JP4475505B2 - レーザー彫刻可能な円筒状印刷原版 - Google Patents
レーザー彫刻可能な円筒状印刷原版 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4475505B2 JP4475505B2 JP2004071546A JP2004071546A JP4475505B2 JP 4475505 B2 JP4475505 B2 JP 4475505B2 JP 2004071546 A JP2004071546 A JP 2004071546A JP 2004071546 A JP2004071546 A JP 2004071546A JP 4475505 B2 JP4475505 B2 JP 4475505B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- photosensitive resin
- original plate
- printing original
- compound
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B41—PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
- B41C—PROCESSES FOR THE MANUFACTURE OR REPRODUCTION OF PRINTING SURFACES
- B41C1/00—Forme preparation
- B41C1/02—Engraving; Heads therefor
- B41C1/04—Engraving; Heads therefor using heads controlled by an electric information signal
- B41C1/05—Heat-generating engraving heads, e.g. laser beam, electron beam
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B41—PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
- B41C—PROCESSES FOR THE MANUFACTURE OR REPRODUCTION OF PRINTING SURFACES
- B41C1/00—Forme preparation
- B41C1/18—Curved printing formes or printing cylinders
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Optics & Photonics (AREA)
- Plasma & Fusion (AREA)
- Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)
- Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
Description
特許文献7(米国特許第5259311号公報)には、感光性樹脂硬化物をレーザー彫刻し印刷版を形成する方法に関する記載があるが、円筒状支持体上に成形された感光性樹脂硬化物をレーザー彫刻する記載はない。
また、印刷機に組み込んで印刷版へのインキの転写に用いられるアニロックスロールにおいても、金属、セラミックス、ゴム等の円筒状材料が用いられており、レーザー光を用いた加工が行われている。これらの材料においても安価に、しかも簡単に製作できるものが求められていた。
1. 円筒状支持体とその上に形成された感光性樹脂硬化物層(A)からなり、該感光性樹脂硬化物層(A)が、シリコーン化合物を層内部あるいは表面に含有し、かつ無機多孔質体を含有するレーザー彫刻可能な層であり、かつショアD硬度が30度以上100度以下であり、
前記シリコーン化合物が、メチルスチリル基、ウレタン結合、及びカルビノール基からなる群から選ばれる少なくとも1種類の有機基を有し、かつ該有機基が直接結合している炭素原子に結合した水素原子(α位水素)を有する化合物であり、
前記無機多孔質体の比表面積が10m2/g以上1500m2/g以下、平均細孔径が1nm以上1000nm以下、細孔容積が0.1ml/g以上10ml/g以下、かつ吸油量が10ml/100g以上2000ml/100g以下であることを特徴とする、凹版印刷用円筒状印刷原版。
4. 感光性樹脂硬化物層(A)を構成する感光性樹脂硬化物を、窒素流量100ml/分、昇温速度10℃/分の条件で室温から昇温する熱重量分析を行った場合に、重量が50%に減少する温度が150℃以上450℃以下であり、重量が90%に減少する温度と重量が50%に減少する温度の差が120℃以下であることを特徴とする、1.から3.のいずれかに記載の円筒状印刷原版。
6. レーザー彫刻可能な感光性樹脂硬化物層(A)の表面が、該表面にエネルギー30mN/mの指示液(和光純薬工業社製、商標「ぬれ張力試験用混合液No.30.0」)を1液滴(20μリットル)滴下し、30秒後に前記液滴が広がった部分の最大径を測定した場合に、該液滴の径が4mm以上20mm以下である濡れ特性を有することを特徴とする1.から5.のいずれかに記載の円筒状印刷原版。
7. レーザー彫刻可能な感光性樹脂硬化物層(A)が、発振波長が700nmから3μmの範囲の近赤外線レーザーに感度を有し、パルス幅が1nsから10ns、ピークパワーが5kWから20kWのパルス出力のレーザー光を用いて、1パルスあたりのエネルギー量が0.2mJであるレーザー光を照射した場合に、深さ1μm以上の凹部が形成されることを特徴とする、1.から6.のいずれかに記載のドクターブレード接触型円筒状印刷原版。
9. 周長調整層が、感光性樹脂硬化物層(B)からなることを特徴とする、8.に記載の円筒状印刷原版。
10. レーザー彫刻可能な感光性樹脂硬化物層(A)が、光重合開始剤あるいは該光重合開始剤の分解生成物を含有し、該光重合開始剤が水素引き抜き型光重合開始剤および崩壊型光重合開始剤を含むことを特徴とする、1.から9.のいずれかに記載の円筒状印刷原版。
11. 水素引き抜き型光重合開始剤が、ベンゾフェノン類、キサンテン類、アントラキノン類から選ばれる少なくとも一種類の化合物からなり、かつ崩壊型光重合開始剤が、ベンゾインアルキルエーテル類、2,2−ジアルコキシ−2−フェニルアセトフェノン類、アシルオキシムエステル類、アゾ化合物類、有機イオウ化合物類、ジケトン類から選ばれる少なくとも1種類の化合物からなることを特徴とする、10.に記載の円筒状印刷原版。
13. 感光性樹脂硬化物層(A)と同じ組成の感光性樹脂硬化物からなる厚み2.8mmのシートを別途作製し、該シートを用いて荷重が4.9N、回転円盤の回転速度が毎分60±2回、試験回数が連続1000回である条件でテーパー磨耗試験を行った場合に、感光性樹脂硬化物層表面の単位面積あたりの磨耗量が2.5mg/cm2以下であることを特徴とする、1.から12.のいずれかに記載の円筒状印刷原版。
15. 凹パターンを有するドクターブレードあるいはスキージ接触型の円筒状印刷基材の製造方法において、1.から13.に記載の円筒状印刷原版にレーザー光を照射し、該レーザー照射部を除去することにより凹パターンを形成する工程を含むことを特徴とする、円筒状印刷基材の製造方法。
16. 15.に記載の製造方法により得られる円筒状印刷基材であって、グラビア印刷版、アニロックスロール、又はロータリースクリーン印刷版として用いられることを特徴とする、円筒状印刷基材。
本発明は、表面に凹パターンを有しドクターブレードと接触するタイプの円筒状印刷基材を作製するに適した円筒状印刷原版であって、該円筒状印刷原版が円筒状支持体とその上に形成された感光性樹脂硬化物層(A)からなり、該感光性樹脂硬化物層(A)が、有機珪素化合物あるいは有機フッ素化合物を層内部あるいは表面に含有するレーザー彫刻可能な層であり、かつショアD硬度が30度以上であることを特徴とする円筒状印刷原版に関するものである。
本発明において好ましいシリコーン化合物としては、例えば一般式(2)、(3)、(4)、(5)で表されるシリコーン結合の少なくとも1種の構造を含む1種類以上のシリコーン化合物を挙げることができる。
前記シリコーン化合物は、下記平均組成式(1)で表される。
RpQrXsSiO(4-p-r-s)/2 (1)
(式中、Rは、直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、炭素数5〜20のアルキレン基、シクロアルキレン基、炭素数1〜20のアルコキシ基、水酸基あるいはアミノ基で置換された炭素数1〜20のアルキル基、アリール基で置換された炭素数7〜30のアルキル基、メタクリル基、アクリル基、ビニル基、シンナモイル基、アセチレン基、チオール基、エポキシ基、オキセタン基、環状エステル基、ジオキシラン基、スピロオルトカーボネート基、スピロオルトエステル基、環状イミノエーテル基、ビシクロオルトエステル基、シクロシロキンサン基で置換されたアルキル基、又はハロゲン原子で置換されている炭素数6〜20のアリール基、炭素数2〜30のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基あるいはその塩を含む1価の基、スルホ基あるいはその塩を含む1価の基、ポリオキシアルキレン基から選ばれた1種もしくは2種以上からなる炭化水素基を表す。
Q、Xは、水素原子、直鎖状または分岐状の炭素数が1〜30のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、もしくは置換されていないか或いは炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数1〜20のアルコキシ基、アリール基で置換された炭素数7〜30のアルキル基、又はハロゲン原子で置換されている炭素数6〜20のアリール基、炭素数2〜30のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基あるいはその塩を含む1価の基、スルホ基あるいはその塩を含む1価の基、ポリオキシアルキレン基から選ばれた1種もしくは2種以上からなる炭化水素基を表し、
0<p<4、
0≦r<4、
0≦s<4、
及び(p+r+s)<4である。)
0<p<4、
0≦r<4、
0≦s<4、
及び(p+r+s)<4である。)
樹脂(a)は、数平均分子量が1000以上30万以下の高分子化合物が好ましく、その中でも特に分子内に重合性不飽和基を有する高分子化合物が好ましい。樹脂(a)の数平均分子量のより好ましい範囲は、2000以上10万以下、更に好ましい範囲は2000以上5万以下である。樹脂(a)の数平均分子量は1000以上であれば、後に架橋して作製する印刷原版が強度を保ち、この原版から作製したレリーフ画像は強く、印刷版などとして用いる場合、繰り返しの使用にも耐えられる。また、樹脂(a)の数平均分子量が30万以下であれば、感光性樹脂組成物の成形加工時の粘度が過度に上昇することもなく、レーザー彫刻可能な円筒状印刷原版を作製することができる。ここで言う数平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて測定し、分子量既知のポリスチレンで検量し換算した値である。
有機化合物(b)の具体例としては、ラジカル反応性化合物として、エチレン、プロピレン、スチレン、ジビニルベンゼン等のオレフィン類、アセチレン類、(メタ)アクリル酸及びその誘導体、ハロオレフィン類、アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類、(メタ)アクリルアミド及びその誘導体、アリールアルコール、アリールイソシアネート等のアリール化合物、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸及びその誘導体、酢酸ビニル類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール等があげられるが、その種類の豊富さ、価格、レーザー光照射時の分解性等の観点から(メタ)アクリル酸及びその誘導体が好ましい例である。前記化合物の誘導体の例としては、シクロアルキル−、ビシクロアルキル−、シクロアルケン−、ビシクロアルケン−などの脂環族、ベンジル−、フェニル−、フェノキシ−、フルオレン−などの芳香族、アルキル−、ハロゲン化アルキル−、アルコキシアルキル−、ヒドロキシアルキル−、アミノアルキル−、テトラヒドロフルフリル−、アリル−、グリシジル−、アルキレングリコール−、ポリオキシアルキレングリコール−、(アルキル/アリルオキシ)ポリアルキレングリコール−やトリメチロールプロパン等の多価アルコールのエステル、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン等のポリシロキサン構造を有する化合物などがあげられる。また、窒素、硫黄等の元素を含有した複素芳香族化合物であっても構わない。
本発明において、これら重合性不飽和基を有する有機化合物(b)はその目的に応じて1種若しくは2種以上のものを選択できる。例えば印刷版として用いる場合、印刷インキの溶剤であるアルコールやエステル等の有機溶剤に対する膨潤を押さえるために用いる有機化合物として長鎖脂肪族、脂環族または芳香族の誘導体を少なくとも1種類以上有することが好ましい。
樹脂(a)あるいは有機化合物(b)が、分子鎖中に存在する酸素原子あるいは窒素原子に対しα位に存在する水素原子を有する化合物、チオールのような硫黄原子に直接結合している水素原子を有する化合物を、感光性樹脂組成物全体量の少なくとも20wt%以上含有することが好ましい。より好ましくは40wt%以上である。前記酸素原子の由来原子団としては、アルコール、エーテル、エステル、カーボネート等を挙げることができ、また前記窒素原子の由来原子団としてはウレタン、ウレア、アミド等を挙げることができる。
水素引き抜き型光重合開始剤として機能する部位と崩壊型光重合開始剤として機能する部位を同一分子内に有する化合物を、光重合開始剤として用いることもできる。α−アミノアセトフェノン類を挙げることができる。例えば、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、下記一般式(6)で示される化合物を挙げることができる。
水素引き抜き型光重合開始剤として機能する部位と崩壊型光重合開始剤として機能する部位を同一分子内に有する化合物の添加量としては、感光性樹脂組成物全体量の0.1wt%以上10wt%以下、より好ましくは0.3wt%以上3wt%以下であることが望ましい。添加量がこの範囲であれば、感光性樹脂組成物を大気中で光硬化させた場合であっても、硬化物の機械的物性は充分に確保できる。
感光性樹脂組成物(ア)には無機多孔質体を添加することが好ましい。無機多孔質体とは、粒子中に微小細孔を有する、あるいは微小な空隙を有する無機粒子であり、レーザー彫刻において多量に発生する粘稠性の液状カスを吸収除去するための添加剤であり、版面のタック防止効果も有する。本発明の無機多孔質体は粘稠な液状カスの除去を最大の目的として添加するものであり、数平均粒子径、比表面積、平均細孔径、細孔容積、灼熱減量がその性能に大きく影響する。
他方、上記数平均粒径の範囲より大きなものを用いた場合、レーザー彫刻した際レリーフ画像に欠損が生じやすい。より好ましい平均粒子径の範囲は、0.5〜20μmであり、更に好ましい範囲は3〜10μmである。本発明の多孔質無機吸収剤の平均粒子径は、レーザー散乱式粒子径分布測定装置を用いて測定した値である。
無機多孔質体の細孔容積は、0.1ml/g以上10ml/g以下が好ましく、より好ましくは0.2ml/g以上5ml/g以下である。細孔容積が0.1m/g以上の場合、粘稠性液状カスの吸収量は十分であり、また10ml/g以下の場合、粒子の機械的強度を確保することができる。本発明において細孔容積の測定には、窒素吸着法を用いる。本発明の細孔容積は、−196℃における窒素の吸着等温線から求められる。
本発明で用いる無機多孔質体は、特に赤外線波長領域のレーザー光照射により変形あるいは溶融せずに多孔質性を保持することが好ましい。950℃において2時間処理した場合の灼熱減量が、15wt%以下が好ましく、より好ましくは10wt%以下である。
球状粒子を規定する指標として、真球度を定義する。本発明で用いる真球度とは、粒子を投影した場合に投影図形内に完全に入る円の最大値D1の、投影図形が完全に入る円の最小値D2の比(D1/D2)で定義する。真球の場合、真球度は1.0となる。本発明で用いる好ましい球状粒子の真球度は、0.5以上1.0以下、より好ましくは0.7以上1.0以下が望ましい。0.5以上であれば、印刷版としての耐磨耗性が良好である。真球度1.0は、真球度の上限値である。球状粒子として、70%以上、より好ましくは90%以上の粒子が、真球度0.5以上であることが望ましい。真球度を測定する方法としては、走査型電子顕微鏡を用いて撮影した写真を基に測定する方法を用いることができる。その際、少なくとも100個以上の粒子がモニター画面に入る倍率において写真撮影を行うことが好ましい。また、写真を基に前記D1およびD2を測定するが、写真をスキャナー等のデジタル化する装置を用いて処理し、その後画像解析ソフトウエアーを用いてデータ処理することが好ましい。
本発明において、これらの無機多孔質体は1種類もしくは2種類以上のものを選択でき、無機多孔質体を添加することによりレーザー彫刻時の液状カスの発生抑制、及びレリーフ印刷版のタック防止等の改良が有効に行われる。
感光性樹脂組成物(ア)における樹脂(a)、有機化合物(b)、及び無機多孔質体)の割合は、通常、樹脂(a)100重量部に対して、有機化合物(b)は5〜200重量部が好ましく、20〜100重量部の範囲がより好ましい。又、無機多孔質体は1〜100重量部が好ましく、2〜50重量部の範囲がより好ましい。更に好ましい範囲は、2〜20重量部である。
又、無機多孔質体の量が上記の範囲より小さい場合、樹脂(a)及び有機化合物(b)の種類によっては、レーザー彫刻した際に、彫刻液状カスの発生を抑制するなどの効果が十分発揮されない場合があり、上記の範囲より大きい場合には、印刷版が脆くなりやすい。また、透明性が損なわれる場合があり、また、特にフレキソ版として利用する際には、硬度が高くなりすぎてしまう場合がある。光、特に紫外線を用いて感光性樹脂組成物を硬化させレーザー彫刻印刷原版を作製する場合、光線透過性が硬化反応に影響する。したがって、用いる無機多孔質体の屈折率が感光性樹脂組成物の屈折率に近いものを用いることが有効である。
その他、樹脂組成物には用途や目的に応じて重合禁止剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、滑剤、界面活性剤、可塑剤、香料などを添加することができる。
また、感光性樹脂硬化物中に存在する無機多孔質体微粒子の量については、架橋硬化物を空気中で加熱することにより、有機物成分を焼き飛ばし、残渣の重量を測定することにより得ることができる。また、前記残渣中に無機多孔質体微粒子が存在することは、電界放射型高分解能走査型電子顕微鏡での形態観察、レーザー散乱式粒子径分布測定装置での粒子径分布、および窒素吸着法による細孔容積、細孔径分布、比表面積の測定から同定することができる。
また、本発明のレーザー彫刻印刷版の表面に改質層を形成させることにより、印刷版表面のタックの低減、インク濡れ性の向上を行うこともできる。改質層としては、シランカップリング剤あるいはチタンカップリング剤等の表面水酸基と反応する化合物で処理した被膜、あるいは多孔質無機粒子を含有するポリマーフィルムを挙げることができる。
広く用いられているシランカップリング剤は、基材の表面水酸基との反応性の高い官能基を分子内に有する化合物であり、そのような官能基とは、例えばトリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリクロロシリル基、ジエトキシシリル基、ジメトキシシリル基、ジモノクロロシリル基、モノエトキシシリル基、モノメトキシシリル基、モノクロロシリル基を挙げることができる。また、これらの官能基は分子内に少なくとも1つ以上存在し、基材の表面水酸基と反応することにより基材表面に固定化される。更に本発明のシランカップリング剤を構成する化合物は、分子内に反応性官能基としてアクリロイル基、メタクリロイル基、活性水素含有アミノ基、エポキシ基、ビニル基、パーフルオロアルキル基、及びメルカプト基から選ばれた少なくとも1個の官能基を有するもの、あるいは長鎖アルキル基を有するものを用いることができる。
表面に固定化したカップリング剤分子が特に重合性反応基を有する場合、表面への固定化後、光、熱、あるいは電子線を照射し架橋させることにより、より強固な被膜とすることもできる。
本発明におけるカップリング剤処理法について説明する。前記のカップリング剤を含む処理液を、印刷原版、あるいはレーザー彫刻後の印刷版表面に塗布して用いられる。カップリング剤処理液を塗布する方法に特に限定はなく、例えば浸漬法、スプレー法、ロールコート法、或いは刷毛塗り法等を適応することが出来る。また、被覆処理温度、被覆処理時間についても特に限定はないが、5〜60℃であることが好ましく、処理時間は0.1〜60秒であることが好ましい。更に樹脂版表面上の処理液層の乾燥を加熱下で行うことが好ましく、加熱温度としては50〜150℃が好ましい。
カップリング剤で印刷版表面を処理する前に、キセノンエキシマランプ等の波長が200nm以下の真空紫外線領域の光を照射する方法、あるいはプラズマ等の高エネルギー雰囲気に曝すことにより、印刷版表面に水酸基を発生させ高密度にカップリング剤を固定化することもできる。
本発明において、レーザー彫刻印刷原版にレーザー光を照射し凹パターンを形成する際に、該レーザー彫刻印刷原版表面を加熱しレーザー彫刻を補助することもできる。レーザー彫刻印刷原版の加熱方法としては、レーザー彫刻機のシート状あるいは円筒状定盤を、ヒーターを用いて加熱する方法、赤外線ヒーターを用いて該レーザー彫刻印刷原版表面を直接加熱する方法を挙げることができる。この加熱工程により、レーザー彫刻性を向上させることができる。加熱の程度は、50℃以上200℃以下の範囲、より好ましくは80℃以上200℃以下の範囲、更に好ましくは100℃以上200℃以下の範囲が望ましい。
(1)レーザー彫刻
レーザー彫刻は炭酸ガスレーザー彫刻機(商標:ZED−mini−1000、英国、ZED社製、米国、コヒーレント社製、出力250W炭酸ガスレーザーを搭載)を用いて行った。彫刻は、網点(250 lines per inch で面積率50%)、500μm幅の白抜き線を含むパターンを作成して実施した。また、彫刻深さは20μmとした。
(2)網点部の形状
彫刻した部位のうち、80lpi(Lines per inch)で面積率約10%の網点部の形状を電子顕微鏡で、200倍〜500倍の倍率で観察した。網点が円錐形または擬似円錐形(円錐の頂点付近を円錐の底面に平行な面で切った、末広がりの形状)の場合には、印刷版として良好である。
多孔質体又は無孔質体2gを試料管に取り、前処理装置で150℃、1.3Pa以下の条件で12時間減圧乾燥した。乾燥した多孔質体又は無孔質体の細孔容積、平均細孔径及び比表面積は、米国、カンタクローム社製、オートソープ3MP(商標)を用い、液体窒素温度雰囲気下、窒素ガスを吸着させて測定した。具体的には、比表面積はBET式に基づいて算出した。細孔容積および平均細孔径は、窒素の脱着時の吸着等温線から円筒モデルを仮定し、BJH(Brrett-Joyner-Halenda)法という細孔分布解析法に基づいて算出した。
測定用の多孔質体又は無孔質体の重量を記録する。次に測定用試料を高温電気炉(FG31型;日本国、ヤマト科学社製)に入れ、空気雰囲気、950℃の条件下で2時間処理した。処理後の重量変化を灼熱減量とした。
(5)多孔質体および無孔質体の平均粒子径
多孔質体および無孔質体の粒子径分布の測定は、レーザー回折式粒度分布測定装置(SALD−2000J型;日本国、島津製作所製)を用いて行った。装置の仕様では、0.03μmから500μmまでの粒子径範囲の測定が可能であることが、カタログに記載されている。分散媒体としてメチルアルコールを用い、超音波を約2分間照射し粒子を分散させ測定液を調整した。
感光性樹脂組成物の粘度は、B型粘度計(B8H型;日本国、東京計器社製)を用い、20℃で測定した。
(7)テーパー磨耗試験
テーパー磨耗試験は、厚み2.8mmの印刷原版を別途作製し、JIS−K6264に従って実施した。試験片に加える荷重は4.9N、回転円盤の回転速度は毎分60±2回、試験回数は連続1000回とし、試験後の磨耗量を測定した。試験部の面積は、31.45cm2であった。優れた印刷版では、磨耗量は80mg以下(2.5mg/cm2以下)であり、磨耗量が少ないと長期間、印刷版を使用することが可能となり、高品質の印刷物を提供することができる。
厚み2.8mmの印刷原版を別途作製し、摩擦測定機(TR型:日本国、東洋精機製作所社製)を用いて、表面摩擦抵抗値μを測定した。試料表面に載せる錘は63.5mm角、重量W:200gであり、錘を引っ張る速度は150mm/分とした。また、錘の表面にライナー紙(再生紙を含まず、純パルプから製造された、段ボールに使用されている厚さ220μmの紙、商標名「白ライナー」、日本国、王子製紙社製)を、その平滑な面が表面に露出するように貼り付けたものを使用し、印刷原版と錘の間にライナー紙が存在し、印刷原版表面とライナー紙の平滑面が接するようにして、錘を水平に動かし表面摩擦抵抗値μを測定した。表面摩擦抵抗値μは、錘の重量に対する測定荷重Fdの比、即ちμ=Fd/Wで表される動摩擦係数であり、無次元数である。錘を動かし始めて測定値が安定化する領域、即ち、5mmから30mmまでの測定荷重の平均値をFdとした。表面摩擦抵抗値μが小さいものが印刷版としては好ましい。優れた印刷版では、表面摩擦抵抗値μは2.5以下であり、表面摩擦抵抗値μの値が小さいと印刷時に印刷版表面への紙紛の付着が少なく、品質の高い印刷物を得ることができる。表面摩擦抵抗値μが4を越えて大きい場合、段ボール等の紙に印刷する際に紙紛が印刷版表面に付着してしまう現象が見られ、その場合、紙紛が付着した部分の被印刷物上にインクが転写されず欠陥となることが多発する。
樹脂(a)および有機珪素化合物(c)の数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ法(GPC法)を用いて、分子量既知のポリスチレンで換算して求めた。高速GPC装置(日本国、東ソー社製のHLC−8020)とポリスチレン充填カラム(商標:TSKgel GMHXL;日本国、東ソー社製)を用い、テトラヒドロフラン(THF)で展開して測定した。カラムの温度は40℃に設定した。GPC装置に注入する試料としては、樹脂濃度が1wt%のTHF溶液を調製し、注入量10μlとした。また、検出器としては、樹脂(a)に関しては紫外吸収検出器を使用し、モニター光として254nmの光を用いた。また、有機珪素化合物(c)に関しては視差屈折計を用いて検出した。本発明の実施例あるいは比較例で用いている樹脂(a)、有機珪素化合物(c)は、GPC法で用いて求めた多分散度(Mw/Mn)が1.1より大きいものであったため、GPC法で求めた数平均分子量Mnを採用した。
合成した樹脂(a)の分子内に存在する重合性不飽和基の平均数は、未反応の低分子成分を液体クロマトグラフ法を用いて除去した後、核磁気共鳴スペクトル法(NMR法)を用いて分子構造解析し求めた。
(11)印刷評価
別途シート状に形成した印刷原版上に、レーザー彫刻によりパターンを形成した印刷版を用いて、印刷評価を実施した。印刷には卓上型校正機(英国、RKプリントコートインスツルメント社製、商標「Flexiploofer100」)を用い、版胴上に前記印刷版を、両面テープを用いて貼り付け、シアン色の水性インキを使用して、コート紙上に枚葉式で印刷を行った。アニロックスロールと版胴との間に過剰な圧力を掛けた状態(版に一様にインキが転写する状態から、0.08mm余計に圧を掛けた状態)で、また、版胴と圧胴との間の圧力を0.15mmに設定し、10枚印刷を行った時点で、版表面に残存するインキの残り具合を目視で観察した。
レーザー彫刻印刷原版表面のぬれ性試験は、表面エネルギー30mN/mの指示薬(和光純薬工業社製、商標「ぬれ張力試験用混合液No.30.0」)を20μリットル、1滴を該レーザー彫刻印刷原版表面に滴下し、30秒後に前記液滴が広がった部分の最大径を測定し、この値をぬれ性試験の指標として使用する。この値が大きい程、この指示薬にぬれ易いことを意味する。好適なレーザー彫刻原版は、この値が4mm以上20mm以下である。
(13)ショアD硬度の測定
感光性樹脂硬化物層のショアD硬度は、テクロック社製、商標「GS−720G TypeD」を用いて測定した。円筒状支持体上に形成した感光性樹脂硬化物層のショアD硬度を、円筒状のまま測定した。測定に用いた錘の重量は、8kgであった。
温度計、攪拌機、還流器を備えた1Lのセパラブルフラスコに旭化成株式会社製ポリカーボネートジオールである、商標「PCDL L4672」(数平均分子量1990、OH価56.4)447.24gとトリレンジイソシアナート30.83gを加え80℃に加温下に約3時間反応させた後、2−メタクリロイルオキシイソシアネート14.83gを添加し、さらに約3時間反応させて、末端がメタアクリル基(分子内の重合性不飽和基が1分子あたり平均約2個)である数平均分子量約10000の樹脂(ア)を製造した。この樹脂は20℃では水飴状であり、外力を加えると流動し、かつ外力を除いても元の形状を回復しなかった。
温度計、攪拌機、還流器を備えた1Lのセパラブルフラスコに旭化成株式会社製ポリカーボネートジオールである、商標「PCDL L4672」(数平均分子量1990、OH価56.4)447.24gとトリレンジイソシアナート30.83gを加え80℃に加温下に約3時間反応させた後、2−メタクリロイルオキシイソシアネート7.42gを添加し、さらに約3時間反応させて、末端がメタアクリル基(分子内の重合性不飽和基が1分子あたり平均約1個)である数平均分子量約10000の樹脂(イ)を製造した。この樹脂は20℃では水飴状であり、外力を加えると流動し、かつ外力を除いても元の形状を回復しなかった。
温度計、攪拌機、還流器を備えた1Lのセパラブルフラスコに旭化成株式会社製ポリテトラメチレングリコール(数平均分子量1830、OH価61.3)500gとトリレンジイソシアネート52.40gを加え60℃に加温下に約3時間反応させた後、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート6.2gとポリプロピレングリコールモノメタクリレート(Mn400)7.9gを添加し、さらに2時間反応させたのち、エタノールを20g加えてさらに2時間反応させた。末端がメタアクリル基(分子内の重合性不飽和基が1分子あたり平均で0.5個)である数平均分子量約20000の樹脂(ウ)を製造した。この樹脂は20℃では水飴状であり、外力を加えると流動し、かつ外力を除いても元の形状を回復しなかった。
20℃において液状の樹脂(a)として、製造例1から3で作製した樹脂(ア)から(ウ)を用い、表1に示すように有機化合物(b)、有機珪素化合物(c)、無機多孔質体、光重合開始剤、その他添加剤を加えて樹脂組成物を作成した。
用いた有機珪素化合物(c)としては、信越化学工業社製、メチルスチリル変性シリコーンオイル(商標「KF−410」、屈折率:1.480、数平均分子量:7890と700の2つのピークを有し、4.3:1であったことから、面積比で分配し、数平均分子量を6530とした。20℃にて液状)、カルビノール変性シリコーンオイル(商標「X−22−160AS」、屈折率:1.420、数平均分子量:750、20℃にて液状)を用いた。これらの化合物は、分子中に重合性不飽和基を有していないシリコーン化合物である。
実施例1〜4の感光性樹脂組成物は、いずれも20℃において液状であった。また、B型粘度計を用いて測定した粘度は、20℃において、いずれの系も100Pa・s以上5kPa・s以下であった。
これらをZED社製の炭酸ガスレーザー彫刻機をもちいて、パターンの彫刻を行なった。得られた凹パターンを走査型電子顕微鏡で観察した結果、彫刻部にカスが残っていない良好なパターンであった。
また、実施例1から4で得られた円筒状印刷基材表面の凹部にグラビアインキを充填し、プラスチック製スキージを用いて凹部以外の表面に付着したインキを除去した後、コート紙を円筒状印刷基材の表面に押し付けることによりインキを転写し、コート紙上に印刷パターンを得た。更に、実施例1から4で得られた円筒状印刷基材をエアーシリンダーに装着し、グラビアインキを表面に塗布した後、円筒状印刷基材を回転速度が毎分100回の条件で2分間回転させながら、プラスチック製スキージを表面に接触させた。その結果、円筒状印刷基材表面には大きな傷は見られなかった。
実施例1〜4で得られた円筒状印刷原版のショアD硬度は、いずれも30度を越えて大きい値を示した。
本発明の実施例で用いている重合性不飽和基含有有機化合物の内、芳香族の誘導体は、フェノキシエチルメタクリレート(PEMA)である。
内径213mm、厚さ2mmの繊維強化プラスチック製スリーブ上に両面接着テープを貼りその上に接着剤を塗布したPETフィルムを接着剤が表面に出るように貼り付け円筒状支持体を形成した。この円筒状支持体上に、に 実施例1の感光性樹脂組成物から光重合開始剤であるベンゾフェノンを除いて調整した感光性樹脂組成物を50℃に加熱し、ドクターブレードを用いて、厚さ約2mmに塗布した。その後、大気中において、前記メタルハライドランプの光を4000mJ/cm2(UV−35−APRフィルターで測定した照度を時間積分した値)照射し、感光性樹脂組成物層を硬化させた。
市販の液状感光性樹脂組成物(旭化成ケミカルズ社製、商標「APR−G−42」)100重量部に対し、シリコーン化合物(信越化学工業社製、商標「KF−410」)を1.5重量部、多孔質性微粉末シリカ(富士シリシア化学社製、商標「サイロスフェアC」)−1504)5重量部、および光重合開始剤としてベンゾフェノン1重量部を、遊星式撹拌混合脱泡機(倉敷紡績社製、商標「マゼルスターDD−300」)を用いて混合脱泡し、液状感光性樹脂組成物を得た。
得られた感光性樹脂組成物を用いて、実施例1と同様にして円筒状印刷基材を作製した。
また、表面摩擦抵抗値、磨耗量ともに低い値を示した。表面摩擦抵抗値は、1未満であった。磨耗量は、0.5mg/cm2以下であった。更に、ぬれ性試験の結果、指示薬の広がりが4mm以上20mm以下の範囲に入っていた。また、別途、厚さ1.7mmのシート状サンプルを形成し、インキの版表面への残存性を評価した結果、網点部のインキ残りは見られなかった。
得られた円筒状印刷原版のショアD硬度は、62度であった。
シリコーン化合物であるKF−410を含まず、無機多孔質体としてサイロスフェアC−1504の代わりに無定形多孔質シリカ(富士シリシア化学社製、商標「サイリシア470」(数平均粒子径14.1μm、比表面積300m2/g、平均細孔径17nm)を用いる以外は、実施例1と同様にして円筒状印刷基材および厚さ2.8mmのシート状印刷基材を得た。
シート状印刷基材についてテーパー磨耗試験を行った結果、磨耗量は2.5mg/cm2を越えて大きかった。また、実施例1と同様にして、円筒状印刷基材表面にグラビアインキを塗布し、プラスチック製スキージを接触させる試験を実施したところ、表面に線状の傷が目視で観察された。
Claims (16)
- 円筒状支持体とその上に形成された感光性樹脂硬化物層(A)からなり、該感光性樹脂硬化物層(A)が、シリコーン化合物を層内部あるいは表面に含有し、かつ無機多孔質体を含有するレーザー彫刻可能な層であり、かつショアD硬度が30度以上100度以下であり、
前記シリコーン化合物が、メチルスチリル基、スチリル基、及びカルビノール基からなる群から選ばれる少なくとも1種類の有機基を有し、かつ該有機基が直接結合している炭素原子に結合した水素原子(α位水素)を有する化合物であり、
前記無機多孔質体の比表面積が10m2/g以上1500m2/g以下、平均細孔径が1nm以上1000nm以下、細孔容積が0.1ml/g以上10ml/g以下、かつ吸油量が10ml/100g以上2000ml/100g以下であることを特徴とする、凹版印刷用円筒状印刷原版。 - 感光性樹脂硬化物層(A)が、分子主鎖中にカーボネート結合、ウレタン結合、エステル結合、アミド結合、イミド結合の群から選ばれる少なくとも1種類の結合を有する化合物と、分子内に芳香族基あるいは/および脂環族基を有する化合物を含むことを特徴とする、請求項1に記載の円筒状印刷原版。
- 感光性樹脂硬化物層(A)が、20℃で液状の感光性樹脂組成物(ア)を光硬化させて得られた層であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の円筒状印刷原版。
- 感光性樹脂硬化物層(A)を構成する感光性樹脂硬化物を、窒素流量100ml/分、昇温速度10℃/分の条件で室温から昇温する熱重量分析を行った場合に、重量が50%に減少する温度が150℃以上450℃以下であり、重量が90%に減少する温度と重量が50%に減少する温度の差が120℃以下であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の円筒状印刷原版。
- 無機多孔質体の数平均粒子径が0.1μm以上100μm以下であって、少なくとも70%の粒子の真球度が0.5〜1の範囲の球状粒子であることを特徴とする、請求項4に記載の円筒状印刷原版。
- レーザー彫刻可能な感光性樹脂硬化物層(A)の表面が、該表面にエネルギー30mN/mの指示液(和光純薬工業社製、商標「ぬれ張力試験用混合液No.30.0」)を1液滴(20μリットル)滴下し、30秒後に前記液滴が広がった部分の最大径を測定した場合に、該液滴の径が4mm以上20mm以下である濡れ特性を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の円筒状印刷原版。
- レーザー彫刻可能な感光性樹脂硬化物層(A)が、発振波長が700nmから3μmの範囲の近赤外線レーザーに感度を有し、パルス幅が1nsから10ns、ピークパワーが5kWから20kWのパルス出力のレーザー光を用いて、1パルスあたりのエネルギー量が0.2mJであるレーザー光を照射した場合に、深さ1μm以上の凹部が形成されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の円筒状印刷原版。
- 円筒状支持体と感光性樹脂硬化物層(A)との間に、円筒状印刷原版の周長を調整する周長調整層を有することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の円筒状印刷原版。
- 周長調整層が、感光性樹脂硬化物層(B)からなることを特徴とする、請求項8に記載の円筒状印刷原版。
- レーザー彫刻可能な感光性樹脂硬化物層(A)が、光重合開始剤あるいは該光重合開始剤の分解生成物を含有し、該光重合開始剤が水素引き抜き型光重合開始剤および崩壊型光重合開始剤を含むことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の円筒状印刷原版。
- 水素引き抜き型光重合開始剤が、ベンゾフェノン類、キサンテン類、アントラキノン類から選ばれる少なくとも1種類の化合物からなり、かつ崩壊型光重合開始剤が、ベンゾインアルキルエーテル類、2,2−ジアルコキシ−2−フェニルアセトフェノン類、アシルオキシムエステル類、アゾ化合物類、有機イオウ化合物類、ジケトン類から選ばれる少なくとも1種類の化合物からなることを特徴とする、請求項10に記載の円筒状印刷原版。
- 光重合開始剤が、同一分子内に水素引き抜き型光重合開始剤として機能する部位と崩壊型光重合開始剤として機能する部位の両方を有する化合物を含有することを特徴とする、請求項10に記載の円筒状印刷原版。
- 感光性樹脂硬化物層(A)と同じ組成の感光性樹脂硬化物からなる厚み2.8mmのシートを別途作製し、該シートを用いて荷重が4.9N、回転円盤の回転速度が毎分60±2回、試験回数が連続1000回である条件でテーパー磨耗試験を行った場合に、感光性樹脂硬化物層表面の単位面積あたりの磨耗量が2.5mg/cm2以下であることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の円筒状印刷原版。
- 請求項1から13のいずれか一項に記載の円筒状印刷原版を製造する方法であって、円筒状支持体上に感光性樹脂組成物を塗布し感光性樹脂組成物層を形成する工程、円筒状に形成された感光性樹脂組成物層に大気中で光を照射し架橋硬化せしめ、レーザー彫刻可能な感光性樹脂硬化物層(A)を形成する工程を含み、照射される光に波長200nm以上450nm以下の光が含まれ、かつ感光性樹脂組成物層表面での照度が、UVメーター(オーク製作所社製、商標「UV−M02」)とフィルター(オーク製作所社製、商標「UV−35−APRフィルター」)を用いて測定した場合に、20mW/cm2以上であること、前記UVメーターとフィルター(オーク製作所社製、商標「UV−25フィルター」)を用いて測定した場合に、5mW/cm2以上であることを特徴とする、円筒状印刷原版の製造方法。
- 凹パターンを有するドクターブレードあるいはスキージ接触型の円筒状印刷基材の製造方法において、請求項1から13に記載の円筒状印刷原版にレーザー光を照射し、該レーザー照射部を除去することにより凹パターンを形成する工程を含むことを特徴とする、円筒状印刷基材の製造方法。
- 請求項15に記載の製造方法により得られる円筒状印刷基材であって、グラビア印刷版、アニロックスロール、又はロータリースクリーン印刷版として用いられることを特徴とする、円筒状印刷基材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004071546A JP4475505B2 (ja) | 2004-03-12 | 2004-03-12 | レーザー彫刻可能な円筒状印刷原版 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004071546A JP4475505B2 (ja) | 2004-03-12 | 2004-03-12 | レーザー彫刻可能な円筒状印刷原版 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005254696A JP2005254696A (ja) | 2005-09-22 |
JP4475505B2 true JP4475505B2 (ja) | 2010-06-09 |
Family
ID=35080886
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004071546A Expired - Fee Related JP4475505B2 (ja) | 2004-03-12 | 2004-03-12 | レーザー彫刻可能な円筒状印刷原版 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4475505B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013115082A1 (ja) | 2012-01-31 | 2013-08-08 | 富士フイルム株式会社 | レーザー彫刻型フレキソ印刷版用樹脂組成物、レーザー彫刻型フレキソ印刷版原版及びその製造方法、並びに、フレキソ印刷版及びその製版方法 |
Families Citing this family (19)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
ATE556237T1 (de) * | 2001-03-29 | 2012-05-15 | Georgia Pacific Consumer Prod | Lasergravierte prägerolle |
JP2009023181A (ja) * | 2007-07-18 | 2009-02-05 | Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd | 樹脂組成物、印刷原版、および印刷原版の製造方法 |
JP5241252B2 (ja) * | 2008-01-29 | 2013-07-17 | 富士フイルム株式会社 | レーザー彫刻用樹脂組成物、レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版、レリーフ印刷版及びレリーフ印刷版の製造方法 |
JP5220443B2 (ja) * | 2008-03-11 | 2013-06-26 | 旭化成イーマテリアルズ株式会社 | レーザー彫刻用印刷原版 |
JP5305793B2 (ja) * | 2008-03-31 | 2013-10-02 | 富士フイルム株式会社 | レリーフ印刷版及びレリーフ印刷版の製造方法 |
JP4258786B1 (ja) | 2008-06-18 | 2009-04-30 | 東洋紡績株式会社 | レーザー彫刻可能なフレキソ印刷原版 |
JP5566713B2 (ja) * | 2009-02-05 | 2014-08-06 | 富士フイルム株式会社 | レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版、レリーフ印刷版及びレリーフ印刷版の製造方法 |
JP2011063012A (ja) * | 2009-08-19 | 2011-03-31 | Fujifilm Corp | レリーフ印刷版の製版方法及びレリーフ印刷版製版用リンス液 |
JP5443968B2 (ja) * | 2009-12-25 | 2014-03-19 | 富士フイルム株式会社 | レーザー彫刻用樹脂組成物、レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版及びその製造方法、並びに、レリーフ印刷版及びその製版方法 |
JP5628650B2 (ja) * | 2009-12-25 | 2014-11-19 | 富士フイルム株式会社 | レーザー彫刻用樹脂組成物、レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版、レリーフ印刷版の製版方法及びレリーフ印刷版 |
JP2011245752A (ja) * | 2010-05-27 | 2011-12-08 | Fujifilm Corp | レーザー彫刻用樹脂組成物、レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版及びその製造方法、並びに、レリーフ印刷版及びその製版方法 |
JP2011245818A (ja) * | 2010-05-31 | 2011-12-08 | Fujifilm Corp | レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版、レリーフ印刷版の製版方法、及び、レリーフ印刷版 |
JP2012030587A (ja) * | 2010-06-29 | 2012-02-16 | Fujifilm Corp | レーザー彫刻用樹脂組成物、レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版、レリーフ印刷版の製版方法及びレリーフ印刷版 |
US8613999B2 (en) * | 2011-07-28 | 2013-12-24 | Eastman Kodak Company | Laser-engraveable compositions and flexographic printing precursors comprising organic porous particles |
CN111694218B (zh) * | 2014-05-21 | 2023-09-08 | 旭化成株式会社 | 感光性树脂组合物以及电路图案的形成方法 |
DE102017223385A1 (de) * | 2017-12-20 | 2019-06-27 | Contitech Elastomer-Beschichtungen Gmbh | Bildgebende Druckform und Verfahren zur Herstellung einer Druckform |
CN113168091B (zh) * | 2018-12-19 | 2024-06-04 | 东丽株式会社 | 布帛用的树脂凹版印刷版的制造方法以及布帛印刷物的制造方法 |
JP6919842B1 (ja) * | 2020-01-07 | 2021-08-18 | 東洋紡株式会社 | レーザー彫刻可能なフレキソ印刷原版 |
WO2024122603A1 (ja) * | 2022-12-07 | 2024-06-13 | 旭化成株式会社 | 印刷凹版及びその製造方法、並びに印刷方法 |
-
2004
- 2004-03-12 JP JP2004071546A patent/JP4475505B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013115082A1 (ja) | 2012-01-31 | 2013-08-08 | 富士フイルム株式会社 | レーザー彫刻型フレキソ印刷版用樹脂組成物、レーザー彫刻型フレキソ印刷版原版及びその製造方法、並びに、フレキソ印刷版及びその製版方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2005254696A (ja) | 2005-09-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4789275B2 (ja) | レーザー彫刻可能な印刷基材用感光性樹脂組成物 | |
JP4475505B2 (ja) | レーザー彫刻可能な円筒状印刷原版 | |
JP4493600B2 (ja) | レーザー彫刻可能な印刷基材の製造方法 | |
JP4530367B2 (ja) | 中空円筒状印刷基材 | |
JPWO2003022594A1 (ja) | レーザー彫刻可能な印刷原版用感光性樹脂組成物 | |
JP2007185917A (ja) | フレキソ印刷用印刷版の製造方法 | |
JP4024136B2 (ja) | レーザー彫刻印刷原版 | |
JP4425551B2 (ja) | レーザー彫刻可能な印刷原版用感光性樹脂組成物 | |
JP4323186B2 (ja) | レーザー彫刻可能な円筒状フレキソ印刷原版 | |
JP4502367B2 (ja) | レーザー彫刻可能な円筒状フレキソ印刷原版の製造方法 | |
JP4375705B2 (ja) | レーザー彫刻印刷原版 | |
JP4220272B2 (ja) | レーザー彫刻印刷版の製造方法 | |
JP2005212144A (ja) | 表面処理されたレーザー彫刻印刷版の製造方法 | |
JP4391260B2 (ja) | 周長調整層を有する円筒状印刷原版 | |
JP4024135B2 (ja) | レーザー彫刻印刷版 | |
JP2007261120A (ja) | レーザー彫刻印刷版または印刷原版の再生方法 | |
JP4220271B2 (ja) | レーザー彫刻可能なシームレス印刷原版およびその成形方法 | |
JP2009297981A (ja) | レーザー彫刻可能な印刷原版 | |
JP2004160898A (ja) | フレキソ印刷原版の作製方法 | |
JP2004314334A (ja) | レーザー彫刻印刷原版の製造方法 | |
JP2009190329A (ja) | レーザー彫刻印刷原版用樹脂組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070308 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20090401 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090807 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090908 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20091105 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20091105 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20091204 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100202 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100303 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100304 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130319 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140319 Year of fee payment: 4 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |