図8は、本発明の出願人が先に開発したSDDIフォーマットである。SDDI(シリアルディジタルデータインターフェース)フォーマットは、本発明の出願人が独自に開発したものである。図11に示したSDI(シリアルディジタルインターフェース)フォーマットと比較して、有効画像信号領域におけるディジタルデータを伝送するのみならず、SDDIは、原画像情報の他に、圧縮符号化された画像情報や音声情報、あるいは制御情報などをも伝送する。
図8において、先頭部分には、EAV(エンドオブアクティブビデオ)が設けられる。EAVの次には補助信号領域が設けられる。補助信号領域の次にはSAV(スタートオブアクティブビデオ)が設けられる。SAV及びEAVは、それぞれ16進数信号の(3FF,000,000,XYZ)h の各ワードにより構成されている。EAV、補助信号領域及びSAVは、走査線数525本/60フィールド方式では276ワードからなり、走査線数625本/50フィールド方式では288ワードからなる。
SAVの次にはペイロード領域84が設けられる。ペイロード領域84に圧縮された画像信号が設けられる。画像信号は、映像信号を高能率圧縮符号化処理したディジタルデータである。ペイロード領域の後端部にはCRCC(サイクリックリダンダンシーチェックコード)0、CRCC1が設けられる。
CRCC0、CRCC1は、以下のようなものである。通信回線を通して伝送される情報フレームに対して、ある割算を行った結果として得られる剰予項を付加して送信する。受信端で受信信号に対して同様の演算を行って得られる剰予項を、送られてきた剰予項と突き合わせることによって、伝送誤りをチェックする。この割算には生成多項式を用いる。
ペイロード領域84及びCRCC0、CRCC1、86は、走査線数525本/60フィールド方式及び走査線数625本/50フィールド方式において共に1440ワードからなる。
従って、EAV80、補助信号領域81及びSAV82にペイロード領域84及びCRCC0、CRCC1、86を加えた領域は、走査線数525本/60フィールド方式では1716ワードからなり、走査線数625本/50フィールド方式では1728ワードからなる。
ここで、特に、この例においては、補助信号領域81の先頭部分にヘッダー領域83を設ける。ヘッダー領域83は送信元識別符号を有し、53ワードからなる。
ペイロード領域の次にはタイミング基準信号EAV85が付加される。EAV85は、16進数信号の(3FF,000,000,XYZ)h の各ワードにより構成されている。このSAV82及びEAV80、85は、水平方向のブランキング期間に挿入される。
図9は、本発明の出願人が先に開発したSDDIフォーマットのヘッダー領域を示す図である。先頭のADF(アンシラリーデータフラグ)90は16進数信号の(000,3FF,3FF)h の3ワードからなる。ADF90は、補助信号のパケットの開始を示す符号である。データID91は、補助信号の中身を示す。例えば、ディジタルオーディオデータ、タイムコード、エラー検出コード、などである。
ブロックナンバー92は、データパケットの連続性を検出するものである。この例では、8ビットのカウントアップを行い、0〜255までの連続性を検出することができる。データカウント93は、補助信号の中のユーザーデータのワード数をカウントするものである。
ラインナンバー0、ラインナンバー1、94は、1〜525の走査線数を示す。
CRCC0、CRCC1、95は、ADF90からデータID91、ブロックナンバー92、データカウント93及びラインナンバー0、ラインナンバー1、94までの誤りを検出する誤り検出符号である。
デスティネーションアドレス96は、データの送り先のアドレスを示す。ソースアドレス97は、データの送り元のアドレスを示す。ソースアドレス97は、送信元識別符号である。ソースアドレス97は、例えば、出荷時に各機器にユニークな個別符号を付加する。ソースアドレス97は、この例においては、16ワードのデータ領域からなり、128ビットのデータ数により構成される。
したがって受信端では、この送信元識別符号を見ることによってその情報がどの機器から送られてきたかを知ることができる。さらに、送信元識別符号は各機器に固有の符号が付与されているので、途中で信号が切り換えられたときには、送信元識別符号も変わってしまう。そこで、受信端で送信元識別符号を抽出し、その変化を検出すれば、信号切り換えを検出することができる。
ブロックタイプ98は、ペイロード領域84のブロックタイプを示す。CRCフラグ99は、ペイロード領域84の後端部に設けられたCRCC0、CRCC1、86が有効かどうかを示すフラグである。データスタートポジション100は、ペイロード領域84の開始点を示すものである。リザーブ0、リザーブ1、リザーブ2、リザーブ3、101は、予備に設けられている。
CRCC0、CRCC1、102は、デスティネーションアドレス96からソースアドレス97、ブロックタイプ98、CRCフラグ99、データスタートポジション100、リザーブ0、リザーブ1、リザーブ2、リザーブ3、101までの誤りを検出する誤り検出符号である。チェックサム103は、データID91から・・・CRCC0、CRCC1、102までのデータの各桁の合計から転送誤りを検出する。
図10は、本発明の出願人が先に開発したSDDIフォーマットのビデオ機器におけるビデオ信号出力部のブロック図である。図10において、図示しない送信側から伝送ケーブルを介して伝送された信号はBNCコネクタ110に供給される。BNCコネクタ110に供給された受信シリアル信号116はシリアル/パラレル変換回路111に供給される。
シリアル/パラレル変換回路111は、270[Mbps]で伝送された受信シリアル信号を波形等化し、シリアルクロックを再生し、スクランブルドNRZIによりチャンネル符号を復号する。さらにシリアル/パラレル変換回路111は、タイミング基準信号(EAV/SAV)を検出してワード同期を再生し、受信シリアル信号を10ビットパラレル信号117に変換する。
10ビットパラレル信号117の一方は画像情報復号回路113、音声情報復号回路114及び制御情報受信回路115に供給される。画像情報復号回路113は10ビットパラレル信号117から圧縮符号化された画像信号を抽出して、この画像信号を復元して再生画像信号119を出力する。音声情報復号回路114は10ビットパラレル信号117から圧縮符号化された音声信号を抽出して、この音声信号を復元して再生音声信号120を出力する。制御情報受信回路115は10ビットパラレル信号117から制御情報を抽出して、これに基づいて制御信号130を出力する。
10ビットパラレル信号117の他方はヘッダー処理回路112に供給される。ヘッダー処理回路112はSDDIフォーマットのヘッダー領域83の信号の処理を行う。ヘッダー領域83の信号の処理は、送信元識別符号及び信号切り換え検出信号118などの各種信号の出力処理である。ヘッダー処理回路112で信号処理を施されたヘッダー領域83の信号は画像情報復号回路113、音声情報復号回路114及び制御情報受信回路115に供給される。
ここで、ヘッダー処理回路112で信号処理を施されたヘッダー領域83の信号は送信元識別符号及び信号切り換え検出信号118である。送信元識別符号とは、図9に示したソースアドレス97である。
図10に示したヘッダー処理回路の構成及び動作の例を図1〜図7に詳細に示す。図1は、本発明による送信元識別装置及び送信元識別方法の一実施例のライン単位で信号切換えを検出する構成を示すブロック図である。この例では、SDDIフォーマットの送信信号に付加されたヘッダー領域83の送信元を表す送信元識別符号を受信側でライン単位で検出し、送信元識別符号が変化したときに送信元が切り換わったことを検出する。
図1において、10ビットパラレル信号6は図10に示したシリアル/パラレル変換回路111からヘッダー処理回路112に供給される信号である。10ビットパラレル信号6の一方はヘッダー検出回路1に供給される。ヘッダー検出回路1は、SDDIフォーマットのヘッダー領域83の開始を示す固定パターンである16進数信号の(000,3FF,3FF,140,101)h を検出して、ヘッダー検出パルス7をタイミング発生回路2に供給する。
図3は、本発明による送信元識別装置及び送信元識別方法の一実施例のヘッダー検出回路の回路図である。第1段の10ビット入力のアンド回路30にインバーター30−1,30−2,30−3,30−4,30−5,30−6,30−7,30−8,30−9,30−10を介して2進数信号の(0000000000)2 、つまり16進数信号の(000)h が供給されたときに、フリップフロップ30−11,30−12,30−13,30−14,30−15を5段経た後に5入力のアンド回路34に検出信号が供給される。
第2段の10ビット入力のアンド回路31に2進数信号の(1111111111)2 、つまり16進数信号の(3FF)h が供給されたときに、フリップフロップ31−1,31−2,31−3,31−4を3段及び4段経た後に5入力のアンド回路34に検出信号が供給される。
第3段の10ビット入力のアンド回路32にインバーター32−1,32−2,32−3,32−4,32−5,32−6,32−7,32−8を介して2進数信号の(0101000000)2 、つまり16進数信号の(140)h が供給されたときに、フリップフロップ32−9,32−10を2段経た後に5入力のアンド回路34に検出信号が供給される。
第4段の10ビット入力のアンド回路33にインバーター33−1,33−2,33−3,33−4,33−5,33−6,33−7,33−8を介して2進数信号の(010000001)2 、つまり16進数信号の(101)h が供給されたときに、フリップフロップ33−9を1段経た後に5入力のアンド回路34に検出信号が供給される。
このようにして、SDDIフォーマットのヘッダーの開始を示す固定パターンである16進数信号の(000,3FF,3FF,140,101)h が供給されたときに5入力のアンド回路34からヘッダー検出パルス7が出力される。
図1に戻って、ヘッダー検出回路で検出されたヘッダー検出パルスは、タイミング発生回路2に供給される。タイミング発生回路2は、例えばカウンターで構成される。タイミング発生回路2は、ヘッダー検出パルスをカウンターがカウントすることにより、送信元識別符号ラッチパルス及びSDDIフォーマットのヘッダー内の各種情報をラッチするタイミングパルスを発生する。
10ビットパラレル信号6の他方が送信元識別符号抽出回路3に供給されると共に、送信元識別符号ラッチパルス8が送信元識別符号抽出回路3に供給される。送信元識別符号抽出回路3は、例えばラッチで構成される。送信元識別符号抽出回路3は、送信元識別符号ラッチパルス8をクロックとして、そのときに供給された10ビットパラレル信号6のデータをラッチする。これにより送信元識別符号抽出回路3は、16ワード128ビットの送信元識別符号9をラッチする。送信元識別符号抽出回路3は、送信元識別符号抽出手段を構成する。
ラッチされた送信元識別符号9は、図示しない機器本体に供給され、信号送信元機器の判別や表示などに使用される。また、送信元識別符号9は、前送信元識別符号保持回路4に供給されると共に、送信元識別符号比較回路5に供給される。前送信元識別符号保持回路4は、例えばラッチで構成される。前送信元識別符号保持回路4は、送信元識別符号ラッチパルス8をクロックとして、送信元識別符号抽出回路3がラッチしていた1ライン前の前送信元識別符号10をラッチする。前送信元識別符号保持回路4は、送信元識別符号変化検出手段を構成する。
送信元識別符号比較回路5は、送信元識別符号抽出回路3がラッチしていた1ライン前の前送信元識別符号10と新たに送信元識別符号抽出回路3がラッチした送信元識別符号9とを比較する。
図4は、本発明による送信元識別装置及び送信元識別方法の一実施例の送信元識別符号比較回路の回路図である。図4において、16ワード128ビットの送信元識別符号9及び前送信元識別符号10とがそれぞれ128個のイクスクルーシブオア回路40−1,40−2,40−3,・・・40−128に供給される。128個のイクスクルーシブオア回路40−1,40−2,40−3,・・・40−128の出力が128入力のオア回路40に供給される。
これにより、送信元識別符号比較回路5は、送信元識別符号9と前送信元識別符号10とが一致していないときに、信号が切り換えられたものと判断して、信号切換検出信号11を出力する。送信元識別符号比較回路5は、送信信号切り替え検出手段を構成する。
図6は、本発明による送信元識別装置及び送信元識別方法の一実施例のライン単位で信切換えを検出する動作を示すタイミングチャートである。図6において、図6Aは10ビットパラレル信号、図6Bはヘッダー検出パルス、図6Cは送信元識別符号ラッチパルス、図6Dは送信元識別符号、図6Eは前送信元識別符号、図6Fは信号切換え検出信号をそれぞれ示す。以下に、信号の切り換えを検出する動作を示す。
図6Aにおいて、波線の信号切り換え部分61で10ビットパラレル信号が信号#1から信号#2に切り換えられる。10ビットパラレル信号の斜線部分はSDDIフォーマットのヘッダー60である。ヘッダー60は、1ライン毎に送られてくる。10ビットパラレル信号は、図1において示したように、ヘッダー検出回路1及び送信元識別符号抽出回路3に供給される信号である。
図6Bにおいて、SDDIフォーマットのヘッダー60を検出することによってヘッダー検出パルスが得られる。ヘッダー検出パルスはSDDIフォーマットのヘッダー60の先頭部分に一致して立ち上がり、所定幅を有するパルスである。ヘッダー検出パルスは、図1において示したように、ヘッダー検出回路1から出力される信号である。
図6Cにおいて、ヘッダー検出パルスに基づいて、ヘッダー検出パルスより所定期間経過後に送信元識別符号ラッチパルスが得られる。送信元識別符号ラッチパルスは、図1において示したように、タイミング発生回路2によりヘッダー検出パルスがカウントされることにより出力される信号である。
図6Dにおいて、波線の信号切り換え部分61での信号の切り換え後に初めて検出された送信元識別符号ラッチパルスの立ち下がりで、アドレス#1からアドレス#2に切り替わる送信元識別符号が得られる。アドレス#1及びアドレス#2は信号#1及び信号#2の送信元に対応するアドレスである。
図6Eにおいて、送信元識別符号の1ライン前の前送信元識別符号が得られる。前送信元識別符号は、図1において示したように、前送信元識別符号保持回路4において送信元識別符号ラッチパルスをクロックとして送信元識別符号をラッチすることにより得られる信号である。
図6Fにおいて、波線の信号切り換え部分61での信号の切換えの後に初めて検出された送信元識別符号ラッチパルスの立ち下がりのタイミングで信号切換え検出信号が得られる。信号切換え検出信号は、送信元識別符号と前送信元識別符号との異なっている期間の幅を持つ信号である。信号切換え検出信号は、図1において示したように、送信元識別符号比較回路5において送信元識別符号と前送信元識別符号と比較することにより得られる信号である。
上例によれば、受信信号のSDDIフォーマットのヘッダー内に設けられた送信元識別符号を抽出して、送信時に送信信号に付加された送信元を表す送信元識別符号を抽出し、送信元識別符号の変化を検出して、送信時に送信信号に付加された送信元を表す送信元識別符号が異なったことを検出し、変化した送信元識別符号に基づいて送信信号の切り替えを検出することにより、送信元が切り替わったことをライン単位で検出することができる。
図2は、本発明による送信元識別装置及び送信元識別方法の他の実施例のフィールド単位で信号切換えを検出する構成を示すブロック図である。この例では、SDDIフォーマットの送信信号に付加されたヘッダー領域の送信元を表す送信元識別符号を受信側でフィールド単位で検出し、送信元識別符号が変化したときに送信元が切り替わったことを検出する。
SDDIフォーマットでは信号切り換え位置として、走査線数625本/50フィールド方式ではライン番号6あるいはライン番号319、走査線数525本/60フィールド方式では、ライン番号10あるいはライン番号273が予め規定されている。したがってこの信号切り換え位置の直後で送信元識別符号を比較するようにした。
この例においては、図1に示したブロックと同一のものには同じ符号を付して、その詳細な説明を省略して、異なる部分について詳細に説明する。図2において、10ビットパラレル信号は図10に示したシリアル/パラレル変換回路111からヘッダー処理回路112に供給される信号である。10ビットパラレル信号の一方はヘッダー検出回路1に供給される。ヘッダー検出回路1は、SDDIフォーマットのヘッダーの開始を示す固定パターンである16進数信号の(000,3FF,3FF,140,101)h を検出して、ヘッダー検出パルス7をタイミング発生回路2に供給する。
ヘッダー検出回路1で検出されたヘッダー検出パルス7は、タイミング発生回路2に供給される。タイミング発生回路2は、例えばカウンターで構成される。タイミング発生回路2は、ヘッダー検出パルス7をカウンターがカウントすることにより、ライン番号ラッチパルス22及び送信元識別符号タイミングパルス23などSDDIフォーマットのヘッダー内の各種情報をラッチするタイミングパルスを発生する。
タイミング発生回路2はライン番号抽出回路20にライン番号ラッチパルス22を供給する。また、10ビットパラレル信号6はライン番号抽出回路20に供給される。ライン番号抽出回路20は、ライン番号ラッチパルス22をクロックとして、10ビットパラレル信号6をラッチする。これによりライン番号抽出回路20は、ライン番号信号24をラッチする。ライン番号抽出回路20は、例えばラッチにより構成される。
タイミング発生回路2は、送信元識別符号タイミングパルス23をラインマスク回路21に供給する。ライン番号抽出回路20は、ライン番号信号24をラインマスク回路21に供給する。
図5は、本発明による送信元識別装置及び送信元識別方法の一実施例のラインマスク回路の回路図である。第1段の10ビット入力のアンド回路50にインバーター50−1,50−2,50−3,50−4,50−5,50−6を介して2進数信号の(0100010011)2 、つまり10進数信号の(275)10が供給されたときに、オア回路52に検出信号が供給される。
第2段の10ビット入力のアンド回路50にインバーター50−1,50−2,50−3,50−4,50−5,50−6,50−7,50−8を介して2進数信号の(0000001100)2 、つまり10進数信号の(012)10が供給されたときに、オア回路52に検出信号が供給される。オア回路52はいずれかの検出信号が供給されたときに、アンド回路53に検出信号を出力する。アンド回路53はオア回路52からの検出信号と送信元識別符号タイミングパルス23とが共に供給されたときに送信元識別符号ラッチパルス25を出力する。
このようにすることにより、ラインマスク回路21は、ライン番号が予め規定された信号切り換え位置の次の次のライン、すなわちライン番号12あるいはライン番号275であるときだけ、送信元識別符号タイミングパルス23を通過させて、送信元識別符号ラッチパルス25として出力する。
送信元識別符号ラッチパルス25は、送信元識別符号抽出回路3及び前送信元識別符号保持回路4に供給される。10ビットパラレル信号6の他方は送信元識別符号抽出回路3に供給されると共に、送信元識別符号ラッチパルス25が送信元識別符号抽出回路3に供給される。送信元識別符号抽出回路3は、例えばラッチで構成される。送信元識別符号抽出回路3は、送信元識別符号ラッチパルス25をクロックとして、そのときに供給された10ビットパラレル信号6のデータをラッチする。これにより送信元識別符号抽出回路3は、16ワード128ビットの送信元識別符号9をラッチする。
ラッチされた送信元識別符号9は、図示しない機器本体に供給され、信号送信元機器の判別や表示などに使用される。また、送信元識別符号9は、前送信元識別符号保持回路4に供給されると共に、送信元識別符号比較回路5に供給される。前送信元識別符号保持回路4は、例えばラッチで構成される。前送信元識別符号保持回路4は、送信元識別符号ラッチパルス25をクロックとして、送信元識別符号抽出回路3がラッチしていた1フィールド前の前送信元識別符号10をラッチする。
送信元識別符号比較回路5は、前送信元識別符号保持回路4の保持している前送信元識別符号10と新たに送信元識別符号抽出回路3がラッチした送信元識別符号9とを比較する。これにより、送信元識別符号比較回路5は、送信元識別符号9と前送信元識別符号10とが一致していないときに、信号が切り換えられたものと判断して、信号切換検出信号11を出力する。
図7は、本発明による送信元識別装置及び送信元識別方法の他実施例のフィールド単位で信号切換えを検出する動作を示すタイミングチャートである。図7において、図7Aは10ビットパラレル信号、図7Bはヘッダー検出パルス、図7Cはライン番号ラッチパルス、図7Dは送信元識別符号タイミングパルス、図7Eはライン番号信号、図7Fは送信元識別符号ラッチパルス、図7Gは送信元識別符号、図7Hは前送信元識別符号、図7Iは信号切換え検出信号をそれぞれ示す。以下に、信号の切り換えを検出する動作を示す。
図7Aにおいて、波線の信号切り換え部分71で10ビットパラレル信号が信号#1から信号#2に切り換えられる。10ビットパラレル信号の斜線部分はSDDIフォーマットのヘッダーである。ヘッダーは、1ライン毎に送られてくる。10ビットパラレル信号は、図2において示したように、ヘッダー検出回路1、ライン番号抽出回路20及び送信元識別符号抽出回路3に供給される信号である。
図7Bにおいて、SDDIフォーマットのヘッダーを検出することによってヘッダー検出パルスが得られる。ヘッダー検出パルスはSDDIフォーマットのヘッダーの先頭部分に一致して立ち上がり、所定幅を有するパルスである。ヘッダー検出パルスは、図2において示したように、ヘッダー検出回路1から出力される信号である。
図7Cにおいて、ヘッダー検出パルスに基づいて、ヘッダー検出パルスより所定期間経過後にライン番号ラッチパルスが得られる。ライン番号ラッチパルスは、図2において示したように、タイミング発生回路2によりヘッダー検出パルスがカウントされることにより出力される信号である。
図7Dにおいて、ヘッダー検出パルスに基づいて、ヘッダー検出パルスより所定期間経過後に送信元識別符号タイミングパルスが得られる。送信元識別符号タイミングパルスは、図2において示したように、タイミング発生回路2によりヘッダー検出パルスがカウントされることにより出力される信号である。
図7Eにおいて、ライン番号ラッチパルスの立ち下がりから次のライン番号ラッチパルスの立ち下がりまでを1ライン分とするライン番号信号が得られる。ライン番号信号は、図2において示したように、ライン番号抽出回路20によりライン番号ラッチパルスをクロックとして、10ビットパラレル信号をラッチすることにより得られる信号である。
図7Fにおいて、ライン番号が、規定された信号切り換え位置71、72の次の次のライン、すなわちライン番号275あるいはライン番号12であるときだけ、ゲートを開いて送信元識別符号タイミングパルスを通過させることにより送信元識別符号ラッチパルスが得られる。送信元識別符号ラッチパルスは、図2において示したように、ラインマスク回路21によりライン番号信号がライン番号12あるいはライン番号275であるときだけ送信元識別符号タイミングパルスを通過させることにより得られる信号である。
図7Gにおいて、信号切り換え部分71の信号の切り換え後に初めて検出された送信元識別符号ラッチパルスの立ち下がりで、アドレス#1からアドレス#2に切り替わる送信元識別符号が得られる。アドレス#1及びアドレス#2は信号#1及び信号#2の送信元に対応するアドレスである。
図7Hにおいて、送信元識別符号の1フィールド前の前送信元識別符号が得られる。前送信元識別符号は、送信元識別符号は、図2において示したように、前送信元識別符号保持回路4において送信元識別符号ラッチパルスをクロックとして送信元識別符号をラッチすることにより得られる信号である。
図7Iにおいて、信号の切換えの後に初めて検出された送信元識別符号ラッチパルスの立ち下がりのタイミングで信号切換え検出信号が得られる。信号切換え検出信号は、送信元識別符号と前送信元識別符号との異なっている期間の幅を持つ信号である。信号切換え検出信号は、図2において示したように、送信元識別符号比較回路5において送信元識別符号9と前送信元識別符号10と比較することにより得られる信号である。
上例によれば、受信信号のSDDIフォーマットのヘッダー内に設けられた送信元識別符号を抽出して、送信時に送信信号に付加された送信元を表す送信元識別符号を抽出し、送信元識別符号の変化を検出して、送信時に送信信号に付加された送信元を表す送信元識別符号が異なったことを検出し、変化した送信元識別符号に基づいて送信信号の切り替えを検出することにより、送信元が切り替わったことをフィールド単位で検出することができる。
上例において、送信元識別符号9は、送信信号のSDDIフォーマットのヘッダー領域83に設けられるようにしたので、送信信号のSDDIフォーマットのヘッダー領域83を検出するだけで、送信元識別符号9の切り替わりを検出することができる。
また、上例において、送信元識別符号抽出回路3、前送信元識別符号保持回路4及び送信元識別符号比較回路5は、受信信号を復号処理する画像情報復号回路113、音声情報復号回路114及び制御情報復号回路115の前段に設けられるようにしたので、送信元識別符号抽出回路3、前送信元識別符号保持回路4及び送信元識別符号比較回路5における信号切り換え検出信号11に基づいて、画像情報復号回路113、音声情報復号回路114及び制御情報復号回路115において、画像情報、音声情報及び制御情報に対して各種制御をすることができる。
また、上例において、送信元識別符号変化検出手段は、送信元識別符号抽出回路3において抽出された送信元識別符号9に対して1フレームまたは1フィールド前の前送信元識別符号10を保持する前送信元識別符号保持回路4であり、送信信号切り替え検出手段は、送信元識別符号抽出回路3において抽出された送信元識別符号9と前送信元識別符号保持回路4において保持された前送信元識別符号10とを比較するようにした送信元識別符号比較回路5である。これによれば、前送信元識別符号10を保持し、送信元識別符号9と前送信元識別符号10とを比較することにより、送信信号の切り換わりを検出することができる。
また、上例において、伝送路の送信端において、送信信号に送信元識別符号9を付加し、伝送路の受信端において、送信元識別符号9を抽出し、受信端において抽出した送信元識別符号9の変化を検出し、変化した送信元識別符号9に基づいて送信信号の切り替えを検出する送信元識別方法により、上例で示した回路構成に限らず、送信信号の切り換わりを検出することができる。
また、画像情報の圧縮符号化においては、前後のフィールドまたはフレーム間の相関を利用して圧縮を行う場合が多い。このとき画像情報は、複数のフィールド間にまたがって符号化されている。この画像情報を途中で切り換えると、それ以降のフィールドでは再生画像が破壊されてしまう。そこで、画像の圧縮符号化においては、画像再生回路を初期化するために、一定の周期、例えば2フレームで圧縮符号化を完成させるようにしても良い。このようにすることにより、回路起動時あるいは何らかの原因で圧縮符号データが破壊されたときも、符号完結周期の後にはまた、正常な再生画像を得ることができる。
また、画像情報復号回路113では、圧縮復号化された画像情報を受信中に信号切り換えを検出した場合には、切り換え検出フィールド以降の再生画像を破棄し、切り換え直前のフィールドの再生画像を出力し続けるようにしても良い。このようにすることにより、破壊された再生画像の出力を防止し、フリーズ画像を出力することができる。そして、次の符号完結周期からまた、正常な再生画像を出力することによって、信号切り換えによる再生画像の破綻を防止することができる。
また、音声情報の圧縮符号化においては、前後のサンプル間の相関を利用して圧縮を行う場合が多い。このとき音声情報は、複数のフィールドにまたがって符号化されている。この音声情報を途中で切り換えると、それ以降のサンプルでは再生音声が破壊されてしまう。音声の圧縮符号化においては、音声再生回路を初期化するために、一定の周期、例えば2フレームで圧縮符号を完結させるようにしても良い。このようにすることにより、回路起動時あるいは何らかの原因で圧縮符号データが破壊されたときも、符号完結周期の後にはまた、正常な再生音声を得ることができる。
また、音声情報復号回路114では、圧縮符号化された音声情報を受信中に信号切り換えを検出した場合には、切り換え検出サンプル以降の再生音声を消音(ミュート)するようにしても良い。このようにすることにより、破壊された再生音声の出力を防止する。そして、次の符号完結周期の後にはまた、正常な再生音声を出力することによって、信号切り換えによる再生音声の破綻を防止することができる。
また、制御信号のデータを途中で切り換えると、受信された制御信号が誤ったものとなる。その誤った制御信号をそのまま使用すると、システムが誤動作してしまう。そこで、制御情報を受信中に信号切り換えを検出したときには、受信制御情報を棄却し、以前の状態を保持するようにしても良い。このようにすることにより、システムが誤動作することを防ぐことができる。
また、上例では、走査線数525本/60フィールド方式の同期におけるSDDIフォーマットのシステムに関して説明したが、走査線数625本/50フィールド方式などの他の同期におけるSDDIフォーマットのシステムにも同様に適用することができる。
また、上例では、同軸ケーブルを用いたデータ伝送に関して説明したが、光ファイバーや無線通信など、他の伝送システムにも同様に適用することができる。
上述したように、送信元識別符号は、すでにSDDIフォーマットのヘッダー内にフォーマットとして規定されているものである。図示しない送信側での送信元識別符号付加回路、あるいは受信側での送信元識別符号抽出回路3は、どちらもすでに本発明の出願人が先に開発したSDDIフォーマットの送受信システムでは具備されている。したがって、送信側で新たな情報を付加することなく、同じく送信側で新たな回路を追加することなく、受信側で単純な比較回路を付加することにより、信頼度の高い信号切り換え検出をすることができる。
また、伝送信号が画像情報である場合には、信号切り換え検出信号に基づいて画像をフリーズするようにしても良い。このようにすることにより、信号切り換えによる再生画像の破綻を防止することができる。
また、伝送信号が音声信号である場合には、信号切り換え検出信号に基づいて音声を消音するようにしても良い。このようにすることにより、信号切り換えによる再生音声の破綻を防止することができる。
また、伝送信号が制御情報である場合には、信号切り換え検出信号に基づいて受信制御情報を棄却し、以前の状態を保持するようにしても良い。このようにすることにより、信号切り換えによるシステムの誤動作を防止することができる。
1…ヘッダー検出回路、2…タイミング発生回路、3…送信元識別符号抽出回路、4…前送信元識別符号保持回路、5…送信元識別符号比較回路、6…10ビットパラレル信号、7…ヘッダー検出パルス、8…送信元識別符号ラッチパルス、9…送信元識別符号、10…前送信元識別符号、11…信号切り換え検出信号、20…ライン番号抽出回路、21…ラインマスク回路、22…ライン番号ラッチパルス、23…送信元識別符号タイミングパルス、24…ライン番号信号、25…送信元識別符号ラッチパルス、83…ヘッダー領域、97…ソースアドレス、112…ヘッダー処理回路、113…画像情報復号回路、114…音声情報復号回路、115…制御情報受信回路