JP4490848B2 - 排水処理装置および排水処理方法 - Google Patents

排水処理装置および排水処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4490848B2
JP4490848B2 JP2005048552A JP2005048552A JP4490848B2 JP 4490848 B2 JP4490848 B2 JP 4490848B2 JP 2005048552 A JP2005048552 A JP 2005048552A JP 2005048552 A JP2005048552 A JP 2005048552A JP 4490848 B2 JP4490848 B2 JP 4490848B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tank
denitrification
nitrification
treated water
anaerobic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005048552A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006231184A (ja
Inventor
和幸 山嵜
和之 坂田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2005048552A priority Critical patent/JP4490848B2/ja
Publication of JP2006231184A publication Critical patent/JP2006231184A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4490848B2 publication Critical patent/JP4490848B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Landscapes

  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Description

この発明は、排水処理装置および排水処理方法に関し、一例として、2004年4月から施行された水質汚濁防止法の一部改正による窒素の総量規制への対応として、主として半導体工場から排水される高濃度窒素排水(例えば高濃度アンモニア排水)を無希釈で微生物処理できるイニシャルコスト、ランニングコストおよびメンテナンスコストに優れた排水処理装置および排水処理方法に関する。
従来、高濃度窒素排水、具体的一例としては、3000ppm程度の高濃度アンモニア排水は、アンモニアの微生物毒性が高いため、一般的には、微生物処理できなかった。
アンモニア排水が微生物処理されているケースでは、アンモニアの流入濃度が数百ppmと低い濃度での処理が一般的であった。
そのため、3000ppm以上の高濃度アンモニア排水は、物理的方法としての蒸発缶を用いて1/10程度まで濃縮し、その濃縮液を産業廃棄物として処分していた。
また、別の物理化学的方法として、最近ではアンモニアを気化分離して、その後、触媒分解する方法が開発され、実装置による運転が開始されてきた。
蒸発缶で濃縮して、産業廃棄物として工場より排出する方法は、濃縮物が産業廃棄物に該当する。したがって、事業所からの産業廃棄物の増加を招くと共に、その産業廃棄物としての濃縮液の処分方法が一般的には焼却であることから、重油等の燃料の使用による大気汚染等の課題があった。
一方、アンモニアを気化分離して、その後触媒分解する方法では、排水中におけるアンモニアが、アンモニア単体の場合は、そのアンモニアを処理できる。しかし、アンモニアと亜硝酸や硝酸が混合されると、それら窒素化合物は、上記触媒分解する方法では処理できないという欠点がある。また、気化分離して、その後触媒分解する方法は、排ガス中の窒素酸化物が増加すると言う課題が残されていた。
また、蒸発缶や触媒分解する方法は、エネルギーを多量に消費し、かつ大きなプラント設備となるため、イニシャルコスト、ランニングコストおよびメンテナンスコストが大きいことに課題があった。
また、従来技術としての生物処理法として、特許文献1(特許第3467671号公報)に記載されたものがある。
この方法は、原水槽内の有機性排水を、送液ポンプにより脱窒槽および硝化槽に順々に送り込むとともに両槽間で循環させることより、有機性排水中に含まれるアンモニア態窒素を生物学的硝化および脱窒反応を用いて窒素ガスに還元して除去し、さらに吸引ポンプを用いて、硝化槽内の排水中に浸漬されたろ過膜ユニットにより汚泥と処理水とを分離する硝化脱窒方法である。
この硝化脱窒方法の特徴として、脱窒槽から硝化槽へ送る導管を途中で分岐させ、分岐部の先端を脱窒槽内に開口させ、脱窒槽から硝化槽へ送り込まれる有機性排水の一部を脱窒槽内の有機性排水中に吹き出させている。
また、今一つの従来技術としての生物処理法として、特許文献2(特許第3095620号公報)に記載されたものがある。
この生物処理方法は、有機物を含む原水が流入する脱窒槽と、この脱窒槽の脱窒槽混合液が流入する硝化槽と、この硝化槽の硝化液を上記脱窒槽へ循環させる硝化液循環流路と、上記硝化槽内に配置した硝化槽散気装置とを備えた生物学的窒素除去装置による処理方法である。
より詳しくは、上記生物学的窒素除去装置では、脱窒槽に流入する原水中の浮遊物質を捕捉して除去する脱窒菌固定化担体充填ゾーンを脱窒槽内に設けている。また、原水導入流路および硝化液循環流路を脱窒槽の脱窒菌固定化担体充填ゾーンの下方位置に連通させ、脱窒槽の底部に脱窒菌固定化担体充填ゾーンで捕捉し除去した浮遊物質を堆積するための汚泥ホッパー部を設け、汚泥ホッパー部にホッパー散気装置を設けている。
しかし、上述の如く、従来は、3000ppm程度の高濃度アンモニア排水は、生物毒性が高いため、一般的には、微生物処理はされていなかった。すなわち、生物毒性が高いため、微生物処理できない高濃度アンモニア排水は、濃縮法や気化分離法で処理されていた。
このため、濃縮法では、エネルギーの多量消費と濃縮液による産業廃棄物の増加という問題があり、また、気化分離法では、エネルギーの多量消費に加えて、アンモニア以外の亜硝酸や硝酸が処理できない欠点もある。
特許第3467671号公報 特許第3095620号公報
そこで、この発明の課題は、高濃度な窒素排水を処理できると共に、省エネルギーと廃棄物の減量を実現できる排水処理装置および排水処理方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の排水処理装置は、窒素系化合物を含有する窒素排水が導入されると共に、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウムのうちの少なくとも1つ以上が添加され、かつ、水素供与体が添加される第1脱窒槽と、
下部の半嫌気部と上部の好気部とを有すると共に上記第1脱窒槽からの処理水が上記半嫌気部に導入される硝化槽と、
上記硝化槽からの処理水が導入されると共に水素供与体が添加される第2脱窒槽と、
下部の半嫌気部と上部の好気部とを有すると共に上記第2脱窒槽からの処理水が上記半嫌気部に導入される再曝気槽とを備え、
上記第1脱窒槽と硝化槽と第2脱窒槽と再曝気槽における処理水の微生物濃度を10000ppm以上としたことを特徴としている。
この発明の排水処理装置では、第1脱窒槽に窒素系化合物を含有する窒素排水が導入される。この窒素排水は、例えば、3000ppm程度の窒素系化合物を含有する高濃度窒素排水である。また、この窒素系化合物としては、アンモニア、硝酸、フッ化カルシウム等がある。また、この第1脱窒槽にリン、カリウム、カルシウム、マグネシウムのうちの少なくとも1つ以上が添加される。かつ、硝化槽および再曝気槽が下部の半嫌気部と上部の好気部を有する。そして、上記第1脱窒槽と硝化槽と第2脱窒槽と再曝気槽における微生物濃度を10000ppm以上とする。これにより、この発明では、高濃度の微生物と、この微生物の活性を高める微量要素としてのリン、カリウム、カルシウム、マグネシウムが存在する。加えて、この発明では、嫌気性の部分(第1脱窒槽、第2脱窒槽)と好気性の部分(硝化槽の好気部、再曝気槽の好気部)との間に、半嫌気性の部分(硝化槽の半嫌気部、再曝気槽の半嫌気部)が存在する。したがって、この発明では、システム全体の循環回数が多くなった場合にも、微生物に対する環境の変化を和らげることができ、高濃度アンモニア排水等の高濃度窒素排水を効率よく処理できる。
したがって、この発明によれば、高濃度窒素排水を処理でき、従来の蒸発缶や触媒分解する方法に比べて、省エネルギーで廃棄物も減量できる排水処理装置を実現できる。
また、一実施形態の排水処理方法は、窒素系化合物を含有する窒素排水に、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウムのうちの少なくとも1つ以上と、水素供与体とを添加して、上記窒素排水を脱窒処理する第1脱窒工程と、
上記脱窒処理された処理水を半嫌気部と好気部とで順に処理する硝化工程と、
上記硝化工程後の処理水に水素供与体を添加して脱窒処理する第2脱窒工程と、
上記第2脱窒工程後の処理水を半嫌気部と好気部とで順に処理する再曝気工程とを備え、
上記各工程における処理水の微生物濃度を10000ppm以上とする。
また、一実施形態の排水処理装置では、上記再曝気槽は、上記上部の好気部が液中膜を有する。
この実施形態の排水処理装置によれば、上記再曝気層の好気部が有する液中膜によって活性のある微生物の微生物濃度を10000ppm以上に維持することが容易になる。なお、液中膜を利用するシステムの場合、第1脱窒槽にリンに加えて微量のミネラルとして、カリウム、カルシウム、マグネシウム等微量要素を添加することが、微生物処理を安定化する上で望ましい。
また、一実施形態の排水処理装置では、上記硝化槽は、上記上部の好気部が塩化ビニリデン充填物を有する。
この実施形態の排水処理装置によれば、上記硝化槽の上部の好気部が塩化ビニリデン充填物を有するから、この硝化槽内の塩化ビニリデン充填物に好気性微生物を安定的に繁殖させることができ、アンモニア性窒素等の窒素系化合物を効率良く硝酸性窒素まで微生物酸化できる効果がある。
また、一実施形態の排水処理装置では、上記硝化槽は上記上部の好気部が塩化ビニリデン充填物を有し、上記再曝気槽は上記上部の好気部が液中膜を有する。
この実施形態では、上記再曝気層の好気部が有する液中膜によって活性のある微生物の微生物濃度を10000ppm以上に維持することが容易になると共に、硝化槽内の塩化ビニリデン充填物に好気性微生物を安定的に繁殖させることができ、アンモニア性窒素等の窒素系化合物を効率良く硝酸性窒素まで微生物酸化できる。
また、一実施形態の排水処理装置では、上記再曝気槽から上記第1脱窒槽1に微生物汚泥を返送する返送部を有する。
この実施形態では、下部に半嫌気部を有する再曝気槽の微生物汚泥を第1脱窒槽1に返送するので、嫌気部分と好気部分との環境の変化を和らげる効果がある。さらに、システム全体の微生物にとって、環境変化の少ない効率的な循環を実現でき、アンモニア性窒素等の窒素系化合物を硝酸性窒素およびその後の窒素ガスまで効率的に還元処理できる。
また、一実施形態の排水処理装置では、上記返送部は、上記第1脱窒槽に単位時間に流入する上記窒素排水の流量の2倍以上の流量の微生物汚泥を上記再曝気槽から上記第1脱窒槽に返送する。
この実施形態によれば、毒性のある高濃度アンモニア排水等の高濃度窒素排水を希釈して毒性をより低下させることができる。よって、アンモニア性窒素等の窒素系化合物を効率的に硝酸性窒素およびその後の窒素ガスまで還元処理できる。
また、一実施形態の排水処理装置では、上記硝化槽は、2種類以上の塩化ビニリデン充填物を有する。
この実施形態によれば、上記硝化槽は、上記2種類以上の塩化ビニリデン充填物に、多種の微生物をより多く繁殖,培養でき、その結果、高濃度窒素排水の処理能力を一層向上できる。
また、一実施形態の排水処理装置では、合弁浄化槽の処理水または生活汚泥を、上記第1脱窒槽に導入することで、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウムのうちの少なくとも1つ以上を上記第1脱窒槽に添加する。
この実施形態によれば、合併浄化槽の処理水または生活汚泥に含まれているリン、カリウム、カルシウム、マグネシウム等を微生物の活性を高める微量要素として有効利用できるので、排水処理装置のランニングコストを低減できる。
また、一実施形態の排水処理装置は、窒素系化合物を含有する窒素排水が導入されると共に水素供与体が添加される第1脱窒槽と、
下部の半嫌気部と上部の好気部とを有すると共に上記第1脱窒槽からの処理水が上記半嫌気部に導入される硝化槽と、
上記硝化槽からの処理水が導入されると共に水素供与体が添加される第2脱窒槽と、
下部の半嫌気部と上部の好気部とを有すると共に上記第2脱窒槽からの処理水が上記半嫌気部に導入される再曝気槽と、
上記硝化槽から上記第1脱窒槽へ処理水を循環させる第1のエアーリフトポンプと、
上記再曝気槽から上記第2脱窒槽へ処理水を循環させる第2のエアーリフトポンプとを備えた。
この実施形態の排水処理装置によれば、第1のエアーリフトポンプによって、処理水を上記硝化槽から上記第1脱窒槽へ循環させ、第2のエアーリフトポンプによって、上記再曝気槽から上記第2脱窒槽へ処理水を循環させる。よって、通常のポンプによる循環方式と比較して、循環に要するエネルギーを格段に低減できる。
また、一実施形態の排水処理方法は、窒素系化合物を含有する窒素排水に水素供与体を添加して、上記窒素排水を第1脱窒槽で脱窒処理する第1脱窒工程と、
上記脱窒処理された処理水を硝化槽の半嫌気部と好気部とで順に処理する硝化工程と、
上記硝化工程後の処理水に水素供与体を添加して第2脱窒槽で脱窒処理する第2脱窒工程と、
上記第2脱窒工程後の処理水を再曝気槽の半嫌気部と好気部とで順に処理する再曝気工程とを備え、
上記硝化工程を行う硝化槽から上記第1脱窒槽へ処理水をエアーリフトポンプによって循環させ、
上記再曝気槽から上記第2脱窒槽に処理水をエアーリフトポンプによって循環させる。
また、一実施形態の排水処理方法は、上記第1脱窒槽に、生物処理された処理水または生物処理された処理汚泥の少なくとも一方を添加する。
この実施形態の排水処理方法によれば、生物処理された処理水または生物処理された処理汚泥に含まれている微量要素によって、薬品としての微量要素を購入することなく、微生物を活性化できる。したがって、ランニングコストを低減できる。
また、一実施形態の排水処理方法は、上記第1および第2脱窒槽に、水素供与体としてのアミノエタノール廃液を添加する。
この実施形態の排水処理方法によれば、例えば半導体工場から排出されるアミノエタノール廃液を薬品としてのメタノールの代替として水素供与体として利用するので、資源の有効活用となり、ランニングコストを低減できる。
また、一実施形態の排水処理装置は、上記再曝気槽が有する上記上部の好気部が液中膜を有し、
上記液中膜に接続されると共に上記液中膜からの処理水を流出させるポンプ方式の配管と水頭差を利用する重力配管とを備えた。
この実施形態の排水処理装置によれば、上記ポンプ方式の配管と上記重力配管とを選択して使用可能となる。つまり、重力配管は動力を使用しないのでポンプ方式の配管に比べてエネルギーを節約できる。一方、重力配管の詰まりによる流量低下が発生した場合には、ポンプ方式による配管を運転することで、強制的に処理水を確保できる。
また、一実施形態の排水処理装置は、上記第1脱窒槽と上記硝化槽および上記第2脱窒槽に塩化ビニリデン充填物を充填した。
この実施形態の排水処理装置によれば、第1脱窒槽と硝化槽と第2脱窒槽の3つの槽に塩化ビニリデン充填物を充填しているので、微生物濃度を高濃度に維持できるのみならず、微生物による処理の安定化に役立つ。硝化槽においては、塩化ビニリデン充填物の内部の嫌気性微生物と塩化ビニリデン充填物の外部の好気性微生物の両方を高濃度にできる。また、第1脱窒槽と第2脱窒槽においては、嫌気性微生物を高濃度として、効率的に処理水を処理できる。
また、一実施形態の排水処理装置は、上記再曝気槽の下部の半嫌気部の汚泥を上記第1脱窒槽に返送する返送部を備えた。
この実施形態の排水処理装置によれば、返送部が、再曝気槽の下部の半嫌気部の汚泥を第1脱窒槽に返送する。したがって、再曝気槽の好気部の汚泥を第1脱窒槽に返送する場合に比べて、第1脱窒槽の嫌気状態を確実に維持し安定化できる。これにより、脱窒性能を高めることができる。
また、一実施形態の排水処理方法は、上記第1脱窒槽に、上記窒素排水と共に現像廃液を導入する。
この実施形態の排水処理方法によれば、高濃度な窒素排水に加えて、現像廃液を1つの排水処理装置で処理することが可能になるので、建設費を削減できる。
また、一実施形態の排水処理方法は、上記第1脱窒槽に、上記窒素排水と共にジメチルホルムアミド廃液を導入する。
この実施形態の排水処理方法によれば、高濃度な窒素排水に加えて、ジメチルホルムアミド廃液を1つの排水処理装置で処理することが可能になるので、建設費を削減できる。
また、一実施形態の排水処理装置は、窒素系化合物を含有する窒素排水が導入される原水槽と、
上記原水槽からの上記排水が導入されると共に水素供与体が添加される第1脱窒槽と、
下部の半嫌気部と上部の好気部とを有すると共に上記第1脱窒槽からの処理水が上記半嫌気部に導入される第1硝化槽と、
上記第1硝化槽からの処理水が導入されると共に水素供与体が添加される第2脱窒槽と、
下部の半嫌気部と上部の好気部とを有すると共に上記第2脱窒槽からの処理水が上記半嫌気部に導入される第2硝化槽と、
上記第2硝化槽からの処理水が導入されると共に水素供与体が添加される第3脱窒槽と、
下部の半嫌気部と上部の好気部とを有すると共に上記第3脱窒槽からの処理水が上記半嫌気部に導入される再曝気槽と、
上記再曝気槽からの処理水が導入される接触酸化槽と、
上記接触酸化槽からの処理水が導入される沈殿槽と、
上記第1硝化槽から上記第1脱窒槽へ処理水を循環させる第1のエアーリフトポンプと、
上記第2硝化槽から上記第2脱窒槽へ処理水を循環させる第2のエアーリフトポンプと、
上記再曝気槽から上記第3脱窒槽へ処理水を循環させる第3のエアーリフトポンプと、
上記沈殿槽からのカルシウム等のミネラルを含有する汚泥を上記原水槽に返送する返送部とを備えた。
この実施形態の排水処理装置によれば、上記第1〜第3脱窒槽と第1〜第2硝化槽,再曝気槽を備えた。この再曝気槽は硝化槽とみなすことができるので、この実施形態は、脱窒槽と硝化槽との組み合わせを3組有することとなる。したがって、この3組の脱窒槽と硝化槽によって、高濃度窒素排水(アンモニア排水)を低濃度まで効果的に処理できる。また、上記脱窒槽は嫌気槽とみなせ、上記硝化槽は半嫌気部を有するので、この実施形態によれば、3組の嫌気槽と半嫌気部とによって、発生汚泥を実質的に無くすること(発生汚泥のゼロ化)が可能となる。
また、この実施形態では、また、第1〜第3のエアーリフトポンプによる循環方式を採用しているので、通常のポンプによる循環方式と比較して、消費エネルギーを格段に節減できる。また、この実施形態では、沈澱槽からのカルシウム等のミネラルを含有する汚泥を原水槽に返送しているので、各種微生物を活性化して高濃度窒素排水(一例としてアンモニア排水)を効率よく処理できる。
また、一実施形態の排水処理方法は、窒素系化合物を含有する窒素排水を原水槽から水素供与体が添加される第1脱窒槽に導入して脱窒処理する第1脱窒工程と、
上記脱窒処理された処理水を第1硝化槽の半嫌気部と好気部とで順に処理する第1硝化工程と、
上記第1硝化工程後の処理水に水素供与体を添加して第2脱窒槽で脱窒処理する第2脱窒工程と、
上記第2脱窒工程後の処理水を第2硝化槽の半嫌気部と好気部とで順に処理する第2硝化工程と、
上記第2硝化工程後の処理水を再曝気槽の半嫌気部と好気部とで順に処理する再曝気工程と、
上記再曝気工程後の処理水を接触酸化槽で処理する接触酸化工程と、
上記接触酸化工程後の処理水を沈殿槽に導入する沈殿工程とを備え、
上記第1硝化工程を行う第1硝化槽から上記第1脱窒槽へ処理水を第1のエアーリフトポンプによって循環させ、
上記第2硝化槽から第2脱窒槽へ処理水を第2のエアーリフトポンプによって循環させ、
上記再曝気槽から第3脱窒槽へ処理水を第3のエアーリフトポンプによって循環させ、
上記沈殿槽からのカルシウム等のミネラルを含有する汚泥を上記原水槽に返送する。
また、一実施形態の排水処理方法は、上記第1脱窒槽に、生物処理された処理水または生物処理された汚泥の少なくとも一方を添加する。
この実施形態では、生物処理された処理水または生物処理された汚泥にふくまれている微量要素によって、微生物を活性化することができる。また、生物処理された処理水または生物処理された汚泥を利用するので、薬品としての微量要素を購入する必要がなく、ランニングコストを低減できる。
また、一実施形態の排水処理方法は、上記第1脱窒槽と第2脱窒槽および第3脱窒槽にアミノエタノール廃液を添加する。
この実施形態の排水処理方法では、アミノエタノール廃液を薬品としてのメタノールの代替として利用するので、ランニングコストを低減できる。このアミノエタノール廃液は、一例として半導体工場から排出される。
また、一実施形態の排水処理装置では、上記再曝気槽は、上部の好気部に液中膜を有し、この再曝気槽の好気部の液中膜から上記接触酸化槽へ導入する配管部は、ポンプ方式の配管と重力式の配管とを有する。
この実施形態によれば、ポンプ方式の配管と重力式の配管との2つの方式の配管を有しているので、重力式の配管を選択して運転すれば、省エネルギー効果がある。また、システムにポンプ方式の配管も組み入れているので、システムの安定性を増す効果がある。たとえば、重力式の配管が詰まって処理水を流出させる能力が低下した場合には、ポンプ方式の配管によって強制的に処理水を確保することが可能となる。
また、一実施形態の排水処理装置では、上記第1乃至第3脱窒槽のうちの少なくとも1つに充填された塩化ビニリデン充填物、または、第1および第2硝化槽のうちの少なくとも1つに充填された塩化ビニリデン充填物のうちの少なくとも一方を有する。
この実施形態によれば、上記塩化ビニリデン充填物によって、微生物濃度を高濃度とすることができると同時に、高濃度であるが故、微生物処理を安定化させ処理水質を向上させることが可能である。たとえば、各硝化槽においては、塩化ビニリデン充填物の内部の嫌気性微生物と塩化ビニリデン充填物の外部の好気性微生物の両方を高濃度にでき、各脱窒槽においては、嫌気性微生物を高濃度にして処理水を効率的に微生物処理できる。
また、一実施形態の排水処理装置では、上記再曝気槽の下部の半嫌気部から上記第1脱窒槽に汚泥を返送する返送部を有する。
この実施形態によれば、上記返送部によって、再曝気槽の下部の半嫌気部の汚泥を第1脱窒槽に返送する。したがって、好気槽の汚泥を第1脱窒槽に返送する場合と比較して、第1脱窒槽の嫌気状態を安定化できる。そして、この第1脱窒槽の嫌気状態が安定化していることにより、脱窒性能を高めることができる。
また、一実施形態の排水処理方法では、上記窒素排水と現像廃液とを上記原水槽に導入する。
この実施形態では、高濃度な窒素排水と現像廃液との2つの処理対象を1つの排水処理装置で処理することが可能となるので、排水処理装置の建設費を削減でき、また、メンテナンス費用を低減できる。一例として、一般的な半導体工場では、高濃度な窒素排水と現像廃液とが排出されるが、この実施形態では、この2つの処理対象を効率よく処理できる。
また、一実施形態の排水処理方法では、上記窒素排水とジメチルホルムアミド廃液とを上記原水槽に導入する。
この実施形態によれば、高濃度な窒素排水とジメチルホルムアミド廃液との2つの処理対象を1つの排水処理装置で処理できるので、この2つの処理対象を別個に処理する場合に比べて、排水処理装置の建設費を削減できる。
この発明の排水処理装置は、第1脱窒槽に窒素系化合物を含有する窒素排水が導入される。この窒素排水は、例えば、3000ppm程度の窒素系化合物を含有する高濃度窒素排水である。この窒素系化合物としては、アンモニア、硝酸、フッ化カルシウム等がある。また、この第1脱窒槽にリン、カリウム、カルシウム、マグネシウムのうちの少なくとも1つ以上が添加される。かつ、硝化槽および再曝気槽が下部の半嫌気部と上部の好気部を有する。そして、第1脱窒槽と硝化槽と第2脱窒槽と再曝気槽における微生物濃度を10000ppm以上とする。これにより、この発明では、高濃度の微生物と、この微生物の活性を高める微量要素としてのリン、カリウム、カルシウム、マグネシウムが存在することに加えて、嫌気性の部分(第1脱窒槽、第2脱窒槽)と好気性の部分(硝化槽の好気部、再曝気槽の好気部)との間に、半嫌気性の部分(硝化槽の半嫌気部、再曝気槽の半嫌気部)が存在する。したがって、この発明では、システム全体の循環回数が多くなった場合にも、微生物に対する環境の変化を和らげることができ、高濃度アンモニア排水等の高濃度窒素排水を効率よく処理できる。
したがって、この発明によれば、高濃度窒素排水を処理でき、従来の蒸発缶や触媒分解する方法に比べて、省エネルギーで廃棄物も減量できる排水処理装置を実現できる。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、この発明の排水処理装置の第1実施形態を模式的に示す図である。この排水処理装置は、第1脱窒槽1、硝化槽3、第2脱窒槽7、再曝気槽8、およびメタノールタンク14を備える。図1に示すように、第1脱窒槽1には、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウム等の微量要素のうちの少なくとも1つ以上が添加される。
高濃度窒素系化合物を含有した高濃度窒素排水は、第1脱窒槽1の下部1Aに導入される。この高濃度窒素排水は、例えば、3000ppm程度の窒素系化合物を含有する窒素排水である。
この高濃度窒素排水が、第1脱窒槽1の下部1Aに導入される理由は、上部1Bよりも下部1Aの方が、重力により微生物濃度が高濃度となっているからである。下部1Aでは、微生物濃度が高濃度となっていることから、毒性のある高濃度窒素排水が微生物に与える刺激が少なく、微生物処理に適している。なお、上記高濃度窒素排水としては、例えば、半導体工場から排出される高濃度アンモニア排水が該当する。
上記第1脱窒槽1には、嫌気性微生物と高濃度窒素排水を効率良く混合するための撹拌機2が設置されている。なお、この撹拌機2は、嫌気性微生物と高濃度窒素排水を効率良く混合することが可能ならば、通常の撹拌機に替えて、水中に設置する水中撹拌機でも構わない。また、この第1脱窒槽1には、再曝気槽9からの微生物を含む返送汚泥が返送汚泥ポンプ10により返送配管L1から導入される。この返送汚泥ポンプ10と返送配管L1とが返送部を構成している。
再曝気槽9は、上部9Bの好気部19に液中膜11が設置されている。この液中膜11により、微生物は再曝気槽9に留まる。もしくは、上記微生物は、返送汚泥ポンプ10と返送配管L1によって、第1脱窒槽1に返送される。
第1脱窒槽1に返送された微生物汚泥は、次に、硝化槽3、第2脱窒槽、を経由して、再び再曝気槽9に戻る。これにより、上記微生物汚泥は、各第1脱窒槽1、硝化槽3、第2脱窒槽7、再曝気槽9を循環することとなる。このように、各槽1、3、7、9を微生物汚泥が循環することにより、各槽での処理水の微生物濃度がほぼ同様の濃度で維持される。
この微生物濃度としては、MLSS(混合液懸濁物質(Mixed Liquor Suspended Solid))で10000ppm以上を維持する。なお、第1脱窒槽1と第2脱窒槽7には、嫌気性の度合いを測定するため、酸化還元電位計(図示せず)が設置されている。
この第1脱窒槽1内では、返送汚泥ポンプ10と返送配管L1によって導入された処理水中の硝酸性窒素が、嫌気性微生物により、水素供与体メタノールの存在下で、窒素ガスまで還元処理される。このメタノールはメタノールタンク14からメタノールポンプ15により、適当量だけ第1脱窒槽1内に添加される。また、高濃度窒素排水中の窒素以外の有機物は、嫌気性微生物により、生物学的に分解処理される。
次に、第1脱窒槽1より流出した被処理水は、半嫌気部16を有する硝化槽3の下部に導入される。
ここで、嫌気部とは、溶存酸素が全く無い状態の部分と定義し、好気部とは溶存酸素が数ppmに維持されている状態と定義し、半嫌気部とは溶存酸素が0ppmか、溶存酸素が存在していても0.5ppm程度と定義する。
この硝化槽3は、上部をなす好気部17と下部をなす半嫌気部16とを有し、この好気部17と半嫌気部16とを分離するための分離壁5が硝化槽3の側面内壁に設置されている。好気部17には散気管6が配置されている。この散気管6は、ブロワー13に接続されている。このブロワー13と散気管6とが曝気部を構成する。
なお、上記分離壁5は、コンクリートで施工しても良いし、鋼鉄製で製作しても良い。すなわち、この分離壁5としては、材質は限定しないが、鋼鉄製の場合、長期間使用する場合、腐蝕を防止するための塗装をしっかりしておく必要がある。
この硝化槽3において、下部に半嫌気部16を設け、第1脱窒槽1からの被処理水を半嫌気部16に導入している。これにより、第1脱窒槽1と再曝気槽9との間における返送汚泥ポンプ10と返送配管L1による循環システムにおいて、第1脱窒槽1で嫌気性微生物によって処理された処理水と移動してくる嫌気性微生物とを、硝化槽3の半嫌気部16を経て好気部17に導入することとなる。これにより、上記嫌気性微生物を第1脱窒槽1から硝化槽3の好気部17に直接に導入する場合に比べて、好気部17に移動して来る嫌気性微生物に対するストレスが少なくなり、窒素を処理する際の効率アップとなる。
第1脱窒槽1で嫌気性微生物によって処理された処理水と移動してくる嫌気性微生物とを、直接に好気部17に導入した場合には、好気部17に移動してくる嫌気性微生物に対するストレスが大きくなるのである。
また、この硝化槽3の下部の半嫌気部16、および再曝気槽9の下部の半嫌気部18では、特有の微生物が繁殖し、嫌気性微生物、好気性微生物のみならず半嫌気部に繁殖する各種微生物によって処理水を処理することができ、総合的な処理効率が向上する。
硝化槽3の上部の好気部17からの処理水は第2脱窒槽7の下部へ導入される。第2脱窒槽7において、溶存酸素がゆっくりと減少するので、この第2脱窒槽7の下部へ移動してくる被処理水に含まれる好気性微生物に対するストレスは少ない。
上記硝化槽3の半嫌気部16や後述する再曝気槽9の半嫌気部18では、曝気設備が設置されていないので曝気されていないものの、上部の好気部17や好気部19の水流の影響を受け、半嫌気部の条件である溶存酸素が0ppmか、溶存酸素が存在していても0.5ppm程度となる。これにより、半嫌気部16や半嫌気部18内では、半嫌気性を維持できる。
また、硝化槽3の上部をなす好気部17には、微生物を効果的に繁殖させるための充填材としての塩化ビニリデン充填物4が配置され、この塩化ビニリデン充填物4の下に散気管6が設置されている。この散気管6はブロワー13に接続されている。
この排水処理装置は、試運転から時間の経過とともに塩化ビニリデン充填物4に微生物が繁殖する。この塩化ビニリデン充填物4の表面の微生物濃度は30000ppm以上となり、処理効率の向上につながる。この塩化ビニリデン充填物4の材質は、強固で化学物質に侵されない塩化ビニリデンであり、半永久的に使用できる。この塩化ビニリデン充填物4としては、バイオコード、リングレース、バイオマルチリーフ、バイオモジュール等の商品があるが、排水の性状に合わせて選定すれば良い。
この硝化槽3では、高濃度窒素排水中のアンモニア性窒素が好気性微生物により酸化されて硝酸性窒素や亜硝酸性窒素となる。塩化ビニリデン充填物4の下方では、ブロワー13より発生する空気が、散気管6から吐出する。散気管6から吐出した空気により、好気部17で上昇水流が発生し、好気部17が好気性を維持できると同時に空気撹拌される。
上述の如く、硝化槽3からの処理水は、第2脱窒槽7に下部から導入される。この第2脱窒槽7には、撹拌機8が設置されており、処理水と嫌気性微生物とを撹拌し、被処理水中の硝酸性窒素の窒素ガス反応を促進している。また、第2脱窒槽7には、メタノールタンク14からメタノールポンプ15によって、水素供与体としてのメタノールが添加される。この第2脱窒槽7では、水素供与体としてのメタノールが添加されることにより、硝酸性窒素が還元されて窒素ガスとなって、空気中に拡散される。一般的に、窒素ガスとして脱窒処理される際、水素供与体としてメタノールが添加される。
次に、第2脱窒槽7より流出した被処理水は、再曝気槽9の下部をなす半嫌気部18に導入される。この再曝気槽9には、再曝気槽9の上部の好気部19と下部の半嫌気部18とを分離するための分離壁5が再曝気槽9の側面内壁に設置されている。この再曝気槽9の好気部19には、散気管6が設置されており、この散気管6はブロワー13に接続されている。この散気管6とブロワー13とが曝気部を構成している。
この再曝気槽9において、下部の半嫌気部18を設け、この下部の半嫌気部18に第2脱窒槽7からの被処理水を導入している。これにより、第1脱窒槽1と再曝気槽9との間の返送汚泥ポンプ10と返送配管L1とによる循環システムにおいて、第2脱窒槽7で嫌気性微生物によって処理された被処理水と共に移動してくる嫌気性微生物に対するストレスを少なくできる。すなわち、 第2脱窒槽7で嫌気性微生物によって処理された被処理水と移動してくる嫌気性微生物を、直接に好気部19に導入した場合には、嫌気性微生物に対するストレスが多くなる。
一方、第1脱窒槽1において、溶存酸素がゆっくりと減少することに起因して、再曝気槽9の好気部19から返送配管L1を通って第1脱窒槽1へ移動してくる被処理水と好気性微生物に対するストレスは少ない。
また、再曝気槽9の上部をなす好気部19には、液中膜11と、この液中膜11を空気洗浄するための散気管6が液中膜11の下方に設置されている。この散気管6はブロワー13に接続されている。上記液中膜としては、平膜タイプと中空糸状膜の2種類が市販されているがどちらを採用しても良い。
そして、再曝気槽9の好気部19での被処理水は、この液中膜11に接続された配管に連結している液中膜ポンプ12を運転することによって、液中膜11から確保される。なお、液中膜11の透過水量が低下した場合、すなわち処理水量が低下した場合は、次亜塩素酸ソーダ等で液中膜11を洗浄すればよい。
(第2の実施の形態)
次に、図2に、この発明の排水処理装置の第2実施形態を示す。この第2実施形態は、次の(i)の点が前述の第1実施形態と異なる。よって、この第2実施形態では、第1実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細な説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を説明する。
(i) 返送汚泥ポンプ10と返送配管L1に替えて、返送部として返送汚泥ポンプ10Aと返送配管L2とを備え、再曝気槽9の上部から処理水を含む返送汚泥を第1脱窒槽1と硝化槽3の両方に返送できるようにした点。
上記返送配管L2は、再曝気槽9の上部の好気部19から返送汚泥ポンプ10Aを経由して、第1脱窒槽1の上方まで延在している。この返送配管L2は、再曝気槽9の上部からの被処理水を含む返送汚泥を、バルブ20aを有する配管L2aから、第1脱窒槽1に上方から導入する。また、この返送配管L2は、バルブ20bを有する配管L2bを有し、この配管L2bから、再曝気槽9の上部からの処理水を含む返送汚泥を、硝化槽3に上方から導入する。
この第2実施形態では、返送汚泥ポンプ10Aの吐出量(単位時間当たりの吐出量)を、第1の実施形態における返送汚泥ポンプ10の吐出量の2倍とした。これにより、第1脱窒槽1だけでなく、硝化槽3にも上記再曝気槽9の上部からの被処理水を含む返送汚泥を導入できる。
これにより、この第2実施形態では、第1実施形態に比べて、全ての水槽1、3、7、9における返送汚泥に含まれる被処理水の循環回数を増やすことができ、処理水中の窒素の除去率を向上できる。つまり、高濃度窒素排水における窒素処理効率は、全ての水槽における返送汚泥に含まれる被処理水の循環回数が多いほど、被処理水中の窒素の除去率は向上する。
尚、第1脱窒槽1と硝化槽3のそれぞれに返送する処理水を含む返送汚泥の返送量は、バルブ20a,20bの開閉量の調節により所望の配分に調節することができる。
(第3の実施の形態)
次に、図3に、この発明の排水処理装置の第3実施形態を示す。この第3実施形態は、前述の第2実施形態と比べて、次の(i)の点が異なる。よって、この第3実施形態では、第2実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細な説明を省略し、第2実施形態と異なる部分を説明する。
(i) 返送汚泥ポンプ10Aと返送配管L2に替えて、返送部として返送汚泥ポンプ10Bと返送配管L3とを備え、再曝気槽9の上部から被処理水を含む返送汚泥を第1脱窒槽1と硝化槽3および第2脱窒槽7の3槽に返送できるようにした点。
上記返送配管L3は、再曝気槽9の上部の好気部19から返送汚泥ポンプ10Bを経由して、第1脱窒槽1の上方まで延在している。この返送配管L3は、再曝気槽9の上部からの被処理水を含む返送汚泥を、バルブ20aを有する配管L3aから、第1脱窒槽1に上方から導入する。また、この返送配管L3は、バルブ20bを有する配管L3bを有し、この配管L3bから、再曝気槽9の上部からの被処理水を含む返送汚泥を、硝化槽3に上方から導入する。また、この返送配管L3は、バルブ20cを有する配管L3cを有し、再曝気槽9の上部からの被処理水を含む返送汚泥を、この配管L3cから第2脱窒槽7に上方から導入する。
この第3実施形態では、返送汚泥ポンプ10Bの吐出量(単位時間当たりの吐出量)を、第2実施形態の返送汚泥ポンプ10Aの1.5倍(つまり第1実施形態の返送汚泥ポンプ10の3倍)とした。これにより、第1脱窒槽1と硝化槽3に加えて、第2脱窒槽7にも、再曝気槽9の上部からの被処理水を含む返送汚泥を導入できる。
これにより、この第3実施形態では、第2実施形態に比べて、全ての水槽1、3、7、9における返送汚泥に含まれる被処理水の循環回数を増やすことができ、被処理水中の窒素の除去率を向上できる。つまり、高濃度窒素排水における窒素処理効率は、全ての水槽における返送汚泥に含まれる被処理水の循環回数が多いほど、被処理水中の窒素の除去率は向上するのである。
なお、第1脱窒槽1と硝化槽3および第2脱窒槽7のそれぞれに返送する被処理水を含む返送汚泥の返送量は、バルブ20a,20b,20cの開閉量の調節により所望の配分に調節することができる。
(第1実験例)
図1に示す第1実施形態の排水処理装置の構成を有する実験装置を製作した。この実験装置における第1脱窒槽1の容量は100リットル、硝化槽3の容量は200リットル、第2脱窒槽7の容量は100リットル、再曝気槽9の容量は100リットルである。
この実験装置において、約2ケ月間にわたる微生物の訓養終了後、微生物濃度を16500ppmとして、工場の生産装置から排水される窒素濃度2860ppmの被処理水を採取して、第1脱窒槽1に連続的に導入した。そして、1ケ間が経過し水質が安定するのを待って、処理水の窒素濃度を測定したところ、22ppmであった。
尚、図4Aに、第1脱窒槽1に導入する高濃度窒素排水の窒素濃度が3000ppmの場合での上記第1〜第3実施形態における各槽での滞留時間の一例を示すタイムチャートを示す。また、図4Bに、第1脱窒槽1に導入する高濃度窒素排水の窒素濃度が6000ppmの場合での上記第1〜第3実施形態における各槽での滞留時間の一例を示すタイムチャートを示す。
なお、上記第1〜第3実施形態において、硝化槽3の好気部17が有する塩化ビニリデン充填物4が2種類以上の塩化ビニリデン充填物を含む場合には、多種の微生物をより多く繁殖,培養でき、その結果、高濃度窒素排水の処理能力を一層向上できる。また、上記第1〜第3実施形態において、合弁浄化槽の処理水または生活汚泥を、上記第1脱窒槽1に導入することで、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウムのうちの少なくとも1つ以上を上記第1脱窒槽1に添加するようにしてもよい。この場合には、合併浄化槽の処理水または生活汚泥に含まれているリン、カリウム、カルシウム、マグネシウム等を微生物の活性を高める微量要素として有効利用でき、排水処理装置のランニングコストを低減できる。また、上記第1〜第3実施形態において、返送部が上記第1脱窒槽1に単位時間に流入する上記高濃度窒素排水の流量の2倍以上の流量の微生物汚泥を上記再曝気槽9から上記第1脱窒槽1に返送することが望ましい。この場合には、毒性のある高濃度アンモニア排水等の高濃度窒素排水を希釈して毒性をより低下させることができるので、アンモニア性窒素等の窒素系化合物を効率的に硝酸性窒素およびその後の窒素ガスまで還元処理できる。
(第4の実施の形態)
図5は、この発明の排水処理装置の第4実施形態を模式的に示す図である。この第4実施形態は、第1脱窒槽41、硝化槽43、第2脱窒槽47、再曝気槽49およびアミノエタノールタンク54を備える。
図5に示すように、高濃度窒素系化合物を含有した高濃度窒素排水は、第1脱窒槽41の下部に導入される。この高濃度窒素排水が、第1脱窒槽41の下部に導入される理由は、上部よりも下部の方が、重力により微生物濃度が高濃度となっているからである。この第1脱窒槽41の下部では、微生物濃度が高濃度となっていることから、毒性のある高濃度窒素排水が微生物に与える刺激が少なく、微生物処理に適している。なお、この高濃度窒素排水は、例えば、3000ppm程度の窒素系化合物を含有する窒素排水である。この高濃度窒素排水としては、一例として半導体工場から排出される高濃度アンモニア排水が該当する。
第1脱窒槽41には、生物処理された処理水または生物処理の際発生した汚泥が導入される。これにより、この生物処理された処理水または生物処理された汚泥に含まれるリン、カリウム、カルシウム、マグネシウム等の微量要素が、各槽41、43、47、49の全てにおいて、微生物の活性を促進することになる。
第1脱窒槽41には、嫌気性微生物と高濃度窒素排水を効率良く混合することが可能な撹拌機42が設置されている。なお、嫌気性微生物と高濃度窒素排水とを効率良く混合することが可能ならば、通常の撹拌機に替えて、水中に設置する水中撹拌機でも構わない。また、返送汚泥ポンプ50と返送配管L41とで構成する返送部により、再曝気槽49の上部をなす好気部59からの微生物を含む返送汚泥が第1脱窒槽41に導入される。
この再曝気槽49の好気部59には、液中膜51が設置されている。この液中膜51の存在により、微生物は再曝気槽49内に留まるか、もしくは、返送汚泥ポンプ50によって第1脱窒槽41に返送される。また、この好気部59には、曝気部をなす散気管46が配置されている。この散気管46はブロワー53に接続されている。
この排水処理装置は第1のエアーリフトポンプ61を有し、この第1のエアーリフトポンプ61は、硝化槽43の下部をなす嫌気部56から第1脱窒槽41へ被処理水を含む汚泥を返送する。この第1のエアーリフトポンプ61による汚泥の移送は、空気を利用した移送方法であり、多量の汚泥を少ない動力で移送できる。一般に、ポンプ方式による移送は揚程は多く確保できるが、エアーリフト方式と比較して多くの動力が必要である。この第1のエアーリフトポンプ61は、パイプ状のものであり、ブロワー53からのエアーが導入されて、バブリングを行うことによって、被処理水を移動させることができるものです。また、好気部57には、曝気部をなす散気管46が配置され、この散気管46はブロワー53に接続されている。
上記再曝気槽49から第1脱窒槽41に返送された上記汚泥は微生物を含む微生物汚泥であり、この微生物汚泥は、第1脱窒槽41から、順に、硝化槽43、第2脱窒槽47へ移送され、そして、再び、再曝気槽49に戻る。つまり、上記微生物汚泥は、各槽41、43、47、49を循環することとなる。この各槽を上記微生物汚泥が循環することにより、この各槽の微生物濃度がほぼ同様の濃度で維持される。この各槽41、43、47、49での微生物濃度としては、MLSS(混合液懸濁物質(Mixed Liquor Suspended Solid))で10000ppm以上を維持する。なお、第1脱窒槽41と第2脱窒槽47には、嫌気性の度合いを測定するため、酸化還元電位計(図示せず)が設置されている。
上記第1脱窒槽41内には、アミノエタノールタンク54からのアミノエタノールがアミノエタノールポンプ55により、適当量だけ添加される。この第1脱窒槽41内では、返送汚泥ポンプ50と返送配管L41とによって導入された被処理水中の硝酸性窒素が、嫌気性微生物により、水素供与体メタノールの代替品であるアミノエタノールの存在下で、窒素ガスまで還元処理される。
また、第1脱窒槽41内においては、高濃度窒素排水中の窒素以外の有機物は、嫌気性微生物により、生物学的に分解処理される。
次に、第1脱窒槽41より流出した被処理水は、半嫌気部56を有する硝化槽43の下部に導入される。ここで、嫌気部とは、溶存酸素が全く無い状態であり、好気部とは溶存酸素が数ppm維持されている状態であり、半嫌気部とは溶存酸素が0ppmか、溶存酸素が存在していても0.5ppm程度と定義する。
硝化槽43には、この硝化槽43の上部をなす好気部57と下部をなす半嫌気部56とを分離するための分離壁45が側面内壁に設置されている。この分離壁45は、コンクリートで施工してもよいし、鋼鉄製で製作してもよい。すなわち、この分離壁45の材質は限定しないが、鋼鉄製とした場合には、長期間使用する場合には、腐食防止の塗装をしっかりしておくことが望まれる。
この分離壁45は、硝化槽43の上部をなす好気部57で散気管46から吐出する空気により、水流が発生するが、その水流が下部の半嫌気部56に対して、多少は影響するが、より多くは影響させないことを目的として設置されている。
また、この実施形態では、返送汚泥ポンプ50と返送配管L41とがなす返送部による第1脱窒槽41と再曝気槽49との間の循環システムにおいて、硝化槽43の下部に半嫌気部16を設けた。これにより、第1脱窒槽41で嫌気性微生物によって処理された被処理水と嫌気性微生物とを、半嫌気部56を経て好気部57導入する。これにより、上記処理水と嫌気性微生物を硝化槽43の上部の好気部57に直接に導入する場合に比べて、硝化槽43に移動して来る嫌気性微生物に対するストレスを少なくでき、硝化槽43での窒素処理効率を向上できる。
また、硝化槽43の半嫌気部56と再曝気槽49の半嫌気部58には、特有の微生物が繁殖し、嫌気性微生物、好気性微生物のみならず半嫌気部56,58に繁殖する各種微生物によって被処理水を処理することによって、総合的な処理効率を向上できる。
硝化槽43の好気部57から第2脱窒槽47の下部へ被処理水および好気性微生物が導入される。第2脱窒槽47では、溶存酸素がゆっくりと減少するので、処理水および好気性微生物に対するストレスは少ない。
また、硝化槽43の半嫌気部56や後で説明する再曝気槽49の半嫌気部58で、半嫌気性を維持できる理由としては、半嫌気部56や半嫌気部58内には曝気設備が設置されておらず、曝気されていないことがある。このため、半嫌気部56、58は、上部の好気部57、59からの多少の水流の影響を受けても、半嫌気部の条件である溶存酸素が0ppmか、溶存酸素が存在していても0.5ppm程度となる。
また、硝化槽43の上部をなす好気部57には、微生物を効果的に繁殖させるための充填材としての塩化ビニリデン充填物44が設置され、この塩化ビニリデン充填物44の下方に散気管46が設置されている。この排水処理装置では、試運転から時間の経過とともに塩化ビニリデン充填物44に微生物が繁殖する。この塩化ビニリデン充填物44の表面の微生物濃度は30000ppm以上となり、処理効率の向上につながる。この塩化ビニリデン充填物44の材質は、強固で化学物質に侵されない塩化ビニリデンであり、半永久的に使用できる。この塩化ビニリデン充填物44としては、バイオコード、リングレース、バイオマルチリーフ、バイオモジュール等の商品があるが、排水の性状に合わせて選定すれば良い。
この硝化槽43では、高濃度窒素排水中のアンモニア性窒素が好気性微生物により酸化されて硝酸性窒素や亜硝酸性窒素となる。この硝化槽43の好気部57の塩化ビニリデン充填物44の下方では、ブロワー53で発生した空気が散気管46から吐出している。この散気管46から吐出した空気によって、好気部57で上昇水流が発生し、好気部57が好気性を維持できると同時に空気撹拌される。
また、嫌気部56には、上述の如く、第1のエアーリフトポンプ61が設置されている。この第1のエアーリフトポンプ61は、ブロワー53が吐出する空気が縦に設置された配管61Aの内部を上昇する際に返送汚泥も同時に上昇し移送される。このエアーリフトポンプ61は動力ポンプに比べて少ない揚程しか確保できないが、少ない電力で多量の返送汚泥を第1脱窒槽41に移送することができる。
次に、硝化槽43の被処理水は、この硝化槽43の好気部57の上部に配設された配管を通って、第2脱窒槽47の下部に導入される。この第2脱窒槽47には、撹拌機48が設置されており、被処理水と嫌気性微生物とを撹拌し、被処理水中の硝酸性窒素の窒素ガス反応を促進している。また、この第2脱窒槽47には、アミノエタノールタンク54からアミノエタノールポンプ55によって、水素供与体としてのアミノエタノールが添加される。この水素供与体としてのアミノエタノールが、第2脱窒槽47に添加されることにより、硝酸性窒素が還元されて窒素ガスとなって、空気中に拡散される。このように、硝酸性窒素が窒素ガスとして脱窒処理される際には、水素供与体としてメタノールが添加されることは一般的であるが、この実施形態では、アミノエタノールをメタノールの代替品として使用した。なお、上記アミノエタノールをアミノエタノール廃液としてもよい。この場合、例えば半導体工場から排出されるアミノエタノール廃液を薬品としてのメタノールの代替として水素供与体として利用できるので、資源の有効活用となり、ランニングコストを低減できる。
次に、第2脱窒槽47より流出した処理水は、半嫌気部58を有する再曝気槽49の下部に導入される。この再曝気槽49には、上部(好気部59)と下部(半嫌気部58)とを分離するための分離壁45が側面内壁に設置されている。また、再曝気槽49における半嫌気部58の存在により、第2脱窒槽47で嫌気性微生物によって処理された処理水と嫌気性微生物とを半嫌気部58を経て好気部59に導入することとなるので、嫌気性微生物に対するストレスが少なくなる。したがって、第1脱窒槽41と再曝気槽49との間の返送汚泥ポンプ50と返送配管L41とによる4つの水槽の循環システムにおいて、嫌気性微生物に対するストレスを少なくして嫌気性微生物による微生物処理を促進できる。これに対し、第2脱窒槽47で嫌気性微生物によって処理された処理水と嫌気性微生物とを直接に好気部59に導入する場合は、嫌気性微生物に対するストレスが多くなる。
この再曝気槽49には、第2のエアーリフトポンプ62が設置されている。この第2のエアーリフトポンプ62は、上下に延びる縦配管62Aが再曝気槽49の嫌気部58内に位置しており、この嫌気部58から上記第2脱窒槽47へ処理水を循環させる。第1のエアーリフトポンプ61と同様、この第2のエアーリフトポンプ62の縦配管62Aには、ブロワー53から空気が供給される。
また、第1脱窒槽41において溶存酸素がゆっくりと減少するので、再曝気槽49の嫌気部58から第1脱窒槽41へ移動してくる被処理水と好気性微生物に対するストレスは少ない。また、再曝気槽49の好気部59は、液中膜51と、この液中膜51の下に配置されて液中膜51を空気洗浄する散気管46とを有している。この液中膜51としては、平膜タイプと中空糸状膜の2種類が市販されているがどちらを採用しても良い。
この再曝気槽49では、液中膜51と連結している重力配管63から、重力の作用によって処理水が自然に流れ出てくる。この重力配管63とは、再曝気槽49での水面と重力配管63の下端との水頭差により、処理水を流出させるものである。この重力配管による流出方法は電力を必要としないので、省エネルギー運転が可能となる。また、液中膜51が閉塞して、重力配管63からの吐出量が減少した場合は、液中膜51と配管で連結している液中膜ポンプ52を運転することによって処理水を吐出させて確保できる。また、重力配管63と液中膜ポンプ52に接続した配管との2種類の配管の両方共を同時に働かせて、各々の配管の長所を生かして、処理水を確保するようにしてもよい。なお、上記液中膜51の透過水量が低下した場合(すなわち処理水量が低下した場合)は、液中膜51を次亜塩素酸ソーダ等で洗浄している。
(第5の実施の形態)
次に、図6に、この発明の排水処理装置の第5実施形態を示す。この第5実施形態は、第1脱窒槽41に塩化ビニリデン充填物44−1が充填されている点だけが、前述の第4実施形態と異なる。よって、前述の第4実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略する。
図6に示すように、この第5実施形態は、第1脱窒槽41に充填材として塩化ビニリデン充填物44−1が充填されていることによって、高濃度窒素排水に対する窒素処理効率を向上できる。この第5実施形態の如く、第1脱窒槽41にも塩化ビニリデン充填物44−1を充填することにより、第1脱窒槽41での微生物濃度がより高濃度となるばかりでなく、塩化ビニリデン充填物44に微生物が付着繁殖して、充填物が無い状態に比べて、微生物がより安定化し、窒素の処理能力が向上する。槽41の全体にわたって微生物濃度を高濃度とするには、この塩化ビニリデン充填物44−1を水槽41の全体に配置することが好ましい。この第5実施形態のように、塩化ビニリデン充填物44−1が第1脱窒槽41内に存在することで、嫌気度(酸化還元電位で測定される)が増加し、脱窒反応を促進できる。
(第6の実施の形態)
次に、図7に、この発明の第6実施形態を示す。この第6実施形態は、第1脱窒槽41だけでなく、第2脱窒槽47にも塩化ビニリデン充填物44−1を充填した点が、前述の第5実施形態と異なる。よって、この第6実施形態では、前述の第5実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略する。
図7に示すように、この第6実施形態では、第2脱窒槽47に充填材として塩化ビニリデン充填物44−1が充填されているので、高濃度窒素排水に対する窒素処理効率を向上できる。この第6実施形態では、第2脱窒槽47にも塩化ビニリデン充填物44−1が充填されているので、第2脱窒槽47の微生物濃度がより高濃度となるばかりでなく、塩化ビニリデン充填物44−1に微生物が付着繁殖して、充填物が無い状態に比べて、微生物がより安定化し、窒素の処理能力が向上する。微生物濃度を槽47全体にわたって高濃度とするには、塩化ビニリデン充填物44−1を水槽の全体に配置することが好ましい。この第6実施形態では、第2脱窒槽47に充填材としての塩化ビニリデン充填物44−1が存在するので、嫌気度(酸化還元電位で測定)が増加し、脱窒反応を促進できる。
(第7の実施の形態)
次に、図8に、この発明の第7実施形態を示す。この第7実施形態は、第1脱窒槽41の下部に、高濃度窒素排水と現像廃液とを導入する点が、上述の第4実施形態と異なる。よって、この第7実施形態では、上述の第4実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略する。
この第7実施形態では、第1脱窒槽41の下部に、高濃度窒素排水だけでなく、現像廃液を導入することによって、有機物を含む廃液である現像廃液を処理できる。この有機物を含む廃液である現像廃液としては、たとえば、半導体工場から排出される現像廃液が挙げられる。尚、この現像廃液の主成分はテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドである。
この第7実施形態では、上述の第4実施形態と同様、排水処理における方式として液中膜51を利用しており、微生物濃度を10000ppm以上に上げて嫌気性微生物と好気性微生物の両方で排水処理するので、上記有機物を含む廃液である現像廃液も処理できる。
(第8の実施の形態)
次に、図9に、この発明の第8実施形態を示す。この第8実施形態は、第1脱窒槽41の下部に、高濃度窒素排水とジメチルホルムアミド廃液の両方を導入する点が、上述の第4実施形態と異なる。よって、この第8実施形態では、上述の第4実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略する。
この第8実施形態では、第1脱窒槽41の下部に、高濃度窒素排水だけでなく、ジメチルホルムアミド廃液を導入することによって、有機物を含む廃液である現像廃液を処理できる。この有機物を含む廃液であるジメチルホルムアミド廃液は、たとえば、半導体工場から排出される。
この第8実施形態では、上述の第4実施形態と同様、排水処理における方式として液中膜51を利用しており、微生物濃度を10000ppm以上に上げて嫌気性微生物と好気性微生物の両方で排水処理するので、上記有機物を含む廃液であるジメチルホルムアミド廃液も処理できる。尚、ジメチルホルムアミド廃液に含まれるジメチルホルムアミドは有害物質である。
(第2実験例)
図5に示す第4実施形態の排水処理装置の構成を有する実験装置を製作した。この実験装置における第1脱窒槽41の容量は100リットル、硝化槽43の容量は200リットル、第2脱窒槽47の容量は100リットル、再曝気槽49の容量は100リットルである。
この実験装置において、約2ケ月間にわたる微生物の訓養終了後、微生物濃度を18500ppmとして、工場の生産装置から排水される窒素濃度2640ppmの処理水を採取して、第1脱窒槽41に連続的に導入した。そして、1ケ間が経過し水質が安定するのを待って、処理水の窒素濃度を測定したところ、20ppmであった。
尚、図10Aに、第1脱窒槽41に導入する高濃度窒素排水の窒素濃度が3000ppmの場合での上記第4〜第8実施形態における各槽での滞留時間の一例を示すタイムチャートを示す。また、図10Bに、第1脱窒槽41に導入する高濃度窒素排水の窒素濃度が6000ppmの場合での上記第4〜第8実施形態における各槽での滞留時間の一例を示すタイムチャートを示す。
なお、上記第4〜第8実施形態において、再曝気槽49の下部の半嫌気部58の汚泥を第1脱窒槽41に返送する返送部を備えてもよい。この場合には、再曝気槽49の好気部59の汚泥を第1脱窒槽41に返送する場合に比べて、第1脱窒槽41の嫌気状態を確実に維持し安定化できる。これにより、脱窒性能を高めることができる。
(第9の実施の形態)
次に、図11に、この発明の排水処理装置の第9実施形態を示す。この第9実施形態は、原水槽71と、第1脱窒槽73と、第1硝化槽77と、第2脱窒槽82と、第2硝化槽104と、第3脱窒槽88と、再曝気槽90と、接触酸化槽98と沈殿槽100を備える。
上記原水槽71には、窒素系化合物を含有する高濃度窒素排水が上部から導入される。この原水槽71は、この原水槽71の容量によって程度の差はあるが、排水の水量と水質をある程度調整できる。
この原水槽71に導入された高濃度窒素排水は、原水槽ポンプ72によって、第1脱窒槽73の下部に導入される。この第1脱窒槽73には、アミノエタノールタンク83からのアミノエタノールがアミノエタノールポンプ84によって供給される。
この第1脱窒槽73において、上部に比べて微生物濃度が高濃度となっている下部に上記高濃度窒素排水が導入されることで、毒性のある高濃度窒素排水が微生物に与える刺激を低減できる。なお、この高濃度窒素排水は、例えば、3000ppm程度の窒素系化合物を含有する高濃度窒素排水である。この高濃度窒素排水としては、半導体工場から排出される高濃度アンモニア排水が該当する。
また、この第1脱窒槽73には、生物処理された処理水または生物処理した際発生する汚泥が導入される。この生物処理された処理水または生物処理した際発生する汚泥に含まれるリン、カリウム、カルシウム、マグネシウム等の微量要素が、各槽全ての微生物の活性を促進することによって、微生物処理を促進できる。
また、この第1脱窒槽73には、撹拌機74が設置されている。この撹拌機74によって、嫌気性微生物と高濃度窒素排水を効率良く混合できる。この撹拌機74は、通常の撹拌機に替えて、水中に設置する水中撹拌機としても構わない。また、この第1脱窒槽73には、返送汚泥ポンプ96と返送配管L96とで構成する返送部によって、再曝気槽90からの微生物を含む返送汚泥が返送され、導入される。
上記再曝気槽90は、下部の半嫌気部91と上部の好気部92とを有し、この上部の好気部92には、液中膜93が設置されている。また、この液中膜93の下方には散気管81が配置されている。この散気管81はブロワー97に接続されている。散気管81とブロワー97が曝気部を構成している。この再曝気槽90では、微生物は、上記好気部92の液中膜93によって再曝気槽90内に留まるか、もしくは、返送汚泥ポンプ96によって第1脱窒槽73に返送される。
また、第1のエアーリフトポンプ75は、第1硝化槽77の下部の嫌気部78から第1脱窒槽73へ被処理水を含む微生物汚泥を循環させる。この第1のエアーリフトポンプ75は、ブロワー97から空気が供給されることによって稼動し、多量の返送汚泥を少ない動力で移送することができる。なお、一般のポンプ方式では揚程を多く確保できるものの、エアーリフト方式と比較して多くの動力が必要である。すなわち、上記エアーリフトポンプ75によれば、省エネルギーを達成可能となる。
上記返送部と上記エアーリフトポンプ75から、上記第1脱窒槽73に返送された微生物汚泥は、順次、第1硝化槽77、第2脱窒槽82、第2硝化槽104、第3脱窒槽88を経由して、再び、再曝気槽90に戻り、各槽73,77,82,104,88,90を循環することとなる。各槽を微生物汚泥が循環することにより、各槽の微生物濃度がほぼ同様の濃度で維持される。各槽の微生物濃度としては、MLSS(Mixed Liquor Suspended Solid)で10000ppm以上を維持する。
そして、上記再曝気槽90から第1脱窒槽73に返送された被処理水は、順次、第1硝化槽77、第2脱窒槽82、第2硝化槽104、第3脱窒槽88を経由して、再び、再曝気槽(第3硝化槽ともみなせる)90へ戻る。これにより、上記被処理水は、嫌気性の槽と、好気性の槽を3ステップ以上(第1から第3までの3ステップ)循環することになり、実質的な発生汚泥ゼロが達成される。なお、上記嫌気性の槽とは、第1脱窒槽73,第2脱窒槽82,第3脱窒槽88の3つの槽であり、上記好気性の槽とは、第1硝化槽77,第2硝化槽104,再曝気槽90である。
なお、第1脱窒槽73、第2脱窒槽82、および第3脱窒槽88には、嫌気性の度合いを測定するために、酸化還元電位計(図示せず)が設置されている。
第1脱窒槽73内では、水素供与体メタノールの代替品であるアミノエタノールの存在下で、返送汚泥ポンプ96から導入された被処理水中の硝酸性窒素が、嫌気性微生物によって、窒素ガスまで還元処理される。このアミノエタノールは、アミノエタノールタンク83からアミノエタノールポンプ84により、第1脱窒槽73内に適当量添加される。当然のこととして、水素供与体としては、アミノエタノールに替えてメタノール等の一般的なアルコール類を選定しても良いことは言うまでもない。なお、上記アミノエタノールをアミノエタノール廃液としてもよい。この場合、例えば半導体工場から排出されるアミノエタノール廃液を薬品としてのメタノールの代替として水素供与体として利用できるので、資源の有効活用となり、ランニングコストを低減できる。
また、第1脱窒槽73内においては、高濃度窒素排水中の窒素以外の有機物は、嫌気性微生物によって、生物学的に分解処理される。
次に、第1脱窒槽73より流出した被処理水は、第1硝化槽77の下部の半嫌気部78に導入される。この第1硝化槽77は、下部の半嫌気部78と上部の好気部79を有し、この好気部79には、塩化ビニリデン充填物80とこの塩化ビニリデン充填物80の下方に配置された散気管81とを有する。この散気管81はブロワー97に接続されている。このブロワー97と散気管81とが曝気部を構成している。
ここで、嫌気部とは、溶存酸素が全く無い状態であり、好気部とは溶存酸素が数ppm維持されている状態であり、半嫌気部とは溶存酸素が0ppmか、溶存酸素が存在していても0.5ppm程度と定義する。
第1硝化槽77には、第1硝化槽77の上部(好気部79)と下部(半嫌気部78)を分離するための分離壁76が第1硝化槽77の側面内壁に設置されている。この分離壁76の施工は、コンクリートで施工しても良いし、鋼鉄製で製作しても良い。すなわち、この分離壁76は材質は限定しないが、鋼鉄製とした場合で、長期間使用する場合には、腐蝕のための塗装をしっかりしておくことが望ましい。第1硝化槽77の上部の好気部79で散気管81から吐出する空気によって水流が発生するが、分離壁76の存在によって、この水流が下部の半嫌気部78に対して、多少は影響するものの、多くは影響させないこととなる。
また、この実施形態では、第1脱窒槽73と再曝気槽90との間に形成した返送部(返送汚泥ポンプ96,返送配管L96)による循環システムにおいて、上記第1硝化槽77が下部に半嫌気部78を有する。このことで、第1脱窒槽73で嫌気性微生物によって処理された被処理水と共に移動してくる嫌気性微生物を、直接に(ストレートに)好気部79に導入するのではなく、半嫌気部78を経て好気部79に導入する。これにより、第1脱窒槽73から第1硝化槽77へ移動して来る嫌気性微生物に対する環境ストレスを少なくすることができる。嫌気性微生物に対する環境ストレスが少ないことにより、窒素を処理する際の効率を向上できる。
また、この第1硝化槽77の半嫌気部78に特有の微生物が繁殖し、嫌気性微生物および好気性微生物のみならず、半嫌気部78に繁殖する各種微生物によって被処理水を微生物処理することによって、総合的な処理効率を向上できる。
また、上記第1硝化槽77と同様に、後述する第2硝化槽104,再曝気槽90も、下部に半嫌気部86,半嫌気部91を有している。これらの半嫌気部78、86、91で繁殖する微生物が汚泥の減容化(減量化)に役立つことを発見した。すなわち、この実施形態では、3段階の半嫌気部78,86,91によって、汚泥を格段に減量でき、実質的な汚泥のゼロ化を達成できる。
次に、この第1硝化槽77の好気部79から第2脱窒槽82の下部へ被処理水および好気性微生物が移動してくる。第2脱窒槽82において、溶存酸素がゆっくりと減少するので、上記処理水および好気性微生物に対するストレスは少ない。
上述した第1硝化槽77の半嫌気部78や後述する半嫌気部86,半嫌気部91では、半嫌気部78、半嫌気部86、半嫌気部91内には曝気設備が設置されていないので曝気されていない。そして、上記半嫌気部78、半嫌気部86、半嫌気部91は、上部の好気部79、好気部87、好気部92からの多少の水流の影響を受けて、半嫌気部の条件である溶存酸素が0ppmか、溶存酸素が存在していても0.5ppm程度となり、半嫌気性を維持できることとなる。
また、第1硝化槽77の上部の好気部79には、微生物を効果的に繁殖させるための充填材としての塩化ビニリデン充填物80が設置され、この塩化ビニリデン充填物80の下に散気管81が設置されている。この排水処理装置の試運転から時間の経過とともに塩化ビニリデン充填物80には微生物が繁殖する。塩化ビニリデン充填物80の表面の微生物濃度は30000ppm以上となり、処理効率のアップにつながる。なお、塩化ビニリデン充填物80の材質は、強固で化学物質に侵されない塩化ビニリデンであり、半永久的に使用できる。この塩化ビニリデン充填物80としては、バイオコード、リングレース、バイオマルチリーフ、バイオモジュール等の商品があるが、排水の性状に合わせて選定すれば良い。
この第1硝化槽77では、高濃度窒素排水中のアンモニア性窒素が好気性微生物により酸化されて硝酸性窒素や亜硝酸性窒素となる。また、塩化ビニリデン充填物80の下部には、ブロワー97で発生する空気が散気管81から吐出する。散気管81から吐出した空気によって、好気部79で上昇水流が発生し、好気部79が好気性を維持できると同時に空気撹拌される。
また、この好気部79には、第1のエアーリフトポンプ75が設置されている。この第1のエアーリフトポンプ75は、ブロワー97から吐出する空気が縦に設置された配管75Aの内部を上昇する際に返送汚泥も同時に上昇移送される。このエアーリフトポンプ75は少ない揚程しか確保できないが、少ない電力で多量の返送汚泥を第1硝化槽77から第1脱窒槽73に移送することができる。
次に、第1硝化槽77の好気部79の上部に配設された配管を通って、第1硝化槽77からの被処理水が第2脱窒槽82の下部に導入される。この第2脱窒槽82には、撹拌機74が設置されており、この撹拌機74は処理水と嫌気性微生物とを撹拌し、被処理水中の硝酸性窒素の窒素ガス反応を促進している。また、この第2脱窒槽82には、アミノエタノールタンク83からアミノエタノールポンプ84によって、水素供与体としてのアミノエタノールが添加される。この第2脱窒槽82には、水素供与体としてのアミノエタノールが添加されることにより、硝酸性窒素が還元されて窒素ガスとなって、空気中に拡散される。脱窒槽において、硝酸性窒素が窒素ガスとして脱窒処理される際、水素供与体としてメタノールが添加されることは一般的であるが、この実施形態では、アミノエタノールをメタノールの代替品として使用した。
次に、第2脱窒槽82から流出した被処理水は、第2硝化槽104の下部の半嫌気部86に導入される。この第2硝化槽104には、第2硝化槽104の上部(好気部87)と下部(半嫌気部86)を分離するための分離壁76が第2硝化槽104の側面内壁に設置されている。
第1脱窒槽73と再曝気槽90との間に配置された返送部(返送汚泥ポンプ96,返送配管L96)による6つの水槽の循環システムにおいて、この第2硝化槽104が下部に半嫌気部86を有する。これにより、第2脱窒槽82で嫌気性微生物によって処理された被処理水と共に移動してくる嫌気性微生物を、直接に(ストレートに)好気部87に導入するのではなく、半嫌気部86を経て好気部87に導入することができる。これにより、嫌気性微生物に対するストレスを少なくすることができる。
しかも、上記半嫌気部86を設けたことで、前述の如く、半嫌気部78、半嫌気部86、半嫌気部91の3つの半嫌気部で繁殖する微生物が汚泥の減容量化に役立つことを発見した。そして、上記3つの半嫌気部による3ステップ以上の微生物処理を構築することによって、実質的な汚泥のゼロ化が達成できる。
また、この排水処理装置は、第2硝化槽104の下部の嫌気部86から第2脱窒槽82へ被処理水を循環させる第2エアーリフトポンプ85−1を有する。この第2エアーリフトポンプ85−1は、ブロワー97から吐出する空気が縦配管85−1Aの内部を上昇する際に被処理水に含まれる返送汚泥も同時に移送できる。この第2エアーリフトポンプ85−1は少ない電力でもって多量の返送汚泥を第2硝化槽104から第2脱窒槽82に移送できる。
次に、第2硝化槽104からの処理水は、第2硝化槽104の好気部87の上部に配設された配管を通って、第3脱窒槽88に導入される。この第3脱窒槽88においては、溶存酸素がゆっくりと減少するので、第2硝化槽104の好気部87から第3脱窒槽88へ移動してくる被処理水と好気性微生物に対するストレスは少ない。
この第3脱窒槽88には、撹拌機89が設置されており、この撹拌機89が被処理水と嫌気性微生物とを撹拌し、処理水中の硝酸性窒素の窒素ガス反応を促進している。また、第3脱窒槽88には、アミノエタノールポンプ84によって、アミノエタノールタンク83から水素供与体としてのアミノエタノールが添加される。この水素供与体としてのアミノエタノールが第3脱窒槽88に添加されることにより、硝酸性窒素が還元されて窒素ガスとなり、空気中に拡散される。前述した通り、硝酸性窒素が還元されて窒素ガスとして脱窒処理される際、水素供与体としてメタノールが添加されることは一般的であるが、この実施形態では、メタノールの代替品として、アミノエタノールを使用した。
次に、第3脱窒槽88から流出した処理水は、再曝気槽90の半嫌気部91を有する下部に導入される。この再曝気槽90は、再曝気槽90の上部(好気部92)と下部(半嫌気部91)とを分離するための分離壁76を有する。この分離壁76は、再曝気槽90の側面内壁に設置されている。また、この再曝気槽90に半嫌気部21を設けたことにより、第1硝化槽73、第2硝化槽104に半嫌気部78、86を設けたのと同様の理由で、脱窒槽から導入される嫌気性微生物に対するストレスを少なくすることができる。
また、この再曝気槽90の上部の好気部92には、液中膜93と液中膜93の下方に配置された散気管81とが設置されている。この散気管81はブロワー97に接続され、このブロワー97が吐出する空気が供給される。このブロワー97と散気管81とが曝気部を構成している。上記液中膜93としては、平膜タイプと中空糸状膜の2種類が市販されているがどちらを採用しても良い。
この再曝気槽90での処理水は、液中膜93に連結している重力配管95から、重力の作用により、自然に流れ出てくる。すなわち、この重力配管95では、再曝気槽90内の水面と重力配管95の下端との差(水頭差)を利用しており、処理水を流出させるための電力を必要としないので、省エネルギー運転が可能となる。
また、液中膜93が閉塞して、重力配管95からの吐出量が減少した場合は、液中膜93に配管でもって連結している液中膜ポンプ94を運転することによって処理水を確実に確保できる。また、上記液中膜23に対して、重力方式で処理水を得る重力配管95と電力を使用して強制的に処理水を得る液中膜ポンプ94との両方を接続して、それぞれの長所を生かして処理水を確保することが、安全運転の観点からより好ましい。なお、液中膜93の透過水量が低下した場合すなわち処理水量が減少した場合には、液中膜93を次亜塩素酸ソーダ等で洗浄している。
また、この実施形態では、再曝気槽90の下部の嫌気部91から第3脱窒槽88へ被処理水を循環させる第3エアーリフトポンプ85−2を有する。この第3エアーリフトポンプ85−2は、ブロワー97から吐出する空気が縦配管85−2Aの内部を上昇する際に処理水に含まれる返送汚泥も同時に移送できる。したがって、この第3エアーリフトポンプ85−2は少ない電力でもって多量の返送汚泥を再曝気槽90から第3脱窒槽88に移送できる。
次に、再曝気槽90からの被処理水は、重力配管95または液中膜ポンプ94を経由して、接触酸化槽98に導入される。この接触酸化槽98では、被処理水中に残存している微量の有機物が、かきがら(牡蠣殻)99に発生した生物膜により生物学的に処理される。また、この再曝気槽90では、被処理水のpHが、略6以下に低下している場合は、上記かきがら99が溶け出すことにより、被処理水が中和される。また、この接触酸化槽98には、槽内を曝気するための散気管81が設置されている。この散気管81へは、ブロワー97が吐出する空気が供給される。
次に、接触酸化槽98からの被処理水は、レーキ101を有する沈澱槽100に導入されて、沈殿物としてのカルシウム等のミネラルを含有する汚泥と上澄液とに分離される。この上澄液は河川などに放流されるか、もしくは再度処理されて工場内でリサイクルされる。この沈殿槽100では、かきがら99を有していることから、カルシウム等ミネラルを含有する汚泥が発生する。すなわち、かきがら99は天然のものであり、炭酸カルシウムを主成分として、各種のミネラルから構成されており、かきがら99が酸性の被処理水と接触することによって、成分が溶け出し、最終的にカルシウム等のミネラルを含有する汚泥が発生する。また、この沈殿槽100で、酸性の被処理水が発生する理由は、高濃度窒素排水中の窒素が酸化されて硝酸性窒素を生成し、処理水のpHを下げていることによる。そして、沈澱槽100に沈澱したカルシウム等のミネラルを含有する汚泥はポンプ102によって、ミネラル汚泥配管103内を移動して、原水槽71に導入されて高濃度窒素排水と混合される。
第1脱窒槽73、第1硝化槽77、第2脱窒槽82、第2硝化槽104、第3脱窒槽88、再曝気槽90の各槽において、微生物濃度を高濃度に維持して、生物にとって毒性物質である高濃度窒素排水を処理する場合、カルシウム等のミネラルが被処理水に含まれていると、微生物がより活性化して処理が効率よくできることとなる。
(第10の実施の形態)
次に、図12に、この発明の排水処理装置の第10実施形態を示す。この第10実施形態では、第1脱窒槽73Nに充填材として塩化ビニリデン充填物180が充填され、第2脱窒槽82Nに充填材として塩化ビニリデン充填物181が充填され、第3脱窒槽88Nに充填材として塩化ビニリデン充填物182が充填されている。この他の点は、この第10実施形態は、前述の第9実施形態と同様である。よって、この第10実施形態は、第9実施形態と同じ部分については同じ符号を付けて詳細な説明を省略する。
この第10実施形態では、第1脱窒槽73N、第2脱窒槽82N、第3脱窒槽88Nに、充填物として塩化ビニリデン充填物180、181、182を充填した。これにより、第1脱窒槽73N、第2脱窒槽82N、第3脱窒槽88Nでの各微生物濃度を高くできる。したがって、この第10実施形態では、槽全体を平均すると、上記充填物がない場合に比べて、微生物濃度が高濃度となる。その上、塩化ビニリデン充填物180〜182に微生物が付着し繁殖して、上記充填物がない場合に比べて、微生物がより安定化し窒素の処理能力を向上できる。
なお、上記塩化ビニリデン充填物180〜182は、水槽73N,82N,88Nの全体に配置することによって、それぞれの槽の全体に微生物が高濃度に繁殖することになり、好ましい。この塩化ビニリデン充填物180〜182が存在する場合には、上記充填物が無い場合に比べて、各槽において、酸化還元電位で測定される嫌気度がより増加し、脱窒反応を促進できる。
(第11の実施の形態)
次に、この発明の排水処理装置の第11実施形態を図13に示す。この第11実施形態では、原水槽71に高濃度窒素排水と現像廃液との両方が導入される点が、前述の第9実施形態と異なる。よって、この第11実施形態では、上述の第9実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて、詳細説明を省略する。
この第11実施形態では、第9実施形態と同様に、高濃度窒素排水を処理可能であるが、再曝気槽90の好気部92に配置した液中膜93を利用して、微生物濃度を10000ppm以上に上げて嫌気性微生物と好気性微生物の両方で高濃度窒素排水を処理する。したがって、この第11実施形態では、上記高濃度に繁殖した嫌気性微生物と好気性微生物の両方でもって、他の有機物を含有する現像廃液をも処理できる。この現像廃液としては、例えば、有機物の廃液である半導体工場から排出される現像廃液が該当する。なお、この現像廃液の主成分はテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドである。
この第11実施形態によれば、2種類の排水を1つの排水処理装置で処理できることから、イニシャルコストやランニングコストを低減できる。
(第12の実施の形態)
次に、図14に、この発明の排水処理装置の第12実施形態を示す。この第12実施形態は、原水槽71に、高濃度窒素排水とジメチルホルムアミド廃液の両方が導入される点が、前述の第9実施形態と異なる。よって、この第12実施形態では、上述の第12実施形態と同じ部分については、同じ符号を付けて詳細説明を省略する。
この第12実施形態では、第9実施形態と同様に、高濃度窒素排水を処理可能であるが、再曝気槽90の好気部92に配置した液中膜93を利用して、微生物濃度を10000ppm以上に上げて嫌気性微生物と好気性微生物の両方で高濃度窒素排水を処理する。したがって、この第12実施形態では、上記高濃度に繁殖した嫌気性微生物と好気性微生物の両方でもって、他の有機物を含有する廃液をも処理できる。すなわち、この第12実施形態では、例えば、有機物の廃液である半導体工場から排出されるジメチルホルムアミド廃液も処理できることとなる。
この第12実施形態では、上述の如く、微生物濃度を10000ppm以上としているので、上記ジメチルホルムアミド廃液に含まれる有害物質であるジメチルホルムアミドを処理できる。この第12実施形態のように、2種類の排水を1つの排水処理装置で処理することによって、イニシャルコストとランニングコストを低減できる。
(第3実験例)
図11に示す第9実施形態の排水処理装置の構成を有する実験装置を製作した。この実験装置における原水槽71の容量は50リットル、第1脱窒槽73、第2脱窒槽82、第3脱窒槽88の容量は、それぞれ100リットルとした。また、第1硝化槽77、第2硝化槽104、再曝気槽90の容量は、それぞれ200リットルとした。また、接触酸化槽98の容量は200リットルとし、沈澱槽100の容量は50リットルとした。
この実験装置において、約2ケ月間にわたる微生物の訓養終了後、微生物濃度を18600ppmとして、工場の生産装置から排水される窒素濃度2660ppmの処理水を採取して、原水槽71に連続的に導入した。そして、1ケ間が経過し水質が安定するのを待って、処理水の窒素濃度を測定したところ、15ppmであった。
尚、図15に、原水槽71に導入する高濃度窒素排水の窒素濃度が3000ppmの場合での上記第9〜第12実施形態における各槽での滞留時間の一例を示すタイムチャートを示す。また、図16に、原水槽71に導入する高濃度窒素排水の窒素濃度が6000ppmの場合での上記第9〜第12実施形態における各槽での滞留時間の一例を示すタイムチャートを示す。
なお、上記第9〜第12実施形態において、上記再曝気槽90の下部の半嫌気部91から上記第1脱窒槽73に汚泥を返送する返送部を有してもよい。この場合には、再曝気槽90の好気部92の汚泥を第1脱窒槽73に返送する場合に比べて、第1脱窒槽73の嫌気状態を安定化できる。これにより、脱窒性能を高めることができる。
この発明の排水処理装置の第1実施形態を模式的に示す図である。 この発明の排水処理装置の第2実施形態を模式的に示す図である。 この発明の排水処理装置の第3実施形態を模式的に示す図である。 上記第1〜第3実施形態におけるタイムチャートの一例(窒素濃度3000ppmの場合)である。 上記第1〜第3実施形態におけるタイムチャートの一例(窒素濃度6000ppmの場合)である。 この発明の排水処理装置の第4実施形態を模式的に示す図である。 この発明の排水処理装置の第5実施形態を模式的に示す図である。 この発明の排水処理装置の第6実施形態を模式的に示す図である。 この発明の排水処理装置の第7実施形態を模式的に示す図である。 この発明の排水処理装置の第8実施形態を模式的に示す図である。 上記第4〜第8実施形態におけるタイムチャートの一例(窒素濃度3000ppmの場合)である。 上記第4〜第8実施形態におけるタイムチャートの一例(窒素濃度6000ppmの場合)である。 この発明の排水処理装置の第9実施形態を模式的に示す図である。 この発明の排水処理装置の第10実施形態を模式的に示す図である。 この発明の排水処理装置の第11実施形態を模式的に示す図である。 この発明の排水処理装置の第12実施形態を模式的に示す図である。 上記第9〜第12実施形態におけるタイムチャートの一例(窒素濃度3000ppmの場合)である。 上記第9〜第12実施形態におけるタイムチャートの一例(窒素濃度6000ppmの場合)である。
符号の説明
1、41、73、73N 第1脱窒槽
2、42、74 撹拌機
3、43 硝化槽
4、44、80、180、181、182 塩化ビニリデン充填物
5、45、76 分離壁
6、46、81 散気管
7、47、82、82N 第2脱窒槽
8、48、74、89 撹拌機
9、49、90 再曝気槽
10、10A、10B、50、96 返送汚泥ポンプ
11、51、93 液中膜
12、52、94 液中膜ポンプ
13、53、97 ブロワー
14 メタノールタンク
15 メタノールポンプ
16、18、56、58、78、86、91 半嫌気部
17、19、57、59、79、87、92 好気部
20a〜20c バルブ
L1〜L3、L41 返送配管
54、83 アミノエタノールタンク
61、75 第1のエアーリフトポンプ
62 第2のエアーリフトポンプ
63、95 重力配管
71 原水槽
72 原水槽ポンプ
77 第1硝化槽
85−1 第2エアーリフトポンプ
85−2 第3エアーリフトポンプ
88、88N 第3脱窒槽
L96 返送配管
98 接触酸化槽
100 沈殿槽
104 第2硝化槽

Claims (27)

  1. 窒素系化合物を含有する窒素排水が導入されると共に、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウムのうちの少なくとも1つ以上が添加され、かつ、水素供与体が添加される第1脱窒槽と、
    下部の半嫌気部と上部の好気部とを有すると共に上記第1脱窒槽からの処理水が上記半嫌気部に導入される硝化槽と、
    上記硝化槽からの処理水が導入されると共に水素供与体が添加される第2脱窒槽と、
    下部の半嫌気部と上部の好気部とを有すると共に上記第2脱窒槽からの処理水が上記半嫌気部に導入される再曝気槽とを備え、
    上記第1脱窒槽と硝化槽と第2脱窒槽と再曝気槽における処理水の微生物濃度を10000ppm以上としたことを特徴とする排水処理装置。
  2. 窒素系化合物を含有する窒素排水に、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウムのうちの少なくとも1つ以上と、水素供与体とを添加して、上記窒素排水を脱窒処理する第1脱窒工程と、
    上記脱窒処理された処理水を半嫌気部と好気部とで順に処理する硝化工程と、
    上記硝化工程後の処理水に水素供与体を添加して脱窒処理する第2脱窒工程と、
    上記第2脱窒工程後の処理水を半嫌気部と好気部とで順に処理する再曝気工程とを備え、
    上記各工程における処理水の微生物濃度を10000ppm以上とすることを特徴とする排水処理方法。
  3. 請求項1に記載の排水処理装置において、
    上記再曝気槽は、上記上部の好気部が液中膜を有することを特徴とする排水処理装置。
  4. 請求項1に記載の排水処理装置において、
    上記硝化槽は、上記上部の好気部が塩化ビニリデン充填物を有することを特徴とする排水処理装置。
  5. 請求項1に記載の排水処理装置において、
    上記硝化槽は上記上部の好気部が塩化ビニリデン充填物を有し、
    上記再曝気槽は上記上部の好気部が液中膜を有することを特徴とする排水処理装置。
  6. 請求項5に記載の排水処理装置において、
    上記再曝気槽から上記第1脱窒槽に微生物汚泥を返送する返送部を有することを特徴とする排水処理装置。
  7. 請求項6に記載の排水処理装置において、
    上記返送部は、
    上記第1脱窒槽に単位時間に流入する上記窒素排水の流量の2倍以上の流量の微生物汚泥を上記再曝気槽から上記第1脱窒槽に返送することを特徴とする排水処理装置。
  8. 請求項5に記載の排水処理装置において、
    上記硝化槽は、2種類以上の塩化ビニリデン充填物を有することを特徴とする排水処理装置。
  9. 請求項4に記載の排水処理装置において、
    合弁浄化槽の処理水または生活汚泥を、上記第1脱窒槽に導入することで、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウムのうちの少なくとも1つ以上を上記第1脱窒槽に添加することを特徴とする排水処理装置。
  10. 窒素系化合物を含有する窒素排水が導入されると共に水素供与体が添加される第1脱窒槽と、
    下部の半嫌気部と上部の好気部とを有すると共に上記第1脱窒槽からの処理水が上記半嫌気部に導入される硝化槽と、
    上記硝化槽からの処理水が導入されると共に水素供与体が添加される第2脱窒槽と、
    下部の半嫌気部と上部の好気部とを有すると共に上記第2脱窒槽からの処理水が上記半嫌気部に導入される再曝気槽と、
    上記硝化槽から上記第1脱窒槽へ処理水を循環させる第1のエアーリフトポンプと、
    上記再曝気槽から上記第2脱窒槽へ処理水を循環させる第2のエアーリフトポンプとを備えたことを特徴とする排水処理装置。
  11. 窒素系化合物を含有する窒素排水に水素供与体を添加して、上記窒素排水を第1脱窒槽で脱窒処理する第1脱窒工程と、
    上記脱窒処理された処理水を硝化槽の半嫌気部と好気部とで順に処理する硝化工程と、
    上記硝化工程後の処理水に水素供与体を添加して第2脱窒槽で脱窒処理する第2脱窒工程と、
    上記第2脱窒工程後の処理水を再曝気槽の半嫌気部と好気部とで順に処理する再曝気工程とを備え、
    上記硝化工程を行う硝化槽から上記第1脱窒槽へ処理水をエアーリフトポンプによって循環させ、
    上記再曝気槽から上記第2脱窒槽に処理水をエアーリフトポンプによって循環させることを特徴とする排水処理方法。
  12. 請求項11に記載の排水処理方法において、
    上記第1脱窒槽に、生物処理された処理水または生物処理された処理汚泥の少なくとも一方を添加することを特徴とする排水処理方法。
  13. 請求項11に記載の排水処理方法において、
    上記第1および第2脱窒槽に、水素供与体としてのアミノエタノール廃液を添加することを特徴とする排水処理方法。
  14. 請求項10に記載の排水処理装置において、
    上記再曝気槽が有する上記上部の好気部が液中膜を有し、
    上記液中膜に接続されると共に上記液中膜からの処理水を流出させるポンプ方式の配管と水頭差を利用する重力配管とを備えたことを特徴とする排水処理装置。
  15. 請求項10に記載の排水処理装置において、
    上記第1脱窒槽と上記硝化槽および上記第2脱窒槽に塩化ビニリデン充填物を充填したことを特徴とする排水処理装置。
  16. 請求項10に記載の排水処理装置において、
    上記再曝気槽の下部の半嫌気部の汚泥を上記第1脱窒槽に返送する返送部を備えたことを特徴とする排水処理装置。
  17. 請求項11に記載の排水処理方法において、
    上記第1脱窒槽に、上記窒素排水と共に現像廃液を導入することを特徴とする排水処理方法。
  18. 請求項11に記載の排水処理方法において、
    上記第1脱窒槽に、上記窒素排水と共にジメチルホルムアミド廃液を導入することを特徴とする排水処理方法。
  19. 窒素系化合物を含有する窒素排水が導入される原水槽と、
    上記原水槽からの上記排水が導入されると共に水素供与体が添加される第1脱窒槽と、
    下部の半嫌気部と上部の好気部とを有すると共に上記第1脱窒槽からの処理水が上記半嫌気部に導入される第1硝化槽と、
    上記第1硝化槽からの処理水が導入されると共に水素供与体が添加される第2脱窒槽と、
    下部の半嫌気部と上部の好気部とを有すると共に上記第2脱窒槽からの処理水が上記半嫌気部に導入される第2硝化槽と、
    上記第2硝化槽からの処理水が導入されると共に水素供与体が添加される第3脱窒槽と、
    下部の半嫌気部と上部の好気部とを有すると共に上記第3脱窒槽からの処理水が上記半嫌気部に導入される再曝気槽と、
    上記再曝気槽からの処理水が導入される接触酸化槽と、
    上記接触酸化槽からの処理水が導入される沈殿槽と、
    上記第1硝化槽から上記第1脱窒槽へ処理水を循環させる第1のエアーリフトポンプと、
    上記第2硝化槽から上記第2脱窒槽へ処理水を循環させる第2のエアーリフトポンプと、
    上記再曝気槽から上記第3脱窒槽へ処理水を循環させる第3のエアーリフトポンプと、
    上記沈殿槽からのカルシウム等のミネラルを含有する汚泥を上記原水槽に返送する返送部とを備えたことを特徴とする排水処理装置。
  20. 窒素系化合物を含有する窒素排水を原水槽から水素供与体が添加される第1脱窒槽に導入して脱窒処理する第1脱窒工程と、
    上記脱窒処理された処理水を第1硝化槽の半嫌気部と好気部とで順に処理する第1硝化工程と、
    上記第1硝化工程後の処理水に水素供与体を添加して第2脱窒槽で脱窒処理する第2脱窒工程と、
    上記第2脱窒工程後の処理水を第2硝化槽の半嫌気部と好気部とで順に処理する第2硝化工程と、
    上記第2硝化工程後の処理水を再曝気槽の半嫌気部と好気部とで順に処理する再曝気工程と、
    上記再曝気工程後の処理水を接触酸化槽で処理する接触酸化工程と、
    上記接触酸化工程後の処理水を沈殿槽に導入する沈殿工程とを備え、
    上記第1硝化工程を行う第1硝化槽から上記第1脱窒槽へ処理水を第1のエアーリフトポンプによって循環させ、
    上記第2硝化槽から第2脱窒槽へ処理水を第2のエアーリフトポンプによって循環させ、
    上記再曝気槽から第3脱窒槽へ処理水を第3のエアーリフトポンプによって循環させ、
    上記沈殿槽からのカルシウム等のミネラルを含有する汚泥を上記原水槽に返送することを特徴とする排水処理方法。
  21. 請求項20に記載の排水処理方法において、
    上記第1脱窒槽に、生物処理された処理水または生物処理された汚泥の少なくとも一方を添加することを特徴とする排水処理方法。
  22. 請求項20に記載の排水処理方法において、
    上記第1脱窒槽と第2脱窒槽および第3脱窒槽にアミノエタノール廃液を添加することを特徴とする排水処理方法。
  23. 請求項19に記載の排水処理装置において、
    上記再曝気槽は、上部の好気部に液中膜を有し、
    この再曝気槽の好気部の液中膜から上記接触酸化槽へ導入する配管部は、ポンプ方式の配管と重力式の配管とを有することを特徴とする排水処理装置。
  24. 請求項19に記載の排水処理装置において、
    上記第1乃至第3脱窒槽のうちの少なくとも1つに充填された塩化ビニリデン充填物、または、第1および第2硝化槽のうちの少なくとも1つに充填された塩化ビニリデン充填物のうちの少なくとも一方を有することを特徴とする排水処理装置。
  25. 請求項19に記載の排水処理装置において、
    上記再曝気槽の下部の半嫌気部から上記第1脱窒槽に汚泥を返送する返送部を有することを特徴とする排水処理装置。
  26. 請求項20に記載の排水処理方法において、
    上記窒素排水と現像廃液とを上記原水槽に導入することを特徴とする排水処理方法。
  27. 請求項20に記載の排水処理方法において、
    上記窒素排水とジメチルホルムアミド廃液とを上記原水槽に導入することを特徴とする排水処理方法。
JP2005048552A 2005-02-24 2005-02-24 排水処理装置および排水処理方法 Expired - Fee Related JP4490848B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005048552A JP4490848B2 (ja) 2005-02-24 2005-02-24 排水処理装置および排水処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005048552A JP4490848B2 (ja) 2005-02-24 2005-02-24 排水処理装置および排水処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006231184A JP2006231184A (ja) 2006-09-07
JP4490848B2 true JP4490848B2 (ja) 2010-06-30

Family

ID=37039413

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005048552A Expired - Fee Related JP4490848B2 (ja) 2005-02-24 2005-02-24 排水処理装置および排水処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4490848B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4490908B2 (ja) * 2005-03-17 2010-06-30 シャープ株式会社 排水処理装置
CN107698025B (zh) * 2017-11-08 2023-06-02 中机国际工程设计研究院有限责任公司 一体化污水脱氮除磷装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000000596A (ja) * 1998-06-16 2000-01-07 Sharp Corp 排水処理方法および排水処理装置
JP2002136992A (ja) * 2000-11-07 2002-05-14 Sharp Corp 中和方法および中和装置
JP2002224504A (ja) * 2001-01-31 2002-08-13 Sharp Corp 排水処理装置および排水処理方法
JP2003136087A (ja) * 2001-11-06 2003-05-13 Sharp Corp 排水処理方法および排水処理装置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61138595A (ja) * 1984-12-10 1986-06-26 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 廃水処理装置
JP2564080B2 (ja) * 1992-10-29 1996-12-18 シャープ株式会社 排水処理方法および排水処理装置
JP3335500B2 (ja) * 1994-08-03 2002-10-15 シャープ株式会社 排水処理装置および排水処理方法
JP3244404B2 (ja) * 1995-08-16 2002-01-07 シャープ株式会社 水処理方法および水処理装置
JP3302227B2 (ja) * 1995-09-06 2002-07-15 シャープ株式会社 排水処理装置および排水処理方法
JP3332722B2 (ja) * 1996-05-28 2002-10-07 シャープ株式会社 有機排水処理方法および有機排水処理装置
JPH11156391A (ja) * 1997-11-28 1999-06-15 Mitsubishi Heavy Ind Ltd エタノールアミン含有排水の処理方法
JPH11156392A (ja) * 1997-12-01 1999-06-15 Mitsubishi Heavy Ind Ltd エタノールアミン含有排水の処理方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000000596A (ja) * 1998-06-16 2000-01-07 Sharp Corp 排水処理方法および排水処理装置
JP2002136992A (ja) * 2000-11-07 2002-05-14 Sharp Corp 中和方法および中和装置
JP2002224504A (ja) * 2001-01-31 2002-08-13 Sharp Corp 排水処理装置および排水処理方法
JP2003136087A (ja) * 2001-11-06 2003-05-13 Sharp Corp 排水処理方法および排水処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006231184A (ja) 2006-09-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7691268B2 (en) Waste gas/wastewater treatment equipment and method of treating waste gas/wastewater
KR100709932B1 (ko) 배수처리장치 및 배수처리방법
JP4212588B2 (ja) 排水処理装置および排水処理方法
KR0149621B1 (ko) 호기성 및 혐기성 미생물을 이용하고 배기가스 처리를 행할 수 있는 폐수처리장치 및 폐수처리방법
US7575684B2 (en) Waste water treatment apparatus and waste water treatment method
CN106396270A (zh) 一种高浓度制药废水处理***及处理方法
CN203307175U (zh) 一种膜生物反应器联合高级氧化法焦化废水深度处理装置
JP4782576B2 (ja) 排水処理装置
CN105110553B (zh) 一种高浓度淀粉废水的处理方法
KR20100078401A (ko) 가축분뇨를 함유하는 폐수의 처리 장치, 이의 처리방법 및 액비 생산 방법
CN109205954A (zh) 微电解催化氧化、生化处理高浓度废水工艺
KR20080101035A (ko) 오·폐수 고도 처리장치 및 처리방법
CN205740644U (zh) 一种垃圾焚烧厂渗滤液达标排放处理***
CN109836010A (zh) 一种部分亚硝化-厌氧氨氧化脱氮装置及其处理方法
JP4409532B2 (ja) 畜産廃水及び糞尿等のような高濃度の窒素を含む汚廃水の処理装置及びその処理方法
JP2006289343A (ja) 排水処理方法および排水処理装置
JP2006289153A (ja) 汚水浄化方法及び装置
JP4490848B2 (ja) 排水処理装置および排水処理方法
CN102390905B (zh) 微污染有机污水深度处理装置及其处理方法
CN104803547B (zh) 一种cow‑dm高化学稳定性难生物降解的污水处理方法
CN205528260U (zh) 一种污水处理***
CN205328795U (zh) 湿纺腈纶生产聚合废水处理***
KR20100046936A (ko) 복합탈질시스템
US7713410B2 (en) Wastewater treatment apparatus
KR100869304B1 (ko) 하·폐수 고도 처리장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070302

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100315

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100330

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100402

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130409

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4490848

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130409

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees