺伝子(核酸)は生命維持に必要なすべ
ての遺伝情報を有しており、この情報がメッセンジャー
RNAを介して蛋白或いは酵素として表現される。この
蛋白質或いは酵素が正常に機能することにより、生体の
生命維持がなされ得る。
【0003】総数が5〜10万といわれているヒト遺伝
子のうち、たとえ1つにでも何等かの異常或いは変化を
生じると、生成される蛋白質の特性、種類、或いは量な
どが変化し、生体系のバランスが崩れ、疾病が引き起こ
されることになる。
【0004】このような遺伝子の発現機構が正常に働か
なくなったことに起因する疾病の最も一般的なものとし
て遺伝性疾患が挙げられる。遺伝性疾患は、遺伝子の欠
損或いは重複などにより生じる疾患であり、例えば、血
友病、成長ホルモン欠乏症、ダウン症、筋ジストロフィ
ー、フェニルケトン尿症、骨形成不全症等が挙げられ
る。現在遺伝子の欠損等による疾患のうち原因遺伝子が
解明されているものとしては250種余りが知られてお
り、これらは従来は上記発現機構により病気という形で
表現されて初めて診断可能となるものであった。
【0005】しかし、近年、遺伝子工学の進歩に伴い、
遺伝子そのものに基づく診断(以下遺伝子診断と呼ぶ)
が可能となってきた。遺伝子診断によれば、病気という
形で表現される以前の段階、すなわち発症前や病気の潜
伏期、或いは極めて初期に診断が可能である。また、遺
伝性疾患に関しては、生体内の細胞では遺伝子は全て同
一であることから、分析する臓器や組織を問わない。従
って、胎児についても診断可能であり、妊婦の羊水中に
浮遊している胎児細胞を調べるだけで容易に診断でき
る。
【0006】この遺伝子の検出には、一般にハイブリダ
イゼーション法が利用され、とりわけ、サンドイッチハ
イブリダイゼーション法が好適に用いられる。これは捕
捉用の核酸プローブ及び検出用の標識核酸プローブを試
料としての核酸にハイブリダイズさせた後、捕捉用の核
酸プローブを固相に結合させるものであり、この後、固
相に結合している標識核酸プローブを検出することによ
り、目的とする遺伝子の検出を行う。この方法であると
試料中の核酸量を定量的に測定でき、また試料を特に精
製しなくてもよいという利点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしサンドイッチハ
イブリダイゼーション法は、検出のために最終的に試料
としての核酸を固相に捕捉するものの、ハイブリダイゼ
ーション反応は溶液中で行われる。このため、溶液中で
の試料核酸のセルフハイブリダイゼーションが高頻度で
生じ、検出感度が低下するという問題点があった。
【0008】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その課題は、試料としての核酸のセルフハイブリダ
イゼーションを防止し、遺伝子検出の際の検出感度を向
上させることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、試料としての核酸と、検出すべき目的と
する遺伝子配列に相補的な配列を含む核酸プローブとの
ハイブリダイゼーションにおいて、前記核酸プローブと
共に、前記核酸プローブに相補的でない部分の配列に対
して相補的な配列からなる核酸鎖を添加することを特徴
とするハイブリダイゼーション法を提供する。以下本発
明を詳細に説明する。
【0010】本発明は目的とする遺伝子配列のうちの核
酸プローブに相補的でない部分の配列に対して相補的な
配列からなる核酸鎖を添加することを特徴とするが、ま
ず本発明の前提となる試料としての核酸と検出すべき目
的とする遺伝子配列に相補的な配列を含む核酸プローブ
とのハイブリダイゼーションについて説明する。
【0011】本発明のハイブリダイゼーション法に用い
られる試料としての核酸は、特に限定されるものではな
くどのようなものをも用いることができる。しかし、一
般には、検査対象となる血液、白血球、血清、尿、糞
便、***、唾液、培養細胞、組織細胞中に含有されてい
る核酸が用いられる。これら細胞等からの核酸の抽出は
従来法に準じて行うことができる。従来から用いられて
いる核酸の抽出法としては、例えば、ホモジナイザーな
どによる機械的な方法、界面活性剤や蛋白質変性剤によ
る化学的な方法、酵素による生物的な方法などが挙げら
れる。抽出された試料としての核酸は変性させて一本鎖
核酸として用いられる。変性方法としては、熱変性、ア
ルカリ変性、その他通常用いられるいずれの方法を用い
ることもできるが、90〜98℃、好ましくは95〜9
8℃の温度で加熱して熱変性することが好ましい。
【0012】本発明のハイブリダイゼーション法に用い
られる核酸プローブは、検出すべき目的とする遺伝子配
列に相補的な配列を含むものであればどのようなもので
もよい。また、核酸プローブは、標識して用いてもよ
く、固相担体に固相化して用いてもよい。当該核酸プロ
ーブを標識するための標識物質や固相担体は、その後行
われる検出方法に応じて決めることができる。また、本
発明のハイブリダイゼーション法においては、2種類以
上の核酸プローブを用いてもよい。例えば、本発明を利
用してサンドイッチハイブリダイゼーションを行う場合
は、捕捉用核酸プローブ及び検出用核酸プローブの2種
類のプローブが用いられる。
【0013】本発明のハイブリダイゼーション法の条件
は、通常行われているハイブリダイゼーションと同様で
ある。ハイブリダイゼーションの最適温度、塩濃度、或
いはホルムアミド濃度等は、用いる核酸プローブの塩基
配列又は長さ、或いは用いる核酸濃度等に依存する。し
かし、一般にハイブリダイゼーションの温度は、融解温
度(Tm)より25℃程度低い温度が用いられる。Tm
は塩濃度、又はホルムアミド濃度により調節することが
可能である。例えば、通常1%ホルムアミドはTmを約
0.6℃下げる。本発明は、特に37〜72℃の温度で
行われることが好ましい。
【0014】次に、本発明のハイブリダイゼーション法
の特徴である、核酸プローブに相補的でない部分の配列
に対して相補的な配列からなる核酸鎖の添加について説
明する。
【0015】本発明のハイブリダイゼーション法に用い
られる核酸鎖としては、核酸プローブに相補的でない部
分の配列に対して相補的な配列からなるものであればい
ずれのものでも用いることができる。しかし、核酸プロ
ーブに相補的でない部分の配列に対して相補的な配列か
らなることに加えて、前記核酸プローブが結合する部位
の前後の配列に相補的な配列も含まないものであること
が好ましい。より具体的には、少なくとも核酸プローブ
が結合する部位の前後3塩基に相補的な配列を含まない
ものであることが好ましい。ただし、このような配列を
含むものであっても核酸プローブの方が結合力が強けれ
ばこの限りではない。結合力は主に核酸プローブの配列
等に依存する。またこれに加えて、核酸プローブに相補
的でない部分の配列に対して相補的な配列からなる核酸
鎖の融解温度(Tm50)は、核酸プローブの融解温度
(Tm50)よりも高いことが好ましい。すなわち、目的
遺伝子に対して核酸プローブよりも離れにくいものであ
ることが好ましい。
【0016】本発明の核酸鎖は、このような条件を満た
すものであれば、配列や長さも特に限定されず、一本鎖
であっても二本鎖であってもよい。ただし二本鎖の核酸
を用いる場合には、試料としての核酸を変性する前に添
加し共に変性させ一本鎖とすることが必要である。また
天然に存在する核酸であっても、人工的に合成された核
酸であってもよく、適当な標識物質で標識することもで
きる。また更に、2種類以上を併用して用いてもよい。
【0017】以上述べてきた本発明のハイブリダイゼー
ション法は、主に遺伝子の検出のために使用される。よ
って次に本発明のハイブリダイゼーション法を用いて遺
伝子を検出する方法について説明する。
【0018】本発明のハイブリダイゼーション法は特に
サンドイッチハイブリダイゼーション法による遺伝子検
出方法に好適に用いられる。サンドイッチハイブリダイ
ゼーション法においては、上述したように、捕捉用核酸
プローブ及び検出用核酸プローブの2種のプローブが用
いられる。この両核酸プローブは、目的とする遺伝子配
列に相補的な配列を含む。捕捉用核酸プローブは、ハイ
ブリダイゼーション後に目的とする遺伝子配列を分離す
るために使用する固相担体上に固定化された物質と選択
的に反応する物質で修飾することが好ましい。具体的に
は、例えば、その末端或いは配列中にアミノ基、カルボ
キシル基、スルホン酸基、又はチオール基等の反応性官
能基、ハプテン分子、ビチオン、又はアビジン等の物質
で修飾することができる。また、検出用プローブは、そ
の末端或いは配列中に後述する標識物質で標識すること
が好ましい。固相担体には修飾された捕捉用プローブと
選択的に反応する物質を固定化しておくことが好まし
い。目的とする遺伝子の検出は上記した捕捉用核酸プロ
ーブ、検出用核酸プローブ、試料とする核酸及び前記核
酸プローブに相補的でない部分の配列に対して相補的な
配列からなる核酸鎖を用いて、本発明の方法でハイブリ
ダイゼーションを行った後、固相担体を加え、捕捉用核
酸プローブを固相担体に固定化する。その後洗浄し、余
分な核酸、核酸プローブ、核酸鎖等を除去し、検出用核
酸プローブの有無を標識物質に応じた各種方法で検出す
ることにより行う。
【0019】また、上記したサンドイッチハイブリダイ
ゼーション法を用いた遺伝子検出方法においては、検出
用核酸プローブと同じ標識物質を用いて本発明の目的と
する遺伝子配列のうちの核酸プローブに相補的でない部
分の配列に対して相補的な配列からなる核酸鎖を標識し
たものを用いることにより、より高感度の検出が可能と
なる。
【0020】また、捕捉用プローブを用いずに、標識物
質で標識した核酸プローブを用い、試料としての核酸を
固相担体に固定化して本発明のハイブリダイゼーション
反応を行い、その後に余分な核酸、核酸プローブ、核酸
鎖を除去し、更に目的とする遺伝子に結合した核酸プロ
ーブの検出を行う方法でもよい。
【0021】更に核酸プローブを標識せずに、核酸プロ
ーブに相補的でない部分の配列に対して相補的な配列か
らなる核酸鎖を標識したものを用い、本発明のハイブリ
ダイゼーションを行う方法もある。この場合は核酸プロ
ーブを固相担体に固定することが必要となる。固相担体
に固定化された核酸プローブ以外の余分な核酸、核酸鎖
を除去した後、核酸プローブに結合している目的とする
遺伝子、更にこの遺伝子に結合した標識された核酸鎖を
検出することにより、目的とする遺伝子が検出できる。
【0022】本発明の核酸鎖を標識するための標識物質
としては、電極活物質、蛍光物質、発光物質、電気化学
発光物質、酵素、酵素基質、ハプテン分子、抗原、抗
体、放射性同位元素、スピンラベル剤等を用いることが
できる。電極活物質としては、フェロセン、ビオローゲ
ン等が挙げられる。発光物質としては、ルミノール、ア
クリジニュウムエステル誘導体等が挙げられる。蛍光物
質としては、FITC、ローダミン等が挙げられる。電
気化学発光物質としては、ルシゲニン等が挙げられる。
酵素としては、アルカリホスファターゼ、ペルオキシダ
ーゼ、グルコースオキシダーゼ等が挙げられる。ハプテ
ンとしては、トリニトロベンゼンスルホン酸、ジニトロ
ベンゼンスルホン酸等が挙げられる。
【0023】一方核酸プローブを固相化するための固相
担体としては、通常用いられているいずれのものも用い
ることができるが、具体的には、例えばニトロセルロー
ス膜、ナイロン膜、マイクロタイタープレート、電極、
光ファイバー等、或いはラテックス、合成樹脂、天然樹
脂、ガラス、アガロース、磁石等の粒子を用いることが
できる。更に、挿入剤(インターカレーター)と呼ばれ
る一連の物質を標識剤として用いて遺伝子を検出する方
法を用いることもできる。
【0024】挿入剤は、二本鎖DNAに特異的に反応す
る物質であり、核酸プローブと目的とする遺伝子を含む
試料核酸により形成される二本鎖に反応した挿入剤の信
号を検出することにより目的とする遺伝子の検出を行う
ものである。
【0025】本発明で用いられる挿入剤としては、光学
的或いは電気化学的に活性なものであれば特に限定され
ない。光学的に活性な挿入剤としては、例えばエチジュ
ウム、エチジュウムブロマイド、アクアリジン、アミノ
アクリジン、アクリジンオレンジ、プロフラビン、エリ
ブチシン、アクチノマイシンD、ドーノマイシン、マイ
トマイシン、ヘキスト33342、ヘキスト3325
8、アクラルビジン、DAPI、アドリアマイシン、エ
ピルビシン、ピラルビシン、アクラシノマイシン等を用
いることができる。また、電気化学的に活性な挿入剤と
しては、挿入剤の中心金属に電気的に可逆な酸化還元を
示す物質を含むもの(メタロインターカレーター)、或
いは挿入剤自体が酸化還元に対して可逆的であるような
ものを好ましく用いることができる。ここで、挿入剤の
中心金属或いは挿入剤自体の酸化還元電位が核酸の酸化
還元電位以下であるか、或いは核酸の酸化還元電位に重
なることのないものが特に好ましい。例えばトリス(フ
ェナントロリン)亜鉛錯体、トリス(フェナントロリ
ン)ルテニュウム錯体、トリス(フェナントロリン)コ
バルト錯体、ジ(フェナントロリン)亜鉛錯体、ジ(フ
ェナントロリン)ルテニュウム錯体、ジ(フェナントロ
リン)コバルト錯体、ビピリジンプラチナ錯体、ターピ
リジンプラチナ錯体、フェナントロリンプラチナ錯体、
トリス(ビピリジル)亜鉛錯体、トリス(ビピリジル)
ルテニュウム錯体、トリス(ビピリジル)コバルト錯
体、ジ(ビピリジル)錯体、ジ(ビピリジル)ルテニュ
ウム錯体、ジ(ビピリジル)コバルト錯体を挙げること
ができる。またその他にも特開昭62−282599号
公報に記載されているような挿入剤を使用することもで
きる。
【0026】光学的に活性な挿入剤を用いた場合の検出
方法としては、二本鎖を形成した部分に結合した挿入剤
と、挿入剤単独の状態での信号の差を吸光度、蛍光、発
光、消光、円偏光二色性、蛍光偏光その他の光学的な情
報を測定する方法或いは、二本鎖を形成した部分に特異
的に結合した挿入剤に特有の吸収波長、蛍光波長、発光
波長、消光波長のシフト、その他の光学的な情報に基づ
いて測定する方法が挙げられる。
【0027】電気化学的に活性な挿入剤を用いた場合に
は挿入剤の中心金属或いは挿入剤自体の酸化還元電流を
測定することにより検出を行うことができる。この際、
電位走査を数回〜数百回繰り返し、信号を増幅させるこ
とにより高感度に検出を行うことが可能となる。
【0028】本発明においてこのような挿入剤を用いて
遺伝子検出を行う場合、核酸プローブを固相化担体に固
定化するか、或いは挿入剤が目的とする遺伝子配列を含
む試料としての核酸と核酸プローブとにより形成される
二本鎖に反応した場合と、それ以外の二本鎖に反応した
場合とで異なる信号を発する性質を有するものであるこ
とが好ましい。以上、本発明のハイブリダイゼーション
法を用いた遺伝子検出法について説明したが、これらに
限定されるものではない。
【0029】
【作用】遺伝子診断のための遺伝子検出法において、本
発明のハイブリダイゼーション法を用いると、溶液中に
おいて、核酸プローブに相補的でない部分の配列に対し
て相補的な配列からなる核酸鎖が試料核酸とハイブリダ
イゼーション反応を起こすために、試料核酸の核酸プロ
ーブとの反応性は保持されたままで、試料としての核酸
のセルフハイブリダイゼーションが防止され、結果とし
て検出感度が向上される。
【0030】また、本発明のハイブリダイゼーション法
に用いられる核酸プローブに相補的でない部分の配列に
対して相補的な配列からなる核酸鎖を標識することによ
り、検出感度が向上するのみならず、特定配列の核酸を
標識する必要がないため、様々な種類の遺伝子検出に用
いることができ、遺伝子検出を簡便に行うことが可能と
なる。
【0031】
【実施例】以下本発明のハイブリダイゼーション法を用
いた遺伝子検出法の実施例を説明する。 実施例1 本発明のハイブリダイゼーション法を用いた遺伝子検出
反応(1)
【0032】まず、発癌遺伝子v−myc(0.97K
b)の5´側に対する合成オリゴヌクレオチドプローブ
A、及び3´側に対する合成オリゴヌクレオチドプロー
ブBを作製した。プローブA及びプローブBの塩基配列
は、それぞれ配列表の配列番号1及び2に示す。この配
列表では5´から3´に向かう方向で塩基配列が示され
ている。プローブAは3´末端にターミナルデオキシヌ
クレオチジルトランスフェラーゼを用いてビオチン化d
ATPを導入した。またプローブBは3´末端をP32
dATPで標識した。一方、アガロースビーズ上にスト
レプトアビジンを固相化し、ストレプトアビジン固相化
ビーズを作成した。試料核酸としてはpUC119のP
stI部位にv−myc断片を挿入したpVM623を
用いた。
【0033】pVM623 1pgをHindIIIで
処理して直鎖にし、98℃で熱処理して変性させた後、
1ngのプローブA及びプローブBを添加して42℃で
1時間ハイブリダイゼーション反応を行った。このハイ
ブリダイゼーションの際に、総量5ngの前記核酸プロ
ーブA及びBに相補的でない部分の配列に対して相補的
な配列からなる核酸鎖(21merの合成DNA)を添
加した。反応終了後、ストレプトアビジン固相化ビーズ
100mgを添加し、1時間攪拌した。遠心処理によっ
てビーズを沈殿させた後、当該ビーズを界面活性剤SD
Sを含有する溶液で洗浄した。洗浄後当該ビーズの放射
線活性を測定した結果、前記核酸プローブに相補的でな
い部分の配列に対して相補的な配列からなる核酸鎖を添
加しなかった場合に比べて、S/N比が2倍に向上して
おり、従って効率よく遺伝子を検出できることが分か
る。 実施例2 本発明のハイブリダイゼーション法を用いた遺伝子検出
反応(2)
【0034】まず、実施例1で作成した発癌遺伝子v−
myc(0.97Kb)に対する合成オリゴヌクレオチ
ドプローブA(20mer)5´−ACTCGGAAG
AAGAACAAGAA−3´の3´末端にターミナル
デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼを用いてビ
オチン化dATPを導入した。一方、末端にアミノ基を
導入した核酸プローブに相補的でない部分の配列に対し
て相補的な配列からなる核酸鎖(21merの合成DN
A)にグルタルアルデヒドを介してアクリジンオレンジ
を結合させた。更に、グラファイト電極上にストレプト
アビジンを固相化し、ストレプトアビジン固相化電極を
作製した。試料核酸としてはpUC119のPstI部
位にv−myc断片を挿入したpVM623を用いた。
【0035】pVM623 1pgをHindIIIで
処理して直鎖にし、98℃で熱処理して変性させた後、
1ngのプローブAを添加して42℃で1時間ハイブリ
ダイゼーション反応を行った。このハイブリダイゼーシ
ョンの際に、総量50ngの前記標識された核酸プロー
ブに相補的でない部分の配列に対して相補的な配列から
なる核酸鎖(21merの合成DNA)を添加した。反
応終了後、ストレプトアビジン固相化電極を挿入し、1
時間攪拌した。電極を洗浄した後、電気化学的な反応を
行った。その結果、核酸プローブに相補的でない部分の
配列に対して相補的な配列からなる核酸鎖を標識して用
いた場合は、検出用プローブを1種だけ用いた場合に比
べてS/N比がより向上しており、より高感度に遺伝子
を検出することができた。 実施例3 本発明のハイブリダイゼーション法を用いた遺伝子検出
反応(3)
【0036】まず、実施例1で作成した発癌遺伝子v−
myc(0.97Kb)の5´側に対する合成オリゴヌ
クレオチドプローブA(20mer)5´−ACTCG
GAAGAAGAACAAGAA−3´を作製した。プ
ローブAの3´末端にターミナルデオキシヌクレオチジ
ルトランスフェラーゼを用いてビオチン化dATPを導
入した。一方、アガロースビーズ上にストレプトアビジ
ンを固相化し、ストレプトアビジン固相化ビーズを作成
した。試料核酸としてはpUC119のPstI部位に
v−myc断片を挿入したpVM623を用いた。
【0037】pVM623 1pgをHindIIIで
処理して直鎖にし、98℃で熱処理して変性させた後、
1ngのプローブAを添加して42℃で1時間ハイブリ
ダイゼーション反応を行った。このハイブリダイゼーシ
ョンの際に、総量5ngのラジオアイソトープでラベル
した核酸プローブに相補的でない部分の配列に対して相
補的な配列からなる核酸鎖(21merの合成DNA)
を添加した。反応終了後、ストレプトアビジン固相化ビ
ーズ100mgを添加し、1時間攪拌した。遠心処理に
よってビーズを沈殿させた後、当該ビーズを界面活性剤
SDSを含有する溶液で洗浄した。洗浄後当該ビーズの
放射線活性を測定した結果、目的とする遺伝子配列のう
ちの核酸プローブに相補的でない部分の配列に対して相
補的な配列からなる核酸鎖を標識して用いた場合は、検
出用プローブを1種だけ用いた場合に比べてS/N比が
より向上しており、より高感度に遺伝子を検出すること
ができた。
【0038】
【発明の効果】遺伝子診断のための遺伝子検出法におい
て、本発明のハイブリダイゼーション法を用いると、試
料核酸のセルフハイブリダイゼーションの防止すること
ができ、従って検出感度を向上することができる。
【0039】また、本発明のハイブリダイゼーション法
に用いられる核酸プローブに相補的でない部分の配列に
対して相補的な配列からなる核酸鎖を標識することによ
り、特定配列の核酸を標識する必要がないため、様々な
種類の遺伝子検出に用いることができ、遺伝子検出を簡
便に行うことが可能となる。
【0040】
【配列表】配列番号:1配列の長さ:20配列の型:核
酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直鎖状起源:生物名 A
vian myelocytomatosis vir
us29(MC29)配列ACTCGGAAGAAGA
ACAAGAA 配列番号:2配列の長さ:19配列の型:核酸起源:生
物名 Avian myelocytomatosis
virus29(MC29)配列ATCAGCCAC
CGGAACTGCA
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石森 義雄 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料としての核酸と、検出すべき目的と
    する遺伝子配列に相補的な配列を含む核酸プローブとの
    ハイブリダイゼーションにおいて、前記核酸プローブと
    共に、前記核酸プローブに相補的でない部分の配列に対
    して相補的な配列からなる核酸鎖を添加することを特徴
    とするハイブリダイゼーション法。
JP22718992A 1992-08-26 1992-08-26 ハイブリダイゼーション法 Expired - Fee Related JP3454847B2 (ja)

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