JP4457344B2 - 光拡散板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光拡散板の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、型締力の小さい射出成形機を用い、後加工工程数を減少して、大型の品質の良好な光拡散板を効率的に製造することができる光拡散板の製造方法に関する。
電圧をかけると分子の並び方が変化するという液晶の性質を利用した液晶表示装置は、携帯情報端末、車載用パネル、パソコンなどに広く用いられている。今後液晶表示装置の大型化、高性能化が進むことにより、CRT表示装置(ブラウン管)を代替することが期待されている。液晶自体は発光しないので、液晶表示装置は外部の光源を必要とし、液晶表示装置の側縁に光源が配置されるサイドライト方式と、液晶表示装置の背部に光源が配置される直下方式が実用化されている。サイドライト方式は、装置ユニットを薄くすることができるが、輝度が低いので、輝度が要求される大型の液晶表示装置には、直下方式が適している。
直下方式の液晶表示装置では、装置筺体の背部に複数本の蛍光管などの光源を配置し、光拡散板により入射した光を拡散させて輝度の均一な面状の光に変換する。必要に応じて、蛍光管の背後に反射板を設け、光拡散板の裏面にグラデーション印刷を施し、光拡散板の前面に集光シート、拡散シートなどを設置する。光拡散板には、光線透過率と光拡散性のバランスがよく、反りがなく十分な強度を有することが要求される。
光拡散板の材料としては、光拡散剤を含有する熱可塑性樹脂成形材料の成形品が用いられる。光拡散板の成形法としては、押出成形法、キャスト法、射出成形法などがある。押出成形法によれば、光拡散板の原材料シートを効率的に生産することができるが、光拡散板にするための後加工に手間がかかり、材料の無駄が発生する。キャスト法によれば、強度が高く、光学的な歪みのない光拡散板を得ることができるが、生産性は高くはない。射出成形法によれば、後加工工程数が少なく、短時間で光拡散板を製造することができるが、キャビティ側面のサイドゲートから溶融した熱可塑性樹脂成形材料を射出する従来の方法では、大型の光拡散板の製造は技術的に困難であるのみならず、型締力の大きい大型の射出成形機が必要となることから、経済的な不利も予想される。
特開平5−281403号公報 特開平6−107881号公報 特開平8−327806号公報 WO01/32774号公報
本発明は、型締力の小さい射出成形機を用い、後加工工程数を減少して、大型で、反り変化量が少なく、品質の良好な光拡散板を効率的に製造することができる光拡散板の製造方法を提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、金型として、固定型平面に、キャビティの面積と深さの関数で表される特定の式で計算される値以上であって、個のゲートから溶融樹脂成形材料を射出することにより、型締力の小さい射出成形機を用いて大型の品質の良好な光拡散板を効率的に製造し得ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)光拡散剤を含む熱可塑性樹脂成形材料の射出成形による液晶表示装置用光拡散板の製造方法において、バルブゲート付きホットランナーを有する金型を用い、該金型のキャビティの主面がほぼ長方形でその対角線の長さが400mm以上、深さが0.1〜5mmであって、固定型平面に、キャビティ面積をSmm2、キャビティ深さをtmm、ゲート数をとした場合、式(1)
≧[S/(t+4)]×10-4 ・・・(1)
の関係を満たし、8の長方形に分割した領域の対角線の交点を中心とし、半径が対角線の長さの0.1倍である円を、固定型平面に描いた場合に、すべての長方形領域において、円の外側かつ固定型平面の短手方向の中心よりにそれぞれ1個のゲートが存在し、かつ8個のゲートを有する金型を用い、前記成形材料を射出成形する光拡散板の製造方法、
(2)長方形領域において円の外側の近傍で、かつ該固定型平面の短手方向の中心よりにそれぞれ1個のゲートが存在する上記(1)項に記載の光拡散板の製造方法、
(3)ゲートの配置が線対称又は点対称配置である上記(1)又は(2)項に記載の光拡散板の製造方法、
(4)金型が真空引き孔を備えている上記(1)ないし(3)項のいずれかに記載の光拡散板の製造方法、
(5)熱可塑性樹脂成形材料が、熱可塑性樹脂として、脂環式構造を有する樹脂を含む上記(1)ないし(4)項のいずれかに記載の光拡散板の製造方法、及び
(6)熱可塑性樹脂成形材料が、熱可塑性樹脂として、芳香族ビニル系単量体と低級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体との共重合体を含む上記(1)ないし(5)項のいずれかに記載の光拡散板の製造方法、
を提供するものである。
さらに、本発明の好ましい態様として、
(7)真空引き孔から減圧することにより、射出開始時のキャビティ内圧力を50kPa以下とする上記(1)ないし(6)項のいずれかに記載の光拡散板の製造方法、
(8)脂環式構造を有する樹脂が、ノルボルネン系重合体である上記(5)又は(7)項記載の光拡散板の製造方法、
(9)脂環式構造を有する樹脂が、ビニル脂環式炭化水素重合体である上記(5)又は(7)項記載の光拡散板の製造方法、及び、
(10)光拡散剤が、ポリスチレン系重合体、ポリシロキサン系重合体若しくはこれらの架橋物からなる微粒子、炭酸カルシウム、シリカ及びタルクからなる群から選ばれる少なくとも1種である上記(1)ないし(9)項のいずれかに記載の光拡散板の製造方法、
を挙げることができる。
本発明の光拡散板の製造方法によれば、型締力の小さい射出成形機を用い、後加工工程を減少して、大型で、反り変化量が少なく、品質の良好な光拡散板を効率的に製造することができる。
本発明の光拡散板の製造方法においては、光拡散剤を含有する熱可塑性樹脂成形材料の射出成形による液晶表示装置用光拡散板の製造方法において、固定型平面に複数個のゲートを有し、キャビティの主面がほぼ長方形でその対角線の長さが400mm以上、深さが0.1〜5mmである金型を用いて成形する。そして前記複数個のゲートの数は、キャビティ面積をSmm2、キャビティ深さをtmm、ゲート数をNとした場合、式(1)
N≧[S/(t+4)]×10-4 ・・・(1)
の関係を満たし、かつ2n、2n−2又は2n+2個(nは2〜5の整数)である。
長方形の対角線の長さが400mm未満の光拡散板は、従来のサイドゲート方式の金型を用いて射出成形することができるので、特に本発明方法を適用する必要はない。金型キャビティの深さは、得られる光拡散板の厚さとほぼ一致する。キャビティの深さは、0.5〜3mmであることが好ましい。厚さ0.1mm未満の光拡散板は、厚さが薄いことと、必要な光拡散性を得るための光拡散剤の含有量が多くなることから、強度が不足するおそれがある。光拡散板の厚さは5mm以下で十分な強度と光拡散性が得られる。
また、ゲートの個数が[S/(t+4)]×10-4未満であると、溶融樹脂成形材料の流動に無理を生じ、完全充填に至らなかったり、成形品に歪みが残ったりする。ゲートの個数を2n、2n−2又は2n+2個(nは2〜5の整数)とすることにより、溶融樹脂成形材料を均一に流動させ、バランスよく射出成形することができる。nは2〜5、すなわちゲートの個数は2以上、34個以下である。ゲートの個数が62個になると、金型のランナー構成が複雑になり、安定した射出成形を行うことが困難になる恐れがある。
金型は真空引き孔を備えることが好ましい。真空引き孔を備えることで、成形時のエアー残りによる外観不良の発生を低減することができる。
図1は、本発明方法に用いる金型の一態様の説明図である。本図に示す金型は、固定型平面1に、4個のゲートA、B、C及びDを有し、真空引き孔Eを備えている。真空引き孔は、可動型に設けることもできる。本態様の金型は、キャビティの主面が縦303.4mm、横405.2mmのほぼ長方形であり、したがってその対角線の長さは506.2mmである。キャビティの深さは、図示していないが、1.0〜2.0mmである。この金型を用いて射出成形することにより、302.5mm×404mm×1.0〜2.0mmの光拡散板を得ることができる。
本発明においては、ゲート数は、前記式(1)を満たすことが必要である。例えば図1に示す態様の金型では、キャビティ寸法を303.4mm×405.2mm×1.5mmとすると、
[(303.4×405.2)/(1.5+4)]×10-4=2.24
となり、したがってゲートの個数4は、前記式(1)を満たす。
図2(a)はゲート2個、図2(b)はゲート4個、図2(c)はゲート6個、図2(d)はゲート8個、図2(e)はゲート16個の場合の位置関係を示す。ただし、図中において、● はスプルー位置を、○ はゲート位置を示し、直線はランナーを表す。図2(a)〜(e)の各図面において、スプルーから各ゲートに至るランナーの長さはすべて同一であり、射出された溶融樹脂成形材料は、複数個のゲートにおいて、すべて同じ距離のランナーを流動したのちキャビティを充填するので、均一で歪みのない成形品を得ることができる。このように、複数個のゲートを設けることにより、それぞれのゲートからキャビティ内に送り込まれる溶融樹脂成形材料のキャビティ内での流動距離が短くなるので、1個のサイドゲートからキャビティ内に溶融樹脂成形材料を射出する場合に比べて成形材料圧力を低くすることができ、型締力の小さい小型の射出成形機を用いて大型の光拡散板を射出成形することが可能となる。
また、スプルーから各ゲートに至るランナーの距離が同一でない場合には、例えばランナーの径などを調節して、各ゲートにおける溶融樹脂成形材料の流動状態をすべて実質的に等しくすることにより、均一で光学的な歪みのない光拡散板を成形することができる。
本発明方法においては、金型がホットランナーを有することが好ましい。ホットランナーの加熱方式に特に制限はなく、例えば、ランナーマニホールドを加熱する外部加熱方式、ランナーの中心に加熱体を設ける内部加熱方式のいずれともすることができる。外部加熱方式は、ランナー内の樹脂成形材料温度が均一で、成形材料の流動における圧力損失が小さい。内部加熱方式は、熱効率が良好である。ホットランナーを用いると、ランナー部材料を節減し、射出時間を短縮し、射出量低減により成形機の能力を有効に利用することができる。また、金型のランナー取り出し機構とその周辺装置が不要になる。さらに、金型の開閉距離を短くしてサイクルタイムを短縮することができ、溶融樹脂成形材料がゲートまできているので低い圧力で充填することができ、光学的歪みが少ない成形品を得ることができる。ピンポイントゲートを用いると、成形品はほとんど完成品に近い状態で得られ、後加工工程を大幅に短縮することができる。ホットランナーを用いる場合、ニードルバルブによりゲートを開閉することが好ましい。ニードルバルブは、確実なシールが可能で、しかもゲート跡が目立たない良好な成形品を得ることができる。
本発明方法においては、金型にコールドランナーを設けることもできる。コールドランナーは、ホットランナーと比べ、スプルー・ランナーの部分が廃材となるデメリットがある。但し、金型は比較的安価に製作が可能となり、ゲートをピンポイントゲート又はサブマリンゲートとすることにより、成形品を自動切断し、しかも切断跡を小さく、目立たなくすることができる。
本発明方法において、固定型平面のゲートの大きさに特に制限はなく、成形品の大きさとゲートの個数に応じて適宜選択することができるが、通常は直径0.8〜4mm程度であることが好ましく、直径1〜3mmであることがより好ましい。ゲートの直径が0.8mm未満であると、樹脂成形材料の充填に時間がかかったり、あるいは、充填速度を速めると溶融樹脂成形材料がゲート部で発熱して劣化するおそれがある。ゲート部の直径が4mmを超えると、ゲート跡が目立ち、後加工に手間がかかるおそれがある。
本発明においては、以下に示すゲートの配置が異なる3つの態様の金型を好適に用いることができる。
第1の態様の金型は、主面がほぼ長方形のキャビティをほぼ同一形状の2n、2n−2又は2n+2個(nは2〜5の整数)の長方形に分割した領域の対角線の交点を中心とし、半径が該対角線の長さの0.1倍である円を、固定型平面に描いた場合に、すべての長方形領域において、円の外側かつ該固定型平面の短手方向の中心よりにそれぞれ1個のゲートが存在する金型である。
図3は、本発明で用いる第1の態様の金型におけるゲートの配置を示す一態様の説明図であって、8個のゲートを有する金型のゲート位置を示す。ほぼ長方形のキャビティ主面1を、図に仮想的な点線で示すように、ほぼ同一形状の8個の長方形2に分割する。2n個(n=3)の長方形への分割は、分割された長方形の縦横の比が1に最も近くなるような形状に分割することが好ましい。分割された長方形の縦横の比が1に最も近くなるような形状に分割することにより、キャビティ内の溶融樹脂成形材料の流動距離を短くして、良好な状態で成形することができる。分割された各長方形2の対角線aとbの交点を中心として、半径が該対角線の長さの0.1倍である各円3全ての外側にあって、固定型平面の短手方向の中心よりに、それぞれ1個のゲート6を設ける。この場合、各ゲート6は、点線c及びdを中心軸として線対称であることが好ましい。
図4は、第1の態様の金型におけるゲートの配置を示す別の態様の説明図であって、8個のゲートを有する金型のゲート位置を示す。ほぼ長方形のキャビティ主面1を、図に仮想的な点線で示すように、ほぼ同一形状の8個の長方形2に分割する。分割された各長方形2の対角線aとbの交点を中心として、半径が該対角線の長さの0.1倍である各円3全ての外側にあって、固定型平面の短手方向の中心よりに、かつ長手方向の外側よりにそれぞれ1個のゲート6を設ける。この場合も各ゲート6は、点線c及びdを中心軸として線対称であることが好ましい。
次に、第2の態様の金型は、ほぼ長方形のキャビティをほぼ同一形状の2n、2n−2又は2n+2個(nは2〜5の整数)の長方形に分割した領域の対角線の交点を中心とし、半径が該対角線の長さの0.1倍である円を、固定型平面に描いた場合に、その円内にそれぞれ1個のゲートが存在すると共に、最外側の各円内にあるゲートの中心を結んで作成されたほぼ長方形の内側領域にあって、前記円の外側に、少なくとも2個のゲートが存在することが好ましい。前記円内のゲートは、半径が該対角線の長さの0.05倍である円内に存在することがより好ましい。
前記円の外側のゲートの位置は特に制限はないが、通常拡散板の短手方向の長さをLとすると、短手方向の中心線からの距離が0.1L以内、好ましくは0.05L以内である。このようなゲート配置をすることで、エアー残りによる外観不良が発生しにくくなる。
図5は、第2の態様の金型におけるゲートの配置を示す一態様の説明図であって、8個のゲートと2個の円の外側のゲートを有する金型のゲート位置を示す。ほぼ長方形のキャビティ主面1を、図に仮想的な点線で示すように、ほぼ同一形状の8個の長方形2に分割する。分割された各長方形2の対角線aとbの交点を中心として、半径が該対角線の長さの0.1倍である各円3内に、それぞれ1個のゲート(図示せず)を設けると共に、最外側の各ゲートの中心を一点破線5で結んで作成されたほぼ長方形の内側領域(斜線部分)にゲート4a及び4bを設ける。各ゲートは、点線c及びdを中心軸として線対称であることが好ましい。このように前記円の外側のゲートを設けることによって、溶融樹脂成形材料が、キャビティ内により均質に充填され、反り変化量が少なく、かつ均一で光学的な歪みのない光拡散板を成形することができる。
本発明においては、第3の態様の金型として、主面がほぼ長方形のキャビティをほぼ同一形状の2n、2n−2又は2n+2個(nは2〜5の整数)の長方形に分割した領域の対角線の交点を中心とし、半径が該対角線の長さの0.1倍である円を、固定型平面に描いた場合に、少なくとも1つの長方形領域において円の外側にあって、該固定型平面の短手方向の中心よりにそれぞれ1個のゲートが存在し、残りの長方形領域内の円の内側にそれぞれ1個のゲートが存在する金型を用いることができる。
前記第1の態様の金型及び第3の態様の金型においては、円の外側にあって、固定型平面の短手方向の中心よりに、それぞれ1個存在するゲートの数は特に制限はなく、対象となる円は1つの円ないし全ての円の範囲で選定されるが、全ての円に対して、外側にあって固定型平面の短手方向の中心よりに、ゲートがそれぞれ1個存在することが、キャビティ内により均質に充填され、均一な光学的な歪みのない光拡散板が得られる点から好ましい。
また、円の外側にあって、固定型平面の短手方向の中心よりの位置については特に制限はなく、キャビティ面積、全ゲート数及び円の外側に位置するゲートの数などに応じて、適当な位置を適宜選定すればよい。
さらに、前記第1の態様の金型及び第3の態様の金型においては、各円の外側に存在するゲートは、固定型平面の短手方向の中心よりに、かつ長手方向の外側又は中心よりに存在することがエアー残りによる外観不良が発生しにくいので好ましい。長手方向の外側又は中心よりの位置については特に制限はなく、キャビティ面積や、全ゲート数及び円の外側に位置するゲートの数などに応じて適当な位置を適宜選定すればよい。
このようなゲート配置をすることで、エアー残りによる外観不良が発生しにくくなる。
本発明においては、固定型平面に配置される全てのゲートは、前記図3、図4及び図5で示されるように、溶融樹脂成形材料が、キャビティ内に均質に充填され、均一で光学的な歪みのない光拡散板が得られる点から、線対称又は点対称であることが好ましい。
本発明方法において真空引き孔を設ける場合、真空引き孔の材質に特に制限はないが、純鉄、鉄−銅系合金、鉄−炭素系合金、鉄−炭素−銅系合金、鉄−炭素−銅−ニッケル系合金、鉄−炭素(銅溶浸)系合金、鉄−ニッケル系合金、鉄−炭素−ニッケル系合金、オーステナイト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼、青銅系合金などの焼結金属が好ましい。真空引き孔の穴径は、用いる樹脂成形材料の流動性に応じて選択することができる。成形材料の流動性が比較的良好な場合は、穴径が0.02〜0.05mm程度であることが好ましく、流動性が比較的不良な場合は、穴径が0.1〜0.2mmであることが好ましい。
本発明方法において真空引き孔を設ける場合、真空引き孔は、通常1個以上であり、ゲートが2個の場合はその中間に位置することが好ましく、ゲートが4個存在する場合は、4個のゲートにより形成される長方形の中央にあることが好ましい。図6は、前記図3又は図4で示される8個のゲートを有する金型の真空引き孔位置の説明図である。図中において、○ はゲート位置を、◎ は真空引き孔位置を示す。各ゲートを仮想的に一点破線で結ぶことにより、図に示す3個の長方形が形成されるので、それぞれの長方形の中央に真空引き孔を設ける。キャビティ内において、長方形の対向する4個ずつのゲートそれぞれから溶融樹脂成形材料が長方形の内側に向かって流動すると、長方形の内側の空気は真空引き孔から流出するので、成形材料はキャビティ内を完全に充填し、寸法精度の良好な成形品を得ることができる。長方形の外側の空気は、金型の外周縁にガスベントを設けて逃がすことができる。本発明方法においては、射出開始時のキャビティ内圧力が50kPa以下であることが好ましく、35kPa以下であることがより好ましい。射出開始時のキャビティ内圧力が50kPaを超えると、溶融樹脂成形材料のキャビティへの充填が不十分となり、ガス焼けも発生するおそれがある。
本発明方法に用いる金型のキャビティの主面は、ほぼ長方形である。液晶表示装置の構造に応じて、金型のキャビティは、長方形の外周縁に多少の凹凸を設けるが、全体として長方形であるとみなして、本発明方法を適用することができる。図7は、金型のキャビティ主面の3例である。
本発明方法に用いる熱可塑性樹脂に特に制限はなく、例えば、ポリエチレン、プロピレン−エチレン共重合体、ポリスチレン、芳香族ビニル系単量体と低級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体との共重合体、テレフタル酸−エチレングリコール−シクロヘキサンジメタノール共重合体、ポリカーボネート、アクリル樹脂、脂環式構造を有する樹脂などを挙げることができる。これらの中で、芳香族ビニル系単量体と低級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体との共重合体や脂環式構造を有する重合体樹脂は、流動性が良好であり、ウェルド強度が大きいので、大型の光拡散板を効率よく得られる点で好ましく、脂環式構造を有する重合体樹脂は、吸湿による変形が少ないので反りの少ない大型の光拡散板を得ることができる点でさらに好ましい。脂環式構造を有する樹脂に光拡散剤を配合したコンパウンドは、光拡散板に必要な高透過性と高拡散性を兼ね備え、色度が良好なので、好適に用いることができる。
本発明方法で使用する芳香族ビニル系単量体と低級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体との共重合体は、芳香族ビニル系単量体と低級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体とを共重合して得られる芳香族ビニル系共重合体である。
芳香族ビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−クロルスチレン、p−クロルスチレン等が挙げられる。これらを単独若しくは2種以上併用して使用してもよい。
低級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体としては、炭素数1〜4のアルキル基、好ましくは炭素数1又は2のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられ、具体的にはメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルが挙げられる。これらを単独若しくは2種以上併用して使用してもよい。
前記共重合体を構成する各成分の割合は、芳香族ビニル系単量体が95〜5重量%、低級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体が5〜95重量%の範囲である。中でも、光学特性、成形性などの点から、上記芳香族ビニル系単量体が60〜20重量%、低級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体が80〜40重量%の範囲が好ましい。
脂環式構造を有する樹脂とは、主鎖及び/又は側鎖に脂環式構造を有するものであり、機械的強度、耐熱性などの観点から、主鎖に脂環式構造を含有するものが好ましい。
脂環式構造としては、飽和環状炭化水素(シクロアルカン)構造、不飽和環状炭化水素(シクロアルケン)構造などが挙げられるが、機械的強度、耐熱性などの観点から、シクロアルカン構造やシクロアルケン構造が好ましく、中でもシクロアルカン構造が最も好ましい。脂環式構造を構成する炭素原子数は、格別な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲であるときに、機械的強度、耐熱性及び光拡散板の成形性の特性が高度にバランスされ、好適である。
脂環式構造を有する樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択すればよいが、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。脂環式構造を有する繰り返し単位の割合が過度に少ないと、耐熱性が低下し好ましくない。なお、脂環式構造を有する樹脂中における脂環式構造を有する繰り返し単位以外の繰り返し単位は、使用目的に応じて適宜選択される。
脂環式構造を有する樹脂の具体例としては、例えば、(1)ノルボルネン系モノマーの開環重合体及びノルボルネン系モノマーとこれと開環共重合可能なその他のモノマーとの開環共重合体、並びにこれらの水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加重合体及びノルボルネン系モノマーとこれと共重合可能なその他のモノマーとの付加共重合体などのノルボルネン系重合体;(2)単環の環状オレフィン系重合体及びその水素添加物;(3)環状共役ジエン系重合体及びその水素添加物;(4)ビニル脂環式炭化水素系単量体の重合体及びその水素添加物、ビニル芳香族系単量体の重合体の芳香環部分の水素添加物などのビニル脂環式炭化水素系重合体;などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性、機械的強度等の観点から、ノルボルネン系重合体及びビニル脂環式炭化水素系重合体が好ましく、ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素添加物及びビニル芳香族系単量体の重合体の芳香環部分の水素添加物がさらに好ましい。
本発明に用いる光拡散剤は、有機光拡散剤でも無機光拡散剤でもよい。有機光拡散剤としては、熱可塑性樹脂中で透明微粒子を形成し得る重合体又はその架橋物が挙げられ、具体的には、該重合体又はその架橋物を厚さ1mmの板状成形体にした場合の全光線透過率が、70%以上のものが好ましく、80%以上のものがより好ましく、90%以上のものが特に好ましい。全光線透過率が低過ぎると、重合体内部での光損失により、得られる光拡散板の光透過率が低下する。なお、ここでいう全光線透過率は一般には400〜700nmの可視光であるが、例えば、透過、拡散させたい光線がこれ以外の波長の場合は、その目的とする波長において上記の光線透過率を有していることが好ましい。また、上記有機光拡散剤の屈折率は、熱可塑性樹脂の屈折率n1、有機光拡散剤の屈折率をn2としたときに、n1/n2又はn2/n1の下限が、好ましくは1.01、より好ましくは1.015、特に好ましくは1.025、また上限が、好ましくは1.3、より好ましくは1.2である。また、n2は、好ましくは1.4〜1.8、より好ましくは1.42〜1.72である。この屈折率比が低すぎると、得られる光拡散板の光拡散性が低くなる。屈折率比が高過ぎると、得られる光拡散板の光透過率が低下する。なお、この屈折率は、使用目的に応じた波長における値である。屈折率は用いる重合体の種類によって異なるが、例えば、フェニル基を含有するモノマーの使用量などによりその値を調節できる。フェニル基を含有するモノマーの使用量が多いほど、重合体の屈折率は高くなり易い。
このような有機光拡散剤としては、(1)スチレン類、アクリロニトリル類などのビニル系モノマー;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸エステル類モノマー;などの単独重合体又は共重合体、(2)上記モノマーと、それらと共重合可能なジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼンなどの多官能モノマーとの共重合体、(3)ポリシロキサン系重合体、(4)フッ素系樹脂などが挙げられる。
上記有機光拡散剤は、光拡散板中で微粒子としての形状を維持していることが必要である。成形時に形状が維持できなければ、後述のように、均一な光拡散性を持つ光拡散板が得られない。そのため、架橋物であることが好ましい。多官能モノマーを加えて共重合した共重合体などのように、重合時に架橋可能のものは、架橋して粒子形状のものを得ることが好ましい。重合後に粒子の形状にした後、又は粒子形状に重合した後に、紫外線照射などの方法で架橋した微粒子も使用できる。
具体的には、架橋ポリメタクリル酸メチル、架橋ポリスチレン、架橋ポリアクリル酸ナトリウム、架橋シリコーン、架橋メチルメタアクリレート−スチレン共重合体、架橋ポリジメチルシロキサンなどが例示される。
上記の有機光拡散剤の中でも、ポリスチレン系重合体、ポリシロキサン系重合体又はそれらの架橋物からなる微粒子が好適である。
本発明に用いられる上記重合体を微粒子にする方法は、特に限定されないが、懸濁重合などにより粒子とすることができる。例えば、スチレンとジビニルベンゼンの共重合のように、多官能モノマーを含有するモノマーを懸濁重合すれば、架橋重合体微粒子が得られ、重合後、洗浄、乾燥し、風力ミクロンセパレーターなどを用いて分級すれば、所望の粒径分布の架橋微粒子が得られる。
本発明に用いることのできる無機光拡散剤としては、熱可塑性樹脂中で透明微粒子を形成し得る無機微粒子を例示することができる。具体的には、シリカ、シリカアルミナ、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、タルク、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ケイ酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、酸化チタンなどを挙げることができる。これらの無機光拡散剤の中では、炭酸カルシウム、シリカ、タルクが透明性に優れ好ましい。これらの無機光拡散剤は、1種又は2種以上組み合わせて用いることも、透明有機光拡散剤と組み合わせて用いることもできる。
また、例えば二軸混練機などにより、熱可塑性樹脂を溶融混練して上記無機光拡散剤を配合する場合には、シリンダやスクリューの摩耗による樹脂組成物の色調悪化を避けるために、上記無機光拡散剤の中でも硬度の低いもの、例えばタルクなどを用いることが好ましい。
本発明に用いる有機光拡散剤及び/又は無機光拡散剤の粒子径は特に限定されないが、平均粒径の下限は好ましくは0.3μm、より好ましくは0.5μm、特に好ましくは1μmである。上限は好ましくは30μm、より好ましくは20μm、特に好ましくは15μmである。小さ過ぎると本発明の光拡散板の光拡散性は増大するが光透過率が低下し、大き過ぎると光透過率は増大するが光拡散性が低下し、さらに光拡散板の表面平滑性が低下したり、ムラが発生したりすることがある。
本発明に用いる有機光拡散剤及び/又は無機光拡散剤は、球状のものを多く含むほど好ましい。球状とは微粒子の短径/長径が、好ましくは0.6〜1.0、より好ましくは0.8〜1.0、特に好ましくは0.9〜1.0であり、角を有していないものをいう。短径とは、ひとつの微粒子の最も小さい径をいい、長径とは同じ微粒子の最も大きな径をいう。本発明においては、用いる微粒子中の球状微粒子の割合が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることが特に好ましい。短径、長径、平均粒径、角の有無については、顕微鏡写真の映像を基に測定すればよい。球状でないものが多いと、成形時に分散が不均一になったり、配向性を有して均一な光拡散性の成形体を得ることが困難となり易い。
なお、本発明方法で用いる有機光拡散剤及び/又は無機光拡散剤は、1種類である必要はなく、例えば、光透過性と光拡散性を調節する目的や、使用環境に合わせる目的で、複数種の有機光拡散剤及び/又は無機光拡散剤を併用してもよい。
有機光拡散剤及び/又は無機光拡散剤の成形材料中の量は、目的とする光拡散板の光路長により異なる。例えば、1mmの厚さの光拡散板においては、通常、0.8〜20重量%であり、2mmの厚さの光拡散板においては、通常、0.1〜10重量%である。これは、光路長が短い(厚さが薄い)場合は、多量に有機光拡散剤及び/又は無機光拡散剤を配合しないと十分に光拡散性が得られないためである。一方、光路長が長い(厚さが厚い)場合には、少量の有機光拡散剤及び/又は無機光拡散剤を配合しただけでも、光透過性が低下してしまうので、透明微粒子の量を少なくしなければならないからである。
本発明方法において用いる熱可塑性樹脂成形材料には、成形時における酸化劣化や熱劣化を防止するために、酸化防止剤を添加することができる。また、成形品の耐光性などを向上させるために、耐光安定剤を添加することができる。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤などを挙げることができる。これらの酸化防止剤は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組みあわせて用いることができる。これらの中で、フェノール系酸化防止剤、特にアルキル置換酸化防止剤を好適に用いることができる。酸化防止剤の添加量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、0.01〜2重量部であることが好ましく、0.02〜1重量部であることがより好ましい。
耐光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系耐光安定剤(HALS)、ベンゾエート系耐光安定剤などを挙げることができる。これらの耐光安定剤は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。これらの中で、ヒンダードアミン系耐光安定剤を特に好適に用いることができる。耐光安定剤の添加量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、0.01〜2重量部であることが好ましく、0.02〜1重量部であることがより好ましく、0.05〜0.5重量部であることがさらに好ましい。
該成形材料には、必要に応じて、さらに他の添加剤を添加することができる。他の添加剤としては、例えば、熱安定剤、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤などの安定剤;滑剤、可塑剤などの樹脂改質剤;染料、顔料などの着色剤;帯電防止剤、光拡散剤などを挙げることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
製造例1(ノルボルネン系重合体の製造)
脱水したシクロヘキサン500重量部、1−ヘキセン0.82重量部、ジブチルエーテル0.15重量部、及びトリイソブチルアルミニウム0.30重量部を室温で十分に乾燥し、窒素置換したステンレス製耐圧容器に入れ混合した後、45℃に保ちながら、トリシクロ[4.3.0.12.5]デカ−3,7−ジエン(ジシクロペンタジエン、以下、「DCP」と略記する。)170重量部と、8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−ドデカ−3−エン(エチリデンテトラシクロドデセン、以下、「ETD」と略記する。)30重量部と、六塩化タングステン(0.7重量%トルエン溶液)30重量部とを、2時間かけて連続的に添加し重合した。重合溶液にブチルグリシジルエーテル1.06重量部とイソプロピルアルコール0.52重量部を加えて重合触媒を不活性化し重合反応を停止させた。
次いで、得られた開環重合体を含有する反応溶液100重量部に対して、シクロヘキサン270重量部を加え、さらに水素添加触媒としてニッケル−アルミナ触媒[日揮化学社製]5重量部を加え、水素により5MPaに加圧して撹拌しながら温度200℃まで加温した後、4時間反応させ、DCP/ETD開環重合体水素添加物を20重量%含有する反応溶液を得た。瀘過により水素添加触媒を除去した後、前記水素添加物100重量部にあたり0.1重量部のフェノール系酸化防止剤としてペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を、得られた溶液に添加して溶解させた。次いで、円筒型濃縮乾燥器[日立製作所製]を用いて、温度270℃、圧力1kPa以下で、溶液から、溶媒であるシクロヘキサン及びその他の揮発成分を除去しつつ水素添加物を溶融状態で押出機からストランド状に押出し、冷却後ペレット化してペレットを回収した。この開環重合体水素添加物の、重量平均分子量(Mw)は35,000、水素添加率は99.9%、ガラス転移温度(Tg)は100℃であった。
実施例1
製造例1で得られたDCP/ETD開環重合体水素添加物99重量部とポリシロキサン系重合体の架橋物からなる微粒子[GE東芝シリコーン(株)、トスパール120]1重量部を混合し、二軸押出機[東芝機械(株)、TEM−35B]を用いてストランド状に押し出し、ペレタイザーで切断することにより、光拡散板用ペレットを製造した。
この光拡散板用ペレットを用い、射出成形機[(株)ソディック、TR450EH、スクリュー/プランジャ径φ50mm、最大型締力450t]で、光拡散板を成形した。金型は、固定型平面に、図3に示すように8個のゲートが配置されたキャビティを有し、キャビティ寸法は縦320mm、横426mm、対角線の長さ533mmであり、深さは1.5mm又は2.0mmの可変とした。金型は、固定型平面の図3に示す位置に、直径2mmのホットランナー方式のバルブゲート[三菱マテリアル(株)]を8個有し、また可動型の図6に示す位置に直径10mmの焼結金属の真空引き孔3個を備えている。
射出成形条件は、シリンダ温度275℃、ホットランナー温度275℃、金型温度78℃、射出速度100mm/s、冷却時間30秒とした。金型が低圧型締力で型締したと同時に減圧を開始し、キャビティ内の圧力を10kPa以下とし、型締完了1秒後から射出を開始した。
キャビティの深さを1.5mmとし、型締力350tで成形すると、良好な成形品が得られた。この成形品にはエアー残りが認められず、外観の良好なものであった。
キャビティの深さを2.0mmとし、型締力を350tとして成形したときも、良好な成形品が得られた。
以上の結果から、20インチ型で厚さ1.5mm以上の光拡散板が、型締力350tで成形し得ることが確認された。
得られた光拡散板を恒温恒湿槽(60℃、90%RH)に117時間入れ、その後の反り変化量を三次元測定機[(株)ミツトヨ、マイクロコードBH504]を用いて測定したところ0.05mmであった。
なお図3の代わりに、図3の各円内に、それぞれゲートが1個存在する8個のゲートが固定型平面に配置された金型を用いた以外は、前記と同様にして成形品を作製した。型締力350tの成形で、エアー残りが認められ、前記の成形品に比べ、外観のやや劣るものであった。
実施例2
実施例1において、図3の代わりに、図4に示すような8個のゲートが固定型平面に配置された金型を用いた以外は、実施例1と同様にして成形品を作製した。型締力350tの成形で、エアー残りが認められず、外観の良好な成形品が得られた。
キャビティの深さを2.0mmとし、型締力を350tとして成形したときも、良好な成形品が得られた。
以上の結果から、20インチ型で厚さ1.5mm以上の光拡散板が、型締力350tで成形し得ることが確認された。
得られた光拡散板を恒温恒湿槽(60℃、90%RH)に117時間入れ、その後の反り変化量を三次元測定機[(株)ミツトヨ、マイクロコードBH504]を用いて測定したところ、0.08mmであった。
実施例3
製造例1で得られたDCP/ETD開環重合体水素添加物の代わりに、メタクリル酸メチルとスチレンとの共重合体[新日鉄化学(株)、エスチレンMS−600]を用いた以外は、実施例1と同様にして、光拡散板用ペレットを製造し、射出成形により成形品を作製した。型締力350tの成形で、エアー残りが認められず、外観の良好な成形品が得られた。
キャビティの深さを2.0mmとし、型締力を350tとして成形したときも、良好な成形品が得られた。
以上の結果から、20インチ型で厚さ1.5mm以上の光拡散板が、型締力350tで成形し得ることが確認された。
得られた光拡散板を恒温恒湿槽(60℃、90%RH)に117時間入れ、その後の反り変化量を三次元測定機[(株)ミツトヨ、マイクロコードBH504]を用いて測定したところ、0.22mmであった。
比較例1
コールドランナーでサイドゲートを有し、キャビティの寸法が、縦229mm、横305mm、対角線の長さ381mm、深さ1.5mmの金型を用い、実施例1で製造した光拡散板用ペレットから、光拡散板を成形した。
射出成形条件は、シリンダ温度275℃、金型温度78℃、射出速度100mm/s、型締力350t、冷却時間30秒とした。良好な成形品が得られた。
金型を、コールドランナー/サイドゲートを有し、縦244mm、横325mm、対角線の長さ406mm、深さ1.5mmの金型に交換して、同じ条件で成形すると、完全充填に至らなかった。
この結果から、コールドランナー/サイドゲートを有する金型を用いる従来の方法では、15インチ型の光拡散板が限度であり、16インチ型の光拡散板の射出成形は困難であることが分かる。
比較例2
キャビティ深さを1.5mmにし、ゲートを図8の6に示す2個にした以外は実施例1と同様にして、光拡散板を成形した。型締力350tの成形で、光拡散板の4隅に未充填の部分が残り、良好な成形品を得ることができなかった。
本発明方法によれば、品質の良好な大型光拡散板を生産性よく製造することができる。この光拡散板は液晶表示装置用として好適に用いられる。
本発明方法に用いる金型の一態様の説明図である。 複数個のゲートの位置関係を示す説明図である。 本発明におけるゲートの配置を示す一態様の説明図である。 本発明におけるゲートの配置を示す別の態様の説明図である。 本発明の参考例のゲートの配置を示す説明図である。 金型の真空引き孔位置の説明図である。 金型のキャビティ主面の例である。 比較例2で用いた金型のゲートの配置を示す説明図である。
符号の説明
1 固定型平面(キャビティ主面)
2 分割された長方形
3 対角線の交点を中心とした円
4a、4b ゲート
5 一点破線
6 ゲート
A、B、C、D ゲート
E 真空引き孔
a、b 対角線
c、d 点線

Claims (6)

  1. 光拡散剤を含む熱可塑性樹脂成形材料の射出成形による液晶表示装置用光拡散板の製造方法において、バルブゲート付きホットランナーを有する金型を用い、該金型のキャビティの主面がほぼ長方形でその対角線の長さが400mm以上、深さが0.1〜5mmであって、固定型平面に、キャビティ面積をSmm2、キャビティ深さをtmm、ゲート数をとした場合、式(1)
    ≧[S/(t+4)]×10-4 ・・・(1)
    の関係を満たし、8の長方形に分割した領域の対角線の交点を中心とし、半径が対角線の長さの0.1倍である円を、固定型平面に描いた場合に、すべての長方形領域において、円の外側かつ固定型平面の短手方向の中心よりにそれぞれ1個のゲートが存在し、かつ8個のゲートを有する金型を用い、前記成形材料を射出成形する光拡散板の製造方法。
  2. 長方形領域において円の外側の近傍で、かつ該固定型平面の短手方向の中心よりにそれぞれ1個のゲートが存在する請求項1に記載の光拡散板の製造方法。
  3. ゲートの配置が線対称又は点対称配置である請求項1又は2に記載の光拡散板の製造方法。
  4. 金型が真空引き孔を備えている請求項1ないし3のいずれかに記載の光拡散板の製造方法。
  5. 熱可塑性樹脂成形材料が、熱可塑性樹脂として、脂環式構造を有する樹脂を含む請求項1ないし4のいずれかに記載の光拡散板の製造方法。
  6. 熱可塑性樹脂成形材料が、熱可塑性樹脂として、芳香族ビニル系単量体と低級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル系単量体との共重合体を含む請求項1ないし5のいずれかに記載の光拡散板の製造方法。
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