JP4471273B2 - 車両用照明装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自車両前方の走行路の形状を予測しながら前照灯の照射制御を行うための技術に関する。
車両走行支援システムには、例えば、ナビゲーション装置から道路線形データを取得して自動変速機制御(Automatic Transmission Control)を行うシステム、あるいはトラクション制御システム(Traction Control System)やスタビリティ制御システム(Vehicle Stability Control System)が知られている。
自車走行路に対応した車両用前照灯の配光制御が可能な照明システムに関しては、例えば、地図情報と地図上の自車位置情報に基いて、自車両前方の道路について折れ曲がり点までの距離や折れ曲がり方向を判断しながら照射範囲等を制御する形態が知られている(特許文献1参照)。
このようなシステムでは、照射制御を的確に行うために下記に示す事項が重要である。
・車両前方の曲路や屈曲路等の道路線形及び交差点等の位置情報を詳細に得ること
・曲路、屈曲路等において、その開始点、終止点(あるいは脱出点)等の位置情報を得ること。
尚、ナビゲーションシステムや路車間通信システム等を利用した構成においては、自車両の進行路上に存在するノード(道路地図データベース上での道路表記点)の位置データから3点円弧補間等の処理によって道路線形の推定が可能である。
特開平2−296550号公報
しかしながら、現状のシステムでは、幾何学的あるいは形状工学的な方法を用いて道路線形の形状データや、曲路等の開始点、終止点を算出する場合に、マップマッチング精度や現在位置座標の測位精度、道路地図データベース自体の精度等が充分でない場合に、曲路や屈曲路等の形状を正確に求めることが難しい。そのため、照射方向等の制御タイミングについて充分な精度を確保することができないことが問題となる。つまり、精度不足等により実情に合わない照射制御が行われてしまい、制御タイミングのズレによって運転者の違和感や不快感を与えてしまう虞があり、また、運転に支障を来すだけでなく、道路利用者等への影響が問題となる。
曲路や屈曲路等の走行では、その開始点や終止点を把握することが制御上好ましいが、システムに使用されるCPU(中央処理装置)の処理能力を高くしたり、メモリ容量を増やす等の必要性が生じる。例えば、スプライン曲線や自由曲線等を用いた補間処理を採用する場合に、道路線形の算定計算に必要な計算量が多くなることや、道路線形に応じたノードポイント数や配置によってはスプライン曲線等の当てはめが不適切とされる場合(例えば、スラロームと屈曲路とが複合された道路形状等では、ノードポイント数と補間関数の次数が適切でないと、不規則な振幅が生じて補間曲線が波打ったような形になる。)等への対応が必要である。
前照灯の配光制御のように運転者の視覚認識の場合、一般に高い精度が必要とされ、道路線形の判断を誤ると実情に合わない照射制御が行われてしまう虞がある。
例えば、車両前方の道路線形半径を3点円弧補間により算出し、その結果に基づいてヘッドランプ配光を制御する場合には、下記の方法が挙げられる。
(1)自車の所定時間後における到達位置を予測し、該位置を注視点として照射ビームの方向を制御する方法
(2)曲路のクリッピングポイントを注視点として照射ビームの方向を制御する方法。
これらの制御において一律に3点円弧補間を適用する場合に、例えば、曲路走行中に照射ビームの方向が瞬時的に変化する現象(ビームのピクつき)が起きると、運転者の視界や対向車の運転者等への影響が懸念される。
図14はN1〜N4に示すノード点を繋いだ道路線形の形状例を示したものであり、S字状の曲路を示している。
上記の現象は、現在の車両位置を基準とする3点のノードN1、N2、N3で計算した半径R1と、その次に来る3点のノードN2、N3、N4で計算した半径R2との間に差が常に生じること(本例ではノードN2を通過する際に道路旋回方向が反転すること)に起因するものである。所定時間後の自車予測位置への照明又はクリッピングポイントへの照明を行おうとする場合に発生し、ヘアピンカーブ等の曲路走行時や、曲路の開始点、脱出点等でも発生することが分かっている。また、マップマッチングが悪く、現在位置の誤認や位置誤差が大きい場合にこのような現象が生じる。
以上のように、精度上の限界の範囲内で如何にして前照灯の照射制御を行うかが問題となる。
そこで、本発明は、車両用照明装置において、現行の位置精度範囲内で曲路や屈曲路等の走行時に運転者に違和感等を与えない照射制御の実現を課題とする。
本発明は、上記した課題を解決するために、自車現在位置検出手段と道路情報提供手段と道路ノード特質点位置検出手段と緩和範囲設定手段とを備え、自車現在位置検出手段によって車両の現在位置データを取得するとともに、道路情報提供手段の道路地図データを用いて自車現在位置周辺の道路形状を推定しながら車両用前照灯の照射制御を行う車両用照明装置において、道路ノード特質点位置検出手段によって車両現在位置データ及び道路地図データを用いて自車現在位置の前後に位置する複数のノードの位置データを読み取り、該複数のノードを補間処理で繋いで走路形状を推定する。そして、緩和範囲設定手段によって該走路形状の変化点として識別されるノード(道路ノード特質点)の前後に設定される緩和範囲を自車両が走行する際に、車両用前照灯の照射制御に係る制御量を徐々に変化させ、走路形状を推定した結果、自車前方に曲路又は屈曲路が存在する場合に、該曲路の開始位置若しくは終了位置を示すノード又は屈曲路における屈曲位置を示すノードを含むように上記緩和範囲を設定し、自車両が該緩和範囲に進入した時点から該設定範囲を脱出する時点にかけて上記制御量を徐々に変化させるように構成したものである。
従って、本発明では、現行の位置精度内で認識される道路ノード特質点を抽出して、その前後で照射制御量が急変しないようにすることができる。
本発明によれば、マップマッチング精度や測位精度等の向上に頼ることなく、運転者にとって違和感の少ない照射制御を実現することができる。また、道路線形の形状予測において高度な補間処理等を要しないので、計算量や処理負担の著しい増加を伴わない。
そして、走路形状を推定した結果、自車前方に曲路又は屈曲路が存在する場合には、道路ノード特質点を含むように緩和範囲を設定し、自車両が緩和範囲に進入した時点から緩和範囲を脱出する時点にかけて照射制御量を徐々に変化させるように構成したので、緩和範囲内でマップマッチング誤差の影響を受けずに照射制御を行える。
また、走路形状を推定した結果、自車前方に曲路又は屈曲路が存在する場合に、道路ノード特質点と、自車両の進行方向において道路ノード特質点の前後に位置するノードをそれぞれ繋いで形成されるリンクを特定するとともに、両リンクに接する円弧を設定することにより緩和範囲に相当する走路を容易に規定して、該走路の形状変化に応じて照射制御量を変化させることができる。
道路ノード特質点の判別や検出においては、例えば、隣り合うノードを繋いで形成されるリンクのうち、自車現在位置に最も近いリンク及び車両進行方向に沿って該リンクの前方に隣接する次のリンクを特定して、それぞれのリンク長及び両リンクの距離比及びリンク間の屈曲角を算出する。そして、それらを予め決められた基準値と比較することにより、ノードの特質を容易に判別することができる。あるいは、曲路区間等の場合には、隣接する2つのリンクを構成する3点のノードについて円弧補間を施すことで得られる曲率半径の値及びその増減傾向を求めることにより、ノードの特質を判別することができる。
図1は、本発明について基本構成例を示すものである。
車両用照明装置1は、車両の現在位置データを取得し、道路地図データを用いて自車現在位置周辺の道路形状を推定しながら車両用前照灯を制御するものであり、下記の構成要素を備えている(括弧内の数字は符号を示す。)。
・自車現在位置検出手段(2)
・道路情報提供手段(3)
・道路ノード特質点位置検出手段(4)
・緩和範囲設定手段(5)
・車両操舵状態検出手段(6)
・車両走行状態検出手段(7)
・照射制御手段(8)
・駆動手段(9)
・車両用前照灯(10)。
自車現在位置検出手段2は、自車両の現在位置情報を得るために設けられており、例えば、人工衛星通信によるGPS(Global Positioning System)や路車間通信を利用したナビゲーション装置が挙げられる。そして、取得された現在位置データは道路ノード特質点位置検出手段4及び緩和範囲設定手段5に送出される。
道路情報提供手段3は、道路地図データベース等を用いて走行路の情報を得るために必要とされ、例えば、CD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体から提供される道路地図データが道路ノード特質点位置検出手段4に送られる。
道路ノード特質点位置検出手段4は、自車両の現在位置データ及び道路地図データベースを用いて自車現在位置の前後に位置する複数のノードの位置データを読み取り、該複数のノードを補間処理で繋いで走路形状を推定するとともに、該走路形状の変化点として識別される道路ノード特質点の位置を求める。尚、道路ノード特質点としては、例えば、道路線形に係る屈曲点、変曲点、曲路の開始点や終止点(脱出点)等が挙げられる。つまり、道路ノード特質点位置の検出は、自車両の走路形状について道路地図上での正確な表記点を把握するために必要とされ、例えば、曲路がどの地点から始ってどの地点で終るかといった判断や、変曲点を含む変曲区間を確実に検出する上で重要である。
道路ノード特質点位置検出手段4内での具体的な処理内容は、例えば、下記に示す通りである。
(1)自車現在位置検出手段2からの車両の現在位置データ及び道路情報提供手段3の道路地図データを用いて、自車現在位置の前後に位置する複数のノード位置データを読み取ること
(2)自車走行路に関する複数のノードのうち隣り合うノード同士を繋いで形成される各リンクについての特性、例えば、直線性及び曲率特性を含む形状特性及び走路区間の種別等を判別すること
(3)自車走行路に関する複数のノードを補間処理で繋ぐことによりモデル化された道路線形の形状データを生成すること
(4)道路ノード特質点について解析及び判別を行うこと。
尚、道路ノード特質点の位置検出情報は緩和範囲設定手段5に送られる。
緩和範囲設定手段5は自車現在位置情報と道路ノード特質点の位置検出情報に基いて、道路ノード特質点の前後に緩和範囲を設定し(具体的な設定方法については後述する。)、該範囲を示す情報を自車現在位置情報や道路ノード特質点の位置検出情報とともに照射制御手段8に送出する。
車両操舵状態検出手段6は、自車両の操舵状態又は進行方向(方位)を検出する。例えば、ステアリングセンサや角速度センサ等を用いて、車両の旋回方向を含む車両の操舵状態を検出し、その検出情報を照射制御手段8に送出する。あるいは、ジャイロセンサ等の方位センサを用いて検出される方位角変化量を、照射制御手段8に送出する。
車両走行状態検出手段7は、自車両の車速や加速度等を検出して、検出結果を照射制御手段8に送出する。例えば、道路ノード特質点や交差点等への到達に要する走行時間を算出するには、現在の車速データが必要である。
照射制御手段8は、緩和範囲設定手段5、車両操舵状態検出手段6、車両走行状態検出手段7からの情報を処理し、走行状況に応じた照射制御出力を駆動手段9に送出し、車両用前照灯10の照射制御を行う。そして、道路ノード特質点の前後に規定される緩和範囲を自車両が走行する際に、車両用前照灯の照射制御に係る制御量を徐々に変化させる。
本発明の適用においては、例えば、下記のようにECU(電子制御ユニット)を車内LAN(Local Area Network)で繋いだ構成形態が採られる。
・自車現在位置情報と道路情報がナビゲーションECUに送られて該ECU内で上記道路ノード特質点位置の検出及び緩和範囲設定処理が行われ、また、車両操舵状態の検出情報や車両走行状態の検出情報が照射制御用ECUに送られて処理される構成とし、ナビゲーションECUの処理結果をLAN経由で受けとった照射制御用ECUが照射方向や照射範囲の制御、調光制御、光源色の変更等を行う形態
・上記ナビゲーションECUが上記照射制御用ECUによる処理の一部又は大部分を引き受けるようにした形態(照射制御用ECUが不要とされるか、または、照射制御用ECUでは照射制御に必要な最低限の処理が行われる。)
・ナビゲーションECUでは単に地図データや現在位置データ等を出力し、照射制御用ECUにおいて、上記道路ノード特質点位置の検出及び緩和範囲設定処理を含めた全ての処理を行う形態。
尚、本構成においてマップマッチング精度を向上させるために車両現在位置修正手段を設ける場合には、例えば、道路線形データ及び車両の方位検出手段(ジャイロセンサ等)からの検出データに基づいて車両現在位置データを適時に修正することにより、制御精度を高めることができる。
先ず、自車走行路に係る道路線形の把握に必要なノード及びリンクの定義について、図2を用いて説明する。
図中に示す「Ni」(i=0、1〜6)はi番目のノードを表し、「Li」(i=0、1〜5)がi番目のリンクを示している。尚、本例では、隣り合う2つのノードNiとNi+1の各ノードを線分で繋いてできるリンクをLiと定義している(Liの長さ、つまり、リンク長は一定と限らない。)。
図中に示すホームベース状の記号は車両現在位置を表しており(先鋭部の向きが車両進行方向を示す。)、その後方に存在するノードN1を「現在ノード」と定義し、その前方に位置するノードN2を「前方ノード」と定義する。また、リンクについては、車両が存在するリンク、即ちN1とN2の各ノードを繋ぐリンクL1を「現在位置リンク」と定義し、その先のリンクL2を「前方リンク」と定義する。
このような自車現在位置の前後に位置する複数のノードに関する位置データの読み取り等が行われ、各リンクについて区間特性を判別し、例えば、曲路区間、変曲区間(変曲点を含む)、直線区間のいずれかを把握することができる。
ナビゲーション装置等に用いられる道路地図データベースにおいては、ノードの打点特性と道路線形特性との間に、例えば、下記のような特徴的な性質が認められる。
・直線路ではノード打点間隔が粗く(よって、リンク長が大きい)、また、曲路ではノード打点間隔が密であること
・曲路区間におけるノード打点間隔については、道路クラスが低い(設計車速値が小さい)道路ほど短くなっていること及び曲路への進入開始区間や曲路からの脱出(あるいは終了)区間ではノード打点間隔が比較的長く、曲路区間の中央でノード打点間隔が短くなっていること。
道路種別と特定区間のノード間隔(リンク長)について例示した結果を下表に示す。
Figure 0004471273
尚、上表中のノード間隔については、道路設計速度を秒速に換算した値の倍数として示している。また、上表中の変曲区間には屈曲路も含まれる。
道路設計速度やクラスに応じて区間判別を行う場合には、ノード間隔を利用して直線路や曲路あるいは両者の中間的な道路(変曲区間や屈曲路等)を識別することが可能である。
走路区間判別の形態には、例えば、下記に示す方法が挙げられ、それらを独立に又は組み合せることが可能である。
(a)リンク長を、その走行路の法定走行速度から決まる基準距離と比較して区間判別を行う構成形態
(b)リンク長とリンクベクトルの外積を用いてリンクの区間特性を判別する構成形態
(c)隣り合う3点のノードを用いて円弧補間により算出される半径Rの符号変化とR値(絶対値)に基づいてリンクの区間特性を判別する構成形態。
先ず、(a)では、例えば、隣り合うノード間のリンク長を、法定走行速度に係る秒速に基づいて予め決められた基準距離値と比較する。この基準距離値については、上表1を例にして、秒速換算値の定数倍として定義することができる。例えば、時速80km/hrの場合に、秒速値の10倍に相当する基準距離値を規定したとき、リンク長が該基準距離値以上であれば、当該リンクに係る走路区間が直線区間と判別される。また、上記リンク長が秒速値の10倍未満である場合には、判定対象とされるリンクについての走路区間が変曲区間(5倍以上〜10倍未満)又は曲路区間(5倍以下)と判別される。本構成では、リンク長を基準距離と比較するだけで済むので簡単ではあるが、精度面では(b)や(c)と組み合せることが好ましい。
上記(b)では、隣り合うノード間のリンク長及び該ノードの位置ベクトルの差として得られるリンクベクトルの外積の符号変化を求めることにより、対象リンクに係る走路区間の種別を判別することができる。つまり、リンク「Li-1」に相当するリンクベクトルと、リンク「Li」に相当するリンクベクトルとの外積を「Li-1×Li」と記し、リンク「Li」に相当するリンクベクトルと、リンク「Li+1」に相当するリンクベクトルとの外積を「Li×Li+1」と記すとき、それらの符号がどのように変化するかを把握することで、3リンク(4ノード)に亘る区間判定が可能である。例えば、直線区間では各外積値がともにゼロであり、また、変曲区間では外積の符号が正から負へ(又は負から正へ)と変化する。
上記(c)では 隣接する2リンクを構成する3点のノードについて円弧補間を施すことで曲率半径Ri-1、Ri、Ri+1、…を知ることができるので、該曲率半径の符号変化と絶対値を求めることにより、対象リンクに係る走路区間の種別を判別することができる。例えば、曲率半径が予め決められた基準値(1000m等)以上である場合に直線区間と判定され、また、曲率半径が予め決められた基準値未満であって、曲率半径の符号が正から負へ(又は負から正へ)と変化する場合に、変曲区間等の判定がなされる。
(b)や(c)では、ベクトル積や曲率半径を用いて走路区間の種別を精度良く判別することが可能である。
次に、道路ノード特質点に関する下記の検出方法について説明する。
(I)曲路開始点や終止点の検出方法
(II)屈曲路の屈曲点の検出方法。
先ず、(I)では下記の方法が挙げられる。
(I−1)現在位置リンク及び前方リンクのリンク長やリンク距離比、リンクベクトル間の内積角(屈曲角)を用いる方法
(I−2)現在位置リンクを含むように3点のノードをとり、円弧補間で求めた曲率半径を用いる方法
(I−3)上記(I−1)と(I−2)を併用する方法。
図3は上記(I−1)の説明図であり、ノードNi、Ni+1、Ni+2を示す。
「Ni」が現在ノード、「Ni+1」が前方ノードであり、NiとNi+1とを繋ぐLiが現在位置リンク、Ni+1とNi+2を繋ぐLi+1が前方リンクである。
リンク長|Li|又は|Li+1|をそれらの基準値(「sh1」と記す。)と比較した結果と、リンク距離比「|Li|/|Li+1|」又は「|Li+1|/|Li|」をそれらの基準値(「sh2a」、「sh2b」と記す。)と比較した結果と、屈曲角「αi」(Liの延長とLi+1との間になす角度、つまり、リンクベクトル間の内積角に相当する。)をその基準値(「sh3」と記す。)と比較した結果に基づいて、以下の条件A、B1、B2、Cを用いて判別を行うことができる(「||」は論理和(OR)を意味する。)。
条件A :(|Li|≧sh1)||(|Li+1|≧sh1)
条件B1:|Li|/|Li+1|≧sh2a
条件B2:|Li+1|/|Li|≧sh2b
条件C :αi≧sh3
・条件A及びB1及びCが成立する場合に、前方ノード「Ni+1」(3ノードNi、Ni+1、Ni+2のうちの中点ノード)を曲路開始点のノードと判定する。
・条件A及びB2及びCが成立する場合に、前方ノード「Ni+1」(3ノードNi、Ni+1、Ni+2のうちの中点ノード)を曲路終止点(あるいは脱出点)のノードと判定する。
曲路開始点や終止点のノードでは、その一方に直線区間長又は変曲区間長のリンクを有しており、他方のリンクが曲路区間長を有しており、屈曲角の値が所定値以上となっていることに着目し、例えば、直線区間、変曲区間、曲路区間のリンク長を、その走行道路の道路設計速度(秒速換算値)の7倍以上、5倍以上、5倍未満という具合にそれぞれ定義することができる。そして、さらにはリンク長同士の比や屈曲角を加味した判定法を採用して、より正確なノード検出が可能となる。
尚、「&&」を論理積(AND)と記すとき、本例では、条件「A&&B1&&C」と「A&&B2&&C」を用いたが、これに限らず、例えば、条件「A&&(B1||C)」と条件「A&&(B2||C)」、あるいは条件「A&&B1」、「A&&B2」等を組み合せた複合条件を適宜に用いることができる。
図4は上記(I−2)の説明図であり、ノードNi、Ni+1、Ni+2、Ni+3を示す。
「Ni」が現在ノード、「Ni+1」が前方ノードであり、NiとNi+1とを繋ぐLiが現在位置リンク、Ni+1とNi+2を繋ぐLi+1が前方リンクである。
現在ノードを含む3点のノードNi、Ni+1、Ni+2の各位置データを用いて3点円弧補間を適用した場合の曲率半径を「Ri」と記し、その先の3点のノードNi+1、Ni+2、Ni+3の各位置データを用いて3点円弧補間を適用した場合の曲率半径を「Ri+1」と記し、「ΔRi=Ri−Ri+1」で半径変化を定義するとき、「Ri」をその基準値(「sh4」と記す。)と比較した結果及びΔRi値の増減傾向から、下記の条件D、E1、E2を用いて判別を行うことができる。
条件D :Ri≧sh4
条件E1:ΔRiが単調減少すること
条件E2:ΔRiが単調増加すること。
・条件D及びE1が成立する場合に、前方ノード「Ni+1」(3ノードNi、Ni+1、Ni+2のうちの中点ノード)を曲路開始点のノードと判定する。
・条件D及びE2が成立する場合に、前方ノード「Ni+1」(3ノードNi、Ni+1、Ni+2のうちの中点ノード)を曲路終止点のノードと判定する。
尚、曲路区間での道路線形は通常、クロソイド曲線であり、その曲率半径Rに関して、曲路進入地点でR値が大きく、曲路中央ではR値が小さい。よって、3点円弧補間を適用してR値の増減傾向を調べる方法が有効である。尚、上記ΔRiの代わりに、対数関数「log()」を用いて、「log(|Ri−Ri+1|)」の増減傾向を調べる等、各種態様での実施が可能である。
また、上記sh4の値については、固定値を用いる方法と、可変設定値を用いる方法がある。後者の場合に、例えば、走行路の道路クラスに応じて設定することができる。一例として、高速道路や自動車専用道路では閾値を1000m程度とし、一般道では閾値を500m程度とする。尚、高速道路におけるR=1000m(≒時速140km/hr時の最小道路旋回線形半径)は、運転者の体感上では直線道とほぼ同じであるが、一般道において直線道と感じられるR値は500m(≒時速100km/hr時の最小道路旋回線形半径)程度である。
上記(I−1)や(I‐2)はそれぞれ単独に適用できるが、必要に応じて両者を併用することにより判別の精度を高めることが可能である。
次に、上記(II)について説明する(図5参照)。
図中に示す3点のノードNi、Ni+1、Ni+2において、「Ni」が現在ノード、「Ni+1」が前方ノードであり、NiとNi+1とを繋ぐLiが現在位置リンク、Ni+1とNi+2を繋ぐLi+1が前方リンクである場合に、リンク長|Li|又は|Li+1|をそれらの基準値(「sh1」と記す。)と比較した結果と、リンク距離比「|Li+1|/|Li|」(又は|Li|/|Li+1|」)をその基準値(「sh2」と記す。)と比較した結果と、屈曲角「αi」(Liの延長とLi+1との間になす角度、つまり、リンクベクトル間の内積角に相当する。)をその基準値(「sh3」と記す。)と比較した結果に基づいて、例えば、以下の条件F、G、Hを用いて判別を行うことができる。
条件F :(|Li|≧sh1)&&(|Li+1|≧sh1)
条件G:|Li+1|/|Li|≧sh2
条件H :αi≧sh3
・条件F及びG及びHが成立する場合に、前方ノード「Ni+1」(3ノードNi、Ni+1、Ni+2のうちの中点ノード)を屈曲点のノードと判定する。
屈曲路における屈曲点のノードは、該ノードの両側に位置するリンクがいずれも直線区間のリンク長を有しているか、直線区間長のリンクと変曲区間長のリンクとの組み合せ、あるいは両側のリンクともに変曲区間長とされるリンクの組み合せである。そして、屈曲角αiが所定値以上となっていることを考慮し、直線区間、変曲区間の各リンク長を、その走行路の道路設計速度(秒速換算値)の7倍以上、5倍以上7倍未満といった具合にそれぞれ定義した上で、さらに屈曲角αiを加味することで屈曲点のノードをより正確に判別することができる。
以上のようにして道路ノード特質点の判別が可能であるが、該特質点付近では、自車現在位置の測位精度や地図データベース自体の精度等の影響で該特質点前後のどのリンク上に車両が位置しているかを正確に知ることができず、現在位置誤差に起因する照射制御への影響が問題となる。
そこで、本発明では、下記に示すような制御形態を採用する。
(A)GPSナビゲーションシステムの精度や誤差範囲等を考慮し、道路ノード特質点付近に緩和範囲(あるいは徐変範囲)を設定し、該緩和範囲内に自車両が存在すると予測される場合に、照射方向や照射範囲等を徐々に変化させる形態
(B)道路ノード特質点の両側に位置するリンクに対して接円を設定することにより走路範囲(緩和走路区間)を規定し、走路の形状変化に応じて照射方向や照射範囲等を変化させる形態。
先ず、上記形態(A)について図6、図7を用いて説明する。尚、図6は屈曲路、図7は曲路脱出点をそれぞれ例示しており、ノードNi+1が道路ノード特質点を示し、点「Pa」が緩和範囲Kの開始地点、点「Pb」が緩和範囲Kの終了地点を示している。
道路線形の形状生成に用いる補間処理には、3点円弧補間法、2等分接円法、ニュートンの4点前進補間法等が採用され、また、これらの方法の使用が適切でない区間では、後述するようなスムージング処理が使用される。
走路形状を推定した結果、自車の前方に曲路又は屈曲路が存在する場合には、下記の手順で制御を行う。
(A1)曲路の開始位置若しくは終了位置を示すノード又は屈曲路において屈曲位置を示すノードを判別する
(A2)(A1)のノードを含むように緩和範囲Kを規定する(点Pa、Pb参照)
(A3)自車両が開始地点(点Pa)に進入した時点から終了地点(点Pb)を脱出する時点にかけて前照灯の照射方向や照射範囲等に係る制御量を徐々に変化させる。
図8は横軸に走路上の自車位置をとり、縦軸に制御量をとって制御例を示したものであり、「Sa」が点Paでの制御量を示し、「Sb」が点Pbでの制御量を示している。
例えば、実線のグラフ線g1で示すように、SaからSbまで制御量を直線的に変化させたり、あるいはグラフ線g2、g3に示すように、SaからSbにかけて制御量を曲線的に変化させるといった具合に、制御量の円滑な変化が好ましい(同図の破線Gで示すようにノードNi+1付近で制御量がSaからSbへと大きく変化する場合には、運転者に違和感等を与えてしまうので好ましくない。)。
尚、緩和範囲Kについては前方ノードが道路ノード特質点として判別された場合に該ノード近辺に設定されるが、現在位置の測位精度等を考慮して、例えば、±10m以上(計20m以上)の距離に規定することが望ましく、屈曲路や曲路脱出点のような場所に適用するのが良い(ノードが密集している曲路等には適さないため。)。また、該距離については固定値にする方法と、車速等に応じた可変値を用いる方法等が挙げられる。
形態(A)では、例えば、点Paで最適な照射方向と、点Pbで最適な照射方向をそれぞれ算出し、緩和範囲K内ではその間の走行距離に応じて照射方向を徐々に変更することにより、マップマッチング精度の影響を受けずに適正な照射制御を達成することができる。
尚、緩和範囲K内の走路については、下表2(道路設計速度と道路設計上の線形半径(曲率半径)との関係)を参照して適切な接円半径を設定すれば、さらに良好な照射制御が可能になる。
Figure 0004471273
次に形態(B)について説明する。
図9はスムージング処理の説明図である。
L1、L2に示すように、リンク長の長い区間が折れ線状に繋がった区間(屈曲区間)では、ノードN2に示す屈曲点付近において所定半径Rの円弧をもって滑らかにリンクを接続する処理の適用が好ましい。
図中の「α」はリンクL1とL2との間になす角度を示している。このαを用いて屈曲区間の角度を表す場合に、半径R値についてはα値にも依るが、道路線形の設計上の半径(線形半径)よりもやや大きめの値に設定することが望ましい(例えば、時速40km/hrの道路の場合、R=30m程度とし、屈曲点と円弧(R)との隙間距離が1車線幅以上にならないように設定する。)。
スムージング処理が施された区間には、点Na、Nbに示すように、新たなノードを発生させることで、走路形状を詳細に定義することが好ましい。新しいノードと屈曲点近傍での円弧(R)の頂点間の円弧距離を「d」と記すとき、「d=R・(α/2)」で表される。
図10は屈曲路の屈曲点ノードにスムージング処理を適用し、図11は曲路脱出点ノードにスムージング処理を適用した場合をそれぞれ例示しており、ノードNi+1が道路ノード特質点を示し、点「Pa」が緩和範囲Kの開始地点、点「Pb」が緩和範囲Kの終了地点を示している(尚、各点は接円(円弧)と各リンクとの交点として決まる。)。
走路形状を推定した結果、自車の前方曲路又は屈曲路が存在する場合には、下記の手順で制御を行う。
(B1)曲路の開始位置若しくは終了位置を示すノード又は屈曲路において屈曲位置を示すノードを判別する
(B2)(B1)のノードと、自車両の進行方向において該ノードの前後に位置するノードをそれぞれ繋いで形成されるリンクを特定する
(B3)(B2)の両リンクに接する円弧を設定することにより緩和範囲に相当する走路(円弧状走路)を規定し、該走路の形状変化に応じて前照灯の照射方向や照射範囲等に係る制御量を変化させる。
本形態では、マップマッチング精度の影響を免れないため、例えば、下記に示す手順に従って車両現在位置の修正処理を行うことで精度を向上させることが望ましい。
(1)ノードの補間処理によって生成された道路形状データから推定される道路線形の形状方程式に基づいて現リンク内における方位変化の予測範囲を算出する
(2)自車両に係る方位検出データが上記(1)の予測範囲から外れている場合には、自車現在位置が現リンク上に存在しないと判断し、現リンクの周辺に位置する別のリンクに対象を変更して自車現在位置の修正処理を続行する
(3)自車両に係る方位検出データが上記(1)の予測範囲内に含まれる場合には、現リンク上で該方位検出データと同じであるか又は該データに最も近い方位とされる位置を自車現在位置として推定し、位置修正を行う
(4)(1)に戻って処理を繰り返す。
図12は、走路上に点「Pe」で示す現在位置候補から推定される方位(矢印y1参照。)と、実際にGPS方位センサにより検出される方位(矢印y2参照。)とが食い違っている場合において、上記(3)に従って、走路上の点「Pc」で示す位置での修正が行われる様子を示している。つまり、実際の方位が予測範囲から外れており、本例では現在位置リンクから前方リンクへと変更されて位置修正が行われる。
図13は、ノード位置データを取得して道路線形を決定するとともに道路形状データを用いて照射制御を行う場合の手順を例示したフローチャート図である。尚、本例では、上記(I−1)と(II)を組み合せて自車前方の道路ノード特質点を検出するとともに、上記形態(A)及び車両の現在位置修正によってマップマッチング誤差の影響を極力被らないようにした配光制御について説明する。
先ず、ステップS1では、下記に示す必要情報を装置に読み込む。
・ナビゲーションシステムに用いる道路地図データ
・GPSデータ
・車速データ
・方位データ(レートジャイロの検出情報)。
次ステップS2では、所定の手続に従ってマップマッチングを行い、自車両が現在走行中の道路を決定するとともに、走行路上での自車両の現在位置を推定する。これと同時に現在ノ−ドNiを含む複数のノード群、例えば、(Ni-1,Ni,Ni+1,Ni+2,Ni+3)の候補及び複数のリンク群、例えば、(Li-1,Li,Li+1,Li+2)の候補を設定し、ノード位置やリンクベクトルのデータを収集する。
ステップS3乃至S5では、現在位置リンクや前方リンクの区間特性を調べるとともに、前方ノードの特質(道路ノード特質点かどうか)を判別したり、走路の形状方程式を決定する。
先ず、ステップS3では、現在位置リンクLi、前方リンクLi+1の各リンク長と、両リンクの内積角を算出し、各リンクの区間特性(曲路区間、変曲区間、屈曲区間、直線区間等)と前方ノードNi+1のノード特性について判別する。
例えば、下記の通りである。
・Li、Li+1がともに屈曲区間の場合
リンク長が|Li|≧Lmax、かつ|Li+1|≧Lmax(ここで、「Lmax」は道路法定速度の秒速換算値の所定倍長を示す距離基準値である。)であって、Li、Li+1の屈曲角(内積角)が所定の基準値以上である場合には、Ni+1を屈曲点ノードとする屈曲路と判断する。
・Li、Li+1がともに変曲区間の場合
リンク長|Li|、|Li+1|のいずれかが「Lmax」未満であって、Li、Li+1の屈曲角(内積角)が所定の基準値以上である場合には、Ni+1を変曲点ノードとする変曲路と判断する。
次ステップS4では、前方ノードNi+1に対して緩和範囲を設定するかどうかを決める。即ち、Ni+1が変曲点や屈曲点等のノードである場合には、図6、図7で説明したように緩和範囲Kを設定する。あるいは上表2に基づいてリンクLi、Li+1に内接円Rを当てはめてスムージングを行う(尚、各リンクと接円Rとの交点位置から曲路開始点や曲路終始点を求めても良い。)。
ステップS5では、設定された緩和範囲やリンクLi、Li+1の区間特性等に基づいて道路線形の形状方程式を生成する。
例えば、以下に示すアルゴリズムに従って処理を行う。
(A1)Li、Li+1の両方が曲路区間である場合、つまり、リンク長|Li|、|Li+1|が基準値(道路法定速度の秒速換算値の所定倍長であり、これを「Lmin」と記す。)以下の場合
=>3点円弧補間又は2等分接円法又はニュートン4点前進補間法を用いて道路形状方程式を求める。
(A2)Li、Li+1の両方が直線区間である場合、つまり、リンク長|Li|、|Li+1|が基準値「Lmax」以上の場合
=>LiとLi+1との間になすリンク角(内積角)を「αi」とし、その基準角度を「αmax」と記すとき、「αi≧αmax」であれば、ノードNi+1を屈曲点とする屈曲路と判断し、上記のように接円(R)を当てはめてスムージング処理を施すとともに曲路開始点及び終止点を求める。
(A3)上記(A1)、(A2)以外の場合(以下、自車両現在位置から前方ノードNi+1までの距離を「D」と記す。)
(A3−1a)「Li≧Lmax」かつ「D≧Lmin」の場合=>直線路とする。
(A3−1b)「Li≧Lmax」かつ「D<Lmin」の場合には、下記に示すいずれかを採用して道路形状方程式を定義する。
(その1)Ni+1を屈曲点とし、屈曲路の屈曲角αiや上表2の接円半径を当てはめて走路形状を決定するとともに、曲路開始点及び終止点を求める
(その2)Liを直線区間とし、Ni+1、Ni+2、Ni+3を曲路区間として3点円弧補間を行う。
(A3−2a)Liが「Li<Lmax」の変曲区間であって、かつ「D≧Lmin」の場合には直線路とする。
(A3−2b)Liが「Li<Lmax」の変曲区間であって、かつ「D<Lmin」の場合には、下記に示すいずれかを採用して道路形状方程式を定義する。
(その1)Ni+1を屈曲点とし、屈曲路の屈曲角αiや上表2の接円半径を当てはめて走路形状を決定するとともに、曲路開始点及び終止点を求める
(その2)Liを直線区間とし、Ni+1、Ni+2、Ni+3を曲路区間として3点円弧補間を行う
(その3)リンクLiに関してノードNi、Ni+1の外側に再配置点の2ノードを創成してニュートン4点前進補間を行う。
(A3−3)Liが「Li<Lmax」の曲路区間であって、かつLi+1が直線区間又は変曲区間である場合には、下記に示すいずれかを採用して道路形状方程式を定義する。
(その1)Ni+1を曲路終止点及び屈曲点とし、Ni+1での屈曲路の屈曲角αiを求めるか、あるいはNi+1にて上表2の接円半径を当てはめて走路形状を決定するとともに、曲路開始点及び終止点を求める
(その2)リンクLiに関してノードNi、Ni+1の外側に再配置点の2ノードを創成してニュートン4点前進補間を行う。
尚、上記の処理はあくまで例示であって、各種態様での実施が可能であることは勿論である。
ステップS6では、マップマッチングの誤認についてチェックし、ステップS8では現在位置の修正を行う。道路形状方程式を用いて現在位置リンクでの方位角範囲を算出し、レートジャイロ(方位センサ)のデータと比較する。レートジャイロの誤差を含めて現在位置に問題がなければステップS7に進むが、両者の差が大きい場合にはステップS8に進み、レートジャイロの誤差範囲内で方位データに最も近い走路上の位置を車両現在位置として設定する。その際には、現在位置リンク近隣のリンクLi-1又はLi+1の地図上での方位と、レートジャイロにより検出される方位とを比較して、差の少ない方のリンクを現在位置リンクとして採用する(つまり、現在ノードを1つ先に進めるか又は1つ後戻りさせる。)。そして、ステップS3に戻る。尚、GPSデータや、車速、方位データから求めた走行軌跡と道路地図上の道路形状とを比較することで位置誤認を防止できるようにした形態においては、ステップS6、S8は不要である。
ステップS7では、前照灯の照射制御に必要とされる情報、例えば、運転操作データ(ステアリングセンサの検出データ等)を読み込む。また、必要に応じてGPSデータ、車速データ、方位データ等を読み込む。そして、次ステップS9では、下記に示す処理を行う。
(1)マップマッチング時からの時間経過に伴う自車両の走行距離変化に応じて自車の現在位置を変更する
(2)自車現在位置が緩和範囲内に存在しているか否かを判定する
(3)自車現在位置が緩和範囲内に存在しないと推定される場合には、走路の形状予測結果を参照して自車現在位置での制御目標を算出する。配光制御型の前照灯装置を用いた照明支援システムでは、照射光の方向や照射範囲、配光分布等を自在に変化させることが可能であり、自車に関する所定の走行時間経過後又は走行距離後の車両到達位置を予測して駆動機構への制御目標を求めて照射方向や照射範囲を制御したり、曲路のクリッピングポイントを注視点として照射方向を制御することができる。尚、クリッピングポイントは、走路線形の形状ラインから路肩線や中心線を求めて、該路肩線又は中心線に対して自車位置から接線を引いた場合の接点(該路肩線又は中心線と接線との交点)として定義され、また、クリッピングポイントの角度は、車両の進行方向に延びる軸に対して、自車位置から路肩線又は中心線に引いた接線との間になす角度を意味し、道路形状データ(線形データ)を用いて既知の方法(接円法)で求めることができる。
(4)自車現在位置が緩和範囲内に存在すると推定される場合には、緩和範囲内における自車現在位置と、緩和範囲の開始地点及び終了地点での各目標制御量の差に基づいて、該開始地点から終了地点に亘って、照射方向や照射範囲を徐々に変化させる。
尚、上記(3)や(4)で求めた目標制御量と現在値と比較することにより、各種の走行支援装置の駆動機構等を制御したり、あるいは、曲路進入時の警報や警告等を発したり運転支援のための各種情報を表示させることができる。
次ステップS10において、現時点までの経過時間がマップマッチング周期外の場合にはステップS2に戻り、該周期内であれば次ステップS11にて現在ノードを変化させることの必要性について判断し、必要ありの場合にステップS3に戻るが、必要なしの場合にはステップS12に進む。
ステップS12では、道路地図上の範囲を変更する必要性について判断し、必要ありの場合にはステップS1に戻るが、必要なしの場合にはステップS7に戻る。
上記した処理については、例えば、コンピュータを内蔵したECU(電子制御ユニット)を用いた構成において、該ECUの内部処理として、CPU(中央処理装置)やメモリ、入出力ポート等のハードウェア及びCPUによって実行されるプログラムを用いて実現される。
上記に説明した構成によれば、下記に示す利点が得られる。
・車両用前照灯の照射制御に必要とされる自車走行路の道路線形について形状特性やノードの特質、区間特性等を正確に判別するとともに、道路ノード特質点近傍において適正な照射制御を保証することができるので、運転者に違和感を与えることなく走行安全性を高めることができる。
・道路線形の形状予測において高度な補間処理等を必要としないので、CPUへの処理負担上の問題がない。
本発明の基本構成例を示す図である。 ノード及びリンクの定義についての説明図である。 曲路開始点や終止点の検出方法について説明するための図である。 曲路開始点や終止点の検出方法の別例を説明するための図である。 屈曲路の屈曲点の検出方法について説明するための図である。 図7とともに緩和範囲の設定例を示すものであり、本図は屈曲路を例示した図である。 曲路脱出点付近を例示した図である。 照射制御例を示したグラフ図である。 スムージング処理の説明図である。 屈曲路の屈曲点付近にスムージング処理を適用した場合の緩和範囲の設定例を示す図である。 曲路脱出点付近にスムージング処理を適用した場合の緩和範囲の設定例を示す図である。 車両現在位置の修正について説明するための図である。 照射制御の一例を示すフローチャート図である。 道路線形の形状例としてS字状曲路を示す図である。
符号の説明
1…車両用照明装置、2…自車現在位置検出手段、4…道路ノード特質点位置検出手段、5…緩和範囲設定手段、8…照射制御手段、10…車両用前照灯

Claims (4)

  1. 自車現在位置検出手段と道路情報提供手段と道路ノード特質点位置検出手段と緩和範囲設定手段とを備え、上記自車現在位置検出手段によって車両の現在位置データを取得するとともに、上記道路情報提供手段の道路地図データを用いて自車現在位置周辺の道路形状を推定しながら車両用前照灯の照射制御を行う車両用照明装置において、
    上記道路ノード特質点位置検出手段によって車両の現在位置データ及び道路地図データを用いて自車現在位置の前後に位置する複数のノードの位置データを読み取り、該複数のノードを補間処理で繋いで走路形状を推定し、該走路形状の変化点として識別されるノードの前後に設定される緩和範囲を自車両が走行する際に、上記車両用前照灯の照射制御に係る制御量を徐々に変化させ、
    走路形状を推定した結果、自車前方に曲路又は屈曲路が存在する場合に、上記緩和範囲設定手段によって該曲路の開始位置若しくは終了位置を示すノード又は屈曲路における屈曲位置を示すノードを含むように上記緩和範囲を設定し、自車両が該緩和範囲に進入した時点から該緩和範囲を脱出する時点にかけて上記制御量を徐々に変化させる
    ことを特徴とする車両用照明装置。
  2. 請求項1に記載した車両用照明装置において、
    走路形状を推定した結果、自車前方に曲路又は屈曲路が存在する場合に、該曲路の開始若しくは終了位置を示すノード又は屈曲路における屈曲位置を示すノードと、自車両の進行方向において該ノードとその前後に位置するノードをそれぞれ繋いで形成されるリンクを特定するとともに、両リンクに接する円弧を設定することにより上記緩和範囲に相当する走路を設定し、該走路の形状変化に応じて上記制御量を変化させる
    ことを特徴とする車両用照明装置。
  3. 請求項1に記載した車両用照明装置において、
    隣り合うノードを繋いで形成されるリンクのうち、自車現在位置に最も近いリンク及び車両進行方向に沿って該リンクの前方に隣接する次のリンクを特定して、それぞれのリンク長及び両リンクの距離比及びリンク間の屈曲角を算出し、それらを予め決められた基準値と比較することにより、上記曲路の開始位置若しくは終了位置を示すノード又は上記屈曲路における屈曲位置を示すノードを判別する
    ことを特徴とする車両用照明装置。
  4. 請求項1に記載した車両用照明装置において、
    隣接する2つのリンクを構成する3点のノードについて円弧補間を施すことで得られる曲率半径の値及びその増減傾向を求めて、上記曲路の開始位置若しくは終了位置を示すノード又は上記屈曲路における屈曲位置を示すノードを判別する
    ことを特徴とする車両用照明装置。
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