JP2007282319A - 同期モータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】演算負担増大を抑止しつつ円滑な他制制御から自制制御への切り換えを実現すること。
【解決手段】電機子電流ベクトルのγ軸電流成分であるγ軸電流Iγの大きさ、又は、電機子電流ベクトルのγ軸に対する位相角に基づいて他制制御部から自制制御への切り換えを行う。
【選択図】図8

Description

本発明は、同期モータ制御装置に関し、詳しくは検出したモータ電気量に基づいて磁極位置をセンサレスに推定し、推定した磁極位置に基づいて同期モータの他制制御から自制制御へ切り換えを行う同期モータ制御装置に関する。
従来の同期モータの制御方法として自制制御法と他制制御法とが知られている。
他制制御法は、磁極位置に拘わらず周期電圧をフィードフォワードで印加するオープン制御法である。この方法はたとえば下記の特許文献1に記載されるV/F一定制御に代表される。この他制制御法では磁極位置推定を行わないため制御構成は単純なものとなるが、急峻な負荷変動で振動や脱調が生じる可能性が高くなる。
自制制御法は、検出したモータ電気量に基づいてモータ誘起電圧を演算し、このモータ誘起電圧に基づいて磁極位置をセンサレスに推定し、推定した磁極位置に基づいてモータ制御を行う制御法である。たとえば下記の非特許文献1は、同期モータモデル(電圧・電流方程式)に基づいて磁極位置を決定することを提案している。しかし、この方法では、モータ停止時や極低速度域においても必要精度の情報が得られないという問題があった。
この低速時の磁極位置推定精度の低下問題に対応するために、他制制御と自制制御との切り換えを行う技術が種々提案されている。たとえば本出願人の出願になる下記の特許文献2は、他制制御時に印加電圧と検出した誘起電圧の位相差がゼロになった時点で自制制御へ移行する同期モータの制御装置を提案している。しかし、この特許文献3の自制制御・他制制御の切り換え方法は、誘起電圧検出回路として位置検出回路を設ける必要があり、更に正弦波駆動を前提とした制御方法には直接適用できないという問題があった。
特開2000−236694号公報 特開平9−131091号公報 「突極型ブラシレスDCモータのセンサレス制御のための拡張誘起電圧オブザーバ」平成11年電気学会全国大会4-480〜4-481
また、上記した自制制御・他制制御の切り換えに際して、電機子電流の振幅減少などに基づいて同期状態が良好になったことを推定して自制制御に切り換えることも考えられる。しかしながら、電機子電流の振幅は、要求されるトルク指令値や、回転数に相関をもつ電機子巻線の逆起電圧などの影響を受けるため、同期状態の判定精度に問題があり、しかも演算が複雑となるという問題があった。
本発明は従来の同期モータの自制制御・他制制御の切り換えにおける上記問題点に鑑みなされたものであり、位置検出回路を別設することなくかつ演算の複雑化を抑止しつつ他制制御から自制制御へ円滑に移行可能な同期モータの制御方法を提供することをその目的としている。
下記に記載されて各発明の構成要素としての各回路は、ハードエア回路で構成される以外に、マイコンのソフトウエア演算により構成され得ることはもちろんである。また、本発明は、好適には磁石ロータを有するたとえば埋め込み磁石型同期モータ(IPM)に適用されるがその他の種々の形式の同期モータへの適用を禁止するものではない。
上記課題を解決する各発明のモータ制御装置は、検出した同期モータの電機子電圧及び電機子電流と前記同期モータのモータモデル式とにより磁極位置を演算する磁極位置演算回路と、少なくとも起動後、前記同期モータの磁極位置に拘わらず前記印加電圧を制御する他制制御を行う他制制御回路と、演算した前記磁極位置に基づき前記印加電圧を制御する自制制御を行う自制制御回路と、前記他制制御から前記自制制御への切り換えを行う運転モード切り換え回路とを備える同期モータ制御装置に適用される。
すなわち、この発明のモータ制御装置は、ロータ回転角を検出するセンサを用いないセンサレス同期モータ制御における自制制御から他制制御への切り換えに適用される。
なお、以下の説明において、d軸はロータの磁極の真の方向を意味するものとし、その正方向はロータの真のN極の向きを、その負方向はロータの真のS極の向きを示すものとする。また、γ軸はロータの磁極の演算した方向を意味するものとし、その正方向はロータの演算したN極の向きを、その負方向はロータの演算したS極の向きを示すものとする。δ軸はγ軸と直交する方向を意味する。当然、γδ軸回転座標系は、通常のdq軸回転座標系に対して所定角度ずれている。
第1発明は特に、同期モータの演算磁極位置の方向であるγ軸における電機子電流の成分であるγ軸電流Iγ(γ軸電流Iγに実質的に相当する電気量でもよい)を算出し、このγ軸電流成分Iγが所定電流値以下である場合に自制制御から他制制御への切り換えを行うことを特徴としている。このようにすれば、センサレス同期モータ制御における自制制御から他制制御への切り換えに際して演算負担の増大を抑止しつつ、円滑な運転モードの移行を実現することができる。
好適にはしきい値としての上記所定電流値としては、0又は絶対値が所定未満の負値が採用される。この負値の大きさとしては、たとえば電機子電流の定格最大絶対値の20%以下の大きさが好適である。
好適な態様において、前記所定電流値は前記所定電流値は0Aに設定される。
好適な態様において、前記運転モード切り換え回路は、前記同期モータの回転数が所定回転数値以上であるとみなすことができ、かつ、前記γ軸電流成分Iγが前記所定電流値以下である場合に前記他制制御から自制制御への切り換えを行う。この態様によれば、γ軸電流の大きさと推定速度のみを移行判定条件とするため演算を簡素化することができるとともに、演算精度に問題がある低速状態での自制制御への移行を禁止するため切り換え時のトルク脈動を低減できる。
第2発明は特に、前記同期モータの前記演算した磁極位置の方向であるγ軸とこのγ軸と直交する方向であるδ軸とで規定される回転座標系における前記電機子電流のベクトルと前記γ軸との間の角度である位相角θiを演算するγ軸位相角演算回路を有し、前記運転モード切り換え回路は、前記位相角θiが所定角度範囲内かどうかを判定し、範囲内である場合に前記他制制御から自制制御への切り換えを行うことを特徴としている。このようにすれば、センサレス同期モータ制御における他制制御から自制制御への切り換えに際して演算負担の増大を抑止しつつ、円滑な運転モードの移行を実現することができる。
好適な態様において、前記所定角度範囲は、電気角π/2〜3π/2に設定される。
好適な態様において、前記運転モード切り換え回路は、前記同期モータの回転数が所定回転数値以上であるとみなすことができ、かつ、前記位相角θiが前記所定角度範囲内である場合に前記他制制御から自制制御への切り換えを行う。この態様によれば、γ軸電流の位相角と推定速度のみを移行判定条件とするため演算を簡素化することができるとともに、演算精度に問題がある低速状態での自制制御への移行を禁止するため切り換え時のトルク脈動を低減できる。
好適な態様において、前記所定回転数値は、基底回転数の5 〜100%に設定される。
好適な態様において、前記運転モード切り換え回路は、前記同期モータの起動後の経過時間が所定時間に達した場合に前記同期モータの回転数が前記所定回転数値に達したとみなす。反対に言えば、起動後の所定時間は、まだ電機子電流ベクトルによる回転磁界とロータの磁極位置との位相関係がまだ好適な状態に安定化していない可能性があるものとして自制制御を禁止する。これにより、運転モード切り換え回路を簡素化することができる。
好適な態様において、前記他制制御回路は、前記電機子電流の波高値を次第に低減させる。これにより、前記電流ベクトル位相を電気角π/2〜3π/2の範囲に動かすことができる。
好適な態様において、前記モデル式は、下記数1
Figure 2007282319
により示される。
これにより、演算負担の増大を抑止しつつ精度の高いモータモデルを表現、演算することができる。
好適な態様において、前記前記モデル式は、下記数2
Figure 2007282319
により示される。
これにより、演算負担の増大を抑止しつつ精度の高いモータモデルを表現、演算することができる。
第3発明は特に、検出した同期モータの電機子電流をdq軸回転座標変換を行ってd軸電流idの検出値とq軸電流iqの検出値とを演算する検出電機子電流座標変換手段を有し、前記運転モード切り換え回路は、演算した前記d軸電流idの検出値の大きさ及び磁極位置基準の位相角の少なくとも一方に実質的に相当する電気量が起動後、所定のしきい値以下になった場合に前記他制制御から自制制御への切り換えを行うことを特徴としている。なお、ここで言う「演算したd軸電流idの検出値の振幅に実質的に相当する」電気量とは「演算したd軸電流idの検出値の振幅の−90%〜+110%」の値を言い、ここで言う「演算したd軸電流idの位相角(磁極位置基準)に実質的に相当する」電気量とは「演算したd軸電流idの位相角(磁極位置基準)値の−90%〜+110%」の値を言うものとする。
すなわち、この発明は、同期モータのベクトル制御にて通常に行われる三相電機子電流のdq軸回転座標系への座標系変換により得られたd軸電流idの検出値の振幅又は位相角を利用して他制制御から自制制御への切り換えを行うため、ほとんど演算負担の増加を抑止しつつ切り換え処理を実現でき、しかも切り換えを好適に行うことができるという優れた効果を奏する。
なお、上記座標変換演算により得られたd軸電流idの検出値の大きさは実質的に上記γ軸電流Iγ(の振幅)に相当し、上記座標変換演算により得られたd軸電流idの検出値の大きさは実質的に上記γ軸電流Iγの大きさに相当し、上記座標変換演算により得られたd軸電流idの検出値の磁極位置基準の位相角は実質的に上記γ軸電流Iγの磁極位置基準の位相角に相当することに留意されたい。
以下、本発明の好適な実施形態を以下に説明する。なお、本発明は、下記の実施形態に限定解釈されるべきものではなく、本発明の技術思想に他の技術を追加したり、本発明の技術思想を他の技術の組み合わせで構成しても良い。なお、以下の説明において、「演算」という用語の代わりに「推定」という用語を用いる場合もあるものとする。
本発明をIPMに適用した実施形態を具体的に説明する。ただし、IPM(埋め込み磁石型同期モータ)の構造、基本的なベクトル制御(自制制御)及び他制制御自体は周知事項であるため、説明を省略する。
(実施形態1)
実施形態1のモータ制御における制御モード切り換えについて図面を参照して以下に説明する。
(基本説明)
まず、同期機における電流位相とトルクとの関係を図1に模式図示する。周知のように、IPMでは、磁石磁束と電機子電流ベクトルとの位相関係に基づく磁石トルクの他に、d軸電流idとq軸電流iqとd軸インダクタンスLdとq軸インダクタンスLqとの関係に基づくリラクタンストルクが発生する。
図1から、ロータのN極を基準とする回転座標系上にて、電気角(0〜π/2)の第1象限では磁石トルクが正値でリラクタンストルクが負値となって打ち消し合う状態(電動時減磁状態と言う)となり、電気角(π/2〜π)の第2象限では磁石トルクとリラクタンストルクとがそれぞれ正値となって合計電動トルクが増大する状態(電動時増磁状態と言う)となり、電気角(πから3π/2)の第3象限では磁石トルクとリラクタンストルクとがそれぞれ負値となって合計発電トルクが増大する状態(発電時増磁状態とい言う)となり、電気角(3π/2〜0)の第4象限では磁石トルクが負値でリラクタンストルクが正値となって打ち消し合う状態(発電時減磁状態と言う)となることがわかる。
電動時減磁状態は、高速回転時などにおいて、電機子コイルが誘起する逆起電力が大きくなって必要な電流を電機子電圧が流せない場合などに用いられる。言い換えると、磁石トルクは磁石磁束とq軸電流iqとに大きな相関をもち、d軸電流idは磁石トルクを発生しない。高速回転時にはこのd軸電流idを増大することにより電機子電流ベクトルと磁極との位相角を小さくしてトルクを低減する。このことは、起動後の非高速状態(起動直後の低速状態を含まない)では、d軸電流idは大きく流す必要が無いこと、更にもしもリラクタンストルクを必要としないのであればたとえばd軸電流idが0の状態でまったく差し支えないことがわかる。つまり、磁石トルクもリラクタンストルクもそれぞれ電動トルクとなる第2象限に電機子電流ベクトルが移動すれば他制制御から自制制御に切り換えて問題ないことが理解される。
d軸電流idはdq軸回転座標系(N極基準)上における電機子電流ベクトルのd軸電流成分であるから、電機子電流ベクトルが第1象限から第2象限へ移行するということは、d軸電流idが正値から負値に変化することを意味する。このことはd軸電流idが正か負かを判定すればよいことがわかる。発電時も上記と本質的に同じである。なお、電機子電流ベクトルが第1象限から第2象限へ移行するということは、電機子電流ベクトルのd軸に対する位相角(N極基準)がπ/2〜3π/2にあるかどうかを見ればよいことを意味する。
つまり、電機子電流ベクトルのd軸電流成分であるd軸電流idの大きさ(特に正負)や電機子電流ベクトルのd軸に対する(ロータのN極に対する)位相角は、上記した自制制御から他制制御への切り換えのための現在所属象限の判定に非常に好適であることがわかる。
ただし、電機子電流ベクトルのd軸電流成分や電機子電流ベクトルのd軸に対する位相角は演算遅延などに起因して正確には観測困難である。そこで、本発明では、モータ制御系が演算により推定したロータのN極の方向をγ軸として指定し、このγ軸と直交する軸をδ軸として指定し、このγδ軸回転座標系における電機子電流ベクトルのγ軸成分をγ軸電流Iγとして演算(推定)し、その大きさにより象限判定を行って他制制御から自制制御へ切り換える。又は、電機子電流ベクトルのγ軸に対する位相角θiの大きさにより象限判定を行って他制制御から自制制御へ切り換える。図2にγδ軸回転座標系上における電機子電流ベクトルIとγ軸電流Iγと位相角θiとの関係を示し、図3にαβ軸静止直交座標系とdq軸回転座標系とγδ軸回転座標系との関係を示す。θreはα軸に対する真のN極(d軸)の位相角(磁極位置)であり、θre’はα軸に対する演算(推定)したN極(d軸)の位相角(磁極位置)である。
つまり、電動モードであれ発電モードであれγ軸電流Iγが0以下(電機子電流ベクトルのγ軸に対する位相角θiがπ/2〜3π/2に相当)であれば、運転に好適な位相に電機子電流状態が制御されているため、他制制御から自制制御に切り換えても急激に電機子電流の大きさが変化したり、モータのトルク状態の変動が生じたりすることがない。また、電機子電流ベクトルのγ軸成分であるγ軸電流Iγの算出は、トルク指令値などのパラメータによる変動が大きくかつ算出も面倒なq軸電流iqやそれを含んだ合成電機子電流の振幅(q軸電流iqとd軸電流idとの二乗平均値)の算出などに比較して、演算負担が少なく、かつ、リラクタンストルクの状態検出に好適であり切り換え精度の向上にも有益である。
(回路説明)
この実施形態のモータ制御と運転モード切り換え制御を更に具体的に説明する。この実施例のモータ制御装置のブロック回路図を図4に示す。ただし、図示及びその説明を必要としない回路部分は図示及びその説明を省略する。
図4において、1は三相IPMである同期モータ、2はモータ制御装置である。モータ制御装置2は、位置・速度推定部(磁極位置演算回路)21、他制制御部(他制制御回路)22、自制制御部(自制制御回路)23、切り換えスイッチ(運転モード切り換え回路)24、PWM信号発生部25、PWMインバータ26及び移行判定部(運転モード切り換え回路)27を有している。28は同期モータ1の相電流を検出する電流センサである。ただし、この実施例では、位置・速度推定部21、他制制御部22、自制制御部23、切り換えスイッチ24、移行判定部27は、実際にはマイクロコンピュータのソフトウエア演算による実現される。
位置・速度推定部21は、まず同期モータに印加される三相交流電圧Vと検出した三相交流電流iとを静止直交座標系上の値に座標変換した後、下記の数1で定義されるモータモデル式及び数1、数3、数4で定義されるロータの磁極位置及び角速度の演算式を用い、図5に示す位相補正を行うことによりロータの推定位置θre’と推定速度ωre’とを演算(推定)する。なお、数1において、Lは電機子コイルの自己インダクタンスであり、推定速度ωre’は角速度である。位置・速度推定部21の上記演算処理自体は本発明の要旨ではないため、これ以上の説明は省略する。
Figure 2007282319
Figure 2007282319
Figure 2007282319
なお、モータモデル式としては、数1の代わりに、数2の式を用いてもよい。
Figure 2007282319
他制制御部22は、入力される速度指令値と電流指令値(ピーク値)と、検出した三相交流電流iのピーク値とに基づいて図6のブロック図で示される演算を行って他制制御用の三相電圧指令Vopenを形成し、出力する。他制制御部22の上記演算処理自体は本発明の要旨ではないため、これ以上の説明は省略する。
自制制御部23は、入力される速度指令値と、既に求めた推定速度ωre'及び推定位置θre'と、検出した三相交流電流iとに基づいて図7のブロック図で示される演算を行って自制制御用の三相電圧指令Vvectorを形成し、出力する。自制制御部23の上記演算処理自体は本発明の要旨ではないため、これ以上の説明は省略する。
移行判定部27は、入力情報に基づいて他制制御と自制制御との切り換えを行う。この切り換えは、起動から所定時間経過後に行われることができるが、その他の条件にて行っても良い。図4では、この切り換えは、切り換えスイッチ24による三相電圧指令Vopenと三相電圧指令Vvectorとのどちらかの選択として示されている。選択された三相電圧指令はPWM信号発生部25にて三相PWM信号に変換され、この三相PWM信号により三相インバータであるPWMインバータ26を制御して、同期モータ1に印加される三相交流電圧が形成される。以下、この実施例の要部である移行判定部について詳しく説明する。
(移行判定部の構成例1)
移行判定部27の構成例について、図8を参照して説明する。この例では、検出した三相交流電流を座標変換してγ軸電流Iγを求め(s100)、求めたγ軸電流Iγの大きさが0A以下かどうかを判定し(s102)、0A以下なら自制制御への移行を指令する(s104)。
(移行判定部の構成例2)
移行判定部27の構成例について、図9を参照して説明する。この例では、検出した三相交流電流を座標変換して電機子電流ベクトルのγ軸成分であるγ軸電流Iγと、δ軸成分であるδ電流Iδとを求め(s200)、求めたγ軸電流Iγとδ電流Iδとから電機子電流ベクトルのγ軸に対する位相角αを求め((s202)、位相角αが90〜270度の範囲内かどうかを判定し(s204)、範囲内であれば自制制御への移行を指令する(s206)。
(実施形態2)
実施形態2のモータ制御における制御モード切り換えについて図面を参照して以下に説明する。この実施形態のモータ制御装置のブロック回路図を図10に示す。図10は、図4の移行判定部27を移行判定部27’に変更した点だけが異なっている。移行判定部27’は、推定位置θre’と検出した三相交流電流iとの他に推定速度ωre’を用いて制御モードの切り換えを行う。
(移行判定部の構成例3)
移行判定部27’の構成例について、図11を参照して説明する。この例では、図8のフローチャートにおいてステップs101、ステップs103を追加したものであり、推定速度ωre’が700rpm相当の速度に相当するしきい値よりも大きいかどうかを調べ(s101)、かつ、γ軸電流Iγの大きさが0A以下である場合に自制制御への移行を指令する(s104)。
(移行判定部の構成例4)
移行判定部27’の構成例について、図12を参照して説明する。この例では、図9のフローチャートにおいてステップs201、ステップs205を追加したものであり、推定速度ωre’が700rpm相当の速度に相当するしきい値よりも大きいかどうかを調べ(s101)、推定速度ωre’が700rpm相当の速度に相当するしきい値よりも大きく、かつ、位相角αが90〜270度の範囲内である場合に自制制御への移行を指令する(s206)。
(試験結果)
上記した移行判定部の構成例3による他制制御から自制制御への運転モード切り換えを実際に行った場合のタイミングチャートを図13に示し、同じく上記した移行判定部の構成例4による他制制御から自制制御への運転モード切り換えを実際に行った場合のタイミングチャートを図14に示す。これにより、円滑な運転モード切り換えが可能なことがわかる。
同期機における電流位相とトルクとの関係を示す特性図である。 γδ軸回転座標系上における電機子電流ベクトルIとγ軸電流Iγと位相角θiとの関係を示す図である。 各座標系の関係を示す図である。 実施形態1のモータ制御装置のブロック回路図である。 位置・速度推定部の一例を示すPLL回路図である。 他制制御部の一例を示すブロック回路図である。 自制制御部の一例を示すブロック回路図である。 移行判定部の構成例1を示すフローチャートである。 移行判定部の構成例2を示すフローチャートである。 実施形態2のモータ制御装置のブロック回路図である。 移行判定部の構成例3を示すフローチャートである。 移行判定部の構成例4を示すフローチャートである。 試験結果1を示すタイミングチャートである。 試験結果2を示すタイミングチャートである。
符号の説明
1 同期モータ
2 モータ制御装置
21 位置・速度推定部
22 他制制御部
23 自制制御部
24 切り替えスイッチ
25 PWM信号発生部
26 PWMインバータ
27 移行判定部
27’ 移行判定部

Claims (12)

  1. 検出した同期モータの電機子電圧及び電機子電流と前記同期モータのモータモデル式とにより磁極位置を演算する磁極位置演算回路と、
    少なくとも起動後、前記同期モータの磁極位置に拘わらず前記印加電圧を制御する他制制御を行う他制制御回路と、
    演算した前記磁極位置に基づき前記印加電圧を制御する自制制御を行う自制制御回路と、
    前記他制制御から前記自制制御への切り換えを行う運転モード切り換え回路と、
    を備える同期モータ制御装置において、
    前記同期モータの前記演算した磁極位置の方向であるγ軸における前記電機子電流の成分であるγ軸電流Iγを算出するγ軸電流演算回路を有し、
    前記運転モード切り換え回路は、前記γ軸電流成分Iγが所定電流値以下かどうかを判定し、前記所定電流値以下である場合に前記他制制御から自制制御への切り換えを行うことを特徴とする同期モータ制御装置。
  2. 請求項1記載の同期モータ制御装置において、
    前記所定電流値は前記所定電流値は0Aに設定される同期モータ制御装置。
  3. 請求項1又は2記載の同期モータ制御装置において、
    前記運転モード切り換え回路は、
    前記同期モータの回転数が所定回転数値以上であるとみなすことができ、かつ、前記γ軸電流成分Iγが前記所定電流値以下である場合に前記他制制御から自制制御への切り換えを行うことを特徴とする同期モータ制御装置。
  4. 検出した同期モータの電機子電圧及び電機子電流と前記同期モータのモータモデル式とにより磁極位置を演算する磁極位置演算回路と、
    少なくとも起動後、前記同期モータの磁極位置に拘わらず前記印加電圧を制御する他制制御を行う他制制御回路と、
    演算した前記磁極位置に基づき前記印加電圧を制御する自制制御を行う自制制御回路と、
    前記他制制御から前記自制制御への切り換えを行う運転モード切り換え回路と、
    を備える同期モータ制御装置において、
    前記同期モータの前記演算した磁極位置の方向であるγ軸とこのγ軸と直交する方向であるδ軸とで規定される回転座標系における前記電機子電流のベクトルと前記γ軸との間の角度である位相角θiを演算するγ軸位相角演算回路を有し、
    前記運転モード切り換え回路は、前記位相角θiが所定角度範囲内かどうかを判定し、範囲内である場合に前記他制制御から自制制御への切り換えを行うことを特徴とする同期モータ制御装置。
  5. 請求項4記載の同期モータ制御装置において、
    前記所定角度範囲は、電気角π/2〜3π/2に設定される同期モータ制御装置。
  6. 請求項4又は5記載の同期モータ制御装置において、
    前記運転モード切り換え回路は、
    前記同期モータの回転数が所定回転数値以上であるとみなすことができ、かつ、前記位相角θiが前記所定角度範囲内である場合に前記他制制御から自制制御への切り換えを行うことを特徴とする同期モータ制御装置。
  7. 請求項3又は6記載の同期モータ制御装置において、
    前記所定回転数値は、基底回転数の5〜100%に設定される同期モータ制御装置。
  8. 請求項3又は6記載の同期モータ制御装置において、
    前記運転モード切り換え回路は、
    前記同期モータの起動後の経過時間が所定時間に達した場合に前記同期モータの回転数が前記所定回転数値に達したとみなす同期モータ制御装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか記載の同期モータ制御装置において、
    前記他制制御回路は、
    前記電機子電流の波高値を次第に低減させる同期モータ制御装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれか記載の同期モータ制御装置において、
    前記モデル式は、下記数1
    Figure 2007282319
    により示される式である同期モータ制御装置。
  11. 請求項1乃至9記載の同期モータ制御装置において、
    前記モデル式は、下記数2
    Figure 2007282319
    により示される式である同期モータ制御装置。
  12. 検出した同期モータの電機子電圧及び電機子電流と前記同期モータのモータモデル式とにより磁極位置を演算する磁極位置演算回路と、
    少なくとも起動後、前記同期モータの磁極位置に拘わらず前記印加電圧を制御する他制制御を行う他制制御回路と、
    演算した前記磁極位置に基づき前記印加電圧を制御する自制制御を行う自制制御回路と、
    前記他制制御から前記自制制御への切り換えを行う運転モード切り換え回路と、
    を備える同期モータ制御装置において、
    検出した同期モータの電機子電流をdq軸回転座標変換を行ってd軸電流idの検出値とq軸電流iqの検出値とを演算する検出電機子電流座標変換手段を有し、
    前記運転モード切り換え回路は、演算した前記d軸電流idの検出値の大きさ、及び、磁極位置基準の位相角の少なくとも一方に実質的に相当する電気量が起動後、所定のしきい値以下になった場合に前記他制制御から自制制御への切り換えを行うことを特徴とする同期モータ制御装置。
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