JP4472165B2 - 移動ロボットの制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、二足歩行型ロボット等の移動ロボットの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、二足歩行型ロボット等、脚体に複数の関節部(股関節、膝関節、足首関節等)を有し、その各関節部に一つ又は複数の電動モータ等のアクチュエータを備えた移動ロボットでは、各アクチュエータをロボットの胴体部等に搭載したコントローラに接続し、各アクチュエータの動作、ひいては脚体によるロボットの移動動作を上記コントローラにより直接的に集中制御するものが従来から知られている。
【0003】
ところが、この種の制御装置では、特に脚体の基部寄りの関節部(例えば股関節)にあっては、脚体の先端側のアクチュエータ(足首関節や膝関節等のアクチュエータ)をコントローラに接続するための多数の信号線を配線しなければならず、その配線処理が困難なものとなるという不都合を生じやすい。さらに、コントローラから比較的大きく離間したアクチュエータ(例えば足首関節のアクチュエータ)にあっては、それをコントローラに接続する信号線にノイズが混入しやすく、該アクチュエータの誤動作を生じる虞れがある。
【0004】
このような不都合を解消するために、本願出願人は、次のような制御システム(所謂、分散処理型の制御システム)を構築することを試みている。
【0005】
すなわち、各アクチュエータ毎にその動作制御を担う局所的なコントローラ(以下、局所コントローラという)を各アクチュエータの近傍に配置して該アクチュエータに信号線を介して接続すると共に、その各局所コントローラに対応するアクチュエータの動作(具体的には回転角等)を規定する指令データを逐次生成する中央コントローラをロボットの胴体等に搭載して各局所コントローラにバスライン等を介して接続し、上記指令データを中央コントローラから各局所コントローラに送信する。そして、各局所コントローラは、上記指令データを受信し、その受信した指令データに基づいて対応するアクチュエータの実体的な動作制御(アクチュエータの通電制御)を行う。
【0006】
このような分散処理型の制御システムによれば、各局所コントローラを各アクチュエータの近傍に配置することで、それらの間の信号線の配線処理が容易なものとなると共に、該信号線へのノイズの混入も抑えることが可能となる。また、各局所コントローラにアクチュエータの実体的な動作制御を行わせることで、各局所コントローラと中央コントローラとの間の通信線の個数が少なくて済み、その配線処理も比較的容易なものとなる。
【0007】
ところで、このような分散処理型の制御システムでは、各局所コントローラは、上述のように中央コントローラから逐次与えられる前記指令データに基づいて各アクチュエータの動作制御を行う。このため、例えば、局所コントローラと中央コントローラとの間の通信線の断線等によって局所コントローラが正常な指令データを受信することができなくなると、局所コントローラはアクチュエータを正常に動作させることができなくなる。
【0008】
そして、このような場合にはロボットの異常な移動動作が生じて、ロボットが転倒したり、該ロボットやこれと衝突する物体が破損するという不都合を生じる虞れがある。特に、二足歩行型のロボットでは、その脚体のアクチュエータが正常に動作できなくなると、該ロボットの転倒が生じる可能性が高い。
【0009】
このため、このような不都合を解消することが望まれていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる背景に鑑み、分散処理型の制御システムを採用した移動ロボットの制御装置において、ロボットの移動用の各アクチュエータの動作制御を担う局所コントローラが、中央コントローラからの指令データを正常に受信できなくなったような状況でも、ロボットの転倒等、異常な移動動作を極力回避することができる装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の移動ロボットの制御装置はかかる目的を達成するために、少なくともロボットの移動用のアクチュエータを含む複数のアクチュエータと、各アクチュエータにそれぞれ接続して設けられ、各アクチュエータの動作制御を担う複数の局所制御器と、各局所制御器に接続して設けられ、各局所制御器が制御する各アクチュエータの動作を規定する指令データを逐次生成しつつ各局所制御器に送信する中央制御器とを備えた移動ロボットの制御装置において、
各局所制御器に対応するアクチュエータに係わる所定期間分の前記指令データを記憶保持する記憶手段と、前記各局所制御器における前記中央制御器からの指令データの受信状態を監視し、該指令データの受信不良が生じたとき、前記記憶手段に記憶保持された前記所定期間分の指令データに基づいて該局所制御器に対応するアクチュエータの動作制御を行う手段とを各局所制御器に備え、
前記記憶手段に記憶保持された前記指令データは、前記各局所制御器に対応するアクチュエータの所定の動作を行わせるべくあらかじめ定められた所定期間分の指令データであり、
前記各局所制御器は、前記記憶手段に記憶保持された指令データに基づいて該局所制御器に対応するアクチュエータの動作制御を行うとき、前記受信不良が生じたときの該アクチュエータの実際の動作量と前記指令データにより表される動作量との偏差が大きいほど、該アクチュエータの動作量をより緩やかに前記指令データにより表される動作量に追従させるように該アクチュエータの動作制御を行うことを特徴とする。
【0012】
かかる本発明によれば、前記各局所制御器の記憶手段に前記所定期間分の前記指令データを記憶保持しておくことで、前記各局所制御器は、前記中央制御器との間の通信線の断線等により、該中央制御器からの指令データを正常に受信することができなくなっても(前記受信不良が生じても)、前記記憶手段に記憶保持された前記所定期間分の指令データに基づいて前記アクチュエータの動作制御を行うことが可能となる。このため、指令データの受信不良が生じたときに、前記所定期間分の指令データに基づいて当該局所制御器に対応するアクチュエータの動作制御を行うことで、該アクチュエータの異常動作が生じるような事態を回避することが可能となり、移動ロボットの転倒等の異常動作を極力回避することが可能となる。
【0018】
さらに、前記各局所制御器が前記記憶手段の指令データに基づいて、該局所制御器に対応するアクチュエータの動作制御を行う場合における該アクチュエータの動作の急変を回避することができ、該アクチュエータの負荷を軽減することができると共に、ロボットの姿勢の急変を回避して、ロボットの姿勢の安定性を確保することが可能となる。
【0019】
尚、本発明の脚式移動ロボットの制御装置は、特に二足歩行型の脚式移動ロボットにおいて特に好適である。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明に関連する参考例としての第1実施形態を図1〜図5を参照して説明する。図1は本実施形態における脚式移動ロボットを模式化して示した側面図、図2は該ロボットの制御システムの構成図、図3〜図5はそれぞれ図2の制御システムの要部の構成図である。
【0021】
図1を参照して、本実施形態における脚式移動ロボットRは、二足歩行型のものであり、上端に頭部1を搭載した胴体2と、この胴体2の下部から延設された左右一対の脚体3と、胴体2の上部の両側部から延設された左右一対の腕体4とを具備する。尚、脚体3は左右、同一構造であり、図1では、便宜上、一方の脚体3のみを記載している。同様に、腕体4も左右、同一構造であり、図1では一方の脚体4のみを記載している。
【0022】
各脚体3は、股関節5を介して胴体3に連結され、その股関節5に、膝関節6及び足首関節7を順に介して足平部8を連結した構造となっている。また、足首関節7と足平部8との間には、足平部8がその接地箇所から受ける作用力(並進力及びモーメント)を検出する6軸力センサ9aが介装されている。
【0023】
同様に、各腕体4は、肩関節10を介して胴体3に連結され、その肩関節10に、肘関節11、手首関節12及び6軸力センサ9bを介して手先部13を連結した構造となっている。
【0024】
図1では図示を省略するが、各脚体3の各関節5〜7、並びに各腕体4の各関節10〜12は、それぞれ一つ又は複数の電動モータ(アクチュエータ)により構成されている。例えば脚体3の股関節5、膝関節6及び足首関節7は、それぞれ3自由度、1自由度、2自由度を有するように3個、1個、2個の電動モータにより構成されている。これらの、脚体3の各関節5,6,7の電動モータは、ロボットの移動用のアクチュエータに相当するものである。また、腕体4の肩関節10、肘関節11及び手首関節12は、それぞれ3自由度、1自由度、3自由度を有するように3個、1個、3個の電動モータにより構成されている。
【0025】
尚、図1において、14はロボットRの目としての機能を有するものとして頭部1に装着された撮像カメラ、9c,9dはロボットRの上体(胴体2)の姿勢やその変化状態を検出するために胴体2に搭載されたジャイロセンサ及び加速度センサである。また、撮像カメラ14は頭部1に備えた図示しない電動モータによりその視野方向を変更できるようになっている。また、撮像カメラ14用の電動モータを含めて、前記脚体3や腕体4に備えられた各電動モータには、その回転角度を検出するためのロータリエンコーダ(図1では図示省略)が取着されている。 このロボットRには、図2に示すような構成の制御システムが搭載されている。尚、以下の説明では、前記6軸力センセ9a,9b、ジャイロセンサ9c及び加速度センサ9dを総称的にセンサ9と称することがある。
【0026】
この制御システムは、中央制御器15と、脚体3、腕体4及び頭部1に上記の如く備えられた複数の電動モータ16のそれぞれに対応して設けられた複数の局所制御器17(以下、モータ用局所制御器17という)と、前記6軸力センセ9a,9b等の各センサ9のそれぞれに対応して設けられた複数の局所制御器18(以下、センサ用局所制御器18という)とを備えている。
【0027】
この場合、中央制御器15は、ロボットRの胴体2に搭載されている(図1を参照)。また、各モータ用局所制御器17は、それが対応する電動モータ16の近傍の箇所に配置され、該電動モータ16とこれに取着されたロータリエンコーダ19とに接続されている。例えば、脚体3の股関節5の各電動モータ16に対応するモータ用局所制御器17は、その股関節5の部分に設置されて、該電動モータ16とこれに取着されたロータリエンコーダ10とにリード線を介して接続されている。他の電動モータ16についても同様である。これと同様に、各センサ用局所制御器17は、それが対応するセンサ9の近傍の箇所に配置されて、該センサ9に接続されている。そして、中央制御器15と各モータ用局所制御器17及びセンサ用局所制御器17とは、それらの設置箇所を通るように配線されたバスライン20を介して相互に接続され、このバスライン20を介して各種データ(デジタルデータ)の授受(送受信)を可能としている。
【0028】
中央制御器15は、ロボットRの外部の適宜の操作器(図示しない)等から与えられるロボットRの動作形態の指令データや、あらかじめティーチングされたデータ、前記各センサ9の検出データ、撮像カメラ14による撮像データ、各電動モータ16の動作状態(実際の回転角等)のデータ等に基づいて、ロボットRの所要の動作(歩行や作業)を行わしめるための各電動モータ16の回転角の指令データを所定の制御サイクルで生成し、それを各モータ用局所制御器17にバスライン20を介して送信する機能を主たる機能として有するものである。
【0029】
そして、このような機能を有する中央制御器15は、図3に示すように、各電動モータ16の回転角の指令データの生成処理を担う主演算処理ユニット21と、前記各モータ用局所制御器17及び各センサ用局所制御器18との間の前記バスライン20を介した通信処理を担う内部用通信処理ユニット22と、撮像カメラ14による撮像データの解析処理を担う画像処理ユニット23と、ロボットRの外部の操作器等との間の通信処理を担う外部用通信処理ユニット24とを具備している。これらの各ユニット21〜24はそれぞれ図示しないCPU、RAM、ROMを含む電子回路により構成されており、中央制御器15内に設けられたバスライン25を介して相互にデータの授受を行うことができるようになっている。
【0030】
尚、本実施形態では、外部用通信処理ユニット24は、無線による通信処理を行うものである。
【0031】
前記各モータ用局所制御器17は、中央制御器15との間で、該モータ用局所制御器17に対応する電動モータ16の回転角の指令データや該電動モータ16の実際の動作状態(電動モータ16の実回転角等)のデータを授受しつつ、該電動モータ16の実体的な動作制御を担う機能を主たる機能を有するものである。
【0032】
このような機能を有するモータ用局所制御器17は、図4に示すように、中央制御器15との間でのバスライン20を介したデータの授受(送受信)を行うための通信回路26と、中央制御器15から与えられる電動モータ16の回転角の指令データに基づく該電動モータ16の通電電流の指令データの生成処理や中央制御器15との間の通信状態の監視処理、中央制御器15に送信すべきデータの生成処理等を行うCPU27と、各種データやプラグラムの記憶保持を行うRAM及びROMにより構成されたメモリ28(記憶手段)と、モータ用局所制御器17に対応する電動モータ16に接続されたモータ駆動回路29と、このモータ駆動回路29を介して電動モータ16の通電制御を行うモータ制御回路30とを備えている。尚、CPU27には、電動モータ16に取着されたロータリエンコーダ19から該電動モータ16の実回転角を示すデータが与えられる。また、図示を省略するが、モータ用局所制御器17には、電動モータ16の通電電流を検出する手段が備えられ、その検出データがモータ制御回路30に与えられる。
【0033】
前記各センサ用局所制御器18は、それが対応するセンサ9の検出データの取り込みや、その検出データの中央制御器15への送信等の機能を有するものである。そして、このような機能を有するセンサ用局所制御器18は、図5に示すように、中央制御器15との間でのバスライン20を介したデータの授受(送受信)を行うための通信回路31と、センサ9の出力を増幅する増幅回路32と、その増幅されたセンサ9の出力をA/D変換するA/D変換回路33と、このA/D変換回路33を介したセンサ9の出力の取り込み処理や、中央制御器15との通信状態との間の通信状態の監視処理等を行うCPU34と、各種データやプログラムの記憶保持を行うRAM及びROMにより構成されたメモリ35とを具備している。
【0034】
尚、図示を省略するが、本実施形態では、各モータ用局所制御器17及びセンサ用局所制御器18の上述した回路の動作用の電源電池がロボットRの胴体2に搭載されており、その電源電池から電源線を介して各モータ用局所制御器17及びセンサ用局所制御器18にその動作用の電源が与えられるようになっている。
【0035】
また、ロボットRの胴体には、各電動モータ16の動作用の電源電池(バッテリ)がロボットRの胴体2に搭載されており、その電源電池から電源線を介して各モータ用局所制御器17のモータ駆動回路29に与えられるようになっている。
【0036】
次に本実施形態の装置の作動を説明する。
【0037】
まず、基本的な作動を説明する。本実施形態のロボットRでは、中央制御器15は、各電動モータ16の回転角の指令データ(目標回転角)を、主演算処理ユニット21により所定の(一定の)制御サイクルで生成する。このとき、各電動モータ16の回転角の指令データは、あらかじめティーチングされたデータや、後述の如くモータ用局所制御器17やセンサ用局所制御器18から与えられる各電動モータ16の実回転角のデータ、各センサ9の検出データ等に基づいて生成される。
【0038】
そして、中央制御器15は、生成した各電動モータ16の回転角の指令データと各センサ用局所制御器18に関する指令データ(具体的には各センサ9の出力の取込処理の指令データ)とを、上記の制御サイクル毎に一斉に、前記内部用通信処理ユニット22を介してバスライン20に出力する。
【0039】
このとき、各電動モータ16の回転角の指令データには、各電動モータ16に対応するモータ用局所制御器17のあらかじめ定められた識別子(IDコード)が付される。同様に、各センサ用局所制御器18に関する指令データには、センサ用局所制御器18のあらかじめ定められた識別子(IDコード)が付される。
【0040】
上記のように中央制御器15からバスライン20に出力されたデータは、各モータ用局所制御器17のCPU27に通信回路26を介して受信されると共に、各センサ用制御器18のCPU34に通信回路31を介して受信される。
【0041】
このとき、各モータ用局所制御器17にあっては、そのCPU27は、自身のモータ用局所制御器17に対応する識別子が付された指令データを受信すると、その時点におけるロータリエンコーダ19の検出データ、すなわち電動モータ16の実回転角のデータをメモリ28に記憶保持する。また、CPU27は、与えられた指令データ(電動モータ16の回転角の指令データ)をメモリ28に記憶保持する。この場合、指令データの記憶保持に関しては、現在から過去に逆上った所定数の制御サイクル分、すなわち、所定数×制御サイクルの期間分の複数個の指令データがメモリ28に時系列的に記憶保持される。
【0042】
これに続いて、CPU27は、与えられた電動モータ16の回転角の指令データに基づき電動モータ16の通電電流の指令データを生成し、それをモータ制御回路30に与える。そして、該モータ制御回路30は、電動モータ16の通電電流の検出データを監視しつつ、与えられた通電電流の指令データに従って電動モータ16への通電をモータ駆動回路29を介して制御する。
【0043】
これにより、各電動モータ16は、その回転角が該電動モータ16に対応するモータ用局所制御器17に中央制御器15から与えられた回転角の指令データに基づいて制御される。
【0044】
このようにして、電動モータ16を制御した後、各モータ用局所制御器17のCPU27は、先にメモリ28に記憶保持した電動モータ16の実回転角のデータを中央制御器15に送信すべく通信回路26を介してバスライン20に出力する。このとき、該データには、それを出力したモータ用局所制御器17の識別子のデータが付される。
【0045】
また、各センサ用局所制御器18にあっては、そのCPU34は、自身のセンサ用局所制御器18に対応する識別子が付された指令データを受信すると、その時点におけるセンサ9の出力(検出信号)を増幅回路32及びA/D変換器33を介して取り込み、それをメモリ35に記憶保持した後、中央制御器15に送信すべく通信回路31を介してバスライン20に出力する。
【0046】
このとき、バスライン20に出力するデータ、すなわちセンサ9の検出データには、センサ用局所制御器18の識別子のデータが付される。
【0047】
上記のように各モータ用局所制御器17及びセンサ用局所制御器18からバスライン20に出力されたデータは、該バスライン20に早く出力されたものから順番に、中央制御器15の内部用通信処理ユニット22により受信されて図示しないメモリに記憶保持され、それが、次回の制御サイクルで主演算処理ユニット21が各電動モータ16の回転角の指令データを生成するために使用される。
【0048】
以上説明した作動が本実施形態の装置の基本的作動である。
【0049】
一方、各モータ用局所制御器17のCPU27は、前述の如く中央制御器15から送信される指令データ(回転角の指令データ)の受信状態を監視するようにしており、前回の制御サイクルの指令データを受信してから、その制御サイクルの1周期を経過しても自身のモータ用局所制御器17に対応する新たな指令データを受信することができない場合や、受信した指令データが異常を生じている場合(例えばパリティビットのデータの異常)には、次のような制御処理を行う。
【0050】
すなわち、CPU27は、メモリ28に前述の如く時系列的に記憶保持されている過去(前回の制御サイクル以前)における指令データを読みだす。そして、これらの指令データから今回の制御サイクルにおける指令データを予測し、この予測した指令データに基づいて、前述の基本的作動の場合と同様に電動モータ16の動作制御をモータ制御回路30及びモータ駆動回路29を介して行う。
【0051】
この場合、指令データの予測は、例えば次のように行う。すなわち、電動モータの回転角の指令データの時間的変化を表す関数式(例えば二次関数)を過去の指令データから最小二乗法等により求め、その関数式に基づいて、今回の制御サイクルのタイミングにおける指令データを予測する。尚、この場合、上記のように関数式に基づいて指令データを予測することで、その予測の指令データが、受信不良を生じる前に中央制御器15から与えられた指令データの時系列に対して急変を生じることはない。従って、その予測された指令データは、電動モータの回転角を漸変させるものとなる。
【0052】
このように予測した指令データを用いて電動モータ16の動作制御を行うことで、バスライン20の断線等が生じて、モータ用局所制御器17が正常なそれイデータを受信することができなくなっても、電動モータ16の動作、ひいてはロボットRの動作の急変を避けることができる。特に、脚体3の電動モータ16の動作の急変を避けることができることで、ロボットRが転倒し、該ロボットRやこれと衝突する物体が損傷を受けるような事態が発生するのを予防することが可能となる。
【0053】
次に、本発明の一実施形態である第2実施形態を図6を参照して説明する。図6は本実施形態の装置の作動を説明するための線図である。尚、本実施形態は、前記図1に示したロボットRの制御装置であり、その構成と基本的作動(受信不良が生じたとき以外の作動)は、前記第1実施形態と同一である。従って、本実施形態の説明においては、前記第1実施形態と同一の参照符号を用い、前記第1実施形態のものと相違する作動につてのみ説明する。
【0054】
本実施形態では、前記各モータ用局所制御器17のメモリ28のROMには、該モータ用局所制御器17に対応する電動モータ16に係わるあらかじめ定められた回転角の指令データが所定期間分(所定数の制御サイクル数分)記憶保持されている。この指令データは、ロボットRが安定した姿勢を保つことができるようにあらかじめ定められた指令データである。
【0055】
そして、各モータ用局所制御器17のCPU27は、ロボットRの動作中に、前記第1実施形態と同様に、中央制御器15からの指令データの受信状態を監視しており、その受信状態の異常(受信不良)が生じたときには、メモリ28のROMに記憶保持された上記の指令データに基づいて対応する電動モータ16の動作制御を行う。すなわち、基本的には、CPU27は、メモリ28のROMに記憶保持された所定期間分の指令データが表す回転角の時系列値に電動モータ16の実回転角を追従させるように該電動モータ16を制御する。
【0056】
但し、この場合、上記受信不良が生じた際における電動モータ16の実回転角(以下、初期実回転角という)が、メモリ28のROMに記憶保持されている指令データが表す回転角(以下、記憶指令回転角という)に対して大きく相違している可能性がある。
【0057】
そこで、本実施形態では、各モータ用局所制御器17のCPU27は、受信不良が生じた際に、前記ロータリエンコーダ19により検出された前記初期実回転角と、前記記憶指令回転角(より詳しくは、その記憶指令回転角の時系列値のうちの初期値)との偏差に応じて、電動モータ16の実回転角の記憶指令回転角への追従速度を調整する。このときの電動モータ16の実回転角の記憶指令回転角への追従の様子を例示したものが図6であり、同図6では、記憶指令回転角と初期実回転角との三種類の偏差について、電動モータ16の実回転角の経時的変化の様子を例示している。
【0058】
同図6に示すように、各モータ用局所制御器17のCPU27は、記憶指令回転角と初期実回転角の偏差が大きい程、より緩やかに電動モータ16の実回転角が記憶指令回転角に追従させる(収束させる)ように該電動モータ16を制御する。このような制御は、例えば電動モータ16の回転角のフィードバック制御のゲインを、あらかじめ定めたデータテーブル等を使用して上記偏差に応じて調整することで行われる。
【0059】
このような制御によって、各モータ用局所制御器17の受信不良が生じたときには、該モータ用局所制御器17のCPU27は、それに対応する電動モータ16の実回転角を漸変させつつ前記記憶指令回転角に制御する。これによりロボットRの姿勢の安定性が保たれるように該電動モータ16が制御され、ロボットRの転倒等の異常動作を生じることが回避される。
【0060】
この場合、上記記憶指令回転角は、ロボットRの安定姿勢を保持し得る状態で電動モータ16を停止させるような指令データであることが好ましい。
【0061】
尚、以上説明した第1及び第2実施形態では、ロボットRの全ての電動モータ16についてモータ用局所制御器17を備えた分散処理型の制御システムを構築したが、脚体3の電動モータ16についてのみ、モータ用局所制御器17を備え、腕体4の電動モータ16等、他の電動モータ16については、中央制御器15あるいは、これと別に備えた制御器によって直接的に動作制御を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関連する参考例としての第1実施形態における移動ロボット(二足歩行型ロボット)を模式化して示した側面図。
【図2】1のロボットの制御システムの構成図。
【図3】図2の制御システムの要部の構成図。
【図4】図2の制御システムの要部の構成図。
【図5】図2の制御システムの要部の構成図。
【図6】本発明の一実施形態である第2実施形態の装置の作動を説明するための線図。
【符号の説明】
R…二足歩行型ロボット(移動ロボット)、15…中央制御器、16…電動モータ、17…局所制御器、28…メモリ(記憶手段)。
Claims (1)
- 少なくともロボットの移動用のアクチュエータを含む複数のアクチュエータと、各アクチュエータにそれぞれ接続して設けられ、各アクチュエータの動作制御を担う複数の局所制御器と、各局所制御器に接続して設けられ、各局所制御器が制御する各アクチュエータの動作を規定する指令データを逐次生成しつつ各局所制御器に送信する中央制御器とを備えた移動ロボットの制御装置において、
各局所制御器に対応するアクチュエータに係わる所定期間分の前記指令データを記憶保持する記憶手段と、前記各局所制御器における前記中央制御器からの指令データの受信状態を監視し、該指令データの受信不良が生じたとき、前記記憶手段に記憶保持された前記所定期間分の指令データに基づいて該局所制御器に対応するアクチュエータの動作制御を行う手段とを各局所制御器に備え、
前記記憶手段に記憶保持された前記指令データは、前記各局所制御器に対応するアクチュエータの所定の動作を行わせるべくあらかじめ定められた所定期間分の指令データであり、
前記各局所制御器は、前記記憶手段に記憶保持された指令データに基づいて該局所制御器に対応するアクチュエータの動作制御を行うとき、前記受信不良が生じたときの該アクチュエータの実際の動作量と前記指令データにより表される動作量との偏差が大きいほど、該アクチュエータの動作量をより緩やかに前記指令データにより表される動作量に追従させるように該アクチュエータの動作制御を行うことを特徴とする移動ロボットの制御装置。
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JP2000384397A JP4472165B2 (ja) | 1999-12-24 | 2000-12-18 | 移動ロボットの制御装置 |
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---|---|---|---|
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