JP4484305B2 - 熱収縮性多層フィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バージン材で得たフイルムの透明性及びミシン目切れ性に優れ、さらにバージン材にリターン材混入して得たフイルムの透明性及びミシン目切れ性にも優れた熱収縮性多層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、容器の収縮包装や収縮ラベルとして用いられる熱収縮性フィルムとしては、熱収縮性や収縮後の仕上がりがよく、廃棄の際にもポリ塩化ビニルのような有害物質の問題がない点から、スチレン−ブタジエン系ブロック共重合体フィルムが用いられている。しかし、このフィルムは柔らかく腰がない、自然収縮が大きいといった問題があり、これらの欠点を改良すべく各種多層フィルムが提案されている(特開平9−114380号公報、特開平11−77916号公報)。
一方、実際のフィルム製膜は、得られたフィルムの端や良品が得られるまでにできた不要フィルムをリターン材としてバージン材と混ぜて行うのが通常である。しかしながら、上記の各種多層フィルムは、リターン材をバージン材と混合した際に白濁してしまい、フィルムとして使用できないという問題がある。
また、熱収縮性フィルムの一つの用途として、飲料などを充填したPETボトルを被覆した熱収縮性ラベルがあるが、最近、廃棄物処理の観点から、PETボトルと分別しやすいように、ラベルにミシン目を入れPETボトルから除去し易いようにする場合がある。しかしながら、上記のフィルムは、このミシン目に沿って切れない、即ちミシン目切れ性に劣るため、PETボトルから分別できないという問題点を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような状況を踏まえ、バージン材で得たフイルムの透明性及びミシン目切れ性に優れ、さらにバージン材にリターン材混入して得たフイルムの透明性及びミシン目切れ性にも優れた熱収縮性多層フィルムを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる目的を果たすべく鋭意研究を重ねた結果、ゴム状弾性体の存在下で、スチレン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体を主成分とした単量体混合物を重合して得られる重合体で、ゴム状弾性体として、スチレン−ブタジエンブロック共重合体のスチレンブロック部分が特定の分子量を有し、かつその分子量分布曲線のピーク部の分子量が特定の範囲にあるスチレン−ブタジエンブロック共重合体を用い、そのゴム状弾性体が単量体混合物でグラフトされた分散粒子の粒子径が特定の範囲にあるゴム変性スチレン系重合体と、特定の組成比からなるスチレン系単量体と共役ジエンのブロック共重合体とを特定の配合でした組成物を多層フィルムの少なくとも1層として形成させることにより、バージン材で得たフイルムの透明性及びミシン目切れ性に優れ、さらにリターン材混入したフイルムの透明性とミシン目切れ性にも優れた多層フィルムが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち本発明は、下記の(a)ゴム変性スチレン系重合体と、(b)共役ジエン含有量が40〜70質量%であるスチレン系単量体と共役ジエンのブロック共重合体とからなる組成物であり、かつ(a)/(b)が質量比で60/40〜99.5/0.5であるA成分で形成された少なくとも1層と、
(I)スチレン系単量体と共役ジエンからなるブロック共重合体、(II)スチレン系重合体、並びに(III)スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸エステルからなる共重合体より選ばれた少なくとも1種以上の重合体を主体とするB成分で形成された少なくとも1層を有する熱収縮性多層フィルムである。
なお、(a)ゴム変性スチレン系重合体とは、ゴム状弾性体が
(i)スチレン30〜50質量%とブタジエン70〜50質量%からなるスチレン−ブタジエンブロック共重合体であり、(ii)該スチレン−ブタジエンブロック共重合体のスチレンブロック部分の重量平均分子量(Mw)が60,000〜75,000であり、(iii)該スチレン−ブタジエンブロック共重合体のスチレンブロック部分の分子量分布曲線のピーク部の分子量(Mp)が68,000〜74,000の範囲の条件を満足するゴム状の重合体であり、かつこのゴム状弾性体の存在下に、スチレン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、及び必要に応じてこれらと共重合可能な他の単量体からなる単量体混合物を重合して得られる重合体であって、該重合体はゴム状弾性体1〜15質量部と、スチレン系単量体単位35〜75質量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位65〜25質量%及びこれらと共重合可能な他の単量体単位0〜20質量%からなる全単量体単位99〜85質量部(但し、ゴム状弾性体と全単量体単位の合計量を100質量部とする。)とからなり、かつゴム状弾性体が単量体混合物の一部によりグラフト化されて、単量体混合物からなる共重合体の連続相中に粒子状に分散しており、該分散粒子の体積平均粒子径が0.2〜0.8μmであるゴム変性されたスチレン系重合体である。
【0006】
さらに、(a)ゴム変性スチレン系重合体には、ゴム状弾性体として
(i)スチレン30〜50質量%とブタジエン70〜50質量%からなるスチレン−ブタジエンブロック共重合体であり、(ii)該スチレン−ブタジエンブロック共重合体のスチレンブロック部分の重量平均分子量(Mw)が60,000〜75,000であり、(iii)該スチレン−ブタジエンブロック共重合体のスチレンブロック部分の分子量分布曲線のピーク部の分子量(Mp)が68,000〜74,000の範囲の条件を満足するゴム状の重合体を用い、かつ該ゴム状弾性体1〜15質量部の存在下に、スチレン系単量体35〜75質量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体65〜25質量%及びこれらと共重合可能な他の単量体0〜20質量%からなる単量体混合物99〜85質量部(但し、ゴム状弾性体と全単量体混合物の合計量を100質量部とする。)を該単量体混合物の転化率で80質量%以上共重合させて得られる重合体であって、該重合体がゴム状弾性体1〜15質量部と、スチレン系単量体単位35〜75質量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位65〜25質量%、及びこれらと共重合可能な他の単量体単位0〜20質量%からなる全単量体単位99〜85質量部(但し、ゴム状弾性体と全単量体単位の合計量を100質量部とする。)とからなり、かつゴム状弾性体が単量体混合物により一部グラフト化されて単量体混合物からなる共重合体の連続相中に粒子状に分散しており、該分散粒子の体積平均粒子径が0.2〜0.8μmであるゴム変性されたスチレン系重合体を用いることである。
【0007】
特に、表裏層が(a)ゴム変性スチレン系重合体と、(b)スチレン系単量体と共役ジエンのブロック共重合体とからなるA成分で形成され、中間層が(I)スチレン系単量体と共役ジエンからなるブロック共重合体、(II)スチレン系重合体、並びに(III)スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸エステルからなる共重合体より選ばれた少なくとも1種以上の重合体を主体とするB成分で形成された熱収縮性多層フィルムである。
また、逆に表裏層が(I)スチレン系単量体と共役ジエンからなるブロック共重合体、(II)スチレン系重合体、並びに(III)スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸エステルからなる共重合体より選ばれた少なくとも1種以上の重合体を主体とするB成分で形成され、中間層が、上記の(a)ゴム変性スチレン系重合体と(b)スチレン系単量体と共役ジエンのブロック共重合体からなるA成分で形成された熱収縮性多層フィルムである。
【0008】
また、A成分の(a)ゴム変性スチレン系重合体として、ゴム状弾性体の存在下で重合する単量体混合物のスチレン系単量体がスチレン及びメタアクリル酸エステル系単量体がメチルメタクリレートである単量体を重合して得られる重合体、又はスチレン系単量体がスチレン及びメタアクリル酸エステル系単量体がメチルメタクリレートとn−ブチルアクリレートである単量体を重合して得られる重合体を用いることが特に好ましい熱収縮性多層フィルムである。
【0009】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明でA成分の一つとして使用される(a)ゴム変性スチレン系重合体は、ゴム状弾性体としてスチレン−ブタジエンブロック共重合体を用いて製造する。そして、スチレン−ブタジエンブロック共重合体のスチレンとブタジエンの質量比が30〜50:70〜50であることがゴム変性スチレン系重合体の良好な透明性を得るために必要である。また、スチレン−ブタジエンブロック共重合体はスチレンブロック部分の重量平均分子量(Mw)が60,000〜75,000の範囲にあることも必要である。Mwが60,000未満であると、得られるゴム変性スチレン系重合体の透明性が劣り、75,000を越えると衝撃強度が劣る。さらに、スチレン−ブタジエンブロック共重合体のスチレンブロック部分の分子量分布曲線のピーク部の分子量(Mp)が68,000〜74,000の範囲にあることが必要である。Mpが68,000未満であると透明性が劣り、74,000を越えるとやはりゴム変性スチレン系重合体の耐衝撃強度が劣るものとなる。
【0010】
なお、本発明のゴム変性スチレン系重合体に用いるスチレン−ブタジエンブロック共重合体のスチレンブロック部分の重量平均分子量(Mw)、及び分子量分布曲線のピーク部の分子量(Mp)は、スチレン−ブタジエンブロック共重合体をオスミウム酸で分解して得られるスチレンブロック部分を、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定によって得られた分子量分布曲線を、分子量既知の標準ポリスチレンの分子量を比較対照して算出した値をいう。Mpは分子量分布曲線のピーク値である。なお具体的な手順は後述する。
なお、ここでの分子量分布曲線は縦軸に頻度分率を横軸に分子量をもって整理した分子量分布をさす。
【0011】
本発明のゴム変性スチレン系重合体に用いるスチレン−ブタジエンブロック共重合体は、有機溶剤中で有機リチウム化合物を開始剤としてスチレンとブタジエンを特定の条件下で重合することによって得られる。有機溶剤としてはブタン、ペンタン、ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン、イソオクタンなどの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素あるいはベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレンなどの芳香族炭化水素など公知の有機溶剤が使用できる。また、有機リチウム化合物は分子中に1個以上のリチウム原子が結合した化合物であり、例えばエチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウムなどが使用できる。そして、スチレン−ブタジエンブロック共重合体のスチレンブロック部分の重量平均分子量(Mw)及びピーク値の分子量(Mp)は、スチレンとブタジエンの添加量に対する開始剤の添加量割合を調整することにより制御される。
【0012】
本発明に用いるゴム変性スチレン系重合体は、ゴム状弾性体が1〜15質量部含まれる(但し、ゴム状弾性体と、スチレン系単量体単位、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位、及び必要に応じて用いるこれらと共重合可能な他の単量体単位からなる全単量体単位の合計量を100質量部とする。)。ゴム状弾性体が1質量部未満では優れた衝撃強度を得ることができず、15質量部を越えると透明性、成形性が低下し好ましくない。また、該重合体中にゴム状弾性体が分散相を形成して存在する。このとき、ゴム状弾性体はスチレン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、及びこれらと共重合可能な他の単量体の単量体混合物の一部によってグラフト化されるため、分散相としてはこのグラフト化されたゴム状弾性体が主体であり、元のゴム状弾性体が混在する場合もある。
【0013】
本発明に用いるゴム変性スチレン系重合体を構成する粒子状の分散相(以下、分散粒子という)はその体積平均粒子径を0.2〜0.8μmとする。さらに好ましくは0.4〜0.7μmである。
分散粒子の体積平均粒子径が0.2μm未満では衝撃強度が劣り、0.8μmを越えると透明性が劣る。特に押出成形により得られるシートやフィルムではその傾向が顕著に現れる。なお、分散粒子の体積平均粒子径は主にゴム変性スチレン系重合体の製造時の剪断力で制御する。具体的には、塊状重合、溶液重合時の撹拌数の調整により制御する。
【0014】
つぎに、本発明に用いられるゴム変性スチレン系重合体で使用されるスチレン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル単量体、及びこれらと共重合可能な他の単量体について説明する。
スチレン系単量体とは、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレンなどをあげることができるが、好ましくはスチレンである。これらスチレン系単量体は、単独で用いてもよいが二種以上を併用してもよい。一方(メタ)アクリル酸エステル系単量体とは、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−メチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレートなどがあげられるが、好ましくはメチルメタクリレートまたはn−ブチルアクリレートである。これらの(メタ)アクリル酸エステル系単量体は単独で用いてもよいが二種以上を併用してもよい。メチルメタクリレートとn−ブチルアクリレートの併用は好適な例である。
【0015】
これらと共重合可能な他の単量体としては、アクリロニトリルなどのシアン化ビニル系単量体、アクリル酸、メタクリル酸などアクリル酸系単量体、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸などの不飽和ジカルボン酸若しくはその無水物、エチレン、プロピレンなどのオレフイン系炭化水素、ビニルエーテルなどがあげられる。
【0016】
本発明に用いるゴム変性スチレン系重合体の全単量体単位は、スチレン系単量体単位35〜75質量%、好ましくは42〜59質量%と、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位65〜25質量%、好ましくは58〜41質量%と、これらと共重合可能な他の単量体単位0〜20質量%からなる。スチレン系単量体単位と(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位の質量比が35〜75:65〜25の範囲外では、ゴム変性スチレン系重合体の透明性が低下する。なお、これらの単量体からなる共重合体は連続相を形成し、この連続相中に前記分散粒子がほぼ均一に分布して存在する。
【0017】
本発明に用いるゴム変性スチレン系重合体の好ましい実施態様としては、前記のゴム状弾性体1〜15質量部の存在下に、スチレン系単量体35〜75質量%、好ましくは42〜59質量%と、(メタ)アクリル酸エステル系単量体65〜25質量%、好ましくは58〜41質量%、所望によりこれらと共重合可能な他の単量体0〜20質量%からなる単量体混合物99〜85部(但し、ゴム状弾性体と単量体混合物の合計量は100質量部とする。)を転化率で80質量%以上、好ましくは90質量%以上、とくに好ましくは95質量%以上共重合させることにより好適なゴム変性スチレン系重合体が得られる。スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル系単量体の質量比が35〜75:65〜25の範囲外では、ゴム変性スチレン系重合体の透明性が低下しやすい。また、単量体の転化率が80質量%未満では目的とするゴム変性スチレン系重合体が得られ難くなるばかりでなく、コスト的にも不利となる。なお、これらの単量体からなる共重合体は連続相を形成し、この連続相中に前記分散粒子がほぼ均一に分布して存在する。
【0018】
本発明に用いるゴム変性スチレン系重合体は、スチレン系重合体の製法で常用されている塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法などが用いられる。また、回分式重合法、連続式重合法のいずれの方法も用いることができる。
【0019】
これらの重合法は、重合開始剤としてアゾビスブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリルなどのアゾ化合物や、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、エチル−3,3−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブチレートなどの有機過酸化物を用いることができる。また、分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、4−メチル−2,4−ジフェニルペンテン−1を、可塑剤としてブチルベンジルフタレートやジイソブチルアジペートなどを必要に応じて添加してもよい。
【0020】
つぎに、本発明のA成分のもう一つとして用いられる(b)スチレン系単量体と共役ジエンからなるブロック共重合体について説明する。
ブロック共重合体の共役ジエンの含有量が、40〜70質量%であることが必要である。この範囲外では、(a)のゴム変性スチレン系共重合体と組成物を成すA成分の透明性が、リターン材を混合しなくても悪く実用に供せない。
【0021】
なお、(b)スチレン系単量体と共役ジエンからなるブロック共重合体は、スチレン系単量体と共役ジエンを用いて、前記のゴム状弾性体のスチレン−ブタジエンブロック共重合体で詳述したと同様の有機溶媒、開始剤を用いて重合することによって得られる。
【0022】
使用されるスチレン系単量体としては、前記のゴム変性スチレン系重合体で述べたと同様のものがあげられる。また、使用される共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどであるが、特に一般的なものとしては、1,3−ブタジエン、イソプレンがあげられる。
【0023】
使用されるブロック共重合体の構造や組成などに特に制限はない。全体の構造としては線状の共重合体、星形の共重合体があげられる。線状の共重合体の分子量を上げたり、星形にするために公知のカップリング剤を使用することができる。また、ブロック共重合体を構成する各ブロック部分の構造もスチレン系単量体、あるいは共役ジエン単量体の単独ブロック、両者のテーパードブロック、ランダムブロックのどれでも良い。テーパードブロックやランダムブロック部分を形成するために、公知のランダム化剤を用いたり、両者を重合缶に連続フィードしたり、交互に少量ずつ添加しても良い。
【0024】
本発明のA成分を構成する(a)ゴム変性スチレン系共重合体と(b)スチレン系単量体と共役ジエンのブロック共重合体の配合割合は、質量比で(a)/(b)=60/40〜99.5/0.5であり、好ましくは70/30〜99/1であり、さらに好ましくは75/25〜98/2である。(a)の割合が60質量%未満ではミシン目切れ性が劣り、99.5質量%以上ではミシン目切れ性とリターン材混入時の透明性が劣り、実用に供せない。
【0025】
(a)と(b)の混合方法は特に規定はないが、例えばヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、Vブレンダーなどでドライブレンドしてもよく、さらに押出機で溶融化してペレット化しても良い。
【0026】
つぎに、本発明のB成分として用いられる(I)スチレン系単量体と共役ジエンからなるブロック共重合体、(II)スチレン系重合体、並びに(III)スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸エステルからなる共重合体について説明する。
本発明の(I)スチレン系単量体と共役ジエンからなるブロック共重合体は、スチレン系単量体と共役ジエンを、前述のスチレン−ブタジエンブロック共重合体(ゴム状弾性体)や(b)のスチレン系単量体と共役ジエンのブロック共重合体と同様の有機溶媒、開始剤を用いて重合することによって得られる。
【0027】
使用されるスチレン系単量体としては、前記の(a)ゴム変性スチレン系重合体や(b)スチレン系単量体と共役ジエンのブロック共重合体で述べたと同様のものがあげられる。また、使用される共役ジエンとしては、(b)スチレン系単量体と共役ジエンのブロック共重合体で述べたと同様のものがあげられる。
【0028】
使用されるブロック共重合体の構造や組成などに特に制限のないことも、前記の(b)スチレン系単量体と共役ジエンのブロック共重合体と同様である。
【0029】
つぎに、本発明に用いられる(II)スチレン系重合体としては、前記のゴム変性スチレン系共重合体で述べたと同様のスチレン系単量体の単独重合体または二種以上の共重合体、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、前述のゴム変性ポリスチレン以外のゴム変性ポリスチレンがあげられる。
【0030】
また、本発明に用いられる(III)スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸エステルからなる共重合体は、前記のゴム変性スチレン系共重合体で述べたと同様のスチレン系単量体と(メタ)アクリル酸エステル及び/又は(メタ)アクリル酸を重合することによって得られる。(メタ)アクリル酸としては、アクリル酸、メタアクリル酸があげられる。
【0031】
本発明において、(I)スチレン系単量体と共役ジエンからなるブロック共重合体、(II)スチレン系重合体、(III)スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸エステルからなる共重合体は、それぞれ単独で多層フィルムの層を形成しても良いし、二種以上の混合物で使用して多層フィルムの層を形成しても良い。混合する際は、A成分の場合と同様の方法を用いることができる。
【0032】
また、本発明に用いる各(共)重合体には、必要に応じて、酸化防止剤、耐候剤、滑剤、可塑剤、粘着付与剤、着色剤、帯電防止剤、鉱油、難燃化剤、フィラーなどの添加剤を本発明の効果を阻害しない範囲で配合しても良い。添加剤を配合する方法については、特に規定はないが、たとえばヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、Vブレンダーなどでドライブレンドしても良く、さらに押出機で溶融してペレット化しても良い。あるいは、各重合体の製造時、重合開始前、重合反応途中、重合体の後処理などの段階で、添加しても良い。
【0033】
本発明の熱収縮性多層フィルムは、表裏層用、中間層用に上記の樹脂を各々押出機で溶融し、それをダイ内又はフイードブロックなどで多層化後、一軸、二軸あるいは多軸に延伸することによって得られる。ダイは、Tダイ、環状ダイなど公知のものが使用できる。一軸延伸の例としては、押し出されたシートをテンターで押し出し方向と直交する方向に延伸する方法、押し出されたチューブ状フィルムを円周方向に延伸する方法などがあげられる。二軸延伸の例としては、押し出されたシートをロールで押し出し方向に延伸した後、テンターなどで押し出し方向と直交する方向に延伸する方法、押し出されたチューブ状フィルムを押し出し方向及び円周方向に同時または別々に延伸する方法などがあげられる。
【0034】
本発明において、延伸温度は60〜120℃が好ましい。60℃未満では延伸時にシートやフィルムが破断してしまい、また、120℃を越える場合は良好な収縮特性が得られないため好ましくない。延伸倍率は、特に制限はないが、1.5〜8倍が好ましい。1.5倍未満では熱収縮性が不足してしまい、また、8倍を越える場合は延伸が難しいため好ましくない。これらのフィルムを熱収縮性ラベルや包装材料として使用する場合、熱収縮率は温度80℃において20%以上必要である。20%未満では収縮時に高温が必要となるため、被覆される物品に悪影響を与えてしまい好ましくない。フィルムの厚さは10〜300μmが好適である。
【0035】
また、本発明は、本発明の熱収縮性多層フィルムのリターン材を、A成分及び/又はB成分のバージン材に混入して得た熱収縮性多層フィルムは、透明性及びミシン目切れ性に優れた熱収縮性多層フィルムを形成するものである。
この混合割合は、特に限定されるものではないが、好ましくはA成分及び/又はB成分のバージン材に50質量%以下(但し、0質量%は含まず)混合することが透明性、ミシン目切れ性から望まれる。
【0036】
また、本発明では、得られたフィルムの表面特性を良好にするために帯電防止剤や滑剤などを表面に塗布してもよい。
【0037】
本発明の熱収縮性フィルムの用途としては、熱収縮性ラベル、熱収縮性キャップシールなどが特に好適であるが、その他、包装フィルムなどにも適宜利用することができる。
【0038】
【実施例】
次に実施例をもって本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0039】
(イ)原料重合体について
A成分:(a)ゴム変性スチレン系重合体
ゴム変性スチレン系重合体P1及びP2〜P5の製法
表1に示すゴム状弾性体(スチレン−ブタジエンブロック共重合体)、及びスチレン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体の単量体混合物を用いた。すなわち、容量150Lのオートクレーブ中にスチレン58.5kg、メチルメタクリレート(MMAと以下略す)36.0kg及びn−ブチルアクリレート(n−BAと以下略す)5.5kgの単量体混合物に、ゴム状弾性体としてスチレン−ブタジエン共重合体A(スチレン含量40質量%、スチレンブロック部分のMw=62,500、Mp=68,600)を6.0kg溶解し、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド40g、連鎖移動剤としてt−ドデシルメルカプタン200gを添加し、直径220mmの5段パドル翼にて回転数230rpmで撹拌しながら温度90℃で8時間加熱した後、冷却して塊状重合を停止した。
次いで容量250Lのオートクレーブ中に該反応混合液50kg、新たに重合開始剤としてジクミルパーオキサイドを100gを添加した。純水100kgにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.5g、第三リン酸カルシウム250gを懸濁安定剤として添加し、直径500mmのファウドラー翼にて回転数150rpmで撹拌しながら混合液を分散させた。そしてこの混合液を温度100℃で2時間、115℃で3.5時間、130℃で2.5時間加熱重合させた。
反応終了後、洗浄、脱水ならびに乾燥してビーズ状のゴム変性スチレン系重合体P1を得た。得られたゴム変性スチレン系重合体の組成を表2に示した。
【0040】
また、P2〜P5は、ゴム状弾性体として、表1に示すスチレン−ブタジエンブロック共重合体を用い、スチレン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体として、スチレン、及びMMA、n−BAを同表に示す仕込み量とした以外は、P1の製法と同様に操作し、ゴム変性スチレン系重合体を得た。得られたゴム変性スチレン系重合体の組成を表2に示した。
【0041】
【表1】
Figure 0004484305
【0042】
【表2】
Figure 0004484305
【0043】
各組成値の測定方法は次の通りである。
(1)ゴム状弾性体(スチレン−ブタジエンブロック共重合体)のスチレンブロック部分の重量平均分子量(Mw)、及び分子量分布曲線のピーク分子量(Mp)。
手順a;スチレン−ブタジエンブロック共重合体約100mgを四塩化炭素20mlに溶解する。
手順b;還流器を備えたガラス製容器に、前記手順aで得た溶液、蒸留水9.5ml、1質量%四酸化オスミウム/クロロホルム溶液4ml、及び触媒として69質量%のt−ブチルハイドロパーオキサイド水溶液28mlを加えて温度90℃に昇温し、還流させる。
手順c;還流開始30分後、温度35℃に冷却し、メタノール200mlを添加してポリスチレン成分(スチレンブロック部分)を析出させる。
手順d;前記手順cで得たポリスチン成分(スチレンブロック部分)を濾別し、分離されたポリスチレン成分をTHFに溶解してGPC測定用試料とする。
手順e;GPC測定条件
測定機種:日立製作所社製L−5030
溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
カラム:東ソー社製 TSK Gurdcolumn MP、6.0mmφ×4.0cm、TSK GEL MULTIPORE HKL−Mを1本、7.8mmφ×30cmを2本
カラム温度:40℃
流速:1.0ml/min
試料濃度:1g/l
試料液量:0.1ml
検出器:UV
【0044】
上記条件により先ず標準ポリスチレンのGPCを測定し、そのピーク位置の保持容量を求め、分子量と保持容量の相関値を検量線として作成する。次いで試験試料のGPCを測定し、そのクロマトグラムのピーク位置の保持容量に相当する分子量(Mp)を前記検量線から求める。また、試料について得られたGPCからMwを求める。計算には付設のデータ処理装置(日立製作所社製SIC480)を用いた。
【0045】
(2)ゴム変性スチレン系重合体の連続相の構成単位の割合:ゴム変性スチレン系重合体をトルエンに溶解後、遠心分離を行い、上澄み液を分取しこれにメタノールを加えて不溶化させた樹脂分を沈殿、ろ別、乾燥したものを試験試料とし、NMRを用いてスチレン系単量体単位及び(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位の質量比を測定した。
(3)ゴム変性スチレン系重合体中のゴム状弾性体の含有量:ゴム変性ポリスチレンで一般的に用いられている赤外吸収スペクトル法で、960cm-1、910cm-1における吸光度を測定して求めた。
(4)分散粒子の体積平均粒子径:ゴム変性スチレン系重合体0.5gをジメチルホルムアミド100gに溶解し、コールターカウンター(日科機社製、LS−230)を用いて測定した。
【0046】
A成分:(b)スチレン系単量体と共役ジエンのブロック共重合体
表3に示すとおりのスチレン−ブタジエンブロック共重合体、及びスチレン−イソプレンブロック共重合体を用いた。
【0047】
【表3】
Figure 0004484305
【0048】
B成分: 表4に示すとおりの(I)、(II)、(III)を用いた。すなわち、(I)スチレン系単量体と共役ジエンからなるブロック共重合体としてR1:スチレンーブタジエンブロック共重合体、
(II)スチレン系重合体としてR2:ポリスチレン及びR3:HIPS、
(III)スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸エステルからなる共重合体としてR4:スチレン−n-ブチルアクリレート共重合体及びR5:スチレン−アクリル酸共重合体を用いた。
【0049】
【表4】
Figure 0004484305
【0050】
(ロ)フイルムの製造
A成分として表2に示した(a)ゴム変性スチレン系重合体、及び表3に示した(b)ブロック共重合体、並びにB成分として表4に示した重合体を用いて熱収縮性多層フィルムを作成した。表5〜表7に各層の原料重合体の配合量(質量部)、層比(%)、及び物性を示した。なお、フィルムは、先ず各層に対応する樹脂又は樹脂組成物を別々に押出機で溶融し、Tダイ内で多層化し、厚さ0.3mmのシートを成形した。
また、得られた多層シートの一部をペレット化し(このペレットをリターン材という)、中間層を構成する成分に30質量%混合し、上記と同様の方法でシートを作成した。その後、東洋製作所社製の二軸延伸装置を用い、温度90℃で5倍に横一軸延伸することによって作成した。
さらに、得られた多層フィルムの延伸方向(TD方向)に直角な方向(MD方向)に、1mmピッチでミシン目を2本(2本の間隔1cm)入れた。
これらのフィルムは全て、温度80℃で20%以上の熱収縮率を示した。
なお、熱収縮率は後記する方法で測定した。
【0051】
なお、フィルムの各物性は下記の方法によった。
(1)曇度:日本電色工業製HAZEメーター(NDH−1001DP型)を用いて測定した。
(2)熱収縮率:80℃の温水中に30秒間浸漬し、次式より算出した。
熱収縮率(%)={(L1−L2)/L1}×100、
但し、L1:浸漬前の長さ(延伸方向)、L2:80℃の温水中に30秒間浸漬した収縮後の長さ(延伸方向)
(3)ミシン目切れ性:上記のフィルムの延伸方向が、PETボトルの円周方向と一致するように筒状に丸め、両端を溶剤でシールした。次いで、このフィルムをPETボトルに緩い状態で被覆し、85℃で10秒間収縮させ、PETボトルに密着させた。その後、ミシン目に沿って、指で引っ張り、ミシン目通りに切れたものを「良好」、途中でミシン目から外れたものを「不良」とした。
【0052】
表5〜表7に示した物性より、本発明のフィルムは、リターン材混入時の透明性、ミシン目切れ性に優れることがわかる。
【0053】
【表5】
Figure 0004484305
【0054】
【表6】
Figure 0004484305
【0055】
【表7】
Figure 0004484305
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、バージン材で得たフイルムの透明性及びミシン目切れ性に優れ、さらにバージン材にリターン材混入して得たフイルムの透明性及びミシン目切れ性にも優れた熱収縮性多層フィルムを提供することができる。本フイルムは、各種物品の包装に用いたり、印刷を施してラベルとして用いることが出来る。

Claims (4)

  1. 下記の(a)ゴム変性スチレン系重合体と、(b)共役ジエン含有量が40〜70質量%であるスチレン系単量体と共役ジエンのブロック共重合体とからなる組成物であり、かつ(a)/(b)が質量比で60/40〜99.5/0.5であるA成分を表裏層とし、(I)スチレン系単量体と共役ジエンからなるブロック共重合体、(II)スチレン系重合体、並びに(III)スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸及び/又は(メタ)アクリル酸エステルからなる共重合体より選ばれた少なくとも1種以上の重合体を主体とするB成分を中間層とすることを特徴とする熱収縮性多層フィルム。
    (a)ゴム変性スチレン系重合体とは、ゴム状弾性体が(i)スチレン30〜50質量%とブタジエン70〜50質量%からなるスチレン−ブタジエンブロック共重合体であり、(ii)該スチレン−ブタジエンブロック共重合体のスチレンブロック部分の重量平均分子量(Mw)が60,000〜75,000であり、(iii)該スチレン−ブタジエンブロック共重合体のスチレンブロック部分の分子量分布曲線のピーク部の分子量(Mp)が68,000〜74,000の範囲の条件を満足するゴム状の重合体であり、かつこのゴム状弾性体の存在下に、スチレン系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、及び必要に応じてこれらと共重合可能な他の単量体からなる単量体混合物を重合して得られる重合体であって、該重合体はゴム状弾性体1〜15質量部と、スチレン系単量体単位35〜75質量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体単位65〜25質量%及びこれらと共重合可能な他の単量体単位0〜20質量%からなる全単量体単位99〜85質量部(但し、ゴム状弾性体と全単量体単位の合計量を100質量部とする。)とからなり、かつゴム状弾性体が単量体混合物の一部によりグラフト化されて、単量体混合物からなる共重合体の連続相中に粒子状に分散しており、該分散粒子の体積平均粒子径が0.2〜0.8μmであるゴム変性されたスチレン系重合体。
  2. A成分の(a)ゴム変性スチレン系重合体が、ゴム状弾性体として(i)スチレン30〜50質量%とブタジエン70〜50質量%からなるスチレン−ブタジエンブロック共重合体であり、(ii)該スチレン−ブタジエンブロック共重合体のスチレンブロック部分の重量平均分子量(Mw)が60,000〜75,000であり、(iii)該スチレン−ブタジエンブロック共重合体のスチレンブロック部分の分子量分布曲線のピーク部の分子量(Mp)が68,000〜74,000の範囲の条件を満足するゴム状の重合体を用い、かつ該ゴム状弾性体1〜15質量部の存在下に、スチレン系単量体35〜75質量%、(メタ)アクリル酸エステル系単量体65〜25質量%及びこれらと共重合可能な他の単量体0〜20質量%からなる単量体混合物99〜85質量部(但し、ゴム状弾性体と単量体混合物の合計量を100質量部とする。)を該単量体混合物の転化率で80質量%以上共重合させて得られる重合体であることを特徴とする請求項1記載の熱収縮性多層フィルム。
  3. A成分の(a)ゴム変性スチレン系重合体が、ゴム状弾性体の存在下でスチレン系単量体がスチレン及びメタアクリル酸エステル系単量体がメチルメタクリレートである単量体混合物を重合して得られる重合体、又はスチレン系単量体がスチレン及びメタアクリル酸エステル系単量体がメチルメタクリレートとn−ブチルアクリレートである単量体混合物を重合して得られる重合体であることを特徴とする請求項1又は2記載の熱収縮性多層フィルム。
  4. 請求項1乃至3記載の熱収縮性多層フィルムのリターン材をA成分及び/又はB成分のバージン材に50質量%以下(但し、0質量%は含まず)混合しなること特徴とする熱収縮性多層フィルム。
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