JP4476556B2 - 自動車のカウル構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のカウル構造に関し、特にダッシュパネルから車両前方へ延びる底面部とその前端近傍から上方へ延びる立面部とを備えた構造の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、例えば乗用車等の自動車においては、図10に示すように、車両100前部のボンネット101とフロントウインド102との間にカウル110が配設されている。
【0003】
上記カウル110は、例えば、図11に示すように、ワイパーモータ121、ワイパーフレーム122、ワイパーリンク123、取付ブラケット124等が取り付けられるように構成されている。すなわち、上記カウル110は、車両前部のエンジンルームとその後側の車室とを仕切るダッシュパネル(図示せず)から車両前方に延び、且つ車幅方向に広がる底面部111と、この底面部111の車両前端近傍から上方にボンネット101の下端近傍まで延びる立面部112とからなる断面略L字状のスチール部材114を備えていて、上記立面部112の車両後側には、該立面部112との間に略ボックス状の閉断面を築くようにスチール製の補強部材113が取り付けられている。このカウル110の立面部112の車幅方向両端はエンジンルームの車幅方向両端に形成されたサスタワーに固定され、これにより、車幅方向の耐変形性(剛性)を確保するようにしている。
【0004】
ところで、前述のようにスチール製の部材を組み合わせてカウルを構成すると重量が嵩むので、カウルを樹脂材から成形するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
上記特許文献1の自動車のカウル構造では、図12〜図14に示すように、カウル210が車幅方向右側の部材208と左側の部材209とに分割されていて、右側部材208は、その一部にウォッシャータンク207が一体に形成され、該ウォッシャータンク207は、図13に示すように、前立壁211、後立壁212及び底面部213によって形成される断面コ字形部と、そのコ字状部の上側開口を塞ぐように形成され、注水口216を有するガーニッシュ214とから構成されている。一方、カウル210の左側部材209は、図14に示すように、第1立壁231、底面部232及び第2立壁233によって形成される断面略コ字形状の前側部分と、該前側部分の第2立壁233に接合される第3立壁234及び該第3立壁の下端から車両後側へ延びる底面部235とからなる後側部分とで構成されている。この左側部材の第2立壁233の上端には、上記後側部分の上方を覆うように延びるガーニッシュ214が連なっていて、このガーニッシュ214の後端がフロントウインド240に連結されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−127941号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特許文献1の自動車のカウル構造では、カウルが右側部材と左側部材とに分割されているので、部品点数が増加するとともに、カウルの剛性を十分に確保すること難しい。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、カウルを樹脂材から成形して軽量化を図る場合に、部品点数を低減しつつ、剛性を十分に確保することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明では、ダッシュパネルから車両前方に延び、且つ車両の幅方向両端近傍に亘って広がる底面部と、該底面部の車両前端近傍から上方にボンネットの下端近傍まで延び、且つ車両の幅方向両端近傍に亘って広がる立面部とを備えた自動車のカウル構造において、上記底面部及び上記立面部は樹脂材により一体に成形されている構成とする。
【0010】
この構成により、底面部と立面部とが車両の幅方向両端近傍に亘って連続した一体物となるので、カウルを構成する部品点数が低減されるとともに、剛性が十分に確保される。特に、従来のスチール製カウルで設けられていたワイパーフレームやワイパーフレーム取付け用のブラケットを、上記構成では、なくすことができるので、大幅に部品点数を削減でき、軽量化できる。
【0011】
さらに、ワイパーモータの軸部を支持する第1受け部と、ワイパーリンクのピボット部を支持する第2受け部とが底面部に一体に成形されている構成とする。
【0012】
この構成によれば、カウルにワイパーモータやワイパーリンクの取付け箇所を一体に設けることによって、部品点数がさらに低減されるとともに、カウルがより軽量化される。それとともにワイパーの取付けが簡素化されて、取付け作業性が良くなる。
【0013】
また、上記底面部及び上記立面部の少なくとも一方には、車両の幅方向に延びる剛性部材が設けられ、該剛性部材の両端部が車両の幅方向両端に形成された車体部品にそれぞれ連結されるようになっているので、カウルの剛性がさらに向上される。特に、カウルを樹脂製とした場合に、この樹脂部材の熱変形による伸縮によって2本のワイパーの回転軸間距離が大きく変動して、リンクの作動がスムーズにワイパーに伝わらなくなり、極端な場合にはワイパ−がうまく作動しなくなる不具合を発生する虞れがある。しかし本発明では、上記剛性部材がこの樹脂部材の伸縮を抑制することができるので、この不具合を防止できる。
【0014】
また、上記第1受け部はワイパーモータの軸部が挿入される第1筒状部を備え、上記第2受け部はワイパーリンクのピボット部が挿入される第2筒状部を備え、該第1筒状部及び該第2筒状部の少なくとも一方の内側には筒状の耐磨耗性樹脂製カラーが圧入、又はインサート成形されて一体に設けるようにすれば、ワイパーモータの軸部及びワイパーリンクのピボット部が滑らかに回転可能に支持される。
【0015】
また、上記第1受け部にはワイパーモータを取り付ける取付面部設けるようにすれば、ワイパーモータ取付用のブラケットを別部材として設ける必要がなく、ワイパーモータをカウルに直接取り付けることが可能となり、よって、部品点数が削減される
【0016】
請求項の発明では、請求項の発明において、上記剛性部材が上記底面部にインサート成形されているので、底面部及び立面部を成形した後に剛性部材を別途組み付ける必要がなくカウルの製造が容易になり、また、剛性部材及び底面部間の接合強度が高くなる。さらに、ボンネットの後端に衝撃荷重を受けた際に、立面部が撓むことによって、衝撃吸収を効果的に行うことができる。
【0017】
請求項の発明では、請求項1または2の発明において、上記底面部から上方に延びて車両に取り付けられる取付部を車両の幅方向に複数備え、該取付部は高衝撃荷重を受けた際に車両から離脱するように取り付けられているので、例えばワイパーブレードのワイパーピボット部が衝撃荷重を受けた際に、カウルの底面部が下側に撓むことにより、この取付部が車両から外れて、カウルの変形・移動が効果的に実現され、衝撃吸収が滑らかに行われる。
【0018】
請求項の発明では、請求項の発明において、上記取付部は該取付部を車両へ締結する締結手段の挿入孔を有し、該挿入孔に切欠けが連接しているので、カウルが衝撃荷重を受けた際の該カウルの変形・移動を簡単な構造により効果的に実現して、衝撃吸収が滑らかに行われる。
【0019】
また、上記立面部には、パイプ又は配線を固定する固定部が一体に成形されるようにすれば、例えば、ウォッシャー液の供給パイプやワイパーモータの配線等をこの固定部に固定することで、配管・配線等が見映え良く収納される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
なお、この実施形態の説明では、説明の便宜を図るために、「前」とは車両前後方向の前側を、また「後」とは車両前後方向の後側を、さらに「左」とは車両の幅方向の左側を、さらにまた「右」とは車両の幅方向の右側をそれぞれ表すこととする。
【0022】
図1〜図6は、本発明の第1実施形態を示す。この車両の前部に設けられたエンジンルームEと該エンジンルームE後側に設けられた車室Rとの間には両者を仕切る鋼板製のダッシュパネルPが配設されている。該ダッシュパネルPは、下部ダッシュパネル1と上部ダッシュパネル2とからなり、下部ダッシュパネル1の上端に形成された略水平なフランジの上面と、上部ダッシュパネル2の下端に形成された略水平なフランジの下面とを接合して構成されている。上記上部ダッシュパネル2の上端には下端と同様なフランジが形成され、そのフランジの上面に閉断面のフロントウインド支持部材3の下面が接合されていて、このフロントウインド支持部材3にフロントウインド4が支持されている。
【0023】
上記ダッシュパネルPのエンジンルームE側上部近傍にはカウル10が配設されている。該カウル10は、上記上部ダッシュパネル2の下側フランジの上面から前方に延びる底面部11と、この底面部11の前端から上方に延びる立面部12とを備える断面略L字状に形成されている。これら底面部11及び立面部12は、車両の左右両端近傍に亘って連続して延びるように樹脂材により一体に成形されている。上記底面部11の後端部はシール材8を介して上部ダッシュパネル2の下側のフランジ上面に載置され、水密性を確保して取り付けられている。
【0024】
上記立面部12の上端部には、カウル10の上側を覆うように形成されたカウルガーニッシュ5の前端が接合され、このカウルガーニッシュ5の前端の上方には、上記エンジンルームEを覆うボンネット6の後端が位置している。
【0025】
なお、図2、4〜6において二点鎖線で示すのは、補強用リブ37である。この補強用リブ37は、図示したもの全てを設ける必要はなく、一部でもよく、必要な箇所に必要な形状・大きさで設けるようにすればよいものである。
【0026】
車両のワイパー9,9を駆動するワイパーモータ20の軸部21を支持するために、図3に示すように、カウル10の底面部11には、上方に窪んだ第1受け部14が一体に設けられている。
【0027】
また、上記第1受け部14は、底面部11の前縁近傍から後側へ行くほど上方に位置するように傾斜した傾斜面部14aを備え、ワイパーモータ20が上記傾斜面部14aの下側にタッピングスクリュー等により直接締結固定されるようになっている。すなわち、傾斜面部14aがワイパーモータ20の取付面部を構成していて、該取付面部の傾斜角度及び形状によりワイパーモータ20の配設位置が設定されるようになっている。従って、ワイパーモータ20の配設位置により取付面部を平坦に形成してもよい。
【0028】
そして、上記ワイパーモータ20を傾斜面部14aに直接取り付けるようにすることで、ワイパーモータ20取付用のブラケットを別部材として設ける場合に比べて部品点数を削減できるとともに、ワイパーモータ20の組み付け工数も削減できる。
【0029】
また、上記傾斜面部14aには、ほぼ直角に貫通するように第1筒状部15が設けられている。上記ワイパーモータ20の出力軸20aからの出力は方向変換されて、上記第1筒状部15に回転可能に挿入された軸部21に伝達され、そこから傾斜面部14a上側に配設されるブラケット25を介してワイパーリンク22に伝達されるようになっている。上記軸部21と第1筒状部15との間には、カウル10を成形する樹脂材よりも耐磨耗性の高い樹脂材からなるカラー16がインサートされている。
【0030】
上記ワイパーモータ20には、出力軸20a及び軸部21を下方から覆うように形成されたカバー部材24が設けられていて、このカバー部材24は、該カバー部材24に形成された取付孔にボルトを挿通させて傾斜面部14aの下側に締結固定されている。この実施形態では、上記出力軸20a及び軸部21の上側を第1受け部14の傾斜面部14aにより覆うようにしているので、カバー部材24はそれらの下側のみを覆うように形成すればよく、よって、該カバー部材24がコンパクトなものになって軽量化される。
【0031】
なお、ワイパーモータ20を傾斜面部14aの上側に取り付けるようにしてもよい。この場合、ワイパーリンク22を底面部11の下側に配設し、上述のようにして軸部21を介してワイパーモータ20の出力をワイパーリンク22に伝達させてワイパー9,9を駆動する。このようにワイパーモータ20を傾斜面部14aの上側に取り付けることにより、エンジンルームEの熱気がワイパーモータ20に直接的に伝わらなくなって、該ワイパーモータ20の耐久性を向上させることができる。
【0032】
ワイパーリンク22のピボット部23,23をそれぞれ支持するために、図4に示すように、カウル10の底面部11には、上方に窪んだ第2受け部17,17が一体に設けられ、これら第2受け部17,17には、上記第1受け部14の傾斜面部14aと同様な傾斜面部17a,17aがそれぞれ設けられている。各傾斜面部17aには、該傾斜面部17aをほぼ直角に貫通するように第2筒状部18が設けられ、上記カラー16と同様の耐磨耗性樹脂製の筒状カラー19がインサートされている。このカラー19の内面によりワイパーリンク22のピボット部23が軸支されている。このカラー19及びカラー16は、インサート成形する以外の組付け方法として、カウル10成形後に第2筒状部18及び第1筒状部15内にそれぞれ圧入するようにしてもよい。
【0033】
上記の如く底面部11に第1受け部14及び第2受け部17,17が一体に形成されているので、ワイパーモータ20の軸部21及びワイパーリンク22のピボット部23を支持するための部材を別途必要とせず、これにより、部品点数が低減されるとともにカウル10が軽量化され、さらに、上記ワイパーモータ20やワイパーリンク22の取付作業が簡素化されてその作業性が良くなる。
【0034】
図1及び図5に示すように、カウル10の底面部11後端には、車両への取付部31が3つ左右に間隔をあけて立設されている。各取付部31の下端は底面部11に一体に成形され、一方、各取付部31の上端には、上記フロントウインド支持部材3の前側から前方へ延びる支持部35に形成された孔部と一致する孔部(挿入孔)32が設けられており、この孔部32にその軸方向一方側からボルトを挿通してその反対側に配置したナットに螺合させることで、車両にカウル10が取り付けられている。図5(b)に示すように、この孔部32の後側には、切欠け33が連接しており、カウル10が上方から強い衝撃を受けた際に、ボルトが切欠け33内を通り抜けるようにカウル10が移動して取付部31と支持部35との連結が外れ、カウル10が変形できるようになっている。これにより、取付部31に切欠け33を設けるという簡単な構造で効果的にかつ滑らかに衝撃吸収が行われる。
【0035】
なお、この実施形態では、ボルト及びナットからなる締結手段によりカウル10の取付部31を車両の支持部35に取り付けるようにしたが、締結手段はこれに限るものではない。また、この実施形態では、取付部31を3ヶ所設けたが、この数に限られるものではなく、他の数でもよい。また、孔部32には、弾性体(ラバーマウント)39が取り付けられており、ワイパーモータ20やワーパーブレード9の駆動により発生する騒音や振動が車室内側に伝えられることを低減する構成となっている。
【0036】
図6に示すように、カウル10の底面部11における立面部12との接続部分近傍は厚肉に形成され、その中にスチールパイプ製の剛性部材30がインサートされている。この剛性部材30はカウル10の左右両端近傍に亘って延び、その両端部30a,30aがそれぞれ上下に潰されて板状に形成され、カウル10から前方に突出している。これら板状突出部(両端部)30a,30aは、馬蹄鉄形状の連結部材38によって、車両のエンジンルームE左右両端に形成された車体部品としてのサスタワー7にそれぞれ連結されている。このように剛性部材30をカウル10に一体に設けたので、カウル10を樹脂材で形成しても、その樹脂材の熱変形が抑制され、これにより、周囲の温度変化に関わらず、ワイパーピボット部23,23の間隔をほぼ等距離に保つことが可能となり、滑らかで安定したワイパー作動を確保できる。
【0037】
特に剛性部材30の両端部30a,30aをサスタワー7に取り付けたので、上記樹脂材の熱変形を抑制できるだけでなく、左右方向の荷重に対する耐久性にも優れるとともに、高い剛性を得ることができる。また、上記の如く剛性部材30をインサート成形するようにしたので、底面部11及び立面部12の成形後に剛性部材30を別途組み付ける必要がなく、カウル10の製造が容易になるとともに、剛性部材30が底面部11に強固に接合される。
【0038】
なお、剛性部材30は上記底面部11における立面部12との接続部分に限らず、底面部11の前後中央部や立面部12上下中央部に設けてもよい。この際、上方からの衝撃吸収を可能とする構成とするためには、剛性部材30がカウルガ−ニッシュ5から下側へ離れた位置にあることが好ましく、この剛性部材30は、底面部11に設けることが好ましい。また、剛性部材は、サスタワーに連結する代わりに、車両両サイドにある車体部材、例えばサイドパネルや他の車体部品に連結するようにしてもよい。
【0039】
図2に示すように、カウル10の立面部12には、ワイパーモータへの配線、ウォッシャー液の供給管路、エンジンルーム内の各種配管・配線等を支持するための固定部36が一体に形成されている。この固定部36は、上記立面部12の前側から前方へ突出する突状部を上下に間隔をあけて複数設けてなり、上記配管等は隣り合う突状部の間に挟持されるようになっている。これにより、上記配管等が見映え良く収納される。なお、この固定部36は、立面部12の後側に設けてもよい。
【0040】
また、第1実施形態では、カウル10が簡単に着脱できるようになっている。すなわち、剛性部材30の両端部30a,30aはボルト等で連結部材38に締結され、取付部31はボルト等で支持部35に締結され、底面部11の後端は上部ダッシュパネル2の下側フランジにシール材8を挟んで載置されている。従って、ワイパーブレード9を取り外し、カウルガーニッシュ5を取り外した後、カウル10の上記ボルト等による結合を解除すれば、カウル10を取り外すことができる。これにより、ワイパーモータ20のメンテナンス性、場合によってはエンジンルームのサービス性が向上する。
【0041】
以上のように構成された自動車のカウル構造では、上部ダッシュパネル2から前方へ延びる底面部11と、該底面部11の前縁から上方に延びる立面部12とを備えたカウル10を、樹脂材により車両の左右両端近傍に亘って連続して延びる一体物に成形したので、カウル10の部品点数を低減できるとともに、剛性を十分に確保することができる。
【0042】
図7及び図8は、本発明の第2実施形態に関わり、上記第1実施形態と同じ部分は同じ符合とし、共通部分の説明は省略し、異なる部分のみを説明する。すなわち、第1実施形態ではスチールパイプ製の剛性部材を設けたが、この第2実施形態では、剛性部材40が、板部材を上側に開放する断面コ字状に折り曲げることにより構成され、その左右両端部40a,40aの上側は、下側に位置する板部の上側に重なるように折り曲げられ、2重板の合わせ構造とされている。そして、カウル10の底面部11と立面部12との接続部近傍には、そこから下向きかつ車幅方向に延びる複列のリブ43a、43b及び43cが形成され、このリブ43b及び43cの下端には、下側へ突出するカウルボス42が複数形成されている。剛性部材40は、カウル10にインサートされるのではなく、リブ43aと43bの間、及びリブ43cと底面部11との間の溝に、断面コ字状の剛性部材40の前側の壁部及び後側の壁部がそれぞれ挿入され、剛性部材40に形成された複数の取付孔41に上記複数のカウルボス42が挿通されるようになっている。そして、カウルボス42の剛性部材40から突出した部分を溶融してカシメ止めする。
【0043】
なお、剛性部材40の固定構造としては、上記したカシメ止めに限らず、熱溶着してもよいし、タッピングスクリュー等により締結するようにしてもよい。
【0044】
図9は本発明の第3実施形態に関わり、上記各実施形態と同じ部分は同じ符合とし、共通部分の説明は省略し、異なる部分のみを説明する。すなわち、剛性部材としてのスチール板48をカウル10にインサート成形し、このスチール板48の左右両端部を前方に延ばし、その上面に下側へ開放する断面コ字状のスチール板49を重ねてボックス状に形成し、サスタワー7に連結するようにした構成である。
【0045】
なお、上記実施例において、断面コ字状のスチール板49は両側のサスタワー7の上のみに設けられているが、例えば断面コ字状のスチール板49をサスタワー7、7間に掛け渡して、車体剛性を向上させるようにしてもよい。この場合には、スチール板49と上記スチール板48とは適当な数箇所で連結するようにすればよい。
【0046】
また、断面コ字状のスチール板49を両側のサスタワー7、7間に掛け渡すようにした場合には、剛性部材を車幅方向にサスタワー7、7間に亘って設けることを省略して、カウルを軽量化してもよい。この場合には、剛性部材は、例えば、ワイパーリンクのピボット間に相当する間隔位置で底面部にインサートし、この剛性部材を上記スチール板に連結するようにしてもよい。
【0047】
本発明のカウル10を構成する樹脂材としては、PP、ガラス繊維入りのPP、PET、PA、PBT等の熱硬化性樹脂が使用できる。
【0048】
本発明の剛性部材は上記した各部材に限らず、断面L形状アングル材、断面コ字状の型材、H型鋼等でもよく、剛性を維持できれば、形状にこだわるものではない。また、材質もスチールに限られるものではなく、他の金属、高剛性樹脂(例えばFRP)、複合材等でもよい。
【0049】
【発明の効果】
本発明によると、ダッシュパネルから車両前方に延び、且つ車両の幅方向両端近傍に亘って広がる底面部と、該底面部の車両前端近傍から上方にボンネットの下端近傍まで延び、且つ車両の幅方向両端近傍に亘って広がる立面部とを備えた自動車のカウル構造において、上記底面部及び立面部を樹脂材により一体に成形するようにしたので、底面部と立面部とが車両の幅方向に連続した一体物となり、カウルを構成する部品点数を低減できるとともに、剛性を十分に確保できる。
【0050】
また、ワイパーモータの軸部を支持する第1受け部と、ワイパーリンクのピボット部を支持する第2受け部とを底面部に一体に成形したので、部品点数をさらに低減できるとともに、カウルをより軽量化でき、さらに、ワイパーの取付作業性を良好にすることができる。
【0051】
また、上記第1受け部はワイパーモータの軸部が挿入される第1筒状部を備え、上記第2受け部はワイパーリンクのピボット部が挿入される第2筒状部を備え、該第1筒状部及び該第2筒状部の少なくとも一方の内側には筒状の耐磨耗性樹脂製カラーを圧入、又はインサート成形して一体に設けたので、ワイパーモータの軸部及びワイパーリンクのピボット部を滑らかに回転可能に支持できる
【0052】
また、上記底面部及び上記立面部の少なくとも一方には、車両の幅方向に延びる剛性部材を設け、該剛性部材の両端部を車両の幅方向両端に形成された車体部品にそれぞれ連結するようにしたので、カウルの剛性をさらに向上できる。
【0053】
請求項記載の発明によると、剛性部材を底面部にインサート成形したので、カウルを容易に製造でき、また、剛性部材と底面部との接合強度を高めることができる。
【0054】
請求項記載の発明によると、底面部から上方に延びて車両に取り付けられる取付部を車両の幅方向に複数備え、該取付部を高衝撃荷重を受けた際に車両から離脱するように取り付けたので、カウルが衝撃荷重を受けた際に、カウルの変形・移動が効果的に実現され、衝撃吸収を滑らかに行うことができる。
【0055】
請求項記載の発明によると、取付部は該取付部を車両へ締結する締結手段の挿入孔を有し、該挿入孔に切欠けを連接したので、カウルが衝撃荷重を受けた際のカウルの変形・移動を簡単な構造により効果的に実現でき、衝撃吸収を滑らかに行うことができる
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る自動車のカウル構造の分解斜視図である。
【図2】 図1のA―A線断面図である。
【図3】 図1のB―B線断面図である。
【図4】 図1のC―C線断面図である。
【図5】 (a)は図1のD−D線断面図であり、(b)は(a)のイ矢視図である。
【図6】 図1のE−E線断面図である。
【図7】 本発明の第2実施形態に係り、図6相当図である。
【図8】 第2実施形態の剛性部材の斜視図である。
【図9】 本発明の第3実施形態に係り、図6相当図である。
【図10】 一般的な自動車の外観斜視図である。
【図11】 従来のカウル構造の図1相当図である。
【図12】 従来のカウル構造の他の例の図1相当図である。
【図13】 図12のA−A線断面図である。
【図14】 図12のB−B線断面図である。
【符号の説明】
1 下部ダッシュパネル
2 上部ダッシュパネル
3 フロントウインド支持部材
4 フロントウインド
5 カウルガーニッシュ
6 ボンネット
7 サスタワ−(車体部品)
8 シール材
10 カウル
11 底面部
12 立面部
14 第1受け部
14a 傾斜面部(取付面部)
15 第1筒状部
16 カラー
17 第2受け部
18 第2筒状部
19 カラー
20 ワイパーモータ
21 軸部
22 ワイパーリンク
23 ピボット部
24 カバー部材
25 ブラケット
30 剛性部材
32 孔部(挿入孔)
33 切欠け
36 固定部
38 連結部材
P ダッシュパネル

Claims (4)

  1. ダッシュパネルから車両前方に延び、且つ車両の幅方向両端近傍に亘って広がる底面部と、該底面部の車両前端近傍から上方にボンネットの下端近傍まで延び、且つ車両の幅方向両端近傍に亘って広がる立面部とを備えた自動車のカウル構造において、
    上記底面部及び上記立面部は樹脂材により一体に成形され、
    上記底面部及び上記立面部の少なくとも一方には、車両の幅方向に延びる剛性部材が設けられ、該剛性部材の両端部が車両の幅方向両端に形成された車体部品にそれぞれ連結され、
    上記底面部には、ワイパーモータの軸部を支持する第1受け部と、ワイパーリンクのピボット部を支持する第2受け部とが一体に成形されていることを特徴とする自動車のカウル構造。
  2. 請求項に記載の自動車のカウル構造において、
    上記剛性部材が上記底面部にインサート成形されていることを特徴とする自動車のカウル構造。
  3. 請求項1または2に記載の自動車のカウル構造において、
    上記底面部から上方に延びて車両に取り付けられる取付部を車両の幅方向に複数備え、該取付部は高衝撃荷重を受けた際に車両から離脱するように取り付けられていることを特徴とする自動車のカウル構造。
  4. 請求項に記載の自動車のカウル構造において、
    上記取付部は該取付部を車両へ締結する締結手段の挿入孔を有し、該挿入孔に切欠けが連接していることを特徴とする自動車のカウル構造。
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