JP4455734B2 - 発振回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯型電子機器等に設けられ、水晶振動子等の圧電振動子を用いた発振回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、携帯型電子機器等に設けられる発振回路では、消費電力を減らして電池の長寿命化を図るために、次のような文献等において種々の提案が行われている。
文献;特開平10−325886号公報
【0003】
図2は、前記文献に記載された従来の発振回路の回路図である。
この発振回路は、水晶振動子及び相補型MOSトランジスタ(以下「CMOS」という。)インバータを用いた回路であり、出力電圧Voutに同期した制御信号S1を生成するスイッチ制御回路1を有している。スイッチ制御回路1の出力端子には、制御信号S1を反転するインバータ2が接続されると共に、該制御信号S1によってオン/オフ動作するPチャネル型MOSトランジスタ(以下「PMOS」という。)3aのゲートが接続されている。PMOS3aのソースは、接地電位VSSに接続され、ドレインがノードN1に接続されている。インバータ2の出力端子には、Nチャネル型MOSトランジスタ(以下「NMOS」という。)3bのゲートが接続されている。NMOS3bのドレインはノードN2に接続され、ソースが負の電源電位Vregに接続されている。
【0004】
ノードN1とN2の間には、CMOSインバータ4が接続されている。インバータ4は、PMOS4a及びNMOS4bで構成され、該PMOS4aのソースがノードN1に接続され、該PMOS4aのドレイン及びNMOS4bのドレインが出力ノードNoutに接続されている。NMOS4bのソースはノードN2に接続され、該PMOS4aのゲート及びNMOS4bのゲートが入力ノードNinに接続されている。
入力ノードNinと出力ノードNoutとの間には、帰還回路が接続されている。帰還回路は、水晶振動子5、抵抗6、及びコンデンサ7,8により構成され、インバータ4の出力電圧Voutを位相反転して入力ノードNinに帰還する回路である。インバータ4は、入力ノードNin上の入力電圧Vinによりオン/オフ動作して水晶振動子5を励振駆動する機能を有している。
【0005】
図3は、図2の発振回路の動作を示す電圧波形図である。
図3において、制御信号S1の周期Tのうち、期間Taが“L”レベル、期間Tbが“H”レベルである。入力電圧Vin及び出力電圧Voutにおいて、VtpはPMOS4aの閾値電圧、VtnはNMOS4bの閾値電圧、FTはフローティング状態である。PMOS4aの電圧波形において、“H”レベルはPMOS4aのオン期間、CpはPMOS4aの容量、CpgdはPMOS4aのゲート・ドレイン間容量である。NMOS4bの電圧波形において、“H”レベルはNMOS4bのオン期間、CnはNMOS4bの容量、CngdはNMOS4bのゲート・ドレイン間容量である。NSはノイズである。出力ノードNoutから見た容量の波形は、PMOS4a及びNMOS4bの電圧波形を重ね合わせた波形となる。Cdは、出力ノードNoutから見たPMOS4a及びNMOS4bのドレイン容量である。
【0006】
以下、図3を参照しつつ、図2の発振回路の動作を説明する。
出力ノードNoutから出力される出力電圧Voutに同期して、スイッチ制御回路1から制御信号S1が出力される。制御信号S1は、周期Tのうち期間Taが“L”レベル、期間Tbが“H”レベルとなる。制御信号S1の“L”レベルの期間Taのときに、PMOS3aがオン状態になると共に、該制御信号S1がインバータ2で反転され、この“H”レベルの信号によってNMOS3bがオン状態となる。PMOS3a及びNMOS3bがオン状態になると、インバータ4に電力が供給される。制御信号S1が期間Tbにおいて“H”レベルになると、PMOS3a及びNMOS3bがオフ状態となり、インバータ4への電力供給が停止される。
【0007】
制御信号S1の期間Taにおけるインバータ4への電力供給時において、入力ノードNinの入力電圧VinがNMOS4bの閾値電圧Vtn以上になると、該NMOS4bがオン状態となり、NMOS3b,4bを介して出力ノードNoutが負の電源電位Vregへと引き下げられていく。また、入力ノードNinの入力電圧VinがPMOS4aの閾値電圧Vtp以下になると、該PMOS4aがオン状態となり、PMOS3a,4aを介して出力ノードNoutが接地電位VSSへと引き上げられていく。出力ノードNoutの出力電圧Voutにより、水晶振動子5が励振駆動される。この水晶振動子5、抵抗6、及びコンデンサ7,8からなる帰還回路により、出力電圧Voutが位相反転されて入力ノードNinへ帰還される。
【0008】
制御信号S1の期間Tbにおけるインバータ4への電力供給停止時においては、水晶振動子5の慣性(自由振動)により、発振回路が発振を継続する。このため、入力ノードNin及び出力ノードNoutに図3のような波形の入力電圧Vin、及びこの反転波形の出力電圧Voutが現れる。入力電圧VinがNMOS4bの閾値電圧Vtnを越えると該NMOS4bがオン状態となって水晶振動子5が励振駆動される。また、入力電圧VinがPMOS4aの閾値電圧Vtp以下になると、該PMOS4aがオン状態となり、水晶振動子5が励振駆動される。
このように、出力電圧Voutに同期してスイッチ制御回路1から制御信号S1を出力し、この制御信号S1によってPMOS3a及びNMOS3bをオン/オフ動作させ、インバータ4への電力供給を断続的に行うことにより、発振時の消費電力を減少できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の図2の発振回路では、電力消費量を減らすためにPMOS3a及びNMOS3bをオン/オフ動作させているので、このPMOS3a及びNMOS3bがオフ状態のとき、PMOS4a及びNMOS4bが接地電位VSS及び負の電源電位Vregから切り離され、PMOS4a及びNMOS4bのソース側ノードN1,N2がフローティング状態になると、例えば図3に示すようにノードN1に外部からのノイズNSが飛び込むと、PMOS3a及びNMOS3bのオフ時において、水晶振動子5の出力ノードNout側から見た負荷容量が変化するので、該水晶振動子5の発振周波数、位相あるいは振幅が変動するといった課題があった。
本発明は、前記従来技術の持つ課題を解決し、電力消費量が少なく、発振動作が安定しており、かつ小型の発振回路を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明のうちの第1の発明は、発振回路において、入力ノードと出力信号を出力する出力ノードとの間に接続された圧電振動子を有し、該出力ノードから出力される出力信号を位相反転して該入力ノードへ帰還する帰還回路と、第1のノードと第2のノードとの間に接続され、電源電位が印加されると、該第1のノード上の信号を反転増幅して該第2のノードへ出力し、前記圧電振動子を励振駆動する信号反転増幅回路と、前記入力ノードと前記第1のノードとの間に接続され、第1の制御信号によりオン/オフ動作して、オン状態のときに該入力ノードと該第1のノードとを接続し、オフ状態のときに該入力ノードと該第1のノードとを遮断する第1のスイッチ手段と、前記第2のノードと前記出力ノードとの間に接続され、前記第1の制御信号に同期した第2の制御信号によりオン/オフ動作して、前記第1のスイッチ手段がオン状態になってから前記入力ノード上の信号が該第2のノードへ伝搬するまでの伝搬遅延時間の経過後に、オン状態となって該第2のノードと該出力ノードとを接続し、該第1のスイッチ手段がオフ状態になる前にオフ状態になって該第2のノードと該出力ノードとを遮断する第2のスイッチ手段と、を備えている。
【0015】
これにより、第1の制御信号により、第1のスイッチ手段がオン/オフ動作し、さらに第1の制御信号に同期した第2の制御信号により、第2のスイッチ手段がオン/オフ動作する。この際、第1のスイッチ手段によって入力ノードと第1のノードが接続された後、第2のスイッチ手段によって第2のノードと出力ノードが接続され、信号反転増幅回路が動作状態になる。また、第2のスイッチ手段によって第2のノードと出力ノードが遮断された後、第1のスイッチ手段によって入力ノードと第1のノードが遮断され、信号反転増幅回路が非動作状態になる。このように、信号反転増幅回路を間欠的に動作状態にさせても、発振回路は安定した発振を継続する。
【0016】
第2の発明は、発振回路において、入力ノードと出力信号を出力する出力ノードとの間に接続された圧電振動子を有し、該出力ノードから出力される出力信号を位相反転して該入力ノードへ帰還する帰還回路と、第1の電源電位と第1のノードとの間に接続され、該第1のノードへ一定の電源電流を供給する電流供給回路と、前記第1の電源電位と異なる第2の電源電位と前記第1のノードとの間に接続され、第2のノード上の信号によりオン/オフ動作して前記圧電振動子を励振駆動するスイッチング素子と、前記入力ノードと前記第2のノードとの間に接続され、第1の制御信号によりオン/オフ動作して、オン状態のときに該入力ノードと該第2のノードとを接続し、オフ状態のときに該入力ノードと該第2のノードとを遮断する第1のスイッチ手段と、前記第1のノードと前記出力ノードとの間に接続され、前記第1の制御信号に同期した第2の制御信号によりオン/オフ動作して、前記第1のスイッチ手段がオン状態になってから前記入力ノード上の信号が該第1のノードへ伝搬するまでの伝搬遅延時間の経過後に、オン状態となって該第1のノードと該出力ノードとを接続し、該第1のスイッチ手段がオフ状態になる前にオフ状態になって該第1のノードと該出力ノードとを遮断する第2のスイッチ手段と、を備えている。
【0017】
これにより、第1のスイッチ手段によって入力ノードと第2のノードが接続された後、第2のスイッチ手段によって第1のノードと出力ノードが接続され、電流供給回路から供給される電源電流によってスイッチング素子が動作状態になる。また、第2のスイッチ手段によって第1のノードと出力ノードが遮断された後、第1のスイッチ手段によって入力ノードと第2のノードが遮断され、スイッチング素子が非動作状態になる。このように、スイッチング素子を間欠動作させても、発振回路は安定した発振を継続する。
【0018】
第3の発明は、発振回路において、入力ノードと電位の異なる第1及び第2の電源電位のうちの第2の電源電位との間に接続された圧電振動子及び第1のコンデンサと、前記入力ノードと前記第2の電源電位との間に接続れ、前記圧電振動子及び前記第1のコンデンサの両端の信号を分圧する第2及び第3のコンデンサと、出力ノードと第1のノードとの間に接続され、第2のノードと該第1のノードとの電位差に応じた増幅率で該第2のノード上の信号を増幅して該出力ノードから出力信号を出力する帰還増幅器と、前記入力ノードと前記第2のノードとの間に接続され、第1の制御信号によりオン/オフ動作して、オン状態のときに該入力ノードと該第2のノードとを接続し、オフ状態のときに該入力ノードと該第2のノードとを遮断する第1のスイッチ手段と、前記第2及び第3のコンデンサの接続点と前記第1のノードとの間に接続され、前記第1の制御信号に同期した第2の制御信号によりオン/オフ動作して、前記第1のスイッチ手段がオン状態になってから前記入力ノード上の信号が前記帰還増幅器で増幅されて前記出力ノードから前記出力信号が出力されるまでの遅延時間の経過後に、オン状態となって該接続点と該第1のノードとを接続し、該第1のスイッチ手段がオフ状態になる前にオフ状態になって該接続点と該第1のノードとを遮断する第2のスイッチ手段と、を備えている。
【0019】
これにより、第1のスイッチ手段によって入力ノードと第2のノードが接続された後、第2のスイッチ手段によって第1及び第2のコンデンサの接続点と第1のノードとが接続され、帰還増幅器が動作状態になる。また、第2のスイッチ手段によって接続点と第1のノードが遮断された後、第1のスイッチ手段によって入力ノードと第2のノードが遮断され、帰還増幅器が非動作状態になる。このように帰還増幅器を間欠動作させても、圧電振動子の自由振動によって発振回路は安定した発振を継続する。
【0020】
第4の発明は、第1〜第3の発明のうちのいずれか1つの発明の出力ノードに接続され、該出力ノードから出力される出力信号を所定の分周比で分周する分周回路を設けている。これにより、圧電振動子として、例えば外形形状の小さな高周波用振動子を用いた場合、この圧電振動子から出力される高周波出力信号を分周回路で低周波信号に分周すれば、圧電振動子を含めた発振回路の小型化が図れる。
【0021】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態を示すCMOSインバータを用いた発振回路の回路図である。
この発振回路は、出力ノードNoutから出力される出力信号(例えば、出力電圧)Voutに同期した第1の制御信号S11を生成するスイッチ制御回路11を有している。スイッチ制御回路11の出力端子には、第1の制御信号S11を反転して第2の制御信号S12を出力するインバータ12が接続されている。第1の電源電位(例えば、正の電源電位)VDDには第1のスイッチング素子(例えば、PMOS)13aのソースが接続され、このドレインが第1のノードN11に接続され、ゲートが入力ノードNinに接続されている。入力電圧Vinを入力する入力ノードNinには、第2のスイッチング素子(例えば、NMOS)13bのゲートが接続され、このドレインが第2のノードN12に接続され、ソースが第2の電源電位(例えば、接地電位)VSSに接続されている。このPMOS13a及びNMOS13bにより、信号反転増幅回路(例えば、CMOSインバータ)が構成されている。
【0022】
ノードN11には第1のスイッチ手段(例えば、PMOS)14aのソースが接続され、このドレインが出力ノードNoutに接続され、ゲートがスイッチ制御回路11の出力端子に接続されている。出力ノードNoutには第2のスイッチ手段(例えば、NMOS)14bのドレインが接続され、このソースがノードN12に接続され、ゲートがインバータ12の出力端子に接続されている。
入力ノードNinと出力ノードNoutの間には、帰還回路が接続されている。帰還回路は、圧電振動子(例えば、水晶振動子)15、抵抗16、及びコンデンサ17,18より構成され、出力電圧Voutを位相反転して入力ノードNinへ帰還する回路である。
【0023】
出力ノードNoutには、必要に応じて分周回路19が接続される。分周回路19は、例えば、発振回路の小型化及び軽量化のために水晶振動子15として外形形状の小さな高周波振動子(例えば、20MHz〜40MHz帯)のものを用いた場合、所望の分周比で分周して低周波出力電圧(例えば、10〜20MHz帯)を得るために使用される。なお、水晶振動子15として低周波用のものを用いた場合、分周回路19は不要である。
【0024】
次に、図1の発振回路の動作を説明する。
出力ノードNoutから出力される出力電圧Voutに同期してスイッチ制御回路11から制御信号S11が出力される。制御信号S11は、図3の制御信号S1と同様に、周期Tにおいて期間Taで“L”レベル、期間Tbで“H”レベルとなる。
制御信号S11の“L”レベルの期間Taでは、PMOS14aがオン状態になると共に、該制御信号S11がインバータ12で反転され、この反転信号によってNMOS14bがオン状態になる。PMOS14a及びNMOS14bがオン状態になると、水晶振動子15を駆動するPMOS13a及びNMOS13bに電力が供給される。
【0025】
入力ノードNin上の入力電圧Vinが“L”レベルのときには、PMOS13aがオン状態、NMOS13bがオフ状態となる。PMOS13aがオン状態になると、このPMOS13a及び14aを通して出力ノードNoutが電源電位VDDへ引き上げられ、水晶振動子15が励振駆動される。また、入力ノードNin上の入力電圧Vinが“H”レベルのときには、PMOS13aがオフ状態、NMOS13bがオン状態となる。このNMOS13b及び14bを通して出力ノードNoutが接地電位VSSに引き下げられ、水晶振動子15が励振駆動される。これにより、出力ノードNoutから出力される出力電圧Voutが、水晶振動子15、抵抗16、及びコンデンサ17,18からなる帰還回路により、位相反転されて入力ノードNinへ帰還される。
【0026】
次に、制御信号S11の“H”レベルの期間Tbでは、PMOS14aがオフ状態になると共に、該制御信号S11がインバータ12で反転され、この反転信号によってNMOS14bもオフ状態になる。PMOS14a及びNMOS14bがオフ状態になると、水晶振動子15を駆動するPMOS13a及びNMOS13bへの電力供給が停止される。
【0027】
この電力供給停止時においても、水晶振動子15は自由振動によって発振するので、入力ノードNin及び出力ノードNoutには図3に示すような電圧波形が現れる。入力ノードNin上の入力電圧VinがNMOS13bの閾値電圧Vtn以上になると、このNMOS13bがオン状態になり、ノードN12が接地電位VSSに引き下げられる。また、入力ノードNin上の入力電圧VinがPMOS13aの閾値電圧Vtp以下になると、このPMOS13aがオン状態になり、ノードN11が電源電位VDDに引き上げられる。このように、PMOS14a及びNMOS14bがオフ状態になってPMOS13a及びNMOS13bへの電力供給が停止しても、水晶振動子15の自由振動により、発振回路は発振を継続する。
出力ノードNoutに分周回路19が接続されている場合には、該出力ノードNoutから出力される出力電圧Voutがこの分周回路19で分周され、低周波の発振出力電圧が出力されることになる。
【0028】
この第1の実施形態では、次の(a)〜(c)のような効果がある。
(a) 電力供給停止時において、PMOS14a及びNMOS14bがオフ状態になるため、外部ノイズの影響を受けない。従って、水晶振動子15の出力ノードNout側から見た負荷容量が変化しない。この結果、発振周波数や位相及び振幅が変動しない。よって、少ない電力消費量で安定した発振動作が行われる。
【0029】
(b) 例えば、水晶振動子15として外形形状の小さな高周波振動子を用い、出力ノードNoutに分周回路19を接続した場合、該出力ノードNoutから出力される高周波出力電圧Voutを該分周回路19で分周して所望の低周波出力電圧を出力することができる。これにより、発振回路の小型化及び軽量化が可能になる。
【0030】
(c) 制御信号S11は出力電圧Voutに同期してスイッチ制御回路11から出力するようにしたが、この制御信号S11は出力電圧Voutに非同期であっても、前記(a)及び(b)とほぼ同様の効果が得られる。また、スイッチ制御回路11を省略し、外部においてクロック信号等から生成された制御信号S11(これは出力電圧Voutに同期した信号、あるいは非同期の信号)を用いれば、回路構成を簡略化できる。
【0031】
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態を示すNMOSインバータを用いた発振回路の回路図であり、第1の実施形態を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
この発振回路では、図1のPMOS14a及びNMOS14bに代えて、電力供給制御用のスイッチ手段(例えば、NMOS)25を設け、図1のPMOS13a及びNMOS13bに代えて、水晶振動子15を駆動するためのスイッチング素子(例えば、NMOS)26を設け、さらに電源電位VDDと入力ノードNinとの間に電流供給回路を接続している。
【0032】
電流供給回路は、出力電圧Voutに同期してスイッチ制御回路11Aから出力される制御信号S11aによりオン/オフ動作し、オン状態のときに該入力ノードNinへ一定の電源電流を供給し、オフ状態のときに該電源電流の供給を停止する回路であり、PMOS21,23,24及び定電流源22により構成されている。PMOS21のソースは電源電位VDDに接続され、このドレイン及びゲートが定電流源22を介して接地電位VSSに接続されている。PMOS21のゲートには、負荷用PMOS23のゲートが接続され、このPMOS23のソースが電源電位VDDに接続され、ドレインが入力ノードNinに接続されている。PMOS21及び23のゲートと電源電位VDDとの間には、PMOS24のソース及びドレインが接続され、このPMOS24のゲートがスイッチ制御回路11Aの出力端子に接続されている。
【0033】
入力ノードNinと出力ノードNoutとの間には、水晶振動子15、抵抗16及びコンデンサ17,18からなる帰還回路が接続されている。入力ノードNinと駆動ノードN21との間には、電力供給制御用のスイッチ手段(例えば、NMOS)25のソース及びドレインが接続され、このゲートがスイッチ制御回路11Aの出力端子に接続されている。駆動ノードN21と接地電位VSSとの間には、水晶振動子15を励振駆動するスイッチング素子(例えば、NMOS)26のソース及びドレインが接続され、このゲートが出力ノードNoutに接続されている。さらに、出力ノードNoutには、駆動用のインバータ27が接続されている。
【0034】
次に、図4の発振回路の動作を説明する。
出力ノードNoutから出力される出力電圧Voutに同期して、スイッチ制御回路11Aから制御信号S11aが出力される。この制御信号S11aが“H”レベルのときには、PMOS24がオフ状態になり、PMOS21及び23のゲートが“L”レベルに引き下げられ、このPMOS21,23がオン状態になる。PMOS21及び23はカレントミラー回路を構成しているので、定電流源22によってPMOS21のソース及びドレインに一定の電源電流が流れると、これに対応した電源電流がPMOS23のソース及びドレインに流れる。制御信号S11aが“H”レベルのため、NMOS25がオン状態になっており、入力ノードNinに供給された電源電流がNMOS26へ供給され、電力供給状態になる。
【0035】
出力ノードNout上の出力電圧Voutが“H”レベルのときにはNMOS26がオン状態、“L”レベルのときにはオフ状態となり、このNMOS26によって水晶振動子15が励振駆動される。出力ノードNout上の出力電圧Voutは、水晶振動子15、抵抗16及びコンデンサ17,18からなる帰還回路により、位相反転されて入力ノードNinへ帰還される。
【0036】
また、スイッチ制御回路11Aから出力される制御信号S11aが“L”レベルになると、PMOS24がオン状態になり、PMOS21,23のゲートが“H”レベルに引き上げられるため、このPMOS21,23がオフ状態になる。さらに、制御信号S11aの“L”レベルによってNMOS25もオフ状態になり、NMOS26への電力供給が停止される。この電力供給停止時においても、水晶振動子15が自由振動するため、発振回路は安定した発振を継続する。これにより、出力ノードNoutから発振出力電圧Voutが出力されるので、これがインバータ27で駆動されて出力される。
この第2の実施形態では、第1の実施形態の効果(a)及び(b)とほぼ同様の効果がある。また、制御信号S11aは、出力電圧Voutに非同期であってもよく、あるいはスイッチ制御回路11Aを省略して外部から供給される構成にしてもよく、これによって第1の実施形態の効果(c)と同様の効果が得られる。
【0037】
(第3の実施形態)
図5は、本発明の第3の実施形態を示すCMOSインバータを用いた発振回路の回路図であり、第1の実施形態を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
第1の実施形態を示す図1の発振回路では、水晶振動子15を励振駆動するPMOS13a及びNMOS13bからなるCMOSインバータに対し、PMOS14a及びNMOS14bをオン/オフ動作させてそのCMOSインバータに間欠的に電力を供給することにより、電力消費量を減らしている。これに対し、この第3の実施形態では、水晶振動子15を励振駆動するPMOS13a及びNMOS13bからなるCMOSインバータ13に対する電力供給は制御せずに、このCMOSインバータの入出力側をオン/オフ動作させることによって該CMOSインバータ13を間欠動作させ、電力消費量を減らすようにしている。
【0038】
この発振回路では、入力ノードNinと出力ノードNoutとの間に、水晶振動子15、抵抗16及びコンデンサ17,18からなる帰還回路が接続されている。入力ノードNinと第1のノードN31との間には、電界効果トランジスタ(以下「FET」という。)等の第1のスイッチ手段31が接続されている。スイッチ手段31は、出力ノードNoutから出力される出力電圧Voutに同期したあるいは非同期の第1の制御信号S21に基づき、接点31a及び31c間と接点31b及び31c間とを切り換え接続する回路である。接点31bは、固定電位(例えば、正の電源電位VDD又は接地電位VSS)に接続されている。
【0039】
第1のノードN31と第2のノードN32との間には、信号反転増幅回路(例えば、PMOS13a及びNMOS13bからなるCMOSインバータ13)が接続され、このPMOS13aのソースが第1の電源電位(例えば、正の電源電位)VDDに接続され、NMOS13bのソースが第2の電源電位(例えば、接地電位)VSSに接続されている。第2のノードN32と出力ノードNoutとの間には、FET等の第2のスイッチ手段32が接続されている。スイッチ手段32は、出力電圧Voutに同期したあるいは非同期の第2の制御信号S22によりオン/オフ動作する回路である。
【0040】
入力ノードNinと接地電位VSSとの間には、FET等の第3のスイッチ手段33及びコンデンサ34が直列に接続されている。スイッチ手段33は、出力電圧Voutに同期したあるいは非同期の第3の制御信号S23によりオン/オフ動作する回路である。さらに、出力ノードNoutには、出力電圧Voutを駆動するためのインバータ35が接続されている。
【0041】
図6は、図5の発振回路の動作を示す電圧波形図である。以下、この図6を参照しつつ、図5の動作を説明する。
インバータ13を動作状態にする場合、時刻t1において、制御信号S21によりスイッチ手段31の接点31b及び31c間をオフ状態にし、固定電位(例えば、電源電位VDD)から切り離す。次に、時刻t2において、制御信号S21によりスイッチ手段31の接点31a及び31c間をオン状態にすると共に、制御信号S23によりスイッチ手段33もオン状態にする。スイッチ手段31の接点31a及び31c間がオン状態になってから、入力ノードNin上の入力電圧Vinが第2のノードN32へ伝搬するまでの伝搬遅延時間Δtの経過後の時刻t3において、制御信号S22によりスイッチ手段32をオン状態にする。これにより、入力ノードNinと出力ノードNoutの間にインバータ13が電気的に接続されると共に、該入力ノードNinにコンデンサ34が接続される。
【0042】
入力ノードNin上の入力電圧Vinが“H”レベルのときには、NMOS13bがオン状態になり、出力ノードNoutが接地電位VSSに引き下げられる。また、入力電圧Vinが“L”レベルのときには、PMOS13aがオン状態になり、出力ノードNoutが電源電位VDDに引き上げられる。これにより、水晶振動子15が励振駆動され、この水晶振動子15、抵抗16及びコンデンサ17,18からなる帰還回路により、出力ノードNout上の出力電圧Voutが位相反転されて入力ノードNinへ帰還される。
【0043】
インバータ13を非動作状態にする場合、時刻t4において、制御信号S22によりスイッチ手段32をオフ状態にした後、時刻t5において、制御信号S21によりスイッチ手段31の接点31a及び31c間をオフ状態にすると共に、制御信号S23によりスイッチ手段33をオフ状態にする。その後、時刻t6において、制御信号S21によりスイッチ手段31の接点31b及び31cをオン状態にし、ノードN31を電源電位VDDに固定する。これにより、インバータ13は動作を停止するが、水晶振動子15の自由振動によって発振回路は発振を継続する。出力ノードNoutから出力された出力電圧Voutは、バッファ35で駆動されて出力される。
【0044】
この第3の実施形態では、次の(i)、(ii)のような効果がある。
(i) インバータ13の入力側及び出力側のスイッチ手段31,32をオン/オフ動作させ、該インバータ13を間欠動作させるようにしたので、電力消費量を減らすことができる。特に、インバータ13を動作状態にするときには、入力側スイッチ手段31をオン状態にした後に出力側のスイッチ手段32をオン状態にし、該インバータ13を非動作状態にするときには、出力側のスイッチ手段32をオフ状態にした後に入力側のスイッチ手段31をオフ状態にしている。また、スイッチ手段31の接点31a及び31c間とスイッチ手段33とを同時にオン/オフ動作させている。これにより、インバータ13の動作状態と非動作状態の切り換え時に、水晶振動子15の出力ノードNout側から見た負荷容量の変動が抑制されると共に、該水晶振動子15の自由振動が抑制されないので、該水晶振動子15の発振が停止したり、あるいは発振周波数や位相及び振幅が変動することなく、安定した発振動作が行われる。
(ii) 第1の実施形態の効果(b)とほぼ同様に、例えば、水晶振動子15として外形形状の小さな高周波振動子を用い、高周波出力電圧Voutを分周回路19で分周して低周波出力電圧にすれば、発振回路の小型化及び軽量化が可能になる。
【0045】
(第4の実施形態)
図7は、本発明の第4の実施形態を示すNMOSインバータを用いた発振回路の回路図であり、第3の実施形態を示す図5中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
この発振回路では、図5のCMOSインバータ13に代えて、スイッチング素子(例えば、NMOS)44を設けると共に、このNMOS44に電源電流を供給するための電流供給回路を設けている。
【0046】
即ち、この発振回路は、入力ノードNinと出力ノードNoutとの間に、水晶振動子15、抵抗16及びコンデンサ17,18からなる帰還回路が接続されている。入力ノードNinには、第3のスイッチ手段33を介してコンデンサ34が接地電位VSSに接続されている。さらに、入力ノードNinと第2のノードN42との間に、第1のスイッチ手段31が接続されている。スイッチ手段31は、接点31a及び31c間と接点31b及び31c間とを切り換え接続する回路であり、該接点31aが入力ノードNinに接続され、接点31bが固定電位(例えば、接地電位VSS)に接続され、接点31cが第2のノードN42に接続されている。
【0047】
第1の電源電位(例えば、正の電源電位)VDDと第1のノードN41との間には、電流供給回路が接続されている。電流供給回路は、第1のノードN41へ一定の電源電流を供給する回路であり、PMOS41,43及び定電流源42より構成されている。PMOS41及び43のソースは、電源電位VDDに接続されている。PMOS41及び43のゲートは共通接続され、さらに該PMOS41のドレインに接続されている。PMOS41のドレインは、定電流源42を介して接地電位VSSに接続されている。第1のノードN41と第2の電源電位(例えば、接地電位VSS)との間には、スイッチング素子(例えば、NMOS)44のソース及びドレインが接続され、このゲートが第2のノードN42に接続されている。
【0048】
図7の発振回路では、PMOS41及び43によってカレントミラー回路が構成され、定電流源42により該PMOS41のソース及びドレインに一定の電源電流が流れると、この電源電流に対応した電源電流がPMOS43のソース及びドレインに流れ、第1のノードN41へ供給される。これにより、NMOS44が動作状態になり、このNMOS44のスイッチング動作によって水晶振動子15が励振駆動される。
【0049】
この発振回路は、第3の実施形態を示す図5の発振回路とほぼ同様の動作をする。即ち、入力ノードNin側のスイッチ手段31,33と出力ノードNout側のスイッチング手段32とをオン/オフさせてNMOS44を間欠動作させることにより、電力消費量を減らしている。特に、NMOS44を動作状態にするときには、入力ノードNin側のスイッチ手段31,33をオン状態にした後、出力ノードNout側のスイッチ手段32をオン状態にし、該NMOS44を非動作状態にするときには、出力ノードNout側のスイッチ手段32をオフ状態にした後、入力ノードNin側のスイッチ手段31,33をオフ状態にする。
これにより、第3の実施形態の効果(i)とほぼ同様の効果が得られる。さらに、例えば、水晶振動子15として外形形状の小さな高周波振動子を用い、出力ノードNoutに分周回路を接続することにより、第3の実施形態の効果(ii)と同様の効果が得られる。
【0050】
(第5の実施形態)
図8(a)、(b)は本発明の第5の実施形態を示すコルピッツ型発振回路の回路図であり、同図(a)は全体の回路図、及び同図(b)は電源投入直後のトランジスタ(以下「Tr」という。)の動作する前の等価回路図である。
この発振回路は、第3の実施形態を示す図5の発振回路と同一原理に基づく回路であり、入力ノードNinと第2の電源電位(例えば、接地電位)VSSとの間に、圧電振動子(例えば、水晶振動子)51及び可変型の第1のコンデンサ52が直列に接続されている。入力ノードNinには、分圧用の第2のコンデンサ53を介して接続点N51が接続され、この接続点N51が分圧用の第3のコンデンサ54を介して接地電位VSSに接続されている。
【0051】
発振回路には、帰還増幅器(例えば、NPN型Tr)55が設けられ、このTr55のエミッタ側の第1のノードN52が、抵抗56を介して接地電位VSSに接続されている。Tr55のコレクタ側の出力ノードNoutは、抵抗57を介して第1の電源電位(例えば、正の電源電位)VDDに接続されると共に、直流遮断用のコンデンサ58に接続されている。
Tr55のベースと入力ノードNinとの間には、Tr等の第1のスイッチ手段59が接続されている。スイッチ手段59は、入力ノードNinに接続された接点59a、固定電位(例えば、接地電位VSS)に接続された接点59b、及びTr55のベース側の第2のノードN53に接続された接点59cを有し、出力ノードNoutから出力される出力電圧Voutに同期したあるいは非同期の制御信号により、接点59a及び59c間と接点59b及び59c間とを切り換え接続する回路である。分圧用のコンデンサ53及び54間の接続点N51と、第1のノードN52との間には、出力電圧Voutに同期したあるいは非同期の制御信号により、オン/オフ動作するTr等の第2のスイッチ手段60が接続されている。
【0052】
入力ノードNinと接地電位VSSとの間には、Tr等のスイッチ手段61及び抵抗62が直列に接続されている。入力ノードNinと固定電位(例えば、正の電源電位VDD又は接地電位VSS)との間には、Tr等のスイッチ手段63及び抵抗64の直列回路と、Tr等の第3のスイッチ手段65及びコンデンサ66の直列回路とが接続されている。スイッチ手段61,63,65は、出力電圧Voutに同期したあるいは非同期の制御信号により、オン/オフ動作する回路である。
【0053】
図9は、図8の発振回路の動作を示す電圧波形図である。以下、この図9を参照しつつ、図8の動作を説明する。
スイッチ手段59の接点59b及び59c間をオン状態にしてノードN53を接地電位VSSにしておき、時刻t1において、該接点59b及び59c間をオフ状態にすると共に、スイッチ手段61及び63をオフ状態にする。次に、時刻t2において、スイッチ手段59の接点59a及び59c間をオン状態にすると共に、スイッチ手段65をオン状態にする。スイッチ手段59の接点59a及び59c間がオン状態になってから、入力ノードNin上の入力電圧VinがTr55で増幅されて出力ノードNoutから出力電圧Voutが出力されるまでの遅延時間Δtの経過後の時刻t3において、スイッチ手段60をオン状態にする。すると、水晶振動子51及びコンデンサ52の両端の電圧が、コンデンサ53及び54によって分圧される。
【0054】
コンデンサ53の両端の電圧がTr55のベース及びエミッタ間に印加され、このベース及びエミッタ間に電流が流れる。これにより、入力ノードNin上の入力電圧VinがTr55で増幅される。出力ノードNout上の出力電圧Voutにより、水晶振動子51が励振駆動され、発振回路が発振する。
時刻t4になると、スイッチ手段60がオフ状態になり、次に時刻t5において、スイッチ手段59の接点59a及び59c間がオフ状態になると共に、スイッチ手段65がオフ状態になる。その後、時刻t6において、スイッチ手段59の接点59b及び59c間がオン状態になってノードN53が接地電位VSSに固定されると共に、スイッチ手段61及び63がオン状態になって抵抗62及び64が入力ノードNinに接続される。これにより、Tr55は増幅動作を停止するが、水晶振動子51の自由振動によって発振回路が発振を継続する。
従って、第3の実施形態の効果(i)及び(ii)とほぼ同様の効果が得られる。
【0055】
(第6の実施形態)
図10は、本発明の第6の実施形態を示すFETを用いたコルピッツ型発振回路の回路図であり、第5の実施形態を示す図8中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
この発振回路では、図8のTr55に代えて、FETで構成される帰還増幅器70が設けられている。帰還増幅器70は、NMOS71,72及び抵抗73を有し、このNMOS71のドレインが電源電位VDDに接続され、ゲートがノードN53を介してスイッチ手段59に接続され、さらにソースが定電流源74を介して接地電位VSSに接続されている。NMOS71のソースは、NMOS72のゲートに接続され、このNMOS72のドレインが出力ノードNout及び抵抗73を介して電源電位VDDに接続されると共に、ソースが定電流源75を介して接地電位VSSに接続されている。図8のスイッチ手段61,63及び抵抗62,64は省略されている。
【0056】
入力ノードNinには、スイッチ手段65及びコンデンサ66が直列接続され、このコンデンサ66が固定電位(例えば、接地電位VSS)に接続されている。また、入力ノードNinは、スイッチ手段77及び抵抗76を介してバイアス電圧Vbaに接続されている。
図10の発振回路において、帰還増幅器70は図8のTr55とほぼ同様に動作し、さらにスイッチ手段77及び抵抗76は、図8のスイッチ手段61,63及び抵抗62,64と同様に動作する。このようにコルピッツ型発振回路をFETで構成しても、図8の発振回路とほぼ同様の作用及び効果が得られる。
【0057】
(変形例)
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。この変形例としては、例えば、次の(1)〜(3)のようなものがある。
(1) 水晶振動子15,51は、他の圧電振動子に置き換えてもよい。この際、置き換える圧電振動子に応じて、周辺回路を適宜変更すればよい。
(2) 水晶振動子15,51を励振駆動するPMOS13a、NMOS13b,26,44,71,72、及びTr55は、他のトランジスタのスイッチング素子に置き換えてもよい。この際、置き換えたスイッチング素子に応じて周辺回路を適宜変更すればよい。
(3) 水晶振動子15,51の駆動部に対する電力供給を制御するためのPMOS14a、及びNMOS14b,25は、他のトランジスタを用いたスイッチ手段で構成してもよい。この際、他のスイッチ手段に応じて周辺回路を適宜変更すればよい。
【0058】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、第1の発明によれば、第1のスイッチ手段をオン状態にした後、第2のスイッチ手段をオン状態にして信号反転増幅回路を動作状態にし、第2のスイッチ手段をオフ状態にした後、第1のスイッチ手段をオフ状態にして信号反転増幅回路を非動作状態にするようにしたので、この信号反転増幅回路の動作状態と非動作状態の切り換え時に、圧電振動子の出力ノード側から見た負荷容量の変動を抑制できると共に、圧電振動子の自由振動が抑制されない。これにより、圧電振動子の発振が停止したり、あるいは発振周波数や位相及び振幅が変動したりせず、電力消費量を減らしつつ、安定した発振動作を行うことができる。
【0060】
第2の発明によれば、制御信号によって第1及び第2のスイッチ手段により、スイッチング素子に対する動作状態と非動作状態とを切り換えるようにしたので、第1の発明とほぼ同様の効果が得られる。
第3の発明によれば、制御信号によって第1及び第2のスイッチ手段により、帰還増幅器に対する動作状態と非動作状態とを切り換えるようにしたので、第1の発明とほぼ同様の効果が得られる。
第4の発明によれば、出力ノードに分周回路を接続したので、例えば、圧電振動子として外形形状の小さな高周波振動子を用いた場合、これを分周回路で分周して低周波出力電圧にすることができるので、発振回路の小型化及び軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すCMOSインバータを用いた発振回路の回路図である。
【図2】従来のCMOSインバータを用いた発振回路の回路図である。
【図3】図2の電圧波形図である。
【図4】本発明の第2の実施形態を示すNMOSインバータを用いた発振回路の回路図である。
【図5】本発明の第3の実施形態を示すCMOSインバータを用いた発振回路の回路図である。
【図6】図5の電圧波形図である。
【図7】本発明の第4の実施形態を示すNMOSインバータを用いた発振回路の回路図である。
【図8】本発明の第5の実施形態を示すコルピッツ型発振回路の回路図である。
【図9】図8の電圧波形図である。
【図10】本発明の第6の実施形態を示すFETを用いたコルピッツ型発振回路の回路図である。
【符号の説明】
11,11A スイッチ制御回路
15,51 水晶振動子
13a,14a PMOS
13b,14b,25,26,44,71,72 NMOS
19 分周回路
31,32,33,59,60,65 スイッチ手段
55 Tr
70 帰還増幅器
Claims (4)
- 入力ノードと出力信号を出力する出力ノードとの間に接続された圧電振動子を有し、該出力ノードから出力される出力信号を位相反転して該入力ノードへ帰還する帰還回路と、
第1のノードと第2のノードとの間に接続され、電源電位が印加されると、該第1のノード上の信号を反転増幅して該第2のノードへ出力し、前記圧電振動子を励振駆動する信号反転増幅回路と、
前記入力ノードと前記第1のノードとの間に接続され、第1の制御信号によりオン/オフ動作して、オン状態のときに該入力ノードと該第1のノードとを接続し、オフ状態のときに該入力ノードと該第1のノードとを遮断する第1のスイッチ手段と、
前記第2のノードと前記出力ノードとの間に接続され、前記第1の制御信号に同期した第2の制御信号によりオン/オフ動作して、前記第1のスイッチ手段がオン状態になってから前記入力ノード上の信号が該第2のノードへ伝搬するまでの伝搬遅延時間の経過後に、オン状態となって該第2のノードと該出力ノードとを接続し、該第1のスイッチ手段がオフ状態になる前にオフ状態になって該第2のノードと該出力ノードとを遮断する第2のスイッチ手段と、
を備えたことを特徴とする発振回路。 - 入力ノードと出力信号を出力する出力ノードとの間に接続された圧電振動子を有し、該出力ノードから出力される出力信号を位相反転して該入力ノードへ帰還する帰還回路と、
第1の電源電位と第1のノードとの間に接続され、該第1のノードへ一定の電源電流を供給する電流供給回路と、
前記第1の電源電位と異なる第2の電源電位と前記第1のノードとの間に接続され、第2のノード上の信号によりオン/オフ動作して前記圧電振動子を励振駆動するスイッチング素子と、
前記入力ノードと前記第2のノードとの間に接続され、第1の制御信号によりオン/オフ動作して、オン状態のときに該入力ノードと該第2のノードとを接続し、オフ状態のときに該入力ノードと該第2のノードとを遮断する第1のスイッチ手段と、
前記第1のノードと前記出力ノードとの間に接続され、前記第1の制御信号に同期した第2の制御信号によりオン/オフ動作して、前記第1のスイッチ手段がオン状態になってから前記入力ノード上の信号が該第1のノードへ伝搬するまでの伝搬遅延時間の経過後に、オン状態となって該第1のノードと該出力ノードとを接続し、該第1のスイッチ手段がオフ状態になる前にオフ状態になって該第1のノードと該出力ノードとを遮断する第2のスイッチ手段と、
を備えたことを特徴とする発振回路。 - 入力ノードと電位の異なる第1及び第2の電源電位のうちの第2の電源電位との間に接続された圧電振動子及び第1のコンデンサと、
前記入力ノードと前記第2の電源電位との間に接続れ、前記圧電振動子及び前記第1のコンデンサの両端の信号を分圧する第2及び第3のコンデンサと、
出力ノードと第1のノードとの間に接続され、第2のノードと該第1のノードとの電位差に応じた増幅率で該第2のノード上の信号を増幅して該出力ノードから出力信号を出力する帰還増幅器と、
前記入力ノードと前記第2のノードとの間に接続され、第1の制御信号によりオン/オフ動作して、オン状態のときに該入力ノードと該第2のノードとを接続し、オフ状態のときに該入力ノードと該第2のノードとを遮断する第1のスイッチ手段と、
前記第2及び第3のコンデンサの接続点と前記第1のノードとの間に接続され、前記第1の制御信号に同期した第2の制御信号によりオン/オフ動作して、前記第1のスイッチ手段がオン状態になってから前記入力ノード上の信号が前記帰還増幅器で増幅されて前記出力ノードから前記出力信号が出力されるまでの遅延時間の経過後に、オン状態となって該接続点と該第1のノードとを接続し、該第1のスイッチ手段がオフ状態になる前にオフ状態になって該接続点と該第1のノードとを遮断する第2のスイッチ手段と、
を備えたことを特徴とする発振回路。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の出力ノードに接続され、該出力ノードから出力される出力信号を所定の分周比で分周する分周回路を設けたことを特徴とする発振回路。
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