JP4455981B2 - 同期電動機の駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電気角位置を検出するセンサを用いずに同期電動機の制御を実現する同期電動機の駆動装置に関する。
同期電動機を、回転子の電気角位置を検出することなく、内部の磁極位置を推定し、制御する手法として、多くの提案がなされている。例えば、特許文献1には、永久磁石同期電動機(以下、PMモータと称する)に対し、直交する2つの軸方向に電圧パルスを印加して、夫々の軸方向に発生する電流パルスの振幅を検出し、磁極位置を推定することが開示されている。この手法では、発生する電流と推定磁極位置との関係の近似式を導入することで、電圧パルスの印加回数を最小化すると同時に推定精度を確保している。
また、特許文献2には、3相夫々に正と負の電圧パルスを印加して、夫々において発生する電流パルスの振幅を検出し、それを基に磁極位置を推定することが開示されている。この手法では、推定精度は±30度の範囲に限定されるが、電流パルスの検出は、簡単な電力変換器の直流電流の検出で済む利点をもつ。
特開2002−78392号公報 特公平8−13196号公報(特開平3−207250号公報)
これらの手法は、例えば、特許文献1の図2,図3に判り易く記載されているように、次のような仮定を前提としている。すなわち、回転子磁石位置であるd軸上において、磁石磁束を強める方向に電圧パルスを加えると、磁気飽和が緩和されるためインダクタンスが増加し、電流変化が緩やかになる。この結果、d軸上に正と負の連続パルスを注入すると、正と負で非対称の電流が流れる。したがって、電流波形に含まれる正負の対称性を調べることで、磁石磁束が存在するかどうかが観測でき、これら磁気飽和の影響による電流波形の変化を検出することで、磁石磁束の位置検出を行っている。
ところが、実際は、PMモータの回転子構造や、固定子スロット構造、巻線の巻き方などに起因して、前記電流Idcの大きさによっては、この仮定が必ずしも成り立たなくなる場合がある。その影響は、電圧パルスの振幅を大きくし、磁気飽和を強めることで解決できるが、電動機を駆動するコントローラの制約を受けてしまい、必ずしも充分な磁気飽和が得られるとは限らない。
本発明の目的は、対象とする同期電動機の構造の違いに影響されること無く、その磁極位置を精度良く推定できる同期電動機の駆動装置を提供することである。
本発明の他の目的は、同期電動機を駆動する電力変換器の直流電流のみを用いて、同期電動機の構造の如何に依らず、その磁極位置を精度良く推定できる同期電動機の駆動装置を提供することである。
本発明はその一面において、電力変換器を通して同期電動機に対して脈動電流を与える脈動電流印加手段と、磁極位置推定手段とを有する同期電動機の駆動装置において、脈動電流の正側、負側のそれぞれに対して、位相の異なる少なくとも2つの電力変換器の直流電流値を検出し、これら2つの電流の大きさの関係に基いて同期電動機の磁極位置を推定することを特徴とする。
本発明は他の一面において、脈動電流の正側、負側のそれぞれに対して、電力変換器の直流電流の変化率を検出し、これら2つの電流の変化率の関係に基いて同期電動機の磁極位置を推定することを特徴とする。
本発明によれば、同期電動機の構造の違いに影響されること無く、磁極位置を精度良く推定できる同期電動機の駆動装置を提供することができる。
本発明のその他の目的及び特徴は、以下に述べる実施形態の説明で明らかにする。
以下に、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
実施例1:
図1は、本発明の第1の実施形態による永久磁石同期電動機(PMモータ)の駆動装置の制御ブロック図である。本駆動装置は、大きく分けると、PMモータの駆動装置全体を制御する制御装置1、PMモータに可変電圧・可変周波数の交流を供給する電力変換器2及び三相PMモータ3を備え、制御装置1内で、PMモータ3の回転子位置の推定演算と回転速度制御を行っている。
制御装置1は、具体的には、次の機能ブロックを備えている。まず、電力変換器2の直流電流を検出する電流検出器4と、その電流検出値を制御装置1の回転座標軸dc軸qc軸上の電流値へ座標変換するdq変換器5である。次に、所望の速度指令あるいはトルク指令に基づいて、PMモータ3への印加電圧を計算するベクトル制御手段6である。また、PMモータ3の電気角周波数ω1cを積分して、電気角位置(又は位相)θdcを演算する積分器7と、dcqc軸上の電圧指令Vdc、Vqcを三相交流の電圧指令に座標変換するdq逆変換器8である。さらに、前記三相交流の電圧指令に基づいて、電力変換器2を制御するためのパルスを発生させるPWM変調手段9を備えている。ここで、脈動電流を発生させる脈動電流印加手段10を設け、その出力する電圧信号を、前記ベクトル制御手段6の出力である電圧指令へ加算する第1の加算器11を追加している。また、この実施例の特徴部分である軸誤差(PMモータ内部と制御器内での磁極位置の誤差)Δθを演算する磁極位置推定手段12と、得られた軸誤差Δθに基づき速度指令の補正量Δω1を演算する速度補正手段13を設けている。さらに、前記速度指令の補正量Δω1を速度指令値ω1へ加算して電気角周波数ω1cを算出する第2の加算器14と、脈動電流印加手段10の動作を設定する印加電圧設定手段15を備えている。
また、電力変換器2は、PWM変調手段9からの信号を受けてPMモータ3へ電圧を出力する主回路部21、電流検出用の直流抵抗22、並びに主回路部21の電源となる直流電圧源23を備えている。
ベクトル制御手段6において、PMモータ3を所望の速度、あるいはトルクに制御するための電圧指令演算を行う。電流検出器4では、電力変換器2の直流抵抗22を流れる直流電流Ishを検出する。この検出値とPWM変調手段9からの電流検出タイミング設定信号SAHを用いて、dq変換器5で、PMモータ3の三相交流電流を再現する。再現された三相交流電流は、制御器内部の回転座標軸dcqc軸上の値Idc、Iqcに変換される。制御装置1で推定したPMモータ3の磁極方向の成分をIdc、それと直交する成分をIqcとし、それぞれが所定の値になるように、ベクトル制御手段6において、PMモータ3に与えるべきdc軸qc軸上の印加電圧指令Vdc0、Vqc0の値が演算され出力される。これらの電圧指令は、dq逆変換器8によって再び三相交流量に変換され、PWM変調手段9において、電力変換器2をスイッチング動作させるためのパルス信号へと変換される。電力変換器2は、PWM変調手段9の出力信号により駆動され、制御装置1で演算された電圧指令に相当する電圧を、PMモータ3に印加する。
ところで、PMモータ3の磁極の位相θ(位置)を直接検出する磁極位置検出器を備えておれば、その検出位相に基づき3相の検出電流を座標変換でき、励磁電流成分としてdc軸電流Idcとトルク電流成分としてqc軸電流Iqcが得られる。ベクトル制御手段6は、これら二つの電流成分を独立に制御するものであり、内部にPMモータ3の速度やトルクを所望の値にするためのトルク電流指令と励磁電流指令とが存在する。それらにdc軸電流Idcとqc軸電流Iqcが一致するように、電圧指令Vdc0、Vqc0の値を変化させる。
このように、ベクトル制御を行うには、PMモータ内部の磁極位置を検出する必要がある。本発明によるPMモータの駆動装置では、磁極位置検出器を用いず(センサレス)に、PMモータ内部の磁極位置を推定するものである。
まず、本発明による磁極位置推定の動作原理を説明する。
図2は、永久磁石同期電動機(PMモータ)における磁石磁束φmと発生する電流Idcとの関係図である。まず、同図(A)は、特許文献1等による一点電流検出法における永久磁石磁束φmと発生する電流Idcとの関係を示す。同図(a)はdc軸とPMモータ内部の永久磁石磁束φmの方向、(b)は電流Idcと一次磁束φIdの関係の模式図、(c)は電流Idcの波形図である。同図(a)の様に、電圧パルスを印加するdc軸が、PMモータ内部の永久磁石磁束φmの方向に一致する場合を想定している。電流Idcと永久磁石磁束φmの方向が一致するとき、電流Idcによる磁束と永久磁石磁束φmの方向が一致し、PMモータの鉄心の磁気飽和を強める方向に働く。このときのインダクタンスLdsは、電流Idcと永久磁石磁束φmの方向が逆の場合のインダクタンスLdoに対して相対的に小さくなり、電流Idcは、同図(c)の様に変化する。特許文献1等では、この性質を利用して、電流Idcから、PMモータの磁極位置を推定している。
ところが、PMモータ固定子の部分的な飽和が影響する場合、電流Idcの大きさによっては、この仮定が必ずしも成り立たなくなり、磁極位置の推定誤差が大きくなる可能性がある。この部分的な飽和の影響は、PMモータの構造にも依存し、電流Idcを大きくすれば相対的に下げられるが、PMモータを駆動するコントローラ容量の制約を受ける可能性がある。
図2(B)は、本発明による二点電流検出法の原理を説明するためのPMモータの永久磁石磁束φmと発生する電流Idcとの関係を示す。同図(a)〜(c)は夫々同図(A)の(a)〜(c)に対応している。この図では、PMモータ固定子の部分的な飽和が影響する場合にも、PMモータ本来の特性に沿う成分Lds0とLd0の影響を取り出すことを説明する。
まず、同図(b)に示すように、対象とするPMモータは、固定子の部分的な飽和が影響し、小さい電流Idc領域では、Lds2<Lds1であると仮定する。このとき、同図(c)に示すように、電流Idcの絶対値で見ると、|ΔIdcp2|<|ΔIdcn2|であり、負方向の方が大きい。したがって、図2(A)の一点電流検出法によれば、電流Idcは正方向よりも負方向の方が大きく、インダクタンスは正方向の方が大きいと誤判断してしまう惧れがある。
これに対して、本発明の一実施形態においては、図2(B)の(c)に示すように、正負側それぞれで2点の電流検出を行い、これら2つの電流の大きさの関係から、磁極位置を推定するようにしている。例えば、2点間の電流変化率が、正方向の方が大きいことから、本来のインダクタンスLds0とLd0の特性を取り出す。すなわち、(|ΔIdcp2|−|ΔIdcp1|)>(|ΔIdcn2|−|ΔIdcn1|)であり、Lds0とLd0の特性のみを取り出し、高精度の磁極位置の推定を可能としている。
以上の原理について、より詳細に説明する。
永久磁石磁束φmの影響により、dc軸電流Idcはその極性に対して非対称に変化する。これは、Idcの影響で一次磁束が減少し、インダクタンス(L∝dI/dt)が変化するためである。ここで、インダクタンスをdc軸正方向について、Lds0、dc軸負方向についてLd0とすると、Lds0<Ld0である。
一方、dc軸電流Idcが小さい場合、例えばPMモータの固定子構造等の影響を受け、場合によっては、図2(B)の(b)のような磁気特性となる。この理由は、Idcが小さいときにも、例えば、固定子のスロットティースの部分的な磁気飽和が起こるなど、構造的な原因による場合が多い。同図(a)において、dc軸正方向の微弱電流に対するインダクタンスをLds1、dc軸負方向についてLds2とする。なお、本図ではLd0>Lds2、Lds1>Lds0と仮定している。このとき、dc軸電流Idcが小さいとき(ΔIdcn1<Idc<ΔIdcp1)、Idcは、dc軸正方向では、Lds1、dc軸負方向ではLds2に従って変化する。一方、dc軸電流Idcが大きくなった(Idc<ΔIdcn1又はΔIdcp1<Idc)ときは、Idcは、dc軸正方向ではLds0、dc軸負方向ではLd0に従って変化する。軸誤差Δθの推定には、前記インダクタンスのうち、Lds0とLd0の情報が必要であるが、実際に検出されるdc軸電流Idcの大きさΔIdcp2、ΔIdcn2は、夫々Lds0とLds1、Ld0とLds2、の影響を含む。発生するdc軸電流Idcの波形と、検出される電流値ΔIdcp1、ΔIdcn1、ΔIdcp2、ΔIdcn2の関係は、図2(B)の(c)のようになる。すなわち、電流の脈動成分の関係は、仮定によれば|ΔIdcp2|>|ΔIdcn2|となるはずであるが、反対に|ΔIdcp2|≦|ΔIdcn2|となり、磁極位置を正しく推定できないのは明らかである。そこで、磁極位置推定に用いるべき電流成分であるLds0およびLd0のみによる電流の脈動成分を取り出すために、式(1)に従って、電流変化率|ΔIdcp’|及び|ΔIdcn’|を求める。これにより、それぞれ、|ΔIdcp’|はLds0に、|ΔIdcn’|はLd0に応じて変化したdc軸電流Idcの成分となり、永久磁石磁束φmによるインダクタンスの変化の影響を、dc軸電流Idcの変化として抽出できるのである。
次に、磁極位置の推定動作と、本発明の特徴部分である図1の磁極位置推定手段12について説明する。以下、PMモータ3は停止状態とし、磁極位置を推定するときのdc軸位相は、初期状態でPMモータ3の固定子U相にあり、このときをθdc=0とする。また、電力変換器2の出力電圧はパルス幅変調されるものとする。
磁極位置を推定するために、脈動電流印加手段10は、dcqc軸上の夫々に与える信号電圧としてdc軸信号電圧指令Vhdとqc軸信号電圧指令Vhqを生成する。また、パルス幅変調を行うための、三角波キャリア周波数指令fhを出力する。第1の加算器11では、dc軸信号電圧指令VhdをVdc0へ、qc軸信号電圧指令VhqをVqc0へ、夫々加算してVdc、Vqcを生成する。Vdc、Vqcは、dq逆変換器8によって、3相交流量の相電圧指令Vu、Vv、Vwへ変換される。さらに、PWM変調手段9により、変調周波数fhでパルス幅変調された相出力電圧指令Vu、Vv、Vwに対応する制御信号が電力変換器2へ与えられる。
図3と図4には、本実施形態に於ける磁極位置推定時の動作波形を示す。図3は、前記信号電圧をdc軸に与えた(Vhq=0)場合、図4は前記信号電圧指令をqc軸に与えた(Vhd=0)場合である。
図3(a)に、電圧指令Vhdの波形を示す。図3(b)に示す三角波はパルス幅変調のための三角波キャリアで、ここでは電圧指令Vhdは前記三角波キャリアの4倍の周期を持つ方形波とし、制御系の演算周期は前記三角波キャリアの周期の半分とする。このとき、電圧指令Vhdをdq逆変換器8により2相3相変換した相電圧指令Vu、Vv、Vwが、図3(b)に示すように制御系演算一周期分として、前記三角波キャリアの半周期分だけ遅れて生成される。この遅れは、制御演算遅れによるものである。更に、これをPWM変調手段9でパルス幅変調した結果が、電力変換器2へ与える相電圧指令Vu、Vv、Vwで、夫々図3(c)、(d)、(e)に示す。電力変換器2は、Vu、Vv、Vwとほぼ同期して各相電圧を出力する。このとき、PMモータ3に発生する脈動電流は、相電流Iu、Iv、Iwとして、夫々図3(f)、(g)、(h)、直流電流Ishは、図3(i)に示すようになる。
dq変換器5でIdcとIqcを求めるには、直流電流Ishと相電流Iu、Iv、Iwの関係を明確にする必要がある。直流電流Ishは、電力変換器2の各相のスイッチング状態によって、相電流Iu、Iv、Iwの何れかに一致する。
図5は、各相の電圧Vu、Vv、Vwと直流電流Ishの関係を示す直流電流情報図である。図5に従い、各相のスイッチング状態を考慮して直流電流Ishの値を読み込むことで、相電流Iu、Iv、Iwを検出することができる。また、パルス幅変調された電圧による電流の変化量を求めるため、直流電流Ishの検出タイミングは、図3(i)中に黒丸で示すタイミングとする。これは、電力変換器2の出力電圧が、ゼロベクトル、すなわち三相の出力電圧が全て正の値(最大値)又は全て負の値(最小値)で一致する状態に遷移するタイミングである。このタイミングは、それ以前に電力変換器2の出力電圧が遷移した時点から最も離れており、電力変換器2の出力電圧の遷移時のスイッチングに伴うリンギング等の影響を受けずに直流電流Ishを検出するために好適である。従って、このタイミングで直流電流Ishをサンプリングすれば、磁極位置推定に必要な電流の変化量を、直流電流情報から得ることができる。また、予め電力変換器2のスイッチングパターンが判っていれば、各制御周期毎の開始時刻を基準としたとき間情報として、サンプリングのタイミングを与えれば良い。
電流検出タイミング設定信号SAHは、前記ゼロベクトルが出力されるタイミングで、dq変換器5へ与える。dq変換器5では、電圧指令VhdとVhq及びPWM変調手段9が生成するタイミング設定信号SAHに基づき、図3(j)に示すdc軸電流Idcを求める。このとき、正側の半波において、ΔIdcp1とΔIdcp2、負側の半波において、ΔIdcn1とΔIdcn2という正負電流極性毎に、それぞれ2つづつの異なるタイミングにおける異なった電流値を得る。
次に、図6を用いて、電流検出値を使った磁極位置推定方法について述べる。
図6は、図1の磁極位置推定手段12の内部の機能ブロック図である。磁極位置推定手段12では、直流電流Ishから求めたd軸電流Idcに基づき、遅延器121と減算器122により、一階差分値ΔIdcを演算する。減算器122の出力である一階差分値ΔIdcを図3(k)に示す。ここでは、電流検出一周期分の演算遅れが生じる。この一階差分値ΔIdcから絶対値演算器123により、その絶対値|ΔIdc|が求められる。他方、電流極性演算器124は、前記印加電圧指令Vhdに基づいて、発生したdc軸電流Idcの極性を示す電流極性信号Spを求める。この極性信号Spは、前記印加電圧指令Vhdに対し、次の3つの遅れを考慮して作成される。すなわち、(1)パルス幅変調された電圧が出力されるための制御系演算一周期分の遅れ時間、(2)一階差分値ΔIdcを演算するための電流検出一周期分の遅れ時間、(3)図2(f)、(g)、(h)に示す脈動電流の一周期の4分の1に相当する遅れ時間である。これらの合計に相当する遅れ時間を持つタイミングで変化する方形波信号とすればよい。本実施例の場合、前記電流極性信号Spは、図3(l)に示すように、印加電圧指令Vhdに対して、極性を反転すれば求められる。
さて、図6の電流変化量演算手段125では、次式(1)に示す電流変化率|ΔIdcp’|及び|ΔIdcn’|を、以下の手順に従って演算する。
ΔIdcp’=ΔIdcp2−ΔIdcp1,
ΔIdcn’=ΔIdcn2−ΔIdcn1………………………………………(1)
次に、電流極性信号Spを、絶対値|ΔIdc|に乗ずる。その結果、図3(m)に示すように|ΔIdcp’|及び|ΔIdcn’|を含む信号となる。次に、図3(m)中に、黒い三角印で示すタイミングの電流値を抽出する。黒三角印で示すタイミングは、電流極性信号Spの極性が変化する真中のタイミングとすればよい。磁極位置推定演算手段126では、この|ΔIdcp’|及び|ΔIdcn’|に基づいて、軸誤差Δθを演算する。
ところで、|ΔIdcp’|及び|ΔIdcn’|と軸誤差Δθについては、例えば次式(2)のような近似特性を適用すればよい。
|ΔIdcp’|−|ΔIdcn’|∝cosΔθ………………………………(2)
すなわち、推定可能な軸誤差Δθの値は、進みか遅れかの区別はできないものの、その絶対値|Δθ|の大きさは分かる。
他方、図4に示すVhd=0では、図示するように、相電圧指令Vu、Vv、Vw、相出力電圧指令Vu、Vv、Vw、相電流Iu、Iv、Iwが得られ、SAHに基づき図4(j)に示すqc軸電流Iqcを求める。磁極位置推定手段12では、前記qc軸電流Iqcを入力値Idcとして扱い、Vhq=0の場合と同様の演算を行うと、qc軸方向に対して軸誤差Δθが得られる。すなわち、直交する2方向であるdc軸とqc軸の各々について、脈動電流に基づき位置推定を行い、その結果を組合せることで、軸誤差Δθを推定可能となる。
又は、式(1)と同様にして電流変化率を演算した結果より、
ΔIqcp’=ΔIqcp2−ΔIqcp1,
ΔIqcn’=ΔIqcn2−ΔIqcn1………………………………………(3)
|ΔIqcp’|−|ΔIqcn’|∝cos(Δθ−90°)=−sinΔθ
…………………………………………(4)
をqc軸への電圧印加で求め、式(2)と式(4)より、特許文献1に記載された方法と同様にして、次式(5)を用いても、軸誤差|Δθ|の大きさを推定できる。
Figure 0004455981
このように、本実施形態によれば、PMモータの固定子構造等によるインダクタンス変化の影響を受けずに、軸誤差Δθの推定精度を高めることが可能となる。
なお、本実施形態では、電流検出タイミング設定信号SAHを、ゼロベクトルが出力されるタイミングとした。しかし、逆に、電力変換器2の出力電圧が、ゼロベクトルとなる状態から、一相ないし二相の出力電圧が、正の値(最大値)から負の値(最小値)へ、或いはその反対の状態へ遷移するタイミングとしてもよい。
図7は、このときの磁極位置推定時の動作波形を示す。ここでは、相出力電圧指令Vu、Vv、Vwが、図3と同様のときを例に採っている。図7では、直流電流Ishを検出するタイミングが異なるだけで、図3と同一の波形は図示を省略する。図7(i)に菱形で示すタイミングで電流検出を行った場合、図3(i)と比較すれば判るように、1周期前の制御周期におけるゼロベクトルが出力されるタイミングでのIshと略同じ値が検出される。電力変換器2の出力電圧の遷移時のスイッチングに伴うリンギング等の影響が小さいときは、図3(i)と同等の検出値が得られる。磁極位置推定部12の動作を示す(j)〜(m)の波形は、図3と比較すると、Ishに対して制御周期一周期分だけ遅らすと、図3の場合と同一の結果が得られることが判る。従って、磁極位置推定部12の構成は同一で、制御周期一周期分だけ遅れて動作すればよい。
あるいは、電力変換器2の三相の出力電圧の状態が同一の期間内、すなわち、ある相の出力電圧が遷移してから次にある相の出力電圧が遷移するまでの期間内で、2回以上の電流検出を行い、電流変化率d(Idc)/dtを直接求めても良い。この場合、ゼロベクトルが出力される期間内に起こるPMモータ3の持つ抵抗分による電流の減衰の影響を受けずに、高精度に電流変化率d(Idc)/dtを算出できる。
図8は、電流検出タイミング設定信号SAHを、異なるタイミングとした場合における磁極位置推定時の動作波形を示す。すなわち、ゼロベクトルが出力されるタイミングに加え、ゼロベクトルとなる状態から、一相ないし二相の出力電圧が、正の値(最大値)から負の値(最小値)へ、或いはその反対の状態へ遷移するタイミングの両方としたときの、磁極位置推定時の動作波形である。これは、相出力電圧指令Vu、Vv、Vwが図3と同様のとき例に採っている。図3と異なるのは、電流Ishを検出するタイミングだけで、図3と同一の波形は省略する。電流検出は、図8(i)に丸印及び菱形の両方で示すタイミングで行う。このとき、同一制御周期内で電流検出を2度行うため、図8(k’)に示す電流変化率d(Idc)/dtを直接求めることができる。前記電流変化率は、磁気飽和によるインダクタンスの変化で決まるので、この電流変化率を絶対値演算器123への入力ΔIdcとして与えて位置推定を行えばよい。なお、電流変化率を算出するという観点では、電流検出は、Lds0及びLd0の影響を取り出せれば、2回以上、任意のタイミングで行ってもよい。
また、脈動電流印加手段10が与える印加電圧指令Vhd及びVhqの振幅や周期、パルス幅変調周波数指令fhの情報は、予め脈動電流印加手段10に設定値情報を持てば良いが、次のように設定値情報を変更する手段を備えても良い。
電圧設定変更手段15は、制御装置1内に在るか、又は制御装置1の外部に在って且つ制御装置1とは通信手段が確保されている。電圧設定変更手段15は、前記印加電圧指令Vhd及びVhqの振幅や周期、及びパルス幅変調周波数指令fhの情報が入力されると、その入力結果を脈動電流印加手段10に受け渡すように動作する。脈動電流印加手段10は、受け渡された前記入力結果に合うように、印加電圧指令Vhd、Vhq、及びパルス幅変調周波数指令fhを変更する。これにより、脈動電流印加手段10が与える印加電圧を外部から変更できる機能が実現できる。
また、電圧設定変更手段15が、制御装置1の内部で用いるPMモータ3の定数などの設定値を変更する機能を備える場合は、この設定値を用いて、脈動電流印加手段10自身が、印加電圧指令の設定を変更しても良い。例えば、設定値として、PMモータ3の定格電流値I0M、電力変換器2の直流電圧源23の電圧Vpn、パルス幅変調周波数f_PWM、PMモータ3のインダクタンス設定値LMであるとき、次の(6)式を利用する。
Figure 0004455981
ここで、dtを制御周期つまりパルス幅変調周期の半分、のn倍とし、dIをパルス電流の大きさと考えて定格電流値I0Mのk倍とすると、次式の関係を得る。
Figure 0004455981
式(7)によるVhは、印加電圧指令Vhd、Vhqがパルス幅変調周期の2n倍の周期のときに、脈動電流の大きさがk×I0Mとなる、印加電圧指令Vhd、Vhqの振幅の設定値である。制御系設定値が変更されたとき、本式に基づいてVhを再度算出する機能を有することで、例えばPMモータ3を変更した場合など、制御系設定値の変更が必要となった場合に、位置推定時の過大電流や過少電流の発生を抑止し、位置推定が正しく行える。また、Vhの算出結果がVpnの半分を超えると、印加電圧が指令値通りとならず、位置推定が正しく行えない可能性がある。このときは、本式に従ってf_PWMを下げるか、f_PWMに対する前記印加電圧の周期の倍数2nを増やしても良い。なお、制御系設定値のうち、PMモータ3のインダクタンス設定値LMについては、電圧設定変更手段15による変更に限らず、例えばPMモータ3の定数を自動調整する機能を有するときは、自動調整が行われた後で印加電圧指令Vhd、Vhqの設定を変更しても良い。
また、磁極位置推定手段12において、位置推定の演算で求めた式(2)の左辺|ΔIdcp’|―|ΔIdcn’|について、Vhq=0、Vhd=0の各々に対して求めた値の双方が、所定値より小さい場合がある。この場合には、永久磁石磁束φmの影響がdc軸電流Idcに充分現れていないために、軸誤差Δθの推定が適切に行えなかったと判定し、磁極位置推定演算手段12fは、電圧調整指令信号Ihsetを脈動電流印加手段10へ出力する。脈動電流印加手段10は、電圧調整指令信号Ihsetに応じて、次回から印加電圧指令Vhd、Vhqの振幅を所定の割合だけ増加させる。本構成により、軸誤差Δθの推定が適切に行われるように、印加電圧指令Vhd、Vhqを自動的に調節する機能を実現できる。
以上のように、設定値情報を変更し、又は調整する手段を持たせれば、例えばPMモータ3を変更したときにも、より好適な設定値情報になり、磁極位置を正しく推定できる。
また、磁極位置推定を行う際に、例えば制御装置1に異常があると、設定値情報を調整し、又は調整する手段が、制御装置1の異常を設定値情報が不適切と見なして、調整動作を続ける恐れがある。そこで、制御装置1の動作を次のようにする。
図9は、本発明の第1の実施形態におけるPMモータ駆動装置の処理フロー図を示す。制御装置1にシステムの起動指令が入力されると、まず制御装置起動時処理901が実行され、終了後に制御装置1はモータ運転開始指令判定処理902を実行し、モータ運転開始待ち状態となる。そして、モータ運転開始の指令が、制御装置1に入力されると、本実施形態の特徴であるシステム異常診断処理903を実施する。このシステム異常診断処理903では、電力変換器2の出力回路短絡や地絡、断線といった故障や、入力電圧の過大や過少等の異常状態、或いは制御装置1自身の故障等を検出する。前記システム異常診断処理903の終了後、システム異常状態判定処理904で、異常が検出された場合には、システム異常時処理905へ移行する。異常が検出されていなければ、初期磁極位置推定処理906として、前述した方法で軸誤差Δθの初期値を推定した後、モータの運転を開始する。
以上の動作フローで制御装置1を動作させれば、本発明による磁極位置推定方法の確度を上げることができる。
実施例2:
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態では、システムの全体構成図は図1に示す第1の実施形態と同一で、相出力電圧指令Vu、Vv、Vwの生成方法と、磁極位置推定手段12の動作が異なる。
図10は信号電圧指令をdc軸のみに与えた(Vhq=0)場合、図11は信号電圧指令をqc軸のみに与えた(Vhd=0)場合の、本実施形態での動作波形である。
図10(a)にVhdの波形を示す。図10(b)に示す三角波はパルス幅変調のための三角波キャリアで、ここではVhdは前記三角波キャリアの4倍の周期を持つ方形波とし、制御系の演算周期は前記三角波キャリアの周期の半分とする。このとき、Vhdをdq逆変換器8により2相3相変換した相電圧指令Vu、Vv、Vwが、図10(b)に示すように制御系演算1周期分として前記三角波キャリアの半周期分だけ遅れて生成される。
本実施形態では、相電圧指令Vu、Vv、Vwに基づいて、各相間の線間電圧は維持しつつ、負側に最も大きくなる相の電圧が電力変換器2の直流電圧源23の負側電圧となるように、新たな相電圧指令を作成する。すなわち、図10においては、実際にパルス幅変調を行う電圧指令として、新たなパルス幅変調の指令値Vu**、Vv**、Vw**を次式で求める。ここでVnは、直流電圧部の負側電圧である。
Vu**=Vu−{Vn−min(Vu,Vv,Vw)}…………(8−1)
Vv**=Vv−{Vn−min(Vu,Vv,Vw)}…………(8−2)
Vw**=Vw−{Vn−min(Vu,Vv,Vw)}…………(8−3)
図12は、本発明の第2の実施形態におけるPWM変調手段9の構成図である。
相電圧指令再設定手段91では、式(8−1)〜(8−3)により、新たなパルス幅変調の指令値Vu**、Vv**、Vw**を算出する。相出力電圧指令演算手段92は、図10(b−2)に示すように、新たなパルス幅変調の指令値Vu**、Vv**、Vw**に対して、前記三角波キャリアを基にパルス幅変調を行う。そして、同図(c)〜(e)に示す相出力電圧指令Vu、Vv、Vwを作成し、電力変換器2へ出力する。電力変換器2は、Vu、Vv、Vwとほぼ同期して各相電圧を出力する。このとき、PMモータ3に発生する脈動電流を相電流Iu、Iv、Iwは、夫々同図(f)〜(h)に、直流電流Ishの波形は同図(i)となる。
dq変換器5で用いる電流検出タイミング設定信号SAHは、相出力電圧指令演算手段92で生成した相出力電圧指令Vu、Vv、Vwから、図5に基づき、電流検出相情報を作成する。また、電流検出タイミングは、制御周期毎のdc軸電流Idcの変化量を求めるため、前記三角波キャリアのピーク、すなわち各制御周期の開始時と、その次の、電力変換器2の出力電圧が、ゼロベクトル、すなわち3相の出力電圧の極性が一致する状態に遷移するタイミングとする。後者のタイミングを選択したのは、電力変換器2の出力電圧が遷移する時点から最も離れており、電力変換器2の出力電圧の遷移時のスイッチングに伴うリンギング等の影響を受けずにIshを検出するに好適という理由である。前者のタイミングは、制御処理のし易さで選択したが、電流変化率の演算という観点では任意で良い。
本実施形態での直流電流Ishの電流検出タイミングを、図10(i)中に黒丸印でタイミングを示す。dq変換器5では、VhdとVhq及びPWM変調手段9が生成するSAHに基づき、同図(j)に示すdc軸電流Idcを求める。
次に、図13を用いて、電流検出値に基く磁極位置推定方法について述べる。
図13は、本実施形態での磁極位置推定手段12の内部構成を示すものである。本実施形態では、同一の制御周期内で、ΔIdcp1とΔIdcp2、或いはΔIdcn1とΔIdcn2を得る。従って、本実施形態では、図6の遅延器121、加算器122、絶対値演算器123に相当するものは存在しない。電流変化量演算手段125’は、dq変換器5で得たdc軸電流Idcを基に、図10(k)に示すΔIdcp1とΔIdcp2、或いはΔIdcn1とΔIdcn2から、式(1)のΔIdcp’又はΔIdcn’を得る。電流極性演算器124に於ける電流極性信号Spの作成は、第1の実施形態と同様である。また、磁極位置推定演算手段126’による磁極位置推定演算式は、第1の実施形態における磁極位置推定演算手段126と同様であり、dc軸方向に対する軸誤差Δθを得る。
また、Vhd=0では、図11に示すように、相電圧指令Vu、Vv、Vw、相出力電圧指令Vu、Vv、Vw、相電流Iu、Iv、Iwが得られ、SAHに基づき、図11(j)に示すqc軸電流Iqcを求める。磁極位置推定手段12では、前記qc軸電流Iqcを入力値Idcとして扱い、Vhq=0の場合と同様の演算を行うと、qc軸方向に対して軸誤差Δθを得る。
図14は第1の実施形態での相出力電圧指令Vu、Vv、VwとPMモータ3の中性点電位波形図、図15は第2の実施形態での相出力電圧指令Vu、Vv、VwとPMモータ3の中性点電位波形図である。Vu、Vv、Vwに対し、PMモータ3の中性点電位は、直流電圧源23の電圧Vpnの3分の1の振れ幅で変化する。したがって、実施形態1の動作では、PMモータ3の中性点電位は、直流電圧源23の電圧Vpnの振れ幅で変化するのに対し、本実施形態では、前記PMモータ3の中性点電位は、直流電圧源23の電圧Vpnの3分の2の振れ幅で変化する。PMモータ3の中性点電位の変化が大きいと、電磁ノイズも増加するので、本実施形態は第2の実施形態と比較して電磁ノイズが軽減される。
本実施形態のように、相電圧出力を変更することで、第1の実施形態と同等の位置推定を行いつつ、電力変換器2の主回路部21の動作回数を抑え、更に中性点電位の変動幅が抑制されるため、電磁ノイズが大きく低減される。なお、本実施形態では相出力電圧が直流電圧源23の負側電位を基準に動作した場合を示したが、相出力電圧指令Vu、Vv、Vwが直流電圧源23の正側電位を基準に動作した場合も、同様の効果が得られる。
実施例3:
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。システム構成は図1に示した第1の実施形態と同一であるが、相出力電圧指令Vu、Vv、Vwの生成方法と、磁極位置推定手段12の動作が異なる。
図16は、信号電圧指令をdc軸のみに与えた(Vhq=0)場合、図17は信号電圧指令をqc軸のみに与えた(Vhd=0)場合の本実施形態での動作波形である。
本実施形態では、相電圧指令Vu、Vv、Vwに基づいて、線間電圧が最大となる2相間での電圧変化が、直流電圧源23の電圧と等しくなるように、パルス幅変調周波数f_PWMを変更する。更に、線間電圧が最大となる2相間での相電圧指令の変化幅が直流電圧源23の電圧と等しくなるように、相電圧指令を作成する。すなわち、図16においては、UV間電圧VuーVvとUW間電圧VuーVwが等しく、VW間電圧VvーVwはゼロである。他方、出力可能な最大電圧は、線間電圧が直流電圧源23の電圧Vpnと等しいときである。従って、次式を満たすfh_maxを新たな脈動電圧印加指令の周波数とし、fh_maxをf_PWMに対する印加電圧の周期の倍数2nした値を、新たにf_PWMとして設定すればよい。
(Vu−Vv)×fh=Vpn×fh_max…………………………(9)
また、電圧指令値については、新たなパルス幅変調の指令値Vu**、Vv**、Vw**を次式から求める。
Vu**=Vpn×sin(Vu)………………………………………(10−1)
Vv**=Vpn×sin(Vv)………………………………………(10−2)
Vw**=Vpn×sin(Vw)(=Vv**)……………………(10−3)
図18は、本実施形態でのPWM変調手段9の構成図である。まず、変調周波数設定手段93が、式(9)に基づいて、新たなパルス幅変調周波数指令fh**を算出し、相電圧指令再設定手段91では、このfh**と式(10−1)〜(10−3)により、新たなパルス幅変調の指令値Vu**、Vv**、Vw**を算出する。そして、相出力電圧指令演算手段92は、図16(b−2)に示すように、新たなパルス幅変調の指令値Vu**、Vv**、Vw**に対して、三角波キャリアを基にパルス幅変調を行う。これに基き、同図(c)〜(e)に示すように、相出力電圧指令Vu、Vv、Vwを作成し、電力変換器2へ出力する。電力変換器2は、Vu、Vv、Vwとほぼ同期して各相電圧を出力する。このとき、PMモータ3に発生する脈動電流は、その相電流Iu、Iv、Iwを夫々同図(f)〜(h)に示し、直流電流Ishの波形を同図(i)に示す。
dq変換器5で用いる電流検出タイミング設定信号SAHは、相出力電圧指令演算手段92で生成した相出力電圧指令Vu、Vv、Vwから、図5に基づき電流検出相情報を作成する。また、電流検出タイミングは、三角波キャリアのピーク、すなわち各制御周期の開始時とする。このとき、相出力電圧指令Vu、Vv、Vwのスイッチング状態が変化するタイミングは、三角波キャリアのピーク時と一致する。従って、Ishから相電流Iu、Iv、Iwを検出するには、三角波キャリアのピークの直前に、図5の直流電流情報に基づいてサンプリングを行えばよい。
本実施形態での、直流電流Ishの電流検出タイミングを、図16(i)中に黒丸印で示す。dq変換器5は、VhdとVhq及びPWM変調手段9が生成するSAHに基づき、同図(j)に示すdc軸電流Idcを求める。そして、直流電流Ishを検出後の、磁極位置推定の演算処理は、第1の実施形態と同様に行えば良く、演算の過程を図16(j)から同図(m)に示すようにして磁極位置推定を実現する。
また、図17に示したVhd=0の場合、新たなパルス幅変調の指令値Vu**、Vv**、Vw**の算出式が変わる他は、Vhd=0のときと同様の処理となる。新たなパルス幅変調の指令値Vu**、Vv**、Vw**の算出は、次の通りである。処理線間電圧の中では、VW間電圧Vv−Vwが最大で、UV間電圧Vu−VvとUW間電圧Vu−Vwは、振幅がVw間電圧の半分の振幅で、互いに符号は反対となる。従って、式(11)を満たすfh_maxを新たな脈動電圧印加指令の周波数とし、fh_maxをf_PWMに対する印加電圧の周期の2n倍した値を、新たにf_PWMとして設定する。また、新たなパルス幅変調の指令値Vu**、Vv**、Vw**は、式(12)から求めれば良い。
(Vv−Vw)×fh=Vpn×fh_max………………………(11)
Vu**=Vpn×sin(Vu)(=0)……………………………(12−1)
Vv**=Vpn×sin(Vv) ……………………………………(12−2)
Vw**=Vpn×sin(Vw)(=−Vv**)…………………(12−3)
そして、直流電流IshとSAHに基づき、図17(j)に示すqc軸電流Iqcを求める。磁極位置推定手段12では、前記qc軸電流Iqcを入力値Idcとして扱い、Vhq=0の場合と同様の演算を行うと、qc軸方向に対して、軸誤差Δθが得られる。
図19は、本発明の第3の実施形態における相出力電圧指令Vu、Vv、Vwと、PMモータ3の中性点電位の動きを示す。各相出力電圧に対し、PMモータ3の中性点電位は、直流電圧源23の電圧Vpnの3分の2の振れ幅で変化する。この中性点電位の変化が大きいと、放射ノイズも大きくなるので、本実施形態は実施形態1と比較して、電磁ノイズを軽減できる。
本実施形態のように、相電圧出力を変更すると、第1の実施形態と同等の位置推定を行いつつ、電力変換器2の主回路部21の動作回数が抑制され、電磁ノイズが低減される。また、パルス幅変調周波数を高くすることで、位置推定に要する時間が短縮される。
実施例4:
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。システム構成は図1に示した第1の実施形態と同一であり、相出力電圧指令Vu、Vv、Vwの生成方法と、磁極位置推定手段12の動作が異なる。
図20は、前記信号電圧指令をdc軸のみに与えた(Vhq=0)場合、図21は前記信号電圧指令をqc軸のみに与えた(Vhd=0)場合の、本実施形態での動作波形である。本実施形態では、磁極位置推定動作は、図20と図21に示すように2つのフェーズに分けて実施し、印加電圧指令Vhd、Vhqは、それぞれの振幅が異なる2つの方形波電圧が順次与えられる。すなわち、図20(b)に示すように、信号電圧指令をdc軸に与える場合、Vhdの振幅はフェーズd1でVhd1’、フェーズd2でVhd2’とする。また、図20(b)に示すように、信号電圧指令をqc軸に与える場合、Vhqの振幅はフェーズq1でVhq1’、フェーズq2でVhq2’とし、周期は、何れの場合も前記三角波キャリアの周期の2倍とする。以下、Vhq=0の場合で説明する。本実施形態では、各々のフェーズ毎に、dc軸電流Idcの演算を行う。
dq変換器5で用いる電流検出タイミング設定信号SAHは第1の実施形態と同様に、PWM変調手段9で相出力電圧指令Vu、Vv、Vwから、図5に基づき、電流検出相情報を作成し、電流検出タイミングは電力変換器2の出力電圧がゼロベクトルに遷移するときとする。このときの電流検出タイミングは、図20(i)に黒丸印で示す。このとき、前記フェーズd1ではΔIdcp1及びΔIdcn1が、前記フェーズd2ではΔIdcp2及びΔIdcn2が、夫々得られる。
図22は、この実施形態における電流検出値に基く磁極位置推定手段12の具体的機能ブロック図である。本実施形態では、遅延器121、加算器122、絶対値演算器123の各々の動作は第1の実施形態と同様である。また、電流極性演算器124において、電流極性信号Spは図20(l)に示すように、Vhdに対して制御周期1周期分遅らせた上で、極性を反転して生成する。本実施形態では、各々のフェーズで絶対値|ΔIdc|に電流極性信号Spを乗じた結果には、|ΔIdcp’|及び|ΔIdcn’|の情報は含まれない。代わりに、各フェーズに於けるdc軸電流Idcの変化量であるΔIdcp1、ΔIdcn1、ΔIdcp2、ΔIdcn2が判る。そこで、電流変化量演算手段12e’’は、前記絶対値|ΔIdc|に前記電流極性信号Spを乗じた結果として、前記フェーズd1でΔIdcp1及びΔIdcn1を、前記フェーズd2でΔIdcp2及びΔIdcn2を、夫々求め、磁極位置推定手段126’’へ与える。磁極位置推定手段126’’では、前記フェーズd1と前記フェーズd2の両方が終了した後で、前記|ΔIdcp’|及び|ΔIdcn’|を求め、磁極位置を推定する。
本実施形態では、Vhd1’、Vhd2’を独立で設定できる。したがって、dc軸電流Idcのピーク値ΔIdcp2とΔIdcn2を変えずに、ΔIdcp1とΔIdcn1を、固定子構造等のインダクタンス変化を受けないよう設定して、dc軸電流Idcを増すことなく、軸誤差Δθの推定精度を高めることができる。また、ΔIdcp1、ΔIdcn1は前記フェーズd1の、ΔIdcp2、ΔIdcn2は前記フェーズd2の、それぞれにおける、前記dc軸電流Idcの正側と負側のピーク値と等しい。従って、一階差分値の演算を行わずに、夫々のフェーズにおける正側と負側の検出値をΔIdcp1、ΔIdcn1、ΔIdcp2、ΔIdcn2として、式(1)よりΔIdcp’とΔIdcn’を求めることもでき、この場合は演算処理の簡略化が図れる。
Vhd=0の場合は、Vhd1’をVhq1’に、Vhd2’をVhq2’に、夫々置き換えて、後はVhq=0のときと同様の動作になる。図20(i)に示すqc軸電流Iqcを求め、磁極位置推定手段12では、前記qc軸電流Iqcを入力値Idcとして扱い、Vhq=0の場合と同様の演算を行う。すなわち、前記フェーズq1でΔIqcp1及びΔIqcn1を、前記フェーズq2でΔIqcp2及びΔIqcn2を夫々求めれば、qc軸方向に対して±π/2以内の範囲で、軸誤差Δθを得られる。従って、第1の実施形態と同様に、直交する2方向であるdc軸とqc軸の組合せで、軸誤差Δθを推定可能となる。
また、本実施形態に、印加電圧指令Vhd、Vhq及びその周波数指令fhに対して、第2の実施形態あるいは第3の実施形態と同様の変更を適用すると、各々の実施形態での効果も発揮され、電磁ノイズの低減や、第3の実施形態では位置推定に要する時間の短縮が可能となる。
なお、第1から第3の実施形態では、dcqc軸上の信号電圧指令Vhd、Vhqの周期は何れも三角波キャリア周期の4倍とした。この場合、磁気飽和によるインダクタンス変化がなければ、ΔIdcp1及びΔIdcn1の大きさが、ΔIdcp2及びΔIdcn2の大きさのほぼ半分に限られる。ΔIdcp1及びΔIdcn1の大きさと、ΔIdcp2及びΔIdcn2の大きさを独立に選ぶには、信号電圧指令Vhd、Vhqを、次のようにすればよい。まず、信号電圧指令Vhd、Vhqの周期は、三角波キャリア周期の2n倍(nは2以上の整数)であれば、任意でよい。このとき、信号電圧指令Vhd、Vhqの1周期当りでIshは8n回以上検出できる。ΔIdcp1及びΔIdcn1、ΔIdcp2及びΔIdcn2の、各々を得るタイミングを信号電圧指令Vhd、Vhqを基に、電流変化量演算手段で、選択すればよい。或いは、信号電圧指令Vhd、Vhqは制御周期毎に振幅を変化させる階段波でもよい。この場合、ΔIdcp1及びΔIdcn1、ΔIdcp2及びΔIdcn2は、信号電圧指令Vhd、Vhqの制御周期毎の振幅で、独立に変えることができる。
また、本発明の実施形態では、パルス幅変調の方式を単一の三角波キャリアと比較する方式としたが、パルス幅変調の方式には限定されない。また脈動電流を発生するために電圧を印加する位相は、初期状態でのdc軸位置を変えればPMモータ3の任意位相に対して処理を適用できるので、上記の説明で記した位相には限定されず適用可能である。
このようにして、本発明の実施形態のPMモータの駆動装置によれば、PMモータに電圧を印加し、それに伴い発生する電流脈動成分の正負側の異なる2以上の電流値から演算される電流変化率に基づき、PMモータ内部の磁極位置を推定できる。
また、PMモータの磁気飽和による脈動成分の変化を利用し、更にこの脈動成分のうち、PMモータの構造に依存して発生する成分を取り除けるので、PMモータの構造によらず適用でき、脈動電流の振幅を増やさずに、磁極位置の推定精度を高められる。
また、前記電圧変化について、外部からの設定機能や、制御装置内部での自動調整機能を持つことで、PMモータが変更された場合にも磁極位置を検出でき、制御装置に異常検出機能を持たせることで、自動調整機能を含めた磁極位置推定動作の誤動作を防止できる。
本発明の第1の実施形態による同期電動機駆動システムの制御ブロック図。 本発明の原理を説明する同期電動機の磁石磁束と発生電流との関係を、磁極軸と推定軸が一致するときの磁気飽和と電流リプルの関係として示す図。 本発明の第1の実施形態の磁極位置推定においてdc軸に電圧を印加した場合の各部の動作波形図。 同じく第1の実施形態でqc軸に電圧を印加した場合の各部動作波形図。 電力変換器の出力電圧と直流抵抗に流れる相電流の関係を示す図。 本発明の第1の実施形態による磁極位置推定手段の機能ブロック図。 本発明の第1の実施形態の変形例における制御装置の各部の動作波形図。 同じく他の変形例における制御装置の各部の動作波形図。 本発明の第1の実施形態における同期電動機駆動装置の処理フロー図。 本発明の第2の実施形態の磁極位置推定においてdc軸に電圧を印加した場合の各部の動作波形図。 同じく第2の実施形態でqc軸に電圧を印加した場合の各部動作波形図。 本発明の第2の実施形態におけるPWM変調手段の機能ブロック図。 本発明の第2の実施形態における磁極位置推定手段の機能ブロック図。 本発明の第1の実施形態における電動機の中性点電位を示す波形図。 本発明の第2の実施形態における電動機の中性点電位を示す波形図。 本発明の第3の実施形態の磁極位置推定においてdc軸に電圧を印加した場合の各部の動作波形図。 同じく第3の実施形態でqc軸に電圧を印加した場合の各部動作波形図。 本発明の第3の実施形態におけるPWM変調手段の機能ブロック図。 本発明の第3の実施形態における電動機の中性点電位を示す波形図。 本発明の第4の実施形態の磁極位置推定においてdc軸に電圧を印加した場合の各部の動作波形図。 同じく第4の実施形態でqc軸に電圧を印加した場合の各部動作波形図。 本発明の第4の実施形態による磁極位置推定手段の機能ブロック図。
符号の説明
1…制御装置、2…電力変換器、3…同期電動機(PMモータ)、4…電流検出手段、5…dq変換器、6…ベクトル制御手段、7…積分器、8…dq逆変換器、9…PWM変調手段、91…相電圧指令再設定手段、92…相出力電圧指令演算手段、93…変調周波数指令設定手段、10…脈動電流印加手段、12…磁極位置推定手段、121…遅延器、122…加算器、123…絶対値演算器、124…電流極性演算器、125,125’,125’’…電流変化量演算手段、126,126’,126’’…磁極位置推定演算手段、13…速度補正手段、15…電圧設定変更手段、21…主回路部、22…直流抵抗、23…直流電圧源。

Claims (8)

  1. 同期電動機と、この同期電動機に可変電圧・可変周波数の交流を供給する電力変換器と、前記同期電動機に前記電力変換器を通して電圧を印加し脈動電流を流す脈動電流印加手段と、この脈動電流印加時に前記電力変換器に流れる直流電流を検出する手段と、この直流電流検出結果に基づき前記同期電動機の磁極位置を推定する磁極位置推定手段とを備えた同期電動機の駆動装置において、
    前記脈動電流印加手段は、振幅が異なる少なくとも2つ以上の方形波電圧を前記電力変換器に順次発生させ、
    前記磁極位置推定手段は、前記振幅が異なる少なくとも2つの方形波電圧による脈動電流の正側および負側における前記直流電流を順次検出し、前記少なくとも2つの方形波電圧による脈動電流の正側の電流検出値に基づいて第一の電流変化量を求め、且つ、前記少なくとも2つの方形波電圧による脈動電流の負側の電流検出値に基づいて第二の電流変化量を求め、
    前記第一の電流変化量と前記第二の電流変化量に基いて前記同期電動機の磁極位置を推定するように構成したことを特徴とする同期電動機の駆動装置。
  2. 請求項1において、前記脈動電流印加手段は、夫々の振幅が異なる少なくとも2つ以上の前記方形波電圧を、電動機制御装置の推定磁束軸であるdc軸及びこのdc軸に直交するqc軸の2方向の各々に所定期間づつ印加するように構成したことを特徴とする同期電動機の駆動装置。
  3. 請求項1において、前記脈動電流印加手段は、前記電力変換器のパルス幅変調により前記同期電動機に方形波電圧を印加し、そのパルス幅変調のキャリアの毎半周期の間、三相の出力電圧のうち少なくとも一相の出力電圧を正(最大値)又は負(最小値)に保持するように構成したことを特徴とする同期電動機の駆動装置。
  4. 請求項1において、前記脈動電流印加手段は、前記電力変換器のパルス幅変調により前記同期電動機に方形波電圧を印加し、そのパルス幅変調の一周期の間、三相の出力電圧のうち少なくとも一相の出力電圧を正(最大値)に保持し、残りの少なくとも一相の出力電圧を負(最小値)に保持するように構成したことを特徴とする同期電動機の駆動装置。
  5. 請求項1において、前記電流検出手段は、前記電力変換器の三相の出力電圧が、全て正(最大値)又は全て負(最小値)となる状態へ遷移するタイミングに近接して直流電流を検出するように構成したことを特徴とする同期電動機の駆動装置。
  6. 請求項1において、前記電流検出手段は、前記電力変換器の三相の出力電圧が、全て正(最大値)又は全て負(最小値)となる状態から、少なくとも一相の出力電圧が変化するタイミングに近接して直流電流を検出するように構成したことを特徴とする同期電動機の駆動装置。
  7. 請求項1において、前記脈動電流印加手段の印加電圧指令の振幅を設定し、又は変更するための電圧指令設定変更手段を備えたことを特徴とする同期電動機の駆動装置。
  8. 請求項1において、前記電力変換器及びその制御装置の異常を検知する異常検知手段を備え、前記同期電動機の磁極位置を推定する手段は、前記異常検知手段の検知処理を行った後で動作するように構成したことを特徴とする同期電動機の駆動装置。
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