JP4457421B2 - 燃料電池システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池システムに関し、特に、燃料電池の燃料として炭化水素原料から燃料ガスを生成する改質部を備えた燃料電池システムの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、一般的には酸素と水素を燃料として、これら燃料の有する化学エネルギーを熱エネルギーを経由することなく、直接電気エネルギーとして変換する装置であり、環境面で優れた特性を有し、また高いエネルギー効率が可能であることから、今後のエネルギー供給システムとして広く開発が進められている。
【0003】
一般的な燃料電池の形態及び原理は、電解質を挟んで一対の電極を配置し、アノードに水素を含有する燃料ガスを供給し、カソードには酸素を含有する酸素ガスを供給して、以下に示す両電極で起きる電気化学反応を利用して発電を行う。すなわち、アノードでは、(1)式の化学反応が生じ、また、カソードでは、(2)の反応が生じる。従って、燃料電池全体の反応としては、(3)式が進行し、水素と酸素とにより発電が行なわれ、同時に水が副生される。
【0004】
H2 → 2H++2e- (1)
(1/2)O2+2H++2e- → H2O (2)
H2+(1/2)O2 → H2O (3)
上記燃料電池を発電装置として用いる場合、水素を含む燃料ガスとしては天然ガス、ナフサ、さらにはメタノールであるアルコール類を用いるのが経済的に理想であるが、現在これら燃料ガスを直接電池に供給して効率よく発電できる燃料電池はなく、今後の開発課題となっている。そのため、現在の多くの燃料電池には、炭化水素原料から燃料ガスを生成する改質部を備え、この改質部において、上記天然ガスやメタノールなどを改質してアノードに供給するための燃料ガスを生成している。
【0005】
図2には、改質部を備えた従来の燃料電池システムの構成を示す。燃料電池システム10には、メタンなどの炭化水素原料を改質して燃料ガスを生成する改質部12が備えられている。この改質部12では、種々の改質方法、例えば、水蒸気改質法、部分酸化法等により改質が行なわれている。
【0006】
以下に、一例としてメタンを水蒸気改質を行った場合(4)、及び部分酸化を行った場合(5)に生じる化学反応を示す。このうち水蒸気改質を行う場合には、改質部12にさらに蒸発器22を備えて、水をこの蒸発器22に通して加熱蒸発させ水蒸気として改質部12に供給する必要がある。これら水蒸気改質法、酸化改質法は、いずれか一方を採用することもできるが、双方を同時に一つの改質部12内で実行させることも行われている。
【0007】
CH4+H2O→3H2+CO (4)
CH4+1/2O2→2H2+CO (5)
また、燃料電池システム10には、改質部12において燃料ガスを生成する際に副生されるCO等をCO2に変成するためのシフト部14及びCO選択酸化部16が備えられている。これらシフト部14及びCO選択酸化部16は、COは燃料電池18の電極を被毒し運転を阻害するCOを燃料電池18の運転に影響の少ないCO2に変成させる。シフト部14では、(6)式に示すようにCOに水を作用させて、燃料ガスであるH2とCO2とを生成させる。また、CO選択酸化部16では(7)式に示すようにCOに酸素を作用させてCO2に変成させる。
【0008】
CO+H2O→H2+CO2 (6)
CO+1/2O2→CO2 (7)
シフト部14及びCO選択酸化部16においてCOが除去された燃料ガスは、燃料電池18のアノードに供給され、カソードには空気が供給されて、燃料電池18内で発電が行なわれ、それと同時にカソード側では水が副生される。このように燃料電池システムにおいて、炭化水素原料を改質し燃料ガスを生成しながら、燃料電池における発電が行なわれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように燃料電池システムは、水素と酸素とにより高エネルギーを生成することができ、かつ、副生産物も水というように環境的にも好適な発電システムであり、小型の発電装置として広範な利用が行えるように小型化することが望まれている。しかし、燃料の改質を行う改質部などを備えている燃料電池システムは、大型となっており、その利用範囲が限定されている。
【0010】
そこで、本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、原料の改質により燃料ガスを生成する手段を有する燃料電池システムを小型化することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、炭化水素原料を改質して水素を生成する改質部と、前記水素と酸素とを燃料として供給し発電を行う燃料電池と、を有する燃料電池システムにおいて、 前記燃料電池の運転により燃料電池のカソードで生成される水蒸気と未反応の酸素を直接前記改質部に送込み可能なように前記燃料電池と改質部とを接続する接続部を設け、 接続部を介して燃料電池から改質部に送り込まれた水蒸気と酸素を用いて炭化水素原料の改質が行なわれることを特徴とする。
【0012】
上記発明によれば、燃料電池において生成された水蒸気が改質部に供給されるため、従来、水蒸気改質に必要な水蒸気を生成するために別途、蒸発器が備えられていたが、この蒸発器を省略してシステムの小型化を図ることができる。また、酸素も燃料電池から供給させることにより、改質部に酸素を供給する導管を備える必要がなくなり、さらにシステムの小型化を図ることが可能となる。
【0013】
また、本発明の燃料電池システムは、さらに前記接続部に前記改質部へ水蒸気と酸素を送り込む量を制御する制御部を備え、改質部における炭化水素原料の改質反応を制御することを特徴とする。
【0014】
上記本発明によれば、水蒸気を送り込む量を制御することにより、改質部における水蒸気改質反応を制御でき、また、酸素を供給する量を制御することにより改質部の部分酸化改質反応を制御することができる。特に、これら部分酸化改質反応は発熱反応であるのに対し、水蒸気改質反応は吸熱反応であることから、これらを一つの改質部内で同時に行わせた場合には、個々の反応を供給する水蒸気量、酸素量により制御することにより、各反応、延いては改質部内の温度を適切に制御することも可能となる。
【0015】
本発明の燃料電池システムは、さらに前記燃料電池における酸素利用率を調節する酸素利用率調節手段を備え、酸素利用率調節手段により燃料電池における酸素利用率が調節され、これにより燃料電池から接続部を介して改質部に送り込む酸素量が調整されることを特徴とする。
【0016】
上記発明によれば、燃料電池内の酸素利用率が調節され、燃料電池において利用される酸素量と改質部へ供給される酸素量とが適切に振り分けられる。そのため、燃料電池の運転のみならず、燃料電池を介した改質部への酸素の供給により改質部における部分酸素改質反応を適切に行わせることが可能となる。
【0017】
本発明の燃料電池システムは、前記接続部に、前記燃料電池から排出される水を用いて水蒸気を生成する水蒸気生成部を備え、前記水蒸気生成部において、燃料電池から排出される未反応の水素を燃焼させて水の加熱が行なわれることを特徴とする。
【0018】
上記発明によれば、燃料電池から排出される水蒸気のみでは水蒸気改質を行わせる水蒸気量として十分でない場合には、燃料電池から排出される水を水蒸気生成部において生成して不足分を補足することもできる。この場合には、水蒸気生成器をさらに備える必要が生じるが、この水蒸気生成器は不足分の水蒸気を生成するものであるため、従来のような蒸発器のような大型の装置は必要とされない。特に、本発明では、不足する水蒸気を生成するための燃料として、燃料電池の未反応の水素を酸素により燃焼させて水蒸気生成のエネルギーを作り出すことにより、この水蒸気生成器を小型化することもできる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を図面を用いて説明する。図1には、本実施形態に係る燃料電池システム30の全体構成を示す。
【0020】
本燃料電池システム30は、炭化水素原料を改質して燃料ガスを生成する改質部32と、この改質部32で生成された燃料ガスからCOを除去するためにシフト部33及びCO選択酸化部35とが備えられ、これらを経た燃料ガス(水素)を利用して燃料電池34を運転する。特に、この燃料電池システム30では、燃料電池34に接続管36を介して直接接続され、燃料電池34のカソード側で副生される水蒸気と未反応の酸素とを改質部32に循環させる構成を採用をしている。
【0021】
すなわち、本実施形態の燃料電池システム30は、燃料電池34で副生される水蒸気としての水を改質部32に戻し、原料の水蒸気改質を行わせ、また、燃料電池34の未反応の酸素を送り込んで部分酸化改質を行わせることととしている。以下、各構成について詳細に説明する。
【0022】
本燃料電池システム30に採用することができる燃料電池34としては、発電を行う際に水(水蒸気)を副生する種類のものであればよく、具体的には、固体高分子型燃料電池、リン酸型燃料電池などである。
【0023】
例えば、固体高分子型燃料電池及びリン酸型燃料電池では、上述した(1)〜(3)式の通り、先ず、アノード側には、後述する改質部32などからの燃料ガスが送り込まれ、水素イオンが生成される(H2 → 2H++2e-)。一方、カソード側には、空気が供給され、この空気中の酸素から酸素イオンを生成し、燃料電池内では電力が発生する。また、これと同時にカソードにおいて、前記水素イオンと酸素イオンとから水が副生される((1/2)O2+2H++2e- → H2O)。この水のほとんどは、燃料電池内で発生する熱を吸収して水蒸気として生成される。このカソード側で生成される水蒸気を改質部32に送り込めるように燃料電池のカソード側に接続管36の一端が接続されている。一方、アノード側には、未反応の水素、空気中の窒素ガスなどを浄化して廃棄する浄化部37が備えられている。
【0024】
上記燃料電池34のカソード側に接続された接続管36の他端には、改質部32が接続され、燃料電池34で発生する水蒸気、残存する未反応の酸素が供給される。また、この改質部32にはメタンなどの炭化水素原料を供給する供給管38が備えられ、内部には、改質に必要な改質用触媒を備えられている。改質部32は、内部の触媒により、供給された炭化水素原料を水蒸気改質方法、部分酸化改質方法により燃料ガスに改質する。これら改質方法は、必ずしも併用する必要はなく、一方のみにより改質を行うこともできる。しかし、燃料電池34からは水蒸気と酸素とが供給されることから、水蒸気改質、部分酸化改質とを併用して、水や酸素の有効利用を図ることが好ましい。
【0025】
また、水蒸気改質方法と部分酸化改質方法とを併用する場合には、これらの割合を適切に調節することが好ましい。例えば、この調節は、反応に好適な温度とすることを基準として行うことができる。すなわち、水蒸気改質、部分酸化改質はともに、適切な改質温度があるが、改質時には反応熱等により改質部の温度が変動する。特に水蒸気改質は吸熱反応であり、部分酸化改質は発熱反応であることから、これら吸熱反応と発熱反応とのバランスを調節することにより、一定の好適な反応温度を維持することができる。
【0026】
このような改質方法のバランスを調節するために、接続管に改質部32へ水蒸気又は酸素を送り込む量を制御する制御部40を備え、改質部における炭化水素原料の改質反応を制御することもできる。この制御部40は、例えば、弁などの開放により気体の通過を制限するものや、一部水蒸気や酸素を接続管36から排出するような排出手段であってもよい。また、この制御部40は、水蒸気のみを制御するものの場合には、接続管36内の温度を調節して水蒸気を一部水として改質部32に流入する水蒸気の量を制限してもよい。
【0027】
上記制御部40は、主として、接続管を通る酸素量及び水蒸気量を共に調節して改質部32への供給量をともに制御する役割を果たしているが、改質部に供給する酸素供給量のみを調節したい場合には、燃料電池に酸素利用率調節部42を備えることがよい。この酸素利用率調節部42は燃料電池34における酸素利用率を調節、換言すれば未反応の酸素量を調節して、改質部32に送り込まれる酸素量を調節する。このように改質部32への酸素供給量を調節することにより、改質部32内の部分酸化改質の割合が調節され、例えば、改質部の温度を低減させる等の調節が行える。
【0028】
この調整部42において、酸素量を調整する方法としては、次の方法等が挙げられる。
【0029】
第一の方法は、導管35aより燃料電池カソード側へ送り込む空気量を変化させる方法である。例えば、この場合は、燃料電池での発電量一定つまり消費酸素量が一定のときに有効な方法となる。消費酸素量が一定の場合でも空気量が変化するので、酸素利用率及び未消費酸素量を変化させることができる。
【0030】
第二の方法は、直接燃料電池34の発電量を変化させる方法である。逆に空気の送り込みが一定の状況で発電量が変化すれば、燃料電池34での消費酸素量を変化させることができる。発電量はインバータ等からの信号により制御することができる。
【0031】
一方、改質部32における水蒸気改質を調節したい場合に対応して、接続管36には水蒸気生成部44が備えられている。燃料電池34のカソードにおいて生成される水の多くは、水蒸気であるが、一部は気化していない水である。ここで生じる水は、後述するシフト部33に送り込みCO変成反応に使用するか又はCO選択酸化部35の冷却用水として用いることもできるが、必要に応じて水蒸気生成部44により加熱蒸発させて水蒸気として改質部32に送り込んでもよい。ここで必要な場合としては、例えば、燃料電池34の始動時などが挙げられる。すなわち、燃料電池34の始動時には、燃料電池34から必要量の水蒸気は得られないので、一時的に水蒸気生成部44において、予め蓄えられていた水を加熱蒸発させて、生成された水蒸気を改質部32に供給することができる。
【0032】
また、この水蒸気生成部44の燃料としては、アノードの未反応の水素等を用いることができる。水素を用いた場合、水素を燃焼(酸化)させてその際の反応熱を水蒸気生成の加熱エネルギーとして用いることができる。
【0033】
前記改質部32には、シフト部33が接続されている。このシフト部33は、改質部32において生成された燃料ガス中のCOを水と反応させてCO2に変成させる。このシフト部33の変成反応は、具体的には、上述した(6)式の反応、すなわちCO+H2O→H2+CO2である。なお、このシフト部における変成に反応に必要な水は、図示していないが、上述した様に燃料電池34のカソード側で生成される水を利用することができる。また、アノード側からも水が排出されることから、この水を回収してシフト部33に供給してもよい。これらアノード側やカソード側から排出される水をシフト部に供給する際には改質器32、例えばシフト部33等の温度に基づいて供給量を制御してもよい。
【0034】
また、シフト部33には、CO選択酸化部35が接続されている。このCO選択酸化部35は、シフト部33において除去されなかったCOを酸化しCO2に変成させる。このCO選択酸化部35の変成反応(CO+1/2O2→CO2)には酸素が必要である。そのため、CO選択酸化部35には、酸素源として空気を送り込む導管35aが設けられている。また、このCO選択酸化部35における変成反応はCOを燃焼させる反応であるため、発熱を伴なう。この発熱を除去するために、このCO選択酸化部35には冷却手段を備えることが好ましく、例えば、この冷却手段として上述したように燃料電池34のアノード側及びカソード側で生成される水を吹き込む構成を採用してもよい。ここで吹き込む水の量は改質器32、例えばCO選択酸化部35などの温度に基づいて制御してもよい。
【0035】
次に、上記の通り構成された燃料電池システムの作用を説明する。
【0036】
燃料電池システム30の発電時には、先ず、改質部32に供給管38を介して炭化水素原料が送り込まれる。一方、燃料電池のカソード側には空気が吹込まれ、接続管36を介して部分酸化改質に必要な酸素が改質部32に送り込まれる。また、必要であれば水蒸気生成部44において水蒸気を生成し、この水蒸気を接続部36を通じて改質部32に送り込む。このように改質部32に炭化水素原料と、酸素又は水蒸気が送り込まれると、改質部32では、炭化水素原料が水蒸気改質、部分酸化改質により改質が行われ、燃料ガスが生成される。ここで生成された燃料ガスは、次いでシフト部33及びCO選択酸化部35を通過する。この際に改質時に副生されたCOが除去される。
【0037】
COが除去された燃料ガスは、燃料電池34のアノードに送り込まれる。一方、カソードには、空気が供給されているため、燃料ガスが送り込まれた時点で燃料電池の運転が開始される。燃料電池の運転が開始されると、燃料電池内に電力が発生し、同時にカソード側で水蒸気が副生される。
【0038】
ここで副生された水蒸気は接続管36を介して、改質部32に送り込まれ、炭化水素原料の水蒸気改質に利用される。また、燃料電池34で未使用の酸素も接続管36を介して、改質部32に送り込まれ、原料の部分酸化改質に利用される。このように燃料電池の運転が開始され、その運転が継続されている限り、燃料電池では水蒸気が副生される。ここで副生した水蒸気及び未反応の酸素は、接続管36を介して改質部32に送り込まれ、燃料ガスが生成され続ける。なお、燃料電池から供給される水蒸気、酸素等の量のバランスを調整する必要がある場合には、制御部40、水蒸気生成部44、酸素利用率調節部42により調節して、改質部32に適切な量の酸素、水蒸気を供給することができる。
【0039】
以上の通り、改質部32では、燃料電池34の運転に必要な燃料ガスを生成し、一方、燃料電池34では、改質部32に必要な水蒸気を生成し、また未反応の酸素が残存する。従って、接続管36のような燃料電池34と改質部32との間に循環経路を備えることにより、従来、水蒸気改質に必要とされた蒸発器を改質部32に備える必要がなくなり、システムの小型化を図ることができる。
【0040】
また、燃料電池34で生成される水、具体的にはアノード側から排出される水及びカソード側から排出される水蒸気以外の水をも回収し、シフト部33やCO選択酸化部35に供給することにより副生される水の有効利用が図れる。
【0041】
以下に、メタン1モルを原料として燃料ガスを生成し、燃料電池の運転を行わせた場合の例を説明する。
【0042】
炭化水素原料としてメタン1モルを改質部32に供給すると、改質部32、シフト部33及びCO選択酸化部35を介して約2.3モルの燃料ガス(水素)が生成され、この燃料ガスが燃料電池34のアノードに供給される。一方、燃料電池34のカソードには、1.33モル程度の酸素が供給できるように空気が送り込まれる。燃料電池34では、これら送り込まれた燃料ガスと空気とを利用して発電が行なわれる。この発電の際に、アノードでは、約80%燃料ガスが利用され、一方、カソードでは約68%の酸素が利用された場合、約1.8モルの水(ほとんどが水蒸気)が副生される。ここで副生された水蒸気と未反応の酸素(0.425モル)は、接続管36を介して改質部32に送り込まれ、これら水蒸気、酸素によりメタン1モルの改質が行なわれる。このように接続管を介して、副生水蒸気及び未反応の酸素を改質部に戻すことにより、燃料電池内で発生する水、熱エネルギー及び未反応の酸素を有効利用することができる。
【0043】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、燃料電池で生成される水蒸気及び残存する未反応の酸素が改質部に送り込まれ、原料の改質に利用されるため、従来、改質部に必要とされていた蒸発器などを設置することが不要となりシステムの小型化を図ることが可能となる。また、このよう燃料電池の水蒸気や酸素を改質部に戻すことにより、燃料電池で生成される水及び熱エネルギー等を有効利用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態の燃料電池システムの全体構成を示す図である。
【図2】 従来の燃料電池システムの全体構成を示す図である。
【符号の説明】
30 燃料電池システム、32 改質部、34 燃料電池、36 接続管、 40 制御部、42 酸素利用率調節部、44 水蒸気生成部。
Claims (4)
- 炭化水素原料を改質して水素を生成する改質部と、前記水素と酸素とを燃料として供給し発電を行う燃料電池と、を有する燃料電池システムにおいて、
前記燃料電池の運転により燃料電池のカソードで生成される水蒸気と未反応の酸素を直接前記改質部に送込み可能なように前記燃料電池と改質部とを接続する接続部を設け、
接続部を介して燃料電池から改質部に送り込まれた水蒸気と酸素を用いて炭化水素原料の改質が行なわれることを特徴とする燃料電池システム。 - 前記接続部に、前記改質部へ水蒸気と酸素を送り込む量を制御する制御部を備え、
改質部における炭化水素原料の改質反応を制御することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。 - 前記燃料電池における酸素利用率を調節する酸素利用率調節手段を備え、
酸素利用率調節手段により燃料電池における酸素利用率が調節され、これにより燃料電池から接続部を介して改質部に送り込む酸素量が調整されることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池システム。 - 前記接続部に、前記燃料電池において生成される水を用いて水蒸気を生成する水蒸気生成部を備え、
前記水蒸気生成部において、燃料電池から排出される未反応の水素を燃焼させて水の加熱が行なわれることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池システム。
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