JP5903929B2 - ころ軸受用保持器 - Google Patents
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Description
特に、本発明のころ軸受用保持器に於いては、前記各ポケットは、それぞれ少なくとも1つの抜け止め片を備える。これら各抜け止め片は、それぞれ前記各ポケットの円周方向両側縁(これら各ポケットの内周縁のうちで、前記本体の円周方向に関して互いに対向する1対の側縁)のうちの何れか一方の円周方向側縁から前記本体の厚さ方向に折れ曲がると共に、それぞれの先端側部分を、円周方向に関して前記各ポケットの内側に突出させた状態で設けられている。又、前記各抜け止め片は、それぞれの先端側部分の内側面により、前記各ポケットの内側に保持された前記各ころの外周面を案内する事によって、これら各ころが、前記各ポケットの両端開口部のうちの前記各抜け止め片の折れ曲がり側の開口部を通じて外側に抜け出る事を防止可能である。
更に、本発明の場合、前記各ポケットは、それぞれ前記抜け止め片として、前記本体の厚さ方向片側に折れ曲がったものと、他側に折れ曲がったものとのうちの、少なくとも一方のものを備えており、これら何れの側に折れ曲がったものも、同方向に折れ曲がったものに関しては、前記各ポケットの円周方向両側縁のうちの何れか一方の円周方向側縁にのみ設けられている。
特に、本発明の場合、前記各ポケットは、それぞれ前記抜け止め片として、前記本体の厚さ方向片側に折れ曲がったものと、他側に折れ曲がったものとの、双方のものを備えている。
そして、前記双方のものは、前記各ポケットの円周方向両側縁のうち、互いに同側の円周方向側縁に設けられている。
或いは、請求項3に記載した発明の様に、前記本体を円筒状にして、この本体の幅方向を軸方向にすると共に、この本体の厚さ方向を径方向とする。そして、ラジアルころ軸受に組み込んで使用する。
又は、本発明の技術的範囲からは外れるが、前記各ポケットに、それぞれ前記抜け止め片として、前記本体の厚さ方向片側に折れ曲がったもののみを備えさせる事もできる。
又、上述の請求項2に記載した発明を実施する場合には、請求項5に記載した発明の様に、前記本体を、この本体の厚さ方向に重ねて配置された、弾性を有する2枚の金属板を含んで構成する事もできる。この場合には、前記各抜け止め片のうちで、前記本体の厚さ方向片側に折れ曲がったものを、前記2枚の金属板のうちの一方の金属板により形成し、同じく他側に折れ曲がったものを、他方の金属板により形成する。
即ち、本発明のころ軸受用保持器の場合には、前記各ポケットの片側の開口部と他側の開口部との、双方の開口部から抜け止め片の先端側部分が突出している。
そこで、先ず、前記各ポケットの片側の開口部と他側の開口部とのうち、何れか一方の側の開口部を通じて、前記各ポケット内に前記各ころを挿入する場合に就いて考える。この場合、これら各ころは、前記各抜け止め片の先端側部分を弾性変形させる事により、前記各ポケットの開口部の円周方向幅を押し拡げつつ、前記各ポケット内に押し込む。この場合に、前記各抜け止め片の先端側部分は、前記各ポケットの外側に突出している為、前記ころ軸受用保持器の本体と独立して弾性変形させる事ができる。従って、この場合には、前記各ポケット内に前記各ころを挿入する作業を、総て同時に行ったとしても、挿入の際に、前記本体のうちで円周方向に隣り合うポケット同士の間に存在する柱部が、前記各ころ同士の間で円周方向に突っ張る事はない。この為、これら各柱部に阻害される事なく、前記各ポケット内に前記各ころを挿入する作業を、総て同時に行える。特に、本発明の場合、前記各ポケットの開口部から突出した抜け止め片の先端側部分は、これら各開口部の円周方向両側縁のうちの何れか一方の円周方向側縁に寄った位置にのみ配置されている。この為、前記各ポケット内に前記各ころを挿入する作業は、これら各ころを、これら各ポケットの開口部の円周方向両側縁のうちの他方の円周方向側縁の側から、斜めに押し込む様にして行う事になる。この結果、この押し込みに伴って、前記各抜け止め片の先端側部分を、前記各開口部の円周方向幅が拡がる方向に弾性変形させ易くできる。従って、前記各ポケット内に前記各ころを挿入する際の作業性を高められる。
即ち、本発明のころ軸受用保持器の場合には、前記本体のうち、前記各ポケットを形成する部分である幅方向中間部の断面形状を、この幅方向に関して屈曲させる必要はない。従って、長さの短いころを保持する為に、前記各ポケットの長さを短くする場合でも、前記本体の幅方向中間部を所望通りの形状とする事ができる。この結果、この幅方向中間部に形成する前記各ポケットの形状精度を良好にできる。
又、本発明の場合には、前記本体の幅方向に関する、前記抜け止め片の長さを、前記各ポケットの長さと同じ寸法にできる。この為、長さの短いころを保持する場合でも、このころの外周面と、前記抜け止め片の先端側部分の内側面との接触部の長さを、十分に確保できる。従って、前記各ポケット内での前記各ころの姿勢を安定させる事ができる。
図1〜7は、本発明に関する参考例の第1例を示している。本参考例のころ軸受用保持器は、スラストころ軸受に組み込んで使用するもので、鋼板等の弾性を有する1枚の金属板に塑性加工及び打ち抜き加工を施す事により、一体に造られている。この様な本参考例のころ軸受用保持器は、円輪状の本体1aと、この本体1aの径方向中間部の円周方向等間隔の複数箇所に、これら各箇所を軸方向に貫通する状態で設けられた、放射方向に長い矩形のポケット2a、2aとを備える。これら各ポケット2a、2aの内側には、図6〜7に示す様に、それぞれ円柱状のころ4、4を転動自在に保持可能としている。又、前記本体1aの径方向中間部で、円周方向に隣り合う各ポケット2a、2a同士の間部分は、柱部5a、5aとなっている。
図8〜9は、本発明に関する参考例の第2例を示している。本参考例のころ軸受用保持器の場合には、各ポケット2b、2bの円周方向両側縁のうちの径方向両端部にのみ、それぞれ本体1aの軸方向片側又は他側に折れ曲がった抜け止め片6a1、6b1を設けている。
その他の部分の構造及び作用は、上述の図1〜7に示した参考例の第1例の場合と同様である為、重複する図示並びに説明は省略する。
図10〜11は、本発明に関する参考例の第3例を示している。本参考例のころ軸受用保持器の場合には、各ポケット2c、2cの円周方向片側縁の径方向両端部と円周方向他側縁の径方向中間部とにのみ、それぞれ本体1aの軸方向片側又は他側に折れ曲がった抜け止め片6a1、6b2を設けている。
その他の部分の構造及び作用は、前述の図1〜7に示した参考例の第1例の場合と同様である為、重複する図示並びに説明は省略する。
図12〜13は、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例のころ軸受用保持器の場合には、各ポケット2d、2dの円周方向片側縁の径方向両端部に、本体1aの軸方向片側に折れ曲がった抜け止め片6a1、6a1を、同じく径方向中間部に、軸方向他側に折れ曲がった抜け止め片6b2を、それぞれ設けている。本例の場合、前記各ポケット2d、2dの円周方向他側縁には、抜け止め片を設けていない。
その他の部分の構造及び作用は、前述の図1〜7に示した参考例の第1例の場合と同様である為、重複する図示並びに説明は省略する。
図14〜15は、本発明に関する参考例の第4例を示している。本参考例のころ軸受用保持器は、完成後の状態では、前述の図1〜7に示した参考例の第1例のころ軸受用保持器と実質的に同様の構成を有する。但し、前述した参考例の第1例のころ軸受用保持器が、1枚の金属板から造ったものであるのに対し、本参考例のころ軸受用保持器は、2枚の金属板から造ったものとしている。即ち、本参考例のころ軸受用保持器は、それぞれが鋼板等の弾性を有する金属板製である、1対の保持器素子9a、9b同士を、互いに組み合わせる事により構成している。
その他の部分の構造及び作用は、前述の図1〜7に示した参考例の第1例の場合と同様である為、重複する図示並びに説明は省略する。
図16〜18は、本発明に関する参考例の第5例を示している。本参考例のころ軸受用保持器の場合には、各ポケット2f、2fの円周方向片側縁にのみ、本体1aの軸方向片側に折れ曲がった抜け止め片6a、6aを設けており、同じく円周方向他側縁には、抜け止め片を設けていない。
その他の部分の構造及び作用は、前述の図1〜7に示した参考例の第1例の場合と同様である為、重複する図示並びに説明は省略する。
図19は、本発明に関する参考例の第6例を示している。本参考例のころ軸受用保持器は、ラジアルころ軸受に組み込んで使用するもので、鋼板等の弾性を有する1枚の金属板に塑性加工及び打ち抜き加工を施す事により、一体に造られている。この様な本参考例のころ軸受用保持器は、円筒状の本体1cと、この本体1cの軸方向中間部の円周方向等間隔の複数箇所に、これら各箇所を径方向に貫通する状態で設けられた、軸方向に長い矩形のポケット2g、2gとを備える。これら各ポケット2g、2gの内側には、それぞれ円筒状のころを転動自在に保持自在である。又、前記本体1cの軸方向中間部で、円周方向に隣り合う各ポケット2g、2g同士の間部分は、柱部5b、5bとなっている。又、本参考例の場合、前記各ポケット2g、2gの円周方向片側縁にのみ、前記本体1cの内径側に折れ曲がった抜け止め片6c、6cを設けており、同じく円周方向他側縁には、抜け止め片を設けていない。
保持器の形状が円輪状から円筒状に変わった点を除き、その他の部分の基本構造及び作用は、前述の図1〜7に示した参考例の第1例の場合と同様である為、重複する図示並びに説明は省略する。
又、本発明を実施する場合には、ラジアルころ軸受用の保持器に関して、内径側に折れ曲がった抜け止め片だけでなく、外径側に折れ曲がった抜け止め片を設ける事もできる。
2、2a〜2g ポケット
3a〜3c 係合突部
4 ころ
5、5a、5b 柱部
6a、6b、6a1、6b1、6b2、6c 抜け止め片
7 透孔
8a、8b 舌片
9a、9b 保持器素子
10a、10b 円輪部
11a、11b 透孔
12 軌道輪
13 円輪部
14 円筒部
15 かしめ部
Claims (5)
- 円環状の本体と、この本体の幅方向中間部の円周方向複数箇所を厚さ方向に貫通する状態で設けられ、それぞれの内側にころを転動自在に保持自在としたポケットとを備えた、弾性を有する金属板製のころ軸受用保持器に於いて、
これら各ポケットは、それぞれ複数の抜け止め片を備えており、これら各抜け止め片は、それぞれ前記各ポケットの円周方向両側縁のうちの何れか一方の円周方向側縁から前記本体の厚さ方向に折れ曲がると共に、それぞれの先端側部分を、円周方向に関して前記各ポケットの内側に突出させた状態で設けられたもので、それぞれの先端側部分の内側面により、前記各ポケットの内側に保持された前記各ころの外周面を案内する事によって、これら各ころが、前記各ポケットの両端開口部のうちの前記各抜け止め片の折れ曲がり側の開口部を通じて外側に抜け出る事を防止可能なものであり、
前記各ポケットは、それぞれ前記抜け止め片として、前記本体の厚さ方向片側に折れ曲がったものと、他側に折れ曲がったものとの、双方のものを備えており、これら双方のものは、前記各ポケットの円周方向両側縁のうち、互いに同側の円周方向側縁に設けられている事を特徴とするころ軸受用保持器。 - 前記本体が円輪状であって、この本体の幅方向が径方向であると共に、この本体の厚さ方向が軸方向であり、スラストころ軸受に組み込んで使用する、請求項1に記載したころ軸受用保持器。
- 前記本体が円筒状であって、この本体の幅方向が軸方向であると共に、この本体の厚さ方向が径方向であり、ラジアルころ軸受に組み込んで使用する、請求項1に記載したころ軸受用保持器。
- 弾性を有する1枚の金属板から造られている、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載したころ軸受用保持器。
- 前記本体が、この本体の厚さ方向に重ねて配置された、弾性を有する2枚の金属板を含んで構成されており、前記各抜け止め片のうちで、前記本体の厚さ方向片側に折れ曲がったものは、前記2枚の金属板のうちの一方の金属板により形成されており、同じく他側に折れ曲がったものは、他方の金属板により形成されている、請求項2に記載したころ軸受用保持器。
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