JP2011245818A - レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版、レリーフ印刷版の製版方法、及び、レリーフ印刷版 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(成分A)加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物を含有し、且つ、(成分B)バインダーポリマーを含有しないか、又は、全質量に対して2質量%未満含有するレーザー彫刻用樹脂組成物の熱架橋層を架橋レリーフ形成層として支持体上に有するレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版。前記レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版を用意する工程、及び、前記架橋レリーフ形成層をレーザー彫刻してレリーフ層を形成する工程、を含むレリーフ印刷版の製版方法。前記レリーフ印刷版の製版方法により形成されたレリーフ層を有するレリーフ印刷版。
【選択図】なし
Description
<1>(成分A)加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物を含有し、且つ、(成分B)バインダーポリマーを含有しないか、又は、全質量に対して2質量%未満含有するレーザー彫刻用樹脂組成物の熱架橋層を架橋レリーフ形成層として支持体上に有することを特徴とするレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版、
<2>成分Aが、加水分解性シリル基及びシラノール基を2〜6個有する化合物である、<1>に記載のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版、
<3>成分Aが、成分Aに含まれるケイ素原子同士を結ぶ最短の原子数が10以上である化合物である、<2>に記載のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版、
<4>成分Aが、アルコキシ基及びヒドロキシ基を合わせて同一のケイ素原子上に2つ有する化合物である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版、
<5>成分Aが、重合性基を含有しない、<1>〜<4>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版、
<6>前記レーザー彫刻用樹脂組成物が、成分Bを含有しない、<1>〜<5>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版、
<7>前記レーザー彫刻用樹脂組成物が、成分Aの架橋構造形成を促進する(成分C)架橋触媒を更に含有する、<1>〜<6>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版、
<8>前記レーザー彫刻用樹脂組成物が、(成分D)可塑剤を更に含有する、<1>〜<7>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版、
<9>前記レーザー彫刻用樹脂組成物が、(成分E)重合性化合物を更に含有する、<1>〜<8>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版、
<10>前記レーザー彫刻用樹脂組成物が、(成分F)重合開始剤を更に含有する、<1>〜<9>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版、
<11>前記レーザー彫刻用樹脂組成物が、(成分G)無機粒子を更に含有する、<1>〜<10>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版、
<12>前記レーザー彫刻用樹脂組成物が、(成分H)光熱変換剤を更に含有する、<1>〜<11>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版、
<13>前記レーザー彫刻用樹脂組成物が、(成分I)香料を更に含有する、<1>〜<12>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版、
<14><1>〜<13>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版を用意する工程、及び、前記架橋レリーフ形成層をレーザー彫刻してレリーフ層を形成する工程、を含むことを特徴とするレリーフ印刷版の製版方法、
<15>彫刻後のレリーフ層表面を水系リンス液によりリンスするリンス工程を更に含む、<14>に記載のレリーフ印刷版の製版方法、
<16><14>又は<15>に記載のレリーフ印刷版の製版方法により形成されたレリーフ層を有することを特徴とするレリーフ印刷版、
<17>前記レリーフ層の厚みが、0.05mm以上10mm以下である、<16>に記載のレリーフ印刷版、
<18>前記レリーフ層のショアA硬度が、50°以上90°以下である、<16>又は<17>に記載のレリーフ印刷版。
なお、本発明において、数値範囲を表す「下限〜上限」の記載は、「下限以上、上限以下」を表す。すなわち、上限及び下限を含む数値範囲を表す。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、彫刻カスのリンス性に優れる。従って、レリーフ層を形成し製版する時間を短縮できる。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、レーザー彫刻が施されるレリーフ印刷版原版のレリーフ形成層用途以外にも、特に限定なく、他の用途にも広範囲に適用することができる。例えば、表面に凹凸や開口部を形成する他の材形、例えば、凹版、孔版、スタンプ等、レーザー彫刻により画像形成される各種印刷版や各種成形体の形成に適用できる。中でも、適切な支持体上に設けられるレリーフ形成層の形成に適用することが好ましい態様である。
以下、レーザー彫刻用樹脂組成物に含まれる各成分について説明する。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、(成分A)加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物を含有する。
「加水分解性シリル基」とは、加水分解性を有するシリル基である。加水分解性基としては、アルコキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子、アミド基、アセトキシ基、アミノ基、イソプロペノキシ基等が挙げられる。シリル基は加水分解してシラノール基となる。シラノール基は脱水縮合してシロキサン結合が生成する。
このような加水分解性シリル基又はシラノール基は式(A−1)で表されるものが好ましい。
残りのR1〜R3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、又は、1価の有機置換基(例えば、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基を挙げることができる。)を表す。
前記式(A−1)中、ケイ素原子に結合する加水分解性基としては、特にアルコキシ基、ハロゲン原子が好ましく、アルコキシ基がより好ましい。
アルコキシ基としては、リンス性と耐刷性の観点から、炭素数1〜30のアルコキシ基が好ましい。より好ましくは炭素数1〜15のアルコキシ基、更に好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基、特に好ましくは炭素数1〜3のアルコキシ基、最も好ましくはメトキシ基又はエトキシ基である。
また、ハロゲン原子としては、F原子、Cl原子、Br原子、I原子が挙げられ、合成のしやすさ及び安定性の観点で、好ましくはCl原子及びBr原子であり、より好ましくはCl原子である。
アルコキシ基の結合したアルコキシシリル基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、トリフェノキシシリル基などのトリアルコキシシリル基;ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基などのジアルコキシモノアルキルシリル基;メトキシジメチルシリル基、エトキシジメチルシリル基などのモノアルコキシジアルキルシリル基を挙げることができる。
中でも、成分Aは、架橋性の観点から、硫黄原子を含有することが好ましく、また、彫刻カスの除去性(リンス性)の観点から、アルカリ水で分解しやすいエステル結合、ウレタン結合、又は、エーテル結合(特にオキシアルキレン基に含まれるエーテル結合)を含有することが好ましい。中でも、エステル結合、及び、オキシアルキレン基に含まれるエーテル結合がより好ましい。
オキシアルキレン基としては、オキシアルキレン基が2〜40個連結したポリオキシアルキレン基が好ましく、4〜20個連結したポリオキシアルキレン基がより好ましい。オキシアルキレン基としては、炭素数2〜10のオキシアルキレン基が好ましく、炭素数2〜4のオキシアルキレン基がより好ましく、オキシエチレン基が更に好ましい。
硫黄原子を含有する成分Aは、加硫処理をする場合には、加硫剤や加硫促進剤として機能する。(成分B)バインダーポリマーが、例えば、共役ジエン単量体単位を含有する重合体である場合には、重合体の反応(架橋)を促進する。その結果、印刷版として必要なゴム弾性を発現させる。また、架橋レリーフ形成層及びレリーフ層の強度を向上させる。
連結基としてスルフィド基を有する成分A(以下、適宜、「スルフィド連結基含有成分A」と称する。)の合成法は特には限定されないが、具体的には、例えば、ハロゲン化炭化水素基を有する成分Aと硫化アルカリの反応、メルカプト基を有する成分Aとハロゲン化炭化水素の反応、メルカプト基を有する成分Aとハロゲン化炭化水素基を有する成分Aの反応、ハロゲン化炭化水素基を有する成分Aとメルカプタン類の反応、エチレン性不飽和二重結合を有する成分Aとメルカプタン類の反応、エチレン性不飽和二重結合を有する成分Aとメルカプト基を有する成分Aの反応、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物とメルカプト基を有する成分Aの反応、ケトン類とメルカプト基を有する成分Aの反応、ジアゾニウム塩とメルカプト基を有する成分Aの反応、メルカプト基を有する成分Aとオキシラン類との反応、メルカプト基を有する成分Aとオキシラン基を有する成分Aの反応、及び、メルカプタン類とオキシラン基を有する成分Aの反応、メルカプト基を有する成分Aとアジリジン類との反応等の合成方法が例示できる。
連結基としてイミノ基を有する成分A(以下、適宜、「イミノ連結基含有成分A」と称する。)の合成法は特には限定されないが、具体的には、例えば、アミノ基を有する成分Aとハロゲン化炭化水素の反応、アミノ基を有する成分Aとハロゲン化炭化水素基を有する成分Aの反応、ハロゲン化炭化水素基を有する成分Aとアミン類の反応、アミノ基を有する成分Aとオキシラン類との反応、アミノ基を有する成分Aとオキシラン基を有する成分Aの反応、アミン類とオキシラン基を有する成分Aの反応、アミノ基を有する成分Aとアジリジン類との反応、エチレン性不飽和二重結合を有する成分Aとアミン類の反応、エチレン性不飽和二重結合を有する成分Aとアミノ基を有する成分Aの反応、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物とアミノ基を有する成分Aの反応、アセチレン性不飽和三重結合を有する化合物とアミノ基を有する成分Aの反応、イミン性不飽和二重結合を有する成分Aと有機アルカリ金属化合物の反応、イミン性不飽和二重結合を有する成分Aと有機アルカリ土類金属化合物の反応、及び、カルボニル化合物とアミノ基を有する成分Aの反応等の合成方法が例示できる。
連結基としてウレイレン基を有する成分A(以下、適宜、「ウレイレン連結基含有成分A」と称する。)の合成法は特には限定されないが、具体的には、例えば、アミノ基を有する成分Aとイソシアン酸エステル類の反応、アミノ基を有する成分Aとイソシアン酸エステルを有する成分Aの反応、及び、アミン類とイソシアン酸エステルを有する成分Aの反応等の合成方法が例示できる。
前記RBは、リンス性及び膜強度の観点から、エステル結合又はウレタン結合であることが好ましく、エステル結合であることがより好ましい。
前記L1〜L3における二価又はn価の連結基は、炭素原子、水素原子、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子よりなる群から選ばれた少なくとも1種の原子から構成された基であることが好ましく、炭素原子、水素原子、酸素原子及び硫黄原子よりなる群から選ばれた少なくとも1種の原子から構成された基であることがより好ましい。前記L1〜L3の炭素数は、2〜60であることが好ましく、2〜30であることがより好ましい。また、L3は、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、及び、イミノ基を含まないことが好ましい。
前記Ls1におけるm価の連結基は、硫黄原子と、炭素原子、水素原子、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子よりなる群から選ばれた少なくとも1種の原子とから構成された基であることが好ましく、アルキレン基、又は、アルキレン基、スルフィド基及びイミノ基を2以上組み合わせた基であることがより好ましい。前記Ls1の炭素数は、2〜60であることが好ましく、6〜30であることがより好ましい。
前記n及びmはそれぞれ独立に、1〜10の整数であることが好ましく、2〜10の整数であることがより好ましく、2〜6の整数であることが更に好ましく、2であることが特に好ましい。
L1のn価の連結基及び/若しくはL2の二価の連結基、又は、L3の二価の連結基は、彫刻カスの除去性(リンス性)の観点から、エーテル結合を有することが好ましく、オキシアルキレン基に含まれるエーテル結合を有することがより好ましく、ポリオキシアルキレン基に含まれるエーテル結合を有することが更に好ましい。
式(A−2)又は式(A−3)で表される化合物の中でも、式(A−2)において、L1のn価の連結基及び/又はL2の二価の連結基が硫黄原子を有する基であることが好ましい。
部分(共)加水分解縮合物前駆体としてのシラン化合物の中でも、汎用性、コスト面、膜の相溶性の観点から、ケイ素上の置換基としてメチル基及びフェニル基から選択される置換基を有するシラン化合物であることが好ましい。具体的には、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランが好ましい前駆体として例示される。
この場合、部分(共)加水分解縮合物としては、上記したようなシラン化合物の2量体(シラン化合物2モルに水1モルを作用させてアルコール2モルを脱離させ、ジシロキサン単位としたもの)〜100量体、好ましくは2〜50量体、更に好ましくは2〜30量体としたものが好適に使用できるし、2種以上のシラン化合物を原料とする部分共加水分解縮合物を使用することも可能である。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物中に含まれる成分Aの含有量は、不揮発成分換算で、50〜100質量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは52〜95質量%の範囲であり、最も好ましくは54〜90質量%の範囲である。成分Aを50質量%以上含有することにより、バインダーポリマーを5質量%以上含有する従来のレリーフ印刷版と比較して、レーザー彫刻時に発生するカスのリンス性が高くなる。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、(成分B)バインダーポリマーを含有しないか、又は、全質量に対して2質量%未満含有する。
成分Bを含有する場合には、成分Bは非エラストマーであることが好ましい。エラストマーとは、ガラス転移温度が常温以下のポリマーである(科学大辞典 第2版、編者 国際科学振興財団、発行 丸善株式会社、P154参照)。従って、非エラストマーとはガラス転移温度が常温(20℃)を超える温度であるポリマーを指す。非エラストマーのガラス転移温度としては、彫刻感度と皮膜性のバランスの観点から、20〜200℃が好ましく、20〜170℃がより好ましく、25〜150℃が更に好ましい。
ポリビニルブチラールは式(B−1)により表され、誘導体とは式(B−1)で表される繰返し単位を含んで構成されるものである。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物中に含まれる成分Bの含有量は、リンス性と柔軟性の観点から、不揮発成分換算で、5質量%未満が好ましく、2質量%未満がより好ましい。膜強度の観点から、下限としては、0.5質量%以上が好ましく、1.0質量%以上がより好ましく、1.5質量%以上が更に好ましい。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、成分Aの架橋構造形成を促進するため、架橋触媒(アルコール交換反応触媒)を含有することが好ましい。架橋触媒としては、シランカップリング反応において一般に用いられる反応触媒であれば、限定なく適用できる。
酸性触媒としては、塩酸などのハロゲン化水素、硝酸、硫酸、亜硫酸、硫化水素、過塩素酸、過酸化水素、炭酸、蟻酸や酢酸などのカルボン酸、そのRCOOHで表される構造式のRを他元素又は置換基によって置換した置換カルボン酸、ベンゼンスルホン酸などのスルホン酸、リン酸、ヘテロポリ酸、無機固体酸などが挙げられる。中でも、塗布液安定性と硬化性の両立の観点から、リン酸が好ましい。
塩基性触媒としては、アンモニア水などのアンモニア性塩基、アミン類、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ土類酸化物、四級アンモニウム塩化合物、四級ホスホニウム塩化合物などが挙げられる。
(b)の脂肪族アミンとしては、式(C−1)で表されるアミン化合物が好ましい。
N(Rd1)(Rd2)(Rd3) (C−1)
式(C−1)中、Rd1〜Rd3はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10の直鎖又は分岐を有するアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、環の員数が3〜10である硫黄原子又は酸素原子を含む複素環を表し、前記アルキル基、シクロアルキル基は少なくとも1つの不飽和結合を有していてもよい。
式(C−1)で表されるアミン化合物は置換基を有していてもよく、該置換基としては、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基を有する(ジ)アルキルアミノ基、ヒドロキシ基が挙げられる。
前記Rd1〜Rd3のうちの2以上の基が結合してC=N結合を形成してもよい。C=N結合を有するアミン化合物として、グアニジン、1,1,3,3−テトラメチルグアニジンが挙げられる。
(b)の脂環式アミンとしては、前記式(C−1)で表される化合物中のRd1〜Rd3のうちの2以上の基が結合した環骨格に窒素原子を含む脂環式アミンが挙げられる。脂環式アミンとしては、例えば、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、キヌクリジンが挙げられる。
(b)の芳香族アミンとしては、イミダゾール、ピロール、ピリジン、ピリダジン、ピラジン、プリン、キノリン、キナゾリンが挙げられる。芳香族アミンは置換基を有していてもよく、該置換基としては、式(C−1)における置換基が挙げられる。
また、同一又は異なる2個以上の脂肪族アミン、脂環式アミン、芳香族アミンが結合して、ジアミン、トリアミン等のポリアミンを形成してもよい。ポリアミンとしては、脂肪族アミン同士が結合したポリアミンが好ましく、例えば、ヘキサメチレンテトラミン、ポリエチレンイミン(エポミン、日本触媒(株)製)が挙げられる。
前記(d)アミノ酸類、アミド類、アルコールアミン類、エーテルアミン類、イミド類又はラクタム類等の含酸素アミンとしては、フタルイミド、2,5−ピペラジンジオン、マレイミド、カプロラクタム、ピロリドン、モルホリン、グリシン、アラニン、フェニルアラニンが挙げられる。
なお、(c)及び(d)は式(C−1)で表される化合物における前記置換基を有していてもよく、置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。
本発明において、アミン化合物は、(b)、(c)が好ましい。(b)としては、脂肪族アミンが好ましく、脂肪族アミンのポリアミンがより好ましく、ポリエチレンイミンが更に好ましい。(c)としては、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンが好ましい。
前記酸又は塩基性触媒の中でも、膜中でのアルコール交換反応を速やかに進行させる観点で、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ピリジニウムp−トルエンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホン酸、リン酸、ホスホン酸、酢酸、ポリエチレンイミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,1,3,3−テトラメチルグアニジンが好ましく、特に好ましくは、リン酸、ポリエチレンイミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンである。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、レリーフ層に柔軟性を付与するという観点から、(成分D)可塑剤を更に含有するものが好ましい。
可塑剤としては、高分子の可塑剤として公知のものを用いることができ、限定されないが、例えば高分子大辞典(初版、1994年、丸善(株)発行)の第211〜220頁に記載のアジピン酸誘導体、アゼライン酸誘導体、ベンゾイル酸誘導体、クエン酸誘導体、エポキシ誘導体、グリコール誘導体、炭化水素及び誘導体、オレイン酸誘導体、リン酸誘導体、フタル酸誘導体、ポリエステル系、リシノール酸誘導体、セバシン酸誘導体、ステアリン酸誘導体、スルホン酸誘導体、テルペン及び誘導体、トリメリット酸誘導体が挙げられ、中でも相溶性という観点から、クエン酸誘導体、炭化水素及び誘導体、並びに、フタル酸誘導体が好ましい。
クエン酸誘導体としては、クエン酸トリブチル、クエン酸トリ−n−ブチルアセチルが好ましい。
炭化水素及び誘導体としては、常温(20℃)において液体のものが好ましい。また、塗布・乾燥工程での揮発を防ぐという観点、経時での揮発を防ぐ観点から、沸点が200℃以上のものが好ましい。具体的には、常温(20℃)において液体のパラフィンが挙げられ、シェルオンジナオイル15、32、68(昭和シェル石油(株)製)等が好ましく例示される。
フタル酸誘導体としては、フタル酸ジアルキルエステルが好ましい。該アルキル基としては、炭素数15以下の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基が好ましく、炭素数10以下のアルキル基がより好ましい。
成分Dは、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。レーザー彫刻用樹脂組成物中に含まれる成分Dの含有量は、相溶性の観点から、全不揮発成分中、50質量%以下が好ましく、5〜40質量%がより好ましく、10〜20質量%が更に好ましい。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、レリーフ形成層中に架橋構造を形成する観点から、(成分E)重合性化合物を更に含有するものが好ましい。
重合性化合物は、エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上、より好ましくは2〜12個、更に好ましくは2〜6個有する化合物の中から任意に選択することができる。また、前記重合性化合物は、成分Bとは異なる化合物であり、分子の末端にエチレン性不飽和基を有する化合物であることが好ましい。
また、前記重合性化合物は分子量(重量平均分子量)が2,000未満の化合物であることが好ましく、1,500以下の化合物であることがより好ましく、1,000以下の化合物であることが更に好ましい。
前記重合性化合物としては、特に制限はなく、公知のものを用いることができるが、特開2009−204962号公報の段落0098〜0124、特開2009−255510号公報に記載のものを例示できる。
モノマーの例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられる。好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。
また、ヒドロキシ基や、アミノ基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル、アミド類と、単官能若しくは多官能イソシアネート類、エポキシ類との付加反応物、単官能若しくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。
また、イソシアナト基や、エポキシ基、等の親電子性置換基を有する、不飽和カルボン酸エステル、アミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類との付加反応物、ハロゲン原子や、トシルオキシ基、等の脱離性置換基を有する、不飽和カルボン酸エステル、アミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
CH2=C(R)COOCH2CH(R’)OH (i)
(ただし、R及びR’は、それぞれ、H又はCH3を示す。)
ウレタンアクリレート系としては、脂肪族系ウレタンアクリレート、芳香族系ウレタンアクリレートなどが挙げられる。詳しくは、オリゴマーハンドブック(吉川淳二監修、化学工業日報社)を参照することができる。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、(成分F)重合開始剤を更に含有するものが好ましい。重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤が好ましく、特開2008−63554号公報の段落0074〜0118に記載されている化合物を好ましく例示できる。
ラジカル重合開始剤としては、芳香族ケトン類、オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、アゾ系化合物等が挙げられる。中でも彫刻感度と、レリーフ印刷版原版のレリーフ形成層に適用した際にはレリーフエッジ形状を良好とするといった観点から、有機過酸化物又はアゾ系化合物がより好ましく、有機過酸化物が特に好ましい。
これは、重合性化合物と有機過酸化物とを用いてレリーフ形成層を熱架橋により硬化させる際、ラジカル発生に関与しない未反応の有機過酸化物が残存するが、残存した有機過酸化物は、自己反応性の添加剤として働き、レーザー彫刻時に発熱的に分解する。その結果、照射されたレーザーエネルギーに発熱分が加算されるので彫刻感度が高くなると推定される。
この効果は、光熱変換剤としてカーボンブラックを用いる場合に著しい。これは、カーボンブラックから発生した熱が有機過酸化物にも伝達される結果、カーボンブラックだけでなく有機過酸化物からも発熱し、分解に使用されるべき熱エネルギーの発生が相乗的に生じるためと考えられる。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物中の重合開始剤の含有量は、全不揮発成分中、0.01〜10質量%が好ましく、0.1〜3質量%がより好ましい。重合開始剤の含有量を0.01質量%以上とすることで、これを添加した効果が得られ、レリーフ形成層の架橋が速やかに行われる。また、含有量を10質量%以下とすることで他成分が不足することがなく、レリーフ印刷版として使用するに足る耐刷性が得られる。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、(成分G)無機粒子を更に含有するものが好ましい。
無機粒子を添加することにより、レーザー彫刻用樹脂組成物の粘度、レリーフ形成層の濡れ性、粘弾性特性等の機械的特性が調整される。レーザー彫刻用樹脂組成物に、無機粒子を添加することにより、レリーフ形成層表面のタックの低減、彫刻カスのリンス性の向上、及び、レリーフ印刷版による印刷品質の向上が実現される。更に、無機粒子を使用することにより、レリーフ形成層の破断強度を向上すると共に、インキ転移性に優れるレリーフ印刷版を得ることができる。また、得られたレリーフ形成層の耐溶剤特性を向上させる目的で、無機粒子を添加することもできる。
多孔質無機粒子の細孔容積の好ましい範囲は、0.1〜10ml/gであり、より好ましくは、0.2〜5ml/gである。細孔容積が0.1ml/g以上である多孔質無機粒子を用いることにより、レーザー彫刻時に発生する粘着性の液状カスの吸収量が十分なものとなる。また、細孔容積が10ml/g以下であることにより、多孔質無機粒子の機械的強度を確保することができる。
多孔質無機粒子の数平均粒径は、100nm以上10μm以下であることが好ましく、300nm以上5μm以下であることがより好ましい。
多孔質無機粒子は1種類又は2種類以上のものを併用することができる。
無孔質無機粒子の数平均粒子径は、10〜100nmであることが好ましく、10〜50nmであることがより好ましい。
無孔質無機粒子の材質としては、例えば、アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、酸化チタン、窒化ケイ素、窒化ホウ素、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化バナジウム、酸化錫、酸化ビスマス、酸化ゲルマニウム、ホウ素酸アルミニウム、酸化ニッケル、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化鉄、及び酸化セリウムから選択される少なくとも1種類を主成分とすることが好ましい。
無孔質無機粒子は、上記材質を用い、火炎加水分解法、アーク法、プラズマ法、沈降法、ゲル化法、溶融固体法のいずれかの方法で製造される無孔質無機粒子であることが好ましい。火炎加水分解法、アーク法、プラズマ法は、熱分解法又は高熱法(乾式法)とも呼ばれている。また、沈降法、ゲル化法は湿式法とも呼ばれる方法である。これらのうち、乾式法、特に火炎加水分解法によるものが好ましい。
無孔質無機粒子は1種類又は2種類以上のものを併用することができ、また、多孔質無機粒子と併用することもできる。
なお、無機粒子の数平均粒子径は、レーザー散乱式粒子径分布測定装置を用いて測定することができる。
また、無機粒子の表面をシランカップリング剤、チタンカップリング剤、その他の有機化合物で被覆し表面改質処理を行い、より親水性化又は疎水性化した粒子を用いることもできる。これらの無機粒子は1種類又は2種類以上のものを選択できる。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、(成分H)光熱変換剤を更に含有するものが好ましい。すなわち、本発明における光熱変換剤は、レーザーの光を吸収し発熱することで、レーザー彫刻時の硬化物の熱分解を促進すると考えられる。このため、彫刻に用いるレーザー波長の光を吸収する光熱変換剤を選択することが好ましい。
本発明における光熱変換剤としては、種々の染料又は顔料が用いられる。
これらの顔料のうち、好ましいものはカーボンブラックである。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、臭気を低減させるために、(成分I)香料を含有することが好ましい。香料は、レリーフ印刷版原版の製造時やレーザー彫刻時の臭気を低減させるのに有効である。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、(成分I)香料を含有することにより、製造中に塗布した液状樹脂組成物を乾燥する際、揮発する溶剤臭をマスクすることができる。また、レーザー彫刻する際に発生するアミン臭やケトン臭、アルデヒド臭、樹脂の鼻につく焦げ臭さなどの不快臭をマスクすることができる。
また、香料は、硫黄の臭気を低減することにも効果的であるため、硫黄原子を有する化合物を含む場合には、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物において有用である。
香料は、樹脂組成物に使用する前記成分Aのシラン化合物によって、適宜選択することが好ましく、公知の香料を組み合わせて最適化することが好ましい。香料としては、「合成香料−化学と商品知識−」(印藤元一著、(株)化学工業日報社発行)、「香料化学入門」(渡辺昭次著、(株)培風館出版)、「香りの百科」(日本香料協会編、(株)朝倉書店出版)、「香料化学総覧II 単離香料・合成香料・香料の応用」((株)廣川書店発行)に記載されている香料が挙げられる。
また、本発明に用いることができる香料としては、特開2009−203310号公報の段落0012〜0025に記載された香料が例示できる。
ここで、耐熱性香料とは、レーザー彫刻作業時において芳香を発散することにより樹脂の分解等による悪臭をマスキングし、かつ、常温においてはほとんど芳香を発散せず長期保存が可能である香料のことをいう。
また、更に具体的な香料として、下記のパチュリ油を主体とするオリエンタルベースに、下記のローズ系、アンバー系、ムスク系、及び、ジャスミン系よりなる群から選ばれる香料成分を、溶剤のジオクチルフタレート(DOP)と共に上乗せしたタブ(TABU)タイプの香料がある。
オリエンタルベースとしては、パチュリ油、ハーコリン(メチルアビエテート・methylabietate)、バニリン、エチルバニリン、クマリン等が挙げられる。
ローズ系香料成分としては、フェニルエチルアルコール、ゲラニオール、イソ−ボルニルメトキシシクロヘキサノール(iso−Bornyl methoxycyclohexanol)等が挙げられ、アンバー系香料成分としては、テトラハイドロパラメチルキノリン等が挙げられ、ムスク系香料成分としては、ガラクソリッド、ムスクケトン等が挙げられ、ジャスミン系香料成分としては、α−アミルシンナムアルデヒド、メチルジヒドロジャスモネートが挙げられる。
ヘリオトロープ系香料成分としては、ヘリオトロピン、ムスクケトン、クマリン、エチルバニリン、アセチルセドレン、ハーコリン(メチルアビエテート)、オイゲノール、メチルヨノン等が挙げられる。
ローズ系香料成分としては、ダマスコン−β、ダマスコン−α、イソ−ボルニルメトキシシクロヘキサノール等が挙げられ、オレンジフラワー系香料成分としては、メチルアンスラニレート、γ−ウンデカラクトン、γ−ノナラクトン等が挙げられ、ジャスミン系香料成分としては、メチルジヒドロジャスモネート等が挙げられる。
また、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物における香料は、バニリン系香料、ジャスミン系香料、又は、ミント系香料であることが好ましい。
バニリン系香料として、具体的には、バニリン、バニリン酸、バニリルアルコール、バニリンプロピレングリコールアセタール、メチルバニリン、エチルバニリン、パラヒドロキシ安息香酸、パラヒドロキシベンズアルデヒド等が好ましく例示できる。
ジャスミン系香料として、具体的には、メチルジヒドロジャスモネート、メチルエピ−ジヒドロジャスモネート、メチルジャスモネート、メチルエピ−ジャスモネート、シスジャスモン、ジャスモナン、シスジャスモンラクトン、ジヒドロジャスモンラクトン、ジャスミンラクトン、γ−ジャスモラクトン、シスジャスモンラクトン、メチルγ−デカラクトン、ジャスモラクトン、γ−ヘキサラクトン、γ−オクタラクトン、γ−ノナラクトン、4−メチル−5−ヘキセノライド−1:4、2−n−ヘキシルシクロペンタノン、アルキル−シクロヘプチルメチルカーボネート等が好ましく例示できる。
ミント系香料として、具体的にはメントール、メントン、シネオール、l−メントール、d−メントール、dl−メントール、d−ネオメントール、d−イソメントール、d−ネオメントール、ペパーミント油、スペアミント油、ハッカ油等が好ましく例示できる。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物には、ゴムの分野で通常用いられる各種添加剤を、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜配合できる。例えば、充填剤、ワックス、プロセス油、有機酸、金属酸化物、オゾン分解防止剤、老化防止剤、熱重合防止剤、着色剤等が挙げられ、これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版は、(成分A)加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物を含有し、且つ、(成分B)バインダーポリマーを含有しないか、又は、全質量に対して2質量%未満含有するレーザー彫刻用樹脂組成物の熱架橋層を架橋レリーフ形成層として支持体上に有することを特徴とする。
本発明において「レリーフ形成層」とは、架橋される前の状態の層をいう。すなわち、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなる層であり、必要に応じ、乾燥が行われていてもよい。本発明において「架橋レリーフ形成層」とは、前記レリーフ形成層を架橋した層をいう。前記架橋は熱により行われる。また、前記架橋はレーザー彫刻用樹脂組成物が硬化される反応であれば特に限定されず、成分A同士や成分E同士の反応による架橋構造を含む概念であるが、成分A及び/又は成分Eとが反応して架橋構造を形成することが好ましい。架橋レリーフ形成層を有するレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版をレーザー彫刻することにより「レリーフ印刷版」が作製される。また、本発明において「レリーフ層」とは、レーザー彫刻後の前記架橋レリーフ形成層をいう。
レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版は、必要により更に、支持体と(架橋)レリーフ形成層との間に接着層を、また、(架橋)レリーフ形成層上にスリップコート層、保護フィルムを有していてもよい。
レリーフ形成層は、前記レーザー彫刻用樹脂組成物からなる層であり、熱架橋性の層である。本発明のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版としては、成分A同士による架橋構造に加えて、更に(成分E)重合性化合物、及び、(成分F)重合開始剤を含有することで、さらなる架橋性の機能を付与したレリーフ形成層を有するものが好ましい。
レリーフ形成層を架橋することにより、印刷時におけるレリーフ層の摩耗を防ぐことができる。また、レーザー彫刻後に、シャープな形状のレリーフ層を得ることができる。
以下、主としてレリーフ形成層をシート状にした場合を例に挙げて説明する。
レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版の支持体に使用する素材は特に限定されないが、寸法安定性の高いものが好ましく使用される。素材としては、スチール、ステンレス、アルミニウムなどの金属、ポリエステル(例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PAN(ポリアクリロニトリル))やポリ塩化ビニルなどのプラスチック樹脂、スチレン−ブタジエンゴムなどの合成ゴム、ガラスファイバーで補強されたプラスチック樹脂(エポキシ樹脂やフェノール樹脂など)が挙げられる。支持体としては、PETフィルムやスチール基板が好ましく用いられる。支持体の形態は、レリーフ形成層がシート状であるかスリーブ状であるかによって決定される。
レリーフ形成層を支持体上に形成する場合、両者の間には、層間の接着力を強化する目的で接着層を設けてもよい。
接着層に使用しうる材料(接着剤)としては、例えば、I.Skeist編、「Handbook of Adhesives」、第2版(1977)に記載のものを用いることができる。
レリーフ形成層表面又は架橋レリーフ形成層表面への傷や凹み防止の目的で、レリーフ形成層表面又は架橋レリーフ形成層表面に保護フィルムを設けてもよい。保護フィルムの厚さは、25〜500μmが好ましく、50〜200μmがより好ましい。保護フィルムとしては、例えば、PETのようなポリエステル系フィルム、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)のようなポリオレフィン系フィルムが挙げられる。また、フィルムの表面はマット化されていてもよい。保護フィルムは、剥離可能であることが好ましい。
レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版におけるレリーフ形成層の形成は、特に限定されるものではないが、例えば、レーザー彫刻用樹脂組成物を調製し、必要に応じて、このレーザー彫刻用樹脂組成物から溶媒を除去した後に、支持体上に溶融押し出しする方法が挙げられる。あるいは、レーザー彫刻用樹脂組成物を、支持体上に流延し、これをオーブン中で乾燥して樹脂組成物から溶媒を除去する方法でもよい。
中でも、本発明のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版の製造方法は、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を形成する層形成工程、並びに、前記レリーフ形成層を熱架橋し架橋レリーフ形成層を有するレリーフ印刷版原版を得る架橋工程、を含む製造方法であることが好ましい。
保護フィルムを用いる場合には、先ず保護フィルム上にレリーフ形成層を積層し、次いで支持体をラミネートする方法を採ってもよい。
接着層を設ける場合は、接着層を塗布した支持体を用いることで対応できる。スリップコート層を設ける場合は、スリップコート層を塗布した保護フィルムを用いることで対応できる。
本発明のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版の製版方法は、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を形成する層形成工程を含むことが好ましい。
レリーフ形成層の形成方法としては、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物を調製し、必要に応じて、このレーザー彫刻用樹脂組成物から溶媒を除去した後に、支持体上に溶融押し出しする方法や、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物を調製し、レーザー彫刻用樹脂組成物を支持体上に流延し、これをオーブン中で乾燥して溶媒を除去する方法が好ましく例示できる。
レーザー彫刻用樹脂組成物は、例えば、成分A、及び、成分B、並びに、任意成分として、成分C〜成分Iを適当な溶媒に溶解させることによって製造できる。溶媒成分のほとんどは、レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版を製造する段階で除去する必要があるので、溶媒としては、揮発しやすい低分子アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、プロピレングリコ−ルモノメチルエーテル)等を用い、かつ温度を調整するなどして溶媒の全添加量をできるだけ少なく抑えることが好ましい。なお、本発明においては、(成分B)バインダーポリマーの使用量が少ないため、低温でも溶媒を用いずに製膜することが可能である。溶媒の使用量としては、レーザー彫刻用樹脂組成物の不揮発成分100質量部に対して、30質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましい。
本発明のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版の製造方法は、前記レリーフ形成層を熱架橋する架橋工程を含む製造方法であることが好ましい。レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版を加熱することで、レリーフ形成層を架橋することができる(熱により架橋する工程)。熱により架橋を行うための加熱手段としては、印刷版原版を熱風オーブンや遠赤外オーブン内で所定時間加熱する方法や、加熱したロールに所定時間接する方法が挙げられる。
レリーフ形成層を熱架橋することで、第1にレーザー彫刻後形成されるレリーフがシャープになり、第2にレーザー彫刻の際に発生する彫刻カスの粘着性が抑制されるという利点がある。
本発明のレリーフ印刷版の製版方法は、前記レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版を用意する工程、及び、前記架橋レリーフ形成層をレーザー彫刻してレリーフ層を形成する工程(彫刻工程)、を含むことを特徴とする。
また、本発明のレリーフ印刷版は、本発明のレリーフ印刷版の製版方法により製版されたことを特徴とする。
本発明のレリーフ印刷版の製版方法は、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を形成する層形成工程、前記レリーフ形成層を熱で架橋し架橋レリーフ形成層を有するレリーフ印刷版原版を得る架橋工程、及び、前記架橋レリーフ形成層を有するレリーフ印刷版原版をレーザー彫刻する彫刻工程、を含むことが好ましい。
本発明のレリーフ印刷版は、水性インキを印刷時に好適に使用することができる。
本発明のレリーフ印刷版の製版方法における層形成工程及び架橋工程は、前記レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版の製造方法における層形成工程及び架橋工程と同義であり、好ましい範囲も同様である。
本発明のレリーフ印刷版の製版方法は、前記架橋レリーフ形成層を有するレリーフ印刷版原版をレーザー彫刻する彫刻工程を含むことが好ましい。
彫刻工程は、前記架橋工程で架橋された架橋レリーフ形成層をレーザー彫刻してレリーフ層を形成する工程である。具体的には、架橋された架橋レリーフ形成層に対して、所望の画像に対応したレーザー光を照射して彫刻を行うことによりレリーフ層を形成することが好ましい。また、所望の画像のデジタルデータを元にコンピューターでレーザーヘッドを制御し、架橋レリーフ形成層に対して走査照射する工程が好ましく挙げられる。
この彫刻工程には、赤外線レーザーが好ましく用いられる。赤外線レーザーが照射されると、架橋レリーフ形成層中の分子が分子振動し、熱が発生する。赤外線レーザーとして炭酸ガスレーザーやYAGレーザーのような高出力のレーザーを用いると、レーザー照射部分に大量の熱が発生し、架橋レリーフ形成層中の分子は分子切断又はイオン化されて選択的な除去、すなわち、彫刻がなされる。レーザー彫刻の利点は、彫刻深さを任意に設定できるため、構造を3次元的に制御することができる点である。例えば、微細な網点を印刷する部分は、浅く又はショルダーをつけて彫刻することで、印圧でレリーフが転倒しないようにすることができ、細かい抜き文字を印刷する溝の部分は深く彫刻することで、溝にインキが埋まりにくくなり、抜き文字つぶれを抑制することが可能となる。
中でも、光熱変換剤の吸収波長に対応した赤外線レーザーで彫刻する場合には、より高感度で架橋レリーフ形成層の選択的な除去が可能となり、シャープな画像を有するレリーフ層が得られる。
半導体レーザーとしては、波長が700〜1,300nmのものが好ましく、800〜1,200nmのものがより好ましく、860〜1,200nmのものが更に好ましく、900〜1,100nmのものが特に好ましい。
また、本発明のレリーフ印刷版の製版方法に好適に使用しうるファイバー付き半導体レーザーを備えた製版装置は、特開2009−172658号公報及び特開2009−214334号公報に詳細に記載され、これを本発明に係るレリーフ印刷版の製版方法に使用することができる。
リンス工程:彫刻後のレリーフ層表面を水系リンス液によりリンスする工程。
乾燥工程:彫刻されたレリーフ層を乾燥する工程。
後架橋工程:彫刻後のレリーフ層にエネルギーを付与し、レリーフ層を更に架橋する工程。
前記彫刻工程を経た後、彫刻表面に彫刻カスが付着しているため、水又は水を主成分とする液体(リンス液)で彫刻表面をリンスして、彫刻カスを洗い流すリンス工程を追加してもよい。リンスの手段として、水道水で水洗する方法、高圧水をスプレー噴射する方法、感光性樹脂凸版の現像機として公知のバッチ式又は搬送式のブラシ式洗い出し機で、彫刻表面を主に水の存在下でブラシ擦りする方法などが挙げられ、彫刻カスのヌメリがとれない場合は、石鹸や界面活性剤を添加したリンス液を用いてもよい。
彫刻表面をリンスするリンス工程を行った場合、彫刻されたレリーフ形成層を乾燥してリンス液を揮発させる乾燥工程を追加することが好ましい。
更に、必要に応じてレリーフ形成層を更に架橋させる後架橋工程を追加してもよい。追加の架橋工程である後架橋工程を行うことにより、彫刻によって形成されたレリーフをより強固にすることができる。
リンス液を上記のpH範囲とするために、適宜、酸及び/又は塩基を用いてpHを調整すればよく、使用する酸及び塩基は特に限定されない。
本発明に用いることができるリンス液は、主成分として水を含有することが好ましい。
また、リンス液は、水以外の溶媒として、アルコール類、アセトン、テトラヒドロフラン等などの水混和性溶媒を含有していてもよい。
前記ベタイン化合物としては、式(1)で表される化合物及び/又は式(2)で表される化合物であることが好ましい。
式(1)におけるR1〜R3はそれぞれ独立に、一価の有機基を表す。また、R1〜R3のうち2つ以上の基が互いに結合し環を形成してもよいが、環を形成していないことが好ましい。
R1〜R3における一価の有機基としては、特に制限はないが、アルキル基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、アルキル鎖中にアミド結合を有するアルキル基、又は、アルキル鎖中にエーテル結合を有するアルキル基であることが好ましく、アルキル基、ヒドロキシ基を有するアルキル基、又は、アルキル鎖中にアミド結合を有するアルキル基であることがより好ましい。
また、前記一価の有機基におけるアルキル基は、直鎖状であっても、分岐を有していても、環構造を有していてもよい。
また、R1〜R3のうちの2つがメチル基である、すなわち、式(1)で表される化合物がN,N−ジメチル構造を有することが特に好ましい。上記構造であると、特に良好なリンス性を示す。
R4における二価の連結基としては、特に制限はないが、アルキレン基、又は、ヒドロキシ基を有するアルキレン基であることが好ましく、炭素数1〜8のアルキレン基、又は、ヒドロキシ基を有する炭素数1〜8のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基、又は、ヒドロキシ基を有する炭素数1〜3のアルキレン基であることが更に好ましい。
前記式(1)におけるAは、PO(OR5)O-、OPO(OR5)O-、O-、COO-、又は、SO3 -を表し、O-、COO-、又は、SO3 -であることが好ましく、COO-であることがより好ましい。
A-がO-である場合、R4は単結合であることが好ましい。
PO(OR5)O-及びOPO(OR5)O-におけるR5は、水素原子、又は、一価の有機基を表し、水素原子、又は、1以上の不飽和脂肪酸エステル構造を有するアルキル基であることが好ましい。
また、R4は、PO(OR5)O-、OPO(OR5)O-、O-、COO-、及び、SO3 -を有していない基であることが好ましい。
R6〜R8における一価の有機基としては、特に制限はないが、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又は、ヒドロキシ基であることが好ましく、アルケニル基、アリール基、又は、ヒドロキシ基であることがより好ましい。
また、前記一価の有機基におけるアルキル基は、直鎖状であっても、分岐を有していても、環構造を有していてもよい。
また、R6〜R8のうちの2つがアリール基であることが特に好ましい。
R9における二価の連結基としては、特に制限はないが、アルキレン基、又は、ヒドロキシ基を有するアルキレン基であることが好ましく、炭素数1〜8のアルキレン基、又は、ヒドロキシ基を有する炭素数1〜8のアルキレン基であることがより好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基、又は、ヒドロキシ基を有する炭素数1〜3のアルキレン基であることが更に好ましい。
前記式(2)におけるBは、PO(OR10)O-、OPO(OR10)O-、O-、COO-、又は、SO3 -を表し、O-であることが好ましい。
B-がO-である場合、R9は単結合であることが好ましい。
PO(OR10)O-及びOPO(OR10)O-おけるR10は、水素原子、又は、一価の有機基を表し、水素原子、又は、1以上の不飽和脂肪酸エステル構造を有するアルキル基であることが好ましい。
また、R9は、PO(OR10)O-、OPO(OR10)O-、O-、COO-、及び、SO3 -を有していない基であることが好ましい。
式(1)で表される化合物又は式(2)で表される化合物として具体的には、下記の化合物が好ましく例示できる。
界面活性剤は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤の使用量は、特に限定されないが、リンス液の全質量に対し、0.01〜20質量%であることが好ましく、0.05〜10質量%であることがより好ましい。
レリーフ印刷版が有するレリーフ層の厚さは、耐磨耗性やインキ転移性のような種々の印刷適性を満たす観点からは、0.05〜10mmが好ましく、より好ましくは0.05〜7mm、特に好ましくは0.05〜3mmである。
なお、本明細書におけるショアA硬度は、測定対象の表面に圧子(押針又はインデンタと呼ばれる)を押し込み変形させ、その変形量(押込み深さ)を測定して、数値化するデュロメータ(スプリング式ゴム硬度計)により測定した値である。
表1に記載した配合内容で、成分A、成分B、成分H、成分I、及び、溶媒を混合し、撹拌羽根及び冷却管をつけた3つ口フラスコ中に入れ、撹拌しながら70℃で120分間加熱し溶解した。PET基板上に3mm厚のスペーサー(枠)を設置し、上記の樹脂組成物を70℃に保持して、スペーサー(枠)から流出しない程度に静かに流延した。硬化方法として、オーブンに塗布物を入れ95℃で1時間保持したのち、85℃で3時間加熱を行った。得られた架橋レリーフ形成層に対し、半導体レーザーにより彫刻した。
半導体レーザー彫刻機として、最大出力8.0Wのファイバー付き半導体レーザー(FC−LD)SDL−6390(JDSU社製、波長:915nm)を装備したレーザー記録装置を用いた。半導体レーザー彫刻機でレーザー出力:7.5W、ヘッド速度:409mm/秒、ピッチ設定:2,400DPIの条件で、1cm四方のベタ部分をラスター彫刻した。レリーフ印刷版が有するレリーフ層の厚さは1.28mmであった。また、レリーフ層のショアA硬度を測定したところ、78°であった。
表1に記載の各成分、溶媒、及び、彫刻用レーザーを使用し、実施例1と同様な方法により、レーザー彫刻用樹脂組成物、レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版、レリーフ印刷版を、実施例2〜42及び比較例1〜3について、それぞれ得た。
炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)彫刻機として、高品位CO2レーザーマーカML−9100シリーズ((株)キーエンス製)を用いた。レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版から保護フィルムを剥離後、炭酸ガスレーザー彫刻機で、出力:12W、ヘッド速度:200mm/秒、ピッチ設定:2,400DPIの条件で、1cm四方のベタ部分をラスター彫刻した。
リンス液は、水、水酸化ナトリウム10質量%水溶液、及び、下記ベタイン化合物(1−B)を混合し、pHが12、かつ、ベタイン化合物(1−B)の含有量がリンス液全体の1質量%になるように調製した。
前記方法にて彫刻したレリーフ印刷版上に、上記リンス液を版表面が均一に濡れる様にスポイトで滴下(約100ml/m2)し、直ちにハブラシ(ライオン(株)製、クリニカハブラシ フラット)を用い、荷重100gfで版と平行に10回(15秒)こすった。その後、流水にて版面を洗浄し、版面の水分を除去し、1時間ほど自然乾燥した。
◎:カスがないもの、○:殆どないもの、○△少し残存しているもの、△:○△と△×の間、△×:カスが少し除去できているもの、×:カスが殆ど除去できていないもの
×でないものを合格とした。
<(成分A)シラン化合物(加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物)>
PVB;ポリビニルブチラール(デンカブチラール#3000−2、下記式において、l:m:n=56モル%:43モル%:1モル%、重量平均分子量:90,000、電気化学工業(株)製)
C−1:リン酸
C−2:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(サンアプロ(株)製)
C−3:1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(サンアプロ(株)製)
C−4:1,1,3,3−テトラメチルグアニジン(東京化成工業(株)製)
C−5:エポミンSP−006((株)日本触媒製)
C−6:三フッ化ホウ素モノエチルアミン錯体(和光純薬工業(株)製)
<(成分D)可塑剤>
D−1:フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)(東京化成工業(株)製)
D−2:クエン酸トリブチル(東京化成工業(株)製)
D−3:シェルオンジナオイル32(昭和シェル石油(株)製)
<(成分E)重合性化合物>
E−1:グリセロールジメタクリレート(東京化成工業(株)製)
E−2:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(東京化成工業(株)製)
E−3:Ebecryl 5129(ダイセルサイテック(株)製、分子量800)
E−4:Ebecryl 8210(ダイセルサイテック(株)製、分子量600)
E−5:Ebecryl 3105(ダイセルサイテック(株)製、分子量900)
E−6:Ebecryl 270(ダイセルサイテック(株)製、分子量1,500)
<(成分F)重合開始剤>
F−1:tert−ブチルペルオキシベンゾエート(日油(株)製、パーブチルZ)
F−2:2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業(株)製、V−65)
<(成分G)無機粒子>
G−1:SP#2300(日東粉化工業(株)製)
G−2:200−CF(日本アエロジル(株)製)
G−3:アエロジルR8200(エボニックデグサジャパン(株)製)
<(成分H)光熱変換剤>
H−1:ケッチェンブラック(ライオン(株)製、EC600JD)
H−2:カーボンブラック(東海カーボン(株)製、N330、HAFカーボン)
<(成分I)香料>
I−1:バニリン(和光純薬工業(株)製)
I−2:l−メントール(和光純薬工業(株)製)
<溶媒>
PGMEA:プロピレングリコ−ルモノメチルエーテル
Claims (18)
- (成分A)加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物を含有し、且つ、(成分B)バインダーポリマーを含有しないか、又は、全質量に対して2質量%未満含有するレーザー彫刻用樹脂組成物の熱架橋層を架橋レリーフ形成層として支持体上に有することを特徴とする
レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版。 - 成分Aが、加水分解性シリル基及びシラノール基を2〜6個有する化合物である、請求項1に記載のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版。
- 成分Aが、成分Aに含まれるケイ素原子同士を結ぶ最短の原子数が10以上である化合物である、請求項2に記載のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版。
- 成分Aが、アルコキシ基及びヒドロキシ基を合わせて同一のケイ素原子上に2つ有する化合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版。
- 成分Aが、重合性基を含有しない、請求項1〜4のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版。
- 前記レーザー彫刻用樹脂組成物が、成分Bを含有しない、請求項1〜5のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版。
- 前記レーザー彫刻用樹脂組成物が、成分Aの架橋構造形成を促進する(成分C)架橋触媒を更に含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版。
- 前記レーザー彫刻用樹脂組成物が、(成分D)可塑剤を更に含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版。
- 前記レーザー彫刻用樹脂組成物が、(成分E)重合性化合物を更に含有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版。
- 前記レーザー彫刻用樹脂組成物が、(成分F)重合開始剤を更に含有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版。
- 前記レーザー彫刻用樹脂組成物が、(成分G)無機粒子を更に含有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版。
- 前記レーザー彫刻用樹脂組成物が、(成分H)光熱変換剤を更に含有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版。
- 前記レーザー彫刻用樹脂組成物が、(成分I)香料を更に含有する、請求項1〜12のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版。
- 請求項1〜13のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版を用意する工程、及び、
前記架橋レリーフ形成層をレーザー彫刻してレリーフ層を形成する工程、を含むことを特徴とする
レリーフ印刷版の製版方法。 - 彫刻後のレリーフ層表面を水系リンス液によりリンスするリンス工程を更に含む、請求項14に記載のレリーフ印刷版の製版方法。
- 請求項14又は15に記載のレリーフ印刷版の製版方法により形成されたレリーフ層を有することを特徴とする
レリーフ印刷版。 - 前記レリーフ層の厚みが、0.05mm以上10mm以下である、請求項16に記載のレリーフ印刷版。
- 前記レリーフ層のショアA硬度が、50°以上90°以下である、請求項16又は17に記載のレリーフ印刷版。
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