JP4482812B2 - アンプ出力制御装置、オーディオ装置及びアンプ出力制御方法 - Google Patents

アンプ出力制御装置、オーディオ装置及びアンプ出力制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、アンプ出力制御装置、オーディオ装置及びアンプ出力制御方法に関し、例えばD級アンプのアンプ出力を制御してスピーカから高音質な音を出力させる場合に適用して好適なものである。
従来、D級アンプにおいては、スピーカへの出力インピーダンスを0Ωに近づけることによりオーディオデータの信号電圧を忠実にスピーカへ伝達するように設計されている。しかしながらこの種のD級アンプにおいては、アンプ自体の出力インピーダンスや、アンプ及びスピーカ間のケーブルインピーダンス等により、当該スピーカへの出力インピーダンスとして実際には数Ω発生してしまう。
このような場合、D級アンプではオーディオデータの信号電圧をスピーカへ忠実に伝達した場合であっても、当該スピーカにおける入力インピーダンスの周波数特性と、当該スピーカのボイスコイルによる逆起電力とによって、当該ボイスコイルに流れる実際の電流波形が理想的な電流波形に比べて歪んでしまう。
従ってD級アンプでは、ボイスコイルに流す電流波形の歪に応じてスピーカの振動板における振動動作についても歪の影響が発生することになり、音質が悪化してしまうという問題があった。
一方、ディジタルアンプにおいて出力増幅段によって生じる歪を低減するための負帰還方式を採用したものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004-128662公報(第1図)
ところで上述の特許文献1で示したディジタルアンプにおいては、出力増幅段の出力側から取り出したディジタルデータの電圧レベルを基準にフィードバックループを構成しており、必ずしもスピーカに流れる電流レベルで出力信号の歪を正確に検出しているわけではない。
このため特許文献1で示したディジタルアンプでは、歪成分を完全に除去することができず、スピーカから出力する音の音質を低下させてしまうという問題があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、アンプ出力対象の影響による歪を完全に除去した信号を当該アンプ出力対象に供給し、歪による影響を解消し得るアンプ出力制御装置、オーディオ装置及びアンプ出力制御方法を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、パルス幅変調されたパルス幅変調データをアンプにより所定レベルに増幅して出力し、アンプによる増幅結果をアナログ信号に変換し、アンプとアナログ信号の出力先となる所定のアンプ出力対象との間に設けられた検出手段により、当該アンプ出力対象による影響を受けて歪を生じた電流波形でなるアナログ信号を検出し、パルス幅変調データを所定レベルに増幅した後、アナログ信号に変換することにより歪の生じていない電流波形でなる基準アナログ信号を生成し、アナログ信号の電流波形と基準アナログ信号の電流波形との差分を歪成分として算出し、当該歪成分に基づいてアンプの駆動電圧を補正するようにする。
これにより、実際に発生した歪成分を基にアンプの駆動電圧をアナログ信号のレベルで補正し、その補正した駆動電圧に基づいてパルス幅変調データを増幅することができるので、当該増幅結果をアナログ信号に変換してアンプ出力対象へ供給する際に当該アンプ出力対象による影響を受けたときであっても、歪のないアナログ信号をアンプ出力対象へ出力することができる。
また本発明においては、複数チャンネルのパルス幅変調データをそれぞれ増幅し、各チャンネルで共用化されたグランド線を介して当該各チャンネルのスピーカへそれぞれ送出するオーディオデータ増幅装置であって、各チャンネル毎に上記パルス幅変調を所定レベルに増幅して出力するアンプと、各チャンネル毎にアンプによる増幅結果をアナログ信号に変換するアナログ変換手段と、各チャンネル毎にアンプとアナログ信号の出力先となるスピーカとの間に設けられ、アナログ信号が当該アンプから当該スピーカへ送出される際に当該スピーカの影響及びグランド線を介した他のチャンネルからの影響による歪成分が重畳された電流波形でなるアナログ信号をそれぞれ検出する検出手段と、各チャンネル毎にパルス幅変調データを所定レベルに増幅した後、アナログ信号に変換することにより歪の生じていない電流波形でなる基準アナログ信号を生成する基準アナログ信号生成手段と、各チャンネル毎にアナログ信号の電流波形と基準アナログ信号の電流波形との差分を歪成分としてそれぞれ算出し、当該歪成分に基づいてアンプの駆動電圧をそれぞれ補正する演算手段とを設けるようにする。
これにより、各チャンネル毎に、実際に発生した歪成分を基にアンプの駆動電圧をアナログ信号のレベルで補正し、その補正した駆動電圧に基づいてパルス幅変調データを増幅することができるので、共用化されたグランド線を介して実際にスピーカの影響及び他チャンネルの影響を双方受けた場合であっても、歪のないアナログ信号をアンプ出力対象に供給することができる。
本発明によれば、実際に発生した歪成分を基にアンプの駆動電圧をアナログ信号のレベルで補正し、その補正した駆動電圧に基づいてパルス幅変調データを増幅することができるので、当該増幅結果をアナログ信号に変換してアンプ出力対象へ供給した場合、当該アンプ出力対象による影響を受けたときであっても歪のないアナログ信号をアンプ出力対象へ出力することができ、かくして歪による影響を解消し得るアンプ出力制御装置及びアンプ出力制御方法を実現することができる。
また本発明によれば、各チャンネル毎に、実際に発生した歪成分を基にアンプの駆動電圧をアナログ信号のレベルで補正し、その補正した駆動電圧に基づいてパルス幅変調データを増幅することができるので、共用化されたグランド線を介して実際にスピーカの影響及び他チャンネルの影響を双方受けた場合であっても、歪のないアナログ信号をアンプ出力対象に供給し得るオーディオ装置を実現することができる。
以下、図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)第1の実施の形態
(1−1)電流負帰還D級アンプ装置の構成
図1において1は全体として、本発明のアンプ出力制御装置としての電流負帰還D級アンプ装置の構成を示し、歪補正動作を行わない通常モードにおいて、CPU(Central Processing Unit)構成でなるマイクロコンピュータ2からマスタークロックMCLK及びPWM(Pulse Wide Modulation)音声データS1を再生用D級アンプ3へ送出する。
再生用D級アンプ3は、+電源Vddからの電源電圧を電源アンプ3Aへ直接入力すると共に、−電源Vddからの電源電圧を電源アンプ3Bへ直接入力し、FET(Field Effect Transistor)3C及び3Dにマイクロコンピュータ2からのPWM音声データS1を入力する。
これにより再生用D級アンプ3は、当該FET3Cを当該PWM音声データS1におけるプラスの駆動電圧に基づいて駆動し、FET3Dを当該PWM音声データS1におけるマイナスの駆動電圧に基づいて駆動し、当該FET3C及び3Dをスイッチング動作させることにより、PWM音声データS1を所定レベルに増幅し、コイル4A及びコンデンサ4Bからなる積分回路4によりアナログのオーディオ信号S2に変換した後、これを電流検出抵抗5を介して出力オーディオ信号S3としてスピーカ6へ供給する。
ここでスピーカ6は、図2の断面図に示すように、コーン型の振動板21を有しており、略すり鉢状のフレーム22の前側外周部において可撓性を有する樹脂素材でなるエッジ31を介して振動板21が取り付けられ、当該フレーム22に対して当該振動板21を前後方向へ自在に移動(振動)し得るようになされている。
フレーム22は、その後ろ側にそれぞれ略円盤状のトッププレート23、マグネット24及びバックプレート25が取り付けられており、当該バックプレート25の中央部から前方向に突出してポールヨーク26が設けられている。ポールヨーク26はマグネット24を貫通しており、トッププレート23との間に磁気ギャップ27を形成することにより磁気回路を構成するようになされている。
ボイスコイルボビン28は、略円筒形の金属材料でなり、ダンパー30によって軸支されると共に振動板21の後方中央部に取り付けられており、またボイスコイル29が磁気ギャップ27内に位置するように回巻されている。ボイスコイル29は、リード線(図示せず)を介してフレーム22に取り付けられた接続端子(図示せず)に接続されており、電流負帰還D級アンプ装置1から交流波形の出力オーディオ信号S3が供給されるようになされている。
すなわちスピーカ6は、電流負帰還D級アンプ装置1から供給された出力オーディオ信号S3に応じた電流をボイスコイル29に流すことにより、当該出力オーディオ信号S3の電流に応じた電磁力を生成させる。
このときスピーカ6は、当該電磁力により振動板21、ボイスコイルボビン28及びボイスコイル29を一体としてフレーム22等の他の部品に対して前後方向に振動させ、周囲の空気を振動させることにより出力オーディオ信号S3に応じた音を発生し得るようになされている。
ところでスピーカ6は、図3に示すように、ボイスコイル29の性質によって周波数に応じてインピーダンスが変化しており、低音共振周波数でインピーダンスが極大値となり、当該低音共振周波数から周波数が上昇するとインピーダンスが減少して極小値、すなわち公称インピーダンスをとり、さらに周波数が上昇するに連れてインピーダンスが徐々に増加する。
またスピーカ6は、出力オーディオ信号S3に応じた電流がボイスコイル29に流れる際、一般的なコイルの性質により、当該ボイスコイル29において逆起電力を生じてしまうため、当該逆起電力によって出力オーディオ信号S3の電流波形を歪ませて、出力すべき音の音質を低下させてしまう。
そこで電流負帰還D級アンプ装置1(図1)は、再生用D級アンプ3を介して増幅し、積分回路4及び電流検出抵抗5を介して得られた出力オーディオ信号S3がスピーカ6のボイスコイル29の影響を受けて歪を生じた場合に、当該歪を正確に補正し得るようになされている。
すなわち電流負帰還D級アンプ装置1は、歪補正動作を行う歪補正モードにおいて、積分回路4から出力されたアナログのオーディオ信号S2を電流検出抵抗5を介して出力オーディオ信号S3としてスピーカ6へ供給する。
ここで電流検出抵抗5は、リアクタンス分を殆ど有さない純抵抗でなり、再生用D級アンプ3及び積分回路4を介して供給されたオーディオ信号S2を僅かに減衰させ出力オーディオ信号S3としてスピーカ6へ送出する。
このとき電流検出抵抗5は、オーディオ信号S2と出力オーディオ信号S3との間に電位差を生じさせることにより、当該オーディオ信号S2及び出力オーディオ信号S3における電流値の大きさの違いを当該電位差に基づいて検出するようになされている。なお電流検出抵抗5は純抵抗であるため、両端における電位差は当該電流検出抵抗5に流れる電流の大きさにのみ比例する。
ちなみに電流検出抵抗5は、例えば0.1[Ω]程度の比較的小さな抵抗値が選定されており、当該電流検出抵抗5によるオーディオ信号S2の電力損失を最小限に抑えるようになされている。
ここで、歪成分は初期状態において「0」であるため、積分回路4から出力された直後のオーディオ信号S2に歪は発生していないが、上述したスピーカ6のボイスコイル29において生じる逆起電力の影響により出力オーディオ信号S3の電流波形には歪みが生じている。
ところで、電流検出抵抗5の前段におけるオーディオ信号S2が差動アンプ8の非反転入力端に出力され、電流検出抵抗5の後段における出力オーディオ信号S3が当該差動アンプ8の反転入力端に出力されている。
これにより差動アンプ8は、オーディオ信号S2と出力オーディオ信号S3との差分を算出し、当該差分を元のオーディオ信号S2の信号レベルとほぼ同等となる程度に増幅することにより、電流検出信号S4を得、これを誤差電圧算出器9の非反転入力端に供給する。なお、この電流検出信号S4は、スピーカ6のボイスコイル29において生じる逆起電力の影響により、その波形が歪んでいる。
一方、電流帰還D級アンプ装置1はマイクロコンピュータ2からマスタークロックMCLK及びPWM音声データS1を再生用D級アンプ3と同一構成の基準用D級アンプ10にも送出している。
この基準用D級アンプ10は、+電源Vddからの電源電圧を電源アンプ10Aに入力すると共に、−電源Vddからの電源電圧を電源アンプ10Bに入力し、FET10C及び10Dにマイクロコンピュータ2からのPWM音声データS1を入力する。
これにより基準用D級アンプ10は、当該FET10Cを当該PWM音声データS1におけるプラスの駆動電圧に基づいて駆動し、FET10DをPWM音声データS1におけるマイナスの駆動電圧に基づいて駆動し、当該FET10C及び10Dをスイッチング動作させることにより、PWM音声データS1を所定レベルに増幅し、コイル11A及びコンデンサ11Bからなる積分回路11によりアナログの基準オーディオ信号S5に変換した後、これをスピーカ6と同等の負荷でなる抵抗12を介して誤差電圧算出器9の反転入力端へ送出する。
誤差電圧算出器9は、電流検出信号S4と基準オーディオ信号S5との差分を算出することにより、スピーカ6のボイスコイル29において生じる逆起電力の影響により生じた誤差電圧dV1だけを抽出し、これをドライバ電源帰還アンプ7における+電源用アンプ7A及び−電源用アンプ7Bの反転入力端へそれぞれフィードバックする。
ドライバ電源帰還アンプ7の+電源用アンプ7A及び−電源用アンプ7Bは、電源電圧+Vdd及び電源電圧−Vddから誤差電圧算出器9の誤差電圧dV1を差し引く、すなわち電源電圧+Vdd及び電源電圧−Vddに対して誤差電圧dV1の位相を反転させて加算することにより補正電源電圧+Vdd´及び補正電源電圧−Vdd´をそれぞれ生成し、これを再生用D級アンプ3の電源アンプ3A及び電源アンプ3Bへ供給するようになされている。
このようにドライバ電源帰還アンプ7は、スピーカ6のボイスコイル29において生じる逆起電力の影響により生じた誤差電圧dV1を再生用D級アンプ3の電源アンプ3A及び電源アンプ3Bへ間接的にフィードバックすることにより、当該誤差電圧dV1に基づき補正した補正電源電圧+Vdd´及び補正電源電圧−Vdd´を用いて当該再生用D級アンプ3のFET3C及び3Dをスイッチング動作させることができる。
実際上、図4に示すように再生用D級アンプ3では、誤差電圧dV1による補正前の電源電圧+Vdd及び−Vddを用いてFET3C及び3Dをスイッチング動作させ、積分回路4を介してオーディオ信号S2を生成した場合、スピーカ6のボイスコイル29において生じる逆起電力の影響によって理想波形に比べて電流波形の振幅レベルに歪が生じている。
これに対して再生用D級アンプ3では、当該誤差電圧dV1に基づき補正した補正電源電圧+Vdd´及び補正電源電圧−Vdd´を用いて当該再生用D級アンプ3のFET3C及び3Dをスイッチング動作させ、積分回路4を介してオーディオ信号S2を生成した場合、スピーカ6のボイスコイル29において生じる逆起電力の影響を受けた場合に理想波形と同じ振幅レベルとなり、当該オーディオ信号S2の歪を無くすことができる。
このように電流負帰還D級アンプ装置1は、電流検出抵抗5、差動アンプ8、誤差電圧算出器9を介して、スピーカ6のボイスコイル29において生じる逆起電力による影響を誤差電圧dV1として再生用D級アンプ3の電源アンプ3A及び電源アンプ3Bへ間接的にフィードバックしてオーディオ信号S2の振幅レベルを調整することにより、スピーカ6のボイスコイル29の逆起電力の影響に拘わらず、元のPWM音声データS1に対して忠実な出力オーディオ信号S3をスピーカ6へ供給することができるので、当該スピーカ6から高音質な音を出力させ得るようになされている。
(1−2)動作及び効果
以上の構成において、電流負帰還D級アンプ装置1では、再生用D級アンプ3とスピーカ6との間に電流検出抵抗5を設け、当該スピーカ6へ出力する出力オーディオ信号S3の電流波形を電流検出抵抗5及び差動アンプ8により電流検出信号S4として検出し、誤差電圧算出器9により当該電流検出信号S4と、基準用D級アンプ10により生成された基準オーディオ信号S5とに基づいて誤差電圧dV1を算出し、これをドライバ電源帰還アンプ7にフィードバックする。
これにより電流負帰還D級アンプ装置1は、当該誤差電圧dV1に基づき補正した補正電源電圧+Vdd´及び補正電源電圧−Vdd´を用いて当該再生用D級アンプ3のFET3C及び3Dをスイッチング動作させ、積分回路4を介して歪成分を考慮したオーディオ信号S2を生成することができる。
すなわち電流負帰還D級アンプ装置1は、例えばシングルエンド片側電源を用いるのではなく、補正電源電圧+Vdd´及び補正電源電圧−Vdd´の両電源電圧を用いることにより、オーディオ信号S2における正の半サイクル及び負の半サイクルに生じた歪についても補正することができる。
この補正電源電圧+Vdd´及び補正電源電圧−Vdd´に基づくオーディオ信号S2は、スピーカ6のボイスコイル29における逆起電力の影響が予め考慮されているため、当該逆起電力により歪が発生したとき、その歪成分が相殺されて結果的に歪成分が含まれない状態の出力オーディオ信号S3として当該スピーカ6へ供給されることになる。
従ってスピーカ6は、歪成分が含まれていない出力オーディオ信号S3の電流がボイスコイル29に供給されるため、当該元のPWM音声データS1に忠実な音を出力することができる。
なお電流負帰還D級アンプ装置1は、出力オーディオ信号S3に何時どのような歪が生じた場合であっても、当該歪に応じた誤差電圧dV1を用いて再生用D級アンプ3の電源アンプ3A及び3Bの駆動電圧を補正することにより、PWM音声データS1に対して逆起電力による歪を考慮したオーディオ信号S2を生成することができるので、常時スピーカ6から高音質な音を出力させることができる。
ところで図5(A)に示すように、本発明の電流負帰還D級アンプ装置1とは異なり、電流検出抵抗5をグランド側に接続した電流負帰還D級アンプ装置40では、電源回路等の他の回路からの影響によりグランドを介して回生電流ITが生じた場合、差動アンプ8及び誤差電圧算出器9を介して誤差電圧dV1をドライバ電源帰還アンプ7へフィードバックしてはいるものの、当該回生電流ITの影響によりグランド線上のインピーダンスZGによって点P1における電位が変動し、誤差電圧dV1に当該回生電流ITの影響が及んでしまう。
このとき電流負帰還D級アンプ装置40では、当該誤差電圧dV1が電流検出抵抗5の両端における電位差と異なることになり、スピーカ6のボイスコイル29において生じる逆起電力による誤差電圧dV1を高精度に算出できず、その結果スピーカ6を流れる信号電流ISの歪を正確に補正できなくなってしまう。
これに対して本発明の電流負帰還D級アンプ装置1は、図5(B)に示すように、再生用D級アンプ3とスピーカ6との間(すなわち信号ライン側)に電流検出抵抗5を接続しているため、誤差電圧dV1が回生電流ITによって影響を及ぼされることがない。
従って電流負帰還D級アンプ装置1では、電流検出抵抗5の両端における電位差を正しく検出することができるので、回生電流ITの影響を受けずに逆起電力による歪成分を高精度に算出して出力オーディオ信号S3に生じた歪みを正確に補正することができる。
さらに、図6(A)に示すように本発明の電流負帰還D級アンプ装置1とは異なる電流負帰還D級アンプ装置40では、電流検出抵抗5の両端において電磁波等による外乱の影響を受けた場合、当該電流検出抵抗5の両端における信号波形G1及びG2のように、当該外乱によって出力オーディオ信号に同レベルの外乱ノイズ成分N1及びN2がそれぞれ重畳される。
この場合電流負帰還D級アンプ装置40では、グランド側のインピーダンスが低いために出力オーディオ信号のノイズ成分N2がノイズ成分N1よりも小さくなり、差動アンプ8及び誤差電圧算出器9を介して検出した誤差電圧dV1にノイズ成分N1及びN2の差となる信号波形G3に示すノイズ成分N3が重畳されてしまい、電流検出抵抗5の両端における電位差を高精度に検出することができない。
これに対して本発明の電流負帰還D級アンプ装置1では、図6(B)に示すように、電流検出抵抗5の両端において電磁波等による外乱の影響を受けた場合、当該電流検出抵抗5の両端におけるインピーダンスがほぼ等しいため、当該電流検出抵抗5の両端における信号波形G11及びG12のように、当該電流検出抵抗5の両端を流れるオーディオ信号S2及び出力オーディオ信号S3にそれぞれ重畳されるノイズ成分N11及びN12の大きさがほぼ等しくなり、誤差電圧dV1としては信号波形G13のようにノイズ成分がほとんど重畳されることがない。
この結果、電流負帰還D級アンプ装置1は、電流検出抵抗5の両端における電位差を正しく検出することができ、歪成分を高精度に算出することができるので、出力オーディオ信号S3に生じる歪みを正確に補正することができる。
そのうえ電流負帰還D級アンプ装置1では、仮に当該電流負帰還D級アンプ装置1とスピーカ6とを接続するケーブルが外乱等の影響を受け、出力オーディオ信号S3にノイズが重畳された場合にも、外乱等の影響による誤差電圧dV1を算出し、当該出力オーディオ信号S3に生じた歪成分を補正することができるので、当該外乱の影響に拘らず当該PWM音声データS1を忠実に再現した音をスピーカ6から出力させることができる。
以上の構成によれば、電流負帰還D級アンプ装置1は、再生用D級アンプ3とスピーカ6との間に電流検出抵抗5を設け、当該電流検出抵抗5、差動アンプ8及び誤差電圧算出器9により歪成分に応じた誤差電圧dV1を正確に算出してドライバ電源帰還アンプ7の電源アンプ7A及び7Bにフィードバックすることにより、スピーカ6のボイスコイル29における逆起電力により生じる歪を無くした状態の出力オーディオ信号S3をスピーカ6に供給して、当該スピーカ6から高音質の音を出力させることができる。
(2)第2の実施の形態
(2−1)オーディオ装置の構成
図1との対応箇所に同一符号を付して示す図7において、60は全体として第2の実施の形態におけるオーディオ装置を示し、電流負帰還D級アンプ装置1を2台用いた構成となっている。
このオーディオ装置60は、例えばポータブルCD(Compact Disc)プレーヤやDVD(Digital Versatile Disc)プレーヤでなり、CD再生部やDVD再生部を構成するマイクロコンピュータ2R及び2Lから供給される左右2チャンネルのPWM音声データS1R及びS1Lをそれぞれ再生用D級アンプ3R及び3Lにより増幅し、3極コネクタ62を介してヘッドホン61へ送出することにより、当該ヘッドホン61の右側音響ユニット77R及び左側音響ユニット77Lから左右それぞれの音を出力させるようになされている。
オーディオ装置60は、単体の電流負帰還D級アンプ装置1(図1)と比較して、当該電流負帰還D級アンプ装置1と同一回路構成でなる電流負帰還D級アンプ装置1R及び1Lを左右2チャンネル分有する点と、スピーカ6に対応したヘッドホン61の右側音響ユニット77R及び左側音響ユニット77Lがグランド線76Cを共用化した3芯ケーブル76によって接続されている点が異なる以外、共通の構成を有している。
ここで3芯ケーブル76は、電流負帰還D級アンプ装置1Rと右側音響ユニット77Rとをケーブル76Rによって接続し、電流負帰還D級アンプ装置1Lと左側音響ユニット77Lとをケーブル76Lによって接続すると共に、右側音響ユニット77R及び左側音響ユニット77Lがグランド線76Cを共用化している。
オーディオ装置60の電流負帰還D級アンプ装置1R(右(R)チャンネル)は、上述した電流負帰還D級アンプ1(図1)と同様に、歪補正動作を行わない通常モードにおいて、マイクロコンピュータ2RからマスタークロックMCLKR及びPWM音声データS1Rを再生用D級アンプ3R及び基準用D級アンプ10Rへ送出する。
再生用D級アンプ3Rは、+電源Vddからの電源電圧を電源アンプ3ARに入力すると共に、−電源Vddからの電源電圧を電源アンプ3BRに入力し、FET3CR及び3DRにPWM音声データS1を入力する。
これにより再生用D級アンプ3Rは、当該FET3CRを当該PWM音声データS1Rにおけるプラスの駆動電圧に基づいて駆動し、FET3DRをPWM音声データS1Rにおけるマイナスの駆動電圧に基づいて駆動し、当該FET3CR及び3DRをスイッチング動作させることにより、PWM音声データS1Rを所定レベルに増幅し、コイル4AR及びコンデンサ4BRからなる積分回路4Rによりアナログのオーディオ信号S2Rに変換した後、これを電流検出抵抗5Rを介して出力オーディオ信号S3Rとして右側音響ユニット77Rへ供給する。
一方、電流負帰還D級アンプ1Rの差動アンプ8Rは、歪補正動作を行う歪補正モードにおいて、電流検出抵抗5Rの両端から得られるオーディオ信号S2Rと出力オーディオ信号S3Rとの差分を算出し、当該差分を元のオーディオ信号S2Rの信号レベルとほぼ同等となる程度に増幅することにより、電流検出信号S4Rを得、これを誤差電圧算出器9Rの非反転入力端に供給する。なお、この電流検出信号S4Rは、右側音響ユニット77Rのボイスコイル78Rにおいて生じる逆起電力の影響によりその波形が歪んでいる。
また基準用D級アンプ10Rは、FET10CRをPWM音声データS1Rにおけるプラスの駆動電圧に基づいて駆動し、FET10DRをPWM音声データS1Rにおけるマイナスの駆動電圧に基づいて駆動し、当該FET10CR及び10DRをスイッチング動作させることにより、PWM音声データS1Rを所定レベルに増幅し、コイル11AR及びコンデンサ11BRからなる積分回路11Rによりアナログの基準オーディオ信号S5Rに変換した後、これをスピーカ6Rと同等の負荷でなる抵抗12Rを介して誤差電圧算出器9Rの反転入力端に供給する。
誤差電圧算出器9Rは、電流検出信号S4Rと基準オーディオ信号S5Rとの差分を算出することにより、右側音響ユニット77Rのボイスコイル78Rにおいて生じる逆起電力の影響により生じた誤差電圧dV1Rだけを抽出し、これをドライバ電源帰還アンプ7Rにフィードバックする。
ドライバ電源帰還アンプ7Rの+電源用アンプ7AR及び−電源用アンプ7BRは、電源電圧+Vdd及び電源電圧−Vddから誤差電圧算出器9Rの誤差電圧dV1Rを差し引く、すなわち電源電圧+Vdd及び電源電圧−Vddに対して誤差電圧dV1Rの位相を反転させて加算することにより補正した補正電源電圧+Vdd´及び補正電源電圧−Vdd´をそれぞれ生成し、これを再生用D級アンプ3Rの電源アンプ3AR及び電源アンプ3BRへ供給するようになされている。
このようにドライバ電源帰還アンプ7Rは、右側音響ユニット77Rのボイスコイル78Rにおいて生じる逆起電力の影響により生じた誤差電圧dV1Rを再生用D級アンプ3Rの電源アンプ3AR及び電源アンプ3BRへ間接的にフィードバックすることにより、当該誤差電圧dV1Rに基づき補正した補正電源電圧+Vdd´及び補正電源電圧−Vdd´を用いて当該再生用D級アンプ3RのFET3CR及び3DRをスイッチング動作させることができる。
なおオーディオ装置60の電流負帰還D級アンプ装置1L(左(L)チャンネル)については、電流負帰還D級アンプ装置1R(右チャンネル)と同様、右側音響ユニット77Lのボイスコイル78Lにおいて生じる逆起電力の影響により生じた誤差電圧dV1Lを再生用D級アンプ3Lの電源アンプ3AL及び電源アンプ3BLにフィードバックすることにより、当該誤差電圧dV1Lに基づき補正した補正電源電圧+Vdd´及び補正電源電圧−Vdd´を用いて当該再生用D級アンプ3LのFET3CL及び3DLをスイッチング動作させることができる。
すなわちオーディオ装置60は、電流負帰還D級アンプ装置1R及び1Lにより、元のPWM音声データS1R及びS1Lに対応した歪のない出力オーディオ信号S3R及びS3Lをヘッドホン61の右側音響ユニット77R及び左側音響ユニット77Lのボイスコイル78R及び78Lに流すことができるので、当該右側音響ユニット77R及び左側音響ユニット77Lから元のPWM音声データS1R及びS1Lに対して忠実な音を再現させることができる。
(2−2)動作及び効果
以上の構成においてオーディオ装置60の電流負帰還D級アンプ装置1R及び1L(図7)は、第1の実施の形態における電流負帰還D級アンプ装置1(図1)と同様、再生用D級アンプ3R及び3Lと右側音響ユニット77R及び左側音響ユニット77Lとの間に電流検出抵抗5R及び5Lをそれぞれ設け、当該右側音響ユニット77R及び左側音響ユニット77Lへ供給する出力オーディオ信号S3R及びS3Lの電流波形を当該電流検出抵抗5R、5L及び差動アンプ8R、8Lにより電流検出信号S4R及びS4Lとして検出し、誤差電圧算出器9R及び9Lにより当該電流検出信号S4R及びS4Lと歪の含まれていない基準オーディオ信号S5R及びS5Lとの差分を誤差電圧dV1R及びdV1Lとして算出し、当該誤差電圧dV1R及びdV1Lをドライバ電源帰還アンプ7R及び7Lにフィードバックする。
これによりオーディオ装置60の電流負帰還D級アンプ装置1R及び1Lは、当該誤差電圧dV1R及びdV1Lに基づき補正した補正電源電圧+Vdd´及び補正電源電圧−Vdd´を用いて当該再生用D級アンプ3R及び3Lをスイッチング動作させ、積分回路4R及び4Lを介してオーディオ信号S2R及びS2Lを生成することができる。
これによりオーディオ装置60の電流負帰還D級アンプ装置1R及び1Lは、右側音響ユニット77Rのボイスコイル78R及び左側音響ユニット77Lのボイスコイル78Lにおいて生じる逆起電力による歪が発生した場合であっても、補正電源電圧+Vdd´及び補正電源電圧−Vdd´に基づいて歪成分を考慮した状態のオーディオ信号S2R及びS2Lを生成しているため、最終的には歪成分が相殺された出力オーディオ信号S3R及びS3Lを右側音響ユニット77R及び左側音響ユニット77Lに供給することができる。
右側音響ユニット77R及び左側音響ユニット77Lは、歪成分が含まれない状態の出力オーディオ信号S3R及びS3Lがボイスコイル78R及び78Lに供給されるため、当該元のPWM音声データS1R及びS1Lに対して忠実な音を出力することができる。
またオーディオ装置60の電流負帰還D級アンプ装置1R及び1Lは、出力オーディオ信号S3R及びS3Lにどのような歪みが生じた場合であっても、或いは歪みが生じていない場合であっても、誤差電圧dV1R及びdV1Lに基づき補正した補正電源電圧+Vdd´及び補正電源電圧−Vdd´を用いてオーディオ信号S2R及びS2Lを生成しているため、元のPWM音声データS1R及びS1Lと同等の歪のない当該出力オーディオ信号S3R及びS3Lを右側音響ユニット77R及び左側音響ユニット77Lに供給することができる。
さらに、オーディオ装置60においては、ヘッドホン61のグランド線76Cが右側音響ユニット77R及び左側音響ユニット77Lの双方で共用化されていることによる他チャンネルへの漏れ電流の影響について検討する。
図8(A)に示すように再生用D級アンプ3R及び3Lのみを有し、歪成分の補正が行われないオーディオ装置80では、例えば右チャンネルにのみマイクロコンピュータ2RからPWM音声データS1Rが供給された際、グランド線76CがインピーダンスZCを有し、当該グランド線76Cの分岐点P2における電位が「0」にならないため、信号電流ISの漏れ電流ILが左チャンネルの左側音響ユニット77Lに流れて当該左側響ユニット77Lから僅かに右チャンネルの音が出力され、いわゆるチャンネルセパレーションが悪化してしまう。
これに対して図8(B)に示すように、本発明のオーディオ装置60の場合、右チャンネルにのみマイクロコンピュータ2RからPWM音声データS1Rが供給された場合、オーディオ装置80(図8(A))の場合と同様に、グランド線76CにおけるインピーダンスZCの影響により分岐点P2の電位が「0」にならず、信号電流ISの漏れ電流ILが左チャンネルの左側音響ユニット77Lに流れてしまう。
しかしながらオーディオ装置60では、左チャンネルの電流負帰還D級アンプ装置1Lによって出力オーディオ信号S3Lの信号波形が最終的に元のPWM音声データS1Lと同等の歪のない状態に補正するため、右チャンネルからの漏れ電流ILによる音が重畳されて出力されることを防止し、チャンネルセパレーションを向上させることができる。
またオーディオ装置60は、右チャンネルから左チャンネルへの漏れ電流ILと同様に、左チャンネルから右チャンネルへの漏れ電流についても、同様に歪成分を相殺することができるので、左右両チャンネルのチャンネルセパレーションを向上させることができる。
すなわちオーディオ装置60では、右チャンネルのPWM音声データS1Rが供給され、かつ左チャンネルのPWM音声データS1Lが供給された場合でも、右チャンネル及び左チャンネルからの信号電流ISの漏れ電流ILの歪成分を誤差電圧dV1R及びdV1Lとして算出し、当該誤差電圧dV1R及びdV1Lを考慮した補正電源電圧+Vdd´及び補正電源電圧−Vdd´に基づいてオーディオ信号S2R及びS2Lを生成しているため、左右チャンネルからの信号電流ISの漏れ電流ILによる歪成分を各チャンネル毎に相殺してチャンネルセパレーションを向上させることができる。
また、図9(A)に示すオーディオ装置90のように、共用化されたグランド側に電流検出抵抗93を接続した場合、当該電流検出抵抗93に左右両チャンネルの信号電流が流れるため、左チャンネル及び右チャンネルにそれぞれ流れる電流波形を独立して検出することができず、すなわち歪成分に相当する誤差電圧を高精度に算出することができないために当該歪成分を正確に補正することもできない。
これに対して図9(B)に示すように、本発明のオーディオ装置60は、再生用D級アンプ3R及び3Lと右側音響ユニット77R及び左側音響ユニット77Lとの間(すなわち信号ライン側)に電流検出抵抗5R及び5Lをそれぞれ接続しているため、当該電流検出抵抗5R及び5Lによって左チャンネル及び右チャンネルにそれぞれ流れる電流波形を独立して検出することができ、左チャンネル及び右チャンネルそれぞれの歪成分に相当する誤差電圧dV1R及びdV1Lを高精度に算出し当該歪成分を正確に補正することができる。
以上の構成によれば、オーディオ装置60の電流負帰還D級アンプ装置1R及び1L(図7)は、再生用D級アンプ3R及び3Lと右側音響ユニット77R及び左側音響ユニット77Lとの間に電流検出抵抗5L及び5Rをそれぞれ設け、当該電流検出抵抗5R及び5L、差動アンプ8R及び8L及び誤差電圧算出器9R及び9Lにより左右各チャンネルの歪成分に相当する誤差電圧dV1R及びdV1Lを算出し、当該誤差電圧dV1R及びdV1Lを考慮した補正電源電圧+Vdd´及び補正電源電圧−Vdd´に基づいてオーディオ信号S2R及びS2Lを生成しているため、右側音響ユニット77Rのボイスコイル78R及び左側音響ユニット77Lのボイスコイル78Lにおいて生じる逆起電力及び他のチャンネルからの漏れ電流によって歪が生じた場合でも、結果的に元のPWM音声データS1R及びS1Lと同等の歪のない出力オーディオ信号S3R及びS3Lを右側音響ユニット77R及び左側音響ユニット77Lに供給し、チャンネルセパレーションの向上と共に高音質化を図ることができる。
(3)他の実施の形態
なお上述した第1の実施の形態においては、電流検出抵抗5を用いてスピーカ6に流れる電流波形を検出するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばソレノイドコイル等を用いて当該スピーカ6に流れる電流波形を検出するようにしても良い。これは第2の実施の形態についても同様である。
また上述した第2の実施の形態においては、左右2チャンネルを有しグランド線76Cを共用化したオーディオ装置60(図7)において左右両チャンネル毎に歪成分を抽出し、当該歪成分を電流負帰還D級アンプ装置1R及び1Lによってそれぞれ補正するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばサラウンドシステムを実現するべく4チャンネルを有し当該4チャンネルのグランド線を共用化したオーディオ装置等、任意数でなるチャンネルのグランド線を共用化したオーディオ装置において各チャンネル毎の歪成分を抽出し当該歪成分をそれぞれ補正するようにしても良い。
さらに上述した第1の実施の形態においては、コーン型のスピーカ6へ出力オーディオ信号S3を送出するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばドーム型スピーカ等、ボイスコイルを有する他の方式のスピーカへ当該出力オーディオ信号S3を送出するようにしても良い。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、オーディオアンプとして動作する電流負帰還D級アンプ装置1及びポータブルCDプレーヤ等でなるオーディオ装置60について、本発明を適用するようにした場合について述べたが、これに限らず、例えばテレビジョン受信機に搭載されるオーディオ回路部や、パーソナルコンピュータや携帯電話機のオーディオ回路部等、所定のオーディオ信号源から供給されるオーディオ信号を増幅してスピーカやヘッドホン等へ供給するオーディオ信号増幅回路を有する種々の電子機器に本発明を適用しても良い。
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、アナログ変換手段として積分回路4及び11を用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ディジタルアナログ変換回路を用いるようにしても良い。
さらに上述の第1の実施の形態においては、アンプ出力対象としてスピーカ6を用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、携帯電話機のバイブレータを動かすためのモータや、ロボットを駆動するためのモータ等をアンプ出力対象として用いるようにしても良い。
さらに上述の第1及び第2の実施の形態においては、アンプとしての再生用D級アンプ3、アナログ変換手段としての積分回路4、検出手段としての電流検出抵抗5及び差動アンプ8、基準アナログ信号生成手段としての基準用D級アンプ10、演算手段としての誤差電圧算出器9及びドライバ電源帰還アンプ7によってアンプ出力制御装置としての電流負帰還D級アンプ装置1を構成する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、その他種々の回路構成でなるアンプ、アナログ変換手段、検出手段、基準アナログ信号生成手段及び演算手段によってアンプ出力制御装置を構成するようにしても良い。
本発明は、バイブレータを有する携帯電話機、電子カーペット、炊飯器、エアーコンディショナー等の種々の電子機器についても利用することができる。
第1の実施の形態による電流負帰還D級アンプ装置の構成を示す略線的回路ブロック図である。 スピーカの構成を示す略線的断面図である。 スピーカのインピーダンス特性を示す略線図である。 ドライバ電源帰還アンプによる補正前及び補正後の電流波形を示す略線的波形図である。 他の回路からの回生電流による影響の説明に供する略線的回路図である。 外乱による影響の説明に供する略線的回路図である。 第2の実施の形態によるオーディオ装置の構成を示す略線的回路ブロック図である。 他チャンネルからの漏れ電流の影響の説明に供する略線的回路図である。 電流検出抵抗の接続箇所の説明に供する略線的回路図である。
符号の説明
1、40……電流負帰還D級アンプ装置、2……マイクロコンピュータ、3……再生用D級アンプ、4、11……積分回路、5……電流検出抵抗、6……スピーカ、7……ドライバ電源帰還アンプ、8……差動アンプ、9……誤差電圧算出器、10……基準用D級アンプ、12……抵抗、29……ボイスコイル、60、80、90……オーディオ装置、61……ヘッドホン、62……3極コネクタ、76……3芯ケーブル。

Claims (5)

  1. パルス幅変調されたパルス幅変調データを所定レベルに増幅して出力するアンプと、
    上記アンプによる増幅結果をアナログ信号に変換するアナログ変換手段と、
    上記アンプと上記アナログ信号の出力先となる所定のアンプ出力対象との間に設けられ、当該アンプ出力対象による影響を受けて歪を生じた電流波形でなる上記アナログ信号を検出する検出手段と、
    上記パルス幅変調データを所定レベルに増幅した後、アナログ信号に変換することにより上記歪の生じていない電流波形でなる基準アナログ信号を生成する基準アナログ信号生成手段と、
    上記アナログ信号の電流波形と上記基準アナログ信号の電流波形との差分を歪成分として算出し、当該歪成分に基づいて上記アンプの駆動電圧を補正する演算手段と
    を具えることを特徴とするアンプ出力制御装置。
  2. 上記検出手段は、
    上記アンプと上記アンプ出力対象との間に直列接続された純抵抗の両端における電位差を基に上記電流波形を検出する
    ことを特徴とする請求項1に記載のアンプ出力制御装置。
  3. 上記アンプ出力対象は、スピーカであり、
    上記演算手段は、上記スピーカのボイスコイルにおいて発生する逆起電力による影響を受けて生じた上記歪を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載のアンプ出力制御装置。
  4. 複数チャンネルのパルス幅変調データをそれぞれ増幅し、各チャンネルで共用化されたグランド線を介して当該各チャンネルのスピーカへそれぞれ送出するオーディオ装置であって、
    各チャンネル毎に上記パルス幅変調データを所定レベルに増幅して出力するアンプと、
    各チャンネル毎に上記アンプによる増幅結果をアナログ信号に変換するアナログ変換手段と、
    各チャンネル毎に上記アンプと上記アナログ信号の出力先となるスピーカとの間に設けられ、上記アナログ信号が当該アンプから当該スピーカへ送出される際に当該スピーカの影響及び上記グランド線を介した他のチャンネルからの影響による歪成分が重畳された電流波形でなるアナログ信号をそれぞれ検出する検出手段と、
    各チャンネル毎に上記パルス幅変調データを所定レベルに増幅した後、アナログ信号に変換することにより上記歪の生じていない電流波形でなる基準アナログ信号を生成する基準アナログ信号生成手段と、
    各チャンネル毎に上記アナログ信号の電流波形と上記基準アナログ信号の電流波形との差分を歪成分としてそれぞれ算出し、当該歪成分に基づいて上記アンプの駆動電圧をそれぞれ補正する演算手段と
    を具えることを特徴とするオーディオ装置。
  5. パルス幅変調されたパルス幅変調データをアンプにより所定レベルに増幅して出力する増幅ステップと、
    上記アンプによる増幅結果をアナログ信号に変換するアナログ変換ステップと、
    上記アンプと上記アナログ信号の出力先となる所定のアンプ出力対象との間に設けられた検出手段により、当該アンプ出力対象による影響を受けて歪を生じた上記アナログ信号の電流波形を検出する検出ステップと、
    上記パルス幅変調データを所定レベルに増幅した後、アナログ信号に変換することにより上記歪の生じていない電流波形でなる基準アナログ信号を生成する基準信号生成ステップと、
    上記アナログ信号の電流波形と上記基準アナログ信号の電流波形との差分を歪成分として算出し、当該歪成分に基づいて上記アンプの駆動電圧を補正する演算ステップと
    を具えることを特徴とするアンプ出力制御方法。
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