JP4491897B2 - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、挿入実装及び表面実装対応の半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及びこれを用いて半導体素子を封止してなる半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ダイオード、トランジスタ、ICチップ等の半導体素子を機械的、化学的作用から保護するために、半導体封止用エポキシ樹脂組成物は開発、生産されてきた。このエポキシ樹脂組成物に要求される項目は、半導体素子の種類、半導体装置の構造、使用される環境によって変化しつつある。
従来、これらの半導体装置には、耐熱性、耐湿性に優れたオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック樹脂、溶融シリカ、結晶シリカ等の無機充填材を配合したエポキシ樹脂組成物が用いられてきた。ところが近年、半導体素子の高集積化に伴い、半導体素子がだんだん大型化し、且つ半導体装置は、従来の挿入型のDIPタイプから、表面実装化された小型、薄型のQFP、SOP、SOJ、TSOP、TQFP、PLCCに変わってきている。大型の半導体素子を小型で薄い半導体装置に封入することになり、熱応力や、吸湿されていた水分の気化等によりクラックが発生し、これらのクラックによる耐湿性の低下等の問題が大きくクローズアップされてきている。特に半田付け工程において急激に200℃以上の高温にさらされることにより、半導体装置の割れやエポキシ樹脂組成物の硬化物とリードフレーム、半導体素子と界面の剥離により耐湿性が劣化してしまうという問題がでてきている。
【0003】
この耐半田クラック性を改良する方法として、最も効果的と考えられている手法は、無機充填材の高充填化と樹脂成分の低吸水化及び低粘度化である。耐半田クラック性の向上のために、単に無機充填材の量を増やすだけでは、エポキシ樹脂組成物の流動性の低下を招き、充填不良を起こしてしまうため、樹脂成分の低粘度化は必要不可欠である。更に、低吸水性の樹脂成分は、半田付け工程における高温下にさらされても、水蒸気爆発を起こし難いため、耐半田クラック性に優れる。しかし、エポキシ樹脂組成物の低粘度化のために樹脂成分の分子量を小さくすると、分子が動きやすくなり、反応の初期段階では、架橋反応が速やかに進み、従って混練時に架橋反応が一部進んで所定の流動性が低下し、又、同じ理由で常温でも反応が起こりやすく、エポキシ樹脂組成物の常温保存性が低下するという欠点がある。更に分子量の低い樹脂成分は、初期の反応性は高いが、反応の最終段階においては逆に架橋密度が十分に上がらず、十分に硬化しないという問題点がある。
【0004】
又、電子・電気材料、特にIC封止材料は近年、生産効率の向上を目的とした速硬化性と、物流・保管時の取り扱い性向上のための保存性の向上とが求められるようになってきている。従来、電子・電気分野向けエポキシ樹脂には、硬化促進剤としてホスフィン類、アミン類、イミダゾール系化合物、ジアザビシクロウンデセン等の含窒素複素環式化合物、第四級アンモニウム、ホスホニウム或いはアルソニウム化合物等の種々の化合物が使用されている。
これらの一般に使用される硬化促進剤は、常温等の比較的低温においても硬化促進作用を示す場合が多い。このことは、エポキシ樹脂組成物の製造時及び得られたエポキシ樹脂組成物の保存時の粘度上昇や、流動性の低下、硬化性のバラツキ等、製品としての品質を低下させる原因となっている。この問題を解決すべく、最近では低温での粘度、流動性の経時変化を抑え、賦形、成形時の加熱によってのみ硬化反応を起こすような、いわゆる潜伏性硬化促進剤の研究が盛んになされている。その手段として、硬化促進剤の活性点をイオン対により保護することで、潜伏性を発現する研究がなされており、特開平8−41290号公報では、種々の有機酸とホスホニウムイオンとの塩構造を有する潜伏性硬化促進剤が開示されている。しかし、このホスホニウム塩は特定の高次の分子構造を有さず、イオン対が比較的容易に外部環境の影響を受けるため、最近の低分子エポキシ樹脂やフェノールアラルキル樹脂を用いる半導体封止材料においては、保存性が低下する問題が生じている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、低吸水性かつ低粘度性のエポキシ樹脂を使用し、無機充填材を高充填しながらも、常温保存性、流動性、成形時の硬化特性、特に耐半田クラック性に優れた挿入実装、表面実装対応の半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及びこれを用いて半導体素子を封止してなる半導体装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)式(1)で示されるエポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、(C)テトラ置換ホスホニウム(X)と1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(Y)及び1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(Y)の共役塩基との分子会合体であって、該共役塩基が前記フェノール性水酸基を1分子内に2個以上有する化合物(Y)から1個の水素を除いたフェノキシド型化合物からなる硬化促進剤、及び(D)無機充填材を必須成分とし、無機充填材が全エポキシ樹脂組成物中に60〜92重量%であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物、及びこれを用いて半導体素子を封止してなることを特徴とする半導体装置である。
【化2】
Figure 0004491897
(式中、Rは水素原子、鎖状もしくは環状アルキル基、フェニル基、及びハロゲンの中から選択される基又は原子であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。aは1〜4の整数、bは1〜3の整数である。nは平均値であり、1以上の正数。)
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる式(1)で示されるエポキシ樹脂は、ジシクロペンタジエンとフェノール類を付加反応により重合させたフェノール樹脂を、グリシジルエーテル化することによって得られるエポキシ樹脂であり、従来のオルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂に比較すると、ガラス転移温度を越えた高温時の弾性率が低く、リードフレーム等の金属類や、半導体素子との密着性に優れる。従って、表面実装の半田付け時における熱ストレスを低減させることができ、耐半田クラック性に優れるエポキシ樹脂組成物を得ることができる。
又、全エポキシ樹脂組成物中の無機充填材量を60〜92重量%とするためには、式(1)で示されるエポキシ樹脂としては、軟化点の低いものを使用することが好ましく、特に軟化点が40〜100℃であるものが好ましい。40℃未満だと、取り扱い性に劣るので好ましくない。100℃を越えると、混練時に溶融しない可能性があるので好ましくない。
更に、式(1)中のRは、水素原子が特に好ましい。
又、本発明の式(1)で示されるエポキシ樹脂の特性を損なわない範囲で、他のエポキシ樹脂と併用しても何ら問題はない。併用できるエポキシ樹脂としては、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらは単独でも混合して用いてもよい。
耐半田クラック性の効果を引き出すためには、本発明の式(1)で示されるエポキシ樹脂の配合量としては、全エポキシ樹脂中に30重量%以上が好ましく、特に50重量%以上が好ましい。30重量%未満だと、高温時の低弾性化及び高密着性が得られず、耐半田クラック性が不十分である。
【0008】
本発明に用いられるフェノール樹脂硬化剤は、上記のエポキシ樹脂と硬化反応を行い架橋構造を形成することができる、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有するモノマー、オリゴマー、及びポリマー全般を言う。例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、トリフェノールメタン型樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂等が挙げられ、これらは単独でも混合して用いてもよい。これらのフェノール樹脂は、分子量、軟化点、水酸基当量等に制限なく使用することができる。
又、全エポキシ樹脂組成物中の無機充填材量を60〜92重量%とするためには、軟化点の低いフェノール樹脂硬化剤を使用することが好ましく、特に軟化点が55〜130℃であるものが好ましい。55℃未満だと、取り扱い性に劣るので好ましくない。130℃を越えると、混練時に溶融しない可能性があるので好ましくない。
本発明の全エポキシ樹脂と、硬化剤として作用する全フェノール樹脂硬化剤との比率としては、エポキシ基1に対し、フェノール性水酸基1〜1.5が好ましい。
【0009】
本発明に用いられる硬化促進剤(C)である分子会合体は、テトラ置換ホスホニウム(X)と1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(Y)及び1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(Y)の共役塩基との分子会合体であって、該共役塩基は、前記フェノール性水酸基を1分子内に2個以上有する化合物(Y)から1個の水素を除いたフェノキシド型化合物である。本発明の分子会合体の構成成分の一つであるテトラ置換ホスホニウム(X)の置換基については、何ら限定されず、置換基は互いに同一であっても異なっていてもよい。例えば、置換又は無置換のアリール基やアルキル基を置換基に有するテトラ置換ホスホニウムイオンが、熱や加水分解に対して安定であり好ましい。具体的には、テトラフェニルホスホニウム、テトラトリルホスホニウム、テトラエチルフェニルホスホニウム、テトラメトキシフェニルホスホニウム、テトラナフチルホスホニウム、テトラベンジルホスホニウム、エチルトリフェニルホスホニウム、n−ブチルトリフェニルホスホニウム、2−ヒドロキシエチルトリフェニルホスホニウム、トリメチルフェニルホスホニウム、メチルジエチルフェニルホスホニウム、メチルジアリルフェニルホスホニウム、テトラ−n−ブチルホスホニウム等を例示できる。
【0010】
本発明の分子会合体の構成成分である、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(Y)としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン(通称テトラメチルビスフェノールF)、4,4’−スルホニルジフェノール、4,4’−イソプロピリデンジフェノール(通称ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒドロキシフェニル)−(4−ヒドロキシフェニル)メタン及びこれらの内ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒドロキシフェニル)−(4−ヒドロキシフェニル)メタンの3種の混合物(例えば、本州化学工業(株)・製、ビスフェノールF−D)等のビスフェノール類、1,2−ベンゼンジオール、1,3−ベンゼンジオール、1,4−ベンゼンジオール等のジヒドロキシベンゼン類、1,2,4−ベンゼントリオール等のトリヒドロキシベンゼン類、1,6−ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン類の各種異性体、2,2’−ビフェノール、4,4’−ビフェノール等のビフェノール類の各種異性体等の化合物が挙げられる。
更に、他の構成成分である共役塩基は、上記の化合物(Y)から1個の水素を除いたフェノキシド型化合物である。
【0011】
本発明の分子会合体は、前述のようにホスホニウム−フェノキシド型の塩を構造中に有するが、従来の技術におけるホスホニウム−有機酸アニオン塩型の化合物と異なる点は、本発明の分子会合体では水素結合による高次構造がイオン結合を取り囲んでいる点である。従来の技術における塩では、イオン結合の強さのみにより反応性を制御しているのに対し、本発明の分子会合体では、常温ではアニオンの高次構造による囲い込みが活性点の保護を行う一方、成形の段階においては、この高次構造が崩れることで活性点がむき出しになり、反応性を発現する、いわゆる潜伏性が付与されている。
【0012】
本発明の分子会合体の製造方法としては、何ら限定されないが、代表的な2方法を挙げることができる。
1つ目は、テトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート(Z)と、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(Y)とを、高温下で反応させた後、更に沸点60℃以上の溶媒中で熱反応させる方法である。
2つ目は、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(Y)と、無機塩基又は有機塩基と、テトラ置換ホスホニウムハライドとを反応させる方法である。用いるテトラ置換ホスホニウムハライドの置換基については、何ら限定されることはなく、置換基は互いに同一であっても異なっていてもよい。例えば、置換又は無置換のアリール基やアルキル基を置換基に有するテトラ置換ホスホニウムイオンが、熱や加水分解に対して安定であり好ましい。具体的には、テトラフェニルホスホニウム、テトラトリルホスホニウム、テトラエチルフェニルホスホニウム、テトラメトキシフェニルホスホニウム、テトラナフチルホスホニウム、テトラベンジルホスホニウム、エチルトリフェニルホスホニウム、n−ブチルトリフェニルホスホニウム、2−ヒドロキシエチルトリフェニルホスホニウム、トリメチルフェニルホスホニウム、メチルジエチルフェニルホスホニウム、メチルジアリルフェニルホスホニウム、テトラ−n−ブチルホスホニウム等を例示できる。ハライドとしてはクロライドやブロマイドを例示でき、テトラ置換ホスホニウムハライドの価格や吸湿等の特性、及び入手のし易さから選択すれば良く、いずれを用いても差し支えない。
【0013】
本発明の分子会合体の配合量としては、全エポキシ樹脂組成物中に0.1〜1重量%が好ましく、通常適度の高温下、例えば70〜150℃で混合することができる。0.1重量%未満だと、加熱成形時に十分な硬化性が得られないおそれがあり、1重量%を越えると、硬化が速すぎて成形時に流動性が低下するため充填不良を起こすおそれがある。
又、本発明の分子会合体の特性を損なわない範囲で、他の硬化促進剤と併用しても何ら問題はない。併用できる硬化促進剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、2−メチルイミダゾール等が挙げられ、これらは単独でも混合して用いてもよい。
併用する場合、本発明の分子会合体の配合量としては、全硬化促進剤中に40重量%以上が望ましい。40重量%未満だと、本発明の目的を十分に達成できない恐れがある。
【0014】
本発明に用いられる無機充填材としては、溶融破砕シリカ、溶融球状シリカ、結晶シリカ、2次結晶シリカ、アルミナ等が挙げられ、特に、エポキシ樹脂組成物の流動性向上という観点から、溶融球状シリカが望ましい。球状シリカの形状としては、流動性向上のためには限りなく真球状であることが望ましく、更に粒度分布がブロードであることが望ましい。
又、無機充填材の配合量としては、耐半田クラック性と成形性及び流動性のバランスから、全エポキシ樹脂組成物中に60〜92重量%が好ましい。60重量%未満だと、低吸水率化、低熱膨張化できず、耐半田クラック性が不十分となるので好ましくない。92重量%を越えると、高粘度化するため半導体装置内部の金線変形、ダイパッド変形を引き起こす等の不具合を生じるので好ましくない。
【0015】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜(D)成分の他、必要に応じてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のカップリング剤、カーボンブラック等の着色剤、臭素化エポキシ樹脂、酸化アンチモン、リン化合物等の難燃剤、シリコーンオイル、シリコーンゴム等の低応力成分、天然ワックス、合成ワックス、高級脂肪酸及びその金属塩類もしくはパラフィン等の離型剤、酸化防止剤等の各種添加剤を配合することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜(D)成分、及びその他の添加剤等をミキサーを用いて常温混合し、ロール、押出機等の混練機で混練し、冷却後粉砕して得られる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて、半導体素子等の電子部品を封止し、半導体装置を製造するには、トランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクションモールド等の成形方法で硬化成形すればよい。特に、本発明のエポキシ樹脂組成物は、挿入実装及び表面実装対応の半導体装置用に適している。
【0016】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
[分子会合体の合成例]
本州化学工業(株)・製ビスフェノールF−D[ビス(モノヒドロキシフェニル)メタンの異性体混合物の商品名。化合物(Y)に相当する。]300g(1.5モル)と、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート(Z)329g(0.5モル)とを3Lセパラブルフラスコに仕込み、200℃で3時間反応させた。この反応でのベンゼン留出量は、理論生成量の97重量%(即ちベンゼン留出率97%)であった。この反応による粗生成物を微粉砕し、セパラブルフラスコに仕込み、2−プロパノールを粗生成物の仕込み重量の3倍量加え、内温82.4℃(2−プロパノールの沸点温度)で1.5時間攪拌した。その後、2−プロパノールの大部分を除去し、更に加熱減圧下で低沸点分を除去した。得られた生成物を化合物C1とした。又、溶媒を重メタノールとして、C1の1H−NMRでの測定を行った。4.8ppm付近及び3.3ppm付近のピークは溶媒のピークで、6.4〜7.1ppm付近のピーク群は、原料であるビスフェノールF[(X)1モルに対するモル数(a)]及びこのビスフェノールFから1個の水素を除いたフェノキシド型の共役塩基[(X)1モルに対するモル数(b)]のフェニルプロトン、7.6〜8.0ppm付近のピーク群は、テトラフェニルホスホニウム基のフェニルプロトンと帰属され、それらの面積比から、モル比が(a+b)/(X)=2.2/1であると計算された。
【0017】
[エポキシ樹脂組成物の製造例]
配合割合は重量部とする。
Figure 0004491897
【化3】
Figure 0004491897
Figure 0004491897
をミキサーで混合し、二軸ロールを用いて100℃で混練し、冷却後粉砕し、エポキシ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成物を以下の方法で評価した。結果を表1に示す。
【0018】
評価方法
スパイラルフロー:EMMI−1−66に準じたスパイラルフロー測定用の金型を用い、金型温度175℃、注入圧力70kg/cm2、硬化時間2分で測定した。スパイラルフローは流動性のパラメータであり、数値が大きい方が流動性が良好である。単位はcm。
常温保存性:25℃で保管した後、スパイラルフローを測定した。調製直後のスパイラルフローに対する百分率を求め、フロー残存率が90%になるまでの日数で示した。
ゲルタイム:175℃に加熱した熱板上で溶融後、へらで練りながら硬化するまでの時間を測定した。単位は秒。
ショアD硬度:金型温度175℃、注入圧力70kg/cm2、硬化時間2分で成形し、型開き10秒後に測定したショアD硬度の値を硬化性とした。ショアD硬度は硬化性の指標であり、数値が大きい方が硬化性が良好である。
耐半田クラック性:トランスファー成形機を用い、金型温度175℃、注入圧力70kg/cm2、硬化時間2分で80QFP(厚さ1.5mm)を8個成形し、175℃で8時間アフターキュア後、85℃、相対湿度60%の環境下に168時間放置し、その後IRリフロー(240℃)で10秒間処理した。得られたパッケージを目視及び超音波探傷機で観察し、外部クラック、チップ上剥離、及びパッド下剥離の発生したパッケージ個数をそれぞれn/8と表示した。
【0019】
(実施例2〜4、比較例1〜4)
表1の配合に従い、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を得、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
実施例1以外で使用したその他の原料としては、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(軟化点60℃、エポキシ当量200)、硬化促進剤のトリフェニルホスフィン、及びテトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレートである。
【表1】
Figure 0004491897
【0020】
【発明の効果】
本発明に従うと、低吸水性及び低粘度性のエポキシ樹脂を使用しながらも、常温保存性、流動性、成形時の硬化特性に優れた挿入実装、表面実装対応の半導体封止用エポキシ樹脂組成物が得られ、これを用いた半導体装置は耐半田クラック性に優れ、生産性を大幅に向上することができる。

Claims (8)

  1. (A)式(1)で示されるエポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、(C)テトラ置換ホスホニウム(X)と1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(Y)及び1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(Y)の共役塩基との分子会合体であって、該共役塩基が前記フェノール性水酸基を1分子内に2個以上有する化合物(Y)から1個の水素を除いたフェノキシド型化合物からなる硬化促進剤、及び(D)無機充填材を必須成分とし、無機充填材が全エポキシ樹脂組成物中に60〜92重量%であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
    Figure 0004491897
    (式中、Rは水素原子、鎖状もしくは環状アルキル基、フェニル基、及びハロゲンの中から選択される基又は原子であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。aは1〜4の整数、bは1〜3の整数である。nは平均値であり、1以上の正数。)
  2. 式(1)で示されるエポキシ樹脂(A)が、軟化点40〜100℃である請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. フェノール樹脂硬化剤(B)が、軟化点55〜130℃である請求項1又は2記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(Y)が、ジヒドロキシベンゼン類、トリヒドロキシベンゼン類、ビスフェノール類、ビフェノール類、ジヒドロキシナフタレン類、フェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂の中から選択される1種以上である請求項1〜3いずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 分子会合体が、テトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート(Z)と、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(Y)とを、高温下で反応させた後、更に沸点60℃以上の溶媒中で熱反応させて得られるものである請求項1〜4いずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 分子会合体が、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(Y)と、無機塩基又は有機塩基と、テトラ置換ホスホニウムハライドとを反応させて得られるものである請求項1〜4いずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. テトラ置換ホスホニウム(X)が、テトラフェニルホスホニウムである請求項1〜6いずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7いずれか一項に記載のいずれかのエポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなることを特徴とする半導体装置。
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