JP4447601B2 - マルチユーザダイバーシチフォワーディング - Google Patents
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Description
本発明は概して通信ネットワークに関し、具体的にはマルチホップネットワーク及びこのようなネットワークのルーティングメカニズムに関する。
無線媒体を効果的に複数ユーザの間で共有するプロトコルは通常、多重アクセスプロトコル、チャネルアクセス方式、又はメディアアクセス方式と呼ばれる。多重アクセスプロトコルは参考文献[1]に示されるように、2つの主要なカテゴリー、すなわち衝突回避プロトコル及びコンテンションプロトコルに分類することができる。
衝突回避プロトコルは、送信が常に無事に行われる、すなわち他の送信によって干渉されないことを保証するプロトコルである。衝突回避伝送は、チャネルを静的に、又は動的にユーザに割り当てることにより行なうことができる。これは、それぞれ固定スケジューリング及び動的スケジューリングと呼ばれることが多い。局間の調整を正確に行なうことによって、高い効率が実現すると考えられるが、大量の制御トラフィックの複雑な切り替えを伴う場合がある。
コンテンションプロトコルは、原理的に、送信が無事に行なわれることが保証されない点で衝突回避プロトコルとは異なる。従って、このプロトコルは、衝突が生じた場合にこれらの衝突を解消して全てのメッセージが最終的に無事に送信されるようにする手順を規定する必要がある。
マルチホップシナリオにおいては、情報は、シングルホップ内で直接ではなく、送信元と宛先との間の複数のホップを通して送信することができる。一般的に、マルチホップ方式は、直接ワンホップ方式に比べて小さい消費電力及び高い情報スループットなどの複数の利点を持つ。マルチホップネットワークでは、互いに通信ができない距離に位置するノードが、送信元からのメッセージを宛先に転送する中間に位置するノードを利用することができるという利点がある。マルチホップネットワークは、ノード群のほとんどが移動性を有し、中央調整インフラストラクチャが無い、いわゆるアドホックネットワークと定義することができるが、マルチホップネットワークの考えは、ノード群が固定される場合に適用することもできる。
フォワーディングプロセスにおいて、ある程度能動的なルーティング選択を用いて複数ノードを利用するというコンセプトに基づく既存のプロトコル(このプロトコルは下位の最短パスプロトコルを使用することができる)が存在する。例えば、EIGRP(Enhanced Interior Gateway Routing Protocol:参考文献[2])と呼ばれるプロトコルはルーティングプロトコルであり、複数のルータの1つに対するランダムフォワーディングを可能にする固定ネットワークに主として使用される。Sylvester及びKleinrockによるランダムフォワードルーティング(参考文献[3])はEIGRP、すなわち複数のパケット無線ネットワークルータの1つに対するパケットのランダムフォワーディングに類似するが、このランダムフォワードルーティングには重要な補正が含まれており、パケットが常にほぼ正しい方向に確実に向かう。DARPA(Defense Advance Research Project Agency)による別のパスルーティング(参考文献[4])は、リンクを介して再送信されるパケットを複製すると同時に複数のノードに同報通信することを可能にしており、これらのノードからパケットは再度最短パスルーティング方法に従って進む。1次N/Mフォワーディング(参考文献[5])は、1のノードが1のノードに向かって最大N回のパケット送信を試み、送信に失敗すると、次のノードに対して最大N回の送信を試みる、という考え方に基づく。この手順は、パケット欠落が生じる前に最大M個のノードに対して繰り返される。代替パスルーティング及び1次N/Mフォワーディングの利点は、これらの方法を、例えばフェージング又は干渉変動に起因する輻輳及び一時的悪化通信を含む局所的な通信状態に適合させることができることである。
しかしながら、参考文献[6,7]の全体モニタリングは遅いプロセスである。モニタリングは、迂回メッセージを受信することによって、又は時々いわゆるプローブを送出することによって行われる。プローブが送出されると、例えばパス損失に関する情報を含む応答が返信されると予測される。プローブとデータ送信との間に遅延がある場合、フォワーディングアルゴリズムに関する返信入力情報は、データが送信される時にはもう古くなっている可能性がある。特に望ましくない結果は、既存のオポチューンルーティングと、それに加えて普通の最短パスルーティング方法が、使用可能なダイバーシチ効果を効率的に利用しないということである。
変動を利用する考えであって、シングルホップ方式の普通のセルラーネットワークに関する類似の考えは、参考文献[9,10,及び11]に見ることができ、これらの参考文献はそれぞれ、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)、高データレート(HDR)、及びオポチュニスティックビームフォーミング(OB)について記載している。HSDPA及びHDRは互いに非常に類似する。しかしながら、オポチュニスティックビームフォーミングは、機能の点で異なり、OBがアンテナビームを異なる方向にランダムに振り向けるか、又は連続的に掃引するのに対し、HSDPA及びHDRはビームフォーミングという概念は持たない。特に、オポチュニスティックビームフォーミング(参考文献[11])では、オポチュニスティックアイデアを利用し、次にビームフォーミングに関してオポチュニスティックアプローチを利用して、セルラーシステム又は基地局におけるシステム容量を大きくする。しかしながら、このようなHSDPA、HDR、及びOBのコンセプトはマルチホッピングには関連していない。OBは基本的に、高速のチャネル変動を考慮に入れた基地局における高速スケジューリングの拡張版であり、CDMA2000HDR及びWCDMA HSDPAの両方に提案されている。
本発明は先行技術による構成の上記欠点及び他の欠点を解決する。
本発明の主たる目的は、マルチホップネットワークにおいて情報を転送するための効率的なメカニズムを提供することにある。
本発明の目的はまた、ネットワークにおけるサービス品質(QoS)を向上させることにある。
本発明の特定の目的は、マルチホップネットワークにおいて情報を効率的に転送するための方法及びシステムを提供することにある。
本発明の別の目的は、パケット無線マルチホップネットワークにおける情報の効率的な転送をサポートする制御ノードを提供することにある。
このようにして、本発明は、送信キューの先頭の第1パケットに適する中継ノードを単純に選択する状況と比較すると、より多くの中継ノードの中からの選択を効率的に行なうことができる。自由度がこのように高くなる主たる理由は、異なるパケット又は更に広い意味で異なる組のデータを送信ノードから種々の方向に向けることができるので、複数の概略転送方向(general forwarding direction)の中継ノードを選択することができるからである。選択はコストから見た進行度(cost progress)に基づくことが多く、地理上の距離における転送進行度(forward progress)に基づくこともできる。例えば異なるフローは異なるQoS要件を有するため、選択プロセスにおいてQoS面を考慮することも可能である。一例として、緩い遅延要件を有するフローよりも厳しい遅延要件を有するフローの優先度を高くすることができる。複数の宛先及び/又は複数のフローの間の公平性も、選択プロセスにおいて考慮することができる要素である。いずれにしても、宛先/フローの選択は最終的には、送信キューから送信すべき情報の選択に変換される。
異なる宛先及び/又はフロー、中継ノード、及び場合によってはリンクパラメータが一括して考慮される選択プロセスは、普通、考慮対象の送信ノードと、中継候補ノード群の各々との間のリンク性能を表す情報に基づく。この理由により、通信を3又は4フェーズ、すなわち調査フェーズ、応答フェーズ、データフェーズ、及び任意選択のアクノリッジメントフェーズに分割することが好ましい。最初の2フェーズは、通常、例えば予測信号対雑音比(SNR)又は予測信号対雑音プラス干渉比(SINR)に関する報告により、又はサポートされている送信レートの通知により、中継候補ノード群の各々に関するチャネル及び送信情報のようなリンク性能情報を問い合わせ、取り出すように設計されている。SINRは、干渉及び雑音の両方を含むので、好んで用いられる場合が多い。宛先/フロー、中継ノード、及び送信キューからの適切な組のデータの選択が、統合リンクアダプテーションを行って、又は行わずに完了すると、データフェーズにおいてデータが中継ノードに送信される。必要に応じて、選択中継ノードは、アクノリッジメントフェーズにおいてデータの受け入れを承認することができる。好適には、上に記載した3又は4フェーズは、チャネルコヒーレンス時間よりも短い期間内に実行されて高速適応を可能にする。他のアクノリッジメント方法を使用することもできる。例えば、アクノリッジメントを故意に遅延させ、少ない頻度で送信される一塊のアクノリッジメントメッセージにアクノリッジメントを集めることができる(アクノリッジメントは必ずしもチャネルコヒーレンス時間内に行なう必要はない)。
複数のフローが任意の宛先(複数の宛先)に対してサポートされる場合、選択はフロー及び宛先の組み合わせとすることができる。フローではなく、宛先を最適化変数として使用する場合、選択結果は選択中継ノード及び宛先を含むことになる。しかしながら、選択宛先に至るには幾つかのフローが存在し得るので、どのフローを選択すべきかは依然として未決問題である。当然ながら、これらのフローの中からの更に別の選択は、例えばQoS要件に基づいて行なうか、又はランダムに行なうこともできる。しかしながら、フローを最適化変数として使用することによって、QoS要素を一括最適化プロセスに直接取り入れることができ、これによって宛先方向の観点、QoSの観点の両方から最適フローを選択することができる。
ここで、一括選択プロセスは、考慮対象の送信ノード、又は一つ以上の送信ノードを受け持つ関連制御ノードが直接実行することができることを理解されたい。
完全に集中化されたアーキテクチャにおいては、コスト情報、それぞれの送信ノードにおいて表示される宛先/フローに関する情報に加えて、関連するリンク性能情報が中央制御ノードに送信され、次にこの制御ノードが、宛先/フロー、中継ノード、及び任意選択のリンクパラメータを、マルチホップネットワークの送信ノード群の各々に関して選択することができる。明らかなことに、中央制御ノードは、選択された宛先/フロー及び中継ノード、及び任意選択のリンクパラメータを、それぞれの送信ノードに送信する必要がある。
従って、各調査メッセージは、送信電力レベル及び/又はアンテナ重みのような一つ以上の所定の送信パラメータを使用して送信することが好ましい。次に、後続のデータフェーズの間、ほぼ同じ送信パラメータ又はパラメータ群を通常再度使用して選択データを送信する。このようにして、SNR/SINRは、例えば幾つかのノードが送信を行なわないことを決定したとしても良くなり得るが、通常悪化することはない。
本発明は次の利点をもたらす。
・マルチホップ転送が効率的に行なわれる。
・ネットワーク性能が向上する。
・スループットが高くなる、及び/又は遅延が小さくなる。
・スループット及び遅延のような性能基準を一定レベルに維持しながら高いトラフィック負荷を処理することができる。
・他の方法と同じ性能レベルを実現する際の消費電力を小さくすることができる。
・中継ノード、宛先/フロー、及び可能であればリンクパラメータを一括選択することにより自由度を高くすることができる。
・特に、自由度が高くなることによって、選択対象となる潜在中継ノード又は転送ノードの数を増やすことができる。
・Qos要素を取り入れると必ず、自由度が高くなったことによってQos性能が高くなることが予測され、Qos優先度設定を行なうことができる。
・輻輳及びバッファオーバーフローの危険が小さくなる。
・フロー制御が向上する。
・コストから見た進行度が大きくなる。
本発明、及び本発明の更なる目的及び利点は、添付図面と一緒に次の記述を参照することによって最も深く理解できる。
図面全体を通じて、同じ参照記号は対応する構成要素又は同様の構成要素に使用される。
本発明が提案するMDF方式は、ルーティングコストテーブルを生成する最短パスプロトコルのようなあらゆる下位のルート決定プロトコルと一緒に、又はダイバーシチフォワーディング用に更にカスタマイズされたルート決定プロトコルと一緒に使用することができる。当然のことであるが、本発明は、トポロジー制御メカニズムのような他のネットワーク関連機能に接続して構成することができる。
基本的に我々は、送信ノードにおいて表示される宛先/フローを調査し、且つ宛先/フローを有利に選択することによって中継方向を選択するフォワーディングアルゴリズムを見出した。フォワーディングアルゴリズムは、i)複数の中継候補ノードの一つ、ii)最適化におけるアプリケーション及び所望の自由度に応じて、a)複数の宛先の中の一つ、及びb)複数のフローの中の一つの内少なくとも一方と、好適にはiii)一つ以上のリンクパラメータを一括選択する。これに関連して、選択された宛先及び/又はフローに基づいて、送信キューからデータパケットなどの送信するべき一組の情報を選択する。これは、選択宛先に向けられる一組の情報及び/又は選択フローに属する一組の情報とすることができる。選択データは最終的に選択中継ノードに送信され、この中継ノードがデータを更にマルチホップネットワークにおいて転送する役割を担う(このノードが宛先でない限り)。当然のことであるが、選択候補ノードが宛先ノードである場合、宛先ノードは情報をこれ以上は転送しない。従って、本発明の最も複雑な形態では、本発明によって、複数パケットのために複数の中継ノードの中から選択を行なうと同時にリンクパラメータを適合させて最適通信を行なうことができる。
上述の3フェーズ又は4フェーズは、一つのタイムスロット内、又はチャネルコヒーレンス時間よりも短い他の期間内で行なうことが好ましく、複数のタイムスロットが連続して順次繰り返される。ここで、これらのフェーズは、単一のタイムスロット以外の構成を作るように任意の順序に並べることができることに注目されたい。しかしながらこの場合、少なくとも第1フェーズ及び第3フェーズは安定チャネルで行なわれ(すなわちチャネルのコヒーレンス時間内で)、且つ同じ(又は非常に類似する)干渉状態で行われることが好ましい。しかしながら以下においては、一つのタイムスロット内で行なわれる4フェーズプロトコルを中心に記載するが、本発明はこのようなプロトコルに限定されない。
図2は、多数の送信ノード及び多数の潜在受信ノードを含む4フェーズ方式の一実施例を示す。この方式は、多数の送信ノードTX1〜TXNに関して示され、この場合、各送信ノードは調査メッセージを多数の潜在受信ノードに送信する。説明を簡単にするために、送信ノードTX1に対して受信ノードRX1,1、RX1,2、及びRX1,3のみを図2に示している。各受信ノードはSNR/SINRを推定し、推定SNR/SINRを対応する送信ノードに報告し、次にこの送信ノードは宛先/フロー、中継ノード、及び任意選択のリンクモードの組み合わせを選択してデータを選択中継ノードに送信する。選択宛先/フローに基づいて、送信ノードは一組の情報を送信キューから抽出し、最終的にデータフェーズにおいてデータを送信する。
例えば、マルチホップネットワークのノードTXiがタイムスロットnで送信を行なうと決定すると、このノードは後続のデータ送信に送信電力Piを選択することができる。送信電力Piは、選択に応じて、送信毎に変化しても、しなくてもよい(変化してはならない場合は変化することができる場合の特殊な場合として扱われる)。例えば、Piは、好適にはトポロジー変化を反映し、送信バッファの中身、既に失敗している送信、及び/又はQoS要素によって変わる。幾つかのノードが低電力方式又は別の構成として高電力方式を採用することも可能であり、いずれの方式を採用するかは、消費電力又は性能が着目するノードの最大の関連要素であるかどうかによって変わる。更に、送信電力とは別に、アンテナ重みのような他の送信パラメータを選択して、特定の中継潜在ノードの組を目標とすることができる。潜在中継ノードに関する情報は、既に獲得されているトポロジー情報により生成することができるが、この情報に送信バッファの中身、既に失敗している送信、及び/又はQoS要素を反映することもできる。送信を決定するには、パケット群が送信バッファの中で待機している必要があり、且つ送信の決定は、例えばランダムに選択される送信インスタンスを有するスロット化ALOHAなどの、採用されているメディアアクセス原理に基づいて行なうこともできる。
調査フェーズでは異なる方法を採用することができ、この場合、第1の例示的方法は、各送信局又は送信ノードは調査メッセージを送信電力Piで送信するという考えに基づく。従って、受信ノードRXi,jは、調査メッセージを送信したノード及びメッセージが受信された電力レベルを特定することができる。
ここで、第2の方法における調査メッセージは、適切なオフセット表示が調査メッセージに含まれるか、又はオフセットが前もって暗示的に認識される場合に、データメッセージの電力レベルとは異なる電力レベル(普通は高い)で送信することができることに注目されたい。これによって、調査メッセージフェーズにおけるSNRが改善し、自由度も高くなる。
次の記述においては、我々は大きな自由度を有するということから第2の方法に焦点を当てる。
次の記述においては、説明を簡単にするために、SNR/SINRに関する報告が行われるものと仮定する。SNR/SINRを報告する正確な方法は、受信機において使用する検出器のタイプによって異なる。第1の場合においてはシングルユーザ検出を行い、第2の場合においてはマルチユーザ検出(MUD)を使用することができる。受信側がシングルユーザ検出法を使用する場合、決定したSNR/SINRは、SNR/SINRが属するアドレスと一緒に送信される。MUD受信機を利用する場合、接続される送信側に関するSNR/SINR値から成るベクトルを送信することができる。次に、SNR/SINRは、着目する信号に関する弱い干渉信号の全ての雑音及び電力の和に対する受信電力レベルとして定義される(付録参照)。シングルユーザ検出の場合においては、SNR/SINRは、干渉信号及び雑音の電力の和に対する最大強度の受信信号として定義される。SNR/SINRレベルを通知するのではなく、雑音レベルの通知と一緒に明示的な電力レベルをそのまま通知することができる。応答は、局所衝突が適切な衝突回避プロトコルを使用して回避されるように送信することが好ましい。
−宛先/フローを選択し、この選択に基づいて、キューの中で送信すべきパケット又は更に広い意味で情報の組を選択し、
−パケットを受信及び転送する中継ノード(このノードが宛先局でない限り)を選択し、
−任意で、所定の送信電力レベル以外に使用すべき追加のリンクパラメータを決定する。好適には、追加のリンクパラメータは、データ信号群及び順方向誤り訂正符号化のようなリンクモードパラメータを含むが、例えば周波数チャネルパラメータを含むこともできる。追加のリンクパラメータを選択することができない場合、最初の2つのステップのみを実行する。
レート又はリンクアダプテーションの場合、チャネルが相互に依存するという仮定が有効であると仮定すると、送信側は、応答メッセージとして返信される形で、又は応答メッセージを受信するときのチャネル推定として返信される形で、より正確なチャネル状態を認識することもできる。
アクノリッジメントフェーズでは、受信ノードは、パケットを正しく受信したかどうかを示すアクノリッジメントにより応答する。
ここで、調査の第2の方法では、複数の連続調査パケットを調査フェーズにおいて送信することができることに注目されたい。同じように、複数の応答メッセージを応答フェーズにおいて送信するだけでなく、複数のアクノリッジメントをアクノリッジメントフェーズにおいて送信することができる。
まず、送信電力及び/又はアンテナ重みのような一つ以上の適切な送信パラメータをステップS1において決定する。ステップS2では、調査メッセージを、通常はブロードキャスト又はマルチキャストを使用して送信する。ステップS3では、例えばSNR/SINR又はレート情報を含む対応する応答メッセージを一つ以上の潜在中継ノードから受信する。ステップS4では、一括選択プロセスを実行して、送信すべきデータだけでなく、中継ノード及びリンクパラメータを決定する。ステップS5では、最初に決定した送信パラメータ及び選択リンクパラメータを使用して、選択宛先に向かうか、又は選択フローに属するデータパケットを選択中継ノードに送信する。ステップS6ではアクノリッジメントを受信する。ステップS7では、利用可能なARQ処理を実行することができる。
ARQ(オートマチックリピートリクエスト)方式は一定範囲のARQ方式から選択することができるので、ARQの詳細については示さない。基本的な機能は、パケットの再送信が、承認アクノリッジメントを受信するまで行なわれる(但し再送信の回数の上限値を設定してもよい)ことを保証することであり、これによってパケットを任意で送信バッファから取り除くことができる。ARQ処理は通例、送信側だけでなく受信側においても行なうことができる。
参考文献[8]に提案されるSDFに類似する、複数の中継ノードの中からオポチュニスティックな選択を行なう操作以外に、本発明は更に少なくとも2つの主要な利点をもたらす。
この利点は、簡易な地図で表わした転送進行度メトリックが付された図4A〜4Bから容易に理解することができ、図4Aは参考文献[8]に提案されているSDF法を示し、図4Bは本発明の例示的実施形態による方法を示している。
本発明では、考慮対象の送信ノードの送信キュー110に表示されるパケット群の全ての宛先/フロー方向の中継ノードを選択することができる。例えば、送信キューは送信準備が整った異なるパケットによるパケットベースとする(1)ことができる。別の構成として、送信キューは多数のバッファを備え(2)、各バッファが所与の宛先又はフローに関するデータを保存する。第2の変形例では、適切なリンクモード方式が選択されると種々のバッファからのデータが後でパケット形式にカプセル化される。送信ノード100は、ノードにおいて現時点で表示されている宛先/フローのリストを維持するので、異なる宛先/フローの中から選択を行なうことができる。これによって実際に、複数の概略転送方向にある中継ノードを選択することができる。図4Bに示すように、パケットYはパケットXとは全く異なる方向の宛先に振り向けられる。この方向には、絶対最大転送進行度を示し、送信ノード100の送信範囲に近接する中継ノード200が存在する。従って、転送進行度の観点から、パケットXを送信するよりもパケットYを送信する方が明らかに有利であることになる。
本発明の第2の主要な利点は、送信すべきパケット、及び使用すべき中継ノードの選択と関連してリンク性能を最適化することができることである。
この特定の実施例では、マルチホップネットワークは、各中継ノードが少なくとも一つの宛先に向かう少なくとも一つの関連コストを有することを特徴とする。局所負荷、キュー状態、QoS(サービス品質)要件又は残存バッテリー量のような他の情報も目的関数に取り込むことができる。
更に、レートは必要に応じて変数として取り込むことができる。この場合、レートは、変調方式、符号化方式、及び拡散方式を適切に組み合わせることによって決定することができる。更に、最適レートが選択されているとすると、送信ノードは、リンクSNR/SINRが選択最適レートに必要な値を超える場合、このノードの送信電力を小さくすること(のみ)ができる。普通、リンクパラメータを得るために、変調方式、符号化方式、及び拡散方式、送信電力、アンテナ重み、及び周波数チャネルパラメータ等のパラメータが必要とされる。従って、「リンクパラメータ」という用語は、データリンクレイヤのDLC(データリンク制御)パラメータだけでなく、下位の物理PHYレイヤのパラメータも含む。DLCパラメータはLLC(Logical Link Control)パラメータ及びMAC(Medium Access Control)パラメータの両方を含むので、リンクパラメータはLLCパラメータ、MACパラメータ、及びPHYパラメータから選択することができる。
中継ノード、フロー及びリンクパラメータを考慮に入れて最適化を公式化する場合、次の記号を使用する。
V:ネットワーク(又はネットワークの考慮対象部分)における全てのノードから成る集合を指す。
Ji:候補中継ノード群、すなわちノードνiに応答するノード群から成る集合であって、sプローブ。ここで、νi∈Vである。
Φi:ノードνiにおけるフロー群から成る集合。ここで、νi∈Vである。
Ψ:一つ又は複数のリンクパラメータを指し、従ってリンクパラメータ群に関して多次元となることができ、従って各可変パラメータは連続値又は離散値を仮定することができる定義空間を有する。リンクパラメータはνi∈Vを満たす送信側νi及びνj∈Vを満たす受信側νjに依存するので、ΨはΨijのように示される。
、並びにリンクパラメータ
から成る最適組み合わせを一括して求める。
上の式において、
は選択された中継ノードを定義し、
である。
は選択されたフローを定義し、
である。
はノードνiに関する複数のリンクパラメータ値から成る集合を定義し、送信パラメータ及び/又は受信パラメータを含むことができ、
である。
特定の目的関数の一例は、品質コストから見た進行度(Quality Cost Progress:ZQCP)である。フローφi∈Φiのノードνiとノードνjとの間の、品質コストから見た進行度は次式により定義される。
上の式において、
は、フローφi∈Φiの、νi∈Vを満たすノードνiから宛先に至るコストである。各フローは宛先に接続される。
Qijは、ノードνiとノードνjとの間のリンクの品質(例えば、信号対干渉及び雑音の比)である。
は、νi∈Vを満たすノードνi及びフローφi∈Φiに関する重み付けパラメータである。
これにより、QCPに基づいて目的関数の最適化(ここでは最大化と考えることができる)を次式のように表すことができる。
上の式によって、中継ノード、フロー、及び一つ以上のリンクパラメータの組み合わせがができる。ここで、
が負である場合には転送は行なわれないことに留意されたい。
Γij:本実施例における信号対(雑音+干渉)比(SINR)である。従って、SINRは瞬時SINR又は平均SINRとすることができる。例えば、SINRは、全ての中継局に送信を行なわせ、瞬時SNRの測定を可能にする(マルチキャスト/ブロードキャスト)調査メッセージを送信することにより求めることができる。
Rij:ノードνiとノードνjとの間において達成可能な複数のレートから成る集合であり、SINR Γijにより決定する。これらのレートは変調方式、符号化方式、及び拡散方式の組み合わせによって構成される。
レートrijを使用するフローφi∈Φiのノードνiとノードνjとの間の、情報コストから見た進行度(ICP)は次式のように定義される。
上の式によって、中継ノード、フロー、及び選択レートの組み合わせができる。ここで、
が負である場合には転送は行なわれないことに留意されたい。
何らかの形式でコストから見た進行度を使用する場合、コスト情報は、例えばエネルギー、遅延、又はホップメトリックを使用するいずれかの公知の最短パスプロトコル(例えばBellman Ford)のような独立したルート決定プロトコル、或いはダイバーシチフォワーディングに更に特化されたルート決定プロトコルによって提供することができる。
更に、他の選択基準を使用して送信すべきパケットを判断することができる。前述のように、重要な選択基準はQoSとすることができる、すなわち特定の配信要件、例えば遅延又は帯域幅を有するパケットを優先する。従って、コストから見た進行度を表すメトリックを、拡張QoSメトリックとして、遅延データ又は到着予定時刻データのようなQoSパラメータと組み合わせることができる。更に、当然ながら、ネットワークの複数の送信元の方向に何らかの公平性を付与してスタベーション、チャネルキャプチャなどを回避することが重要である。
レートに、コストから見た進行度の差(宛先から離れるにつれてコストが大きくなると仮定すると、送信ノードiから受信ノードjに至るコスト減少分)を乗じたものとして定義される情報コストから見た進行度を表す関数の特定の例が以下の等式により与えられる。
上の式において、Zij (D)は、宛先Dの方に向かっているパケットの情報コストから見た進行度であり、iは送信ノードであり、jは被調査ノードである。更に、rij(SNRij/SINRij)は、ノードiとノードjとの間の所与のSNR/SINRに関してノードiとノードjとの間においてサポートされているレートである。この関数は、例えば中継ノード、宛先ノード及びレートに関して一括して最適化することができる。宛先ノードDに至るまでのコスト及び目的関数fは、多数の要素のいずれをも反映することができる。例えば、コスト及び目的関数は転送進行度を地理的距離で表すが、コストから見た進行度を表す他の指標を使用することもできる。地理的距離で表わされる転送進行度は、例えばGPS(全地球測位システム)情報のような位置特定情報に基づいて求めるか、又はパス損失計算値(path loss calculations)に基づいて推定することができる。
参考文献[12]では、高負荷状態の周波数ホッピング型のパケット無線ネットワークにおいて、いわゆる情報の効率的な転送進行度を表す性能指標(information efficiency forward progress performance measure)によって最適送信範囲及びコードレートが調査される。ここでの相違は、本発明では情報の効率的な転送進行度を性能指標として使用するのではなく、最適化対象の目的関数として使用することである。これは、調査応答フェーズ及び複数の中継候補ノードの中からの選択によって可能になる。情報転送進行度に基づく目的関数の背景にある理論は、パケットの「対地速度(speed over ground)」、又はそれと等価的な、レートに宛先までの移動距離を乗じた値はできる限り大きくすべきである、ということである。以下に定義される情報転送進行度の式は、評価を行なうために有用であり、最大値が存在することを示す。ここで、以下に示すメトリックの分析は、参考文献[12]に従ったものではないことに留意されたい。例えば、無数の中継ノードがルーティングの所望のルーティング方向のラインに沿って位置し、送信目標の最適ノードと、使用すべきレートの探索が行われていると仮定する。従って、使用する良好な指標は情報転送進行度Zであり、これはシャノン(Shannon)のチャネル容量の定理にホップ距離を乗じることにより得られる。すなわち、
である。上の式において、Pは送信電力であり、Nは雑音電力であり、αは伝搬定数(通常、2〜4であり、空間伝搬の場合は2である)であり、Constは伝搬定数であり、Bは帯域幅であり、Rは送信側と受信側との間の距離である。
この不等式は、大きな信号点が一般的に必要ではないこと、すなわちα=2とすると、3bps/Hzの信号点で十分に足りることを示している。距離及び情報に基づくコストメトリックを用いてリンク最適化を例示したが、同様の客観的基準を満たす他のメトリックを使用することができる。
次に、提案発明が(レイリー)フェージング環境においても有利であることを示す。分析を簡単にするために、送信ノードは、潜在受信ノードが位置することができる多数の同心円を有すると仮定する。最適な情報転送進行度は次の関係式により推定することができる。
上の式において、
Z(β,γ0,R)=R・B・lg2(1+β・γ0)
は情報転送進行度であり、
は、位数がMのダイバーシチを有する選択ダイバーシチのpdf(電力密度関数)であり、
は距離Rの関数としての平均SNR/SINRであり、
M=Const・R2
は距離Rの同心円上に位置するノードの平均数である。これは、ダイバーシチの位数は、長い距離に関しては急激に大きくなるが、パラメータConstが表すノードの密度にも依存することを意味する。
大量の制御メッセージが送信されると、オーバーヘッド及びエネルギー消費をできる限り小さく維持することが不可欠である。これは、パケット群に含まれる情報の量を暗示的なシグナリングによって最小化することにより行なうことができる。例えば、候補ノード群の完全なアドレスを使用するのではなく、局所的(且つ固有)に割り当てられるアドレスを使用することができる(例えば、ルート制御プロトコルによる制御の下に)。これらのアドレスは局所的に割り当てられるものであるので、短いアドレスで十分である。別の方法では、コストから見た正の進行度又は特定範囲又は特定区間内のコストから見た進行度を有する(例えば正のしきい値を超える)候補ノード群のみに送信を行なう。つまり、アドレスフィールドが短いコスト要件フィールドに置き換えられる。送信ノードの複数の隣接ノードに隣接する(一組の)ノード群であることを示唆することにより、候補ノード群を暗示的に指定することもできる。例えば、一つの候補ノードのアドレスがパケット中に明示的に指定し、明示的にアドレスが指定された候補ノードの隣接ノード群であることを示唆することにより、一つ以上の他の適切な中継候補ノードのアドレスがパケットの中で暗示的に指定される。この操作では、インターネットにおいて良く知られているような(ハローメッセージ)隣接関係、例えばルート決定プロトコルの組み込み関数を構築するプロトコルを実行する必要がある。これは、オーバーヘッドが最初に仮定したものと同じ大きさである必要がないことを意味する。
またここで、t1に先行するステップ、すなわち、何がノードを起動して送信を行わせるかは、普通、使用するチャネル又はメディアアクセス法によって決まることに留意されたい。例えば、スロット化ALOHA、CSMA(Carrier Sense Multiple Access)を使用することができるか、又は場合によってはスケジューリングされた送信機会を有する方式(STDMAにおけるような)も使用することができる。
キューイング規則は、公平にネットワークリソースを共有し、性能に敏感なアプリケーションに対して性能を保証する主要な要素であるので重要である。一般的に、ベストエフォート型アプリケーション(すなわち、QoS要件のないアプリケーション)のために開発されたキューイング規則と、サービス保証アプリケーション(すなわち、QoS要件付きのアプリケーション)のために開発された規則との間には差が設けられている。ベストエフォート型接続の場合、最も重要な目的は、リソースを均等に共有することであり、このサービスタイプのために開発されたキューイングアルゴリズムの例として、1)重み付けラウンドロビン、2)不足ラウンドロビン、及び3)重み付け均等化キューイングを挙げることができ、これらの全ては汎用プロセッサ共有アルゴリズムをエミュレートしようとする。当然のことであるが、サービス保証アプリケーションの場合、最も重要な目的は性能を保証することであり、このタスクを満たすキューイング規則の例として、1)重み付け均等化キューイング、2)仮想クロック、及び3)最早納期順を挙げることができる。
図7は、本発明の例示的実施形態による送信側の関連部品の模式ブロック図である。図7の送信ノード100は基本構成要素として、汎用コントローラ105、送信バッファ110、調査/プローブユニット120、カプセルユニット130、符号化兼変調ユニット140、アンテナ又はアンテナシステムに接続される従来型送信チェーン150、送信パラメータコントローラ160、従来型受信チェーン170、復調兼復号化ユニット180、データ、中継ノード、及び任意選択のリンクモードを選択するための一括決定プロセスを実行するユニット190、受信バッファ192、並びにマルチホップコスト情報を提供するユニット194を備える。
第1ラウンド(1)では、調査プローブをカプセルユニット130に転送してカプセル化及び(明示的及び/又は暗示的な)アドレス指定を行なう。アドレス指定を行なうために、送信ノードは、通常、ブロードキャスト又はマルチキャストを用いて調査メッセージをマルチホップネットワークの選択中継候補ノード群に送信する。これらの中継候補ノードは、例えば汎用コントローラ105によって、恐らくは追加情報と合わせ、下位のルート決定プロトコルから得られるマルチホップコスト情報に基づいて選択することができる。カプセル化された調査プローブを符号化兼変調ユニット140に転送して符号化142及び変調144を行ない、更に送信チェーン150に転送して中継候補ノード群に向かって送信する。送信に使用する送信電力レベル及び/又はアンテナ重みは送信パラメータコントローラ160によって与えられる。
次に選択データを送信キュー110からカプセルユニット130に転送し、このユニットがデータをカプセル化し、選択中継ノードにアドレスを設定する。次にカプセル化パケット情報を符号化兼変調ユニット140に転送し、このユニットが、パケット情報が選択中継ノードに送信される前に選択リンクモードに従って符号化及び変調を実行する。
送信パラメータコントローラ160、一括決定プロセスユニット190、及びマルチホップコスト情報ユニット194のような個々のコントロールユニット及び情報ユニットは、汎用コントローラ105と連動することができるか、又は場合によっては汎用コントローラ105に組み込むことができ、汎用コントローラ105自体が追加の制御機能を含むことができる。
中継候補ノードは、マルチホップネットワークの一つ以上の送信ノードから受信チェーン210を通して調査メッセージを受信する。マルチキャストの場合、中継候補ノードは、受信調査メッセージ中の明示的及び/又は暗示的なアドレス指定情報を調査することにより調査メッセージが中継ノード宛てであるかどうかを判断する機能を含む(図示せず)。以下の記載においては、調査メッセージが実際に中継候補ノードに向けられた場合について考察する。
送信側アドレスが調査メッセージに含まれる場合、メッセージはまた、ラウンド(1B)において、復調232及び復号化234を行なうユニット230を通して受信バッファ240に転送される。送信ノード識別ユニット260は受信調査メッセージを調査し、カプセルユニット270への転送を行なうために送信側アドレスを抽出する。次に、応答メッセージが調査側送信ノードに到達するように、送信側アドレスをカプセルユニット270が使用することができる。
続いて、受信バッファ240内のパケットデータが送信キュー295に転送され、後でマルチホップネットワークの中継候補ノード群に更に送信される。
ここで、受信側は、例えば受信バッファが所与の保存容量しきい値を超える場合に輻輳制御を実行することができることに留意されたい。この操作は、調査メッセージを受信するときに、応答しないことによって、又は応答の中に受信側が受信を行なうことができないことを通知する表示を行なうことによって実行することができる。
前に記載したように、一括選択プロセスを一つ以上の送信ノードを受け持つ関連制御ノードに分散させることができる。
図9は、一つ以上の送信ノードに関する選択プロセスを受け持つ制御ノードの情報フローを示している。制御ノード300は、通常、例えば下位のルート決定プロトコルから得られるマルチホップコスト情報、それぞれの送信ノードにおいて表示される宛先/フローに関する情報、更には応答メッセージを通して報告されるリンク性能情報に応答する。これは、中継候補ノード群が、制御ノード300にそれらのノードの応答メッセージを送信できることを意味する。従って、制御ノード300は、一括決定プロセスを実行して、制御ノードに接続される各送信ノードに関する、宛先及び/又はフロー、中継ノード、及び任意でリンクパラメータの組み合わせを選択することができる。最後に、ある程度中心的な役割を有することができる制御ノードは、選択された宛先及び/又はフロー、中継ノード、及び任意でリンクパラメータに関する情報を、その関連ノードの各々に転送する。
上に示したように、MDFを組み込み、且つ適合させて、受信側がマルチユーザ検出器(MUD)を用いる場合に対処することができる、すなわち複数の信号を同時に復号化する機能を備えることができる。MUD及びMDFに関する本発明の例示的実施形態では、単一の固定データレート(又は上限レート)をネットワーク全体に使用し、全てのノードがそのレートを認識することができると仮定する。多数の中継候補ノードの各々は、複数の送信ノードから調査メッセージを受信し、復号化する機能を備えると仮定する。複数の調査メッセージを受信する各ノードは、通常、復号化できる送信ノードを判断し、普通、SNR/SINRのようなリンク性能情報又は各リンクに関するレート情報を求める。実現可能な実施形態では、各受信ノードは、複数の受信調査メッセージを表すいわゆるSNR/SINRベクターを求め、次に、SNR/SINRに基づいて応答メッセージを送信すべき一又は複数の調査側ノードを選択して、普通は高性能リンクを有するノードのみを選択する。応答メッセージを受信するノードは、他の候補ノード群からの利用可能な他の応答メッセージと一緒にメッセージを評価し、送信を行なう中継ノード、及び送信に最も適するデータパケットをチェックする。データパケットを選択した後、送信ノードはパケットを送信し、アクノリッジメントが応答として返信されるのを待つ。上の結合MDF及びMUD方式の拡張版では、送信ノードは、送信を行なう際の所望のレートを含むリンクパラメータを求め、レート情報を調査メッセージに格納して送信する。従って、複数の調査メッセージを受信するノードは、適切な送信側(複数の送信側)を決定するプロセスにおいてレート情報を考慮することができる。
直交周波数分割多重接続(OFDMA)を使用する場合、本発明は更に、オポチュニスティックな選択を実行して、複数のサブキャリア、すなわちマルチユーザに向けられる単一のOFDMAシンボルの多重化データの中から、使用するサブキャリア(周波数チャネル)又はサブキャリアの組(周波数チャネル)を選択することができる。この場合、中継ノード群が正しい復号化の選択について通知を受ける。多重化構造は、例えばデータパケットのヘッダに表示することができる。ここでまた、スペクトルの異なる部分を使用することにより、複数の宛先及び/又はフローに的を絞ることができ、次に一括続選択においてこれが考慮されることに留意されたい。
また、本発明は、提案されるMDFメッセージに追加の制御メッセージを付加する又は抱き合わせる(ことが許容される)場合に、参考文献[8]に概説されているように、標準のSDF(選択ダイバーシチフォワーディング)と組み合わせることができる。このような場合、応答フェーズの後に、SDFの効果が及ぶ一組の候補ノードを選択する。
先行技術による方法では、複数の宛先/フローの一つ、複数の中継候補ノードの一つ、更には任意でリンクパラメータの組み合わせを一括選択することができないという事実に加えて、更に多くの別の差異を以下に要約する。
・HSDPA、HDR及びオポチュニスティックビームフォーミング(OB)はセルラーネットワークにおいて目標とされ、これに対してMDFは、
− 分散多重接続プロトコルを用い、更に
− 潜在移動局を含む
− マルチホップネットワーク
を目標とする。
・HSDPA、HDR及びOBでは、パケットは必ずその宛先の移動局(MS)に直接送信する必要があるのに対し、MDFでは複数の中継ノードから選択を行なうことができる(これはHSDPA、HDR又はOBでは意味をなさず、全く不可能である)。これは、MDFによって大きなダイバーシチ効果が得られるだけでなく、受信ノードの選択の際の自由度が高くなることを意味する。高い自由度(自由度が追加されることを意味する)を使用して、HSDPAなどにおいて提供される制限の大きい選択よりも広い範囲でQoSを構成し、且つQoSを高めることができる。
・HSDPA及びHDRでは普通、基地局と、MDFのコントロールサイクルよりも時間を要するコントロールサイクルとの関係に関する調整が行われず、これは実際のSNR/SINRの状態が、データが送信されるまで報告された値から変化し得ることを意味する。MDFでは、3/4フェーズプロトコルによって、調査応答フェーズにおいて報告されるSNR/SINRがデータフェーズを通じて同じままである(又は改善される)ことが保証される。MDFにおけるSNR/SINRは、例えば或る局が送信を行なわないと決定した場合に改善され得るが、悪化することはない。
・HSDPA及びHDRでは、起動HSDPAユーザに関するSNR/SINR情報の継続的な上りリンク報告を使用するのに対し、MDFの調査応答フェーズによって、少ない組の候補局に対してこれらの局それぞれの瞬時SNR/SINRを瞬時値として調査することができる。HSDPAでは、場合によっては最大数百局に、これらの局に生じるSNR/SINRを継続的に通知させる必要もある。
ここで、OBは実際には実施されず、プロトコル要素については詳細については全く議論されていないので、OBがどのように行なわれるかについては知られていないことに留意されたい。しかしながら、MS(多分にCDMAを意味する)に対する変更は必要がないことが示されている。これは、OBがHDRと同様に動作する可能性があることを意味する。
・オポチューンルーティングでは通常、遅いタイムスケールに対して行われ(バックグランドアクティビティであることを意味する)、且つ中継局のルーティングデータベースを更新するモニター機能を使用する。これとは異なり、MDFでは、調査応答フェーズ全体に渡って高速アダプテーションを使用して高速の局所転送決定を行なう。
・オポチューンルーティングはパラレル転送、すなわち少なくとも2つの隣接局へ転送されるパケット(例えば制御又はデータ)をサポートしないのに対し、MDFでは、制御パケット(質問パケット及び応答パケット)を複数の隣接局に送信する可能性を有効に利用することができる。
・オポチューンルーティングでは、調査メッセージ及び/又はデータのブロードキャスト/マルチキャストを用いない。
標準のSDFに関して、SDFに最も類似する参考文献[8]に概要が示されるように、チャネルが3/4フェーズの切り替わりに渡って固定され、且つ電力レベル測定及び調整が正確であると仮定すると、提案の発明は、標準のSDFよりも良好な形で常に実行されることが保証され、標準のSDF自体が従来の最短パスルーティング方法よりも優れていることが判明している。
・提案の発明が良好な形で実行される理由は、単一パケットを所与のデータレートで転送する際に少ない組の中継局から選択が行なわれる構成の標準のSDFとは異なり、本発明により、複数のパケットの送信についてより多くの中継局の中から選択を行なうことができ、同時に最適通信に適応するようにリンクパラメータを最適化することである。小さな電力測定エラー及び調整エラーがあっても、性能は高いと予想される。SDFに対するMDFの相対的な利点は、送信電力が小さい場合に最も大きくなる。これは、長い通信距離では、転送の「方向」が制限されるSDFでも、通信距離の近傍に、且つ正しい「方向」に複数のノードを検出することができるからである。
・別の差異は、「標準のSDF」では(主として)過去の事象に基づいた決定を行ない、本明細書の本発明ではデータ送信の前に決定を行なうことである。更に、参考文献[8]では、マルチキャストRTS及びユニキャストCTSに基づくSDFの別の実施形態も提案されている。これは主流となりつつあるIEEE802.11 DCFに類似しているが、マルチキャストRTSにより性能が強化され、マルチホップルーティングを目標としている。決定が同じ順序で行われる場合も、複数のパケットの中からの選択が行なわれないだけでなく、提案されるオポチュニスティックリンクアダプテーションもない。
要約すると、マルチユーザダイバーシチ効果を総合的に利用することは良好な機能である。これとは別に、有利なパケット選択を通して中継方向(中継ノード)を選択することができ、更にフェージングチャネルを有利に利用することができる。ここで、SNR/SINRの利点は、所望の信号のフェージングのピーク及び干渉を及ぼす不所望のソース由来の最小のフェージング(fading minima)の両方によって得られることに注目されたい。更に、この方式によって、メトリックを瞬時SNR/SINR状態に関して定義及び最適化することができ、更にこの構造によって、スループットを最大化し、遅延を最小化することができる。このようなメトリックの特殊例は、宛先−送信元の間の進行度と組み合わせて送信される情報の量の一括指標とすることができる。
上述の実施形態は単に例として示したに過ぎず、本発明はこれらの実施形態には限定されない。本明細書に開示し、且つ特許請求する基本原理を有する更なる変形及び変更は本発明の範囲に含まれる。
SNR MUDの定義
MUDデコーダーのSNRを定義するために、受信信号を電力レベルに従って順番に並べる。
P1≦P2≦P3・・・PN
次に送信ノードの識別情報のリストを、受信電力を順番に並べたリストに従って作成する。リストの各項に対して、次式に従って定義される関連SNRkを設定する。
上の式において、Nは雑音電力であり、Pkは受信電力である。
次に、送信側の識別情報及び関連SNRのリストを、例えばノード自体が使用して、応答メッセージによりどの送信ノード(群)に応答、又はマルチキャスト/ブロードキャストすべきかを選択する。別の構成として、レート(又は特定のFEC及び変調が行われる通信モード)を決定し、応答メッセージで返信することができる。これにより、周波数選択性のような詳細なチャネル構成を考慮に入れることができる。
[1]R.Rom, M. Sidi, “Multiple Access Protocols, Performance and Analysis", Springer−Verlag, New York, 1990, ISBN−0−387−97253−6, pp.1−5.
[2]“Enhanced Interior Gateway Routing Protocol" as printed April 7, 2003 from www.cisco.com/warp/public/103/eigrp−toc.pdf.
[3]R.Nelson and L. Kleinrock, “The spatial Capacity of a slotted ALOHA multihop packet radio network with capture", in Trans. On Com., Jun 84.
[4]J. Jubin and J.D.Tornow, “The DARPA packet radio network protocols", in IEEE Proceedings, Jan. 87. pp.21−32.
[5]M.B. Pursely and H.B. Russel, “Network protocols for frequency−hop packet radios with decoder side information", in IEEE J. Selected Areas of Com., 12(4) 1994, pp.155−174.
[6]US Patent 6,097,703.
[7]International Patent Application Publication WO 98/56140.
[8]US Patent Application Publication US 2002/0051425 A1.
[9]“UTRA (Universal Terrestrial Radio Access) High Speed Downlink Packet Access (HSDPA)", 3GPP, TS[25.308], v.0.1.0, September, 2001.
[10]TIA/EIA IS−856, “CDMA 2000: High rate packet data air interface specification", Std., Nov. 2000.
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[12]M.W. Subbarao and B.L. Hughes, “Optimum Transmission Ranges and Codes Rates for Frequency−Hop Packet Radio Networks", in IEEE Transactions on communication, Vol. 48, No. 4, April 2000.
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Claims (54)
- 複数のノードを有するマルチホップネットワークにおいて情報を転送する方法であって、
− 少なくとも一つの送信ノード(100;TX1−TXN)について、
i)複数の中継候補ノード(200;RX)のなかの中継ノードと、
ii)a)前記少なくとも一つの送信ノードの送信キュー(110)に表示される複数の宛先のなかの宛先、及びb)前記少なくとも一つの送信ノードに表示される複数のフローのなかのフローの少なくとも一方と
を一括選択するステップ、
− 前記少なくとも一つの送信ノードの送信キュー(110)から選択した宛先及びフローの少なくとも一方に基づいて一組の情報を選択するステップ、及び
− 選択された一組の情報を選択中継ノード(200)に送信するステップ
を含む方法。 - 前記一括選択するステップは更に、iii)少なくとも一つのリンクパラメータを選択するステップを含み、前記選択された一組の情報を選択された中継ノード(200)に送信するステップは、前記選択された少なくとも一つのリンクパラメータに基づいて実行される、請求項1記載の方法。
- 前記一括選択するステップは、前記複数の中継ノード及び前記複数の宛先の中から中継ノード及び宛先の組み合わせを一括選択するステップを含み、前記一組の情報を選択するステップは、選択宛先に向けられる一組の情報を送信キュー(110)から選択するステップを含む、請求項1記載の方法。
- 前記一括選択するステップは、前記複数の中継ノード及び前記複数のフローの中から中継ノード及びフローの組み合わせを一括選択するステップを含み、前記一組の情報を選択するステップは、選択されたフローに属する一組の情報を送信キュー(110)から選択するステップを含む、請求項1記載の方法。
- 前記一括選択するステップは、前記少なくとも一つの送信ノードと前記複数の中継候補ノードの各々との間のリンク性能を表す情報に基づいて実行される、請求項1記載の方法。
- 前記一括選択するステップは、情報コストから見た進行度(information cost progress)を含む目的関数の最適化に基づいて実行される、請求項1記載の方法。
- 前記一括選択するステップは、少なくとも一つのサービス品質(QoS)パラメータに基づいて実行される、請求項1記載の方法。
- − 前記少なくとも一つの送信ノード(100;TX1−TXN)がネットワークの前記複数の中継候補ノードに調査メッセージを送信するステップ、及び
− 前記複数の中継候補ノードの各々が、前記調査メッセージに応答して、前記少なくとも一つの送信ノードに応答メッセージで応答するステップ
を更に含み、
前記一括選択するステップは、前記複数の中継候補ノードからの前記応答メッセージに少なくとも部分的に基づいて実行される、請求項1記載の方法。 - − 前記複数の中継候補ノードの各々が、前記少なくとも一つの送信ノード(100)と中継候補ノードとの間の対応リンクに関する情報を表すリンク性能を受信調査メッセージに基づいて求めるステップ、及び
− 前記複数の中継候補ノードの各々が、前記少なくとも一つの送信ノード(100)に、前記情報を表すリンク性能を含む応答メッセージで応答するステップ
を更に含み、
前記一括選択するステップは、前記複数の中継候補ノードからの応答メッセージに含まれる前記情報を表すリンク性能に少なくとも部分的に基づいて実行される、請求項8記載の方法。 - 前記調査メッセージは、少なくとも一つの所定送信パラメータを使用して送信され、続いて、前記選択された一組の情報が、調査メッセージの送信に使用されたものとほぼ同じ少なくとも一つの所定送信パラメータを使用して選択された中継ノードに送信される、請求項9記載の方法。
- 複数の送信ノード(TX1−TXN)は、調査メッセージの時間同期転送、並びに情報の時間同期転送を行なうように動作させる、請求項10記載の方法。
- 前記少なくとも一つの所定送信パラメータは、送信電力レベル及びアンテナ重みの少なくとも一方を含む、請求項10記載の方法。
- 前記調査メッセージを送信するステップ、前記応答メッセージで応答するステップ、前記一括選択するステップ、及び前記情報を転送するステップは、チャネルコヒーレンス時間よりも短い期間内に実行される、請求項8記載の方法。
- 前記少なくとも一つの送信ノード(100)は、各受信応答メッセージに基づいて、前記少なくとも一つの送信ノードと応答中継候補ノードとの間の対応リンクに関する情報を表すリンク性能を求め、前記一括選択するステップは、前記情報を表すリンク性能に基づいて実行される、請求項8記載の方法。
- 前記複数の中継候補ノードの少なくとも一つに関し、
− 複数の送信ノードから、対応する調査メッセージを受信するステップ、
− 各調査メッセージに応答して、対応する送信ノードと中継候補ノードとの間のリンクに関するリンク性能情報を求めるステップ、及び
− 相対的に高いリンク性能を有するリンクに接続される少なくとも一つの送信ノードに、対応するリンク性能に関する情報を含む応答メッセージで応答するステップ
を更に含む、請求項8記載の方法。 - 前記選択された中継候補ノードが、前記少なくとも一つの送信ノードに、前記選択された組の情報を確かに受信したことを表すアクノリッジメントで応答するステップを更に含む、請求項1記載の方法。
- 前記少なくとも一つのリンクパラメータは、変調方式及び符号化方式を表す少なくとも一つの周波数チャネルパラメータ又は周波数チャネルパラメータ群を含む、請求項2記載の方法。
- 前記マルチホップネットワークはパケット無線ネットワークである、請求項1記載の方法。
- 複数のノードを有するマルチホップネットワークにおいて情報を転送するシステムであって、
− 少なくとも一つの送信ノード(100;TX1−TXN)について、
i)複数の中継候補ノード(200;RX)のなかの中継ノードと、
ii)a)前記少なくとも一つの送信ノードの送信キュー(110)に表示される複数の宛先のなかの宛先、及びb)前記少なくとも一つの送信ノードに表示される複数のフローのなかのフローの少なくとも一方と
を一括選択する手段(190)、
− 前記少なくとも一つの送信ノードの送信キュー(110)から選択した宛先及びフローの少なくとも一方に基づいて一組の情報を選択する手段(190)、及び
− 選択された一組の情報を選択中継ノード(200)に送信する手段(130、140、150)
を備えるシステム。 - 前記一括選択する手段(190)は、iii)少なくとも一つのリンクパラメータを更に選択するように構成され、前記選択された一組の情報を選択された中継ノードに送信する手段は、前記選択された少なくとも一つのリンクパラメータに基づいて実行される、請求項19記載のシステム。
- 前記一括選択する手段(190)は、前記複数の中継ノード及び前記複数の宛先の中から中継ノード及び宛先の組み合わせを一括選択するように構成され、前記一組の情報を選択する手段(190)は、選択された宛先に向けられる一組の情報を送信キュー(110)から選択するように構成される、請求項19記載のシステム。
- 前記一括選択する手段(190)は、前記複数の中継ノード及び前記複数のフローの中から中継ノード及びフローの組み合わせを一括選択するように構成され、前記一組の情報を選択する手段(190)は、選択されたフローに属する一組の情報を送信キュー(110)から選択するように構成される、請求項19記載のシステム。
- 前記一括選択する手段(190)は、前記少なくとも一つの送信ノードと前記複数の中継候補ノードの各々との間のリンク性能を表す情報に基づいて動作するように構成される、請求項19記載のシステム。
- 前記一括選択する手段(190)は、情報コストから見た進行度を含む目的関数を最適化するように構成される、請求項19記載のシステム。
- 前記一括選択する手段(190)は、少なくとも一つのサービス品質(QoS)パラメータに基づいて動作するように構成される、請求項19記載のシステム。
- − 前記少なくとも一つの送信ノード(100)からの調査メッセージを前記複数の中継候補ノードに送信する手段(120、130、140、150)、及び
− 前記複数の中継候補ノードの各々に設けられ、前記調査メッセージに応答して、前記少なくとも一つの送信ノードに応答メッセージで応答する手段
を更に備え、
前記一括選択する手段(190)は、前記複数の中継候補ノードからの前記応答メッセージに少なくとも部分的に基づいて動作するように構成される、請求項19記載のシステム。 - − 前記複数の中継候補ノードの各々に設けられ、前記少なくとも一つの送信ノードと中継候補ノードとの間の対応リンクに関する情報を表すリンク性能を受信調査メッセージに基づいて求める手段(220)、及び
− 前記複数の中継候補ノードの各々に設けられ、前記少なくとも一つの送信ノードに、前記情報を表すリンク性能を含む応答メッセージで応答する手段(270,280,290)
を更に備え、
前記一括選択する手段(190)は、前記複数の中継候補ノードからの応答メッセージに含まれる情報を表す前記リンク性能に少なくとも部分的に基づいて動作するように構成される、請求項26記載のシステム。 - 前記調査メッセージを送信する手段は、少なくとも一つの所定送信パラメータを使用して前記調査メッセージを送信するように構成され、前記選択された一組の情報を送信する手段は、調査メッセージの送信に使用されたものとほぼ同じ少なくとも一つの所定送信パラメータを使用して前記選択された組の情報を選択された中継ノードに送信するように構成される、請求項27記載のシステム。
- 複数の送信ノード(TX1−TXN)は、調査メッセージの時間同期転送、並びに情報の時間同期転送を行なうように動作させる、請求項28記載のシステム。
- 前記少なくとも一つの所定送信パラメータは、送信電力レベル及びアンテナ重みの少なくとも一方を含む、請求項28記載のシステム。
- 特定組の情報に関する調査、応答、及び転送の3フェーズは、チャネルコヒーレンス時間よりも短い期間内に実行される、請求項26記載のシステム。
- 前記少なくとも一つの送信ノードは、各受信応答メッセージに基づいて、前記少なくとも一つの送信ノードと応答中継候補ノードとの間の対応リンクに関する情報を表すリンク性能を求める手段を備え、前記一括選択する手段は、前記情報を表すリンク性能に基づいて動作するように構成される、請求項26記載のシステム。
- 前記少なくとも一つの送信ノードは更に、前記複数の中継候補ノードの少なくとも一つを、この中継候補ノードが明示的にアドレス指定される中継候補ノードの隣接ノードであるという示唆に基づいて暗示的にアドレス指定する手段を備える、請求項26記載のシステム。
- 前記複数の中継候補ノードの少なくとも一つは、複数の送信ノードから調査メッセージを受信し、前記少なくとも一つの中継候補ノードは、
− 各調査メッセージに応答して、対応する送信ノードと中継候補ノードとの間のリンクに関するリンク性能情報を求める手段、及び
− 相対的に高いリンク性能を有するリンクに接続される少なくとも一つの送信ノードに、対応するリンク性能に関する情報を含む応答メッセージで応答する手段
を備える、請求項26記載のシステム。 - 選択された中継候補ノードから前記少なくとも一つの送信ノードに、前記選択された一組の情報を確かに受信したことを表すアクノリッジメントで応答する手段(250)を更に備える、請求項19記載のシステム。
- 前記少なくとも一つのリンクパラメータは、変調方式及び符号化方式を表す少なくとも一つの周波数チャネルパラメータ又は周波数チャネルパラメータ群を含む、請求項20記載のシステム。
- 前記マルチホップネットワークはパケット無線ネットワークである、請求項19記載のシステム。
- パケット無線マルチホップネットワークの通信ノード(100)であって、
− i)複数の中継候補ノード(200;RX)のなかの中継ノードと、
ii)a)前記通信ノードの送信キューに表示される複数の宛先のなかの宛先、及びb)前記通信ノードに表示される複数のフローのなかのフローの少なくとも一方と
を一括選択する手段(190)、
− 前記通信ノードの送信キューから、選択された宛先及びフローの少なくとも一方に基づいて一組の情報を選択する手段(190)、及び
− 選択された一組の情報を選択された中継ノード(200)に送信する手段(130、140、150)
を備える通信ノード。 - 前記一括選択する手段(190)は、iii)少なくとも一つのリンクパラメータを更に選択するように構成され、前記選択された一組の情報を選択された中継ノードに送信する手段は、前記選択された少なくとも一つのリンクパラメータに基づいて実行される、請求項38記載の通信ノード。
- 前記一括選択する手段(190)は、前記複数の中継ノード及び前記複数の宛先の中から中継ノード及び宛先の組み合わせを一括選択するように構成され、前記一組の情報を選択する手段(190)は、選択された宛先に向けられる一組の情報を送信キュー(110)から選択するように構成される、請求項38記載の通信ノード。
- 前記一括選択する手段(190)は、前記複数の中継ノード及び前記複数のフローの中から中継ノード及びフローの組み合わせを一括選択するように構成され、前記一組の情報を選択する手段(190)は、選択フローに属する一組の情報を送信キューから選択するように構成される、請求項38記載の通信ノード。
- 前記一括選択する手段(190)は、前記通信ノードと前記複数の中継候補ノードの各々との間のリンク性能を表す情報に基づいて動作するように構成される、請求項38記載の通信ノード。
- 前記少なくとも一つの送信ノードからの調査メッセージを前記複数の中継候補ノードに送信する手段(120、130、140、150)を更に備え、前記一括選択する手段(190)は、前記複数の中継候補ノードから受信する調査応答メッセージに少なくとも部分的に基づいて動作するように構成される、請求項38記載の通信ノード。
- 前記複数の中継候補ノードの内の少なくとも一つを、この中継候補ノードが明示的にアドレス指定される中継候補ノードの隣接ノードであるという示唆に基づいて暗示的にアドレス指定する手段を更に備える、請求項43記載の通信ノード。
- 前記少なくとも一つのリンクパラメータは、変調方式及び符号化方式を表すパラメータを含む、請求項39記載の通信ノード。
- パケット無線マルチホップネットワークの制御ノード(300)であって、
− マルチホップネットワークの少なくとも一つの送信ノードについて、
i)複数の中継候補ノードのなかの中継ノードと、
ii)a)前記少なくとも一つの送信ノードに表示される複数の宛先のなかの宛先、及びb)前記少なくとも一つの送信ノードに表示される複数のフローのなかのフローの少なくとも一方と
を一括選択する手段(310)、及び
− 選択された宛先及び/又はフロー及び中継ノードに関する情報を前記少なくとも一つの送信ノードに送信することにより、選択された宛先ノード向けのデータ、及び/又は選択されたフローに属するデータを、前記少なくとも一つの送信ノードから選択された中継ノードへ転送可能にする手段
を備える制御ノード。 - 前記一括選択するステップが、目的関数の最適化に基づいて実行される、請求項1記載の方法。
- 前記一括選択するステップが、下位のルート決定プロトコルから得られるマルチホップコスト情報に少なくとも部分的に基づいている、請求項1記載の方法。
- 前記一括選択する手段(190)が、目的関数を最適化するように構成されている、請求項19記載のシステム。
- 前記一括選択する手段(190)が、下位のルート決定プロトコルから得られるマルチホップコスト情報に少なくとも部分的に基づいて動作する、請求項19記載のシステム。
- 前記一括選択する手段が、目的関数を最適化するように構成されている、請求項38記載の通信ノード。
- 前記一括選択する手段が、下位のルート決定プロトコルから得られるマルチホップコスト情報に少なくとも部分的に基づいて動作する、請求項38記載の通信ノード。
- 前記一括選択する手段が、目的関数を最適化するように構成されている、請求項46記載の制御ノード。
- 前記一括選択する手段が、下位のルート決定プロトコルから得られるマルチホップコスト情報に少なくとも部分的に基づいて動作する、請求項46記載の制御ノード。
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