JP4492548B2 - 内燃機関のクランクシャフト支持構造 - Google Patents

内燃機関のクランクシャフト支持構造 Download PDF

Info

Publication number
JP4492548B2
JP4492548B2 JP2006016999A JP2006016999A JP4492548B2 JP 4492548 B2 JP4492548 B2 JP 4492548B2 JP 2006016999 A JP2006016999 A JP 2006016999A JP 2006016999 A JP2006016999 A JP 2006016999A JP 4492548 B2 JP4492548 B2 JP 4492548B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
support structure
internal combustion
bearing cap
crankshaft
combustion engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006016999A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007198232A (ja
Inventor
旭 飯田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2006016999A priority Critical patent/JP4492548B2/ja
Publication of JP2007198232A publication Critical patent/JP2007198232A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4492548B2 publication Critical patent/JP4492548B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)

Description

本発明は、内燃機関のクランクシャフト支持構造に関し、特にシリンダブロックのスカート部に関連する内燃機関のクランクシャフト支持構造に関する。
従来、内燃機関の振動騒音対策として種々の技術が提案され、また実施されている。図5は、シリンダブロック10Xの右側及び左側スカート部11X及び12X周辺の基本構造(以下、単に支持構造1Xと称す)を、内燃機関のシリンダブロック10Xと、ベアリングキャップ20aXから20eXまで(以下、これらを総称する場合には、単にベアリングキャップ20Xと称す。他の構成についても総称する場合には同様とする)と、右側及び左側エンジンマウント2、3とで示す図であり、図5(a)ではこれを側面視で、図5(b)ではこれを底面視で、図5(c)ではこれを図5(a)に示すA−A断面視で夫々模式的に示している。シリンダブロック10Xは8つの気筒からなるV字型の気筒配列構造を有している。シリンダブロック10Xは一対の右側及び左側スカート部11X、12Xを備えており、これらスカート部11X、12Xの間の空間にはクランクシャフト(図示省略)をオイルパン(図示省略)と共に収納するためのクランク室2Xが形成される。
シリンダブロック10Xは、長手方向(図5に示す矢印L方向)に配列する気筒毎にクランク室4を区画する隔壁部17aXから17eXまでを備えている。これら隔壁部17Xには、夫々対応する軸受部と、ベアリングキャップ固定用のボルト穴(図示省略)とが形成される。なお、このボルト穴が形成される部分の周囲は、必要強度を確保するためにボス状に形成されることもある。ベアリングキャップ20Xはキャップボルト(図示省略)による締結で、夫々対応する隔壁部17Xに固定される。この状態で、ベアリングキャップ20Xと隔壁部17Xとはクランクシャフトを挟むようにして軸支する。なお、1対の右側及び左側スカート部11X、12Xを長手方向と幅方向(図5に示す矢印W方向)とに略平行な平面で2分割して、シリンダブロック10Xから分離した部分の代わりにラダー状の構造を有するとともにベアリングキャップ20Xが一体成形されたようなベッドプレートを採用するような構造も一般的に知られている。内燃機関の振動騒音対策として、特に上述した右側及び左側スカート部11X及び12Xのようなスカート部の周辺構造に関し、例えば以下に示す技術が提案されている。
特許文献1では、ベアリングキャップ同士を連結するベアリングビームを有して構成されるクランクシャフト支持構造が提案されている。この提案構造において、ベアリングビームはさらにスカート連結部を備えている。スカート連結部はベアリングキャップ間の略中間位置でスカート部に締結され、これによりベアリングビームはベアリングキャップ同士だけでなくさらにスカート部も連結する。特許文献1の提案構造によれば、ラダーフレームを持たないエンジンのシリンダブロックの変形が、クランク軸方向だけでなくクランク軸直交方向においても抑制される。特許文献2では、ラダーフレームを有して構成されるシリンダブロックの振動防止構造が提案されている。この提案構造では、まず隔壁に対してベアリングキャップとスカート部との間に位置する縦溝を設けることで、クランクシャフトの振動がシリンダブロックに伝達されないようにしている。次に、この提案構造では、縦溝に起因してベアリングキャップの剛性が低下することを抑制すべく、ラダーフレームにより隔壁同士を縦溝の外側で連結するとともに、ラダーフレームとベアリングキャップとの間に介在するインテグラルビームによりこれらを結合する。特許文献2の提案構造によれば、クランクシャフトの振動がシリンダブロックに伝達されることを抑制可能である。
特許文献3では、概略、隔壁に設けられたボルト穴用ボスの基端部ともいうべき部分の角隅部に三角形状のリブを備え、隔壁に働くクランク軸方向の振動をこのリブを介してシリンダボディ(シリンダブロックに相当)全体で受けることで、隔壁及びシリンダボディ全体の剛性を向上させるエンジンのシリンダボティが提案されている。特許文献4では、シリンダブロックのスカート部を補強可能なはしご形の形状からなるベッドプレートに関し、バルクヘッド(ベアリングキャップに相当)に設けられたメインキャップボルト穴のボス部からサイドレール(スカート部の下辺部に相当)へ向けて斜辺の立ち上がる略直角三角形状の鋳抜き穴が形成されたベッドプレートが提案されている。特許文献5でも、提案されているエンジンの補強部材の構成として、側壁部(スカート部に相当)とベアリングキャップ部とを下方部において連結し、その連結箇所の上方部が区画室同士を連通する連通孔となるロアブロック(ベッドプレートに相当)が開示されている。
なお、内燃機関の振動騒音を低減するという趣旨とは異なるものの、特許文献6では、スカート部が形成するクランク室に関連した技術として、以下に示す内燃機関の吸気慣性増大装置が提案されている。この吸気慣性増大装置は、隔壁でクランクケース内部(クランク室に相当)をシリンダ相互に仕切って形成した区画室と、吸気系の吸気通路とを連通する圧力波取出管を有して構成されている。この圧力波取出管は、ピストンの運動により区画室に生じる圧力波を吸気通路に導く役割を果たす。さらに、この吸気慣性増大装置では、潤滑油の液面よりも上方に位置する呼吸穴が隔壁部に設けられている。
特開平11−218118号公報 実開平1−11964号公報 特許第2606040号公報 特許第3633719号公報 実開平3−87954号公報 特開昭63−111221号公報
近年では、車両の品質性能の1つである静粛性の向上を、例えば重量やコストの制約などの他の要件と両立させて、より高い次元で実現する技術が求められている。係る課題に対し、スカート部の周辺構造に関していえば、特に図5に示す基本構造に対して大掛かりな連結補強部材を追加する構造やシリンダブロックとは別体となるベッドプレートを備える構造(例えば特許文献1、2、4及び5の提案構造)は、大幅な重量増を招き易い。また係る構造では、単純に部品点数が増加するためにコストも高くなり易い。一方、リブを追加する特許文献3の提案構造によれば、重量及びコストの増大を比較的低く抑制しつつ、シリンダボディの剛性を向上させることが可能である。しかしながら、車両において内燃機関をスカート部でマウント支持する場合、特許文献3の提案構造であっても、最終的にはスカート部が必ず内燃機関で発生した振動を受けることになる。すなわち、特許文献3の提案構造であっても、必ずしもスカート部に振動や変形が伝達しないとは言い難く、スカート部を直接的に補強しない特許文献3の提案構造は、係る構造のみではスカート部の弾性変形に起因して発生する振動騒音を許容してしまう虞がある。
そこで本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、シリンダブロックのスカート部の変形を抑制することで内燃機関の振動騒音を低減するとともに、係る振動騒音対策に伴う重量やコストの増大も抑制可能な、さらには内燃機関の出力低下も抑制可能な内燃機関のクランクシャフト支持構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、クランク室を形成するスカート部と、前記クランク室を区画する複数の隔壁部とを備えるシリンダブロックと、前記隔壁部夫々に固定された状態で、該隔壁部夫々とともにクランクシャフトを軸支する複数のベアリングキャップとを有して構成される内燃機関のクランクシャフト支持構造であって、前記ベアリングキャップが、前記スカート部の下側端部であって、フランジ状に形成された部分のうち、前記クランクシャフト側にある面と当接する当接部を有することを特徴とする。本発明によれば、図5に示した基本構造に含まれるベアリングキャップを利用する形で、ベアリングキャップ夫々と一対のスカート部とでラダー状の構造を形成できるので、クランク軸方向及びクランク軸直交方向の変形に対してもスカート部の剛性を高めることが可能である。さらに、本発明では、このラダー状の構造がスカート部の下側端部であって、フランジ状に形成された部分のうち、前記クランクシャフト側にある面を含んで形成されるので、スカート部端面の弾性変形に起因して振動が発生することを抑制可能である。これにより、内燃機関の振動騒音を低減可能である。また、本発明によれば、上述のようにしてラダー状の構造を形成できるほか、当接部もベアリングキャップと一体で製作できるので、例えば前述の大掛かりなラダーフレーム等を備える構造と比較して、大幅な重量及びコストの増大を抑制可能である。なお、スカート部の下側端部であって、フランジ状に形成された部分のうち、前記クランクシャフト側にある面とは、スカート部の端面を含んでいる。また、本発明は、加工誤差等の製品誤差に起因して当接部がこの面に当接しないような場合も含むものである。
また、本発明は、前記当接部が、さらに前記ベアリングキャップのうち、前記隔壁部と当接する面とは反対側の面から前記スカート部の端面に向かうようにして、該端面に連なるスムースな形状を備えてもよい。例えば、上述の発明では、スカート部の端部を含んでラダー状の構造が形成されてさえいれば、当接部がスカート部の端部よりも張り出していてもよく、このような場合でもスカート部の変形を抑制可能である。しかしながら、係る場合には、当然にして当接部が荷重を受けるにあたって不要な重量を抱えることになる。すなわち、本発明に示す当接部は、係る点に留意した結果として、より重量を低減することが可能な具体的手段として上述の形状を備えるものである。同時に、この形状はスムースに形成されているため、本発明によれば、ピストン往復動に起因する荷重を受けるにあたって当接部に応力集中を発生させることなく、且つスカート部全体に荷重を分散させつつスムースに伝達することができ、さらに伝達された荷重をラダー状の構造全体で吸収することが可能である。これにより、内燃機関の振動騒音を低減できる。なお、上述のスムースな形状は、より具体的には例えば高さ方向及び幅方向に平行な断面視で略直線の稜線となる形状であることが、不要な重量を抱えることなく、且つ応力集中を発生させることなくスカート部に荷重を伝達する上で好ましい。
また、本発明は、前記ベアリングキャップと前記スカート部とが、さらに連結されていてもよい。上述の発明で形成されるラダー状の構造は、より具体的には、ベアリングキャップとスカート部とが連結されることでクランク軸方向及びクランク軸直交方向の変形に対してもより好適に機能するものである。本発明によれば、より好適に内燃機関の振動騒音を低減可能である。なお、ベアリングキャップとスカート部とは例えば当接部で連結されていてもよく、また、例えばベアリングキャップにさらにスカート部に当接する固定部を備えて、この固定部で連結されていてもよい。
また、本発明は、前記隔壁部または前記ベアリングキャップが、区画された前記クランク室の領域同士を連通する呼吸孔を備え、且つ該呼吸孔が、少なくともクランク軸線と前記シリンダブロックに形成されたシリンダの中心軸線とを含む平面を含まない位置に形成されていてもよい。上述してきた発明において、当接部や場合によっては固定部がその大きさの分だけ重量増大を招くことに鑑み、本発明は更なる重量の低減を図ろうとするものである。同時に、本発明は、当接部や固定部が上述の領域(以下、単に区画室と称す)間の気体の流通を阻害することに鑑み、重量の低減を呼吸孔の形成で実現するものである。これらを考慮した上で本発明では、さらに形成した呼吸孔がピストン往復動に起因する作用力を直接的に受けることを回避すべく、呼吸孔を上述の平面に含まれないように形成している。これにより、重量の低減及び気体の流通性確保を図るべく呼吸孔を形成した結果、隔壁部やベアリングキャップの強度が低下しても、これらの変形を抑制可能である。本発明によれば、前述の発明において、変形を抑制しつつ重量低減を図るとともに、さらに区画室間の気体の流通をも確保でき、その結果、係る気体の流通の阻害に起因する内燃機関の出力低下も抑制可能である。
また、本発明は、前記シリンダブロックが直列以外の気筒配列構造を有する場合に、前記呼吸孔が、前記平面同士からの距離が略同一となる平面を含む位置に形成されていてもよい。例えばV字型気筒配列構造などの場合には、隔壁部やベアリングキャップに2方向からピストン往復動に起因する作用力が加わることになる。係る場合には本発明のように呼吸孔を形成することで、強度低下による変形をより好適に抑制可能である。
本発明によれば、シリンダブロックのスカート部の変形を抑制することで内燃機関の振動騒音を低減するとともに、係る振動騒音対策に伴う重量やコストの増大も抑制可能な、さらには内燃機関の出力低下も抑制可能な内燃機関のクランクシャフト支持構造を提供できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。
図1は、本実施例に係る内燃機関のクランクシャフト支持構造(以下、単に支持構造と称す)1を、シリンダブロック10と、ベアリングキャップ20aから20eまでと、右側及び左側マウントブラケット2、3とで示す図であり、図1(a)ではこれを側面視で、図1(b)ではこれを底面視で、図1(c)ではこれを図1(b)に示すA−A断面視で夫々模式的に示している。シリンダブロック10は、ベアリングキャップ20夫々に対応する右側ボス13aから13eまで、及び左側ボス14aから14eまでが形成され、さらに右側ボス13には、夫々に対応する右側挿通孔15aから15eまでが、左側ボス14には、夫々に対応する左側挿通孔16aから16eまでが形成されている以外は、また、隔壁部17X及びベアリングキャップ20Xに跨るように、夫々対応する呼吸孔18aから18eまでが形成された隔壁部17aから17eを、隔壁部17Xの代わりに備える以外は、図5に示すシリンダブロック10Xと同一のものとなっている。但し、シリンダブロック10のうち、ベアリングキャップ20c及び20dの固定位置に対応する部分には、右側及び左側マウントブラケット2、3が固定されるため、正確にはこのシリンダブロック10には右側ボス13c、13d及び左側ボス14c、14dの代わりにボスではなく、所謂座ぐり穴が形成されている。これらボス13、14及び挿通孔15、16は、ベアリングキャップ20夫々と、右側及び左側スカート部2、3とを締結により連結するための構成であるタイボルト5で利用される。なお、本実施例では煩雑な記載を避けるべく、使用されるすべてのタイボルトを機能的に同一視してこれらに同一の符番5を付しているが、使用される箇所によって実際には首下長さなどが異なってもよい。また、本実施例では、説明の便宜上右側或いは左側といった表現をするが、これらは図面上の配置を示すものであり例えば実際に内燃機関が車載された状態での配置を示すものではない。
また、ベアリングキャップ20は、上述のように夫々対応する呼吸孔18が部分的に形成されているほか、夫々に対応する右側当接部21aから21eまで及び左側当接部22aから22eまでを備え、さらにこれら右側当接部21に、夫々対応する右側ボルト穴23aから23eまでが形成され、同様にこれら左側当接部22に、夫々対応する左側ボルト穴24aから24eまでが形成されている以外、図5に示すベアリングキャップ20Xと同一のものとなっている。また、本実施例に示す支持構造1は、シリンダブロック10Xの代わりにシリンダブロック10を、ベアリングキャップ20Xの代わりにベアリングキャップ20を備え、さらにベアリングキャップ20を右側及び左側スカート部11、12に連結するためにタイボルト5を備えている以外、図5に示す支持構造1Xと同一の構成となっている。なお、次に、支持構造1に関し、代表例としてベアリングキャップ20bについて詳述するが、他のベアリングキャップ20a及び20cから20eまでについても、ベアリングキャップ20bと同様である。
右側及び左側当接部21b、22bは、隔壁部17bに組み付けられた状態でベアリングキャップ20bの右側及び左側スカート部11、12に対向する面に形成されている。ベアリングキャップ20bは、これら当接部21b及び22bを含めて略同一の厚み(図1に示すL方向の幅)に形成されている。このように、右側及び左側当接部21b、22bとベアリングキャップ20bとを一体で製作することが可能であり、これにより別部品として各々を製作する場合と比較してコストの低減を図ることが可能である。但し、例えば既存のベアリングキャップに対しては、本実施例に示す右側及び左側当接部21b、22bのような当接部を別部品として製作して使用することも可能である。また、この場合には、必ずしも当接部がベアリングキャップに固定されなくてもよく、代わりにスカート部に固定されてもよい。なお、本実施例では、右側当接部21bと左側当接部22bとはクランク軸線を含み高さ方向(図1に示す矢印H方向)に略平行な平面で対称な形状となっている。そのため、説明の重複を避けるべく次の段落においては右側当接部21bについて詳述するが、左側当接部22bについても同様である。
右側当接部21bは、高さ方向には右側挿通孔15bのよりも延伸するように形成されている。右側当接部21bには、右側挿通孔15bに対応する右側ボルト穴23bが形成されている。図1に示すタイボルト5締結位置は、この右側挿通孔21b及び右側ボルト穴23bの理想的な中心軸線の位置を示している。また、右側当接部21bは、ベアリングキャップ20bのうち、隔壁部17bと当接する面とは反対側の面L1から右側スカート部11の端面L3に連なる面L2を備えている。端部(以下、ボトムレールと称す)BRはフランジ状に形成された部分を示しており、ボトムレールBRは端面L3を含んでいる。面L2は、図1(c)に示す断面で略直線となる平面である。上述のように形成された右側当接部21bは右側スカート部11に当接し、この状態でタイボルト5を右側挿通孔15bに挿通するとともに右側ボルト穴23bに締め付けることで、ベアリングキャップ20bと右側スカート部11とが連結される。上述してきたようにして、支持構造1では、右側及び左側スカート部11、12と、ベアリングキャップ20とでボトムレールBRを含む図1(b)に示すようなラダー状の構造が形成される。本実施例では、シリンダブロック10と、ベアリングキャップ20と、これらの連結に使用されるタイボルト5及びキャップボルトで支持構造1を実現している。
上述の構成で、次にピストンの往復動に起因してクランクシャフトに働く作用力について詳述する。図2は、図1(c)と同様に、図1(b)に示すA−A断面視で支持構造1を模式的に示す図であり、図2では、さらにクランクシャフトに働くピストンの作用力の方向を示している。なお、図2では、説明にあたって不要な符号は省略している。ピストンの往復動は、コネクティングロッド(図示省略)を介して接続されているクランクシャフトで回転運動に変換される。この際、シリンダの中心軸線が延伸する方向にピストンの作用力が働く場合があり、この場合にはクランクシャフトがピストンから直接的に大きな作用力を受ける。なお、図2に示す作用力の作用方向は、シリンダの中心軸線が延伸する方向と略一致する方向である。一方、シリンダブロック10は、右側及び左側マウントブラケット2、3を介して車両に搭載される。したがって、上述のようにしてクランクシャフトが受けた作用力は、右側及び左側スカート部11、12を介してシリンダブロック10を支持する右側及び左側マウントブラケット2、3に伝達される。これにより、ボトムレールBRが弾性変形した場合、例えば図6に示すような振動モードでボトムレールBRが振動する。なお、図6は、上面視でボトムレールBRと、右側及び左側マウントブラケット2、3とを示した場合の、ボトムレールBRの振動モードを模式的に示す図である。
これに対し、支持構造1は、ベアリングキャップ20と右側及び左側スカート部11、12とで形成されるラダー状の構造を有している。さらに、このラダー状の構造はボトムレールBRを含んで構成されている。そのため、支持構造1では、ボトムレールBRがシリンダ軸方向及びシリンダ軸直交方向に変形されることが抑制され、その結果、ボトムレールBRに振動が発生することが抑制される。また、支持構造1では、面L2がスムースに形成されているため、作用力に基づく荷重を受けるにあたって右側及び左側当接部21、22に応力集中を発生させることなく、且つ右側及び左側スカート部11、12全体に荷重を分散させつつスムースに伝達することができ、さらに伝達された荷重をラダー状の構造全体で吸収することが可能である。これにより、内燃機関の振動騒音を低減可能である。また、支持構造1では、上述してきたようにしてラダー状の構造を形成しているため、大掛かりなラダーフレーム等を備える構造と比較して、大幅な重量及びコストの増大を制可能である。
また、右側及び左側当接部21、22がその大きさの分だけ重量増大を招くことに鑑み、支持構造1では以下に示すようにして更なる重量軽減を図っている。図2に示すように、隔壁部17bとベアリングキャップ20bとには呼吸孔18bが跨るように形成されており、この呼吸孔18bは、隔壁部17bとベアリングキャップ20bとで区画された区画室同士を連通する。これにより、呼吸孔18bが形成された大きさの分だけ、隔壁部17b及びベアリングキャップ20bの重量を軽減することが可能になる。また、呼吸孔18bは、クランク軸線と、シリンダ中心軸線とを含む平面を含まない位置に形成されている。ここで、支持構造1では、シリンダブロック10がV字型気筒配列構造を有しているため、クランク軸線とシリンダ中心軸線とを含む平面が2つ存在することになる。これら2平面はクランク軸線で互いに略直交しており、さらに、呼吸孔18bは、これら平面同士からの距離が略同一となる平面を含む位置に形成されている。これにより、形成した呼吸孔18bがピストンの作用力を直接的に受けることが好適に回避される。そのため、呼吸孔18bを形成しても、強度低下に起因して隔壁部17bが変形することを抑制可能である。なお、呼吸孔18bは適宜の大きさ及び形状で形成されていてよい。また、呼吸孔18bは隔壁17bまたはベアリングキャップ20bのみに形成されてもよい。また、呼吸孔18bは複数形成されていてもよく、複数形成される場合には、呼吸孔18bの代わりに夫々形状や大きさが異なる呼吸孔が複数形成されていてもよい。
また、支持構造1では、右側及び左側当接部21、22が前述のラダー状の構造を形成するにあたって重要な役割を果たす一方で、これら当接部21、22が区画室間の気体の流通を阻害することになる。気体の流通が阻害されると、場合によっては内燃機関でポンピングロスを発生させる要因となり、その結果、内燃機関の出力を低下させる可能性がある。これに対し、本実施例では重量の低減を呼吸孔18の形成により図っているため、重量の低減だけでなくさらに、区画室間の気体の流通を確保することが可能である。これによって、内燃機関の出力低下も抑制可能である。
図3は、右側マウントブラケット3における内燃機関の振動レベルと回転数との関係を、図4に示す支持構造1Yと、支持構造1とについて示す図である。なお、図4では、図1(a)に示すA−A断面と同一位置の断面視で支持構造1Yを示している。支持構造1Yは、ベアリングキャップ20の代わりに夫々対応するベアリングキャップ20aYから20eYまでを備え、またシリンダブロック10の代わりにシリンダブロック10Yを備える以外、支持構造1と同一の構造である。ベアリングキャップ20Y夫々は、右側当接部21及び左側当接部22を備えていない代わりに、夫々対応する右側固定部31aから31eまで、及び左側固定部32aから32eまでを備え、これら右側固定部31が、夫々対応するタイボルト5用の右側ボルト穴33aから33eまでを備え、また、これら左側固定部32が、夫々対応するタイボルト5用の左側ボルト穴34aから34eまでを備えている点で、夫々対応するベアリングキャップ20と異なっている。また、上記に関連してシリンダブロック10Yは、右側及び左側ボス13、14と、右側及び左側挿通孔15、16とを備える代わりに、右側及び左側固定部31、32に対応させた位置に夫々右側ボス35aから35eまで、及び左側ボス36aから36eまでを備え、これら右側ボス35が、夫々対応する右側挿通孔37aから37eまでを備え、また、これら左側ボス36が、夫々対応する側挿通孔38aから38eまでを備えている点で、シリンダブロック10と異なっている。支持構造1Yは、右側及び左側固定部31、32と、右側及び左側スカート部11Y、12Yとでラダー状の構造を形成している。
図3に示すように、振動レベルは回転数全域に亘って、支持構造1Yよりも支持構造1のほうが低下していることがわかる。すなわち、支持構造1YのようにボトムレールBRを含まないラダー状の構造を形成するよりも、支持構造1のようにボトムレールBRを含むラダー状の構造を形成したほうが高い制振効果を上げることができるといえる。同時に、支持構造1によれば、右側及び左側スカート部11、12に対してボトムレールBRの骨格を変更するような大幅な形状変更を行わなくとも、図3に示す通り、十分に有意差のある制振効果を得られることがわかる。係る点においても、本実施例に示す支持構造1は、大幅なコスト増大を抑制することが可能である。なお、支持構造1Yに対して、右側及び左側固定部31、32とは別に、さらに支持構造1で示す右側及び左側当接部21、22のような当接部を備えさせた支持構造も実現可能である。
なお、右側及び左側当接部21、22を、例えば次のように変形することも可能である。以下、右側及び左側当接部21、22に関し、いくつかの変形例を示す。例えば、右側及び左側当接部21、22は、右側及び左側スカート部11、12の端面L3よりも張り出さないように形成されていてもよく、この場合には、右側及び左側当接部21、22が少なくともフランジ状のボトムレールBRに当接していればボトムレールBRを含むラダー状の構造を形成することが可能である。また、厚みに関して言えば、右側及び左側当接部21、22の厚みは必ずしも夫々対応するベアリングキャップ20の厚みと略同一でなくてよく、例えば右側及び左側当接部21、22に対して厚みを薄くするようにしてリブ状の所謂肉抜きを施すことも可能である。この場合には、強度の低下を抑制しつつも更なる重量低減効果が期待できる。また、右側及び左側当接部21、22は、必ずしも本実施例のように対称的な形状に形成されていなくてもよく、さらに、右側当接部21夫々が、或いは左側当接部22夫々が、互いに異なる大きさや形状に形成されていてもよい。また、ベアリングキャップ20すべてが必ずしも右側または左側スカート部11、12に当接していなくてもよく、例えば支持構造1のような支持構造で、当接部を備えていないベアリングキャップを含むものでも所定の制振効果が期待できる。以上により、シリンダブロック10の右側及び左側スカート部11、12の変形を抑制することで内燃機関の振動騒音を低減するとともに、係る振動騒音対策に伴う重量やコストの増大も抑制可能な、さらには内燃機関の出力低下も抑制可能な支持構造1を実現可能である。
上述した実施例は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
本実施例に係るクランクシャフトの支持構造1を、シリンダブロック10と、ベアリングキャップ20と、右側及び左側マウントブラケット2、3とで示す図である。 図1(c)と同様に、図1(b)に示すA−A断面視で支持構造1を示すとともに、クランクシャフトに働くピストンの作用力の方向を模式的に示す図である。 右側マウントブラケット3における内燃機関の振動レベルと回転数との関係を、図4に示す支持構造1Yと、支持構造1とについて示す図である。 図1(b)に示すA−A断面と同一位置の断面視で支持構造1Yを示している。 支持構造1Xを、シリンダブロック10Xと、ベアリングキャップ20Xと、右側及び左側エンジンマウント2、3とで示す図である。 上面視でボトムレールBRと、右側及び左側マウントブラケット2、3とを示した場合の、ボトムレールBRの振動モードを模式的に示す図である。
符号の説明
1 内燃機関のクランクシャフト支持構造
2 右側マウントブラケット
3 左側マウントブラケット
5 タイボルト
10 シリンダブロック
11 右側スカート部
12 左側スカート部
17 隔壁部
20 ベアリングキャップ
21 右側当接部
22 左側当接部

Claims (5)

  1. クランク室を形成するスカート部と、前記クランク室を区画する複数の隔壁部とを備えるシリンダブロックと、前記隔壁部夫々に固定された状態で、該隔壁部夫々とともにクランクシャフトを軸支する複数のベアリングキャップとを有して構成される内燃機関のクランクシャフト支持構造であって、
    前記ベアリングキャップが、前記スカート部の下側端部であって、フランジ状に形成された部分のうち、前記クランクシャフト側にある面と当接する当接部を有することを特徴とする内燃機関のクランクシャフト支持構造。
  2. 前記当接部が、さらに前記ベアリングキャップのうち、前記隔壁部と当接する面とは反対側の面から前記スカート部の端面に向かうようにして、該端面に連なるスムースな形状を備えることを特徴とする請求項1記載の内燃機関のクランクシャフト支持構造。
  3. 前記ベアリングキャップと前記スカート部とが、さらに連結されていることを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関のクランクシャフト支持構造。
  4. 前記隔壁または前記ベアリングキャップが、区画された前記クランク室の領域同士を連通する呼吸孔を備え、且つ該呼吸孔が、少なくともクランク軸線と前記シリンダブロックに形成されたシリンダの中心軸線とを含む平面を含まない位置に形成されていることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の内燃機関のクランクシャフト支持構造。
  5. 前記シリンダブロックが直列以外の気筒配列構造を有する場合に、前記呼吸孔が、前記平面同士からの距離が略同一となる平面を含む位置に形成されていることを特徴とする請求項4記載の内燃機関のクランクシャフト支持構造。
JP2006016999A 2006-01-25 2006-01-25 内燃機関のクランクシャフト支持構造 Active JP4492548B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006016999A JP4492548B2 (ja) 2006-01-25 2006-01-25 内燃機関のクランクシャフト支持構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006016999A JP4492548B2 (ja) 2006-01-25 2006-01-25 内燃機関のクランクシャフト支持構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007198232A JP2007198232A (ja) 2007-08-09
JP4492548B2 true JP4492548B2 (ja) 2010-06-30

Family

ID=38453083

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006016999A Active JP4492548B2 (ja) 2006-01-25 2006-01-25 内燃機関のクランクシャフト支持構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4492548B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015117628A (ja) * 2013-12-18 2015-06-25 三菱自動車工業株式会社 エンジン
JP2015117629A (ja) * 2013-12-18 2015-06-25 三菱自動車工業株式会社 エンジン

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61127915A (ja) * 1984-11-28 1986-06-16 Honda Motor Co Ltd 多気筒内燃機関のクランク軸支持装置
JPH0278723A (ja) * 1988-09-13 1990-03-19 Mazda Motor Corp V型エンジンのブローバイガス還流装置
JP2002180900A (ja) * 2000-12-13 2002-06-26 Suzuki Motor Corp エンジンのシリンダ通気孔構造

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61127915A (ja) * 1984-11-28 1986-06-16 Honda Motor Co Ltd 多気筒内燃機関のクランク軸支持装置
JPH0278723A (ja) * 1988-09-13 1990-03-19 Mazda Motor Corp V型エンジンのブローバイガス還流装置
JP2002180900A (ja) * 2000-12-13 2002-06-26 Suzuki Motor Corp エンジンのシリンダ通気孔構造

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015117628A (ja) * 2013-12-18 2015-06-25 三菱自動車工業株式会社 エンジン
JP2015117629A (ja) * 2013-12-18 2015-06-25 三菱自動車工業株式会社 エンジン

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007198232A (ja) 2007-08-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7204223B2 (en) Structure of cylinder block for engine
EP2187018B1 (en) Cover secured to engine
JP6167246B2 (ja) シリンダブロック及びそれを備えたエンジン
JP4492548B2 (ja) 内燃機関のクランクシャフト支持構造
US7198018B2 (en) Cylinder block for engine
JP4258339B2 (ja) 内燃機関のシリンダブロック
JP2011112014A (ja) 内燃機関のシリンダブロック
JP6841972B2 (ja) 可変圧縮比内燃機関
JP2019152103A (ja) ラダーフレーム
JP6408026B2 (ja) エンジンブロックおよびこれを備える内燃機関
JPS6329167Y2 (ja)
US4452192A (en) Cylinder block of engine
JP4374615B2 (ja) V型エンジンのシリンダブロック構造
JP7331682B2 (ja) シリンダブロック
JP3157175B2 (ja) エンジンのブロック構造
KR940001940B1 (ko) 래더프레임구조
JP2006070795A (ja) 内燃機関
KR101154288B1 (ko) 엔진의 진동감소형 베드 플레이트
JP2009215916A (ja) V型内燃機関
JP2022126324A (ja) クランクケースの底面部構造
JP2020112118A (ja) 内燃機関のラダーフレーム
JP5953889B2 (ja) 内燃機関
JP2013002308A (ja) バランサ装置の組み付け構造
JPS6220688Y2 (ja)
JPH0227169Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081020

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091222

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100217

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100316

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100329

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130416

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140416

Year of fee payment: 4