JP4442547B2 - ラジアルニードル軸受用保持器の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Description

この発明は、ラジアルニードル軸受用保持器の製造方法及びこの製造方法の実施に使用する製造装置の改良に関し、良質の保持器を安定して得られる製造方法及び製造装置を実現するものである。
自動車用変速機や各種機械装置の回転支持部のうち、大きなラジアル荷重が加わる部分にラジアルニードル軸受が組み込まれている。例えば自動車の自動変速装置を構成する遊星歯車式変速機は、特許文献1等に記載されて周知の様に、遊星歯車をキャリアに対し、ラジアルニードル軸受により回転自在に支持している。図4は、この様なキャリアに対し遊星歯車を回転自在に支持する、遊星歯車の回転支持装置の1例を示している。この図4に示した構造の場合、キャリア1を構成する互いに平行な1対の支持板2a、2bの円周方向複数個所に、支持軸3の両端部を支持固定している。そして、この支持軸3の中間部周囲に遊星歯車4を、ラジアルニードル軸受5により、回転自在に支持している。
このラジアルニードル軸受5は、複数本のニードル6、6を、ラジアルニードル軸受用保持器である保持器7により転動自在に保持すると共に、上記支持軸3の中間部外周面を円筒状の内輪軌道8とし、上記遊星歯車4の内周面を円筒状の外輪軌道9として、上記各ニードル6、6の転動面を、これら内輪軌道8及び外輪軌道9に転がり接触させている。又、上記遊星歯車4の軸方向両端面と上記両支持板2a、2bの内側面との間に、それぞれフローティングワッシャ10a、10bを配置して、上記遊星歯車4の軸方向両端面と上記両支持板2a、2bの内側面との間に作用する摩擦力の低減を図っている。
上記ラジアルニードル軸受5を構成する上記保持器7は、例えば図5〜6に詳示する様に、軸方向(図4〜6の左右方向)に互いに間隔をあけて配置した、それぞれが円輪状である1対のリム部11、11と、複数本の柱部12、12とを備える。これら各柱部12、12は、円周方向に亙って間欠的に配置され、それぞれの両端部を上記両リム部11、11の互いに対向する内側面の外径寄り部分に連続させている。又、上記各柱部12、12は、軸方向中間部が径方向内方に向け台形状に折れ曲がった形状を有する。そして、円周方向に隣り合うこれら各柱部12、12の円周方向両側縁と上記両リム部11、11の互いに対向する内側面とにより囲まれる空間部分を、それぞれポケット13、13とし、これら各ポケット13、13に上記各ニードル6、6を、転動自在に保持している。
この様に構成する上記保持器7は、特許文献2等に記載されて従来から周知の様に、帯状の金属板(一般的には鋼板若しくはステンレス鋼板)を円筒状に丸めて成る。即ち、図示は省略するが、帯状の金属板にプレス加工を施す事により保持器として基本的な断面形状を有する第一段階の中間素材とした後、この第一段階の中間素材に剪断加工を施す事により上記各ニードル6、6を転動自在に保持する為のポケット13、13を打ち抜き成形し、第二段階の中間素材とする。更に、この第二段階の中間素材を所定長さに切断し、図7に示す様な第三段階の中間素材14とする。
そして、この第三段階の中間素材14を円筒状に丸め、両端部を突き合わせ溶接して、図5に示す様な保持器7とする。尚、図示の例の場合、上記保持器7の径方向位置を規制する為に、この保持器7の外周面を前記外輪軌道9(図4参照)に近接対向させている。そして、運転時には、この様に近接対向させた保持器7の外周面を上記外輪軌道9に案内(外輪案内)させる事で、この保持器7の径方向に関する位置決めを図り、振動や異音が発生する事を防止する様にしている。
又、上記保持器7は、上記各柱部12、12の両端部両側縁のうちの円周方向に関して互いに整合する位置に係止突部15、15を、これら各側面から円周方向に突出する状態で設けている。これら各係止突部15、15は、上記各ポケット13、13内に転動自在に保持する上記各ニードル6、6が、当該ポケット13、13から径方向外方に抜け出る事を防止する為のものである。即ち、上記各ニードル6、6を上記保持器7と共に、前記内輪軌道8及び外輪軌道9(図4参照)の間に組み付ける際に、これら各ニードル6、6を上記各ポケット13、13内に、径方向に抜け出るのを阻止した状態で保持する必要がある。
この為に、上記各ポケット13、13の開口部で上記各ニードル6、6のピッチ円よりも外径側部分に上記各係止突部15、15を、互いに対向する状態で設けると共に、これら各係止突部15、15の先端縁同士の間隔D15(図5参照)を、上記各ニードル6、6の外径D6 (図4参照)よりも小さくしている(D6 >D15)。又、これと共に、上記各柱部12、12の中間部で上記各ニードル6、6のピッチ円よりも内径側に位置する内径側係止部16、16の互いに対向する側縁同士の間隔D16(図5参照)も、上記各ニードル6、6の外径D6 よりも小さくしている(D6 >D16)。
上記各ニードル6、6を上記各ポケット13、13に保持するには、これら各ニードル6、6をこれら各ポケット13、13に、上記保持器7の内径側から押し込む。この際、上記各ニードル6、6により上記内径側係止部16、16の側縁同士の間隔D16を弾性的に広げて、これら各ニードル6、6をこれら側縁同士の間を通過させる。この様にしてこれら各ニードル6、6を上記各ポケット13、13に保持した状態で、これら各ニードル6、6は、上記各係止突部15、15により前記保持器7の径方向外方に、上記各柱部12、12の内径側係止部16、16の側縁により同じく径方向内方に、それぞれ抜け出る事を防止される。尚、図示は省略するが、各ニードルを各ポケットに、保持器の外径側から組み込む場合もある。又、上記各係止突部15、15や上記各内径側係止部16、16を持たない保持器もある。
従来から知られている上述の様な構造を有する金属板製のラジアルニードル軸受用保持器の場合、形状精度を良好にする事が難しく、必ずしも良好な性能を得る事が難しかった。この理由は、図7に示す様な中間素材14を円筒状に丸めて両端部同士を突き合わせ溶接する事により、図4〜6に示す様な保持器7としている為、次の(1) 〜(5) の様な理由で、形状が悪化する為である。
(1) 上記中間素材14を円筒状に丸めて両端部同士を突き合わせ溶接した部分の曲率と、他の中間部分の曲率とを一致させる事が難しく、1対のリム部11、11の真円度が悪化する。
(2) 上記中間素材14の長さ方向(図7の上下方向)中間部に関しても、柱部12、12との連続部の剛性と、これら各連続部同士の間部分の剛性とが異なる為、上記両リム部11、11を正しく円形にする事が難しい。具体的には、上記各連続部が直線状で上記各間部分が円弧状である、略多角形状になる。
(3) 上記中間素材14を丸めても上記各柱部12、12となる部分の断面形状は直線状のままとなる。
(4) 円周方向に隣り合う柱部12、12同士の間隔が微妙に異なり易く、異なった場合には、ポケット13、13の幅寸法が不同になる。
(5) 保持器7の断面形状を、図4〜6に示す様な略M字形とする場合、上記中間素材14を丸める過程で、上記両リム部11、11の影響により、上記各柱部12、12の形状が微妙に歪み易い。
従来から知られているラジアルニードル軸受用保持器とその製造方法の場合には、上述の(1) 〜(5) の様な理由で形状が悪化する場合があり、その結果、上記各ポケット13、13内にニードル6、6を組み込みにくくなったり、逆に、組み込んだニードル6、6が不用意に脱落する可能性があった。勿論、図5に示す様に組み立てた保持器7に、形状を矯正する為の処理を施す事で、上述の様な不都合を防止できるが、その分、コストが嵩む為、好ましくない。又、上述の様な断面略M字形の保持器7を得る為、帯状金属板から図7に示す様な中間素材14を造る作業が面倒で、コストが嵩む原因となっている。
尚、特許文献3には、軸方向に2分割したラジアルニードル軸受用保持器に関する発明が記載されているが、2分割したまま接合しない構造であり、本願発明が対象としている構造とは基本的に異なる。
この様な事情に鑑みて本発明者等は先に、良質の保持器を安定して得られるラジアルニードル軸受用保持器とその製造方法に関する発明を行なった(特願2005−126768号)。この先発明に就いて、図8〜10により説明する。尚、先発明により得られるラジアルニードル軸受用保持器の完成状態での形状は、前述の図4〜6に示した従来構造とほぼ同様になる。完成状態での形状の相違は、中心軸に直交する仮想平面に関する、各柱部12、12(図4〜6参照)の断面形状のみとなる。先発明の特徴は、これら各柱部12、12を、それぞれ1対ずつの半柱部17、17の先端縁同士を突き合わせ、この突き合わせ部を溶接する事により構成した点にある。そして、この様な構成を採用する事により、1対のリム部11、11の真円度を初めとする、各部の形状精度並びに寸法精度を向上させると共に、上記仮想平面に関する上記各柱部12、12の断面形状を円弧形としている。
この為に先発明の場合には、金属板に曲げ加工及び打ち抜き加工を施す事により1対の保持器素子18、18を造る。この保持器素子18、18はそれぞれ、円環状のリム部11と、このリム部11にそれぞれの基端部を連続させた上記複数本の半柱部17、17とを備えている。先発明の場合には、図9又は図10の様にして、この様な保持器素子18を造る。尚、これら図9、10では、上記各半柱部17、17、並びに、これら各半柱部17、17を造る為の舌片22、22の円周方向に関するピッチを、実際よりも短く描いている。
このうちの図9に示した保持器素子18の製造方法では、始めに、原材料となる鋼板或いはステンレス鋼板等に打ち抜き加工を施す事により、図9の(A)に示す様な円形の素板19を得る。
次いで、この素板19の一部に打ち抜き加工を施す事により、図9の(B)に示す様な第一中間素材20を得る。即ち、上記素板19の中心部を円形に打ち抜くと共に、径方向中間部から外周縁部に達する部分を切り欠き状に打ち抜く事により、中心部に上記リム部11となるべき円環部21を形成すると共に、この円環部21の外周縁の等間隔複数個所から径方向外方に延出する、上記各半柱部17、17となるべき舌片22、22を形成する。これら各舌片22、22には、上記各柱部12、12を組み立てた状態で係止突部15、15(図8参照)となる突部を形成している。
上記第一中間素材20には、次いで、図9の(C)に示す様な段付加工を施して、第二中間素材23とする。この第二中間素材23は、上記第一中間素材20の一部で上記各舌片22、22の中間部を、クランク型に曲げ形成したものである。この様な加工は、完成品となる保持器7の断面形状を、図4〜6に示す様な略M字形とする事に対応して行なうものである。この際、上記各舌片22、22にもプレス加工を施して、これら各舌片22、22の断面形状を円弧形とする。この円弧形の曲率半径は、これら各舌片22、22から上記各柱部12、12を組み立てた状態で、これら各柱部12、12が単一仮想円筒状空間内に存在する様に規制する。この様に、上記第一中間素材20から上記第二中間素材23を得る加工は、プレス加工機にセットした上下1対の金型同士の間で上記第一中間素材20を押圧する事により、容易に、且つ高精度に行なえる。
上記第二中間素材23には、次いで、図9の(D)に示す様な絞り・曲げ加工を施して、前記保持器素子18とする。この絞り・曲げ加工は、前記円環部21の外径寄り部分を上記各舌片22、22と共に、この円環部21の軸方向(図9の下段図面の上方)に、これら各舌片22、22同士が互いに平行になるまで、全周に亙り直角に折り曲げる事により行なう。この様な絞り・曲げ加工により、上記第二中間素材23が前記保持器素子18となり、上記各舌片22、22は、上記各半柱部17、17となる。
又、図10に示した製造方法の場合も、先ず図10の(A)に示す様な円形の素板19の一部に打ち抜き加工を施す事により、同じく(B)に示す様な第一中間素材20を造る。次いで、上記図10に示した製造方法の場合には、上記第一中間素材20に絞り加工を施す事により、この第一中間素材20の径方向中間部内径寄り部分(円環部21の径方向外径寄り部分)を全周に亙り直角に曲げ形成して、図10の(C)に示す様な第二中間素材24とする。そして、この第二中間素材24に、各舌片22、22の中間部をクランク型に曲げ形成して半柱部17、17とする為のアンダカット成形を施し、図10の(D)に示す様な保持器素子18とする。
先発明に係る保持器を造るには、それぞれが上述の図9又は図10に示す様な工程で造られた1対の保持器素子18、18を、図8に示す様に互いのリム部11、11同士を同心に配置すると共に、互いの半柱部17、17同士の円周方向の位相を一致させた状態に配置する。この作業は、上記両保持器素子18、18を組立装置に設けた1対の把持部(フィンガ)で掴んだ状態で行なう。これら両把持部は互いに同心に設けられており、回転方向に関する位相を調節自在であるから、上記両保持器素子18、18のリム部11、11同士を同心に配置すると共に、互いの半柱部17、17同士の位相を一致させる作業は、容易に且つ高精度で行なえる。
上記両保持器素子18、18を上述の様に配置したならば、これら両保持器素子18、18を互いに近づけ合って、上記各半柱部17、17の先端部同士を突き合わせ、この突き合わせ部を溶接して、上記両保持器素子18、18を接合固定する。この溶接作業の為、上記各半柱部17、17の先端縁に開先(面取り)を形成しておく事もできる。互いの先端部同士を突き合わせ更に溶接した上記各半柱部17、17は、前記各柱部12、12となる。そして、円周方向に隣り合う各柱部12、12と上記両リム部11、11とにより囲まれた部分が、それぞれポケット13、13(図4〜6参照)となる。
上述の様に構成し造られる、先発明に係るラジアルニードル軸受用保持器の場合には、形状精度を良好にする事が容易で、この保持器を組み込んだラジアルニードル軸受の性能を良好にできる。この理由は、次の(1) 〜(5) の通りである。
(1) 両リム部11、11となるべき前記両保持器素子18、18の円環部21を、平板状の前記素板19を打ち抜く事により造るので、この円環部21から造られる上記両リム部11、11の真円度を良好にできる。
(2) 前記第二中間素材23から上記保持器素子18を造るべく、上記円環部21の径方向中間部外径寄り部分を全周に亙り直角に折り曲げる作業は、プレス加工機等を使用して大きな力で行なえる。この為、上記両リム部11、11を正しく円形にする事が容易で、得られた保持器素子18全体を、多角形状ではない、正確な円形にできる。
(3) 上記各柱部12、12となるべき上記各半柱部17、17の断面形状を予め湾曲させておけるので、これら各柱部12、12部分の断面形状も円弧形にできる。
(4) 円周方向に隣り合う柱部12、12同士の間隔を厳密に一致させる事ができ、これら各柱部12、12同士の間に設けられるポケット13、13の幅寸法を正確に一致させる事ができる。
(5) 保持器7の断面形状を略M字形とする場合でも、上記各半柱部17、17の形状が、上記リム部11の加工時に歪む事がない為、これら各半柱部17、17により造られる上記各柱部12、12の形状が歪む事もない。
先発明の場合には、上述の(1) 〜(5) の様な理由で、優れた形状精度及び寸法精度を得られる為、低コストで造れるにも拘らず、上記各ポケット13、13内に上記各ニードル6、6を組み込みにくくなったり、逆に、組み込んだこれら各ニードル6、6が不用意に脱落する事を防止できる。
ところで、前述の図9に示した製造方法と図10に示した製造方法とを比較した場合、図10に示した製造方法の方が、各柱部12、12の形状精度を確保する面からは有利である。この理由は、上記図9に示した製造方法の場合には、各舌片22、22の中間部をクランク型に折り曲げた後、これら各舌片22、22の基端部を円環部21に対し直角に折り曲げる為である。即ち、円環部に対する折り曲げ工程で、上記クランク型に折り曲げられた部分の形状が歪む可能性がある。これに対して、図10に示した製造方法の場合には、円環部21に対し直角に折り曲げられた状態の各舌片22、22の中間部をクランク型に折り曲げて各半柱部17、17とした後、これら各半柱部17、17に曲げ加工を施す事がないので、上記クランク型の形状精度を確保できる可能性がある。
但し、従来から金属加工の分野で一般的に知られている製造方法及び製造装置を適用しただけの場合には、上記図10の(C)に示した第二中間素材24から同図の(D)に示した保持器素子18への加工を、大量生産が可能な工業的手法により、しかも、精度良く行なう事ができない。即ち、上記各舌片22、22から上記各半柱部17、17への加工を精度良く行なわせる為には、上記第二中間素材24の径方向に関して、上記各舌片22、22の内側に受型を配置し、押型により、これら各舌片22、22をこの受型の外周面に押し付ける必要がある。この際、この受型により、これら各舌片22、22の内周側面を、全面に亙って支持する事が、精度の良い加工を行なう為には重要である。ところが、従来から知られている構造を有する受型により、上記各舌片22、22の内周側面を、全面に亙って支持しつつ、これら各舌片22、22を上記各半柱部17、17に加工すると、加工後のこれら各半柱部17、17の内側から上記受型を抜き取る事ができない。この理由は、これら各半柱部17、17の先半部の内接円の直径が、基半部の内接円の直径よりも小さくなる為である。
特開2002−235841号公報 特開平8−270658号公報 特開2004−28134号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、大量生産が可能な工業的手法により、良質の保持器を安定して得られる、ラジアルニードル軸受用保持器の製造方法及び製造装置を実現すべく発明したものである。
本発明のラジアルニードル軸受用保持器の製造方法及び製造装置のうち、請求項1に記載した製造方法に関する発明は、前述した先発明に係るラジアルニードル軸受用保持器の製造方法と同様に、先ず、金属板に打ち抜き加工及び曲げ加工を施す。そして、円環状のリム部と、このリム部からこのリム部に対し直角方向に折れ曲がった状態で、それぞれの基端部をこのリム部の外周縁に連続させた複数本の半柱部とを備えた、保持器素子とする。その後、それぞれがこの様にして得られた、1対の保持器素子のリム部を互いに同心に配置すると共に、上記各半柱部の先端部同士を接合する。
本発明のラジアルニードル軸受用保持器の製造方法は、上記各保持器素子を構成する上記各半柱部を、精度良く加工する事を考慮したものである。
この為に本発明の場合には、先ず、上記金属板に打ち抜き加工を施す事により、上記リム部となるべき円環部と、この円環部の外周縁から放射方向に延びる舌片とを形成する。 その後、この舌片をこの円環部に対し直角に折り曲げる事により、互いに平行な直線状の素柱部とする。
次いで、外周面に凸部と凹部とを、加工すべき上記半柱部と同じピッチで交互に配置した受型の先端部を上記各素柱部の内半部内側に、上記円環部の円周方向に関する上記各凸部の位相とこれら各素柱部の位相とを一致させた状態で挿入する。
その後、上記各素柱部の外周面を押型の内周面により上記受型の外周面に押し付ける。そして、これら各素柱部を、上記円環部の径方向に関してこの円環部の外周縁と実質的に一致する部分に存在する基半部と、同じくこの基半部よりも内側寄り部分に存在する先半部とを、折れ曲がり部により連続させた、上記各半柱部とする。
次に、これら各半柱部と上記受型とを、上記円環部の円周方向に関する上記各凹部の位相とこれら各半柱部の位相とが一致する迄相対回転させ、次いで、上記受型の先端部を上記保持器素子の内側から抜き出す。
又、請求項2に記載したラジアルニードル軸受用保持器の製造装置は、受型と押型とを備える。そして、リム部となるべき円輪状の円環部の外周縁から直角に折れ曲がった、互いに平行で円周方向に等間隔に配置された、それぞれが直線状の素柱部の長さ方向中間部を折り曲げる。そして、上記円環部の径方向に関してこの円環部の外周縁と実質的に一致する部分に存在する基半部と、同じくこの基半部よりも内側寄り部分に存在する先半部とを、折れ曲がり部により連続させた各半柱部とする為の加工を行なう。
この様な、本発明のラジアルニードル軸受用保持器の製造装置で、上記受型は、基部と複数の凸部とを備える。このうちの基部は、円柱状で、上記各半柱部の先半部の内周面に実質的に合致する形状の(加工時に発生するスプリングバックを考慮した上で、この内周面の形状を加工できる形状の)外周面を有する。又、上記各凸部は、上記基部の先端部外周面に、円周方向に関して上記素柱部及び半柱部と同じピッチで固設されており、上記各半柱部の基半部及び折れ曲がり部の内周面の形状に実質的に合致する形状の(加工時に発生するスプリングバックを考慮した上で、上記内周面の形状を加工できる形状の)外周面を有する。そして、上記各凸部の円周方向に関する幅を、上記各半柱部の幅以上で、円周方向に隣接する各半柱部の間隔以下としている。更に、上記押型は、上記各半柱部の外周面と実質的に一致する形状の内周面を有するものである。
上述の様な本発明のラジアルニードル軸受用保持器の製造方法によれば、各舌片の中間部をクランク型に折り曲げて各半柱部とする作業を、これら各舌片を円環部に対し直角に折り曲げた後に行なう。この為、これら各舌片の中間部をクランク型に折り曲げて各半柱部とした後、これら各半柱部に曲げ加工を施す事がない。即ち、前述の図9に示した先発明の第1例の場合とは異なり、上記クランク型の曲げ加工の後に別の曲げ加工を行なう事がない。しかも本発明の場合には、このクランク型の曲げ加工を、受型の先端部外周面に形成した各凸部の外周面により、上記各素柱部の内周側面を抑えた状態で行なう為、上記クランク型の形状精度を確保できる。更に、上記受型の先端部は、各凹部の位相と上記各半柱部の位相とが一致する迄回転させた状態で、保持器素子の内側から抜き出す事ができる。即ち、一般的なラジアルニードル軸受用保持器の場合、円周方向に関する柱部の幅よりも、円周方向に隣り合う柱部同士の間に存在するポケットの幅の方が広い。従って、上記各凸部により上記各素柱部の基半部を、全幅に亙り支持する様にしても、これら各凸部を、加工後の上記クランク型部分同士の間から抜き取れる。この為、大量生産が可能な工業的手法により、良質の保持器を安定して得る事ができる。
図1〜3は、本発明の実施の形態の1例を示している。尚、本例の特徴は、前述の図10の(C)或いは図1の(A)に示す様な第二中間素材24を、図10の(D)或いは図1の(B)に示す様な保持器素子18に加工する為のアンダカット成形を、精度良く行なえるラジアルニードル軸受用保持器の製造方法及び製造装置を実現する点にある。即ち、上記第二中間素材24を構成する各素柱部25、25(各舌片22、22)の中間部をクランク型に曲げ形成して半柱部17、17とするプレス加工を、これら各素柱部25、25(各舌片22、22)の内周側面を受型により支えつつ行ない、しかも加工後にこの受型を上記保持器素子18から抜き出せる様にする点にある。その他の点に就いては、前述の図10に示した先発明に係るラジアルニードル軸受用保持器の製造方法と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
上記第二中間素材24は、鋼板若しくはステンレス鋼板等の金属板により造られたもので、リム部となるべき円環部21と、この円環部21の外周縁からこの円環部21に対し直角に折れ曲がった素柱部25、25とを有する。これら各素柱部25、25の断面形状は円弧形で、軸方向に関する形状は、互いに平行な直線状である。この様な第二中間素材24は、図2に示したプレス加工機26を構成する受台27の上面に載置(セット)する。このプレス加工機26は、この受台27に加えて、受型29と押型30とを備える。そして、これら受型29の外周面と押型30の内周面との間で、上記各素柱部25、25を押圧する事により、これら各素柱部25、25の長さ方向中間部を折り曲げて、上記第二中間素材24を上記保持器素子18とする。即ち、上記各素柱部25、25を、上記円環部21の径方向に関してこの円環部21の外周縁と実質的に一致する部分に存在する基半部31と、同じくこの基半部31よりも内側寄り部分に存在する先半部32とを、折れ曲がり部33により連続させた、各半柱部17、17とする為の加工を行なう。
上記受台27の上面には、上記円環部21をがたつきなく外嵌できる位置決め凸部28を形成している。そして、この円環部21をこの位置決め凸部28に外嵌すると共に、この円環部21の軸方向片面を上記受台27の上面に当接させた状態で、上記第二中間素材24が上記プレス加工機26に、正規の位置関係でセットされる。この様に、この第二中間素材24を上記プレス加工機26にセットしたならば、図2の(A)に示す様に、この第二中間素材24の内側に、受型29の先端部を挿入する。尚、上記位置決め凸部28の高さ寸法は、上記円環部21の厚さ寸法以下(好ましくは未満)としている。従って、上記位置決め凸部28にこの円環部21を外嵌した状態で、この円環部21の上面がこの位置決め凸部28の上面よりも下方に位置する事はない。
上記受型29は、基部34と複数の凸部35、35とを備える。このうちの基部34は、円柱状で、上記各半柱部17、17の先半部32の内周面に実質的に合致する形状の外周面を有する。即ち、上記基部34の外周面は、上記各半柱部17、17の加工時に発生するスプリングバックを考慮した上で、これら各半柱部17、17の先半部32の内周面の形状を加工できる寸法を有する、円筒面としている。具体的には、上記基部34の外径を、完成後の上記各半柱部17、17の先半部32の内接円の直径よりも僅かに(上記スプリングバック分だけ)小さくしている。
又、上記各凸部35、35は、上記基部34の先端部外周面に、円周方向に関して前記各素柱部25、25及び上記各半柱部17、17と同じピッチで固設(例えば一体成形)されている。又、上記各凸部35、35の外周面の形状は、上記各半柱部17、17の基半部31及び折れ曲がり部33の内周面の形状に実質的に合致する。即ち、上記各凸部35、35の外周面の形状を、加工時に発生するスプリングバックを考慮した上で、上記各半柱部17、17の基半部31及び折れ曲がり部33の内周面の形状を加工できる形状としている。具体的には、上記各凸部35、35の外周面の形状を、完成後の上記各半柱部17、17の基半部31及び折れ曲がり部33の内周面の形状よりも僅かに(上記スプリングバック分だけ)小さくしている。又、上記各凸部35、35の円周方向に関する幅W35(図3参照)を、上記各半柱部17、17の中間部乃至先半部の幅W17以上で、円周方向に隣接する各半柱部17、17の中間部乃至先半部の間隔D17以下(W17≦W35≦D17)としている。この様な凸部35、35を形成した、上記受型29の先端部は、図2の(A)に示す様に、上記第二中間素材24の内側に、前記円環部21の円周方向に関して、上記各凸部35、35の位相と前記各素柱部25、25の位相とを一致させた状態で挿入する。
この様に、上記第二中間素材24の内側に上記受型29の先端部を挿入したならば、その後、図2の(B)に示す様に、上記各素柱部25、25の外周面を、前記押型30の内周面により、上記受型29の外周面に押し付ける。図示しない、プレス加工機のラムに固定されて昇降させられる、上記押型30の下端部は、上記第二中間素材24の素柱部25、25を上記各半柱部17、17に加工する為の円筒部36としている。そして、この円筒部36の内周面の形状を、これら各半柱部17、17の外周面と実質的に一致する形状としている。具体的には、上記円筒部36の内周面の形状を、完成後の上記各半柱部17、17の基半部31及び折れ曲がり部33の外周面の形状よりも僅かに(上記スプリングバック分だけ)小さい、段付円筒面状としている。
尚、上記受型29は上記押型30に対し、昇降を可能に、且つ、下方に向いた弾力を付与した状態で支持されている。即ち、上記押型30の上半部に形成した中心孔37に上記受型29の基部34を、がたつきなく、且つ、昇降自在に嵌合している。又、これら中心孔37の内周面と基部34の外周面との間には、キー係合等の回転防止機構(図示省略)を設ける事で、上記押型30を所定角度回転させる事により、上記受型29も同じ角度だけ回転させられる様にしている。又、この受型29の上端面にその下端部を結合固定したプッシュロッド38を、上記押型30の上端部に固定したガイドプレート39に、昇降自在に挿通している。更に、このガイドプレート39の上方に固定したばね受ハウジング40の奥端面(下面)と、上記プッシュロッド38の上端部に固設したばね受座41との間に、圧縮コイルばね等の押圧ばね42を設けて、上記受型29に、下方に向いた弾力を付与している。
上記各素柱部25、25の外周面を、上記押型30の内周面により、上記受型29の外周面に押し付けるべく、上記押型30を前記ラムにより下方に押圧した状態では、上記受型29が、図2の(B)に示す様に、上記押圧ばね42を弾性的に圧縮しつつ、上記押型30に対し上昇する(実際には、受型29がそのままの位置に止まり、この押型30のみが下降する)。従って、この受型29の先端面(片面)は、前記位置決め凸部28に外嵌した前記円環部21の下面を、前記受台27の上面に向けてしっかりと抑え付け、この円環部21を含む前記第二中間素材24が、不用意に動く事を防止する。上記押型30の下半部に設けられた、前記円筒部36は、この様に上記第二中間素材24を上記受台27の上面に抑え付けた状態で、上記図2の(B)に示す様に、この第二中間素材24の周囲に向け下降する。
そして、上記円筒部36の内周面により、上記各素柱部25、25の外周面を上記受型29の外周面に押し付けて、これら各素柱部25、25を前記各半柱部17、17に加工する。具体的には、これら各素柱部25、25を、上記円環部21の径方向に関してこの円環部21の外周縁と実質的に一致する部分に存在する基半部31と、同じくこの基半部31よりも内側寄り部分に存在する先半部32とを、折れ曲がり部33により連続させた断面クランク型として、上記各半柱部17、17とする。この状態では、上記受型29の先端部(下端部)外周面に形成した、前記各凸部35、35の位相が、上記各素柱部25、25或いは上記各半柱部17、17の位相と一致している。
次に、下降していたラムを上昇させて、このラムの下端部に固定した上記押型30を、図2の(C)に示す様に、途中まで上昇させる。具体的には、この押型30の下端縁が上記各半柱部17、17の上端縁よりも上方に位置するが、前記ガイドプレート39の上面と前記ばね受座41の下面との間に未だ隙間が存在する程度にまで、上記押型30を上昇させて、一旦停止する。
この状態から、図2の(D)の矢印αで示す様に、上記受型29を、鉛直方向に存在する自身の中心軸βを中心に所定角度だけ回転させる。尚、この受型29だけを回転させる事は難しい為、本例の場合には、上記押型30を上記所定角度だけ回転させる事により、上記受型29をこの所定角度だけ回転させる様にしている。この所定角度とは、上記各半柱部17、17の1/2ピッチ分(=上記各凸部35、35の1/2ピッチ分)としている。従って、上記所定角度分の回転に基づき、それまで一致していた、上記円環部21の円周方向に関する、上記各凸部35、35の位相と上記各半柱部17、17の位相とが、上記1/2ピッチ分ずれる。言い換えれば、これら各凸部35、35同士の間に存在する凹部43、43の位相と、上記各半柱部17、17の位相とが一致する。逆に言えば、上記各凸部35、35の位相と、これら各半柱部17、17同士の間に存在する、ポケットとなるべき各隙間部分44、44{図1の(B)参照}の位相とが一致する。
尚、上述の様に上記受型29を所定角度回転させる際に、前記保持器素子18が連れ回りしない様な構造を設ける。この様な構造は任意であるが、例えば、この保持器素子18の一部外周面と上記押型30の一部内周面とを凹凸係合させて、これら保持器素子18と押型30との相対回転を阻止する構造が考えられる(押型30を回転させずに受型29のみを回転させる場合)。或いは、上記保持器素子18と前記受台27との間に凹凸係合部を設けると共に、この受台27の回転を阻止する構造も採用できる(例えば、押型30を回転させずに受型29のみを回転させる場合、及び、押型30を介して受型29を回転させる場合)。何れにしても、上記保持器素子18の回転を阻止した状態で、上記受型29をこの保持器素子18に対し、シリンダ型或いはボールねじ式のアクチュエータとクランク腕を組み合わせた揺動機構等、適宜の揺動機構により、上記所定角度回転させる。
この様に、上記各凹部43、43の位相と上記各半柱部17、17の位相とが(上記各凸部35、35の位相と隙間部分44、44の位相とが)一致したならば、図2の(E)に示す様に、上記受型29の先端部を、プレス加工の結果得られた、上記保持器素子18の内側から抜き出す。この抜き出し作業は、前記ラムを上昇させる事により行なう。前述した通り、上記円環部21の円周方向に関する、上記各半柱部17、17の幅寸法は、上記各隙間部分44、44の幅寸法よりも小さいので、上記抜き出し作業時に、上記各半柱部17、17を傷める(変形させる)事はない。尚、上記各凹部43、43の位相とこれら各半柱部17、17の位相とを一致させる為には、上記受型29を停止させたまま、上記受台27を上記所定角度分回転させても良い。
上記保持器素子18は、上記受型29を抜き出した後、上記受台27の上面から取り出す。そして、前述の先発明と同様、図8に示した様に、1対の保持器素子18、18を接合して、前述の図4〜6に示した様なラジアルニードル軸受用保持器とする。
以上に述べた様に、本例のラジアルニードル軸受用保持器の製造方法によれば、前記各舌片22、22の中間部をクランク型に折り曲げて上記各半柱部17、17とする作業を、これら各舌片22、22を上記円環部21に対し直角に折り曲げた後に行なう。この為、これら各舌片22、22(各素柱部25、25)の中間部をクランク型に折り曲げて各半柱部17、17とした後、これら各半柱部17、17に曲げ加工を施す事がない。即ち、前述の図9に示した先発明の第1例の場合とは異なり、上記クランク型の曲げ加工の後に別の曲げ加工を行なう事がない。この為、この別の曲げ加工に伴い、各半柱部17、17の形状が歪む事がない。
しかも本例の場合には、上記クランク型の曲げ加工を、上記受型29の先端部外周面に形成した前記各凸部35、35の外周面により、前記各素柱部25、25の内周側面を抑えた状態で行なう為、上記クランク型の形状精度を確保できる。更に、上記受型29の先端部は、上記各凹部43、43の位相と上記各半柱部17、17の位相とが一致する迄回転させた状態で、曲げ加工を終了した状態の、上記保持器素子18の内側から抜き出す事ができる。この為、大量生産が可能な工業的手法により、良質の保持器を安定して得る事ができる。
本発明の実施の形態の1例を説明する為の、中間素材と保持器素子との、端面図及び断面図。 本発明の実施の形態の1例を、工程順に示す断面図。 受型の先端部の形状を示す斜視図。 従来から知られている遊星歯車の回転支持装置の1例を示す部分断面図。 同じくラジアルニードル軸受用保持器の1例を示す斜視図。 図5のA−A断面図。 円筒状に形成する前の中間素材を、円筒状とした場合に外周面となる側から見た図。 先発明の構造及び製造方法を、1対の保持器素子を結合する以前の状態で示す斜視図。 先発明の製造方法の第1例を、工程順に示す平面図及び断面図。 同第2例を示す、図9と同様の図。
符号の説明
1 キャリア
2a、2b 支持板
3 支持軸
4 遊星歯車
5 ラジアルニードル軸受
6 ニードル
7 保持器
8 内輪軌道
9 外輪軌道
10a、10b フローティングワッシャ
11 リム部
12 柱部
13 ポケット
14 中間素材
15 係止突部
16 内径側係止部
17 半柱部
18 保持器素子
19 素板
20 第一中間素材
21 円環部
22 舌片
23 第二中間素材
24 第二中間素材
25 素柱部
26 プレス加工機
27 受台
28 位置決め凸部
29 受型
30 押型
31 基半部
32 先半部
33 折れ曲がり部
34 基部
35 凸部
36 円筒部
37 中心孔
38 プッシュロッド
39 ガイドプレート
40 ばね受ハウジング
41 ばね受座
42 押圧ばね
43 凹部

Claims (2)

  1. 金属板に打ち抜き加工及び曲げ加工を施す事により、円環状のリム部と、このリム部からこのリム部に対し直角方向に折れ曲がった状態で、それぞれの基端部をこのリム部の外周縁に連続させた複数本の半柱部とを備えた、保持器素子とした後、1対の保持器素子のリム部を互いに同心に配置すると共に上記各半柱部の先端部同士を接合する、ラジアルニードル軸受用保持器の製造方法であって、上記金属板に打ち抜き加工を施す事により、上記リム部となるべき円環部と、この円環部の外周縁から放射方向に延びる舌片とを形成した後、この舌片をこの円環部に対し直角に折り曲げる事により、互いに平行な直線状の素柱部とし、次いで、外周面に凸部と凹部とを、加工すべき上記半柱部と同じピッチで交互に配置した受型の先端部を上記各素柱部の内半部内側に、上記円環部の円周方向に関する上記各凸部の位相とこれら各素柱部の位相とを一致させた状態で挿入してから、これら各素柱部の外周面を押型の内周面により上記受型の外周面に押し付けて、これら各素柱部を、上記円環部の径方向に関してこの円環部の外周縁と実質的に一致する部分に存在する基半部と、同じくこの基半部よりも内側寄り部分に存在する先半部とを、折れ曲がり部により連続させた、上記各半柱部としてから、これら各半柱部と上記受型とを、上記円環部の円周方向に関する上記各凹部の位相とこれら各半柱部の位相とが一致する迄相対回転させ、次いで、上記受型の先端部を上記保持器素子の内側から抜き出すラジアルニードル軸受用保持器の製造方法。
  2. リム部となるべき円輪状の円環部の外周縁から直角に折れ曲がった、互いに平行で円周方向に等間隔に配置された、それぞれが直線状の素柱部の長さ方向中間部を折り曲げる事により、上記円環部の径方向に関してこの円環部の外周縁と実質的に一致する部分に存在する基半部と、同じくこの基半部よりも内側寄り部分に存在する先半部とを、折れ曲がり部により連続させた各半柱部とする為の加工を行なう、受型と押型とを備えたラジアルニードル軸受用保持器の製造装置であって、この受型は、上記各半柱部の先半部の内周面に実質的に合致する外周面を有する円柱状の基部と、この基部の先端部外周面に、円周方向に関して上記素柱部及び半柱部と同じピッチで固設された、上記各半柱部の基半部及び折れ曲がり部の内周面の形状に実質的に合致する形状の外周面を有する複数の凸部とを備え、これら各凸部の円周方向に関する幅を、上記各半柱部の幅以上で円周方向に隣接する各半柱部の間隔以下としたものであり、上記押型は、上記各半柱部の外周面と実質的に一致する形状の内周面を有するものである、ラジアルニードル軸受用保持器の製造装置。
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