JP4470339B2 - エンジンのバルブタイミング制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンの運転状態に応じて、動弁系カム軸のクランク軸に対する回転位相を変更するようにしたエンジンのバルブタイミング制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジンのバルブタイミング制御装置は、一般に、クランクシャフトに対して同期回転するチェーンスプロケットやタイミングプーリ(以下、タイミングプーリ等と称す)とカムシャヤフトとの間にベーン式の回転位相可変機構を設け、その回転位相可変機構にオイルコントロールバルブを介して作動油を供給することになっている。そして、オイルコントロールバルブにより回転位相可変機構に対する作動油の油圧調整を行い、クランクシャフトとカムシャフトとの間の回転位相差を調整して、吸気弁や排気弁の開閉タイミングを遅角又は進角側にシフトすることにより、排気ガスの低減や燃費の向上を図ることが行われている。このようなエンジンのバルブタイミング制御装置は、近時さらに改良が加えられており、例えば特開平11−148380号公報に示すように、エンジン停止時から一定時間だけオイルコントロールバルブを制御して、作動油の所定油圧を保持するようにし、その後のエンジン始動時におけるカム角制御を円滑に行うもの等が提案されている。
【0003】
ところで、車両においては、種々の走行態様が採られ、走行中に、例えば急旋回、急加速、急減速等が行われる可能性がある。このため、そのような運転状況になった場合には、オイルパン内部のオイル(作動油)が偏ることになり、一時的にオイルポンプがオイルを供給できなくなるおそれがある。また、使用状況によっては、オイルの温度が高温になり、回転位相可変機構への油圧が想定値よりも低下する等の予想外の状態になることもあり得る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、そのような場合であっても、上記バルブタイミング制御装置においては、予め設定されたバルブタイミングに制御するように作動し続けることになるため、オイルコントロールバルブにかかる油圧は不足することになる。このため、回転位相可変機構への油圧が低下したときには、回転位相可変機構による目標回転位相差への制御が不能となるばかりか、回転位相可変機構内のロータがハンチングを起こしてそれが騒音発生の原因となるおそれがある。
【0005】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、回転位相可変機構への液圧が低下したときに、回転位相可変機構内のロータがハンチングを起こすことを抑制できると共に、実際の回転位相差と目標回転位相差とのずれが拡大することを極力抑制できるエンジンのバルブタイミング制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明にあっては、次のような第1の構成を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載のように、
クランク軸とカム軸との間の回転位相差を液圧に応じて調整する回転位相可変機構と、該回転位相可変機構への液圧を調整する液圧調整弁と、該液圧調整弁をエンジンの運転状態に応じた目標回転位相差と実位相差との偏差に基づいてフィードバック制御する液圧制御手段と、を備えるエンジンのバルブタイミング制御装置において、
前記回転位相可変機構に対する液圧の状態を検出する液圧状態検出手段と、
前記液圧状態検出手段からの信号に基づき、前記回転位相可変機構に対する液圧が低下状態にあると判断したとき、前記液圧調整弁に対するフィードバック制御を停止して、該液圧調整弁を、前記回転位相可変機構と液圧供給源との間の連通を遮断するように制御する液圧保持制御手段と、
運転状態を検出する運転状態検出手段と、
を備え、
前記回転位相可変機構は、該回転位相可変機構に対して液圧が作用しないときに、前記回転位相差を、吸気弁と排気弁とのオーバーラップ量が最小となる状態にするように設定され、
前記液圧保持制御手段は、前記液圧状態検出手段からの信号に基づき前記回転位相可変機構に対する液圧の状態が低下状態にあると判断したときであっても、前記運転状態検出手段からの信号に基づき燃焼状態の悪化の影響が大きい運転状態であると判断したとき、前記液圧制御弁の制御に基づき前記回転位相可変機構と前記液圧供給源との間を遮断せずに連通状態にすることにより液圧をリリーフして、前記回転位相可変機構が、前記回転位相差を、吸気弁と排気弁とのオーバーラップ量が最小となる状態にするように設定されている、
ような構成としてある。この請求項1の好ましい態様としては請求項2〜請求項4に記載の通りとなる。
0007
前記目的を達成するために本発明にあっては、次のような第2の構成を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項5に記載のように、
クランク軸とカム軸との間の回転位相差を液圧に応じて調整する回転位相可変機構と、該回転位相可変機構への液圧を調整する液圧調整弁と、該液圧調整弁をエンジンの運転状態に応じた目標回転位相差と実位相差との偏差に基づいてフィードバック制御する液圧制御手段と、を備えるエンジンのバルブタイミング制御装置において、
前記回転位相可変機構に対する液圧の状態を検出する液圧状態検出手段と、
前記液圧状態検出手段からの信号に基づき、前記回転位相可変機構に対する液圧が低下状態にあると判断したとき、前記液圧調整弁に対するフィードバック制御を停止して、該液圧調整弁を、前記回転位相可変機構と液圧供給源との間の連通を遮断するように制御する液圧保持制御手段と、
を備え、
前記回転位相可変機構は、該回転位相可変機構に対して液圧が作用しないときに、前記回転位相差を、吸気弁と排気弁とのオーバーラップ量が最小となる状態にするように設定され、
前記液圧保持制御手段は、前記回転位相可変機構に対する液圧の低下状態が所定時間継続していると判断したとき、前記液圧制御弁の制御に基づき前記回転位相可変機構と前記液圧供給源とを連通状態にすることにより液圧をリリーフして、前記回転位相可変機構が、前記回転位相差を、吸気弁と排気弁とのオーバーラップ量が最小となる状態にするように設定されている、
ような構成としてある。
0008
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、回転位相可変機構に対する液圧が低下したときには、液圧調整弁が、回転位相可変機構と液圧供給源との間の連通を遮断して該回転位相可変機構に対する液圧を保持することになり、その時点で回転位相可変機構内のロータの位置は保持されることになる。このため、回転位相可変機構に対する液圧が低下したときには、回転位相可変機構内のロータがハンチングを起こすことを抑制できるばかりか、回転位相差を、その液圧低下時点における目標回転位相差に近い状態にあったものに固定して、目標回転位相差に対して実際の回転位相差が大きくずれることを極力抑制できることになる。また、回転位相可変機構に対する液圧の状態が低下状態にあると判断したときであっても、燃焼状態の悪化の影響が大きい運転状態であると判断したときには、回転位相可変機構と液圧供給源との間を遮断せずに連通状態にすることにより液圧をリリーフして、回転位相差を、吸気弁と排気弁とのオーバーラップ量が最小となる状態にすることから、燃焼性が悪化するおそれがあるときには、液化低下に伴う制御を規制して燃焼性を確保できることになる。
0009
請求項2の発明によれば、液圧保持制御手段が、回転位相可変機構に対する液圧が低下状態にあることを、液圧低下を起こさせる可能性のある液圧、車両の旋回状態、車両の加減速状態の少なくとも一つの検出により判断するように設定されていることから、液圧の低下を的確に検出して、上記請求項1の作用効果を確実に得ることができることになる。
請求項3の発明によれば、燃焼状態の悪化の影響が大きい運転状態を、運転状態検出手段からの信号に基づく回転位相差のずれにより判断することができる。
【0010】
請求項4の発明によれば、燃焼状態の悪化の影響が大きい運転状態が、低負荷時若しくは冷間時であることから、燃焼状態の悪化の影響が大きい運転状態を的確に検出して、上記請求項3の作用効果を確実に得ることができることになる。
【0011】
請求項5の発明によれば、回転位相可変機構に対する液圧の低下状態が所定時間継続していると判断したとき、回転位相可変機構と液圧供給源とを連通状態にすることにより液圧をリリーフして、回転位相差を、吸気弁と排気弁とのオーバーラップ量が最小となる状態にすることから、液圧低下が長期に亘るおそれがあるときには、液化低下に伴う制御を規制して燃焼性の確保を優先することができることになる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基いて説明する。
【0013】
(エンジンの概略構成)
図1〜図3は、本発明の実施形態に係るバルブタイミング制御装置Aを搭載したエンジンEを示し、このエンジンEは、直列4気筒ガソリンエンジンであって、4つのシリンダ(気筒)が車幅方向に一列に並ぶように車両のエンジンルーム内に横置き配置されるものである。
【0014】
前記図2において、1はシリンダヘッドであり、このシリンダヘッド1の上部には、吸気バルブを開閉作動させる吸気側のカム軸2と、排気バルブを開閉作動させる排気側のカム軸3とが、それぞれ5カ所の軸受部4,4,…により回転可能に支持されている。その2本のカム軸2,3のエンジン前側の端部(同図の左端部)には、図3に示すように、それぞれカムプーリ5,6が相対回転可能に取り付けられ、その2つのカムプーリ5,6と、クランク軸7に嵌合されたクランクプーリ8との間にはタイミングベルト9が張架されていて、そのタイミングベルト9を介してクランク軸7の回転力がカムプーリ5,6に伝達されている。
【0015】
前記タイミングベルト9の張り側スパン(図3の右側)にアイドラプーリ11が設けられている一方、緩み側スパン(同図の左側)にはベルト張力を調整するテンショナ12が設けられている。このテンショナ12は、テンショナスプリング13により支点14を中心に同図の右側に付勢されたもので、タイミングベルト9をカムプーリ5,6及びクランクプーリ8に取り付ける時にシリンダブロック15にボルト16により位置固定される初期張力調整用のものである。尚、図2における17,17,…は、各シリンダの燃焼室に連通されていて、図示しない点火プラグが装着されるプラグホールである。また、図2,図5において、符号73は、カム角センサ74が検出するセンシングプレートであり、これと同じものが排気側カム軸3にも設けられているが、その図示は略されている。
【0016】
前記吸気側カム軸2は吸気バルブ23を開閉作動させ、排気側カム軸3は排気バルブ24を開閉作動させることになっている(図4参照)。吸気バルブ23は、吸気ポート27と燃焼室28とを開閉する傘部23aと、シリンダ中心線yに対して例えば15度くらい傾斜した状態で該傘部23aから上下方向に延びて、シリンダヘッド1上部の孔部21内に至るバルブ軸23bと、により構成されており、そのバルブ軸23b上端部とカム軸2との間には、バルブリフタ26が前記孔部21内に収容された状態で介在されている。このバルブリフタ26とシリンダヘッド1との間にバルブスプリング25が介装されており、吸気バルブ23は、バルブスプリング25により、閉状態になる側(同図の上側)に付勢されている。これにより、吸気バルブ23は、バルブリフタ26を介してカム軸2により直接駆動されて、中心軸線x1に沿って往復動することになる。排気バルブ24も、吸気バルブ23と同様に、傘部24aとバルブ軸24bとを有して、同様の配置構成とされており、排気バルブ24は、シリンダヘッド1上部に形成される孔部22内に収容されるバルブリフタ26を介してカム軸3により直接駆動されて、中心軸線x2に沿って往復動することになっている。
【0017】
(VVTの構成)
前記吸気側カム軸2の前端部には、回転位相可変機構としてのバルブタイミング可変機構(以下VVTという)10Aが設けられ、前記排気側カム軸3の前端部には、回転位相可変機構としてのバルブタイミング可変機構(以下VVTという)10Bが設けられている(図2参照)。いずれのVVT10A(10B)も、カム軸2(3)とカムプーリ5(6)とを油圧力により相対的に回動させて、カム軸2(3)のクランク軸7に対する回転位相を変更するものであり、この両VVT10A,10Bは、同様の構成とされている。このため、以下、VVT10A、VVT10Bのうち、その一方であるVVT10Aを代表構成として説明し、VVT10B及びその関連要素については、特有の構成に関するものでない限り説明を省略する(VVTに関しては、VVT10Bにも共通していることを示すために、VVT10Aを説明する際に、代表符号として「10」を用いる)。
【0018】
VVT10は、図5にも示すように、シリンダヘッド1の上方に配設されたシリンダヘッドカバー30の内部において、ロータ31と、そのロータ31に相対回転可能に外嵌合される円筒状のケーシング32とを備えている。ロータ31は、図5〜図7に示すように、ボス部を中心としてそのボス部の外周から径方向外方に突出する4つのベーンを備えており、その4つのベーンは、周方向において概ね等間隔毎に配設されている。このロータ31は、座金部材33及びボルト34を用いることにより、カム軸2の先端部(図5の左端部)に一体回転するように取り付けられており、そのロータ31の軸心は、カム軸2の軸線z1に一致されている。
【0019】
一方、前記ケーシング32は、円盤状の蓋部材35とボルト36とを用いることにより、前記ロータ31を収容した状態で前記カムプーリ5に一体的に取り付けられている。このケーシング32は、カム軸2の軸線z1を中心として同心状に配設されており、その内周面には4つの突出壁部が設けられている。この4つの突出壁部は、周方向においてロータ31のベーンと交互に配設されており、各ベーンの先端面はケーシング32の内周面に摺接し、各突出壁部の先端面はロータ31のボス部の外周面に摺接している。尚、符号37は、ロータ31のベーン及びケーシング32の突出壁部の各先端面に設けられるオイルシールである。
【0020】
前記ロータ31と前記ケーシング32との間には、図6、図7に示すように、ロータ31のベーンとケーシング32の突出壁部とにより、作動油圧を受ける8つの受圧室10a,10b,10a,10b,…が区画形成されている。この8つの受圧室10a,10b,10a,10b,…のうち、ロータ31の各ベーンを基準としてカム軸2の回転側が4つの遅角側受圧室10a,10a,…として位置づけられており、ロータ31の各ベーンを基準として遅角側受圧室10a,10a,…と反対側が4つの進角側受圧室10b,10b,…として位置づけられている。
【0021】
上記4つの遅角側受圧室10a,10a,…には、ロータ31のボス部内に形成された油路31aがそれぞれ連通されている。このため、この油路31aを介して作動油を供給して4つの遅角側受圧室10a,10a,…に対する作動油圧が増大すれば、ロータ31がケーシング32に対してカム軸2の回転と反対側に回動され、吸気バルブ23の作動タイミングが遅角側に変更されることになる。一方、上記4つの進角側受圧室10b,10b,…には、ロータ31のボス部内に形成された油路31bがそれぞれ連通されている。このため、この油路31bを介して作動油を供給して4つの進角側受圧室10b,10b,…に対する作動油圧が増大すれば、ロータ31はケーシング32に対してカム軸2の回転する側に回動され、吸気バルブ23の作動タイミングが進角側に変更されることになる。
【0022】
前記カムプーリ5には、図5に示すように、該カムプーリ5及びロータ31に係合してそれらの相対的な回動を阻止するストッパピン80が設けられている。すなわち、ロータ31の4つのベーンのうちの1つは他の3つよりも周方向に大きく形成されており、そのベーンには、カム軸2の軸線z1方向に延びてカムプーリ5側に開口する断面円形の嵌合孔81が形成されている。一方、カムプーリ5には、ロータ31の嵌合孔81よりも大径とされた凹部82が該嵌合孔81に連通可能となるようにして形成されており、その凹部82内には略円筒状のストッパピン80が収容されている。ストッパピン80は、先端側(同図の左側)がロータ31の嵌合孔81と略同径とされる一方、カムプーリ5の凹部82内に収容される基端側(同図の右側)はそれよりも大径とされており、ストッパピン80は、該ストッパピン80基端側の内部に配設されたスプリング83の押圧力によりロータ31側に付勢されている。このため、ストッパピン80は、外力が作用しないときには、先端部がカムプーリ5の凹部82から突出してロータ31の嵌合孔81に嵌合され、該ストッパピン80は、カムプーリ5とロータ31との相対的な回動を阻止する回動阻止状態(同図に示す状態)をとることになっている。
【0023】
前記嵌合孔81が存在するベーンに、図6に示すように、連通路86と87とが形成されていると共に、該嵌合孔81に、カムプーリ5が存在する側とは反対側(図5の左側)において、逆止弁からなるバルブ85が設けられている。連通路86は、カムプーリ5が存在する側とは反対側において、嵌合孔81と進角側受圧室10bとを連通しており、連通路87は、同じくカムプーリ5が存在する側とは反対側において、嵌合孔81と遅角側受圧室10aとを連通している。バルブ85は、進角側受圧室10b及び遅角側受圧室10aの作動油を各連通路86,87を介して嵌合孔81内へ流通することのみを許容し、該各連通路86,87同士、即ち進角側受圧室10b及び遅角側受圧室10aの相互の連通を阻止する機能を有している。このため、各受圧室10a,10b内の作動油圧は、嵌合孔81内に導かれて、ストッパピン80の先端面に作用することになり、各受圧室10a、10b内の作動油圧が所定値未満のときには、ストッパピン80は、ロータ31とカムプーリ5との回動阻止状態(初期状態)を維持し、前記各受圧室10a、10b内の作動油圧が所定値以上に上昇すると、ストッパピン80がスプリング83の押圧力に抗して嵌合孔81から押し出され、ストッパピン80は、ロータ31とカムプーリ5とを回動許容状態に切り替えることになっている。
【0024】
前記回動阻止状態では、VVT10Aに関しては、ロータ31がケーシング32に対してカム軸2の回転と反対側に最大限に偏った位置、即ち最遅角位置に位置し、VVT10Bに関しては、回動阻止状態において、最進角位置に位置することになっている。すなわち、VVT10Aについては、進角側受圧室10bに作動油圧が作用しないときにはカムトルクの反力により自動的に最遅角位置になるように設定されており、VVT10Bについては、図示を略すリターンスプリングが関連づけられ、そのリターンスプリングにより、作動油圧がかからなくなった場合にはカムトルクに対抗して進角して最進角位置をとるように設定されている。
【0025】
このため、エンジン停止中には、進角側及び遅角側受圧室10b,10a,…内の作動油圧は略大気圧になっているので、ストッパピン80はスプリング83の押圧力により回動阻止状態に保持され、このことで、VVT10のロータ31とケーシング32とが互いに相対的に回動不能な状態にされて、それらの衝突等による騒音発生が防止される。一方、エンジン始動後に前記進角側又は遅角側受圧室10b,10a,…内の作動油圧が所定値以上に上昇すれば、即ち、ストッパピン8をスプリング83の押圧力に抗して回動許容状態に切替える程度に作動油圧が高まれば、前記ロータ31とケーシング32とは互いに相対的に回動可能な状態にされる。
【0026】
尚、図5において、32aはケーシング32と蓋部材35との間のオイル漏れを防止するための環状のオイルシールであり、32bはケーシング32とカムプーリ5との間でのオイル漏れを防止するための環状のオイルシールである。また、カムプーリ5は、内周側部材5aに外周側部材5bを嵌合したものであり、該外周側部材5bは精密な歯形を有するように焼結により成型されている。そのため、オイルシール32bをケーシング32とカムプーリ5の外周側部材5bとの間に設けたのでは相性が悪く、オイル漏れの生じる虞れがあるので、オイルシール32bは、ケーシング32とカムプーリ5の内周側部材5aとの間をシールするように内周側に設けられている。
【0027】
(作動油供給経路の構成)
前記VVT10への作動油圧の供給は、シリンダブロック15の外部に設けられたオイルパイプを含む作動油供給経路により行われる。すなわち、図1に示すように、オイルパン101内のオイル(作動油)は、オイルポンプ102に基づいて圧送されることにより、オイルジョイント38と、エンジン外周に設けられたオイルパイプ39とを経由して、シリンダヘッドカバー30上面に固定されたバルブケース40内の電磁式のオイルコントロールバルブ(以下OCVという)44に送られる。そして、そのOCV44により油圧調整された後、その調整された作動油圧は、油路を介してVVT10の各受圧室10a,10b,…に供給される。
【0028】
具体的に説明する。図5に示すように、前記バルブケース40には、オイルジョイント41が設けられていると共に、内部において、エンジンの長手方向に延びるインレット孔40b、該インレット孔40bに連続し該インレット孔40bに対して略水平状態を保ちつつ直交する方向(カム軸間方向)に延びる配設孔40aが形成されている。インレット孔40bには、ユニオンボルト42、オイルフィルタ43、供給調整弁103(図5において図示を略し図8においてのみ記載)が設けられ、配設孔40aには、OCV44が設けられており、バルブケース40に送られた作動油は、オイルジョイント41を介してユニオンボルト42内の油路に至り、ここからオイルフィルタ43、供給調整弁103を介して電磁式のオイルコントロールバルブ(以下OCVという)44に供給されることになっている。本実施形態においては、OCV44及び供給調整弁103が液圧制御弁を構成することになる。
【0029】
前記OCV44は、図8に示すように、コイル45及びプランジャ46を有する電磁ソレノイド47と、一端部が前記プランジャ46に連結され他端部がスプリング48により押圧されるスプール49と、該スプール49を収容するケーシング50とを備えている。ケーシング50には、供給される圧油を受け入れる供給ポート50aと、VVT10側に接続されて作動油を給排する一対のアクチュエータポート50b,50bと、VVT10側から戻ってきた戻り油を排出するドレンポート50c,50cとが設けられている。そして、前記電磁ソレノイド47に後述のECU51からの信号が入力されると、スプール49がスプリング48の押圧力に抗して作動されて、供給される作動油の流量(連通を遮断して流さない場合も含む)及び方向が調整されることになっている。
【0030】
前記供給調整弁103は、図8に示すように、上記OCV44における供給ポート50aの上流側に接続されており、その供給調整弁103は、通常、開状態とされる一方、バルブタイミングを初期状態(回動阻止状態)にするときには、閉とされてOCV44における供給ポート50aを閉鎖するようになっている。このとき、OCV44は、スプール49に基づき、VVT10Aにおいては、バルブタイミングを初期状態である最遅角状態とすべく、進角側受圧室10bが一のアクチュエータポート50bを介してドレンポート50cに連通され、VVT10Bにおいては、バルブタイミングを初期状態である最進角状態とすべく、遅角側受圧室10aが一のアクチュエータポート50bを介してドレンポート50cに連通されることになっている。
【0031】
前記バルブケース40にはまた、図5に示すように、配設孔40aを基準としてインレット孔40bと反対側において、上下方向に延びて下方に開口する嵌挿部40cと、その嵌挿部40cを配設孔40aに連通させる2つのポート40d,40eと、配設孔40aの側方から下方に亘って、シリンダヘッドカバー30上面に臨んで開口するドレン孔40fとが形成されている。尚、ドレン孔40fの下方に対向するシリンダヘッドカバー30の開口部30aに続く部位は、前記OCV44からリターンされる戻り油を開口部30aからシリンダブロック内に還流させるドレン受け部30bとされている。
【0032】
前記バルブケース40は、図5、図9に示すように、中間部材52を介して、吸気側のカム軸2を支持する1番ジャーナルの軸受部4にも接続されている。中間部材52は、逆T字形状とされており(図9参照)。その中間部材52の上端部がシリンダヘッドカバー30の開口部30aを貫通してバルブケース40の嵌挿部40cに嵌挿されている一方、下端部が1番ジャーナルの軸受部4の上面に固定されている。尚、排気側のカム軸3を支持する軸受部4上のバルブケース等については、図2、図9において、図示は略されている。上記軸受部4,4,…は、それぞれシリンダヘッド1の上面に設けられた半割状の下側軸受部53と、この下側軸受部53の上面に配設されセットボルト54,54により下側軸受部53に締結された半割状のカムキャップ55とにより構成されている。そして、前記軸受部4,4,…には互いに同一の軸受径を有する軸受面4aが形成されている。
【0033】
前記中間部材52には、図5及び図9に示すように、油路61、62、油路63、64が形成されている。油路61は、横方向に延びて前記ポート40dを介してOCV44に連通しており、油路62は、油路61に連通して斜め下方に延びている。油路63は、横方向に延びて前記ポート40eを介してOCV44に連通しており、油路64は、油路63に連通して上下方向に延びている。また、1番ジャーナルのカムキャップ55には、油路65と66とが形成されており、油路65は、中間部材52の一方の油路62に連通して上下方向に延び、油路66は、中間部材52の他方の油路64に連通して斜め下方に延びている。そしてさらに、1番ジャーナルの軸受面4aには、2つの輪溝67,68が形成されている。この2つの輪溝67,68は、カム軸2の軸線z1方向に互いに離れて位置されており、その各輪溝67(68)は、軸受面4aの周方向に延ばされている。輪溝67は、前記油路65に連通されており、輪溝68は、前記油路66に連通されている。
【0034】
前記カム軸2には、遅角側の油路70と進角側の油路71とが形成されている。油路70は、軸線z1方向に延びており、その一端(図5の左側端)がカム軸2の端面に開口してVVT10のロータ31の油路31aに連通し、その他端(同図の右側端)が軸受面4aに開口して一方の輪溝67に連通している。油路71も、軸線z1方向に延びており、その一端がロータ31の油路31bに連通し、その他端が他方の輪溝68に連通している。
【0035】
尚、図5において、75はVVT10をカム軸2に固定するボルト34内に形成されたリターン通路であり、VVT10から漏れ出た作動油は前記リターン通路75を通ってカム軸2内に至り、そこからシリンダヘッド1内のリターン通路76へ導かれて、シリンダブロック15内に還流される。また、カムプーリ5とカムキャップ52及びシリンダヘッド1との間には、オイルシール77が介設されている。
【0036】
このような構成のVVT10において、吸気バルブ23の開閉作動タイミングを遅角側に変更するときには、OCV44のデューティ制御に基づき、作動油をOCV44における供給ポート50aから一方のアクチュエータポート50bを経て遅角側の受圧室10a,10a,…に供給することにより(例えば図8参照)、該遅角側の受圧室10a,10a,…への作動油圧が増大される。勿論、他方のアクチュエータポート50bは、作動油の還流ポートとなり、そのポートから一方のドレンポート50cを経て作動油は前記開口部30aに戻される。すなわち、供給される作動油は、OCV44における調整を受けた後、図5に矢印で示すように、OCV44からバルブケース40のポート40d、中間部材52の油路61,62及びカムキャップ55の油路65を流通して輪溝67に至り、その輪溝67に連通されるカム軸2内の遅角側の油路70を流通して、ロータ31の油路31aから4つの遅角側受圧室10a,10a,…に分配供給される。これにより、各遅角側受圧室10aの作動油圧が増大することで、ロータ31がケーシング32に対しカム軸2の回転と反対側に回動され、吸気バルブ23の作動タイミングが遅角側に変更されて、給排気のオーバーラップ量が小さくなる。
【0037】
その際、進角側受圧室10b,10b,…から排出された作動油は、ロータ31内の油路31bを経て、同図に矢印で示すようにカム軸2内の進角側の油路71を流通し、この油路71に連通される輪溝68からカムキャップ55内の油路66に流通する。そして、作動油は、中間部材52の油路64,63及びバルブケース40のポート40eを通ってOCV44に戻り、ドレン孔40fから排出された後、シリンダヘッドカバー30のドレン受け部30bから開口部30aを介してシリンダブロック15側(オイルパン101)に還流される。
【0038】
また、反対に、吸気バルブ23の作動タイミングを進角側に変更して給排気のオーバーラップ量を大きくするときには、前記と反対の向きに作動油を供給して、進角側受圧室10b,10b,…の作動油圧が増大されるようにする。
【0039】
さらに、作動油を保持する場合には、図12に示すように、スプール49を作動させて両アクチュエータポート50bが閉鎖され、作動油の給排が行われない状態とされる。
【0040】
さらにまた、VVT10を初期状態(回動阻止状態)に戻す場合には、カムトルクの反力又はリターンスプリング(図示略)の付勢力を利用できる状態にすべく、供給調整弁103が閉とされると共に、一のアクチュエータポート50b(VVT10Aにおいては進角側受圧室10bと連通するもの、VVT10Bにおいては遅角側受圧室10aと連通するもの)とドレンポート5cとが連通される状態とされる。
【0041】
(VVTの制御)
前記供給調整弁103及び前記OCV44は、コントロールユニット(Electronic Control Unit;以下ECUという)51により制御される。供給調整弁103は、通常は開状態とされ、VVT10を初期状態に戻すときに閉状態とされる。OCV44は、エンジンEの運転状態に応じてデューティー制御されて、該OCV44からVVT10へ供給する作動油圧が変更調整されることになっていて、これにより、図10に示すように、吸気バルブ23及び排気バルブ24の開閉作動タイミングを最遅角位置から最進角位置まで連続的に変更できることになっている。
【0042】
このため、前記ECU51には、供給調整弁103及びOCV44を適正に制御すべく、図8に示すように、カム軸2、3の各回転位置を検出するカム角センサ74(代表符号として74を用いる)からの出力信号、クランク軸7の所定の回転位置に対応する信号を出力するクランク角センサ90からの出力信号、図示しないエンジンの吸気系に設けられたスロットル弁の全閉状態を検出するスロットルオンオフセンサ91からの出力信号、吸気系に設けられた吸気量センサ92からの出力信号、VVT10における作動油の油圧低下状態を検出するセンサ(油圧センサ、加速度センサ、旋回センサ等の代表として用いる)93からの出力信号等が入力されることになっている。
【0043】
具体的には、ECU51は、クランク角センサ90からの入力信号及びカム角センサ74からの入力信号に基づいて、クランク軸7に対するカム軸2の回転位相差(以下、バルブ進角量ΔVTという)を検出し、クランク角センサ90からの入力信号に基づいてエンジン回転数Neを演算し、吸気量センサ92からの入力信号に基づいて吸入空気量を演算して、それらの演算結果に基づいてエンジン負荷を表す値として例えば吸気充填効率を演算する。そして、エンジン回転数Ne及びエンジン負荷に基づいて予め設定したマップからバルブ進角量ΔVTの目標値を読み込み、前記の演算されるバルブ進角量ΔVTが目標値に一致するように、0CV44に制御信号を出力する。
【0044】
また、ECU51は、センサ93からの信号に基づき作動油圧の低下を検出したときには、次のような制御をも行うことになっている。すなわち、作動油の油圧自体、車両の旋回、車両の加減速状態等を検出して、液圧保持制御手段が、作動油圧が基準油圧よりも低いと判断したときには、OCV44により作動油が保持されて(ホールド状態)、遅角側受圧室10a、遅角側受圧室10bへの作動油の給排が行われない状態となり、ロータは現在位置に保持される。これにより、作動油が低下したときに、VVT10による目標バルブタイミングへの制御が不能となり、VVT10のロータ31がハンチングを起こす可能性があることを考慮し、それらを抑制できることになる。しかも、本実施形態においては、上記のように、OCV44による作動油のホールドに際し、液圧保持制御手段により、その際のバルブタイミングの状態に維持した場合、そのバルブタイミングと目標バルブタイミングとのずれにより燃焼状態の悪化の影響があるか否かも判断し、そのような状況にあると判断したときには、作動油圧がVVT10からドレンポート50cを介してオイルパン101側に逃がされて初期状態に戻され(VVT10Aにおいては、吸気バルブ23は最遅角位置、VVT10Bにおいては、最進角位置)、吸気バルブ23と排気バルブ24とのオーバーラップ量が最小とされる。燃焼状態の悪化の影響が大きい運転状態にある場合には、燃焼性の確保を優先するためである。
【0045】
以下、上記制御の手順について、図11に示すフローチャートに基づいて、具体的に説明する。
【0046】
先ず、S1(Sはステップを示す)において、前述の各種情報を読み込み、S2において、吸気バルブ23及び排気バルブ24の各目標バルブタイミングを演算する。そして、次のS3においては、吸気バルブ23の実際のバルブタイミングと目標バルブタイミングとが比較されて一致するか否かが判別される。S3がYESのときは、吸気バルブ23の実際のバルブタイミングと目標バルブタイミングとが一致する場合(適合している場合)であり、このときには、OCV44により作動油がホールドされて、遅角側受圧室10a、進角側受圧室10bへの作動油の給排が行われない状態となり、ロータ31は現在位置に保持される。これにより、吸気側カムプーリ5と吸気側カム軸3の位相は現状のまま維持される。
【0047】
一方、S3がNOのときにはS5に進み、そのS5において、吸気側VVT10Aに対する供給油圧が基準油圧よりも高いか否かが判別される。VVT10Aによる目標バルブタイミングへの制御が不能となる可能性があるか否か、VVT10Aのロータ31がハンチングを起こす可能性があるか否かを判断するためである。このS5がYESのときには、S6において、吸気バルブ23の実際のバルブタイミングと目標バルブタイミングとの偏差に応じてOCV44に対してフィードバック制御が行われる。
【0048】
次のS7においては、排気バルブ24の実際のバルブタイミングと目標バルブタイミングとが比較されて一致するか否かが判別される。このS7がYESのときには、前記S4に進む一方、S7がNOのときには、S8において、排気側VVT10Bに対する作動油圧が基準油圧よりも高いか否かが判別される。VVT10Bによる目標バルブタイミングへの制御が不能となるか否か、VVT10Bのロータ31がハンチングを起こす可能性があるか否かを判断するためである。このS8がYESのときには、S9において、排気バルブ24の実際のバルブタイミングと目標バルブタイミングとの偏差に応じてOCV44に対してフィードバック制御が行われる。
【0049】
前記S5がNOのときは、車両の旋回等により、VVT10Aに対する作動油の油圧が基準油圧よりも低下した場合であり、この場合には、S10に進んで運転状態がアイドル状態か否かが判別される。仮に現在のバルブタイミングの状態に維持した場合、そのバルブタイミングと目標バルブタイミングとのずれにより燃焼状態の悪化の影響があるか否かを判断するためである。そして、上記S10がNOのときには、燃焼状態の悪化の影響が大きい運転状態にないとして、前記S4に進んでOCV44により作動油がホールドされる。これにより、遅角側受圧室10a、進角側受圧室10bへの作動油の給排が行われない状態とされて、ロータ31は現在位置に保持され、VVT10Aのロータ31のハンチング等を抑制することできることになる。その一方、S10がYESのときは、燃焼状態の悪化の影響が大きい運転状態にある場合であり、この場合には、S11において、吸気バルブ23のバルブタイミングが初期状態である最遅角位置(VVT10Aにおいて、供給調整弁103が閉、進角側受圧室10bとドレンポート50cとが連通状態)、排気バルブ24のバルブタイミングが初期状態である最進角位置(VVT10Bにおいて、供給調整弁103が閉、遅角側受圧室10aとドレンポート50cとが連通状態)とされて、吸気バルブ23と排気バルブ24とのオーバーラップが最小状態(本実施形態においてはオーバーラップしない状態)とされ、燃焼性が確保される。勿論この場合、VVT10A,VVT10Bのいずれか一方の作動油圧が低下した場合には、吸気バルブ23及び排気バルブ24の両方を制御することに代えて、その作動油圧が低下した側のバルブのみを制御して、吸気バルブ23と排気バルブ24とのオーバーラップ量を最小にしてもよい。
【0050】
前記S8がNOのときは、車両の旋回等により、VVT10Bに対する作動油の油圧が基準油圧よりも低下した場合であり、この場合にも、前記S5のNOの場合同様、前記S10に進むことになる。
【0051】
尚、上記実施形態においては、吸気側カム軸2にVVT10A、排気側カム軸3にVVT10Bを設けているが、そのVVT10をいずれか一方にだけ設けるようにしてもよい。
【0052】
図13は、他の実施形態を示すものである。この実施形態においては、前記実施形態におけるフローチャートにおけるS10に代えて、作動油の油圧の低下状態(S5、S8がNOの状態)が所定時間継続しているか否かが判別される(S10−2)。これは、油圧が基準油圧よりも低下した状態が長期に亘って生じるおそれがあるかを否かを検出して、そのおそれがあるときには、燃焼性の確保を優先しようとするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るエンジンEの構成を示す上面図である。
【図2】図1のエンジンEのシリンダヘッド上部の構成を示す上面図である。
【図3】クランクプーリによりカムプーリを駆動して同期回転させる伝動経路の構成を示すエンジンEの正面図である。
【図4】バルブの配置を示す説明図である。
【図5】VVTの構成を示す図1の V-V 線における断面図である。
【図6】図5の VI-VI 線におけるVVTの断面図である。
【図7】図5の VII-VII 線におけるVVTの断面図である。
【図8】OCV及びその作動を制御するECUの構成を示す説明図である。
【図9】カムキャップ及び中間部材の構成を示す説明図である。
【図10】バルブタイミングの変更範囲を示す説明図である。
【図11】実施形態に係る制御例を示すフローチャートである。
【図12】OCVによる作動油保持状態を説明する説明図である。
【図13】他の実施形態に係る制御例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
A バルブタイミング制御装置
E エンジン
2 吸気側カム軸
3 排気側カム軸
7 クランク軸
10 バルブタイミング可変装置(回転位相可変機構)
44 オイルコントロールバルブ(液圧調整弁)
51 コントロールユニット
74 カム角センサ
90 クランク角センサ
91 スロットルオンオフセンサ
92 吸気量センサ
93 センサ(液圧状態検出手段)
101 オイルパン
102 オイルポンプ
103 供給調整弁

Claims (5)

  1. クランク軸とカム軸との間の回転位相差を液圧に応じて調整する回転位相可変機構と、該回転位相可変機構への液圧を調整する液圧調整弁と、該液圧調整弁をエンジンの運転状態に応じた目標回転位相差と実位相差との偏差に基づいてフィードバック制御する液圧制御手段と、を備えるエンジンのバルブタイミング制御装置において、
    前記回転位相可変機構に対する液圧の状態を検出する液圧状態検出手段と、
    前記液圧状態検出手段からの信号に基づき、前記回転位相可変機構に対する液圧が低下状態にあると判断したとき、前記液圧調整弁に対するフィードバック制御を停止して、該液圧調整弁を、前記回転位相可変機構と液圧供給源との間の連通を遮断するように制御する液圧保持制御手段と、
    運転状態を検出する運転状態検出手段と、
    を備え、
    前記回転位相可変機構は、該回転位相可変機構に対して液圧が作用しないときに、前記回転位相差を、吸気弁と排気弁とのオーバーラップ量が最小となる状態にするように設定され、
    前記液圧保持制御手段は、前記液圧状態検出手段からの信号に基づき前記回転位相可変機構に対する液圧の状態が低下状態にあると判断したときであっても、前記運転状態検出手段からの信号に基づき燃焼状態の悪化の影響が大きい運転状態であると判断したとき、前記液圧制御弁の制御に基づき前記回転位相可変機構と前記液圧供給源との間を遮断せずに連通状態にすることにより液圧をリリーフして、前記回転位相可変機構が、前記回転位相差を、吸気弁と排気弁とのオーバーラップ量が最小となる状態にするように設定されている、
    ことを特徴とするエンジンのバルブタイミング制御装置。
  2. 請求項1において、
    前記液圧状態検出手段が、液圧、車両の旋回状態、車両の加減速状態の少なくとも一つを検出しており、
    前記液圧保持制御手段が、前記回転位相可変機構に対する液圧が低下状態にあることを、前記液圧状態検出手段が検出する液圧、車両の旋回状態、車両の加減速状態の少なくとも一つの検出により判断するように設定されている、
    ことを特徴とするエンジンのバルブタイミング制御装置。
  3. 請求項1において、
    前記液圧保持制御手段は、前記運転状態検出手段からの信号に基づき回転位相差のずれにより燃焼状態悪化の影響が大きい運転状態であると判断する、ことを特徴とするエンジンのバルブタイミング制御装置。
  4. 請求項において、
    前記燃焼状態の悪化の影響が大きい運転状態が、低負荷時若しくは冷間時である、ことを特徴とするエンジンのバルブタイミング制御装置。
  5. クランク軸とカム軸との間の回転位相差を液圧に応じて調整する回転位相可変機構と、該回転位相可変機構への液圧を調整する液圧調整弁と、該液圧調整弁をエンジンの運転状態に応じた目標回転位相差と実位相差との偏差に基づいてフィードバック制御する液圧制御手段と、を備えるエンジンのバルブタイミング制御装置において、
    前記回転位相可変機構に対する液圧の状態を検出する液圧状態検出手段と、
    前記液圧状態検出手段からの信号に基づき、前記回転位相可変機構に対する液圧が低下状態にあると判断したとき、前記液圧調整弁に対するフィードバック制御を停止して、該液圧調整弁を、前記回転位相可変機構と液圧供給源との間の連通を遮断するように制御する液圧保持制御手段と、
    を備え、
    前記回転位相可変機構は、該回転位相可変機構に対して液圧が作用しないときに、前記回転位相差を、吸気弁と排気弁とのオーバーラップ量が最小となる状態にするように設定され、
    前記液圧保持制御手段は、前記回転位相可変機構に対する液圧の低下状態が所定時間継続していると判断したとき、前記液圧制御弁の制御に基づき前記回転位相可変機構と前記液圧供給源とを連通状態にすることにより液圧をリリーフして、前記回転位相可変機構が、前記回転位相差を、吸気弁と排気弁とのオーバーラップ量が最小となる状態にするように設定されている、
    ことを特徴とするエンジンのバルブタイミング制御装置。
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