JP4465936B2 - 剥離治具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、剥離治具に関し、特に、ディスク基板上に光透過性シートを貼り合わせる際に、原反状のシートからプロテクト層や剥離層を剥離する時に用いられる剥離装置における治具に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報記録の分野において、光学情報記録方式に関するさまざまな研究、開発が、各所で進められている。この光学情報記録方式は、非接触で記録および/または再生を行うことができるとともに、磁気記録方式に比して一桁以上高い記録密度を達成可能であるという利点を有している。また、この光学情報記録方式は、再生専用型、追記型、書換可能型などのそれぞれのメモリ形態に対応可能であるという、さらなる利点をも有する。そのため、安価な大容量ファイルの実現を可能とする方式として、産業用から民生用まで幅広い用途への適用が考えられている。
【0003】
その中でも特に、再生専用型のメモリ形態に対応した光ディスクであるディジタルオーディオディスク(DAD)や光学式ビデオディスクなどは、現在広く普及している。
【0004】
ディジタルオーディオディスクなどの光ディスクは、情報信号を示すピットやグルーブなどの凹凸パターンが形成された光透過性を有するディスク基板上に、アルミニウム(Al)膜などの金属薄膜からなる反射膜と、さらにこの反射膜を大気中の水分(H2O)や酸素(O2)から保護するための保護膜とが設けられた構成を有する。そして、この光ディスクにおける情報信号の再生時には、ディスク基板側から凹凸パターンに向けてレーザ光などの再生光を照射し、この再生光による入射光と戻り光との反射率の差によって情報信号を検出する。
【0005】
そして、このような光ディスクを製造する際には、まず、射出成形法により凹凸パターンを有するディスク基板を形成する。次に、真空蒸着法により、光ディスク基板上に金属薄膜からなる反射膜を形成する。次に、この反射膜の上層に紫外線硬化樹脂を塗布することにより保護膜を形成する。
【0006】
近年、このような光学情報記録方式においては、さらなる高記録密度化が要求されている。そして、この高記録密度化の要求に対応するために、光学ピックアップの再生光の照射時に用いられる対物レンズの開口数(NA)を大きくすることによって、再生光のスポット径の小径化を図る技術が提案された。
【0007】
すなわち、例えば従来のDADの再生時に用いられる対物レンズのNAが0.45であるのに対し、この従来のDADの6〜8倍の記録容量を有するDVD(Digital Versatile Disc)といった光学式ビデオディスクでは再生時に用いられる対物レンズのNAを0.60程度として、スポット径の小径化が図られる。
【0008】
このような対物レンズにおける高NA化を進めていくと、照射される再生光を透過させるために、光ディスクにおけるディスク基板を薄くする必要が生じる。これは、光学ピックアップの光軸に対してディスク面の垂直からずれる角度(チルト角)の許容量が小さくなるためであり、さらに、このチルト角がディスク基板の厚さによる収差や複屈折の影響を受け易いためである。したがって、ディスク基板を薄くすることによって、チルト角がなるべく小さくなるようにする。例えば、上述したDADにおいては、基板の厚さは1.2mm程度とされている。これに対し、DADの6〜8倍の記録容量を有するDVDなどの光学式ビデオディスクにおいては、基板の厚さは0.6mm程度とされている。
【0009】
そして、今後のさらなる高記録密度化の要求を考慮すると、基板のさらなる薄型化が必要になる。そこで、基板の一主面に凹凸を形成して情報信号部とし、この情報信号部上に、反射膜と、レーザ光を透過可能な薄膜からなる光透過層とを順次積層し、光透過層側から再生光を照射することにより情報信号の再生を行うように構成された光ディスクが提案されている。このような、光透過層側から再生光を照射して情報信号の再生を行うようにした光ディスクにおいては、光透過層の薄膜化を図ることによって対物レンズの高NA化に対応することができる。
【0010】
ところが、光透過層の薄膜化を行うと、光ディスクの製造に一般に用いられる、熱可塑性樹脂を用いた射出成形法による光透過層の形成が困難になる。すなわち、従来の技術を採用して、複屈折を小さく保ちつつ、良好な透明性が維持された、0.1mm程度の光透過層を形成することは、非常に困難である。
【0011】
そこで、光透過層を、紫外線硬化樹脂により形成する方法が考案された。ところが、光透過層を紫外線硬化樹脂により形成する場合、光透過層を基板表面において均一な膜厚にすることは非常に難しい。そのため、情報信号の再生を安定して行うことが困難になる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者は、鋭意検討を行った結果、厚さが例えば0.1mmの熱可塑性樹脂からなる光透過性シートを、この光透過性シートの一面に被着された感圧性接着剤を介して基板に貼り合わせ、これらからなる光透過層を形成する方法を案出するに至った。
【0013】
本発明者は、このような方法を試みる際、光透過性シートおよび感圧性接着剤を、傷やほこりなどから保護するために、保護層を設けた。すなわち、保護層として、光透過性シートを保護するためのプロテクト層と、感圧性接着剤を保護するための剥離層とを、ラミネートした。そして、基板上に光透過層を形成する際には、これらのプロテクト層、光透過性シート、感圧性接着剤および剥離層の4層からなるシートを用いて、感圧性接着剤を介して、光透過性シートを貼り合わせる。
【0014】
このとき、感圧性接着剤を露出させる必要があり、そのためには剥離層を剥がす必要がある。通常、この剥離層を剥がすときには、作業者が市販の粘着テープを保護層に貼り付け、剥離後に、感圧性接着剤に直接触れたりしないように、慎重に粘着テープをめくり、剥離層を感圧性接着剤から剥がしていた。また、光透過性シートを保護するためのプロテクト層を剥がす際にも同様に行われ、この場合にも、光透過性シートに直接接触しないように、作業者は慎重に粘着テープをめくり、プロテクト層を光透過性シートから剥がすようにする。
【0015】
しかしながら、このような作業者による手作業での剥離においては、作業効率が非常に悪いのみならず、大量枚数にわたって、正確かつ確実に剥離を行うことは非常に困難であるという問題があった。
【0016】
そこで、この剥離を大量枚数にわたって正確かつ確実に行うために、剥離の自動化が進められ、この自動化に伴う剥離装置に用いられる種々の治具の改良が進められてきた。特に、この剥離を実際に行う治具、すなわち剥離治具に関して、より正確で確実に剥離を行うことができる技術の開発が望まれていた。
【0017】
したがって、この発明の目的は、効率がよく、より正確で確実に剥離を行うことができ、大量枚数にわたって容易に剥離を行うことができる、粘着テープを用いてシートを剥離する際に用いられる剥離治具を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は、
複数の膜から構成されたシートの最表面に、粘着剤が被着されたテープの粘着剤側を貼り合わせ、テープを剥離方向に引くことにより、シートから少なくとも1層の膜を剥離する際に用いられる剥離治具において、
テープの粘着剤側の面をシートの最表層に押し当て可能な第1の面と、
テープを剥離方向に引く際に、シートに接着している部分と接触しないように構成された第2の面とを有し、
第1の面と第2の面とにより構成される角の角度が4度以上8度以下である
ことを特徴とするものである。
【0019】
また、この発明において、典型的には、シートは、レーザ光を透過可能な光透過性シートを少なくとも有し、光透過性シートに接して、最表層の膜が設けられている。また、この発明において、典型的には、シートは、レーザ光を透過可能な光透過性シートを有し、光透過性シートの一面に接着層が設けられ、接着層に接するように最表層の膜が設けられている。
【0020】
また、この発明において、典型的には、第1の面と第2の面とにより構成される角の幅が、テープの幅よりも大きい。
【0021】
また、この発明において、好適には、少なくともテープと接する部分に、接触によるテープの切断を防止するための鏡面加工を施す。
【0023】
また、この発明において、典型的には、テープを第1の面から第2の面を経由するように角において折り返し可能に構成され、ローラを用いてテープをテンション張り可能に構成されている。また、この発明において、好適には、ローラが粘着剤に対して、非接着可能な加工を施す。
【0024】
上述のように構成されたこの発明による剥離治具によれば、第1の面と第2の面とにより構成される角の角度を4度以上8度以下としていることで、粘着剤が被着されたテープの粘着剤側を複数の膜から構成されたシートの最表層に押し当て剥離する際に、テープ切断の発生を抑制した安定した剥離動作が得られ、粘着剤が被着されたテープの粘着剤に複数の膜から構成されたシートの少なくとも1層の膜が貼り付き剥離される。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を適用した具体的な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0026】
なお、この実施形態においては、光ディスクであって、情報信号部を有する支持体上に形成されている光透過層にレーザ光を照射して信号を読み取り、あるいは記録を行う光ディスクに適用した例について述べる。なお、この発明は以下の例に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能であることは言うまでもない。
【0027】
図1は、光ディスクの光透過層を形成する際に使用する、この発明の一実施形態である剥離治具を適用した剥離装置の一例の構成を示す略線図である。図1Aは剥離装置の正面図であり、図1Bはその上面図、図1Cは側面図である。
【0028】
図1に示す剥離装置について、以下に説明する。平面ステージ1は、剥離する保護層を有する光透過性シートや光透過性シートを貼り合わせたディスク基板などを載せるステージである。また、平面ステージ1は、設置された剥離する保護層を有する光透過性シートや光透過性シートを貼り合わせたディスク基板などをステージ上に固定させる構造、例えば、この実施形態においては真空吸着によって真空保持させるような構造を有している。
【0029】
水平可動部2は、図1A中の破線の待機位置から実線の位置までの間を水平に可動可能な構造となっており、剥離板4、粘着テープ巻き取り部5および粘着テープ用テンションローラ7を備える垂直可動部3を有している。また、垂直可動部3は、平面ステージ1上に保持されている剥離する保護層を有する光透過性シートや、光透過性シートを貼り合わせたディスク基板の面に対して垂直に可動する構造とされている。
【0030】
これら水平可動および垂直可動により、垂直可動部3に取り付けられた剥離板4が、図1中の破線に示される待機位置から水平に平面ステージ1上に移動し、平面ステージ1に保持されている剥離する保護層を有する光透過性シートや、光透過性シートを貼り合わせたディスク基板に上から粘着テープ6を押し当て、そのまま待機位置方向へ水平に移動し、再び元の待機位置へ戻る構造となっている。
【0031】
図2は、剥離板4の一例の詳細図である。図2Aは、剥離板4を上から見た図、図2Bはその中心部の断面図を示している。剥離板4は、固定部11において、この実施形態では図1中の垂直可動部3へ固定されている。また、図2Bの剥離板4におけるローラ取り付け部12、すなわち剥離板4の上面中央部には、後述の粘着テープ用テンションローラ7が取り付けられる。エッジ部13は剥離板4の末端部であり、鋭角とされている。詳しくは、剥離板4の下面4aは、粘着テープ6の粘着面を剥離するシートに押し当てるために平面となっており、上面4bは、エッジ部13方向に傾斜4cを有していて、傾斜4cの面と下面4aとにより構成される角の角度が鋭角とされている。
【0032】
図2に示す一例の剥離板4の詳細な寸法としては、まず、剥離板4の厚さが6mmであり、エッジ部13の突端の厚さが0.5mm、そして、剥離板の下面4aと傾斜4cとの成す角度が7°になるように、剥離板4の上面4bから下面4aのエッジ部13方向に勾配を持たせてある。ここでの各寸法は、一例にすぎず、特にエッジ部の角度については後に説明する。また、図1Cに示すように、剥離板4の幅、すなわち傾斜4cの面と下面4aとにより構成される角の長さは、剥離ミスを減らすため粘着テープ6のテープ幅よりも広い幅に構成されている。
【0033】
図1中の粘着テープ取り付け部8は、粘着テープ6を取り付けるためのローラであり、粘着テープ6は粘着面が平面ステージ1側となる向きに、この粘着テープ取り付け部8から引き伸ばされ、図2における剥離板4のエッジ部13と、図1における粘着テープ用テンションローラ7で折り返され粘着テープ巻き取り部5にて巻き取られる。すなわち、粘着テープ6は、粘着テープ取り付け部8から剥離板4の下面4aに粘着テープ6の非粘着面が接するように設置され、下面4aと傾斜4cの面とにより構成される角において折り返され、テンション張り可能な状態にするため、粘着テープ用テンションローラ7のローラに粘着面が接するように粘着テープ用テンションローラ7を介して、粘着テープ巻き取り部5へ接続されている。
【0034】
このように、粘着テープ用テンションローラ7には、粘着テープ6の粘着面が直接接触するため、粘着テープ6が粘着テープ用テンションローラ7に貼り付かないような加工、例えば、ローレット加工(溝を彫る加工)が施されている。このように、粘着テープ6が粘着テープ用テンションローラ7に貼り付かないように加工することで、スムーズな粘着テープ走行が可能になる。
【0035】
次に、上述の剥離装置において、光透過性シートを貼り付けて光ディスクを作製する過程における光透過性シートおよび感圧性接着剤層を保護する保護層の剥離動作について説明する。
【0036】
図3は、光ディスクの光透過層の形成に用いるシートの一例の図およびその断面図である。まず、この図3に示す形状のシート20を、例えば、以下の手順で用意する。すなわち、例えばレーザ光を透過可能であるような、所定の光学特性を満たす光透過性の熱可塑性樹脂よりなる光透過性シート20aの一主面に感圧性接着剤層20bを形成し、この感圧性接着剤層20bを保護する剥離層20c、さらに、光透過性シート20aを保護するプロテクト層20dからなる4層の膜から構成されるシート20を、図3に示すような平面円環状に打ち抜く。熱可塑性樹脂よりなる光透過性シート20aの材料としては、例えばポリカーボネートやポリメチルメタクリレートなどを挙げることができる。
【0037】
そして、このシート20を、剥離層20cを上向きに、図1に示す平面ステージ1上に置き保持状態にする。平面ステージ1には内径孔と、シート外周部の保持具が設けられており、これらによりシート20を平面ステージ1の上に固定し、さらに、シート20を真空源により吸着し保持させる。
【0038】
シート20を吸着させ保持完了後、剥離板4をシート20に押し付けるが、その前に、剥離層20cを剥がすためのロール状の粘着テープ6を、粘着テープ6の粘着面がシート20に接触する向きに粘着テープ取り付け部8に設置する。そして、粘着テープ6の先端を剥離板4のエッジ部13および粘着テープ用テンションローラ7で折り返し、粘着テープ巻き取り部5に巻き付け固定する。
【0039】
上述のようにシート20および粘着テープ6の準備が完了したら、剥離板4が取り付けられている水平可動部2が、粘着テープ6を伸ばしながら剥離を行う平面ステージ1上に前進する。このとき、粘着テープ巻き取り部5は固定、粘着テープ取り付け部8は回転して粘着テープ6を伸ばす。そして、剥離板4が、ステージ1の上に来たところで、垂直可動部3が下降する。これにより、粘着テープ6の粘着面が最表面である剥離層20cに貼り付く。そして、粘着テープ取り付け部8を固定し、粘着テープ巻き取り部5を回転させ水平可動部2を後退させる。後退完了後、垂直可動部3が上昇し、図1中の破線の待機状態に戻る。粘着テープ巻き取り部5が回転している時は、粘着テープ6を粘着テープ用テンションローラ7の回転を制御して剥離板4のエッジ部13から粘着テープ用テンションローラ7にかけて常時テンション張り状態を保つように張る。
【0040】
以上のようにして、剥離層20cがシート20より剥離される。そして、剥離された剥離層20cは、粘着テープ6とともに、粘着テープ巻き取り部5に巻き取られる。
【0041】
次に、プロテクト層20dの剥離について説明する。図4は、光ディスク成形用のディスク基板の一例の図である。図4Aは基板21を上から見た図であり、図4Bは、その断面図である。上述のように剥離層20cを剥がしたシート20にこの図4の基板21を載せ感圧性接着剤層20bを基板21に貼り付ける。この光ディスクでは、基板21は、中心部にセンターホール21aを設けたものとする。この場合、基板21の肉厚は、例えば0.6〜1.2mmである。そして、平面ステージ1の吸着を停止後、基板21を裏返しにし、再び平面ステージ1の上に吸着させる。
【0042】
そして、図3の剥離層20cを剥離する場合と同様に、剥離板4が取り付けられている水平可動部2が、粘着テープ6を伸ばしながら剥離を行う平面ステージ1上に前進する。このとき、粘着テープ巻き取り部5は固定、粘着テープ取り付け部8は回転して粘着テープ6を伸ばす。そして、剥離板4が、ステージ1上に来たところで、垂直可動部3が下降する。これにより、粘着テープ6の粘着面が最表面であるプロテクト層20dに貼り付く。そして、粘着テープ取り付け部8を固定し、粘着テープ巻き取り部5を回転させながら水平可動部2が後退する。後退完了後、垂直可動部3が上昇し、図1中の破線の待機状態に戻る。粘着テープ巻き取り部5が回転している時は、粘着テープ6を粘着テープ用テンションローラ7の回転を制御して剥離板4のエッジ部13から粘着テープ用テンションローラ7にかけて常時テンション張り状態を保つように張る。
【0043】
以上のようにして、プロテクト層20dがシート20より剥離される。そして、剥離されたプロテクト層20dも剥離層20cの場合と同様に、粘着テープ6とともに粘着テープ巻き取り部5に巻き取られる。
【0044】
上述の剥離作業を行った後の基板構成の一例の上面図およびその断面図を図5に示す。図5に示す基板は、例えば、ポリカーボネート樹脂からなる厚さ1.1mm、内孔径15mm、外径120mmの円盤状の基板21上に、光透過性シート20aとして厚さ70μmのポリカーボネートに、アクリル系の感圧性粘着材20bを30μmの厚さにラミネートしている。また、シート20の形状は内孔径23mm、外径120mmになるように円環状に打ち抜いている。
【0045】
この剥離層20c、プロテクト層20dを剥離したときの剥離状態は、粘着テープの粘着度、粘着テープ走行速度などさまざまな要因により変化する。ここで、その要因の一つである剥離板4のエッジ部形状について考慮してみる。
【0046】
表1に剥離板4のエッジ部の角度を変えて剥離実験を行ったときの実験結果を示す。実験の際に使用した剥離板としては、剥離板の材質はステンレス鋼(SUS304)を使用し、形状は図2に示す剥離板のエッジ部の角度のみを変化させた。さらに、粘着テープ切れを防ぐために粘着テープと接する部分を鏡面仕上げとした。また、剥離するシートとしては、粘着力が比較的強い粘着材を用いたシートを使用した。
【0047】
【表1】
【0048】
ここで、表1に示す角度は、エッジ部の角度のことであり、剥離回数は、何回剥離作業を行ったか、また、剥離成功数は、剥離回数のうち何回剥離に成功したのかを示している。
【0049】
エッジ部の角度を3°とした場合には、剥離成功率は10%と低く、また、テープ切れも20回中2回発生した。また、エッジ部の角度を7°とした場合は、剥離成功率は55%となり、今回の実験で最適な剥離成功率となった。さらに、エッジ部角度を9°、15°と大きくしていくと、剥離成功率はそれぞれ、20%、5%と少なくなった。エッジ部角度を90°とした場合については、剥離成功率15%と、剥離することが可能であることが分かったが、これは、粘着力が比較的強い粘着剤を用いたシートの保護層を剥離した場合のみと考えられる。
【0050】
したがって、エッジ部の角度は、小さいほど剥離しやすいが、小さすぎるとテープ切れが生じることになる。この発明は、粘着テープ巻き取り部の回転数、剥離板移動速度、粘着テープ巻き取り部および粘着テープ取り付け位置、粘着テープの種類など、さまざまなケースにより粘着テープ切れが起こる度合いや、剥離成功率などは多少変化する。
【0051】
しかしながら、上述の実験結果を考慮すると、エッジ部角度を4°〜8°の間に設定することで、安定した剥離、すなわち、粘着テープが切れにくく、高い剥離成功率を得ることが可能となる。さらに、好適には剥離板のエッジ部角度を7°にすると剥離が最も良好に行われる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、粘着剤が被着されたテープを用いてシートを剥離する剥離治具において、剥離治具を構成する第1の面と第2の面とにより構成される角の角度が鋭角であることにより、効率よく、より正確で確実に大量枚数にわたって容易に剥離を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態である剥離治具を適用した剥離装置の一例の概略図である。
【図2】この発明の一実施形態における剥離治具である剥離板の一例の詳細図である。
【図3】光ディスクの光透過層形成に用いるシートの一例の図である。
【図4】光ディスク形成に用いる基板の一例の図である。
【図5】光透過性シートを貼り合わせた基板の構成を示す一例の図である。
【符号の説明】
1・・・平面ステージ、2・・・水平可動部、3・・・垂直可動部、4・・・剥離板、5・・・粘着テープ巻き取り部、6・・・粘着テープ、7・・・粘着テープ用テンションローラ、8・・・粘着テープ取り付け部、11・・・固定部、12・・・ローラ取り付け部、13・・・エッジ部、20・・・シート、20a・・・光透過性シート、20b・・・感圧性接着剤層、20c・・・剥離層、20d・・・プロテクト層、21・・・基板、21a・・・センターホール
Claims (7)
- 複数の膜から構成されたシートの最表面に、粘着剤が被着されたテープの粘着剤側を貼り合わせ、上記テープを剥離方向に引くことにより、上記シートから少なくとも1層の膜を剥離する際に用いられる剥離治具において、
上記テープの粘着剤側の面を上記シートの最表層に押し当て可能な第1の面と、
上記テープを剥離方向に引く際に、上記シートに接着している部分と接触しないように構成された第2の面とを有し、
上記第1の面と上記第2の面とにより構成される角の角度が4度以上8度以下である剥離治具。 - 上記シートが、レーザ光を透過可能な光透過性シートを少なくとも有し、上記光透過性シートに接して、上記最表層の膜が設けられていることを特徴とする請求項1記載の剥離治具。
- 上記シートが、レーザ光を透過可能な光透過性シートを有し、上記光透過性シートの一面に接着層が設けられ、上記接着層に接するように上記最表層の膜が設けられていることを特徴とする請求項1記載の剥離治具。
- 上記第1の面と上記第2の面とにより構成される角の幅が、上記テープの幅よりも大きい請求項1記載の剥離治具。
- 少なくとも上記テープと接する部分に、接触による該テープの切断を防止するための鏡面加工が施されている請求項1記載の剥離治具。
- 上記テープを上記第1の面から上記第2の面を経由するように上記角において折り返し可能に構成され、ローラを用いて上記テープをテンション張り可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載の剥離治具。
- 上記ローラが上記粘着剤に対して、非接着可能な加工が施されている請求項6記載の剥離治具。
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