JP4470140B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、始動口内にパチンコ球が入賞することに基づいて図柄表示器に識別図柄を変動状態および変動停止状態で順に表示し、識別図柄の変動停止時の態様によって特典の抽選結果を報知する構成の遊技機に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
上記遊技機には、パチンコ球を円弧面状のステージに沿わせて左右方向へ揺動させる構成のものがある。この構成の場合、パチンコ球がステージに供給されたときには左右方向へ揺動しならがら失速し、ステージの最底部から転がり落ちる画一的な挙動を呈するので、パチンコ球の挙動を目で追うおもしろみが少ない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、パチンコ球の挙動を目で追う楽しさを高めることができる遊技機を提供することにある。
【0003】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の遊技機は、図柄表示器の前方に棚板部を備える図柄表示装置と、始動口とを有する遊技機であって、前記始動口内にパチンコ球が入賞することに基づいて前記図柄表示器に識別図柄を変動状態および変動停止状態で順に表示し、識別図柄の変動停止時の態様によって特典の抽選結果を報知する構成のものにおいて、前記棚板部がパチンコ球が横方向に揺動することとなる凹状の揺動部を有する上ステージと、前記上ステージの前方に設けられ前記上ステージの揺動部に対して下方に位置する凹状の揺動部を有する下ステージとを備え、前記上ステージおよび前記下ステージには、パチンコ球を前記始動口に向って落下させるための誘導部が設けられ、前記上ステージの誘導部は、パチンコ球を前記始動口に向って落下させる通路状をなし、前記下ステージの誘導部は、パチンコ球を前記上ステージの通路状の誘導部内に転がすことに基づいて前記始動口に向って落下させる傾斜面状をなしているところに特徴を有している。
上記手段によれば、上ステージおよび下ステージが上下2段に並べられている。このため、パチンコ球が上ステージの揺動部に沿って揺動したり、下ステージの揺動部に沿って揺動したり、上ステージの揺動部および下ステージの揺動部に沿って上下2段に分れて揺動するようになるので、パチンコ球の挙動のおもしろさが高まる。
また、上ステージおよび下ステージの双方に誘導部が設けられている。このため、パチンコ球が上ステージの揺動部から誘導部に供給されたり、パチンコ球が下ステージの揺動部から誘導部に供給されたときには始動口に向って落下し、始動口内に高確率で入賞するので、パチンコ球が上ステージの誘導部および下ステージの誘導部に供給されることを期待してパチンコ球の挙動を目で追う楽しみができる。
また、上ステージの揺動部の最底部と下ステージの揺動部の最底部とが横方向に位置ずれしている。このため、パチンコ球が上ステージの揺動部に沿って揺動しながら失速したときには揺動部の最底部から下ステージの揺動部上に落下し、下ステージの揺動部に沿って高確率で再揺動するので、下ステージ上のパチンコ球が揺動部から誘導部に供給されることを期待して下ステージ上のパチンコ球を見つめることができる。
【0005】
さらに、請求項1記載の遊技機は、上ステージの誘導部がパチンコ球を前記始動口に向って落下させる通路状をなし、下ステージの誘導部がパチンコ球を前記上ステージの通路状の誘導部内に転がすことに基づいて前記始動口に向って落下させる傾斜面状をなしているところに特徴を有している。
上記手段によれば、パチンコ球が下ステージの傾斜面状の誘導部に沿って上ステージの通路状の誘導部内に転がるので、パチンコ球の挙動のおもしろさが一層高まる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施例を図1〜図9に基づいて説明する。パチンコホールの台島には、図5の(b)および(c)に示すように、外枠1が設置されている。この外枠1は前後面が開口する四角筒状をなすものであり、外枠1の左側部には、図5の(a)に示すように、上下端部に位置してヒンジ金具2が固定され、両ヒンジ金具2には前面扉3の垂直な両軸4が回動可能に装着されている。この前面扉3は中央に矩形状の開口部を有するものであり、前面扉3の開口部内にはコ字状の金枠5が固定され、前面扉3の下端部には下皿6が固定されている。
【0008】
金枠5の下端部には横長な長方形状の皿板7が左側辺部の垂直な軸(図示せず)を中心に回動可能に装着されている。この皿板7の前面には上皿8が固定されており、上皿8内にはパチンコ球P(図1のa参照)が貯溜されている。また、上皿8には、図5の(a)に示すように、複数のスリット9が形成されている。これら複数のスリット9の後方にはスピーカ10が固定されており、スピーカ10からは各種の効果音が出力される。
【0009】
前面扉3の前面には右下部に位置して発射ハンドル11が回動可能に装着されており、発射ハンドル11の後方には発射モータ12が装着されている。この発射モータ12の回転軸には打球機構を介して打球槌(いずれも図示せず)が連結されており、発射ハンドル11が図5の(a)の時計回り方向へ回動操作されたときには発射モータ12に電源が与えられ、打球槌が上皿8内のパチンコ球Pを上皿8内から弾き出す。
【0010】
金枠5には、図5の(a)に示すように、皿板7の上方に位置して矩形状の窓枠14が左側辺部の垂直な軸(図示せず)を中心に回動可能に装着されており、窓枠14の内周面には透明なガラス窓15が保持されている。また、前面扉3の後面には額縁状の機構盤(図示せず)が固定されている。この機構盤には、図4に示すように、遊技盤16が保持されており、遊技盤16は窓枠14のガラス窓15により前方から覆われている。
【0011】
前面扉3の前面には、図5の(a)に示すように、右側部に位置して枠鍵17が装着されており、枠鍵17は前面扉3を外枠1の前端面に密着した閉鎖状態にロックし、窓枠14を金枠5の内周面に嵌合した閉鎖状態にロックしている。また、遊技盤16の前面には、図4に示すように、外レール18および内レール19が固定されており、打球槌が弾いたパチンコ球Pは外レール18および内レール19間を通して遊技盤16内の上部に放出される。この遊技盤16の前面には複数の障害釘(図示せず)が打込まれており、遊技盤16内の上部に放出されたパチンコ球Pは障害釘に当りながら落下する。
【0012】
遊技盤16の前面には特別図柄始動口20が固定されている。この特別図柄始動口20は上面が開口するポケット状をなすものであり、特別図柄始動口20内には始動口センサ21(図8参照)が固定されている。この始動口センサ21は近接スイッチからなるものであり、特別図柄始動口20内にパチンコ球Pが入賞したことを検出して始動信号を出力する。
【0013】
遊技盤16には、図4に示すように、中央部に位置して図柄表示装置22が装着されている。この図柄表示装置22は表示台板23にカラー液晶表示器からなる図柄表示器24を装着してなるものであり、表示台板23は次のように構成されている。
【0014】
<表示台板23について>
遊技盤16の前面には、図1の(b)に示すように、貫通孔25が形成されており、貫通孔25内には前方から合成樹脂製の中央飾り部材26が嵌合されている。この中央飾り部材26には、図1の(a)に示すように、4個の貫通孔27が形成されており、中央飾り部材26は前方から各貫通孔27を通して遊技盤16に釘(図示せず)を打込むことに基づいて遊技盤16に固定されている。
【0015】
中央飾り部材26には合成樹脂製の天飾り部材28が固定されている。この天飾り部材28は、図2に示すように、中央飾り部材26から前方に突出する庇状をなすものであり、天飾り部材28の左側部および右側部には、図1の(a)に示すように、L字状の上球通路29が形成され、各上球通路29の上端部には中央飾り部材26の外側に向って開口する入口30が形成されている。
【0016】
中央飾り部材26の後面には、図1の(b)に示すように、ケーシング31が固定されている。このケーシング31の左側部および右側部には、図1の(a)に示すように、円弧状の下球通路32が形成されており、各下球通路32の下端部には内側に向って開口する出口33が形成されている。これら各下球通路32の上端部は上球通路29の下端部に接続されており、各上球通路29内に入口30から侵入したパチンコ球Pは上球通路29内を通って下球通路32内に侵入する。これら各下球通路32の下端部には円弧面34が形成されており、各下球通路32内に侵入したパチンコ球Pは円弧面34に当ることに基づいて転動方向を内側に変え、出口33から内側に向って放出される。尚、符号35は上球通路29および下球通路32から構成されるワープルートを示すものであり、ワープルート35は球通路に相当する。
【0017】
ケーシング31内には上ステージ36が形成されている。この上ステージ36は2つの揺動部37を有するものであり、各下球通路32の出口33から放出されるパチンコ球Pは上ステージ36の揺動部37上に落下する。これら両揺動部37は中央飾り部材26の左右方向の中心線CLに対して線対象に配置されたものであり、前面視が円弧凹状をなし且つ側面視が前方へ下降する傾斜状をなしている。
【0018】
上ステージ36には両揺動部37間の中央部に位置してトンネル38が形成されている。このトンネル38は上方に開口する幅広な入口38aを有するものであり、トンネル38の左右方向の幅寸法Wはパチンコ球Pの直径寸法に略等しく設定されている(パチンコ球Pが揺れない程度に通過できる値に設定されている)。このトンネル38は入口38aが上ステージ36の最高部に配置されたものであり、各揺動部37上のパチンコ球Pは揺動部37の円弧に沿ってトンネル38内に入口38aから落下したり、図3に示すように、揺動部37の円弧に沿って左右方向へ往復動しながら傾斜に沿って前方へ落下する。尚、トンネル38は誘導部に相当するものである。
【0019】
中央飾り部材26には、図1の(a)に示すように、下ステージ39が形成されている。この下ステージ39は、図2に示すように、上ステージ36に対して前方に突出するものであり、下ステージ39には、図1の(a)に示すように、トンネル38の出口の前方に位置して放出口40が形成され、放出口40はトンネル38より幅広な楕円孔状をなしている。このトンネル38の真下には、図4に示すように、特別図柄始動口20が配置されており、トンネル38内のパチンコ球Pはトンネル38内を転がることに基づいて転動方向が特別図柄始動口20に向う真下に規制され、特別図柄始動口20内に高確率で入賞する。
【0020】
下ステージ39には、図1の(a)に示すように、2つの揺動部41が形成されている。これら各揺動部41は上ステージ36の揺動部37に対して前方に突出しており、各揺動部37の傾斜に沿って前方へ転がるパチンコ球Pは下方の揺動部41上に落下する。これら両揺動部41は中央飾り部材26の中心線CLに対して線対象に配置されたものであり、前面視が円弧凹状をなし且つ側面視が前方へ下降する傾斜状をなしている。
【0021】
下ステージ39には両揺動部41間の中央部に位置して円弧状の突部42が形成されており、突部42の前端部には、図1の(b)に示すように、壁42aが形成されている。この突部42は下ステージ39の最高部に配置されたものであり、各揺動部41上のパチンコ球Pは揺動部41の円弧に沿って突部42に乗上げたり、図3に示すように、揺動部41の円弧に沿って左右方向へ往復動しながら傾斜に沿って前方へ落下する。
【0022】
下ステージ39の突部42には、図1の(b)に示すように、中心線CL上に位置して誘導部に相当する案内部43が形成されている。この案内部43は後方へ向って下降する傾斜面状をなすものであり、突部42の案内部43上に乗上げたパチンコ球Pは案内部43に沿って後方のトンネル38内に転がり込む。そして、放出口40を通して遊技盤16内に放出され、特別図柄始動口20に向う真下に落下する。尚、上ステージ36の各揺動部37および下ステージ39の各揺動部41にはパチンコ球Pがワープルート35を介さずに障害釘に当って飛込むルートで供給されることもある。
【0023】
下ステージ39の各揺動部41の最下点D2は、図3に示すように、上方の揺動部37の最下点D1に対して左右方向の中央部(中心線CL側)に位置ずれしており、各揺動部37の最下点D1から下方の揺動部41上に落下するパチンコ球Pは遊技盤16内に直接的に落下することなく、揺動部41に沿って左右方向へ高確率で揺動する。従って、揺動部37上のパチンコ球Pがトンネル38内に入賞することなく揺動部41上に落下した場合にも案内部43からトンネル38内に入賞するチャンスが生成される。
【0024】
尚、図1の(a)の符号72は2個の揺動部37とトンネル38とを有する上ステージ36,2個の揺動部41と案内部43とを有する下ステージ39を備えた棚板部を示しており、棚板部72は、図1の(b)に示すように、図柄表示器24の前方に配置されている。
【0025】
天飾り部材28には、図1の(a)に示すように、左右方向の中央部に位置して装飾プレート44が固定され、装飾プレート44の左側部および右側部に位置して2個の保留球ランプ45が固定されている。この装飾プレート44はキャラクターを模したものであり、半透明な合成樹脂を材料に形成されている。
【0026】
天飾り部材28内には、図1の(b)に示すように、プリント配線基板46 (PC板46)が固定されており、PC板46の上面には複数のLED47が搭載されている。このPC板46の上方には通路状の光案内部材48が固定されており、複数のLED47の発光時には光案内部材48を通して装飾プレート44に光が投射され、装飾プレート44が発光する。また、中央飾り部材26およびケーシング31の後面にはカバー49が固定されており、図柄表示器24はカバー49に保持されている。表示台板23は以上のように構成されている。
【0027】
始動口センサ21には、図8に示すように、マイクロコンピュータを主体に構成されたメイン制御装置50が電気的に接続されている。このメイン制御装置50は前面扉3の後面側に固定されたものであり、電源が投入されることに基づいて大当りカウンタNoをリング状に加算する。この大当りカウンタNoはメイン制御装置50がタイマ割込ルーチンを起動することに基づいて加算するものであり、メイン制御装置50は始動口センサ21からの始動信号を検出することに基づいて大当りカウンタNoの計測値を取得し、大当り値と比較する。そして、大当りカウンタNoの取得値と大当り値との比較結果に基づいて大当りおよび外れを判定し、大当りおよび外れの判定結果に基づいて大当り図柄および外れ図柄を設定する。尚、大当り図柄および外れ図柄は左列,中列,右列の3列の数字図柄の組合わせを称するものである。また、メイン制御装置50は大当りおよび外れを判定する判定手段に相当するものである。また、大当りは特典に相当するものである。
【0028】
メイン制御装置50にはマイクロコンピュータを主体に構成された図柄制御装置51が電気的に接続されており、図柄制御装置51にはLCD駆動回路52を介して図柄表示器24が電気的に接続されている。これら図柄制御装置51およびLCD駆動回路52は前面扉3の後面側に固定されたものであり、メイン制御装置50は大当りおよび外れの判定結果と共に大当り図柄および外れ図柄の設定結果を図柄制御装置51に出力する。すると、図柄制御装置51は図柄表示器24の左列,中列,右列に「1」〜「12」の数字図柄を設定順序で変動表示し、左列,中列,右列をメイン制御装置50からの設定図柄で変動停止させることに基づいて大当りおよび外れの判定結果を遊技者に報知する。
【0029】
図9は図柄表示器24の画面を示すものであり、パチンコ球Pが特別図柄始動口20内に入賞していない状態では、図9の(a)に示すように、図柄表示器24に数字図柄ZSが横3列に静止表示される。この状態でパチンコ球Pが特別図柄始動口20内に入賞すると、図9の(b)に示すように、各列の数字図柄ZSが「1」→「2」……「11」→「12」→「1」……の設定順序でループ状に変動する。そして、3列の数字図柄ZSが左列→右列→中列の順序で変動停止し、図9の(c)および(d)に示すように、3列の数字図柄ZSの組合わせに基づいて大当りおよび外れが報知される。尚、数字図柄ZSは識別図柄に相当するものであり、符号HEは数字図柄ZSの変動領域を示している。
【0030】
遊技盤16の前面には、図4に示すように、特別図柄始動口20の下方に位置して入賞口台板53が固定されており、入賞口台板53には、図6に示すように、前面が開口する長方形状の大入賞口54が形成されている。また、入賞口台板53には扉55が装着されている。この扉55は下端部の水平な軸(図示せず)を中心に回動可能にされたものであり、大入賞口54の前面は、図4に示すように、扉55が垂直状態に回動することに基づいて閉鎖され、図6に示すように、扉55が前方へ倒れた水平状態に回動することに基づいて開放される。
【0031】
入賞口台板53の後面には大入賞口ソレノイド56が固定されている。この大入賞口ソレノイド56のプランジャには扉55が機械的に連結されており、大入賞口ソレノイド56の通電時にはプランジャが前進することに基づいて扉55が水平な開放状態に回動し、大入賞口ソレノイド56の断電時にはプランジャが後退することに基づいて扉55が垂直な閉鎖状態に回動する。この大入賞口ソレノイド56は、図8に示すように、ソレノイド駆動回路57を介してメイン制御装置50に電気的に接続されており、メイン制御装置50は大当りを判定することに基づいて大入賞口ソレノイド56に駆動電源を印加し、大入賞口54を開放する。
【0032】
大入賞口54内の入口には大入賞口センサ58が固定されており、大入賞口センサ58はメイン制御装置50に電気的に接続されている。この大入賞口センサ58は大入賞口54内にパチンコ球Pが入賞したことを検出して入賞信号を出力する近接スイッチからなるものであり、メイン制御装置50は大入賞口センサ58からの入賞信号に基づいてパチンコ球Pの大入賞口54に対する入賞個数Npを計測する。そして、パチンコ球Pの入賞個数Npが最大値(例えば10個)に達したことを検出したり、または、大入賞口54の開放時間Toが最大値(例えば29.5秒)に達したことを検出すると、大入賞口ソレノイド56を断電することに基づいて大入賞口54を閉鎖する。
【0033】
大入賞口54の後壁には、図6に示すように、左側部および右側部に位置して孔状の特定入賞口59および孔状の外れ口60が形成されており、特定入賞口59および外れ口60間には可動片61が装着されている。この可動片61は右方の外れ口60から左方の特定入賞口59に向って下降傾斜する特定入賞状態(図6参照)および左方の特定入賞口59から右方の外れ口60に向って下降傾斜する外れ状態(図7参照)間で揺動可能にされたものであり、可動片61が特定入賞状態に揺動しているときには大入賞口54内に入賞したパチンコ球Pが可動片61の傾斜に沿って特定入賞口59内に入賞し、可動片61が外れ状態に揺動しているときには大入賞口54内に入賞したパチンコ球Pが可動片61の傾斜に沿って外れ口60内に入賞する。
【0034】
入賞口台板53の後面には可動片ソレノイド62が固定されており、可動片61は可動片ソレノイド62のプランジャに機械的に連結されている。この可動片ソレノイド62は可動片61を回動操作するものであり、可動片ソレノイド62の断電時には可動片61がパチンコ球Pを特定入賞口59内に案内する特定入賞状態に保持され、可動片ソレノイド62の通電時には可動片61がパチンコ球Pを外れ口60内に案内する外れ状態に揺動する。
【0035】
可動片ソレノイド62は、図8に示すように、ソレノイド駆動回路63を介してメイン制御装置50に電気的に接続されており、メイン制御装置50は大入賞口54の開放直後には可動片ソレノイド62を断電し、可動片61を特定入賞状態に保持することに基づいてパチンコ球Pを特定入賞口59内に案内する。また、特定入賞口59内には特定入賞口センサ64が固定されている。この特定入賞口センサ64は近接センサからなるものであり、パチンコ球Pが特定入賞口59内に入賞したことを検出して特定入賞信号を出力する。
【0036】
特定入賞口センサ64はメイン制御装置50に電気的に接続されており、メイン制御装置50は特定入賞口センサ64からの特定入賞信号を検出すると、パチンコ球Pが特定入賞口59内に入賞したことをRAMに記録する。そして、可動片ソレノイド62に駆動電源を印加し、可動片61を外れ状態に揺動させることに基づいてパチンコ球Pを外れ口60内に案内する。
【0037】
メイン制御装置50は大入賞口54を閉鎖すると、特定入賞口59に対するパチンコ球Pの入賞状態をRAMの記録データに基づいて判断する。ここで、パチンコ球Pの入賞を検出したときには大入賞口ソレノイド56に駆動電源を印加することに基づいて大入賞口54を再び開放し、可動片ソレノイド62を断電することに基づいて可動片61を特定入賞状態に復帰させる。このパチンコ球Pの特定入賞口59に対する入賞を条件とする大入賞口54の開放動作はラウンド動作と称されるものであり、設定回数(例えば15回)を上限回に繰返される。
【0038】
メイン制御装置50には、図8に示すように、マイクロコンピュータを主体に構成された払出制御装置65が電気的に接続されている。この払出制御装置65は前面扉3の後面側に固定されたものであり、メイン制御装置50は始動口センサ21からの始動信号および大入賞口センサ58からの入賞信号を検出することに基づいて払出制御装置65に払出指令を出力する。
【0039】
前面扉3の後面側には払出機構が装着されている。この払出機構は払出モータ66を駆動源とするものであり、払出モータ66の駆動に基づいて上皿8内にパチンコ球Pを払出す。この払出モータ66はモータ駆動回路67を介して払出制御装置65に電気的に接続されており、払出制御装置65はメイン制御装置50からの払出指令を検出することに基づいて払出モータ66を駆動し、パチンコ球Pを上皿8内に賞球として払出す。
【0040】
上記第1実施例によれば、上ステージ36および下ステージ39を上下2段に並べ、下ステージ39の揺動部41を上ステージ36の揺動部37の前方に配置した。このため、パチンコ球Pが上ステージ36の揺動部37に沿って揺動したり、下ステージ39の揺動部41に沿って揺動したり、上ステージ36の揺動部37および下ステージ39の揺動部41に沿って上下2段に分れて揺動するようになるので、パチンコ球Pの挙動のおもしろさが高まる。
【0041】
また、上ステージ36にトンネル38を設けた。このため、パチンコ球Pが上ステージ36の揺動部37からトンネル38内に転がり込んだときには特別図柄始動口20に向って真直ぐに落下し、特別図柄始動口20内に高確率で入賞するようになるので、パチンコ球Pがトンネル38内に転がり込むことを期待してパチンコ球Pの挙動を目で追う楽しみができる。しかも、下ステージ39に案内部43を設け、パチンコ球Pを案内部43の傾斜に沿わせてトンネル38内に供給したので、パチンコ球Pの挙動のおもしろさが一層高まる。これと共に、パチンコ球Pが特別図柄始動口20内に入賞することを期待してパチンコ球Pを見つめる機会が増えるので、パチンコ球Pの挙動を目で追う楽しみが高まる。
【0042】
また、上ステージ36の揺動部37および下ステージ39の揺動部41を最底部D1およびD2が左右方向に位置ずれするように配置した。このため、パチンコ球Pが上ステージ36の揺動部37に沿って揺動しながら失速したときには揺動部36の最底部D1から下ステージ39の揺動部41上に落下し、下ステージ39の揺動部41に沿って高確率で再揺動する。従って、下ステージ39上のパチンコ球Pが案内部43に乗上げることを期待して下ステージ39上のパチンコ球Pを見つめることができるので、パチンコ球Pの挙動を目で追う楽しみが一層高まる。
【0043】
また、上ステージ36にトンネル38を挟んで揺動部37を左右2列に設け、下ステージ39に案内部43を挟んで揺動部41を左右2列に設けたので、複数のパチンコ球Pが上ステージ36上および下ステージ39上を左右2列に分れて揺動するようになる。このため、複数のパチンコ球Pが上下2段および左右2列の合計4箇所に分れて浮遊するようになるので、パチンコ球Pの挙動のおもしろさが一層高まる。
【0044】
また、上ステージ36の左右方向の中央部にトンネル38を設けた。このため、トンネル38が遊技者の目線の正面に配置されるので、パチンコ球Pがトンネル38内に転がり込む様子を視覚的に認識し易くなる。
また、下ステージ39の左右方向の中央部に案内部43を設けた。このため、案内部43が遊技者の目線の正面に配置されるので、パチンコ球Pが案内部43を通してトンネル38内に転がり込む様子を視覚的に認識し易くなる。
また、パチンコ球Pを上ステージ36の揺動部37に供給するワープルート35を設けた。このため、ワープルート35内に入口30から侵入したパチンコ球Pが出口33を通して揺動部37上に突然に出現するので、パチンコ球Pの挙動のおもしろさが一層高まる。
【0045】
また、可動片61を可動片ソレノイド62の断電に基づいて特定入賞状態に保持したので、可動片ソレノイド62に配線経路が損傷する等のトラブルで電源が印加されなくなったときには可動片61が特定入賞状態に拘束されるようになる。このため、パチンコ球Pが特定入賞口59内に必ず入賞するので、可動片ソレノイド62の配線経路等のトラブルが原因でラウンド動作が途中で終了することが防止される(パンクの防止)。
【0046】
また、トンネル38の幅寸法Wをパチンコ球Pの直径寸法程度に設定した。このため、パチンコ球Pの落下方向のぶれがトンネル38により規制されるので、パチンコ球Pの特別図柄始動口20に対する入賞率が高まる。
【0047】
尚、上記第1実施例においては、表示台板23にトンネル38を設け、上ステージ36からトンネル38を通して特別図柄始動口20内にパチンコ球Pを落下させたが、これに限定されるものではなく、例えば本発明の第2実施例を示す図10のように、下ステージ39に誘導部に相当する円弧面状の案内通路70(左右方向の幅寸法Wはパチンコ球Pの直径寸法程度に設定されている)を形成し、上ステージ36上のパチンコ球Pを誘導部に相当する開口部71から案内通路70を通して特別図柄始動口20上に落下させ、下ステージ39上のパチンコ球Pを案内通路70を通して特別図柄始動口20上に落下させても良い。この構成の場合、表示台板23の高さ寸法を短縮できる利点がある。
また、上記第2実施例においては、上ステージ36に誘導部として開口部71を設けたが、これに限定されるものではなく、例えば案内通路70内に向って下降傾斜する傾斜面状の誘導部を設けても良い。
【0048】
また、上記第1〜第2実施例においては、ワープルート35の出口33から上ステージ36の揺動部37に側方からパチンコ球Pを供給したが、これに限定されるものではなく、例えば上方からパチンコ球Pを供給しても良い。
また、上記第1〜第2実施例においては、ワープルート35の出口33から上ステージ36の揺動部37にパチンコ球Pを供給したが、これに限定されるものではなく、例えば下ステージ39の揺動部41に側方または上方から供給しても良い。
【0049】
また、上記第1〜第2実施例においては、ワープルート35を1本の通路状に構成したが、これに限定されるものではなく、例えばメイン通路からサブ通路が分岐するY字状に構成し、パチンコ球Pをメイン通路を通して上ステージ36の揺動部37に供給したり、メイン通路からサブ通路を通して下ステージ39の揺動部41に供給しても良い。この構成の場合、ワープルート内に侵入したパチンコ球Pが上ステージ36の揺動部37上に突然に出現したり、下ステージ39の揺動部41上に突然に出現するので、パチンコ球Pの挙動のおもしろさが一層高まる。
【0050】
また、上記第1〜第2実施例においては、下ステージ39の揺動部41の最底部D2を上ステージ36の揺動部37の最底部D1に対して中心線CL側に位置ずれされたが、これに限定されるものではなく、例えば中心線CLとは反対側に位置ずれさせても良い。
また、上記第1〜第2実施例においては、上ステージ36の揺動部37および下ステージ39の揺動部41を円弧凹状に形成したが、これに限定されるものではなく、例えば三角凹状に形成しても良く、要は凹状であれば良い。
【0051】
また、上記第1〜第2実施例においては、トンネル38の幅寸法Wおよび案内通路70の幅寸法Wをパチンコ球Pの直径寸法程度に設定したが、これに限定されるものではなく、例えばパチンコ球Pの直径寸法の1.5倍程度または2倍程度に設定する等、パチンコ球Pの直径寸法より大きく設定しても良い。この構成の場合、パチンコ球Pの落下方向がぶれるので、パチンコ球Pの落下の挙動におもしろみが高まる。
【0052】
また、上記第1〜第2実施例においては、図柄表示装置24に大当り図柄が表示されることに基づいて大当り動作が行われる1種のパチンコ機に本発明を適用したが、これに限定されるものではなく、例えば3種のパチンコ機に適用しても良い。このパチンコ機の場合、遊技盤に図柄表示装置および特別入賞口が装着されており、図柄表示装置に特定図柄が確定表示されることに基づいて特別入賞口が開放され、特別入賞口内にパチンコ球Pが入賞することに基づいて大当りが発生する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す図(aは表示台板を示す前面図、bはXb線に沿う断面図)
【図2】表示台板を示す斜視図
【図3】上ステージの揺動部および下ステージの揺動部に沿ってパチンコ球が揺動する様子を示す前面図
【図4】遊技盤を示す前面図
【図5】全体構成を示す図(aは前面図、bは矢印Xb視図、cは矢印Xc視図)
【図6】大入賞口ユニットを示す斜視図(可動片が特定入賞状態に回動した様子を示す図)
【図7】大入賞口ユニットを示す斜視図(可動片が外れ状態に回動した様子を示す図)
【図8】電気的構成を示すブロック図
【図9】図柄表示装置の画面を示す図
【図10】本発明の第2実施例を示す図(第1のステージおよび第2のステージを示す斜視図)
【符号の説明】
Pはパチンコ球、ZSは数字図柄(識別図柄)、20は特別図柄始動口(始動口)、22は図柄表示装置、24は図柄表示器、35はワープルート(球通路)、36は上ステージ、37は揺動部、38aは入口(誘導部)、39は下ステージ、41は揺動部、43は案内部(誘導部)、70は案内通路(誘導部)、71は開口部(誘導部)、72は棚板部を示す。
Claims (1)
- 図柄表示器の前方に棚板部を備える図柄表示器と、始動口とを有する遊技機であって、
前記始動口内にパチンコ球が入賞することに基づいて前記図柄表示器に識別図柄を変動状態および変動停止状態で順に表示し、識別図柄の変動停止時の態様によって特典の抽選結果を報知する構成のものにおいて、
前記棚板部は、
パチンコ球が横方向に揺動することとなる凹状の揺動部を有する上ステージと、
前記上ステージの前方に設けられ、前記上ステージの揺動部に対して下方に位置する凹状の揺動部を有する下ステージとを備え、
前記上ステージおよび前記下ステージには、パチンコ球を、前記始動口へ向って落下させるための誘導部が設けられ、
前記上ステージの誘導部は、前記始動口に向って落下させる通路状をなし、
前記下ステージの誘導部は、パチンコ球を前記上ステージの通路状の誘導部内に転がすことに基づいて前記始動口に向って落下させる傾斜面状をなしていることを特徴とする遊技機。
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