JP4457449B2 - モータのロータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はモータのロータに係り、詳しくはロータコアの防振構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は従来のモータのロータの一例を示す一部切欠き側面図である。
【0003】
従来、モータのロータ1は、中心部に設けられた軸3に固定されたロータコア2の外周部に永久磁石4を配し、前記ロータコア2の両側面を弾性部材5で挟むとともに、同弾性部材5の外端面に各々端板6を配設して構成される防振構造となっていた。
【0004】
しかしながら、前記永久磁石4に対し弾性部材5及びロータコア2を軸方向から挿入するとともに、その方向に固定し取付けるため部品点数が多く、材料費、取付工数がかかりコスト削減の障害となるおそれがある問題がある一方、前記軸方向の振動をより一層低減することが望ましくなっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたもので、モータのロータの振動、騒音の発生を削減し、部品点数を削減し材料費を低下させるとともに、組立工数を削減し、生産性を向上したモータのロータを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、外周部から突出する回転支持体を有する軸と、同軸を回動自在に保持するスリーブを中央に備え、同スリーブに前記回転支持体を収容する軸方向の溝部を形成したロータコアと、前記回転支持体と前記溝部側壁の間に配設された弾性部材とからなり、同弾性部材を介し前記軸の回転支持体を、前記ロータコアのスリーブの溝部側壁に軸方向に摺動自在に当接することにより、前記ロータコアの回転を前記軸に伝達するようにする。
【0007】
そして、前記弾性部材を、前記溝部側壁に固着してなるようにする。
【0008】
または、前記弾性部材を、前記回転支持体の周囲に固着してなるようにする。
【0009】
さらに、前記回転支持体と前記弾性部材との間に円周方向の隙間を設け、所定角度だけ回動自在としてなるようにする。
【0010】
一方、前記溝部を前記スリーブの少なくとも一端から断面コ字状に形成し、前記溝部側壁と前記弾性部材との間に軸方向の隙間を設け、同隙間に対応し軸方向他端に所定長さだけ前記スリーブを摺動自在としてなるようにする。
【0011】
また、前記ロータが外周部に永久磁石を有し、該ロータが組込まれるステータとの間の磁気保持力によって、軸方向の所定位置に保持されるようにする。
【0012】
他方、前記回転支持体の形状を、前記溝部側壁と対向する平面を有する角柱状にしてなるようにする。
【0013】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態を実施例に基づき添付図面を参照して詳細に説明する。
図1(a)は、本発明によるモータのロータの一実施例を示す側面図、(b)は平面図、(c)はAOB断面図である。
ここで、従来例と同じ部分の符号は同一とする。
図において、1はロータ、2はロータコア、2aはスリーブ、2bは(コ字状)溝部、3は軸、3aは(円柱状)回転支持体、4は弾性部材を示す。
【0014】
この実施例によるロータ1は、外周部から突出する円柱状の回転支持体3aを有する軸3を中心にして、同軸3を回動自在に保持するスリーブ2aを中央に備え、同スリーブ2aに前記回転支持体3aを収容する軸方向の溝部2bを形成したロータコア2を備えており、また、前記回転支持体3aと前記溝部2b側壁の間には、弾性部材4が前記溝部2b側壁に固着されている。
【0015】
また、前記溝部2bは前記スリーブ2aの少なくとも一端から断面コ字状に形成し、前記溝部2b側壁と前記弾性部材4との間に軸方向の隙間を設け、同隙間に対応し軸方向他端に所定長さだけ前記スリーブ2aを摺動自在としてなるようにしている。
そして、前記弾性部材4を介し前記軸3の回転支持体3aを、前記ロータコア2のスリーブ2aの溝部2b側壁に軸方向に摺動自在に当接している。
この構造により、前記ロータコア2の回転を前記軸3に伝達するようにする。
さらに、前記回転支持体3aと前記弾性部材4との間に円周方向の隙間を設け、所定角度だけ回動自在としている。
【0016】
次いで、上述の実施例による本発明の作用、効果について説明する。
このロータ1を組み込んだモータを運転させた場合、回転方向の動力は、前記ロータコア2、弾性部材4、回転支持体3a、軸3の順に伝達される。
そして、前記弾性部材4を介し前記軸3の回転支持体3aを、前記ロータコア2のスリーブ2aの溝部2b側壁に軸方向に摺動自在に当接しているので、前記ロータコア2の回転を前記軸3に伝達するときに、軸方向の振動経路を遮断し、前記弾性部材4により減衰させ、モータのロータ1の振動、騒音の発生を削減することができる。
【0017】
さらに、前記回転支持体3aと前記弾性部材4との間に円周方向の隙間を設け、所定角度だけ回動自在としているので、回転方向の振動も振動経路を遮断し、前記弾性部材4により減衰させることができる。
【0018】
図2(a)は、本発明によるモータのロータの他の実施例を示す側面図、(b)は平面図、(c)はCOD断面図である。
この実施例の場合、前記溝部2bは前記スリーブ2aの少なくとも一端から他端に向け形成し、前記スリーブ2aを摺動自在としている。
そして、前記弾性部材4を、前記回転支持体3aの周囲に固着している。
さらに、前記回転支持体3bの形状を、前記溝部2b側壁と対向する平面を有する角柱状にしている。
【0019】
次いで、この実施例による本発明の作用、効果について説明する。
前記溝部2bは前記スリーブ2aの少なくとも一端から他端に向け形成し、前記スリーブ2aを摺動自在としているので、前記ロータコア2の回転を前記軸3に伝達するときに、軸方向の振動経路を遮断し、前記弾性部材4により減衰させ、モータのロータ1の振動、騒音の発生を削減することができる。
【0020】
さらに、前記回転支持体3bの形状を、前記溝部2b側壁と対向する平面を有する角柱状にしているので、回転トルクの大きいモータにも使用できる。
【0021】
図3は、本発明によるロータの他の実施例を示すモータへの取付説明図である。
この実施例の場合、前記ロータ1が外周部に永久磁石5を有し、該ロータ1が組込まれるステータ10との間の磁気保持力によって、軸方向の所定位置に保持される。
【0022】
次いで、この実施例による本発明の作用、効果について説明する。
この実施例の場合、前記ロータ1が外周部に永久磁石5を有し、該ロータ1が組込まれるステータ10との間の磁気保持力によって、モータの運転が開始されると自動的に軸方向の所定位置に保持されるようにするので、前記ロータ1の前記溝部2bは前記スリーブ2aの一端から他端に連続して形成されている。
【0023】
従って、この実施例の場合のロータ1を用いたモータは、該ロータ1の軸方向を前記磁気保持力以外には全く固定しておらず、軸方向の振動経路をより一層遮断し、前記弾性部材4により減衰させている。
また、組立時には、前記ロータコア2のスリーブ2aに前記回転支持体3aを備えた軸3を挿通するのみでよい。
【0024】
このため、この実施例は、水平配置型に用途が限定されるが、垂直配置型にする場合は、前記磁気保持力とともに、前記溝部2bを上述の実施例のような断面コ字状に形成するようにして下方への前記ロータ1の移動を防止するようにしてもよい。(図示せず。)
【0025】
【発明の効果】
以上のように本発明においては、外周部から突出する回転支持体を有する軸と、同軸を回動自在に保持するスリーブを中心に備え、同スリーブに前記回転支持体を収容する軸方向の溝部を形成したロータコアと、前記回転支持体と前記溝部側壁の間に配設された弾性部材とからなり、同弾性部材を介し前記軸の回転支持体を、前記ロータコアのスリーブの溝部側壁に軸方向に摺動自在に当接することにより、前記ロータコアの回転を前記軸に伝達するようにした。
この結果、モータのロータの振動、騒音の発生を削減し、部品点数を削減し材料費を低下させるとともに、組立工数を削減し、生産性を向上したモータのロータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明によるモータのロータの一実施例を示す側面図、(b)は平面図、(c)はAOB断面図である。
【図2】(a)は、本発明によるモータのロータの他の実施例を示す側面図、(b)は平面図、(c)はCOD断面図である。
【図3】本発明によるロータの他の実施例を示すモータへの取付説明図である。
【図4】従来のモータのロータの一例を示す一部切欠き側面図である。
【符号の説明】
1 ロータ
2 ロータコア
2a スリーブ
2b (コ字状)溝部
2c 溝部
3 軸
3a (円柱状)回転支持体
3b (角柱状)回転支持体
4 弾性部材
5 永久磁石
10 ステータ
Claims (3)
- 外周部から突出する回転支持体を有する軸と、同軸を回動自在に保持するスリーブを中央に備え、同スリーブに前記回転支持体を収容する軸方向の溝部を形成したロータコアと、前記回転支持体と前記溝部側壁の間に配設された弾性部材とからなり、同弾性部材を介し前記軸の回転支持体を、前記ロータコアのスリーブの溝部側壁に軸方向に摺動自在に当接することにより、前記ロータコアの回転を前記軸に伝達すると共に、
前記回転支持体と前記弾性部材との間に円周方向の隙間を設け、所定角度だけ回動自在としてなることを特徴とするモータのロータ。 - 前記溝部を前記スリーブの少なくとも一端から断面コ字状に形成し、前記溝部側壁と前記弾性部材との間に軸方向の隙間を設け、同隙間に対応し軸方向他端に所定長さだけ前記スリーブを摺動自在としてなることを特徴とする請求項1に記載のモータのロータ。
- 前記回転支持体の形状を、前記溝部側壁と対向する平面を有する角柱状にしてなることを特徴とする請求項1乃至2のいずれか1項に記載のモータのロータ。
Priority Applications (1)
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JP2001178048A JP2001178048A (ja) | 2001-06-29 |
JP4457449B2 true JP4457449B2 (ja) | 2010-04-28 |
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Family Applications (1)
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JP36074799A Expired - Fee Related JP4457449B2 (ja) | 1999-12-20 | 1999-12-20 | モータのロータ |
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JP (1) | JP4457449B2 (ja) |
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1999
- 1999-12-20 JP JP36074799A patent/JP4457449B2/ja not_active Expired - Fee Related
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