JP4493546B2 - 熱転写受像シート - Google Patents
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Description
基材上に、多孔質性の中間層及び受像層を有する熱転写受像シートにおいて、該多孔質性の中間層が、空隙率が30%以上であって、少なくとも1種の無機微粒子を含有し、かつ塗布方式で形成されていることを特徴とする熱転写受像シート。
前記多孔質性の中間層に含有される無機微粒子が、シリカ、アルミナ及びチタニアから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写受像シート。
前記多孔質性の中間層のバインダーが、水酸基を含む高分子分散剤で乳化重合されたエマルジョン樹脂、または親水性バインダーであることを特徴とする請求項1または2に記載の熱転写受像シート。
前記多孔質性の中間層上に塗設する層の塗布液粘度が、30mPa・s以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
前記多孔質性の中間層上に層を塗設する時点で、該多孔質性の中間層塗膜の固形分率が80質量%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
前記受像層が、キレート形成可能な色素と反応してキレート化合物を形成し得る金属イオン含有化合物を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
前記金属イオン含有化合物が無機塩であることを特徴とする請求項6に記載の熱転写受像シート。
前記基材が、厚み50〜250μmの樹脂コート紙であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
前記多孔質性の中間層と前記受像層の間に、第二の中間層を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
前記第二の中間層が、微粒子を含有していることを特徴とする請求項9に記載の熱転写受像シート。
前記受像層を構成する樹脂が、ポリカーボネート樹脂、セルロース系樹脂及びエステル系樹脂から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
前記受像層の形成に用いる塗布液のpHが、8.0以下であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
前記多孔質性の中間層または前記受像層が、硬膜剤を含有することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
前記受像層が、離型剤を含有することを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
前記離型剤が、シリコーン系のエマルジョン型または水溶性型の離型剤であることを特徴とする請求項14に記載の熱転写受像シート。
前記受像層が、シリコーン系界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
前記受像層が、フッ素系界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
熱伝導率が、0.35W/mK以下であることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
前記熱伝導率が、0.27W/mK以下であることを特徴とする請求項18に記載の熱転写受像シート。
はじめに、本発明の熱転写受像シートの詳細について説明する。
本発明の熱転写受像シートで用いる基材は、受像層を保持するという役割を有するとともに、熱転写時には熱が加えられるため、過熱された状態でも取り扱い上支障のない程度の機械的強度を有する材料であることが好ましい。
(2)引き裂き強度:JIS P 8116で規定される強度で縦方向が0.20〜2.94N、横方向が0.098〜2.45Nが好ましい
(3)圧縮弾性率:9.8kN/cm2が好ましい
(4)不透明度:JIS P 8138に規定された方法で測定したときに80%以上、特に85〜98%が好ましい
(5)白さ:JIS Z 8727で規定されるL*、a*、b*が、L*=80〜96、a*=−3〜+5、b*=−7〜+2であることが好ましい
(6)クラーク剛直度:記録用紙の搬送方向のクラーク剛直度が50〜300cm3/100である支持体が好ましい
(7)原紙中の水分は、中紙に対して4〜10%が好ましい
(8)染料受容層を設ける光沢度(75度鏡面光沢度)は10〜90%が好ましい。
本発明の熱転写受像シートにおいては、基材上に少なくとも1層の空隙率が30%以上で、かつ少なくとも1種の無機微粒子を含有する多孔質性の中間層を塗布方式で形成することを特徴とする。
本発明に係る多孔質性の中間層が含有する無機微粒子としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、チタニア(二酸化チタン)、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を挙げることができる。
次に、多孔質性の中間層のバインダーについて説明する。
本発明においては、基材上に上記説明した多孔質性の中間層の他に、多孔質性の中間層と受像層の間に、第二の中間層を設けることが好ましい。
本発明に係る受像層に使用されるバインダー樹脂、キレート形成可能な染料と反応してキレート化合物を形成する金属イオン含有化合物および離型剤について以下詳しく説明する。
本発明に係る受像層に使用されるバインダー樹脂としては、バインダー樹脂として公知のものを用いることができ、色素(以下、染料ともいう)が染着しやすいものを用いることが好ましい。具体的には、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステルなどのビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、フェノキシ樹脂、エチレンやプロピレンなどのオレフィンと他のビニル系モノマーとの共重合体、ポリウレタン、ポリカーボネイト、アクリル樹脂、アイオノマー、セルロース誘導体等の単体、又は混合物を挙げることができるが、これらの中でもビニル系樹脂が好ましく、最も好ましくはポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂及びポリカーボネートである。
本発明の熱転写受像シートにおいては、受容層中に含有されるキレート形成可能な染料と反応してキレート化合物を形成し得る金属イオン含有化合物(以下、メタルソースとも記す)は、金属イオンの無機又は有機の塩及び金属錯体が挙げられ、中でも無機塩であることが好ましい。金属としては、周期律表の第I〜第VIII族に属する1価及び多価の金属が挙げられるが、中でもAl、Co、Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、Mo、Ni、Sn、i及びZnが好ましく、特にNi、Cu、Cr、Co及びZnが好ましい。
下記一般式(I)で表される錯体が、染料受容層中に安定かつ添加でき、かつ実質的に無色であるので、特に好ましく用いられる。
〔M(Q1)X(Q2)Y(Q3)Z〕P+(L-)P
上記式中、Mは金属イオン、好ましくはNi2+、Cu2+、Cr2+、Co2+、Zn2+を表す。Q1、Q2、Q3は各々Mで表される金属イオンと配位結合可能な配位化合物を表し、互いに同じであっても異なっていてもよい。これらの配位化合物としては、例えば、キレート科学(5)(南江堂)に記載されている配位化合物から選択することができる。L-は有機アニオン基を表し、具体的にはテトラフェニル硼素アニオンやアルキルベンゼンスルホン酸アニオン等が挙げられる。Xは1、2または3の整数を表し、Yは1、2または0を表し、Zは1または0を表すが、これらは前記一般式で表される錯体が4座配位か、6座配位かによって決定されるか、あるいはQ1、Q2、Q3の配位子の数によって決定される。Pは1または2を表す。この種のメタルソースの具体例は、米国特許4,987,049号明細書に例示されたもの、または特開平10−67181号公報に例示された化合物1〜51などを挙げることができる。
本発明に係る受像層においては、印画時に熱転写インクシートのインク層との熱融着を防止するために、離型剤を含有することが1つの特徴であり、離型剤が、シリコーン系のエマルジョン型または水溶性型の離型剤であることが好ましい。
本発明に係る受像層においては、受像層がシリコーン系界面活性剤を含有することが好ましい。
本発明に係る受像層においては、受像層がフッ素系界面活性剤を含有することが好ましい。
本発明の熱転写受像シートにおいては、多孔質性の中間層または染料受像層が、硬膜剤を含有することが好ましい。硬膜剤は、熱転写受像シート作製の任意の時期に添加することができ、例えば、多孔質性の中間層形成用の塗布液に添加することができる。
本発明の熱転写受像シートでは、熱伝導率が0.35W/mK以下であることを特徴とする。
本発明に係る受像層を形成する受像層塗布液のpHは、8.0以下であることが、本発明の目的効果をよりいっそう発揮させる観点から好ましく、より好ましくは5.0〜8.0である。
(基材シート)
本発明において、熱転写インクシートに使用される基材シートとしては、従来より熱転写インクシートの基材シートとして公知の材料を用いることができる。好ましい基材シートの具体例は、グラシン紙、コンデンサー紙、パラフィン紙などの薄紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルサルホン等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、フッ素樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレンの誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテン、アイオノマー等のプラスチックの延伸あるいは未延伸フィルムや、これらの材料を積層したものが挙げられる。この基材シートの厚さは、強度及び耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜選択することができるが、通常は1〜100μm程度のものが好ましく用いられる。
本発明において、熱転写インクシートを構成するインク層は、少なくとも色素とバインダー樹脂を含有する熱昇華性色材層である。本発明に係るインク層に使用される色素は、1種のみでも2種以上を併用しても良い。
本発明に係るインク層は、上記色素と共にバインダー樹脂を含有する。
本発明に係る熱転写インクシートにおいては、熱転写性の保護層を備えていることが好ましい。該熱転写性の保護層は、受像シート上に熱転写して形成された画像の表面を覆う保護層となる透明な樹脂層からなる。
熱転写性保護層として電離放射線硬化性樹脂を用いることができる。熱転写性保護層に含有することにより、耐可塑剤性や耐擦過性が特に優れている。電離放射線硬化性樹脂としては公知のものを使用することができ、例えば、ラジカル重合性のポリマーまたはオリゴマーを電離放射線照射により架橋、硬化させ、必要に応じて光重合開始剤を添加し、電子線や紫外線によって重合架橋させたものを使用することができる。
紫外線遮断性樹脂を含有する保護層は、印画物に耐光性を付与することを主目的とする。紫外線遮断性樹脂としては、例えば、反応性紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂または上記の電離放射線硬化性樹脂に反応、結合させて得た樹脂を使用することができる。より具体的には、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダードアミン系のような従来公知の非反応性の有機系紫外線吸収剤に、付加重合性二重結合(例えばビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基等)、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基のような反応性基を導入したものを例示することができる。
熱転写性保護層の少なくとも1層に、紫外線吸収剤が含有されていることが好ましいが、透明樹脂層に含有させた場合、保護層転写後は透明樹脂層が印画物の最表面に存在するため、長期間の間に環境などの影響を受け経時的にその効果が低下することから、特に好ましくは、感熱接着剤層に含有させる。
本発明の熱転写インクシートにおいて、インク層とは基材シートを挟んで反対側の面に耐熱滑性層を設けることが好ましい。
《熱転写受像シートの作製》
〔熱転写受像シート1の作製〕
基材シートとして、厚みが150μmの合成紙(王子油化合成紙(株)製のユポFPG−150)の一方の面に、下記の第二の中間層塗布液をワイヤーバーコーティング方式にて塗布し、120℃で1分間乾燥させ、乾燥固形分量が2.0g/m2の第二の中間層を形成した。
アクリル系エマルジョン(日本カーバイド(株)製、ニカゾールA−08)の35%水溶液 5.7質量部
純水 94.0質量部
この第二の中間層塗布液の粘度は、35mPa・sであった。
B1:塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(塩化ビニル酢酸/酢酸ビニル=95/5)
10.0質量部
離型剤1:エポキシ変成シリコーン(信越化学(株)製 X−22−8300T)
1.0質量部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 40.0質量部
〔熱転写受像シート2の作製〕
上記熱転写受像シート1の作製において、基材シートを厚さ170g/m2の原紙の両面をポリエチレンで被覆したポリエチレンコート紙(多孔質層側のポリエチレン中には8%のアナターゼ型酸化チタン含有、多孔質層面側には0.05g/m2のゼラチン下引き層、多孔質層とは反対側の面にはTgが約80℃のラテックス性ポリマーを含むバック層を0.2g/m2として有する。RC紙と略記する)に変更した以外は同様にして、熱転写受像シート2を作製した。
基材シートを厚さ170g/m2の原紙の両面をポリエチレンで被覆したポリエチレンコート紙(多孔質層側のポリエチレン中には8%のアナターゼ型酸化チタン含有、多孔質層面側には0.05g/m2のゼラチン下引き層、多孔質層とは反対側の面にはTgが約80℃のラテックス性ポリマーを含むバック層を0.2g/m2として有する)の一方の面に、下記の構成からなる多孔質性の中間層塗布液をワイヤーバーコーティング方式にて塗布し、120℃で1分間乾燥させ、乾燥固形分量が16g/m2の多孔質性の中間層を形成した。次いで、下記第2中間層塗布液をワイヤーバーコーティング方式にて塗布し、120℃で1分間乾燥させ、乾燥固形分量が2.0g/m2の第二の中間層を形成した。次いで、下記受像層塗布液をワイヤーバーコーティング方式にて塗布し、120℃で1分間乾燥させ、乾燥固形分量が4.0g/m2の受像層を形成して、熱転写受像シート3を作製した。なお、上記多孔質性の中間層の空隙率は、60%であった。
B2:ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA235)の5%水溶液
30質量部
無機微粒子1:気相法シリカ(AEROSIL200、日本アエロジル社製、一次粒子径12nm) 20質量部
純水 20質量部
(第二の中間層塗布液)
アクリル系エマルジョン(日本カーバイド(株)製、ニカゾールA−08)の35%水溶液 5.7質量部
アナターゼ型酸化チタン 1.0質量部
純水 93.0質量部
この第二の中間層塗布液の粘度は、38mPa・sであった。
B3:エマルジョン樹脂(45%水溶液) 22.0質量部(固形分で10質量部)
離型剤3:エマルジョン型シリコーン 1.0質量部
水 77.0質量部
〔熱転写受像シート4〜16の作製〕
上記熱転写受像シート3の作製において、基材シートの種類、多孔質性の中間層の構成(無機微粒子の種類、バインダーの種類、空隙率)、受像層の構成(バインダーとその溶剤、離型剤、界面活性剤、硬膜剤の種類)、熱伝導率を、表1に記載の様に変更した以外は同様にして、熱転写受像シート4〜16を作製した。なお、多孔質性の中間層の空隙率の調整は、無機微粒子とバインダーの比率を適宜調整して行った。また、界面活性剤は、1.0質量部、硬膜剤は1.0質量部、またメタルソース(MS)は3.0質量部添加した。
特開平11−301124号公報の実施例1に記載の熱転写受容シートを、熱転写受像シート16とした。
特開2000−238440号公報の実施例に記載の実施例1の熱転写受像体を熱転写受像シート17とした。
特開2003−72229号公報の実施例1に記載の下引層を設けた厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETと略記する)を使用した。
無機微粒子1:気相法シリカ(一次粒子径12nm)
無機微粒子2:気相法シリカ(一次粒子径 7nm)
無機微粒子3:気相法シリカ(一次粒子径20nm)
無機微粒子4:合成非晶質シリカ(一次粒子径20nm)
無機微粒子5:気相法アルミナ(一次粒子径20nm)
無機微粒子6:チタニア(一次粒子径20nm)
(バインダーとその溶剤)
B1:塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(溶剤:メチルエチルケトン/トルエン=1/1(質量比))
B2:ポリビニルアルコール(溶剤:水)
B3:エマルジョン樹脂(*1)
*1:エマルジョン樹脂の調製
5%ポリビニルアルコール(PVA)水溶液(重合度1700、けん化度88.5モル%)400gをpH3.5に調整し、攪拌しながらメタクリル酸メチル50gとアクリル酸ブチル50gを加えて60℃に昇温し、5%過硫酸アンモニウム水溶液10gを添加して重合を開始した。15分後、メタクリル酸メチル100gとアクリル酸ブチル100gを3時間かけて徐々に添加し、5時間後、重合率が99.9%となったところで冷却した。これをpH7.0に中和し、エマルジョン樹脂(B3)を合成した。
B5:ポリエチレンテレフタレート(溶剤:フェノール/ジクロロメタン=1/1(質量比))
B6:ポリカーボネート(溶剤:ジクロロメタン)
B7:カチオン変性ポリビニルアルコール(溶剤:水)
(離型剤)
離型剤1:エポキシ変成シリコーン
離型剤2:ジメチルシリコーン
離型時3:エマルジョン型シリコーン(信越化学工業社製、KM786)
(界面活性剤)
S1:日本エマルジョン社製、EMALEX SS−5602(シリコーン系界面活性剤)
S2:住友スリーエム社製、FC−4430(フッ素系界面活性剤)
(硬膜剤)
1:ホウ酸/ホウ砂=1/1(質量比)
2:自己架橋型イソシアネート
(MS:メタルソース)
抵抗体形状がスクエア(主走査方向長80μm×副走査方向長120μm)、300dpi(dpiとは、2.54cm当りのドット数を表す)ラインヘッドのサーマルヘッドを搭載した熱転写記録装置に、上記作製した各熱転写受像シートの受像層部と、下記の熱転写インクシートのインク層を重ね合わせてセットし、サーマルヘッドとプラテンロールで圧接しながら、順次印加エネルギーを増加させ、イエロー、マゼンタ、シアン、ニュートラル(イエロー、マゼンタ、シアンの3色重ね)の各ステップパターンパッチを、送り速度2.5msec/line、1ライン当たりの送り長さを85μmで、インク層の背面側から加熱して、熱転写受像シートの受像層上に各色素を転写させて、画像1〜18を形成した。
熱転写シートB:コニカミノルタフォトイメージング社製 Pe602用の熱転写インクシートで、熱転写受像シート9〜16との組み合わせで用いた
《形成画像の評価》
上記の様にして印画した画像について、下記の方法に従って各評価を行った。
上記作製した各熱転写受像シートを20cm×20cmの正方形に切り出し、23℃、50%RHの環境下で、平板上に受容層が上部となるようにして静置し、5時間放置した後に、4隅の平板からの高さの最大値を計測し、これをカール特性の尺度とした。
上記印画時に、熱転写受像シートと熱転写インクシートとがスティッキングの発生の程度を目視観察し、下記の基準に従ってスティッキング耐性の評価を行った。
○:熱転写受像シートと熱転写インクシートと間で、ほぼスティッキングの発生が認められない
△:熱転写インクシート移動時に、熱転写受像シート表面でややスティッキングの発生は認められるが、熱転写インクシートに皺が発生するには至っていない
×:熱転写インクシート移動時に、熱転写受像シート表面で明らかなスティッキングの発生は認められ、熱転写インクシートに強い皺が発生する
(感度の評価)
上記の画像形成方法において、各熱転写転写シートを用いて、印加エネルギーを変化させながら画像形成を行い、反射濃度1.0を得るに要する印加エネルギーE(mJ/mm2)を測定し、下記の基準に従って感度の評価を行った。
○:4.8mJ/mm2<E≦5.2mJ/mm2
△:5.2mJ/mm2<E≦5.6mJ/mm2
×:E>5.6mJ/mm2
(白抜け故障耐性の評価)
上記印画した各ステップパターンパッチ画像における白抜け部(ベタ画像中の白点故障)の発生の有無を目視観察し、下記の基準に従って白抜け故障耐性を評価した。
○:画像中に、ほぼ白抜け故障の発生が認められない
△:画像中に、微小サイズの白抜け故障が散発しているが、実用上許容の範囲にある
×:画像中に、強い白抜け故障が発生しており、実用上問題となる品質である
以上により得られた各結果を、表2に示す。
実施例1に記載の熱転写受像シート9の作製において、多孔質性の中間層上に塗設した第二の中間層の塗布液粘度を、20、25、30、35、45、55mPa・sに変更した以外は同様にして、各熱転写受像シートを作製し、実施例1に記載の方法に従って、印画及び評価を行った結果、第二の中間層の塗布液粘度を30mPa・s以上とすることにより、第二の中間層の塗布液粘度が20、25mPa・sである試料に比較して、白抜け故障耐性がより向上することを確認することができた。
実施例1に記載の熱転写受像シート9の作製において、第二の中間層塗設時の多孔質性の中間層の塗膜中の固形分率を、乾燥条件を適宜変更して、40、60、80、85、90質量%と変化した以外は同様にして、各熱転写受像シートを作製し、実施例1に記載の方法に従って、印画及び評価を行った結果、第二の中間層塗設時の多孔質性の中間層の塗膜中の固形分率を80質量%以下とすることにより、より優れたカール特性、感度及びスティッキング耐性を達成できることを確認することができた。
2 樹脂コート紙
3 紙基材
4 プラスチック樹脂
5 下引層
6 多孔質性の中間層
7 無機微粒子
8 第二の中間層
9 受像層
Claims (19)
- 基材上に、多孔質性の中間層及び受像層を有する熱転写受像シートにおいて、
該多孔質性の中間層が、空隙率が30%以上であって、少なくとも1種の無機微粒子とバインダーとを含有し、該無機微粒子の一次粒子の平均粒子径が3〜100nmであり、かつ塗布方式で形成され、
前記多孔質性の中間層と前記受像層の間に、第二の中間層をさらに有することを特徴とする熱転写受像シート。 - 前記無機微粒子と前記バインダーの質量比が、2:1〜20:1である、請求項1に記載の熱転写受像シート。
- 前記多孔質性の中間層に含有される無機微粒子が、シリカ、アルミナ及びチタニアから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱転写受像シート。
- 前記多孔質性の中間層のバインダーが、水酸基を含む高分子分散剤で乳化重合されたエマルジョン樹脂、または親水性バインダーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱転写受像シート。
- 前記第二の中間層が、微粒子を含有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
- 前記多孔質性の中間層上に塗設する第二の中間層の塗布液粘度が、30mPa・s以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
- 前記多孔質性の中間層上に第二の中間層を塗設する時点で、該多孔質性の中間層塗膜の固形分率が80質量%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
- 前記受像層が、キレート形成可能な色素と反応してキレート化合物を形成し得る金属イオン含有化合物を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
- 前記金属イオン含有化合物が無機塩であることを特徴とする請求項8に記載の熱転写受像シート。
- 前記基材が、厚み50〜250μmの樹脂コート紙であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
- 前記受像層を構成する樹脂が、ポリカーボネート樹脂、セルロース系樹脂及びエステル系樹脂から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
- 前記受像層の形成に用いる塗布液のpHが、8.0以下であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
- 前記多孔質性の中間層または前記受像層が、硬膜剤を含有することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
- 前記受像層が、離型剤を含有することを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
- 前記離型剤が、シリコーン系のエマルジョン型または水溶性型の離型剤であることを特徴とする請求項14に記載の熱転写受像シート。
- 前記受像層が、シリコーン系界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
- 前記受像層が、フッ素系界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
- 熱伝導率が、0.35W/mK以下であることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の熱転写受像シート。
- 前記熱伝導率が、0.27W/mK以下であることを特徴とする請求項18に記載の熱転写受像シート。
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