JP4450532B2 - 相対位置計測装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像認識により先行車両との相対位置を計測する相対位置計測装置に関し、特に前方車が具備するマーカを撮像して相対位置を計測する相対位置計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
都市の人口増加による大都市での交通渋滞などの交通問題を解消するために、様々な機関で高度道路交通システム(ITS:Intelligent Transport Systems)の研究が行われている。ITSは、道路交通の安全性、輸送効率、快適性の向上等を目的とした道路交通システムである。
【0003】
最新のITS技術の中には、IMTS(Intelligent Multi-mode Transit System)とよばれる高度中距離・中量輸送システムの技術がある。IMTSは、たとえば、バスなどの運搬車両が自動運転および隊列走行を行うシステムである。
【0004】
IMTSにおいて隊列走行を行うためには、後続車両において、先行車両との相対位置を計測し、車間を一定の距離に維持する必要がある。先行車両との相対位置の計測技術の1つに、先行車両に設置したマーカを画像で認識し、パターンマッチングにより車間の相対位置を導出する技術がある。
【0005】
パターンマッチング計測技術では、後続車両に、先行車両の後部に配置されたマーカの画像(テンプレート)を記憶させておく。そして、後続車両から先行車両後部のマーカをカメラで撮影し、撮影した画像と予め記憶していたテンプレートとのパターンマッチングを行うことで、先行車両の相対的位置を算出する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、マーカパターンを画像処理にて認識する場合、正しいパターンを抽出する為に予め多数のパターンマッチング用のテンプレートが必要となる。すなわち、先行車両までの距離または回転により、画像に映し出されるマーカパターンの大きさや形状が変化する為、変化にあわせた複数のテンプレートを後続車両に記憶させておく必要があり、メモリ使用容量の増加を招く。
【0007】
また、テンプレートの数が増えれば、それだけパターンマッチングの処理回数も増加し、多くの計算処理が必要となる。その結果、相対的位置の計測に、時間がかかってしまう。
【0008】
IMTSの信頼性や安全性を確保するには、後続車両において、先行車両との相対的位置を、常に正確に認識していることが望まれる。そのためには、相対位置の計測は、少しでも短い時間で行われることが要求される。
【0009】
なお、特開2000−337871号公報に記載された技術のように、先行する車両の後部にマーカを一列に並べ、このマーカを後続車両が検出することにより相対距離を算出する方法がある。この方法によれば、相対位置の計算を短時間で行うことはできるが、先行車両がコーナで横方向を向いた場合(ヨー角が発生した場合)、距離を正確に計るのが困難である。すなわち、この技術は、カメラで捉えた画像におけるマーカ間の距離に基づいて車間距離を算出するものであるが、先行車両が横方向を向くと、車間距離が変わらなくても、画像内でのマーカ間の距離が短くなる。その結果、測定誤差が発生してしまう。
【0010】
このように、従来の画像処理技術では、先行車両との車間距離や相対角度を高精度に短時間で算出することが困難であった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、画像認識を用いて、短時間に相対的位置の計測を正確に行うことができる相対位置計測装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記課題を解決するために、図1に示すような相対位置計測装置2が提供される。本発明の相対位置計測装置2は、先行車両1の後部に、複数の軸方向に並べられたマーカ1a〜1eを撮像する撮像手段2aと、撮像手段2aで撮像したフレーム画像2bから、マーカ1a〜1eを表す複数のマーカ画像で構成されるマーカパターン2dを抽出する抽出手段2cと、抽出手段2cで抽出したマーカパターン2dに基づいて、少なくとも先行車両との相対距離または相対角度を算出する算出手段2eと、を有する。
【0012】
このような相対位置計測装置2によれば、先行車両の後部の複数の軸方向に配置されたマーカ1a〜1eが撮像手段2aで撮影され、フレーム画像2bが得られる。そのフレーム画像2bから抽出手段2cにより、マーカパターン2dが抽出される。そして、算出手段2eにより、マーカパターン2dに基づいて、先行車両との間の相対距離または相対角度が算出される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の原理構成図である。本発明の相対位置計測装置2は、先行車両1の後部の複数の軸方向に並べられたマーカ1a〜1eを撮像する撮像手段2aと、撮像手段2aで撮像したフレーム画像2bから、マーカ1a〜1eを表す複数のマーカ画像で構成されるマーカパターン2dを抽出する抽出手段2cと、抽出手段2cで抽出したマーカパターン2dに基づいて、先行車両との相対距離または相対角度を算出する算出手段2eと、を有する。
【0014】
このような相対位置計測装置によれば、先行車両の後部の複数の軸方向に配置されたマーカ1a〜1eが撮像手段2aで撮影され、フレーム画像2bが得られる。そのフレーム画像2bから抽出手段2cにより、マーカパターン2dが抽出される。そして、算出手段2eにより、マーカパターン2dに基づいて、先行車両との間の相対距離または相対角度が算出される。
【0015】
このように、本発明では、複数の軸方向(たとえば、縦方向と横方向)に配置されたマーカ1a〜1eから相対位置を算出するため、多数のテンプレートを記憶する必要が無くなる。その結果、メモリの使用量を削減できるとともに、処理時間を短縮することができる。しかも、マーカパターンが複数の軸方向に配置されているため、先行車両のヨー角が発生しても、縦方向に並んだマーカにより相対距離を正確に計測することができ、精度の高い計測結果を得ることができる。
【0016】
このような相対位置計測装置は、IMTSなどの技術に適用することができる。たとえば、車両の隊列走行を行う場合に、後続車両に本発明に係る相対位置計測装置を搭載すれば、信頼性の高い相対位置計測が可能である。以下、本発明をIMTSに適用した場合を例に採り、本発明の実施の形態について具体的に説明する。
【0017】
図2は、IMTSによる隊列走行の概要を示す図である。IMTSでは、複数の車両10,20,30が隊列走行を行う。車両10,20,30は、たとえば、バスのような運搬車両である。先頭の車両10を車両20が追尾し、車両20を車両30追尾することで、車両20と車両30とが自動運転で走行できる。
【0018】
車両10の後部には、マーカパネル11が取り付けられている。車両20の前には、カメラ21が取り付けられおり、車両20の後ろには、マーカパネル22が取り付けられている。同様に、車両30の前には、カメラ31が取り付けられており、車両30の後ろには、マーカパネル32が取り付けられている。
【0019】
マーカパネル11,22,32には、複数のマーカが所定のパターンで、複数の軸方向(たとえば、横方向と縦方向)に分散配置されている。車両20のカメラ21で先行する車両10のマーカパネル11を撮像することで、車両20に対する車両10の相対位置を計測することができる。また、車両30のカメラ31で先行する車両20のマーカパネル22を撮像することで、車両30に対する車両20の相対的位置関係を計測することができる。
【0020】
車両20,30は、それぞれに先行する車両との相対位置に基づいて、先行車両から一定の間距離を保って追随するように、ハンドル、アクセル、ブレーキ等が自動で制御される。
【0021】
図3は、先行する車両を後方から見た図である。先行する車両10のマーカパネル11には、5つのマーカ11a〜11eが配置されている。マーカ11a〜11eは、縦方向と横方向とに分散して配置されている。本実施の形態では、これらの5個のマーカ11a〜11eによって、マーカパターンが形成されている。
【0022】
マーカ11a〜11eの形状は長方形である。各マーカ11a〜11eは、たとえば、多数のLED(Light Emitting Diode)で構成された自己発光体である。なお、マーカ11a〜11eは、外観上周辺と区別できるものであれば、自己発光していなくてもよい。たとえば、マーカパネル11を黒色にし、マーカ11a〜11eを白色にして、区別できるようにしてもよい。
【0023】
図3の例では、5個のマーカ11a〜11eが配置されているが、複数方向に3個以上のマーカが分散配置されていれば、マーカパターンとしての認識が可能である。距離は1個のマーカでも算出可能である。
【0024】
図4は、マーカの配置を示す図である。図4(A)は、マーカパネルの正面図である。図4(B)は、図4(A)のX−X断面図である。
マーカ11aは上の左側、マーカ11bは上の右側に配置されている。マーカ11aとマーカ11bとは水平に並べられており、マーカ11aとマーカ11bとの幅はhM1である。マーカ11cは下の左側、マーカ11dは下に右側に配置されている。マーカ11cとマーカ11dとは水平に並べられており、マーカ11cとマーカ11dとの幅はhM2である。上の行のマーカ11a,11bと下の行のマーカ11c,11dとの高さの差は、VMである。
【0025】
マーカ11eは、マーカパネル11の中央の窪みの中に配置されている。マーカ11a〜11dを基準としたときのマーカ11eの奥行きは、dMである。
このように、マーカ11a〜11eは、3軸方向(縦、横、奥行き)に分散配置されている。これにより、先行する車両10と後続の車両20との相対位置を、正確に計測することが可能となる。以下、マーカ11a〜11dを周辺マーカと呼び、マーカ11eを中央マーカと呼ぶこととする。
【0026】
マーカを奥行き方向に分散配置したこと(マーカパネルに凹凸を設けたこと)で、ヨー角θyを高精度に算出することができる。
すなわち、各マーカが同一平面上に配置されていた場合、先行する車両10のヨー角の変化は、マーカパターンあるいは各マーカ画像の縦横比の変化で検出することになる。すなわち、ヨー角が大きくなれば、マーカパターンあるいは各マーカ画像が横方向に縮むため、縦横比で横方向の縮度合いを判定し、その縮み度合いでヨー角を算出することができる。
【0027】
しかし、先行する車両10がピッチ方向(車両の中心から横方向に定義される軸周りの方向)にも回転する場合、ピッチ角が大きくなると、マーカパターンあるいは各マーカが、縦方向に縮む。そのため、マーカパターンあるいは各マーカの縦横比だけでは、ヨー角を正確に算出することが困難である。
【0028】
そこで、本実施の形態では、マーカパターンに凹凸を付けることにより、ヨー角の変化が、撮像された画像(以下、フレーム画像という)内でマーカパターンを構成するマーカ画像の配置の変化に現れるようにしている。
【0029】
図5は、フレーム画像の例を示す図である。なお、図5において、フレーム画像40の横方向をx軸、縦方向をy軸とする。
フレーム画像40には、5つのマーカ11a〜11eそれぞれに対応するマーカ画像41〜45が描画されている。先行する車両10の相対ヨー角が発生することで、同一平面上にないマーカは、他のマーカと水平方向の方位角に差が生じる。この方位角の差は、ヨー角の大きさに比例して大きくなる。
【0030】
中央マーカ(マーカ11e)が周辺マーカ(マーカ11a〜11d)と同一平面にあった場合には、マーカ画像41〜44の中央の位置P0に描画されるが、本実施の形態では中央マーカ(マーカ11e)が周辺マーカ(マーカ11a〜11d)より奥にある。そのため、位置P0よりも左方向にずれてマーカ画像45が表示されている。
【0031】
マーカ画像45の位置P0からのずれ幅によって、正確なヨー角を算出することができる。たとえば、同一平面上に存在する周辺マーカ(マーカ11a〜11d)の対角線46,47の交点P1のx座標と、実際の中央マーカ(マーカ11e)のマーカ画像45のx座標との差によって、ヨー角を算出することが可能になる。
【0032】
図6は、車両の相対的位置の関係を示す図である。相対位置は、後続の車両20を基準にして計測される。相対位置は、車両間の距離d、方位角θ、およびヨー角θyによって特定される。車両間の距離dは、先行する車両10の後部から、後続の車両20の前部までの距離である。方位角θは、後続の車両20の前後方向に定義した軸101(車両20が直進する際の進行方向と平行な軸)と、先行する車両10の後部と後続の車両20の前部とを結ぶ線分102との成す角である。ヨー角θyは、後続の車両20の前後方向に定義した軸101に平行な軸103と、先行するの車両10の前後方向に定義した軸104(車両10が直進する際の進行方向と平行な軸)との成す角である。
【0033】
図7は、車両に搭載されている自動追尾機能の構成を示すブロック図である。車両20は、先行する車両10を追尾するために、カメラ21,画像処理部23,制御部24,メモリ25,センサ26,およびアクチュエータ27を有している。
【0034】
カメラ21は、光学系21aとCCD(Charge Coupled Device)21bとで構成される。光学系21aは、複数のレンズによって構成され、先行する車両10からの光をCCD21bの受光面に集光する。CCD21bは、光学系21aによって集光された光を光電変換によって、対応する画像信号に変換する。
【0035】
画像処理部23は、CCD21bから出力された画像信号に対して、例えば、輪郭抽出処理等を施すことにより、マーカ画像を抽出する。
制御部24は、画像処理部23によって抽出されたマーカ画像を用いて、車両10の相対的な位置を算出するとともに、算出された相対位置に応じてアクチュエータ27を制御する。
【0036】
メモリ25は、半導体メモリ等によって構成されており、画像処理部23によって抽出されたマーカに対応する画像を一時的に格納したり、制御部24が所定の制御を行う場合に演算途中のデータやプログラム等を一時的に格納したりする。更に、メモリ25は、不揮発性メモリも具備しており、制御部24が実行する種々のプログラムや、データ(例えば、マーカ同士の距離)等も格納している。
【0037】
センサ26は、車速、アクセルの開度、トランスミッションの状態等の情報を検出して制御部24に供給する。アクチュエータ27は、アクセルコントローラおよびブレーキコントローラ等によって構成されており、制御部24からの指令に基づいて車両20の走行状態を制御する。
【0038】
なお、図7に示す画像処理部23,制御部24およびメモリ25は、1つの制御装置として車両20に搭載される。
次に、車両20における相対位置計算処理について説明する。
【0039】
図8は、相対位置計算処理全体の処理手順を示すフローチャートである。以下に、図8に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS11]制御部24は、初期処理を行う。初期処理は、マーカ間の距離などの各種変数の値を初期値に設定したり、メモリ25内に作業用の記憶領域を確保したりする処理である。マーカ間の距離やマーカサイズは変更される可能性があるため、パラメータにより随時変更可能となっている。
【0040】
[ステップS12]制御部24は、マーカパターンの全探索処理を行う。全探索処理は、カメラ21で撮影されたフレーム画像内の全範囲を対象として、マーカパターンを探索する処理である。全探索処理の詳細は後述する。
【0041】
[ステップS13]制御部24は、ステップS12で探索したマーカパターンに基づいて、相対位置を算出する。
[ステップS14]制御部24は、先行する車両が検出されたか否かを判断する。先行する車両が検出された場合には、処理がステップS15に進められる。先行する車両が検出されなかった場合には、処理がステップS12に進められる。これにより、車両が検出されるまで、全探索処理が繰り返し実行される。
【0042】
[ステップS15]制御部24は、検出された車両までの距離が遠方か否かを判断する。距離が遠方か否かは、検出された車両までの距離が、予め設定された閾値より遠いかどうかで判断される。距離が遠方の場合には、処理がステップS18に進められる。距離が遠方でない場合には、処理がステップS16に進められる。
【0043】
[ステップS16]制御部24は、マーカ画像の追跡処理を行う。追跡処理は、フレーム画像内の直前にマーカ画像が検出された位置周辺をマーカ画像の探索範囲として、マーカ画像毎の追跡を行う処理である。追跡処理の詳細は後述する。
【0044】
[ステップS17]制御部24は、ステップS16で検出されたマーカパターンに基づいて、先行する車両の相対位置を算出する。その後、処理がステップS20に進められる。
【0045】
[ステップS18]制御部24は、小領域全探索処理を行う。小領域全探索処理は、マーカパターンの探索範囲を狭めたこと以外は、処理手順が全探索処理と同様である。そのため、小領域全探索における探索範囲の決定方法は後述することとし、小領域全探索の処理手順の詳細をフローチャートを用いて説明することは省略する。
【0046】
[ステップS19]制御部24は、ステップS18で探索されたマーカパターンに基づいて、先行する車両の相対位置を算出する。その後、処理がステップS20に進められる。
【0047】
[ステップS20]制御部24は、所定時間継続して車両が検出されていないかどうかを判断する。所定時間は、予め設定されている。所定時間は、たとえば、追跡処理(ステップS16)または小領域全探索処理(ステップS18)において、連続して車両を検出できなかった回数で定義することができる。その回数は、予めパラメータとして設定しておく。
【0048】
所定時間継続して車両が検出されなかった場合には、処理がステップS12に進められ、全探索処理が行われる。所定時間内に車両が検出された場合には、処理がステップS15に進められ、追跡処理(ステップS16)もしくは小領域全探索処理(ステップS18)が繰り返される。
【0049】
図9は、全探索処理の手順を示すフローチャートである。以下、図9に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS21]制御部24は、カメラ21から取得したフレーム画像を2値化する。2値化とは、カメラ21からの入力画像を、ある明るさより明るい部分を白、暗い部分を黒に置きなおす処理である。
【0050】
[ステップS22]制御部24は、ラベリングを行う。ラベリングとは、2値化されたフレーム画像に点在する白い部分(マーカ画像)に、識別番号を付与する処理である。すなわち、フレーム画像内の高輝度領域が、マーカ画像となる可能性のある領域である。
【0051】
[ステップS23]制御部24は、マーカ画像がマーカ条件を満たすか否かを判定し、マーカ画像を絞り込む。
第1のマーカ条件は、マーカ画像の面積が所定範囲内であることである。マーカ画像の最大面積と最小面積が予め設定されており、最小面積以上、最大面積以下であることが、マーカ条件として定められている。
【0052】
第2のマーカ条件は、マーカ画像の縦横比が所定範囲内であることである。マーカ画像の縦横比の最大値と最小値とは、パラメータで指定することができる。第3のマーカ条件は、マーカ画像の充填率に異常が無いことである。充填率とは、マーカ画像を囲う矩形の領域内の、マーカ画像(白色の部分)が占める割合である。充填率が異常に少ない場合、そのマーカ画像は、本当のマーカが映し出されたものではない(偽のマーカである)と判断される。
【0053】
第4のマーカ条件は、マーカ候補となるマーカ画像が、多すぎないことである。マーカ画像が多すぎると、画像的に信頼できないと判定し、以後の処理を行わずに、エラー終了する。許容するマーカ画像の数は、パラメータで予め指定しておくことができる。
【0054】
[ステップS24]制御部24は、マーカ画像に設定した識別番号を、マーカ画像の面積が広い順にソートする。面積でソートし、ソートされた順番に、マーカの判定を行うことにより、大きさが著しく異なるマーカによるパターン判定を行わないようにすることができ、マーカパターン検出の精度を向上させることができるとともに、処理の高速化を図ることができる。
【0055】
[ステップS25]制御部24は、マーカパターン検出処理を行う。マーカパターン検出処理の詳細は後述する。
[ステップS26]制御部24は、マーカパターン検出処理により、マーカパターンが検出されたか否かを判断する。マーカパターンが検出された場合には、処理がステップS27に進められる。マーカパターンが検出されなかった場合には、処理がステップS28に進められる。
【0056】
[ステップS27]制御部24は、検出されたマーカパターンを出力して、処理を図8のステップS13に進める。
[ステップS28]制御部24は、先行する車両が検出できないことを示すエラーメッセージを出力して、処理を図8のステップS13に進める。
【0057】
図10は、マーカパターン検出処理の手順を示すフローチャートである。以下、図10に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS31]制御部24は、マーカ画像の中の未処理の3点を、ソートされた識別番号の配列の前から順に取得する。このときの選択条件は、選択されたマーカ画像同士の面積が、著しく異ならないことである。
【0058】
たとえば、選択されたマーカ画像の中の最もサイズが大きいマーカ画像の面積をMS1と、最もサイズが小さいマーカ画像の面積をMS2としたときに、MS1/K≦MS2が満たされることが選択条件となる。ここで、Kは予めパラメータで設定された閾値であり、1以上の実数である。なお、1/Kの値をパラメータで設定しておいてもよい。
【0059】
これにより、サイズが著しく異なるマーカ画像同士の判定が行われなくなり、相対位置計測の精度が向上すると共に、無駄な判定が行われないことで処理が高速化される。
【0060】
[ステップS32]制御部24は、取得した3点のマーカ画像が、周辺マーカの条件を満たすか否かを判断する。
3点のマーカ画像が周辺マーカであるための第1の条件は、2点のマーカ画像が水平であることである。この場合、完全に水平でなくても、2点を通る直線の傾きが閾値以下であれば、その2点が水平であるとみなす。傾きの閾値は、パラメータで設定することができる。
【0061】
3点のマーカ画像が周辺マーカであるための第2の条件は、水平な2点間の距離(画像におけるピクセル数)と、その2点から他の1点までの画像上でのx方向やy方向の距離との比が、予め決められている比に近似することである。予め決められている比は、マーカパネル11の周辺マーカ(マーカ11a〜11d)の配置に基づいて決められている。誤差の許容範囲は、パラメータで指定することができる。
【0062】
周辺マーカの条件を満たした場合には、処理がステップS33に進められる。周辺マーカの条件を満たさない場合には、処理がステップS40に進められる。
[ステップS33]制御部24は、取得した3点のマーカ画像に基づいて、他の点の位置を推測する。他の点の位置は、マーカパネル11の各マーカ11a〜11e間の距離の比に基づいて推測される。
【0063】
[ステップS34]制御部24は、ステップS33で推測した位置近くに存在するマーカ画像を、他のマーカ画像として当てはめる。近くであるかどうかの許容範囲は、パラメータで設定することができる。
【0064】
[ステップS35]制御部24は、マーカパターンとして検出されたマーカ画像がN点以上か否かを判断する。Nは、3,4,5のいずれかの値のパラメータである。N点以上である場合には、処理がステップS36に進められ、N点未満である場合には、処理がステップS40に進められる。
【0065】
[ステップS36]制御部24は、偽のマーカ画像が含まれているか否かを判断する。たとえば、取得した全マーカ画像の平均高さをa、取得した1つのマーカ画像の上下方向の高さの差をbとした場合に、b×K1<a<b×K2(K1<K2:K1,K2は正の実数)を満たさない場合には、偽のマーカが含まれているものと判断する。なお、K1とK2とは、マーカパネル11におけるマーカ11a〜11eの配置に基づいて予め設定されるパラメータである。
【0066】
また、既知のマーカの大きさとマーカパターンの大きさとの比と、画像上でのマーカ画像とマーカパターンの大きさとの比とを比べ、その誤差が少ない場合に、偽のマーカ画像が含まれていないと判断することができる。
【0067】
偽のマーカ画像が含まれていない場合には、処理がステップS37に進められる。偽のマーカ画像が含まれている場合には、処理がステップS40に進められる。
【0068】
[ステップS37]制御部24は、取得したマーカ画像群をマーカパターンとして認識し、認識した車両台数の値に1を加算する。
[ステップS38]制御部24は、ステップS37で認識したマーカパターンが、既に認識されているどのマーカパターンよりも大きいか(最大マーカパターンか)を判断する。マーカパターンの大きさは、たとえば、マーカパターンの高さで判断する。カメラ21で撮影されたフレーム画像上、最大マーカパターンで示される車両が、最も近距離の車両と判断される。
【0069】
ステップS37で認識したマーカパターンが最大マーカパターンの場合には、処理がステップS39に進められる。ステップS37で認識したマーカパターンが最大マーカパターンではない場合には、処理がステップS40に進められる。
【0070】
[ステップS39]制御部24は、ステップS37で認識したマーカパターンを、最近車両のマーカパターンとして登録する。
[ステップS40]制御部24は、残りのマーカ画像の組み合わせがあるか否かを判断する。残りの組み合わせがある場合には、処理がステップS31に進められる。残りの組み合わせがない場合には、処理が図9に示すステップS26に進められる。
【0071】
次に、追跡処理の詳細について説明する。
図11は、追跡処理の手順を示すフローチャートである。以下、図11に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0072】
[ステップS51]制御部24は、前回のマーカパターン検出で検出されたマーカパターン中のマーカ画像を1つ選択する。
[ステップS52]制御部24は、マーカ画像周囲の探索範囲を取得する。探索範囲は、マーカ予測位置を中心として、所定の範囲である。なお、マーカ位置の予測が行われない場合には、前回のマーカの位置が中心となる。
【0073】
前のマーカパターンの検出においてマーカパターンが認識されている場合、マーカパターンに含まれる各マーカ画像の大きさ×L(Lは正の実数)とM(Mは正の実数)との大きい方の値を、探索範囲の半径(あるいは探索範囲の幅と高さ)とする。
【0074】
マーカパターンが未認識の場合、マーカ画像の平均の大きさ×LとMとの大きい方の値を、探索範囲の半径(あるいは探索範囲の幅と高さ)とする。
なお、LとMとは、パラメータで設定することができる。
【0075】
[ステップS53]制御部24は、カメラ21から取得した画像の2値化、およびラベリングを行う。
[ステップS54]制御部24は、2値化した画像における探索範囲内からマーカ画像を取得する。ここで取得するマーカ画像は、探索範囲の境界の上と下との両方に接していないこと、および探索範囲の境界の右と左との両方に接していないことが条件となる。また、探索範囲内に複数のマーカ画像が検出された場合には、探索範囲の中央に最も近いマーカ画像が取得される。
【0076】
[ステップS55]制御部24は、マーカ画像が見つかったか否かを判断する。マーカ画像が見つかった場合には処理がステップS56に進められ、マーカ画像が見つからなかった場合には、処理がステップS57に進められる。
【0077】
[ステップS56]制御部24は、真正のマーカ画像としての条件を判定する。真正のマーカ画像の第1の条件は、マーカの面積が最小値以上、最大値以下であることである。真正のマーカ画像の第2の条件は、マーカの縦横比が閾値内であることである。真正のマーカ画像の第3の条件は、充填率が異常でないことである。これらの条件の1つでも満たしていないマーカ画像は、偽のマーカ画像と判断される。
【0078】
[ステップS57]制御部24は、他のマーカ画像があるか否かを判断する。他のマーカ画像がある場合には処理がステップS51に進められる。他のマーカ画像がない場合には、処理がステップS58に進められる。
【0079】
[ステップS58]制御部24は、パターン判定を行う。パターン判定では、第1の条件として、2点のマーカ画像が水平上にあることが評価される。水平であることを満たすための許容範囲は予め設定されている。
【0080】
第2の条件として、第1の条件で水平と評価された2点のマーカ画像と他のマーカ画像との位置関係が評価される。すなわち、水平な2点間の距離(画像におけるピクセル数)と、その2点から他の1点までの画像上でのx方向やy方向の距離との比が、マーカパネル11のマーカ11a〜11eの配置に基づいて予め決められている比に近似しているかどうかが評価される。誤差の許容範囲は、パラメータで指定することができる。
【0081】
第3の条件として、異なる複数のマーカの追跡において、同一のマーカ画像を検出した場合に、そのマーカ画像がどちらのマーカの追跡対象であるのかが判断される。たとえば、他のマーカ画像との位置関係から、各マーカのマーカ画像としての信頼性が評価される。具体的には、他のマーカ画像(重複して検出されたマーカ画像以外)が、前のフレーム画像における位置よりも左に移動していれば、重複して検出されたマーカ画像は、その位置よりも前のフレーム画像で右側に映し出されていたマーカのマーカ画像としての信頼性が高く評価される。そして、信頼性の低い方のマーカの追跡対象から、そのマーカ画像が除外される。
【0082】
パターン判定による条件を満たさないマーカ画像は、追跡対象のマーカ画像から除外される。
[ステップS59]制御部24は、追跡できなかったマーカについて、そのマーカ(無効マーカ)の位置を他のマーカ画像の位置から予測する。
【0083】
[ステップS60]制御部24は、次のフレーム位置を予測する。たとえば、制御部24は、前回のマーカ画像の位置と現在のマーカ画像の位置から、次のフレームでの位置を、一次補外で予測する。ただし、車両の振動が激しく、位置予測の信頼性が確保できない場合には、パラメータの設定によって、位置予測機能を停止させておくこともできる。その後、処理が図8のステップS17に進められる。
【0084】
以上のような処理を行うことにより、フレーム画像からマーカパターンが抽出され、そのマーカパターンに基づいて、先行する車両との相対位置が算出される。
【0085】
[相対位置計算]
次に、相対位置計算手法の詳細について説明する。
図12は、先行する車両の後部を写したフレーム画像の例を示す図である。フレーム画像50には、車両10(図3に示す)の後部が映し出されている。フレーム画像50内には、マーカ画像51〜55が含まれている。マーカ画像51〜55の位置は、たとえば、マーカ画像51〜55の重心に定義される。周辺マーカのマーカ画像51〜54は、台形を形成している。
【0086】
ここで、台形の上底56に配置されるマーカ画像51,52の画面上での距離(ピクセル数)をh1とする(画像の右側が正)。台形の下底57に配置されるマーカ画像53,54の画面上での距離(ピクセル数)をh2とする(画像の右側が正)。台形の上底56の中点と、台形の下底57の中点との距離(ピクセル数)を、マーカパターンの高さ(縦方向の間隔)vとする。台形の2つの対角線58,59の交点と、フレーム画像50の中心点(図12中、×印で示す)との距離(ピクセル数)をhcとする(画像の右側が正)。また、中央マーカのマーカ画像55と、フレーム画像50の中心点との距離(ピクセル数)をmcとする(画像の右側が正)。
【0087】
本実施の形態では、マーカパターンを構成する各マーカ画像51〜55の位置から、マーカまでの距離d,方位角θおよびヨー角θyを求める。マーカまでの距離dは、マーカ画像51〜55間の縦方向の間隔vから求める(横方向の間隔から求めることも可能)。方位角θはマーカ基準点(たとえば、周辺マーカのマーカ画像51〜54の対角線58,59の交点)のフレーム画像50上の位置から求める。ヨー角θyは中央マーカであるマーカ画像55の左右方向のずれ(中央マーカが見つからなかった場合は、マーカ間の縦方向の間隔vと横方向の間隔)から求める。
【0088】
本実施の形態のような5点のマーカ11a〜11eによるマーカパターンの場合、周りの4点の周辺マーカから作られる台形の上底56と下底57との長さから横方向の間隔を求める。また、上底56と下底57との中点を結ぶ線の長さから縦方向の間隔vを求める。また、カメラ21の中心座標から周辺マーカの対角線58,59の交点までの距離hcから方位角θを求める。
【0089】
なお、パラメータでの指示により、マーカ間の横方向の間隔から距離を求めることも可能である。また、前回にマーカパターンを検出し、その車間距離が近距離(画角からのマーカパターンの一部が外れて、3個未満のマーカのみが画像上に写る可能性がある)と判定している場合、マーカ2個の横方向の間隔やマーカ1個の大きさから距離を求めることも可能である。
【0090】
奥行きを持たせている中央マーカはヨー角θyを計算する際に用いられる。すなわち、周辺マーカであるマーカ画像51〜54の対角線58,59の交点と、中央マーカであるマーカ画像55までの距離mcとからヨー角θyが求められる。
【0091】
5点全てのマーカのマーカ画像が認識されていない場合には、4点、3点、2点、1点のマーカ画像に基づいて、相対位置を計算することができる。これにより、天候などの外乱によりマーカを数個ロスト(検出できないこと)しても距離や方位角などを求めることが可能となり、先行する車両の位置の検出率が向上する。
【0092】
具体的な距離の計算方式を次に示す。
i)図12に示すように5点すべてのマーカ画像が見つかった場合の計算例について説明する。まず、マーカパターンの幅hを、
【0093】
【数1】
h=(w11+w22)/c ・・・・(1)
と定義する。ここで、w1は、上底のマーカ間の実際の距離に応じてつけられる重みである。w2は、下底のマーカ間の実際の距離に応じてつけられる重みである。たとえば、
【0094】
【数2】
1:w2=hM1:hM2 ・・・・(2)
とする。
【0095】
また、cは、w1:w2とマーカパターン形状に応じてつけられる定数であり、たとえば、
【0096】
【数3】
c=w1M1+w2M2/vM ・・・・(3)
と定義する。この定数cにより、ヨー角θyが0のときに、v=hとなる。
【0097】
また、カメラ特性から決まるパラメータで、カメラから距離1mの平面上に置かれた長さvMの線の画像上でのピクセル数をCcとする。
このとき方位角θ,距離d,ヨー角θyは、以下の式で算出される。
【0098】
【数4】
θ=−tan-1(Ccc) ・・・・(4)
【0099】
【数5】
d=Cc/(vcosθ) ・・・・(5)
【0100】
【数6】
θy=−tan-1(Ccc
−sin-1((mc−hc)vMcos(−tan-1(Ccc))/(vdM))+θ・・・・(6)
ii)次に中央マーカを除く4点のマーカ画像が見つかった場合について説明する。この場合、方位角θと距離dとは、それぞれ式(4),式(5)で算出する。ヨー角θyは2組の平行なマーカ画像から次の式(7)のように求め、マーカ間長さによる重み付平均をとる。
【0101】
【数7】
θy=±cos-1(dvM(p-+p+)cosθ/ccL√(1+α2))+α・・・・(7)
ここで、p+は、平行なマーカ画像のうち、左側のマーカ画像のx座標(ピクセル)である。p-は、平行なマーカ画像のうち、右側のマーカ画像のx座標(ピクセル)である。Lは、平行なマーカ画像の実際の幅(h1またはh2)である。αは、
【0102】
【数8】
α=−(p++p‐)vM/2cc・・・・(8)
である。
【0103】
ただし、式(7)のcos-1の引数が1より大きい場合は、ヨー角θyは0とする。
iii)次に、周辺マーカの1点を除く4点が見つかった場合について説明する。
【0104】
図13は、周辺マーカの1点を除く4点が見つかった場合のフレーム画像の例を示す図である。フレーム画像60には、マーカ11b〜11eに対応するマーカ画像62〜65が含まれているが、マーカ11aに対応するマーカ画像61が見つかっていない。そこで、周辺の4つのマーカ画像のうち3つまでしか見つからなかった場合、まず見つからなかったマーカ画像61の位置を推定する。
【0105】
まず、2つのマーカ画像63,64を通る直線66の傾きを求める。そして、見つからなかったマーカ画像61の水平方向に対になるマーカ画像62から、残りの2つのマーカ画像63,64の傾きと傾きが逆の直線67を引く。
【0106】
次に、2つのマーカ画像62,64を通る直線68の傾きを求める。そして、見つからなかったマーカ画像61の垂直方向に対になるマーカ画像63から、残りの2マーカ画像62,64の傾きと傾きが逆の直線69を引く。
【0107】
直線67と直線69と交点をマーカ画像61の推定位置とする。
このように推定されたマーカ画像61を含めて、式(4),式(5),式(6)によって方位角θ,距離d,ヨー角θyを求める。
【0108】
なお、ヨー角θyが発生せずに、ロール角(車両の前後方向の軸周りの回転)が発生することが既知の場合は、以下のようにして、縦方向の間隔vを求めることができる。
【0109】
図14は、ロール角が発生するときのフレーム画像の例を示す図である。フレーム画像60aには、周辺マーカのうちの4つのマーカ画像62a,63a,64a,65aが含まれている。マーカ11aに対応するマーカ画像61aは検出されていない。
【0110】
ロール角が発生する場合、水平に存在する2点のマーカ画像63a,64aを通る直線66aと、他のマーカ画像62aとの最短距離を、縦方向の間隔vとすることができる。これは、ロール角が発生しても、ヨー角が発生しなければ、上辺、下辺が平行であることを利用している。
【0111】
iv)周辺マーカの3つのマーカ画像しか見つからなかった場合には、iii)で説明したように、検出できなかったもう1つの周辺マーカのマーカ画像の位置を推定する。そして、i)と同様に、式(4)、式(5)により、方位角θと距離dとを求め、ii)と同様に式(7)によりヨー角θyを求める。
【0112】
v)次に、周辺マーカ2つと中央マーカしか検出できなかった場合について説明する。この場合、周辺マーカのうち水平方向に対になる2つのマーカ画像が検出されたときと、周辺マーカのうち水平方向に対になる2つのマーカ画像以外が検出されたときとに分けられる。
【0113】
図15は、周辺マーカのうち水平方向に対になる2つのマーカ画像が検出された場合のフレーム画像の例を示す図である。フレーム画像70には、周辺マーカに対応する2つのマーカ画像73,74と、中央マーカに対応するマーカ画像75が含まれている。他の周辺マーカに対応するマーカ画像71,72は検出されていない。
【0114】
この場合、中央マーカのマーカ画像75から水平なマーカ画像73,74を通る直線76に下ろした垂直線77の長さをv/2とし、その2倍(中央マーカの垂直位置が台形の上底・下底のちょうど中間にある場合)を縦方向の間隔vとする。横方向の間隔hに関しては、マーカ画像の対が存在しない側に対応する重み(図15の例ではw1)を0としてi)と同様の方法で距離d,方位角θ,ヨー角θyを求める。
【0115】
図16は、周辺マーカのうち水平方向に対になる2つのマーカ画像以外が検出された場合のフレーム画像の第1の例である。このフレーム画像80には、周辺マーカに対応する2つのマーカ画像82,84と、中央マーカに対応するマーカ画像85とが含まれている。他の周辺マーカに対応するマーカ画像81,83は検出されていない。
【0116】
図16に示したような場合、周辺部の2つのマーカ画像82,84を結ぶ線分86を斜辺とする直角三角形をつくり、直角三角形の高さを縦方向の間隔vとする。また、直角三角形の幅h3に2vM/(hM2−hM1)をかけたものを、横方向の間隔hとする。これにより周辺部マーカ4点が確認できる場合のhと等価なものが得られる。これらの条件から、i)と同様の方法で距離d,方位角θ,ヨー角θyを求める。
【0117】
図17は、周辺マーカのうち水平方向に対になる2マーカ画像以外が検出された場合のフレーム画像の第2の例である。このフレーム画像90には、周辺マーカに対応する2つのマーカ画像92,93と、中央マーカに対応するマーカ画像95が含まれている。他の周辺マーカに対応するマーカ画像91,94は検出されていない。
【0118】
図17に示したような場合、周辺部の2つのマーカ画像92,93を結ぶ線分96を斜辺とする直角三角形をつくり、その高さを縦方向の間隔vとする。また、直角三角形の幅h4に2vM/(hM2+hM1)をかけたものを、横方向の間隔hとする。これにより周辺部のマーカ4点が確認できる場合のhと等価なものが得られる。これらの条件から、i)と同様の方法で距離d,方位角θ,ヨー角θyを求める。
【0119】
vi)マーカが2点しか見つからなかった場合には、前回の判定で距離が近距離であると判別されており、かつマーカ画像が横方向の2点と判別された場合であれば、その2個のマーカ画像の間隔から距離dを計算する。方位角θは2つのマーカ画像の中央から求める。
【0120】
前回の判定で距離が近距離でないと判別されている場合は、距離計算を行わない。
前回の判定が画角内のマーカが3個未満であると予想されるような近距離(例えば、3m以内の距離)の場合に限り、この検出方法を用いることにより、太陽光などの誤検出を最小限に抑える事ができる。近距離の場合には前方車両による隠蔽により太陽光の影響はほとんどない。
【0121】
vii)マーカが1点しか見つからなかった場合、前回の判定で距離が近距離であると判別されていれば、その1個のマーカの大きさ(縦のサイズ)から距離dを計算する。また、前回までの検出結果により、検出されたマーカ画像が、どのマーカのものであるかを特定し、方位角θを算出する。前回の判定で距離が近距離でないと判別されている場合、距離計算を行わない。
【0122】
前回の判定が画角内のマーカが2個未満であると予想されるような近距離(例えば、1m以内の距離)の場合に限り、この検出方法を用いることにより、太陽光などの誤検出を最小限に抑える事ができる。近距離の場合には前方車両による隠蔽により太陽光の影響はほとんどない。
【0123】
以上のように、マーカを縦方向と横方向とに分散して配置したことにより、少ないメモリ使用量で、先行する車両の位置を高精度に、かつ短時間で測定することができる。しかも、周辺マーカのうち3つのマーカ画像が検出されれば、他の1つの位置を推定して相対位置を計算できるため、刻々と変化する自然環境内での使用にも耐え得る信頼性を確保することができる。
【0124】
[重心算出]
次に、重心算出方法について説明する。本実施の形態では、重心の算出精度を高めるために、制御部24において、複数のマーカ画像の輝度分布情報をもとに重み付けを行う。そして、重み付けが行われた輝度分布情報を用いマーカ画像の重心位置を算出する。この重心位置を、マーカ画像の位置(マーカ基準位置)とする。
【0125】
図18は、マーカ画像の拡大図である。図18に示すように、先行する車両のマーカを撮影した場合、空気中の塵や埃などの影響を受け、マーカ画像の輪郭はぼやける。
【0126】
図19は、マーカ画像の輝度ヒストグラムを示す図である。図19では、横軸にX座標、縦軸に輝度値を示している。図19に示すように、マーカ画像は、中央付近の輝度値が高い値になっており、周辺に近づくに従い輝度値が低い値になっている。
【0127】
このように、マーカが長方形の場合、中心部分が明るく周辺部分がぼやける。外乱によるにじみや、マーカ自身の回転(車両のロール方向の回転)が発生することにより、さらに影響は大きくなる。特に、自然状況(雨、雪、霧など)により、一方向ににじむ可能性もある。
【0128】
ここで、マーカ基準位置の算出方法として、以下の3つの方法が考えられる。
(1)2値画像のマーカ中心位置
(X方向最大値と最小値の中点、Y方向最大値と最小値の中点)
(2)2値画像の重心算出
(3)輝度重みを付けた重心算出
きれいな長方形マーカのマーカ画像が、デジタル化された時に、きれいな長方形になるのであれば、(1)で十分である。ところが、実際には、外乱による「にじみ」の発生や回転が発生するため、デジタル画像上は長方形で表示されない。
【0129】
図20は、マーカ画像の2値化処理の例を示す図である。図20(A)は、2値化前のマーカ画像のピクセル毎の輝度値を示しており、図20(B)は、2値化後のマーカ画像のピクセル毎の輝度値を示している。
【0130】
図20の例では、閾値を20として2値化処理を行っている。すなわち、2値化前の輝度値が20未満のピクセルは、2値化後の輝度値が0となる。2値化前の輝度値が20以上のピクセルは、2値化後の輝度値が1となる。なお、図20(B)では、2値化後の輝度値が1(2値化時に閾値以上)のピクセルは、白抜きの四角で示しており、2値化後の輝度値が0(2値化時に閾値未満)のピクセルは、黒抜きの四角で示している。
【0131】
図20(A)の例では、2値化前のマーカ画像111では、中心付近に最も輝度値が高いピクセルがあり、周囲に近づくに従い輝度値が低くなっている。このマーカ画像111が2値化されると、図20(B)に示すように、2値化後のマーカ画像112は正確な長方形ではなくなる。図20(B)の例では、長方形からはみ出した位置に、輝度値が1のピクセル112aが存在することで、マーカ画像112が歪んでしまっている。
【0132】
このように、2値化を行うと、にじみなどにより発生した閾値以上の点(実際のマーカが存在しない位置において乱反射などにより発生する明るい点)に影響を受ける。そのため、マーカ基準位置の算出方法(1)の場合は、大きな誤差が発生する。高々1ピクセルのはみ出しであっても、基準位置が0.5ピクセル単位で影響を受けることになる。
【0133】
それに比べ、マーカ基準位置の算出方法(2)の重心算出の場合、算出方法(1)に比較して、図20に示したような1ピクセルの影響を少なくすることができ、確率的に精度は向上する。すなわち、重心算出を行うことにより、ピクセル単位以下の精度(サブピクセル)による基準位置の検出が可能となる。
【0134】
また、雨などにより片方向に「にじみ」が発生することも予想される。2値化時に閾値以上となった場合でも、正規のマーカ位置の輝度は高く、「にじみ」部分の輝度は低いという特性がある。この特性を利用し、マーカ基準位置の算出方法(3)では、各ピクセルに対して、重心算出時に2値化前の輝度値による重み付けをする。これにより、より正確にマーカ基準位置を求めることができる。
【0135】
すなわち、マーカ基準位置の算出方法(3)では、マーカ画像の各ピクセルに対して、カメラ21から送られた画像の輝度値に応じた重みを設定する。そして、各ピクセルに対して、重みに応じた仮想質量を与え、マーカ画像の質量中心を求める。
【0136】
図21は、輝度重みの重心計算例を示す図である。図21では、マーカ画像の輝度分布を、横軸にx座標、縦軸に輝度値を設定した輝度ヒストグラムで示している。図中、線121は、輝度重みの重心位置を示している。また、線122は、2値化結果の重心位置を示している。
【0137】
図21の例では、雨などにより片方向(図中左側)ににじみが発生し、輝度の高い領域が、広がってしまっている。そのため、2値化結果の重心位置は、線122に示すように、左側にずれてしまっている。ここで、輝度重みを付けて、重心を求めると、線121で示したように、輝度値の高い位置に重心が求められる。
【0138】
このように、ヒストグラムが図21のグラフのような場合には「両端画素の中心を求める方法」や、「2値化結果の重心を求める方法」では、重心は両端からの中間点付近になる。しかし、マーカが遠方の場合は映像上ではボケている部分があり、一番明るい部分が重心に近い値になる。そのため、「輝度重みをつけた重心」は、より実際のマーカの中心に近い位置を示す。
【0139】
[マーカ条件判定と充填率]
次に、マーカ条件の判定と充填率について説明する。本実施の形態では、マーカ重心座標位置から予め定められたマーカを認識する。
【0140】
自然環境内で車両の隊列走行を行うと、雨滴の影響で長方形マーカの形状が乱れることにより未検出のマーカが発生したり、太陽光の影響によりマーカ以外のものをマーカと誤認識したりする場合がある。この為、本実施の形態では、マーカの形状を調べる際、次のことをチェックする。
・ 高輝度領域の縦横比は実際マーカの縦横比に近いか。
・ 高輝度領域の形状は長方形(矩形)か。具体的には、高輝度領域を覆いこむ最小の長方形の面積と、高輝度領域の面積の比(面積充填率)を求め、これが予想値、指定値に近いかどうかを調べる。
・ 高輝度領域のサイズが小さすぎたり、または大きすぎたりしないか。これは、想定車間距離範囲におけるマーカサイズの最大値と最小値を予め設定しておき、高輝度領域のサイズが、予め設定された最小値以上、最大値以下であることを調べる。
【0141】
これらの評価基準を満たすものは「マーカ条件を満たす」とされ、マーカ画像候補とする。また、マーカの評価基準に重み付けを行い、マーカ画像候補を重みに応じて総合評価することで、マーカ画像とみなすか否かを判断することができる。この場合、重み付けに関しては、運用形態(走行コース・周辺環境・マーカ形状等)により設定することができる。
【0142】
例えば、近距離においては充填率の重みを強くし、遠距離時には最大面積で判定することで、距離に応じた的確な判定が可能となる。近距離においては遠距離と異なりマーカが矩形である確率が高く、遠距離においては近距離の場合と比較して、円形に近くなることが多いという特性を反映することにより、本処理が実現可能となる。
【0143】
この判定処理により、マーカ同士の位置関係が偶然に真のマーカパターンに近いような発光体群に関しても誤認識を防止することが可能となる。また、マーカ候補数を減らすことが可能となる為、最終的なマーカパターン判定が高速化するという効果もある。
【0144】
図22は、縦横比による判定処理結果の一例を示す図である。図22(A)はカメラから入力された画像を示しており、図22(B)はラベリング結果を示しており、図22(C)は形状判定後に抽出されたマーカ画像候補を示している。
【0145】
カメラ21から入力されたフレーム画像130には、高輝度の領域が複数存在する。図22(A)の例では、フレーム画像130内に、楕円形の領域、三角形の領域、および4カ所の四角形の領域が含まれる。そこで、制御部24は、ラベリングを行い、高輝度の領域に識別番号を付与する。図22(B)の例では、楕円形の領域に1、三角形の領域に2、4カ所の四角形の領域にそれぞれ、3から6の識別番号を付与している。
【0146】
ここで、制御部24が縦横比の判定を行う。実際のマーカの形状が正方形であれば、図22(B)に示す楕円形の領域のように横に長すぎる形状や、三角形の領域のように縦に長すぎる形状は、マーカ画像でない(縦横比が異常である)と判断される。その結果、図22(C)に示すように、四角形の領域のみが、マーカ画像候補として抽出され、それぞれに、1から4の識別番号が振り直される。
【0147】
図23は、充填率判定例を示す図である。充填率を判断する場合、制御部24は、マーカ画像141を囲む矩形領域142を設定する。矩形領域142のx軸方向の幅をx1、y軸方向の幅をy1、マーカ面積S(画面上のドット数)とすると、充填率Fは、
【0148】
【数9】
F=S/(x1+y1) ・・・・(9)
で算出することができる。充填率Fは最大値が1であり、マーカ画像141が矩形に近づくほど充填率Fが1に近づく。
【0149】
以下に、実際にはマーカではないが、縦横比のみで判定するとマーカと誤認識するような例を示す。
図24は、充填率の判断で異常とされる画像の例を示す図である。図24(A)は、歪んだ形状の画像の例を示し、図24(B)は、十時型の画像の例を示し、図24(C)は、三角形の画像の例を示す。
【0150】
各画像151,152,153は、縦横比では正常と判断されるが、充填率では異常と判断される。
マーカは矩形であっても、画像情報において一般的に完全な矩形としてとらえることは不可能である。しかし、撮像対象と撮像手段との間隔が近距離になるほど、マーカ画像も矩形に近くなるという特性がある(充填率が1に近くなる)。よって、充填率によりマーカ画像の判定を行うことにより、高輝度領域が存在した時に、マーカとマーカ以外の判定を的確に行うことができ、結果的に誤認識の防止に効果を発揮する。
【0151】
[追跡処理]
次に、追跡処理について説明する。追跡処理では、マーカパターンが具備する対象の動きが予め定められた範囲にある場合において、マーカおよびマーカパターンを抽出する。
【0152】
図25は、マーカの探索範囲を示す図である。図25の例では、画像160内におけるマーカ画像の探索範囲161b,162b,163b,164b,165bを前時刻のマーカ画像161a,162a,163a,164a,165aの基準位置により判断する。そして、探索範囲161b,162b,163b,164b,165b内から、現時刻のマーカ画像161〜165を検出する。
【0153】
たとえば、前時刻のマーカ画像の基準位置を(x2,y2)とした場合、(x2−p,y2−q)〜(x2+p,y2+q)の範囲を、マーカ探索範囲とする。ここで、p,qは、探索幅を示す変数であるが、p,qの値は、前時刻でのマーカの幅などの情報に基づいて算出される。
【0154】
図26は、探索幅の算出方法を説明する図である。図26(A)は、マーカ探索範囲の第1の候補を示しており、図26(B)は、マーカ探索範囲の第2の候補を示している。
【0155】
前時刻のマーカ画像161aの幅をcx、前時刻のマーカ画像161aの高さをcyとする。ここで、x3=cx/2、y3=cy/2とする。
マーカ探索範囲の第1の候補161cでは、図26(A)に示すように、前時刻のマーカ画像161aの基準位置から横方向にx3×n(nは、1以上の実数)、縦方向にy3×r(rは、1以上の実数)以内の範囲が探索範囲となる。
【0156】
マーカ探索範囲の第2の候補161dでは、図26(B)に示すように、前時刻のマーカ画像161aの基準位置から横方向にx3+m(mは、正の実数)、縦方向にy3+s(sは、正の実数)以内の範囲が探索範囲となる。
【0157】
そして、実際の探索範囲を定めるための探索幅(p,q)は、x軸、y軸それぞれの方向において、大きい方の値が採用される。
たとえば、引数の値の最大値を返す関数をmax(引数#1,引数#2,・・)と定義すると、探索幅(p,q)を以下の様に求めることができる。
【0158】
【数10】
p=max(x×n,x+m)・・・・(10)
【0159】
【数11】
q=max(y×r,y+s)・・・・(11)
これにより、マーカ画像のサイズが大きいとき(マーカが近距離)には、マーカ探索範囲の第1の候補161cで定義されるような探索範囲が決定される。また、マーカ画像のサイズが小さいとき(マーカが遠距離)には、マーカ探索範囲の第2の候補161dで定義されるような探索範囲が決定される。これにより、近距離から遠距離まで、距離に応じた探索範囲が決定される。
【0160】
マーカ探索範囲の第2の候補161dの「m」や「s」による加算処理は、カメラ21の撮像時間内の画像内のマーカパターンの移動が、一定方向の場合に有効に利用できる。たとえば、以下のような場合がある。
・ 自車両のカメラの光軸回転振動(車両振動(ヨー角、ピッチ角)、ステア機構ぶれ、 カメラ治具のぶれ)が有る場合。
・ 道路が線形(正確には角度一定ではない可能性もある)のときの前方車両位置が、画像上で移動する場合。
・ オフセットマージンを設定すべき場合。
【0161】
それに対して、マーカ探索範囲の第1の候補161cの「n」や「r」による乗算処理は、撮影間隔内での移動量が距離に反比例する場合に効果がある。たとえば、以下のような場合に効果がある。
・前方車両のマーカの位置変化量(横位置ずれ,ヨー角変化、ピッチ角変化)を考慮する場合。
・自車両の平行移動振動(横位置ずれなど)がある場合。
・係数マージンを設定すべき場合。
【0162】
実際には、いずれかの値の大きい方(余裕が必要な側)を採用(max値)する。これらを考慮すると実質的に、マーカが遠点ではマーカ探索範囲の第2の候補161dを、近点ではマーカ探索範囲の第1の候補161cを用いることとなる。
【0163】
また、n,m,s,r は、パラメータによって外部指定可能とすることにより、様々な走行コースに対応することができる。たとえば、その時点での前方コース形状を考慮し、動的に変化させる事も可能である。
【0164】
上記設定値を決定するにあたっては、
・道路線形(道路にそった車両の移動分)
・撮像手段(カメラ)のブレ
・車両の振動
・マージン(余裕分)
等を総合的に判断する必要がある。
【0165】
例えば、上記の要因に起因する縦横変化の成分を以下のように規定する。
まず、様々な要因によって引き起こされるマーカパターンの位置ずれの想定量を、道路線形(x11,y11)、カメラのブレ(x12,y12)、車両振動(x13,y13)、ロール(x14,y14)、マージン(x15,y15)とする。このとき、最大の縦横変化の成分は以下の値として設定する。
【0166】
【数12】
横変化の最大値=x11+x12+x13+x14+x15・・・・(12)
【0167】
【数13】
縦変化の最大値=y11+y12+y13+y14+y15・・・・(13)
一般的に道路線形はアップダウンよりも左右のカーブがきつく(x11>y11)、カメラ21のブレはカメラ21の水平方向への回転台を用いている場合横方向のブレが大きい(x12>y12)。そのため、横方向の探索範囲を広く設定することとなる。これにより、不要な縦方向の範囲を探索することが無くなるので、太陽光などの誤認識の防止に非常に効果がある。また、処理速度の向上も期待できる。
【0168】
[小領域全探索]
次に、小領域全探索について説明する。小領域全探索処理では、前時刻のマーカパターン座標情報から、マーカパターンが存在する座標範囲を限定・推定し、限定範囲内でマーカおよびマーカパターンを抽出する。
【0169】
図27は、小領域全探索処理の探索範囲を示す図である。画像170には、前時刻のマーカパターンを形成するマーカ画像171a,172a,173a,174a,175aの位置に応じて、探索範囲176が決定される。この探索範囲176内を全探索することにより、現時刻のマーカ画像171〜175が検出され、現時刻のマーカパターンが認識される。
【0170】
図28は、偽のマーカが存在する場合の画面例を示す図である。図28の画像180には、現時刻の小領域の探索範囲186内に、真正のマーカ画像181〜185が写っている。探索範囲186外には、偽のマーカ画像187a〜187dが写っている。
【0171】
制御部24は、前時刻のマーカパターンを構成するマーカ画像の座標(基準位置)より、マーカパターンの位置、大きさを算出する。そして、制御部24は、予想される移動範囲を加味し、マーカパターン探索範囲を決定する。制御部24は、限定したマーカパターンの探索範囲に対し、全探索処理を行うことにより、マーカ検出、パターン検出を行う。
【0172】
これにより、処理対象を限定することによる高速化が図れる。また、図28に示したような、様々な要因により発生する偽のマーカ画像(マーカ以外の高輝度領域)への誤認識を防止することができる。
【0173】
ここで、小領域全探索における探索範囲の算出方法について説明する。
図29は、小領域全探索における探索範囲の算出方法を説明する図である。直前のフレーム画像190で検出されたマーカ画像191〜195に基づいて、制御部24は、マーカ画像191〜195で構成されるマーカパターンを含む最小領域196を判断する。最小領域196のx座標とy座標との中心を、マーカパターンの中心の位置P0(x0,y0)とする。
【0174】
ここで、マーカパターンの中心の位置P0(x0,y0)を基準とし、(x0−p1,y0−q1)〜(x0p1,y0q1)の範囲を、マーカパターンの探索範囲とする。
【0175】
ここで、前時刻でのマーカパターンの幅をdx、前時刻でのマーカパターンの高さをdyとすると、x4=dx/2、y4=dy/2と表すことができる。
ここで、探索幅(p1,q1)を以下の様に求める。
【0176】
【数14】
p1=max(x4×n1,x4+m1)・・・・(14)
【0177】
【数15】
q1=max(y4×r1,y4+s1)・・・・(15)
n1,r1は1以上の実数であり、m1,s1は0以上の実数である。このように、複数の値の最大値を採るようにしたのは、近距離から遠距離をサポートするためである。
【0178】
「+m1」,「+s1」のように変数を加算する場合は、カメラ21から見て撮像間隔内の画像上のマーカパターンの移動方向が一定の場合に有効である。たとえば、以下のような場合に有効である。
・ 自車両のカメラの光軸回転振動(車両振動(ヨー角、ピッチ角)、ステア機構ぶれ、 カメラ治具のぶれ)が有る場合。
・ 道路が線形(正確には角度一定ではない可能性もある)のときの前方車両位置が、画像上で移動する場合。
・ オフセットマージンを設定すべき場合。
【0179】
それに対して、「×n」や「×r」のように変数を乗算する場合は、撮影間隔内での移動量が距離に反比例する場合に効果がある。たとえば、以下のような場合に効果がある。
・前方車両のマーカの位置変化量(横位置ずれ,ヨー角変化、ピッチ角変化)を考慮する場合。
・自車両の平行移動振動(横位置ずれなど)がある場合。
・係数マージンを設定すべき場合。
【0180】
これらの複数の値のうち余裕が必要な側を採用(max値)する。これらを考慮すると実質的に遠点では前者を近点では後者を用いることとなる。
また、n1,m1,s1,r1は、パラメータにより外部指定可能とすることにより、様々な走行コースに対応する。その時点での前方コース形状を考慮し、動的に変化させる事も可能である。
【0181】
上記設定値を決定するにあたっては、道路線形、撮像手段(カメラ)のブレ、車両の振動、マージン等を総合的に判断する必要がある。
例えば、上記の要因に起因する縦横変化の成分を以下のように規定する。
道路線形(x21,y21)
撮像手段のブレ(x22,y22)
車両振動(x23,y23)
ロール(x24,y24)
マージン(x25,y25)
このとき、最大の縦横変化の成分は以下の値として設定する。
【0182】
【数16】
横変化の最大=x21+x22+x23+x24+x25・・・・(16)
【0183】
【数17】
縦変化の最大=y21+y22+y23+y24+y25・・・・(17)
一般的に道路線形はアップダウンよりも左右のカーブがきつく(x21>y21)、撮像手段のブレはカメラの水平方向への回転台を用いている場合横方向のブレが大きい(x22>y22)ため、横方向の探索範囲を広く設定することとなる。これにより、不要な縦方向の範囲を探索することが無くなるので、太陽光などの誤認識の防止に非常に効果がある。また、処理速度の向上も期待できる。
【0184】
[追跡(位置予測)]
次に、位置の予測処理について説明する。制御部24は、過去のマーカ座標情報およびマーカパターン座標情報から、次時刻のマーカおよびマーカパターンの座標情報を推定し、抽出対象の座標範囲を限定する。
【0185】
図30は、マーカ画像の位置の予測処理を説明する図である。直前の画像でのマーカ画像211の位置から現在の画像でのマーカ画像212の位置までの移動量を算出する。移動量は、たとえば、移動ベクトル214で表すことができる。
【0186】
制御部24は、前回の位置から現在の位置までの移動量と同じだけの移動した位置に、次回のマーカ画像213が現れると予想する。たとえば、移動ベクトル214と同じ長さ、同じ方向の移動ベクトル215を想定し、現在位置から移動ベクトル215で移動した位置を、次回予想位置とする。すなわち次回のマーカ画像の探索においては、直前の2回分のマーカ画像の位置から、現在位置が予想されている。
【0187】
なお、前回のマーカ画像の位置や、現在のマーカ画像の位置は、たとえば、輝度に応じた重み付けを行ったときの重心位置の計算によって算出される。また、マーカ画像の追跡における探索範囲の基準位置を、次回のマーカ画像の予想位置とすることで、マーカ発見の確実性が向上する。
【0188】
本実施の形態については、対象物(マーカおよびマーカパターン)の等速移動の前提が守られるような場合は特に有効な手段である。位置予測処理の適用に際しては、走行コース・撮像手段・自車挙動・先行車挙動等の特性を考慮する必要がある。
【0189】
[発光素子分離対応(画素融合処理)]
複数の発光素子から構成される自己発光マーカの場合、近接時に発光素子が分離されて検出される虞がある。この場合、制御部24は、画像上の分離された画素を融合することで、マーカ候補領域を求める。
【0190】
図31は、複数の発光素子からなるマーカの近接時の画像を示す図である。図31に示すように、マーカが複数のLEDで構成される場合などには、マーカとカメラとの距離が近すぎると、1つのマーカ画像が分離し、複数の高輝度領域の集合として写る。ラベリング処理をそのまま行うと、分離した1つ1つの高輝度領域が、それぞれマーカ候補となってしまう。
【0191】
この分離を抑えるために、制御部24において、通常は領域の膨張・画像の縮小・ぼかし処理等を行うこともできるが、これでは時間がかかってしまう。
そこで、制御部24では、画像処理でなく、ラベリングの途中で隣接していないが近くに存在する高輝度画素の融合処理を行う。これによりマーカの誤認識を防止し、処理の高速化を図ることもできる。
【0192】
本実施の形態では、横方向に関しては、ラベリング途中にて出現したランを用いて画素融合処理を実施する。ランは、2値化画像の記憶容量を縮小するために、領域を水平線の集合体と見なすときに用いられる情報である。2値化後に高輝度に設定された領域の各水平線の始点(左側)と終点(右側)座標のみを記憶するとき、この水平線をランと呼ぶ。ランは2値画像が1ライン上で横方向(水平方向)に連結している数を示す情報であり、情報としては開始x座標、終了x座標、y座標を持っている。
【0193】
横方向の場合には、y座標が同じで、ランの終了x座標と次のランの開始x座標が小さい場合(パラメータで数値を指定)そのランは接続しているものとして処理する。縦方向に関しても同じように、x座標が同じで、ランの終了y座標と次のランの開始y座標が小さい場合(パラメータで数値を指定)そのランは接続しているものとして処理する。
【0194】
図32は、発光素子画像結合処理の例を示す図である。図32(A)は、発光素子の画像結合前の2値画像を示しており、図32(B)は、発光素子の画像結合の2値画像を示している。
【0195】
このように、発光素子毎の画像(高輝度領域)同士の間隔は狭いため、結合処理を行うことで、1つの高輝度領域となる。すなわち、1つのマーカ画像として扱われる。
【0196】
画素融合に関する指定間隔のパラメータ設定にあたっては、発光素子の特性や配置間隔等を考慮する必要がある。また、一般的に発光素子が分離するのは、自己発光マーカと撮像手段が近接した場合であるが、本実施の形態を適用するか否かを、状況により判断できるように設定することも重要である。例えば、近接時のみ適用、距離不明時に適用、近距離または距離不明時に適用、常時適用、常時適用なしといった指定を予め可能にしておくことにより、発光素子特性・走行コース・天候等幅広い運用形態に対応可能となる。
【0197】
[距離モード]
次に、距離モードについて説明する。制御部24は、前時刻の対象までの距離情報をもとに、各機能を切り替えることができる。たとえば、制御部24は、前回の検出結果の距離によって、状態を遠距離、中距離、近距離の3つのパターンに分け、それぞれ処理方法を切り替える。距離に応じて、最適な処理方法をダイナミックに切り替えることにより、各距離範囲でのマーカおよびマーカパターンの誤認識を防止し、単一距離設定では対応不可能な距離範囲を処理対象とすることが可能になる。
【0198】
なお、遠距離、近距離となる場合の距離の区別はそれぞれパラメータで指定する。パラメータ設定については、以下を総合的に判定し決定することにより、幅広い利用形態に適合可能となる。
・マーカおよびマーカパターンサイズ
・マーカの発光素子の特性
・道路線形(アップダウン/左右カーブ)
・車両の振動特性
・撮像装置の挙動特性等
a)遠距離
遠距離の場合、制御部24は、マーカパターンの検索方法として、小領域全探索を行う。小領域全探索は探索範囲を限定し、全探索処理を行う方法である。探索範囲を限定することで処理の高速化を図りなおかつ、マーカの高速な移動に対応できるモードである。
【0199】
マーカ毎の追跡処理では、マーカ1個毎に探索を行うため、5個マーカ全てが高速に移動する場合には適当ではない。それに対して小領域全探索では、マーカ全体が大きく移動する場合に対応ができる。このため、対象が遠距離にあり、撮像機器がぶれる場合等に十分対応できる。
【0200】
ただし、対象が近くなり、検索する範囲が大きくなると処理に時間がかかるようになるため、小領域全探索処理は、マーカ全体が小さく見える遠距離の場合の処理とする。
【0201】
b)中距離
中距離の場合、制御部24は、マーカパターンの検索方法として、マーカ1個毎に探索を行う追跡処理を行う。ある程度近い距離であるため、光学上、遠距離と比較すると、撮像機器がぶれた場合等でも影響が少ない。
【0202】
小領域全探索ではマーカパターンの探索範囲を限定するため、遠距離でない場合は探索範囲が広くなり、最終的には画像全体が探索範囲となり処理効率が悪くなる。さらに不必要に広い範囲を探索することは誤認識をまねく原因ともなってしまう。
【0203】
そこで、ある程度近い距離の場合には、マーカが大きくなるためマーカ1個ずつをそれぞれ探索する方が処理効率として向上し、総合的な探索範囲としては狭くなるので、誤認識をまねく可能性が低くなる。
【0204】
また、マーカが大きいことが判っているため、マーカ1個の検索として画像の間引きを実施してマーカを求めることが可能になる。
c)近距離
近距離の場合、制御部24は、マーカパターンの検索方法として、マーカ1個毎に探索を行う追跡処理を行う。マーカが大きく見えることが判っているため、マーカ個数が2個、1個となってもそのマーカの間隔、マーカサイズから距離を求めることを許可する。これにより2個以下のマーカのみが画角内に存在する場合にも距離算出が可能となる。近距離以外では3個以上のマーカが画角内に存在し、また太陽光などを誤検出する可能性が高くなる為、この方式を用いない事が望ましい。
【0205】
また、近距離の場合には発光素子の分離も考慮し、画素融合処理を重ねて実施する。
さらに、近距離の場合のみ、撮像手段(カメラ21)の露出を上げる。これにより、太陽光などの外乱の誤認識を最小限に抑えながら、発光阻止の分離による誤認識を防止できる。
【0206】
なお、本実施の形態においては、遠距離・中距離・近距離と3種類のパターンに分けた処理となっているが、距離に応じた設定の切替を、さらに細分化してもよい。これにより、さらに細かな距離別対応が可能となり、結果的に誤認識防止、認識率向上を実現することができる。
【0207】
[処理範囲限定]
制御部24は、対象までの距離に応じて(距離の関数として)、マーカパターンの探索範囲を変化させることもできる。
【0208】
図33は、対象が遠距離の場合に制限された探索範囲について示す図である。追尾対象の車両までの距離が遠距離の場合、カメラ21から送られた画像220には、追尾すべき車両に設置されたマーカのマーカ画像221以外にも、雲の画像222や水たまりで反射したマーカの反射画像223などが映し出される。画像220上部には、雲以外にも、太陽があり得る。これらの画像は、マーカの誤認識の要因となる。
【0209】
そこで、制御部24は、画像の上から所定の範囲と、下から所定の範囲をマーカパターンの探索範囲から除外する。従って、探索範囲224は、画像220の上下を除いた中央部となる。これにより、誤認識要因を除去し、誤検出を防止することができる。
【0210】
なお、コース形状(急なカーブが存在しないなど)により、マーカパターンが存在しうる範囲を横方向に限定することも可能である。
図34は、対象が近距離の場合に制限された探索範囲について示す図である。追尾対象の車両までの距離が近距離の場合、カメラ21から送られる画像230には、マーカパターンを構成するマーカ画像231が大きく映し出される。この場合、直前の検出結果の距離に応じて、探索範囲232を上下に広く取る。
【0211】
すなわち、探索範囲は、近距離において広く、遠距離において狭くする。これにより、近距離において、真正のマーカ画像が探索範囲から外れることがなくなる。
【0212】
[位置に応じた探索範囲制限]
IMTSでは、走行レーンに磁気レーンマーカを一定間隔で敷設し、その磁気レーンマーカを検出することで、各車両自身が、現在の位置を把握することができる。そこで、本実施の形態では、車両の現在の位置に応じて、先行する車両のマーカの探索範囲を制限する。
【0213】
図35は、位置に応じた探索範囲制限を行うための処理機能を示す機能ブロック図である。
磁気レーンマーカ検出部301は、走行レーンに敷設された磁気レーンマーカを検出する。この磁気レーンマーカ検出部301は、図7に示したセンサ26の一機能である。
【0214】
位置情報取得部302は、磁気レーンマーカ検出部301が検出した磁気レーンマーカの情報に基づいて、現在の位置情報を取得する。探索範囲抽出部303は、位置情報取得部302が取得した位置情報に基づいて、マーカ画像若しくはマーカパターンの探索範囲を抽出する。たとえば、現在の位置と、走行レーンの地図情報とにより、長い直線の途中を走行中であることが分かれば、左右を制限した探索範囲を抽出する。探索範囲抽出部303は、抽出した探索範囲をマーカ抽出部305とマーカパターン抽出部306に渡す。
【0215】
撮像部304は、先行する車両の映像を撮影し、画像を生成する。撮像部304は、図7に示すカメラ21と画像処理部23とで構成される機能である。
マーカ抽出部305は、撮像部304から撮影した画像を受け取り、その画像における探索範囲抽出部303から渡された探索範囲内から、マーカ画像を抽出する。
【0216】
マーカパターン抽出部306は、マーカ抽出部305が抽出したマーカ画像を解析し、マーカパターンを抽出する。なお、マーカパターン抽出部306は、マーカ抽出部305において、探索範囲の制限を行っていない場合には、探索範囲抽出部303から送られた探索範囲内のマーカ画像のみからマーカパターンの抽出を行う。
【0217】
相対位置算出部307は、マーカパターン抽出部306が抽出したマーカパターンにより、先行する車両の相対位置を算出する。
これにより、先行の車両を追尾する車両では、磁気レーンマーカを検出することで、自己の現在位置を把握し、その現在位置と走行レーンの地図情報とを比較することで、的確に探索範囲が決定される。そして、決定された探索範囲よりマーカパターンの検出が行われる。
【0218】
これにより、探索範囲が絞られ、処理速度が上がる。また、探索範囲の絞り込みを的確に行うことができるため、ノイズを誤ってマーカと認識することを抑制することが可能となる。
【0219】
なお、位置情報取得は、GPS(Global Positioning System)で行うこともできる。このとき、自走距離やハンドルの切り幅などにより、GPSにより得られた位置を補正することもできる。
【0220】
[撮像装置の回転制御]
上記の例では、撮像装置であるカメラ21を固定的なものとして説明したが、先行する車両との相対的位置関係に応じて、カメラ21の位置を回転させることもできる。以下、カメラ21の回転手法について説明する。
【0221】
図36は、回転機構を有するカメラの上面図である。図36に示すように、車両20の先頭には、カメラ21が回転台27aの上に設置されている。回転台27aは、モータが内蔵されており、制御部24からの信号に従ってモータが回転し、カメラ21を回転させる。すなわち、回転台27aは、アクチュエータ27の一部である。
【0222】
回転台27aの回転角は、走行レーン上の絶対位置に応じて制御することができる。そのような制御を行うときの制御方法について以下に説明する。
図37は、撮像装置の回転制御機能を示す機能ブロック図である。図37において、磁気レーンマーカ検出部301と位置情報取得部302とは、図35に示した同名の構成要素と同じである。磁気レーンマーカ検出部301と位置情報取得部302とにより、レーン上に設けられた磁気レーンマーカなどによりレーンマーカ情報が取得される。レーンマーカ情報は、予め定められた道路線形によって二次元、若しくは三次元による座標マップと対応づけられている。
【0223】
図38は、レーンマーカと座標との対応表を示す図である。各レーンマーカには、001から順番に番号が振られている。そして、各レーンマーカには、X座標、Y座標、接線に対する道路線形の絶対角度(以下、単に絶対角度という)が対応づけられている。たとえば、k(kは自然数)番目のレーンマーカのX座標はX(k)、Y座標はY(k)、絶対角度はφ(k)である。u(uは自然数)番目のレーンマーカのX座標はX(u)、Y座標はY(u)、絶対角度はφ(u)である。
【0224】
図37の説明に戻り、対象マーカ距離設定記憶部311は、先行する車両に設定されたマーカとの間に保持すべき距離が設定されている。制御部24は、設定された距離に車間を保つように、アクセルやブレーキなどを制御する。
【0225】
対象マーカ距離算出部312は、先行する車両に設定されたマーカとの距離dを算出する。
撮像装置回転角度算出部313は、位置情報取得部302からの位置情報と、対象マーカ距離設定記憶部311からの距離または、対象マーカ距離算出部312が算出した距離dに基づいて、カメラ21が設置された回転台27aの回転角度を算出する。
【0226】
このような構成による撮像装置回転角の算出方法について説明する。
図39は、隊列走行をしている車両を上から見た図である。なお、図39では、図中横方向がX軸であり、縦方向がY軸である。
【0227】
先行する車両10と追走する車両20とは、走行レーン320に沿って走行している。走行レーン320には、多数の磁気レーンマーカ330が敷設されている。図39の例では、先行する車両10は、走行レーン320のu番目のレーンマーカ332が敷設された場所を走行中である。追走する車両20は、車両10から距離dだけ離れて、走行レーン320のk番目のレーンマーカ331が敷設された場所を走行中である。
【0228】
図40は、図39の拡大図である。図40には、補助線として、車両20の位置に敷設されているk番目のレーンマーカ331における道路線形(マーカの位置を滑らかに結ぶ線)の接線341、車両20の前後方向の軸342、車両10の前後方向の軸343、カメラ21とマーカパネル11とを結ぶ直線344が示されている。
【0229】
ここで、接線341と軸342との成す角をφ1、接線341と軸343との成す角をφ2、軸342と直線344との成す角をφaとする。
自車である車両20は、k番目のレーンマーカ331を検出し、対象マーカ距離設定記憶部311、若しくは対象マーカ距離算出部312から先行の車両10までの距離dを得たとする。車の長さをd1、レーンマーカの間隔をd2とすれば、uは式(18)によって求めることができる。
【0230】
【数18】
u=k+(d+d1)/d2・・・・(18)
また、レーンマーカ間隔が不均等である場合、それぞれのレーンマーカ間距離の積分値で求めることもできる。
【0231】
撮像装置回転角度算出については、以下を考慮する必要がある。
1.道路線形の接線の絶対角度(φ1k,φ1u)
2.車両挙動による道路線形接線に対する車両のヨー角(φ2k,φ2u)
3.車両の道路に対しての横位置ズレ量(x1k,y1k)、(x1u,y1u)
4.車両内のレーンマーカセンサに対しての撮像手段位置(dxc,dyc)
5.車両内のレーンマーカセンサに対してのマーカ位置(dxm,dym)
撮像装置回転角度算出の手順は、以下の通りである。各種角度の算出には一般の幾何学原理を用いる。
【0232】
図41は、撮像回転角度算出処理の手順を示すフローチャートである。以下、図41に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS101]位置情報取得部302は、磁気レーンマーカより、検出されたレーンマーカの番号を取得する。そして、位置情報取得部302は、図38に示したレーンマーカと座標との対応表に基づいて、道路位置(X(k),Y(k)),(X(u),Y(u))を取得する。また、位置情報取得部302は、および車両の道路に対しての横位置ズレ量(x1k,y1k)、(x1u,y1u)を磁気レーンマーカ検出部301より取得し、車両の縦位置および横位置(レーンマーカセンサの位置が基準)を定める。
【0233】
[ステップS102]撮像装置回転角度算出部313は、道路線形の接線の絶対角度(φ1k,φ1u)と、車両挙動による道路線形接線に対する車両のヨー角(φ2k,φ2u)とにより、車両の角度を定める。
【0234】
【数19】
φ1=φ1k+φ2k ・・・・(19)
【0235】
【数20】
φ2=φ1u+φ2u ・・・・(20)
[ステップS103]撮像装置回転角度算出部313は、ステップS101,S102および車両内のレーンマーカに対しての撮像手段位置(dxc,dyc)により、全座標内での後続車の撮像手段位置(xc,yc)を算出する。
【0236】
[ステップS104]撮像装置回転角度算出部313は、ステップS101,S102および車両内のレーンマーカセンサに対してのマーカ位置(dxm,dym)により、全座標内での前方車のマーカ位置(xm,ym)を算出する。
【0237】
[ステップS105]撮像装置回転角度算出部313は、撮像手段からマーカの絶対角度を以下の式にて算出する。
【0238】
【数21】
φa=tan-1((ym−yc)/xm−xc))
・・・・(21)
[ステップS106]撮像装置回転角度算出部313は、カメラの回転角度を、
【0239】
【数22】
φc=φa−φ1・・・・(22)
として算出する。
【0240】
以上のようにして、カメラの回転角度を算出することができる。なお、さらにレーンマーカ間隔での離散的な算出処理を車輪パルス等で補間することにより、より誤差の少ない、スムーズな撮像装置の回転が可能となる。例えば、道路の曲率などを車輪パルスで線形補間することにより緩和曲線区間(カーブのきつさが距離で変化する部分)での誤差、不連続性を改善できる。
【0241】
撮像装置回転角度算出部313は、この値φcの角度情報を回転台27aに送信する。回転台27aは、受け取った角度情報をもとにカメラ21を回転する。これにより、対象マーカをカメラ21で追尾することが可能となる。
【0242】
このように、対象マーカを積極的に視野内にとらえることで、対象マーカ以外の外乱ノイズの影響を受けにくく、また望遠レンズを使用することができ、より精度の高い画像処理装置、または画像処理システムの実現が可能となる。
【0243】
またφaとφ2の差の絶対値により、マーカからカメラ21への相対角度が求まる。これにより角度の大きい場合だけ撮像手段の露出を上げることにより,太陽光などの外乱の誤認識を最小限に抑えながら、小さな半径のカーブでの検出を確保することが可能となる。
【0244】
なお、上記の実施の形態では、先行車両との相対位置の計測を、後続車両の自動運転に利用する場合について説明したが、運転の補助機能(ドライビングアシスト)として、相対位置の計測結果を利用してもよい。たとえば、車間距離が短くなったときにドライバに警告を発することができる。また、先行車両の方位角やヨー角の発生により、前方にコーナがあることをドライバにアナウンスしてもよい。
【0245】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、制御装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記録装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM(Random Access Memory)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disc)などがある。
【0246】
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0247】
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0248】
(付記1) 画像解析により先行車両との相対位置を計測する相対位置計測装置において、
前記先行車両の後部の位置に複数の軸方向に並べられた複数のマーカを撮像し、フレーム画像を生成する撮像手段と、
前記撮像手段が生成した前記フレーム画像から、前記複数のマーカを表す複数のマーカ画像で構成されるマーカパターンを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段で抽出した前記マーカパターンに基づいて、前記先行車両との相対距離および相対角度を算出する算出手段と、
を有することを特徴とする相対位置計測装置。
【0249】
(付記2) 前記算出手段は、2つのマーカ画像の前記フレーム画像内での距離に基づいて、前記先行車両との相対距離を計算することを特徴とする付記1記載の相対位置計測装置。
【0250】
(付記3) 前記算出手段は、前記複数のマーカ画像の前記フレーム画像内の位置から前記マーカパターンの基準位置を求め、当該基準位置に基づいて相対角度を算出することを特徴とする付記1記載の相対位置計測装置。
【0251】
(付記4) 前記算出手段は、前記複数のマーカ画像の前記フレーム画像内の位置から前記マーカパターンの基準位置を求め、前記複数のマーカ画像に対して奥行き方向に差のある他のマーカ画像の位置と、前記マーカパターンの基準位置との前記フレーム画像内での距離に基づいて、前記先行車両との相対ヨー角を計算することを特徴とする付記1記載の相対位置計測装置。
【0252】
(付記5) 前記算出手段は、前記マーカ画像の輝度分布情報を元に、前記マーカ画像を構成するピクセル毎の重み付けを行い、前記ピクセルで構成される前記マーカ画像の重心位置を、前記マーカ画像の位置とすることを特徴とする付記1記載の相対位置計測装置。
【0253】
(付記6) 前記抽出手段は、前記マーカ画像の候補となる高輝度領域を囲う長方形を定義し、前記長方形内の前記高輝度領域の占める割合である充填率を算出し、前記充填率が所定値以上である場合にのみ、前記高輝度領域を前記マーカ画像として抽出することを特徴とする付記1記載の相対位置計測装置。
【0254】
(付記7) 前記抽出手段は、前記マーカ画像の候補となる高輝度領域の縦横比が所定の比率以内の場合にのみ、前記高輝度領域を前記マーカ画像として抽出することを特徴とする付記1記載の相対位置計測装置。
【0255】
(付記8) 前記抽出手段は、前時刻のマーカパターンを構成する前時刻の各マーカ画像の位置に基づいて、前記フレーム画像内での現時刻の各マーカ画像の探索範囲を限定し、限定された前記探索範囲より、現時刻の前記各マーカ画像を探索することを特徴とする付記1記載の相対位置計測装置。
【0256】
(付記9) 前記抽出手段は、前時刻のマーカパターンを構成する前時刻の各マーカ画像の移動方向と移動量とに基づいて、現時刻の各マーカ画像の位置を推定し、推定された位置を基準とした範囲を前記各マーカ画像の前記探索範囲とすることを特徴とする付記8記載の相対位置計測装置。
【0257】
(付記10) 前記抽出手段は、前時刻のマーカパターンの位置に基づいて、前記フレーム画像内での現時刻のマーカパターンの探索範囲を限定し、限定された前記探索範囲より、現時刻のマーカパターンを探索することを特徴とする付記1記載の相対位置計測装置。
【0258】
(付記11) 前記抽出手段は、前記マーカが複数の自己発光体の集合体であり、前記先行車両に対する相対距離が所定値以下の場合には、接近した高輝度領域を同一の高輝度領域として認識することを特徴とする付記1記載の相対位置計測装置。
【0259】
(付記12) 前記抽出手段は、マーカ画像またはマーカパターンの探索範囲の制限機能を複数有し、前記先行車両との相対距離に応じて、前記探索範囲の制限機能を選択することを特徴とする付記1記載の相対位置計測装置。
【0260】
(付記13) 前記抽出手段は、前記先行車両との相対距離に応じて、前記マーカパターンの探索範囲を変化させることを特徴とする付記1記載の相対位置計測装置。
【0261】
(付記14) 予め決められた走行コース上での自らの絶対位置を取得する位置取得手段をさらに有し、前記絶対位置付近の走行コース形状に応じて、前記マーカパターンの探索範囲を制限することを特徴とする付記1記載の相対位置計測装置。
【0262】
(付記15) 前記算出手段が算出した相対角度に基づいて、前記撮像手段による撮影方向を前記先行車両に向けることを特徴とする撮影方向制御手段をさらに有することを特徴とする付記1記載の相対位置計測装置。
【0263】
(付記16) 画像解析により先行車両との相対位置を計測する相対位置計測方法において、
前記先行車両の後部の位置に、複数の軸方向に並べられた複数のマーカを撮像し、フレーム画像を生成し、
前記フレーム画像から、前記複数のマーカを表す複数のマーカ画像で構成されるマーカパターンを抽出し、
前記マーカパターンに基づいて、前記先行車両との相対距離および相対角度を算出する、
ことを特徴とする相対位置計測方法。
【0264】
(付記17) 画像解析により先行車両との相対位置を計測するためのプログラムにおいて、
コンピュータを、
前記先行車両の後部の位置に複数の軸方向に並べられた複数のマーカを撮像し、フレーム画像を生成する撮像手段、
前記撮像手段が生成した前記フレーム画像から、前記複数のマーカを表す複数のマーカ画像で構成されるマーカパターンを抽出する抽出手段、
前記抽出手段で抽出した前記マーカパターンに基づいて、少なくとも前記先行車両との相対距離または相対角度を算出する算出手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【0265】
(付記18) 画像解析により先行車両との相対位置を計測するためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、
前記コンピュータを、
前記先行車両の後部の位置に複数の軸方向に並べられた複数のマーカを撮像し、フレーム画像を生成する撮像手段、
前記撮像手段が生成した前記フレーム画像から、前記複数のマーカを表す複数のマーカ画像で構成されるマーカパターンを抽出する抽出手段、
前記抽出手段で抽出した前記マーカパターンに基づいて、少なくとも前記先行車両との相対距離または相対角度を算出する算出手段、
として機能させることを特徴とする記録媒体。
【0266】
(付記19) 先行車両との相対位置関係を保って隊列走行を行う運搬車両において、
前記先行車両の後部の位置に複数の軸方向に並べられた複数のマーカを撮像し、フレーム画像を生成するカメラと、
前記カメラが生成した前記フレーム画像から、前記複数のマーカを表す複数のマーカ画像で構成されるマーカパターンを抽出し、抽出した前記マーカパターンに基づいて、少なくとも前記先行車両との相対距離または相対角度を算出する制御装置と、
を有することを特徴とする運搬車両。
【0267】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では、先行車両の後部の複数の軸方向に配置された複数のマーカを撮像して得られるフレーム画像からマーカパターンを検出し、そのマーカパターンに基づいて相対位置を算出するようにしたため、多数のテンプレートを記憶せずに、相対位置を高精度に算出できる。その結果、精度の高い相対位置の計算を高速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理構成図である。
【図2】IMTSによる隊列走行の概要を示す図である。
【図3】先行する車両を後方から見た図である。
【図4】マーカの配置を示す図である。図4(A)は、マーカパネルの正面図である。図4(B)は、図4(A)のX−X断面図である。
【図5】フレーム画像の例を示す図である。
【図6】車両の相対的位置の関係を示す図である。
【図7】車両に搭載されている自動追尾機能の構成を示すブロック図である。
【図8】相対位置計算処理全体の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】全探索処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】マーカパターン検出処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】追跡処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】先行する車両の後部を写したフレーム画像の例を示す図である。
【図13】周辺マーカの1点を除く4点が見つかった場合のフレーム画像の例を示す図である。
【図14】ロール角が発生するときのフレーム画像の例を示す図である。
【図15】周辺マーカのうち水平方向に対になる2つのマーカ画像が検出された場合のフレーム画像の例を示す図である。
【図16】周辺マーカのうち水平方向に対になる2つのマーカ画像以外が検出された場合のフレーム画像の第1の例である。
【図17】周辺マーカのうち水平方向に対になる2マーカ画像以外が検出された場合のフレーム画像の第2の例である。
【図18】マーカ画像の拡大図である。
【図19】マーカ画像の輝度ヒストグラムを示す図である。
【図20】マーカ画像の2値化処理の例を示す図である。図20(A)は、2値化前のマーカ画像のピクセル毎の輝度値を示しており、図20(B)は、2値化後のマーカ画像のピクセル毎の輝度値を示している。
【図21】輝度重みの重心計算例を示す図である。
【図22】縦横比による判定処理結果の一例を示す図である。図22(A)はカメラから入力された画像を示しており、図22(B)はラベリング結果を示しており、図22(C)は形状判定後に抽出されたマーカ画像候補を示している。
【図23】充填率判定例を示す図である。
【図24】充填率の判断で異常とされる画像の例を示す図である。図24(A)は、歪んだ形状の画像の例を示し、図24(B)は、十時型の画像の例を示し、図24(C)は、三角形の画像の例を示す。
【図25】マーカの探索範囲を示す図である。
【図26】探索幅の算出方法を説明する図である。図26(A)は、マーカ探索範囲の第1の候補を示しており、図26(B)は、マーカ探索範囲の第2の候補を示している。
【図27】小領域全探索処理の探索範囲を示す図である。
【図28】偽のマーカが存在する場合の画面例を示す図である。
【図29】小領域全探索における探索範囲の算出方法を説明する図である。
【図30】マーカ画像の位置の予測処理を説明する図である。
【図31】複数の発光素子からなるマーカの近接時の画像を示す図である。
【図32】 発光素子画像結合処理の例を示す図である。図32(A)は、発光素子の画像結合前の2値画像を示しており、図32(B)は、発光素子の画像結合の2値画像を示している。
【図33】対象が遠距離の場合に制限された探索範囲について示す図である。
【図34】対象が近距離の場合に制限された探索範囲について示す図である。
【図35】位置に応じた探索範囲制限を行うための処理機能を示す機能ブロック図である。
【図36】回転機構を有するカメラの上面図である。
【図37】撮像装置の回転制御機能を示す機能ブロック図である。
【図38】レーンマーカと座標との対応表を示す図である。
【図39】隊列走行をしている車両を上から見た図である。
【図40】図39の拡大図である。
【図41】撮像回転角度算出処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 先行車両
1a〜1d マーカ
2 相対位置計測装置
2a 撮像手段
2b フレーム画像
2c 抽出手段
2d マーカパターン
2e 算出手段
10,20,30 車両
11,22,32 マーカパネル
11a〜11e マーカ
21,31 カメラ

Claims (9)

  1. 画像解析により先行車両との相対位置を計測する相対位置計測装置において、
    前記先行車両の後部の位置に奥行き方向の軸を含む複数の軸方向に並べられた複数のマーカを撮像し、フレーム画像を生成する撮像手段と、
    前記撮像手段が生成した前記フレーム画像から、前記複数のマーカを表す複数のマーカ画像で構成されるマーカパターンを抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段で抽出した前記マーカパターンに基づいて、前記複数のマーカ画像の前記フレーム画像内の位置から前記マーカパターンの基準位置を求め、前記複数のマーカ画像に対して奥行き方向に差のある他のマーカ画像の位置と、前記マーカパターンの基準位置との前記フレーム画像内での距離に基づいて、前記先行車両との相対ヨー角を算出する算出手段と、
    を有することを特徴とする相対位置計測装置。
  2. 前記算出手段は、前記マーカ画像の輝度分布情報を元に、前記マーカ画像を構成するピクセル毎の重み付けを行い、前記ピクセルで構成される前記マーカ画像の重心位置を、前記マーカ画像の位置とすることを特徴とする請求項1記載の相対位置計測装置。
  3. 前記抽出手段は、前記マーカ画像の候補となる高輝度領域を囲う長方形を定義し、前記長方形内の前記高輝度領域の占める割合である充填率を算出し、前記充填率が所定値以上である場合にのみ、前記高輝度領域を前記マーカ画像として抽出することを特徴とする請求項1記載の相対位置計測装置。
  4. 前記抽出手段は、前記マーカ画像の候補となる高輝度領域の縦横比が所定の比率以内の場合にのみ、前記高輝度領域を前記マーカ画像として抽出することを特徴とする請求項1記載の相対位置計測装置。
  5. 前記抽出手段は、前記マーカが複数の自己発光体の集合体であり、前記先行車両に対する相対距離が所定値以下の場合には、接近した高輝度領域を同一の高輝度領域として認識することを特徴とする請求項1記載の相対位置計測装置。
  6. 前記算出手段は、さらに、前記抽出手段で抽出した前記マーカパターンに基づいて、前記先行車両との相対距離を算出し、
    前記抽出手段は、マーカ画像またはマーカパターンの探索範囲の制限機能を複数有し、前記先行車両との前記相対距離に応じて、前記探索範囲の制限機能を選択することを特徴とする請求項1記載の相対位置計測装置。
  7. 前記算出手段は、さらに、前記抽出手段で抽出した前記マーカパターンに基づいて、前記先行車両との相対距離を算出し、
    前記抽出手段は、前記先行車両との前記相対距離に応じて、前記マーカパターンの探索範囲を変化させることを特徴とする請求項1記載の相対位置計測装置。
  8. 予め決められた走行コース上での自らの絶対位置を取得する位置取得手段をさらに有し、
    前記抽出手段は、前記絶対位置付近の走行コース形状に応じて、前記マーカパターンの探索範囲を制限することを特徴とする請求項1記載の相対位置計測装置。
  9. 前記算出手段は、さらに、前記撮像手段が搭載された車両の前後方向の軸と、前記撮像手段と前記マーカとを結ぶ直線との成す角を算出し、
    前記算出手段が算出した前記軸と前記直線との成す角に基づいて、前記撮像手段による撮影方向を前記先行車両に向けることを特徴とする撮影方向制御手段をさらに有することを特徴とする請求項1記載の相対位置計測装置。
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